JPH09202387A - 電子部品搬送体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電子部品搬送体において、カウント
マークを成形する金型の寿命を向上し得ると共に、製造
のスループツトを向上させるようにする。 【解決手段】テープ状のシート又はフイルムの長手方向
に所定間隔をもつて形成された収納容器間に、所定数お
きに窪みを形成して、この窪みをカウントマークとす
る。窪みでなるカウントマークを形成するようにしたこ
とにより、微小な径の場合でも金型にかかる負担を軽減
することができる。また収納容器間にカウントマークを
設けることにより、収納容器及びカウントマークを同一
の金型を用いて同一の工程で成形することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電子部品搬送体に関
し、例えば収納した電子部品をインサートマシンによる
機械的手段で自動的に取り出されて基板上に実装される
ものに適用して好適なものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、基板上に実装される電子部品は、
昨今、その部品点数及び種別が多いために人手によつて
装着することが困難であり、大部分の部品がインサート
マシン等の機械的手段によつて基板上に装着されてい
る。このため、電子部品はテープ状の搬送体（いわゆる
搬送トレイ）に載せられた状態で部品メーカから出荷及
び搬送されており、この状態のままでインサートマシン
の供給装置に取り付けることができるようになつてい
る。このように搬送体は、電子部品を載せた状態でイン
サートマシンの供給装置に取り付けられることによりイ
ンサートマシンに遅滞無く電子部品を供給することがで
き、基板上への電子部品の装着効率を向上させることが
できる。

【０００３】図３において、１は全体として電子部品搬
送体を示し、テープ状のシート又はフイルムの幅方向の
中央部に、収納対象となる電子部品の大きさに応じて形
成された凹部形状でなる収納容器（以下、これをエンボ
ス部と呼ぶ）２を所定間隔をもつて複数有している。ま
た電子部品搬送体１の幅方向の両側端には側端に沿つて
送り穴３が所定のピツチ間隔でそれぞれ形成されてい
る。さらに、一方の側端に沿つてエンボス部２の所定数
毎にカウント孔４が設けられている。電子部品搬送体１
では、エンボス部２と送り穴３を同一工程で形成した
後、別工程でカウント孔４を形成するようになされてい
る。

【０００４】図４に示すように、このようにして形成さ
れた電子部品搬送体１は、リールで渦巻き形状に巻き取
られた状態で搬送されると共にインサートマシンの供給
装置に取り付けられる。電子部品搬送体１は、このよう
な形状で搬送されるために、多くの部品を収納した状態
でも、より小さい空間に効率的に収納することができ
る。また同様の理由により、供給装置内の電子部品搬送
体１を収納する空間を小型化することができる。

【０００５】こうして巻き取られた状態で供給装置に取
り付けられた電子部品搬送体１は、送り穴３をインサー
トマシン内のスプロケツトに嵌合させる。送り穴３をス
プロケツトに嵌合させた電子部品搬送体１は、スプロケ
ツトの回転駆動により解かれながら引き出される。また
供給装置は、こうして引き出しながらカウント孔４を検
出することにより電子部品をいくつ取り出したかをカウ
ントする。かくして、引き出された部分から収納された
電子部品を取り出すことができると共に、取り出した電
子部品がいくつであるかを把握することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
電子部品搬送体１においては、カウント孔４の径が微小
であるためにカウント孔４を打ち抜いて形成する金型ピ
ンに単位面積あたりでかかる力が極めて大きい。そのた
めに金型ピンの磨耗が著しく、その耐久性に比して寿命
が極めて短いという問題がある。

【０００７】また送り穴３を形成する際は、送り穴３の
両側を電子部品搬送体１の長手方向に沿つて支持しなが
ら金型ピンで打ち抜くことにより送り穴３を形成してお
り、またカウント孔４を形成する際はカウント孔４に沿
つた両側を支持しながら金型ピンで打ち抜くようになさ
れている。

【０００８】ところが、ここで送り穴３とカウント孔４
とは近接した位置に設定されているため（図３）に、送
り穴３を形成する際にはカウント孔４が送り穴３の両側
を支持する上で妨げとなり、カウント孔４を形成する際
には送り穴３がカウント孔４の両側を支持する上で妨げ
となる。このため、カウント孔４を形成する工程とエン
ボス部２及び送り穴３を形成するための工程とは別工程
となつている。このように工程数が余計にかかると、製
品不良の発生率が増加し、またメンテナンスが煩雑にな
るという問題がある。

【０００９】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、カウントマークを成形する金型の寿命を向上し得る
と共に、製造のスループツトを向上させることができる
電子部品搬送体を提案しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、テープ状のシート又はフイルムの
長手方向に所定間隔をもつて形成された収納容器間に、
所定数おきに窪みを形成して、この窪みをカウントマー
クとする。

【００１１】窪みでなるカウントマークを形成するよう
にしたことにより、微小な径の場合でも金型にかかる負
担を軽減することができる。また、収納容器間にカウン
トマークを設けることにより、収納容器及びカウントマ
ークを同一の金型を用いて同一の工程で成形することが
できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。

【００１３】図１において、１０は全体として電子部品
搬送体を示し、テープ状のシート又はフイルムの幅方向
の中央部に、収納対象となる電子部品の大きさに応じて
形成された凹部形状でなる収納容器（以下、これをエン
ボス部と呼ぶ）１１を所定間隔をもつて複数有してい
る。また電子部品搬送体１０の幅方向の両側端には側端
に沿つて送り穴１２が所定のピツチ間隔でそれぞれ形成
されている。さらにエンボス部１１には、所定数毎に、
隣接するエンボス部１１との間にカウントマーク１３が
設けられている。

【００１４】カウントマーク１３は、円形状でなると共
に所定の深さを有する凹部形状の窪みでなる。カウント
マーク１３は、隣接するエンボス部１１間に設けられる
ようになされているため、エンボス部１１を成形する際
に用いられる金型を使つて同一工程で成形することがで
きる。すなわち、エンボス部１１を成形する金型に、予
めカウントマーク１３の型を形成しておく。カウントマ
ーク１３の型は、隣接するエンボス部１１間に、所定数
毎に一つ形成する。こうして形成した金型を用いて、テ
ープ状のシート又はフイルム上にエンボス部１１及びカ
ウントマーク１３を形成すると共に、送り穴１２を金型
ピンで打ち抜いて形成する。

【００１５】電子部品搬送体１０は、エンボス部１１間
にカウントマーク１３を設けるようにしたことにより、
このようにエンボス部１１と同一の金型を用いて成形す
ることができ、またエンボス部１１及び送り穴１２と共
にカウントマーク１３を同一工程で形成することができ
る。

【００１６】以上の構成において、電子部品搬送体１０
は、カウントマーク１３を所定の深さを有する凹部形状
の窪みに形成したことにより、従来のように金型ピンで
打ち抜いて形成した貫通孔をカウント穴４（図２）とす
る場合に比して、金型にかかる負担を軽減することがで
きる。

【００１７】すなわち、従来は金型ピンで打ち抜くこと
によりカウント穴４を形成していたため、金型ピン本体
及び受け側の金型にそれぞれ負担がかかつていた。また
カウント穴４が微小な径で設定されているために、カウ
ント穴４を打ち抜く金型ピンが極細のピンでなり、単位
面積あたりにかかる圧力が極めて大きいものとなつてい
た。このため、カウント穴４を成形するための金型ピン
は、その耐久性に比して寿命が極めて短いものとなつて
いた。

【００１８】電子部品搬送体１０は、打ち抜いて形成す
る貫通孔ではなく、所定の深さを有する凹部形状の窪み
をカウントマーク１３としたことにより、径が微小であ
つても、カウントマーク１３を成形する金型にかかる負
担を従来に比して軽減することができ、金型の寿命を向
上させることができる。

【００１９】また電子部品搬送体１０は、エンボス部１
１を成形するための金型上にカウントマーク１３を成形
するための型を設けて、カウントマーク１３を隣接する
エンボス部１１間に形成するようにしたことにより、エ
ンボス部１１を成形する金型と同一の金型を用いてカウ
ントマーク１３を成形することができると共に、エンボ
ス部１１を成形する工程と同一の工程でカウントマーク
１３を成形することができる。このため、従来のよう
に、エンボス部１１を成形する工程とカウントマーク１
３を成形する工程とを別工程に分割する必要が無くなる
ために工程数を削減でき、製品不良の発生率を低減し得
ると共にメンテナンスが煩雑になることを防止すること
ができ、かくするにつき、製造の際のスループツトを向
上させることができる。

【００２０】以上の構成によれば、カウントマーク１３
を所定の深さを有する凹部形状の窪みに形成すると共に
カウントマーク１３を隣接するエンボス部１１間に形成
するようにしたことにより、カウントマーク１３を成形
する金型にかかる負担を軽減することができると共に、
エンボス部１１を成形する金型と同一の金型を用いて同
一の工程でカウントマーク１３を成形することができ、
かくして、カウントマーク１３を成形する金型の寿命を
向上し得ると共に、製造のスループツトを向上させるこ
とができる電子部品搬送体１０を実現することができ
る。

【００２１】なお上述の実施例においては、円形状でな
ると共に所定の深さを有する凹部形状をカウントマーク
１３として設ける場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、他の形状でなる窪みをカウントマークとして
設けてもよい。例えば図２において示すように、カウン
トマーク１４はＶ字形状の窪みでなり、エンボス部間に
設けられる。このように、上述の実施例で示した以外の
形状でなる窪みをカウントマークとして設ける。この場
合も、実施例と同様の効果が得られる。

【００２２】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、テープ状
のシート又はフイルムの長手方向に所定間隔をもつて形
成された収納容器間に、所定数おきに窪みを形成して、
この窪みをカウントマークとすることにより、カウント
マークを成形する金型にかかる負担を軽減することがで
きると共に、収納容器及びカウントマークを同一の金型
を用いて同一の工程で成形することができ、かくしてカ
ウントマークを成形する金型の寿命を向上し得ると共
に、製造のスループツトを向上させることができる電子
部品搬送体を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例による電子部品搬送体を示す平面図及び
側面図である。

【図２】他の実施例によるカウントマークを示す平面図
及び側面図である。

【図３】従来の電子部品搬送体を示す平面図である。

【図４】電子部品搬送体からの電子部品の取り出しを説
明するために供するインサートマシンの概略を示す側面
図である。

【符号の説明】

１、１０……電子部品搬送体、２、１１……エンボス部
（収納容器）、３、１２……送り穴、４……カウント
孔、１３、１４……カウントマーク。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】収納対象の電子部品に対応する大きさの凹
   部形状でなる収納容器をテープ状のシート又はフイルム
   に所定間隔をもつて複数形成してなる電子部品搬送体に
   おいて、 隣接する上記収納容器との間に、上記収納容器の所定数
   おきに形成した窪みを具えることを特徴とする電子部品
   搬送体。
2. 【請求項２】上記窪み及び上記収納容器は、 同一の金型を用いて成形されることを特徴とする請求項
   １に記載の電子部品搬送体。