JPH0920232A - 油圧回路 - Google Patents

油圧回路

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JPH0920232A
JPH0920232A JP19401495A JP19401495A JPH0920232A JP H0920232 A JPH0920232 A JP H0920232A JP 19401495 A JP19401495 A JP 19401495A JP 19401495 A JP19401495 A JP 19401495A JP H0920232 A JPH0920232 A JP H0920232A
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JP
Japan
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hydraulic
pressure
oil
valve
brake
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JP19401495A
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Nobuaki Inoue
信昭 井上
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧回路において、劣化した作動油の回収と
エア抜きを確実にすると共に作動油を回収する配管の耐
圧条件を緩和する。 【構成】 この油圧回路は、油圧発生機構2が発生した
高い油圧が逆止弁34、加圧供給管13を経て油圧作動
機構3に供給される時、パイロット油圧作動開閉弁30
においてピストン42が右動して開閉弁54を閉じ、油
圧作動機構3は通常の油圧動作をする。油圧発生機構2
の発生油圧が低下すると、逆止弁34が閉じるとともに
開閉弁54が開き、劣化したり気泡を含む可能性がある
作動油は、油圧作動機構3から除圧戻り管26、開閉弁
54を経て低圧の状態でタンク4に回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マスタシリンダ等の
油圧源から車両のブレーキやクラッチ等の油圧作動機構
に供給される作動油を循環調整する油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マスタシリンダ等の油圧源からブ
レーキシリンダ等の油圧作動機構に油圧を伝える配管が
単一管である油圧回路は、基本的に、油圧源と油圧作動
機構との間において流量を利用するのではなく圧力を利
用する回路であり、加圧時に管内を油圧作動機構に向か
って移動した作動油は除圧時に同一管内をそのまま油圧
源側に戻るため、配管内や油圧作動機構内の作動油が置
き換わることが殆どなく、作動油が長期にわたって殆ど
同じ場所に留まっていた。
【0003】従って、従来の油圧回路として、油圧作動
機構によって作動される装置がブレーキやクラッチのよ
うに熱を発生するものである場合には、油圧作動機構内
及び油圧作動機構の近くの配管内に存在する作動油が熱
の直接的な影響を受けて高温化し、作動油内に溶け込ん
でいた気体成分が蒸発したり、作動油の油質が劣化する
のを免れ得なかった。作動油内において蒸発した気体成
分が多くなる場合には、蒸発気体は作動油内に泡を形成
し、該泡の圧縮性のために油圧作動機構の作動が不正確
になり、特に、油圧作動機構がブレーキシリンダである
時には、ベーパロック現象が生じて車両の制動が有効に
働かず、事故を引き起こす危険に晒される等の不都合が
あった。また、従来の油圧回路では、新しくきれいな作
動油との置換が行われないため、油圧作動機構の作動に
伴う摺動時に発生した金属やシールの微小破片等のゴミ
や汚れが劣化した作動油内に滞り、このような状態が長
期にわたって続くと油圧作動機構のピストンとシリンダ
間等の摺動部分に膠着が生じるという不都合もあった。
【0004】そこで、従来、油圧回路として、図2に示
すように、油圧源であるマスターシリンダ70と油圧作
動機構としてのブレーキシリンダ71との間において、
圧力導入回路72と除圧回路73とを別々に接続し、加
圧時に導入された作動油を除圧時には除圧回路へ戻るよ
うに、それぞれの回路に作動油の流れの方向にのみ開弁
する逆止弁74,75を設けて、管路内の作動油を圧力
導入回路72からブレーキシリンダ71を経て除圧回路
73に循環させ、これらから成る循環回路で放熱するよ
うに構成したものが知られている(例えば、実開昭56
−110055号公報、実開昭59−149555号公
報等参照)。また、従来の油圧回路として、圧力導入回
路と除圧回路とは、油圧源から油圧作動機構に至る配管
の途中で分岐するのではなく、油圧源から直接別れて油
圧作動機構に各別に繋がるように設けたものも知られて
いる(例えば、実開昭59−88364号公報参照)。
【0005】上記のような油圧回路においては、加圧時
に、マスターシリンダ70の作動によって発生した作動
油の圧力が、圧力導入回路72内に設けられた逆止弁7
4を開弁し、制動に必要な油量が逆止弁74を通してブ
レーキシリンダ71に供給される。また、除圧時には、
マスターシリンダ70からの加圧はなくなるが、一方、
ブレーキ装置に設けられているブレーキシュー77を復
帰させるリターンスプリング76等の復帰作用によって
ブレーキシリンダ71内で圧力が上昇する。ブレーキシ
リンダ71内の作動油は、圧力導入回路72に対して
は、圧力導入回路72内に設けられた逆止弁74の逆止
め作用によってマスターシリンダ70側に戻ることがで
きないが、除圧回路73に対しては、上昇した圧力が除
圧回路73内に設けられた逆止弁75を開弁するので、
マスターシリンダ70側に戻ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の油圧回路には次のような問題がある。油圧回路に
おける除圧回路はマスターシリンダの下流に接続して設
けられているので、ブレーキペダルを踏み込んだときに
マスターシリンダに生じる圧力は除圧回路にも作用す
る。この圧力は、除圧回路に戻ってきた油やエアがマス
ターシリンダに戻ろうとするのを助けようとするもので
はなく、却って戻りを妨げようとするものである。圧力
導入管と除圧管とが、マスターシリンダの下流の途中か
ら分岐する形式のものではこの現象が強く現れる。ま
た、圧力導入管と除圧管とをマスターシリンダから直接
分岐する形式のものではこの現象が現れることは少ない
が、マスターシリンダ内で新旧の作動油が混合されるこ
とは依然として避けられず、作動油がタンクに戻り難
く、作動油の劣化やエア発生の状況を目視によって確認
することが事実上困難である。そのため、従来の油圧回
路では、劣化した作動油の回収やエア抜きを十分に行う
ことができないという問題があった。特に、ブレーキペ
ダルの踏込みと踏込みを解除したときのブレーキペダル
の戻りとが続いたときに、このような不都合な傾向が強
くなることが知られている。また、除圧回路の配管の強
度をマスターシリンダからの作動圧力に耐える強度とす
る必要があるので、圧力導入回路の配管のみならず、除
圧回路の配管をもその全ての範囲にわたって、ある程度
の強度を確保しなければならず、重量やコストを低減で
きないという点でも問題があった。
【0007】従って、油圧回路において、劣化した作動
油の回収や作動油内のエア抜きの目的で僅かの流量を油
圧源と油圧作動機構との間で循環させる場合、油圧作動
機構から作動油戻り管を通して戻ろうとする作動油を、
当該作動油戻り管が接続されるマスターシリンダに対し
て戻すのではなく、低圧の状態でタンクに対して直接戻
すことができれば、マスターシリンダからの高い圧力
は、戻りつつある作動油に対して作用せず、しかも戻り
管を高耐圧性のものとする必要もなくなり、上記の問題
を解決することができるという課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、ブレーキや
クラッチ等の油圧作動機構からの戻り管を直接タンクに
接続して、作動油が高圧のときにはタンクへの戻りを遮
断するが、作動油が低圧の状態のときのみタンクに直接
戻すことにより、劣化した作動油の回収や作動油内のエ
ア抜きを十分に行うとともに、低圧のときにのみ作動油
を通すことによって配管に必要な耐圧性を緩和すること
ができるブレーキやクラッチ等の油圧回路に関する。
【0009】この発明は、タンクからの作動油の補給を
受けると共に油圧を発生させる油圧発生機構、発生した
油圧を利用する油圧作動機構、前記油圧発生機構からの
作動油を逆止弁を介して前記油圧作動機構に供給する加
圧供給管、前記油圧作動機構から作動油を回収する除圧
戻り管、及び前記逆止弁上流の油圧をパイロット油圧と
して該パイロット油圧の高低に応じて前記除圧戻り管の
遮断又は連通を行うパイロット油圧作動開閉弁、から構
成したことを特徴とする油圧回路に関する。
【0010】この発明による油圧回路は、油圧発生機構
を作動させて作動油を加圧した時には、発生した高い油
圧が加圧供給管内に設けられた逆止弁を開放し、油圧は
加圧供給管から油圧作動機構に供給される。この時、パ
イロット油圧が高くなるので、パイロット圧作動開閉弁
は閉鎖して油圧作動機構に油圧が閉じ込められることに
なり、油圧作動機構は所定の油圧作動を行う。また、油
圧発生機構の作動を解除した除圧時には、油圧発生機構
からの加圧はなくなるので、逆止弁は閉鎖して、油圧作
動機構の作動終了に伴う油圧作動機構からの圧油は逆止
弁を通って油圧発生機構側に戻ることはない。しかし、
このとき、パイロット油圧は低くなっているので、パイ
ロット圧作動開閉弁は開成し、油圧作動機構からの圧油
は除圧戻り管を経て外部に回収することができる。この
ように、油圧発生機構が発生させた油圧をパイロット油
圧とし、パイロット油圧の大きさによって開閉弁の開閉
動作をさせることにより、除圧戻り管の遮断と連通を切
り換えている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による油圧回路の実施例について説明する。図1はこの
発明による油圧回路をディスクブレーキ作動用の油圧回
路に適用した一実施例を説明する回路図である。
【0012】図1に示すように、油圧回路1は、油圧発
生機構であるマスターシリンダ2から油圧作動機構であ
るキャリパ型ディスクブレーキ3に加圧された作動油を
供給してディスクブレーキを作動させるものである。マ
スターシリンダ2は、作動油を貯蔵するタンク4の下部
に接続された補給管5から逆止弁6を介して作動油の補
給を受ける。逆止弁6は、タンク4からマスターシリン
ダ2に向かう作動油の流れのみを許容するものであるの
で、マスターシリンダ2を作動させたときに発生する油
圧は逆止弁6で遮断され、作動油のタンク4への逆流は
生じない。操作者がペダル7をばね8の力に抗して踏み
込むと、ピストン10は、ロッド9を介してシリンダ内
に押し込まれ、油室12に高い油圧を発生させる。操作
者がペダル7の踏み込みを解除すると、ペダル7はばね
8によって自動的に元のブレーキ解除位置に復帰すると
共に、ロッド9及びピストン10も復帰ばね11によっ
て元の位置に戻る。この時、油室12内の高い油圧は消
失し、後述する循環によって送られた量に相当する作動
油は、逆止弁6を介してタンク4から補給される。この
実施例では、マスターシリンダ2及びキャリパ型ディス
クブレーキ3は、従来のものを使用できるものである。
【0013】ディスクブレーキ3は、例えば、車軸と共
に回転可能なブレーキディスク22の外周部を跨ぐキャ
リパ15を有している。キャリパ15は、ブレーキディ
スク22の一側にはシリンダ部16を有し、他側には反
作用部21を有し、固定部材(図示せず)に対してブレ
ーキディスク22の軸線方向に摺動可能である。シリン
ダ部16のシリンダ孔17内には、ブレーキディスク2
2に対して接離する方向に摺動するピストン18が設け
られ、シリンダ孔17とピストン18とで油圧作動室2
0を形成している。油圧作動室20は、シリンダ孔17
とピストン18との間に設けられる環状シール19でシ
ールされている。環状シール19は弾性体から形成され
るので、ピストン18が押し出されるときに弾性変形
し、ブレーキの解除時にはその復元力により作動後のピ
ストン18を元の位置に復帰させる。ピストン18及び
反作用部21とブレーキディスク22との間は摩擦パッ
ド23,24が配置されている。摩擦パッド23,24
は、上記固定部材に対してブレーキディスク22の軸線
方向に摺動自在に支持され、ブレーキディスク22と接
触した時にブレーキディスク22と共回りをしないよう
に保持される。
【0014】マスターシリンダ2で発生した作動油の油
圧が、加圧供給管13のマスターシリンダ側部分13a
及びプラグ14を介してディスクブレーキ3の油圧作動
室20に到達すると、油圧作動室20内の作動油はピス
トン18を押し出して、摩擦パッド24をブレーキディ
スク22の一側に接触させる。その反作用により、キャ
リパ15は図1において右方向に移動し、反作用部21
は摩擦パッド23をブレーキディスク22の他側に接触
させる。ブレーキディスク22は、二つの摩擦パッド2
3,24に強く締め付けられており、ブレーキディスク
22に対して制動作用が働く。マスターシリンダ2から
のブレーキ圧力が解除されると、油圧作動室20内の高
い油圧は解消し、環状シール19の復元力により、ピス
トン18とキャリパ15の反作用部21とは僅かにブレ
ーキディスク22から離れる方向に移動する。摩擦パッ
ド23,24はブレーキディスク22との間に僅かの間
隙を作り、ブレーキディスク22に対する接触が解除さ
れる。油圧作動室20内の容積は若干減少するので、そ
の減少に見合う量の作動油が油圧作動室20の外に戻さ
れる。
【0015】除圧戻り管26の途中にはパイロット油圧
作動開閉弁30が設けられている。パイロット油圧作動
開閉弁30は、弁ブロック31に各種のポート、油路等
を加工により形成したものであり、加圧供給管13のマ
スターシリンダ側部分13aに対しては入口ポート32
が形成され、加圧供給管13のディスクブレーキ側部分
13bに対しては出口ポート33が形成され、両ポート
32,33を結ぶ通路の圧力をパイロット油圧として取
り出し、後述の開閉弁54の開閉動作に利用している。
出口ポート33と入口ポート32とを連通する油路の途
中に設けられている逆止弁34は、入口ポート32から
出口ポート33への方向の作動油の流れは許容するが、
逆の方向の流れを遮断するものである。
【0016】弁ブロック31には、入口ポート32と出
口ポート33とを連通する通路の逆止弁34より上流の
マスターシリンダ2側で交差するように、孔37,3
8,39及び40の列が、この順序で同心的にかつ径を
次第に縮小して形成されている。孔列の最小径の孔40
の開口部は、弁ブロック31との関係では入口ポート3
5となっており、除圧戻り管26のディスクブレーキ側
部分26aの一端と接続している。除圧戻り管26のデ
ィスクブレーキ側部分26aの他端は、ディスクブレー
キ3の油圧作動室20のブリーダ25に接続している。
一方、孔列の最大径の孔37は、内部を通る高い油圧が
漏れないようにシールを介在させてプラグ41で閉鎖さ
れている。
【0017】中間に位置する二つの連続した孔38,3
9には、ピストン42が係合している。即ち、ピストン
42の大径ピストン部43は大径の孔38に嵌合し、小
径ピストン部44は小径の孔39に嵌合してそれぞれ摺
動可能であり、摺動面は適宜のシール50,51によっ
て油圧が漏れるのを防止している。大径のピストン部4
3の端面には入口ポート32からのマスターシリンダ2
によって発生している油圧が作用しており、小径のピス
トン部44の端面にはディスクブレーキ3の油圧作動室
20内の圧力が作用している。また、孔38,39間の
段差部45と、ピストン42の大径のピストン部43及
び小径のピストン部44間の段付き部46との間には、
復帰ばね47が介装されている。更に、ピストン42の
先端部は面取り部49に形成され、最小径の孔40の最
奥縁部48と接離可能である。最小径の孔40の最奥縁
部48に隣接する孔39の最奥部には、孔39と交差す
る方向に開口する孔53が穿設されている。孔53の開
口部は、弁ブロック31との関係では出口ポート36を
構成し、出口ポート36は除圧戻り管26のタンク側部
分26bによってタンク4に接続している。ピストン4
2の軸方向移動により互いに接触又は離反するピストン
42の先端の面取り部49と最小径の孔40の最奥縁部
48とは、ポート35とポート36との接続を遮断又は
連通させる開閉弁54を形成している。孔38の開口側
にねじ係合したリング52は、ピストン43の抜け出し
を防止するストッパを構成している。
【0018】タンク4には、新旧の作動油が完全に混ざ
るのを防止するために、タンク4内を仕切り板55で区
分している。仕切り板55には、穴56が設けられ、穴
56によって両側が互いに連通可能に形成され、タンク
4内の液位を保っている。ポート36からの除圧戻り管
26のタンク側部分26bは、透明管27とすることが
でき、作動油内の泡57や汚れ58を目視によって確認
することができる。
【0019】次に、この油圧回路の実施例の作動を説明
する。ブレーキペダル7を踏み込んで、マスターシリン
ダ2の油室12に高い油圧を発生させると、該油圧は、
加圧供給管13のマスターシリンダ側部分13aを経て
パイロット油圧作動開閉弁30の入口ポート32に入
り、逆止弁34を押し開き、出口ポート33から加圧供
給管13のディスクブレーキ側部分13b及びプラグ1
4を介してディスクブレーキ3の油圧作動室20に供給
される。油圧作動室20に油圧が供給されると、ピスト
ン18とキャリパ15の作用により、ブレーキディスク
22は二つの摩擦パッド23,24によって挟み付けら
れて、所定のブレーキ作用を行う。
【0020】油圧作動室20の高い油圧は、ブリーダ2
5を介して除圧戻り管26のディスクブレーキ側部分2
6aを経てパイロット油圧作動開閉弁30の入口ポート
35に入り、ピストン42の小径ピストン部44の端面
に作用する。しかし、入口ポート32からパイロット油
圧作動開閉弁30に入った油圧はマスターシリンダ2に
よって形成された高い油圧であるので、大径のピストン
部43と小径のピストン部44の両端面の面積差に基づ
いてピストン42を図面右方へ移動させようとする油圧
力は、復帰ばね47がピストン42を図面左方へ押す力
よりも大きく、その結果、ピストン42は図1で右方向
に移動し、小径のピストン部44の先端の面取り部49
が最小径の孔40の最奥縁部48に当接して開閉弁54
を閉じるので、入口ポート35と出口ポート36との間
の接続は遮断される。従って、ブレーキ作動中には、油
圧作動室20の高い油圧は、開閉弁54より下流に位置
する除圧戻り管26のタンク側部分26bやタンク4に
までは作用しない。
【0021】ブレーキ操作が解除されると、マスターシ
リンダ2の油室12内の油圧は低下し、入口ポート32
と出口ポート33の間に設けられた逆止弁34が閉じ
る。油圧作動室20内の油圧も低下し、ディスクブレー
キ3のシリンダ孔17とピストン18との間に設けられ
た環状シール19の復元力により、ピストン18とキャ
リパ15は復帰動作をしてブレーキが解除されるととも
に、油圧作動室20の容積を若干減少させる。この要請
の減少に見合う量の作動油が油圧作動室20内からブリ
ーダ25を介して除圧戻り管26のディスクブレーキ側
部分26aに押し出される。一方、大径のピストン部4
3の端面に作用する油圧は低下したマスターシリンダ2
の油圧であり、この油圧によってピストン42に作用す
る力は、小径のピストン部44の端面に作用する油圧作
動室20内の油圧による力と復帰ばね47の力との合力
よりも小さいため、小径のピストン部44の先端の面取
り部49は最小径の孔40の最奥縁部48から離れて開
閉弁54を開くので、入口ポート35と出口ポート36
との間が連通する。従って、油圧作動室20からブリー
ダ25を介して除圧戻り管26のディスクブレーキ側部
分26aに押し出された作動油は、開閉弁54を介し
て、除圧戻り管26のタンク側部分26bを経てタンク
4に戻ることができる。
【0022】以上の作動を繰り返すことにより、油圧作
動室20内の作動油は次第に除圧戻り管26に送り出さ
れてタンク4に戻ることになり、順次新しい作動油を油
圧作動室20に供給して古い作動油を回収することがで
きるので、作動油の劣化を防ぐと共に、作動油に含まれ
るエアや汚れを取り除いて、油圧回路を常に健全に保こ
とができる。更に、除圧戻り管26のタンク側部分26
bには、マスターシリンダ2の動作時に発生する高い圧
力が作用しないので、金属や複合材を用いた高価な配管
を用いる必要がなく、例えば、透明な合成樹脂製の管を
用いて、目視により作動油の劣化の状況や、気泡及び汚
れを含んでいるか否かの確認をすることができる。
【0023】また、上記の実施例は、ディスクブレーキ
作動用の油圧回路として説明したが、本発明はブレーキ
用の油圧回路であれば、常に適用できるものであり、ブ
レーキの形式はディスクブレーキに限定されるものでは
ない。例えば、図2において従来例として示したリーデ
ィングトレーリング式のドラムブレーキや、その他、リ
ーディング式、サーボ式等の各種形式のドラムブレーキ
であっても、ホイールシリンダに対して本発明を適用す
ることができる。更に、一つのブレーキアッセンブリに
おけるブレーキシリンダの数、配置等には格別の制限は
なく、また、車両であれば、共通のマスターシリンダや
タンクから前後輪の車輪に配置したブレーキアッセンブ
リ毎に至るブレーキ系統にも本発明を適用することがで
きる。更にまた、本発明は、ブレーキに限らず、クラッ
チの油圧作動用回路や、その他基本的に作動油の流量を
利用せずに圧力を利用する油圧回路一般にも適用するこ
とができることは明らかである。
【0024】
【発明の効果】この発明による油圧回路は、上記のよう
に構成されているので、次のような効果を有する。即
ち、この油圧回路は、油圧作動機構から除圧戻り管を通
して戻ろうとする作動油を当該除圧戻り管が接続される
マスターシリンダに対して戻す必要はないので、従来の
油圧回路の場合のようにペダルを踏み込んだときにマス
ターシリンダに生じる圧力によって除圧戻り管に戻って
きた油やエアの回収を妨げることがなくなると共に、作
動油を例えばタンクのような普通の容器にも回収するこ
とができる。タンクに回収する場合には、マスターシリ
ンダ内に戻す場合のように新旧の作動油が外部から目視
し難い内部で混合されることがないので、回収される作
動油の直接的な目視が可能となり、エア抜きもより確実
に行うことができる。また、作動油が高圧のときには作
動油の外部への戻りが遮断され、低圧の状態のときのみ
作動油を回収するので、パイロット油圧作動開閉弁より
も回収側に位置する除圧戻り管を高価な耐圧性材料で制
作する必要がなく、液密であればどのような管でも使用
することができ、その結果、ブレーキ系統やクラッチ系
統の重量やコストの低減に寄与することができる。例え
ば、除圧戻り管に透明なホースを用いれば、作動油の劣
化やエア混入をより発見し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による油圧回路をディスクブレーキ作
動用の油圧回路に適用した一実施例を説明する回路図で
ある。
【図2】従来の油圧回路について、ドラムブレーキに適
用した油圧回路の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 油圧回路 2 マスターシリンダ(油圧発生機構) 3 ディスクブレーキ(油圧作動機構) 4 タンク 7 ペダル(油圧発生機構) 13 加圧供給管 20 油圧作動室 26 除圧戻り管 30 パイロット油圧作動開閉弁 34 逆止弁 54 開閉弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクからの作動油の補給を受けると共
    に油圧を発生させる油圧発生機構、発生した油圧を利用
    する油圧作動機構、前記油圧発生機構からの作動油を逆
    止弁を介して前記油圧作動機構に供給する加圧供給管、
    前記油圧作動機構から作動油を回収する除圧戻り管、及
    び前記逆止弁上流の油圧をパイロット油圧として該パイ
    ロット油圧の高低に応じて前記除圧戻り管の遮断又は連
    通を行うパイロット油圧作動開閉弁、から構成したこと
    を特徴とする油圧回路。
JP19401495A 1995-07-07 1995-07-07 油圧回路 Pending JPH0920232A (ja)

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JP19401495A Pending JPH0920232A (ja) 1995-07-07 1995-07-07 油圧回路

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100330895B1 (ko) * 1999-11-29 2002-04-03 류정열 차량의 브레이크오일 전달계구조
JP2004538209A (ja) * 2001-08-03 2004-12-24 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 液圧式の車両ブレーキ装置をガス抜きするための方法
JP2021007956A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 株式会社デンソー プレス成形機

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