JPH0920119A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH0920119A
JPH0920119A JP16892995A JP16892995A JPH0920119A JP H0920119 A JPH0920119 A JP H0920119A JP 16892995 A JP16892995 A JP 16892995A JP 16892995 A JP16892995 A JP 16892995A JP H0920119 A JPH0920119 A JP H0920119A
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JP
Japan
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damping force
wheel side
characteristic
force characteristic
vehicle
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JP16892995A
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English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前進時は前輪側で検出された路面情報に基づ
いた後輪側ショックアブソーバの最適制御が可能で、後
退時は後輪側ショックアブソーバの減衰力特性の制御性
の悪化を防止して車両の乗り心地および操縦安定性を確
保できる車両懸架装置の提供。 【構成】 前輪側ばね上上下方向状態量検出手段cで検
出された前輪側のばね上上下方向状態量および車速検出
手段dで検出された車速から所定の伝達関数に基づいて
後輪側のばね上上下方向状態量を求める後輪側ばね上上
下方向状態量検出手段eと、前輪側および後輪側の各ば
ね上上下方向状態量から得られる制御信号に基づいて各
ショックアブソーバb1 ,b2 の減衰力特性を可変制御
する基本制御部fを有する減衰力特性制御手段gと、後
退判断手段hにより車両が後退中であると判断された時
は少なくとも後輪側ショックアブソーバb2 の減衰力特
性を所定の特性に固定する後退時補正制御部iと、を備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バの減衰力特性を最適制御する車両の懸架装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、特開昭61
−169310号公報に記載された「後輪のサスペンシ
ョン制御装置」が知られている。
【0003】この従来の装置は、左右前輪位置で検出さ
れた前輪側上下加速度に基づき、該前輪側上下加速度が
所定の範囲を越えている時は、後輪側懸架装置の特性を
変更すると同時に、車速センサで検出された車速に応
じ、前記所定の範囲を変更するように構成されたもので
あった。
【0004】即ち、この従来例では、前輪側で検出され
た路面情報およびその時の車両の車速に基づいて後輪側
懸架装置の特性を予告的に変更することにより、後輪側
通過時においては路面の単発ショックを低減し、これに
より、車両の乗り心地および操縦安定性を向上すること
ができるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置では、上述のように構成されるため、以下に述べるよ
うな問題点があった。
【0006】即ち、従来装置は、車両の前進時において
時間的に先行する前輪側で検出された路面情報を後輪側
制御に用いるものであるため、前輪側よりも後輪側の方
が時間的に先行する車両の後退時においては、時間的に
後行する前輪側の路面情報に基づいて後輪側が制御され
ることになるため、後輪側懸架装置においては実際の車
両挙動に応じた制御とはならず、従って、逆に制御性を
悪化させて車両の乗り心地および操縦安定性を害する結
果となる。
【0007】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、車両の前進時においては前輪側で検出
された路面情報に基づいた後輪側ショックアブソーバの
最適制御が可能であると共に、車両の後退時においては
後輪側ショックアブソーバの減衰力特性の制御性の悪化
を防止して車両の乗り心地および操縦安定性を確保する
ことができる車両懸架装置を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置は、図1のク
レーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に介
在されていて減衰力特性変更手段a1 ,a2 により減衰
力特性を変更可能なショックアブソーバb1 ,b2 と、
前輪側のばね上上下方向状態量を検出する前輪側ばね上
上下方向状態量検出手段cと、車両の車速を検出する車
速検出手段dと、前記前輪側ばね上上下方向状態量検出
手段cで検出された前輪側のばね上上下方向状態量およ
び前記車速検出手段dで検出された車速から所定の伝達
関数に基づいて後輪側のばね上上下方向状態量を求める
後輪側ばね上上下方向状態量検出手段eと、前記前輪側
ばね上上下方向状態量検出手段cおよび後輪側ばね上上
下方向状態量検出手段eで検出された前輪側ばね上上下
方向状態量および後輪側ばね上上下方向状態量から得ら
れる制御信号に基づいて前記各ショックアブソーバb
1 ,b2 の減衰力特性を可変制御する基本制御部fを有
する減衰力特性制御手段gと、車両が後退中であること
を判断する後退判断手段hと、前記減衰力特性制御手段
gに設けられていて前記後退判断手段hにより車両が後
退中であると判断された時は少なくとも後輪側ショック
アブソーバb2 の減衰力特性を所定の特性に固定する後
退時補正制御部iと、を備えている手段とした。
【0009】また、請求項2記載の車両懸架装置では、
前記後退判断手段hを、リバースギアへの切り替えを検
出するギア位置検出手段jで構成した。
【0010】また、請求項3記載の車両懸架装置では、
前記後退判断手段hを、バックランプへの通電状態を検
出する通電状態検出手段kで構成した。
【0011】また、請求項4記載の車両懸架装置では、
前記前輪側ばね上上下方向状態量検出手段cまたは後輪
側ばね上上下方向状態量検出手段eで検出された各車輪
位置のばね上上下加速度から前記制御信号として各車輪
位置のばね上上下速度を求めるばね上上下速度検出手段
mを備え、前記ショックアブソーバb1 ,b2 の減衰力
特性変更手段a1 ,a2 が、伸行程側および圧行程側の
減衰力特性が共にソフト特性となるソフト領域(SS)
を中心とし、圧行程側はソフト特性に保持されたままで
伸行程側の減衰力特性だけをハード特性側に可変制御可
能な伸側ハード領域(HS)と、伸行程側はソフト特性
に保持されたままで圧行程側の減衰力特性だけをハード
特性側に可変制御可能な圧側ハード領域(SH)とを備
え、前記減衰力特性制御手段gの基本制御部fが、前記
ばね上上下速度検出手段mで検出されたばね上上下速度
信号の方向判別符号が0付近である時はショックアブソ
ーバb1 ,b2 をソフト領域(SS)に制御し、上向き
の正である時は伸側ハード領域(HS)側において伸行
程側の減衰力特性を、また下向きの負である時は圧側ハ
ード領域(SH)側において圧行程側の減衰力特性をそ
れぞれその時のばね上上下速度に応じたハード特性に可
変制御するように構成されている手段とした。
【0012】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置では、上述
のように構成されるため、車両の前進時においては、後
輪側ばね上上下方向状態量検出手段eにおいて、前輪側
ばね上上下方向状態量検出手段cで検出された前輪側の
ばね上上下方向状態量および車速検出手段dで検出され
た車速から所定の伝達関数に基づいて後輪側のばね上上
下方向状態量が求められると共に、減衰力特性制御手段
gの基本制御部fにおいて、前輪側ばね上上下方向状態
量および後輪側ばね上上下方向状態量から得られる制御
信号に基づいて前輪側および後輪側の各ショックアブソ
ーバb1 ,b2 の減衰力特性の可変制御が行なわれる。
【0013】従って、車両の前進時においては、後輪側
より時間的に先行する前輪側で検出された路面情報に基
づいて後輪側ショックアブソーバの最適制御が行なわれ
るため、車両の乗り心地と操縦安定性を確保することが
できる。
【0014】また、後退判断手段hにより車両が後退中
であると判断された時は、減衰力特性制御手段gの後退
時補正制御部iにおいて、少なくとも後輪側ショックア
ブソーバb2 の減衰力特性を所定の特性に固定する補正
制御が行なわれる。
【0015】従って、車両の後退時においては、後輪側
よりは時間的に後行する前輪側で検出された路面情報を
用いることによって発生する後輪側ショックアブソーバ
2の減衰力特性の制御性悪化が防止され、これによ
り、車両の乗り心地および操縦安定性を確保することが
できる。
【0016】また、請求項4記載の車両懸架装置では、
減衰力特性制御手段gの基本制御部fにおいて、ばね上
上下速度検出手段mで検出された各車輪位置のばね上上
下速度信号の方向判別符号が、0付近である時はショッ
クアブソーバb1 ,b2 がソフト領域(SS)に制御さ
れ、上向きの正である時は伸行程側の減衰力特性が、ま
た下向きの負である時は圧行程側の減衰力特性が、その
時のばね上上下速度に応じたハード特性に可変制御され
る一方で、その逆行程側の減衰力特性はそれぞれソフト
特性に固定制御された状態となるものであり、このた
め、ばね上上下速度とばね上−ばね下間相対速度の方向
判別符号が一致する制振域においては、その時のショッ
クアブソーバb1 ,b2 の行程側の減衰力特性をハード
特性側で可変制御することで車両の制振力を高めると共
に、両者の方向判別符号が不一致となる加振域において
は、その時のショックアブソーバb1 ,b2 の行程側の
減衰力特性をソフト特性にすることで車両の加振力を弱
める、といったスカイフック制御理論に基づいた基本的
な減衰力特性の切り換え制御が行なわれることになる。
【0017】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。図
2は、本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図で
あり、車体と4つの車輪との間に介在されて、4つのシ
ョックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SARR(な
お、ショックアブソーバを説明するにあたり、これら4
つをまとめて指す場合、およびこれらの共通の構成を説
明する時にはただ単にSAと表示する。また、右下の符
号は車輪位置を示すもので、FLは前輪左,FRは前輪右,
RLは後輪左,RRは後輪右をそれぞれ示している。)が設
けられている。
【0018】そして、前輪左右の各ショックアブソーバ
SAFL,SAFRの近傍位置(以後、各車輪位置という)
の車体には、ばね上の上下方向加速度G(上向きで正の
値、下向きで負の値)を検出する左右前輪側ばね上上下
加速度センサ(以後、上下Gセンサという)1FL,1FR
が設けられ、また、この図では図示を省略したが図3に
示すように車両の車速を検出する車速センサ2、およ
び、リバースギアへの入り状態を検出するギア位置セン
サ(後退判断手段)5が設けられ、さらに、運転席の近
傍位置には、各上下Gセンサ1(1FL,1FR、)、車速
センサ2、および、ギア位置センサ5からに信号に基づ
き、各ショックアブソーバSAのパルスモータ3に駆動
制御信号を出力するコントロールユニット4が設けられ
ている。
【0019】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ
FL,1FRからのばね上上下加速度GFL,GFR信号、車
速センサ2からの車速Sv 信号、および、ギア位置セン
サ5からの信号が入力される。
【0020】そして、前記インタフェース回路4aに
は、図14に示すように、前輪側左右各車輪位置のばね
上上下加速度GFL,GFR信号から、後輪側左右各車輪位
置のばね上上下加速度GRL,GRR信号を求めるための信
号処理回路と、図15に示すように、各車輪位置のばね
上上下加速度GFL,GFR,GRL,GRRから、各車輪位置
のばね上上下速度ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRRと、
ばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δx0FL,(Δx
−Δx0FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0
RRを求めるための信号処理回路が設けられている。な
お、これら信号処理回路の詳細については後述する。
【0021】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0022】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0023】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0024】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0025】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0026】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0027】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、各後輪側左右各車輪位置のばね上上下加速度G
RL,GRRを求めるための信号処理回路の構成を、図14
のブロック図に基づいて説明する。
【0028】まず、A1では、左右前輪側車輪位置にお
ける請求の範囲の前輪側ばね上上下方向状態量検出手段
を構成する左右前輪側上下Gセンサ1FL,1FRで検出さ
れた左右各前輪位置のばね上上下加速度GFL,GFR信号
から、次式(1) に基づいて車両の前輪側中心位置におけ
るバウンスレートGBFを求める。
【0029】GBF=(GFR+GFL)/2 ・・・・・・・・(1) 続くA2では、車両の前輪側中心位置におけるバウンス
レートGBFから、次式(2) に示す路面入力を伝達経路と
する前輪位置から後輪位置への伝達関数GB(S)に基づ
き、車両の後輪側中心位置におけるバウンスレートGBR
を求める。
【0030】 GB(S)=G1(S)・G2(S)・G3(S)・・・・・・・・・・(2) なお、G1(S)は前輪側ばね上から路面までの伝達関数、
2(S)は後輪側路面から後輪側ばね上までの伝達関数、
3(S)は車体前後間の入力時間差のディレイ伝達関数で
ある。そして、前記ディレイ伝達関数G3(S)は、次式
(3) に示すように、車両のホイールベースWB と車速S
v により決定される。
【0031】G3(S)=WB /Sv ・・・・・・・・・・・・(3) 一方、A3では、左右前輪側上下Gセンサ1FL,1FR
検出された左右各前輪位置のばね上上下加速度GFL,G
FR信号から、次式(4) に基づいて車両のロールレートG
R を求める。
【0032】GR =(GFR−GFL)/2 ・・・・・・・・(4) 続くA4では、A3で求められた前輪位置から後輪位置
への伝達関数GR(S)に基づき、前輪側で検出された車両
のロールレートGR から後輪側における車両のロールレ
ートGRRを求める。
【0033】次に、A5では、次式(5) に示すように、
前記A2で求められた車両の後輪側中心位置におけるバ
ウンスレートGBRに、前記A4で得られたロールレート
GRRを加算することにより、右側後輪位置におけるばね
上上下加速度GRRを求める。 GRR=GBR+GRR・・・・・・・・・・・・・・(5) また、A6では、次式(6) に示すように、前記A2で求
められた車両の後輪側中心位置におけるバウンスレート
GBRから、前記A4で得られたロールレートGRRを減算
することにより、左側後輪位置におけるばね上上下加速
度GRLを求める。
【0034】GRR=GBR−GRR・・・・・・・・・・・・・・(6) また、A7およびA8では、ボディを伝達経路とする前
輪位置から後輪位置への伝達関数GHP(S) に基づき、後
輪側に伝達されるばね上上下加速度の高周波成分GHR
HLを求める。
【0035】また、A9およびA10では、次式(7),
(8)に示すように、前記A5,A6で求められた信号
(GBR+GRR),(GBR−GRR)に、さらに前記A7,
A8で求められた後輪側に伝達されるばね上上下加速度
の高周波成分GHR ,HLをそれぞれ加算することによ
り、左右後輪位置におけるばね上上下加速度GRR,GRL
を求める。
【0036】 GRR=(GBR+GRR)+GHR ・・・・・・・・・・・・・ (7) GRL=(GBR−GRR)+GHL ・・・・・・・・・・・・・ (8) 即ち、前記上下Gセンサ1FL,1FRとA2〜A10とで
左右後輪側車輪位置における請求の範囲の後輪側ばね上
上下方向状態量検出手段を構成している。
【0037】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、各車輪位置におけるばね上上下加速度G
(GFL,GFR,GRL,GRR)から、各車輪位置における
ばね上上下速度Δxと、ばね上−ばね下間相対速度(Δ
x−Δx0 )を求めるための信号処理回路の構成を、図
15のブロック図に基づいて説明する。
【0038】まず、B1では、位相遅れ補償式を用い、
前記上下Gセンサ1FL,1FRおよび図14の信号処理回
路で得られた各車輪位置におけるばね上上下加速度G
(GFL,GFR,GRL,GRR)を、各車輪位置のばね上上
下速度信号に変換する。なお、位相遅れ補償の一般式
は、次の伝達関数式(9) で表わすことができる。 G(S) =(AS+1)/(BS+1)・・・・・・・・(9) (A<B) そして、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3
Hz )において積分(1/S)する場合と同等の位相お
よびゲイン特性を有し、低周波(〜0.05 Hz )側でのゲ
インを下げるための位相遅れ補償式として、次の伝達関
数式(10)が用いられる。
【0039】 G(S) =(0.001 S+1)/(10S+1)×γ・・・・・・・・(10) なお、γは、積分(1/S)により速度変換する場合の
信号とゲイン特性を合わせるためのゲインであり、この
実施例ではγ=10に設定されている。その結果、図1
6の(イ) における実線のゲイン特性、および、図16の
(ロ) における実線の位相特性に示すように、減衰力特性
制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3 Hz )における位相
特性を悪化させることなく、低周波側のゲインだけが低
下した状態となる。なお、図16の(イ),(ロ) の点線は、
積分(1/S)により速度変換されたばね上上下速度信
号のゲイン特性および位相特性を示している。
【0040】続くB2では、制御を行なう目標周波数帯
以外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を
行なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、2次
のハイパスフィルタHPF(0.3 Hz)と2次のローパス
フィルタLPF(4 Hz)とで構成され、車両のばね上共
振周波数帯を目標としたばね上上下速度Δx(ΔxFL
ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR)信号を求める。
【0041】一方、B3では、次式(11)に示すように、
各ばね上上下加速度からばね上−ばね下間相対速度まで
の伝達関数Gu(S) を用い、各上下Gセンサ1で検出さ
れた上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号
から、各車輪位置のばね上−ばね下間相対速度(Δx−
Δx0 )[(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx0FR
(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RR]信号を求め
る。 Gu(S) =−ms/(cs+k)・・・・・・・・(11) なお、mはばね上マス、cはサスペンションの減衰係
数、kはサスペンションのばね定数である。
【0042】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動のう
ち、車両の前進時における基本制御の内容を図17のフ
ローチャートに基づいて説明する。なお、この基本制御
は各ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SA
RRごとに行なわれる。
【0043】ステップ101では、ばね上上下速度Δx
が正の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ102に進んで各ショックアブソーバSAを伸側ハー
ド領域HSに制御し、NOであればステップ103に進
む。
【0044】ステップ103では、ばね上上下速度Δx
が負の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ104に進んで各ショックアブソーバSAを圧側ハー
ド領域SHに制御し、NOであればステップ105に進
む。
【0045】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下速度Δxの値が、0である時の処理ステップであり、
この時は、各ショックアブソーバSAをソフト領域SS
に制御する。
【0046】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動ののう
ち、車両の前進時における基本制御の内容を、図18の
タイムチャートにより説明する。
【0047】ばね上上下速度Δxが、この図に示すよう
に変化した場合、図に示すように、ばね上上下速度Δx
の値が0である時には、ショックアブソーバSAをソフ
ト領域SSに制御する。
【0048】また、ばね上上下速度Δxの値が正の値に
なると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側の減衰力
特性をソフト特性に固定する一方、制御信号を構成する
伸側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションPT
を、次式(12)に基づき、ばね上上下速度Δxに比例させ
て変更する。 PT =α・Δx・Ku ・・・・・・・・・・・・・・・・(12) なお、αは、伸側の定数、Ku は、ばね上−ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )に応じて可変設定されるゲイン
である。
【0049】また、ばね上上下速度Δxの値が負の値に
なると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側減衰力特
性をソフト特性に固定する一方、制御信号を構成する圧
側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションPC )を、
次式(13)に基づき、ばね上上下速度Δxに比例させて変
更する。 PC =β・Δx・Ku ・・・・・・・・・・・・・・・・(13) なお、βは、圧側の定数である。
【0050】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図18のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0051】図18のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度Δxが負の値(下向き)から正の値
(上向き)に逆転した状態である、この時はまだ相対速
度(Δx−Δx0 )は負の値(ショックアブソーバSA
の行程は圧行程側)となっている領域であるため、この
時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0052】また、領域bは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は負の値から正の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸行程で
あり、従って、この領域ではその時のショックアブソー
バSAの行程である伸行程側が、ばね上上下速度Δxの
値に比例したハード特性となる。
【0053】また、領域cは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )は正の値(ショックアブソーバSAの行程は
伸行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバ
SAは圧側ハード領域SHに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある伸行程側がソフト特性となる。
【0054】また、領域dは、ばね上上下速度Δxが負
の値(下向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は正の値から負の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)になる領域であるため、こ
の時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であり、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側が、ばね上上下速度Δxの値に比
例したハード特性となる。
【0055】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度Δxとばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δx
0 )とが同符号の時(領域b,領域d)は、その時のシ
ョックアブソーバSAの行程側をハード特性に制御し、
異符号の時(領域a,領域c)は、その時のショックア
ブソーバSAの行程側をソフト特性に制御するという、
スカイフック制御理論に基づいた減衰力特性制御と同一
の制御が、ばね上上下速度Δx信号のみに基づいて行な
われることになる。そして、さらに、この実施例では、
ショックアブソーバSAの行程が切り換わった時点、即
ち、領域aから領域b,および領域cから領域d(ソフ
ト特性からハード特性)へ移行する時には、切り換わる
行程側の減衰力特性ポジションは前の領域a,cで既に
ハード特性側への切り換えが行なわれているため、ソフ
ト特性からハード特性への切り換えが時間遅れなく行な
われるもので、これにより、高い制御応答性が得られる
と共に、ハード特性からソフト特性への切り換えはパル
スモータ3を駆動させることなしに行なわれるもので、
これにより、パルスモータ3の耐久性向上と、消費電力
の節約が成されることになる。
【0056】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動のう
ち、前進時における基本制御と後退時における後退時補
正制御との切り換え制御の内容を、図19のフローチャ
ートに基づいて説明する。
【0057】ステップ201では、ギア位置センサ5か
らの信号に基づき、ミッションのギアがリバースギアに
入っているか否かを判定し、YES(後退)であればス
テップ202に進んで後輪側ショックアブソーバS
RL,SARRの減衰力を伸側ハード特性HS側の所定に
ポジションPR (図7参照)に固定する後退時補正制御
への切り換えが行なわれた後、これで一回の制御フロー
を終了し、また、NO(前進)である時はステップ20
3に進んで前記基本制御への切り換えが行なわれた後、
これで一回の制御フローを終了する。
【0058】即ち、この実施例では、ミッションギアが
リバースギアには入っていない時は、基本制御への切り
換えが行なわれ、前述のように、各車輪位置のショック
アブソーバSAFL,SAFR,SARL,SARRの減衰力特
性が、各車輪位置のばね上上下速度Δx(ΔxFL,Δx
FR,ΔxRL,ΔxRR)に応じてそれぞれ可変制御される
もので、これにより、車両の前進時においては車両の乗
り心地と操縦安定性を確保することができる。
【0059】また、ミッションギアがリバースギアに入
っている時は、後退時補正制御への切り換えが行なわ
れ、前述のように、後輪側左右車輪位置のショックアブ
ソーバSARL,SARRの減衰力特性が、予め設定された
伸側ハード領域HS側の所定のポジションPR に固定さ
れた状態となるもので、これにより、車両の後退時にお
いては誤った路面情報による後輪側での制御性の悪化を
防止し、車両の乗り心地および操縦安定性を確保するこ
とができる。
【0060】次に、余分な低周波入力による信号ドリフ
ト防止作用について説明する。
【0061】車両の制動時においては、フロント側が沈
み込んでリア側が浮き上がるいわゆる車体のダイブ現象
により車体が傾斜すると共に、この傾斜状態で車体速度
が減速されることで、減速度の分力分を、上下Gセンサ
1が下向き(負)のばね上上下加速度成分として検出
し、この継続的に入力される低周波の下向きばね上加速
度成分により、信号をドリフトさせる原因となる。
【0062】なお、以上のことは、スカット現象を生じ
させる車両の急加速時や、車両が長い上り坂で加速走行
する時(この場合は、上向きのばね上上下加速度成分を
検出する)、または、長い下り坂で加速走行する時にお
いても生じ、さらには、上下Gセンサ1の信号に低周波
のDC成分が入力されることによっても生じる。
【0063】ところが、この実施例では、各上下Gセン
サ1で検出された各ばね上上下加速度Gを、各車輪位置
のばね上上下速度信号に変換する速度変換手段として、
位相遅れ補償式を用いることにより、減衰力特性制御に
必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3Hz )における位相特性を
悪化させることなしに、低周波側のゲインだけを低下さ
せたばね上上下速度信号が得られる。
【0064】従って、制動時等のように、上下Gセンサ
1の信号に余分な低周波成分が加算されるような状況に
おいても、低周波側ゲインの低下により、減衰力特性制
御への影響をなくすことができる。
【0065】以上説明してきたように、この実施例の車
両懸架装置では、以下に列挙する効果が得られる。
【0066】 車両の前進時においては後輪側より時
間的に先行する前輪側で検出された路面情報および車速
信号に基づいた後輪側ショックアブソーバSARL,SA
RRの最適制御が可能であると共に、車両の後退時におい
ては後輪側ショックアブソーバSARL,SARRの減衰力
特性の制御性の悪化を防止して車両の乗り心地および操
縦安定性を確保することができる。
【0067】 前輪側に設けられた2つの上下Gセン
サ1RL,1FRから得られた信号から、各車輪位置におけ
るばね上上下速度Δxおよびばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )の各信号を得ることができるもので、
これにより、センサ個数の低減によるシステムの簡略化
とコストの低減化が可能となる。
【0068】 ばね上上下加速度Gからばね上上下速
度Δxに変換するための手段として、位相遅れ補償式を
用いたことで、制動時等におけるように、余分な低周波
信号入力に基づく信号ドリフトを防止し、これにより、
さらにショックアブソーバSAにおける減衰力特性の制
御性の悪化を防止して車両の乗り心地および操縦安定性
を確保することができるようになる。
【0069】 スカイフック理論に基づいた減衰力特
性制御において、ソフト特性からハード特性への切り換
えが時間遅れなく行なわれるもので、これにより、高い
制御応答性が得られると共に、ハード特性からソフト特
性への切り換えはアクチュエータを駆動させることなし
に行なわれるもので、これにより、パルスモータ3の耐
久性向上と、消費電力の節約が可能になる。
【0070】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0071】例えば、実施例では、後退時判断手段とし
て、ギア位置センサを用いたが、バックランプへの通電
状態を検出する通電状態検出手段やバックランプスイッ
チ等で構成させてもよい。
【0072】また、実施例では、後退時補正制御の内容
として、後輪側ショックアブソーバの減衰力特性のみを
所定のポジションに固定するようにしたが、前輪側のシ
ョックアブソーバも同時に所定のポジションに固定する
ようにしてもよい。
【0073】また、実施例では、ばね上上下速度信号が
0の時のみソフト領域SSに制御するようにしたが、0
を中心とする所定の不感帯を設けこの不感帯の範囲内で
ばね上上下速度が推移している間は減衰力特性をソフト
領域SSに維持させることにより、制御ハンチングを防
止することができる。
【0074】また、実施例では、伸行程または圧行程の
うちのいずれか一方の減衰力特性をハード側で可変制御
する時は、その逆工程側の減衰力特性がソフトに固定さ
れる構造のショックアブソーバを用いる場合を示した
が、伸行程と圧行程の減衰力特性が同時に変化する構造
のショックアブソーバを用いるシステムにも本発明を適
用することができる。
【0075】また、ばね上上下加速度から伝達関数を用
いてばね上−ばね下間相対速度を推定するようにした
が、実車によるデータに基づいて求めるようにしてもよ
いし、また、センサを用いて直接検出するようにしても
よい。
【0076】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の車両懸架装置では、上述のように、前輪側ばね上
上下方向状態量検出手段で検出された前輪側のばね上上
下方向状態量および車速検出手段で検出された車速から
所定の伝達関数に基づいて後輪側のばね上上下方向状態
量を求める後輪側ばね上上下方向状態量検出手段と、前
輪側ばね上上下方向状態量検出手段および後輪側ばね上
上下方向状態量検出手段で検出された前輪側ばね上上下
方向状態量および後輪側ばね上上下方向状態量から得ら
れる制御信号に基づいて各ショックアブソーバの減衰力
特性を可変制御する基本制御部を有する減衰力特性制御
手段と、車両が後退中であることを判断する後退判断手
段と、前記減衰力特性制御手段に設けられていて前記後
退判断手段により車両が後退中であると判断された時は
少なくとも後輪側ショックアブソーバの減衰力特性を所
定の特性に固定する後退時補正制御部と、を備えている
構成としたことで、車両の前進時においては、前輪側で
検出された路面情報に基づいた後輪側ショックアブソー
バの最適制御が可能であると共に、車両の後退時におい
ては後輪側ショックアブソーバの減衰力特性の制御性の
悪化を防止して車両の乗り心地および操縦安定性を確保
することができるようになるという効果が得られる。
【0077】また、請求項4記載の車両懸架装置では、
前記各ばね上上下加速度検出手段で検出された各車輪位
置のばね上上下加速度から各車輪位置のばね上上下速度
を求めるばね上上下速度検出手段を備え、前記ショック
アブソーバの減衰力特性変更手段が、伸行程側および圧
行程側の減衰力特性が共にソフト特性となるソフト領域
(SS)を中心とし、圧行程側はソフト特性に保持され
たままで伸行程側の減衰力特性だけをハード特性側に可
変制御可能な伸側ハード領域(HS)と、伸行程側はソ
フト特性に保持されたままで圧行程側の減衰力特性だけ
をハード特性側に可変制御可能な圧側ハード領域(S
H)とを備え、前記減衰力特性制御手段の基本制御部
が、前記ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上
下速度信号の方向判別符号が0付近である時はショック
アブソーバをソフト領域(SS)に制御し、上向きの正
である時は伸側ハード領域(HS)側において伸行程側
の減衰力特性を、また下向きの負である時は圧側ハード
領域(SH)側において圧行程側の減衰力特性をそれぞ
れその時のばね上上下速度に応じたハード特性に可変制
御するように構成されている手段としたことで、スカイ
フック制御理論に基づいた減衰力特性制御を行なうこと
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置における後輪側左右位置のばね上
上下加速度を求める信号処理回路を示すブロック図であ
る。
【図15】実施例装置におけるばね上上下速度およびば
ね上−ばね下間相対速度を求める信号処理回路を示すブ
ロック図である。
【図16】実施例装置における信号処理回路で得られた
ばね上上下速度信号のゲイン特性(イ) および位相特性
(ロ) を示す図である。
【図17】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動の内容を示すフローチャートであ
る。
【図18】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動の内容を示すタイムチャートであ
る。
【図19】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動のうち、前進時における基本制御と
後退時における後退時補正制御との切り換え制御の内容
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 減衰力特性変更手段 a2 減衰力特性変更手段 b1 ショックアブソーバ b2 ショックアブソーバ c 前輪側ばね上上下方向状態量検出手段 d 車速検出手段 e 後輪側ばね上上下方向状態量検出手段 f 基本制御部 g 減衰力特性制御手段 h 後退判断手段 i 後退時補正制御部 j ギア位置検出手段 k 通電状態検出手段 m ばね上上下速度検出手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
    減衰力特性変更手段により減衰力特性を変更可能なショ
    ックアブソーバと、 前輪側のばね上上下方向状態量を検出する前輪側ばね上
    上下方向状態量検出手段と、 車両の車速を検出する車速検出手段と、 前記前輪側ばね上上下方向状態量検出手段で検出された
    前輪側のばね上上下方向状態量および前記車速検出手段
    で検出された車速から所定の伝達関数に基づいて後輪側
    のばね上上下方向状態量を求める後輪側ばね上上下方向
    状態量検出手段と、 前記前輪側ばね上上下方向状態量検出手段および後輪側
    ばね上上下方向状態量検出手段で検出された前輪側ばね
    上上下方向状態量および後輪側ばね上上下方向状態量か
    ら得られる制御信号に基づいて前記各ショックアブソー
    バの減衰力特性を可変制御する基本制御部を有する減衰
    力特性制御手段と、 車両が後退中であることを判断する後退判断手段と、 前記減衰力特性制御手段に設けられていて前記後退判断
    手段により車両が後退中であると判断された時は少なく
    とも後輪側ショックアブソーバの減衰力特性を所定の特
    性に固定する後退時補正制御部と、を備えていることを
    特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記後退判断手段が、リバースギアへの
    切り替えを検出するギア位置検出手段で構成されている
    ことをことを特徴とする請求項1記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記後退判断手段が、バックランプへの
    通電状態を検出する通電状態検出手段で構成されている
    ことをことを特徴とする請求項1記載の車両懸架装置。
  4. 【請求項4】 前記前輪側ばね上上下方向状態量検出手
    段または後輪側ばね上上下方向状態量検出手段で検出さ
    れた各車輪位置のばね上上下加速度から前記制御信号と
    して各車輪位置のばね上上下速度を求めるばね上上下速
    度検出手段を備え、 前記ショックアブソーバの減衰力特性変更手段が、伸行
    程側および圧行程側の減衰力特性が共にソフト特性とな
    るソフト領域(SS)を中心とし、圧行程側はソフト特
    性に保持されたままで伸行程側の減衰力特性だけをハー
    ド特性側に可変制御可能な伸側ハード領域(HS)と、
    伸行程側はソフト特性に保持されたままで圧行程側の減
    衰力特性だけをハード特性側に可変制御可能な圧側ハー
    ド領域(SH)とを備え、 前記減衰力特性制御手段の基本制御部が、前記ばね上上
    下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信号の方向
    判別符号が0付近である時はショックアブソーバをソフ
    ト領域(SS)に制御し、上向きの正である時は伸側ハ
    ード領域(HS)側において伸行程側の減衰力特性を、
    また下向きの負である時は圧側ハード領域(SH)側に
    おいて圧行程側の減衰力特性をそれぞれその時のばね上
    上下速度に応じたハード特性に可変制御するように構成
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の車両懸架装置。
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