JPH07285309A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH07285309A
JPH07285309A JP7831494A JP7831494A JPH07285309A JP H07285309 A JPH07285309 A JP H07285309A JP 7831494 A JP7831494 A JP 7831494A JP 7831494 A JP7831494 A JP 7831494A JP H07285309 A JPH07285309 A JP H07285309A
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JP
Japan
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signal
wheel side
front wheel
bounce
damping force
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JP7831494A
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English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御信号の位相ずれに基づいて発生する車両
の乗り心地の悪化を後輪側において改善することができ
る車両懸架装置の提供。 【構成】 前輪側バウンス信号を求める前輪側バウンス
信号形成手段dと、前輪側上下方向挙動信号からピッチ
成分信号を求めるピッチ成分信号形成手段eと、前輪側
バウンス信号に基づく制御信号に応じて前輪側ショック
アブソーバb1 の減衰力特性制御を行なう前輪側減衰力
特性制御手段fと、前輪側バウンス信号から車速に応じ
た時間遅れのバウンス成分信号を形成するディレイ回路
hと、時間遅れのバウンス成分信号とピッチ成分信号と
を車速に応じた比率に応じて合成した合成信号を形成す
る合成信号形成手段iと、合成信号形成手段iで形成さ
れた合成信号に基づく制御信号に応じて後輪側ショック
アブソーバb2 の減衰力特性制御を行なう後輪側減衰力
特性制御手段jと、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰力特性を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う車両懸架装置としては、例えば、特開平4−
191111号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、車体側と車輪
側との間に介装され後輪に対する上記車体の支持力(減
衰力特性)を増減可能に設けられたアクチュエータ(シ
ョックアブソーバ)と、路面凹凸による前輪からの振動
入力により車体に作用する上下加速度を検出する上下G
センサと、車両の車速を検出する車速センサと、上記各
センサの出力に基づきアクチュエータの作動を制御する
手段とを有し、同制御手段は、上記上下Gセンサから検
出される車体の上下加速度が所定の値を越えたことを検
知すると、上記車速センサの出力に基づいて同所定の値
以上の上下加速度を与えた路面凹凸に上記後輪が到達す
るまでの遅れ時間を演算して上記前輪が上記路面凹凸を
通過した時から上記遅れ時間後に上記上下加速度に基づ
く信号を反転させて得られる制御信号に応じて上記アク
チュエータを作動させるように構成されたものであっ
た。
【0004】即ち、この従来装置では、前輪側の制御信
号を後輪側の制御に用いるタイミングを車速に応じて遅
らせるプレビュー制御を行なうもので、前輪の路面凹凸
通過時に比較的大きな振動が車体に発生しても、後輪の
該凹凸通過時には前輪の該凹凸通過時における車体上下
加速度を参照して該車体の上下加速度を相殺する方向に
制御が行なわれ、これにより、後輪の凹凸通過時には前
輪の凹凸通過時より振動入力を低減させることができる
ようになるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、以下に述べるような問題点があっ
た。
【0006】即ち、実際の車両挙動は、前輪側に路面入
力があった場合、車体の前後間の干渉によって前輪側の
挙動(ばね上上下速度)が開始すると同時に後輪側の挙
動も開始するものであり、このため、従来例のように、
前輪側で得られた制御信号を後輪側に用いるタイミング
を車速に応じて遅らせるプレビュー制御を行なうものに
あっては、常に後輪側の制御力に遅れが生じ、しかも、
後輪側ではすでに前輪側の路面入力によって挙動が開始
しているところで制御力が変化することになるため、か
えって違和感を生じさせることになる。
【0007】また、一般に、上下Gセンサで検出された
ばね上上下加速度信号は、ローパスフィルタ等で積分処
理することによってばね上上下速度信号に変換したり、
ノイズカットや不要な成分を除去するための各種フィル
タ処理が施されるが、このように周波数依存性を有する
信号を得るための信号処理(フィルタ処理)を行なう
と、その処理信号の位相が、入力信号の位相に対し低周
波側では進み、高周波側では遅れた状態となるため、特
に、高周波入力時に位相が遅れることで、目的とする制
御信号が得られず、車両の乗り心地を悪化させる原因と
なる。
【0008】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、前輪側への路面入力と同時に発生する
後輪側の挙動をも加味したプレビュー制御が可能で後輪
側の実挙動に適応した的確な後輪側の減衰力特性制御を
行なうことができ、これにより、車両の乗り心地の悪化
を後輪側において改善することができる車両懸架装置を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の車両懸架装置は、図1のクレーム対応図
に示すように、車体側と各車輪側の間に介在されていて
減衰力特性変更手段aにより減衰力特性を変更可能な前
輪側ショックアブソーバb1 および後輪側ショックアブ
ソーバb2 と、車体における前輪側の上下方向挙動を検
出する前輪側上下挙動検出手段cと、該前輪側上下挙動
検出手段cで検出された前輪側上下方向挙動信号からば
ね上共振周波数を中心とする前輪側バウンス信号を求め
る前輪側バウンス信号形成手段dと、前記前輪側上下挙
動検出手段cで検出された前輪側上下方向挙動信号から
ピッチ共振周波数を中心とするピッチ成分信号を求める
ピッチ成分信号形成手段eと、前記前輪側バウンス信号
形成手段dで形成された前輪側バウンス信号に基づく制
御信号に応じて前輪側ショックアブソーバb1 の減衰力
特性制御を行なう前輪側減衰力特性制御手段fと、車両
の車速を検出する車速センサgと、前記前輪側バウンス
信号形成手段dで形成された前輪側バウンス信号から車
速センサgで検出された車速に応じた時間遅れのバウン
ス成分信号を形成するディレイ回路hと、前記時間遅れ
のバウンス成分信号とピッチ成分信号形成手段で形成さ
れたピッチ成分信号との合成信号を形成する合成信号形
成手段iと、該合成信号形成手段iで形成された合成信
号に基づく制御信号に応じて後輪側ショックアブソーバ
2 の減衰力特性制御を行なう後輪側減衰力特性制御手
段jと、を備え、前記合成信号形成手段iが、車速セン
サgで得られた車速が低車速になると時間遅れのバウン
ス成分信号の合成比率が減少してピッチ成分信号の合成
比率が増加し、逆に高車速になるとピッチ成分信号の合
成比率が減少して時間遅れのバウンス成分信号の合成比
率が増加するように構成されている手段とした。
【0010】
【作用】本発明の車両懸架装置では、上述のように構成
されるので、前輪側上下挙動検出手段cで車体における
前輪側の上下方向挙動が検出されると、前輪側バウンス
信号形成手段dでは前輪側上下方向挙動信号からばね上
共振周波数を中心とする前輪側バウンス信号が求められ
る。
【0011】そして、前輪側減衰力特性制御手段fで
は、前輪側バウンス信号に基づいて形成される制御信号
に応じて前輪側のショックアブソーバb1 の減衰力特性
制御が行なわれる。
【0012】また、ピッチ成分信号形成手段eでは、前
輪側上下方向挙動信号からピッチ共振周波数を中心とす
るピッチ成分信号が求められ、一方、ディレイ回路hで
は、車速センサgで検出された車速に応じた時間遅れの
バウンス成分信号が形成されるもので、後輪側減衰力特
性制御手段jでは、この時間遅れのバウンス成分信号と
ピッチ成分信号との合成信号に基づく制御信号に応じて
後輪側のショックアブソーバb2 の減衰力特性制御が行
なわれる。
【0013】即ち、ピッチ挙動が主となる車両の低速走
行側においては、前記合成信号は、時間遅れのバウンス
成分信号の合成比率が減少してピッチ成分信号の合成比
率が増加するもので、これにより、車両のピッチ挙動を
効果的に抑制することができる。
【0014】また、バウンス挙動が主となる車両の高速
走行側においては、以上とは逆に、ピッチ成分信号の合
成比率が減少して時間遅れのバウンス成分信号の合成比
率が増加するもので、これにより、車両のバウンス挙動
を効果的に抑制することができる。
【0015】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図2は、本発明第1実施例の車両懸架装
置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間に
介在されて、4つのショックアブソーバSAFL,S
FR,SARL,SARR(なお、ショックアブソーバを説
明するにあたり、これら4つをまとめて指す場合、およ
びこれらの共通の構成を説明する時にはただ単にSAと
表示する。)が設けられている。そして、前輪側左右各
ショックアブソーバSAFL,SAFRの近傍位置の車体に
は、上下方向の加速度GF を検出する上下加速度センサ
(以後、上下Gセンサという)1FL,1FRが設けられ、
また、図示を省略した車速センサ2が設けられ、さら
に、運転席の近傍位置には、各上下Gセンサ1FL
FR、および車速センサ2からの信号を入力して、各シ
ョックアブソーバSAのパルスモータ3に駆動制御信号
を出力するコントロールユニット4が設けられている。
【0016】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記左右両上下Gセンサ
FL,1FRからのばね上加速度信号GF (GFL
FR)、および、車速センサ2からの車速SV 信号が入
力される。そして、前記インタフェース回路4aには、
図14に示すように、各ショックアブソーバSAの減衰
力特性制御を行なうための制御信号Vを求める信号処理
回路が、各上下Gセンサ1FL,1FRごとに設けられてい
る。なお、この信号処理回路の詳細については後述す
る。
【0017】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0018】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0019】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0020】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0021】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0022】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0023】次に、前記コントロールユニット4におけ
る制御作動のうち、各ショックアブソーバASの減衰力
特性制御作動の内容を図15のフローチャートに基づい
て説明する。
【0024】ステップ101では、制御信号Vが正の値
である否かを判定し、YESであればステップ102へ
進んで各ショックアブソーバSAを伸側ハード領域HS
に制御し、NOであればステップ103へ進む。
【0025】ステップ103では、制御信号Vが負の値
であるか否かを判定し、YESであればステップ104
へ進んで各ショックアブソーバSAを圧側ハード領域S
Hに制御し、NOであればステップ105へ進む。
【0026】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、制御信号
Vが0である時の処理ステップであり、この時は、各シ
ョックアブソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0027】次に、減衰力特性制御の作動を図16のタ
イムチャートにより説明する。ばね上上下速度信号に基
づく制御信号Vが、この図に示すように変化した場合、
図に示すように、制御信号Vが0である時には、ショッ
クアブソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0028】また、制御信号Vが正の値となると、伸側
ハード領域HSに制御して、圧側を低減衰力特性に固定
する一方、伸側の減衰力特性を制御信号Vに比例させて
変更する。この時、目標減衰力ポジションPは、次式
(1) に基づいて求められる。 P=(V/VH-T )×PTmax ・・・・・・・・・・・・(1) なお、VH-T は伸側の比例範囲であり、この比例範囲V
H-T の値は制御信号Vの値がこの比例範囲VH-T の値を
越えると制御信号Vの値に更新されることにより、制御
信号Vがそのピーク値から折返した時点から目標減衰力
ポジションPも減少を開始するようになっている。ま
た、PTmaxは伸側の最大減衰力ポジションである。
【0029】また、制御信号Vが負の値となると、圧側
ハード領域SHに制御して、伸側を低減衰力特性に固定
する一方、圧側の減衰力特性を制御信号Vに比例させて
変更する。この時も、目標減衰力ポジションPは、次式
(2) に基づいて求められる。 P=(V/VH-C )×PCmax ・・・・・・・・・・・・(2) なお、VH-T は圧側の比例範囲であり、この比例範囲V
H-T の値も制御信号Vの値がこの比例範囲VH-T の値を
下回ると制御信号Vの値に更新されるようになってい
る。また、PCmaxは圧側の最大減衰力ポジションであ
る。
【0030】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図16のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0031】図16のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度信号に基づく制御信号Vが負の値
(下向き)から正の値(上向き)に逆転した状態であ
る、この時はまだ相対速度は負の値(ショックアブソー
バSAの行程は圧行程側)となっている領域であるた
め、この時は、制御信号Vの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0032】また、領域bは、制御信号Vが正の値(上
向き)のままで、相対速度は負の値から正の値(ショッ
クアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領
域であるため、この時は、制御信号Vの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸行程で
あり、従って、この領域ではその時のショックアブソー
バSAの行程である伸行程側が、制御信号Vの値に比例
したハード特性となる。
【0033】また、領域cは、制御信号Vが正の値(上
向き)から負の値(下向き)に逆転した状態であるが、
この時はまだ相対速度は正の値(ショックアブソーバS
Aの行程は伸行程側)となっている領域であるため、こ
の時は、制御信号Vの方向に基づいてショックアブソー
バSAは圧側ハード領域SHに制御されており、従っ
て、この領域ではその時のショックアブソーバSAの行
程である伸行程側がソフト特性となる。
【0034】また、領域dは、制御信号Vが負の値(下
向き)のままで、相対速度は正の値から負の値(ショッ
クアブソーバSAの行程は伸行程側)になる領域である
ため、この時は、制御信号Vの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であり、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側が、制御信号Vの値に比例したハ
ード特性となる。
【0035】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度信号に基づく制御信号Vとばね上・ばね下間の相
対速度とが同符号の時(領域b,領域d)は、その時の
ショックアブソーバSAの行程側をハード特性に制御
し、異符号の時(領域a,領域c)は、その時のショッ
クアブソーバSAの行程側をソフト特性に制御するとい
う、スカイフック理論に基づいた減衰力特性制御と同一
の制御が、ばね上・ばね下間相対速度を検出することな
しに行なわれることになる。そして、さらに、この実施
例では、領域aから領域b,および領域cから領域dへ
移行する時には、パルスモータ3を駆動させることなし
に減衰力特性の切り換えが行なわれることになる。
【0036】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、制御信号V(VF ,VR )を作成す
る信号処理回路の構成を、図14のブロック図に基づい
て説明する。
【0037】即ち、LPF1は、各上下Gセンサ1から
送られるばね上上下加速度信号GFを積分してばね上上
下速度信号Vn に変換するためのカットオフ周波数1.0H
z のローパスフィルタ、BPF1は、ばね上上下速度信
号Vn からばね上共振周波数(AHz)を含むように周波
数依存性を持たせた前輪側バウンス信号VB-F を得るた
めのバンドパスフィルタ、BPF2は、ばね上上下速度
信号Vn からピッチ共振周波数(BHz)を含むように周
波数依存性を持たせたピッチ成分信号VP を得るための
バンドパスフィルタである。なお、前記前輪側バウンス
信号VB-F はそのまま前輪側制御信号VF として用いら
れる。
【0038】また、D1 は、前記バンドパスフィルタB
PF1で形成された前輪側バウンス信号VB-F から車速
センサ2で検出された車速SV に応じた時間遅れの後輪
用のバウンス成分信号VB を形成するディレイ回路であ
り、この実施例のディレイ回路D1 では、前輪側バウン
ス信号VB-F を、次式(3) に基づいて演算されたディレ
イ時間Δt(sec)だけ遅らせて後輪用のバウンス成分信号
B として用いるようにしたものである。即ち、図17
の車速SV に対するディレイ時間Δt の可変特性マップ
に示すように、車速SV が増すにつれてディレイ時間Δ
t は減少する可変特性となっている。
【0039】 Δt =3.6 ×L(m) /SV(km/h) ・・・・・・・・・・(3) なお、Lは車両のホイールベースである。
【0040】即ち、ディレイ回路D1 に前輪側バウンス
信号VB-F が入力された時間をtとすると、ディレイ回
路D1 から後輪用のバウンス成分信号VB として出力さ
れる前輪側バウンス信号VB-F の入力時間tD は次式
(4) で表わすことができる。
【0041】 tD =t−Δt ・・・・・・・・・・・・(4) また、Eαは、前記後輪用のバウンス成分信号VB にバ
ウンス合成係数αを乗じることにより後輪側バウンス信
号VB-R を求める演算部、Eβは、ピッチ成分信号VP
にピッチ合成係数βを乗じることにより後輪側ピッチ成
分信号VP-R を求める演算部、ER は、後輪側バウンス
信号VB-R から後輪側ピッチ成分信号VP-R を減算する
ことにより後輪側制御信号VR を求める演算部である。
即ち、後輪側制御信号VR は、次式(5) に基づいて求め
られる。
【0042】 VR =VB ×α−VP-R ×β・・・・・・・・・・・・・・(5) なお、バウンス合成係数αおよびピッチ合成係数βは、
それぞれ車速SV の関数となっていて、バウンス合成係
数αは、図18(イ) のマップに示すように、車速SV
増加に比例して増加し、ピッチ合成係数βは、図18
(ロ) のマップに示すように、車速SV の増加に反比例し
て減少するようになっている。
【0043】次に、実施例の作用を説明する。 (イ)低速走行時 後輪側制御信号VR を求める演算式において、車両の低
速走行時においては、車両の挙動がピッチモードとなる
ため、この時は、図18に示すように、バウンス合成係
数αは小さな値で、ピッチ合成係数βは大きな値に設定
され、これにより、後輪側バウンス信号VB-R は従で後
輪側ピッチ成分信号VP-R を主とした後輪側制御信号V
R に設定されると共に、車両の低速走行時においては、
図17に示すように、大きなディレイ時間Δt が設定さ
れる。
【0044】従って、車両の挙動がピッチモードとなる
低速走行時においては、前輪側への路面入力と同時に発
生する後輪側の挙動をも加味した後輪側ショックアブソ
ーバSARL,SARRのプレビュー制御が可能で、これに
より、後輪側の実挙動に適応した的確な減衰力特性制御
を行なうことができるようになる。
【0045】(ロ)高速走行時 後輪側制御信号VR を求める演算式において、車両が高
速走行状態になると、車両の挙動がほぼバウンスモード
となるため、この時は、図18に示すように、ピッチ合
成係数βは小さな値で、バウンス合成係数αは大きな値
に設定され、これにより、後輪側ピッチ成分信号VP-R
は従で後輪側バウンス信号VB-R を主とした後輪側制御
信号VR に設定されると共に、車両の高速走行時におい
ては、図17に示すように、小さなディレイ時間Δt が
設定される。従って、高速走行時における車体のバウン
スを効果的に抑制することができるようになる。
【0046】以上説明してきたように、この実施例の車
両懸架装置では、以下に列挙する効果が得られる。 後輪側の制御信号VR を、前輪側バウンス信号V
B-F に対し時間遅れの後輪側バウンス信号VB-R だけで
なく、前輪側への路面入力と同時に発生する後輪側のピ
ッチ挙動をも加味したプレビュー制御が可能で後輪側の
実挙動に適応した的確な後輪側の減衰力特性制御を行な
うことができ、これにより、車両の乗り心地の悪化を後
輪側において防止することができるようになる。
【0047】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰力特性制御に比べ、減衰力特性の切り換え頻度が少な
くなるため、制御応答性を高めることができると共に、
パルスモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0048】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
について説明する。なお、この実施例は、前記第1実施
例とはそのディレイ回路の構成を異にするもので、その
他の構成は前記第1実施例と同様であるため、相違点に
ついてのみ説明する。
【0049】この実施例のディレイ回路D2 は、フィル
タを用いるようにしたもので、図19に示すように、前
輪側バウンス信号VB-F の位相を遅らせた処理信号V'
B-Fを形成するカットオフ周波数0.6Hz のローパスフィ
ルタLPF2で構成されるディレイ部Daと、前輪側バ
ウンス信号VB-F と処理信号V'B-Fの各合成比率を設定
する合成比率設定部Dbと、合成比率設定部で設定され
た合成比率に基づいて前輪側バウンス信号VB-F と処理
信号V'B-Fとを合成した後輪用のバウンス成分信号VB
を形成する信号合成部Dcとで構成されている。即ち、
このディレイ回路D2 では、後輪用のバウンス成分信号
B が次式(6) に基づいて求められる。
【0050】 VB =K・VB-F +(1−K)・V'B-F ・・・・・・・・・・(6) なお、Kは重み受け係数であり、この係数は、図20の
マップに示すように、車速SV の関数となっていて、車
速SV に比例して0から1の値まで増加するようになっ
ている。
【0051】即ち、この実施例では、合成比率(K:1
−K)を決定する重み受け係数Kを車速SV が大きくな
るにつれて前輪側バウンス信号VB-F の合成比率が増加
し、処理信号V'B-Fの合成比率が減少するような車速S
V の関数とすることにより、あらゆる車速状態において
も、後輪用のバウンス成分信号VB の位相合わせを的確
に行なうことができるようになる。
【0052】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0053】例えば、実施例では、車両の上下挙動検出
手段として上下Gセンサを用いる場合を示したが、ばね
上・ばね下間相対変位や相対速度センサ等を用い、また
は両者を組み合わせて用いることができる。
【0054】また、実施例では、上下Gセンサを前輪側
の左右に計2個設ける場合を示したが、前輪側中央位置
に1個だけ設けたシステムとすることもできる。
【0055】また、実施例では、一方の行程側をハード
特性に制御する時は、その逆行程側がソフト特性となる
構造のショックアブソーバを用いたが、伸行程および圧
行程側の減衰力特性が同時かつ同一方向に変化する構造
のショックアブソーバを用いたシステムにも適用するこ
とができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置は、前輪側バウンス信号形成手段で形成された前
輪側バウンス信号から車速センサで検出された車速に応
じた時間遅れのバウンス成分信号を形成するディレイ回
路と、時間遅れのバウンス成分信号とピッチ成分信号形
成手段で形成されたピッチ成分信号との合成信号を形成
する合成信号形成手段と、合成信号形成手段で形成され
た合成信号に基づく制御信号に応じて後輪側ショックア
ブソーバの減衰力特性制御を行なう後輪側減衰力特性制
御手段と、を備え、前記合成信号形成手段が、車速セン
サで得られた車速が低車速になると時間遅れのバウンス
成分信号の合成比率が減少してピッチ成分信号の合成比
率が増加し、逆に高車速になるとピッチ成分信号の合成
比率が減少して時間遅れのバウンス成分信号の合成比率
が増加するように構成されている手段としたことで、前
輪側への路面入力と同時に発生する後輪側の挙動をも加
味したプレビュー制御が可能で後輪側の実挙動に適応し
た的確な後輪側の減衰力特性制御を行なうことができ、
これにより、車両の乗り心地の悪化を後輪側において改
善することができるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本発明第1実施例の車両懸架装置を示す構成説
明図である。
【図3】第1実施例の車両懸架装置を示すシステムブロ
ック図である。
【図4】第1実施例装置に適用したショックアブソーバ
を示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】第1実施例装置における信号処理回路を示す
ブロック図である。
【図15】第1実施例装置におけるコントロールユニッ
トの減衰力特性制御作動を示すフローチャートである。
【図16】第1実施例装置におけるコントロールユニッ
トの減衰力特性制御作動を示すタイムチャートである。
【図17】第1実施例装置における車速に対するディレ
イ時間の可変特性を示すマップである。
【図18】第1実施例装置における車速に対する合成係
数の可変特性を示すマップであり、(イ) はバウンス合成
係数、(ロ) はピッチ合成係数を示す。
【図19】本発明第2実施例の車両懸架装置におけるデ
ィレイ回路を示すブロック図である。
【図20】第2実施例装置における車速に対する重み受
け係数の可変特性を示すマップである。
【符号の説明】
a 減衰力特性変更手段 b1 前輪側ショックアブソーバ b2 後輪側ショックアブソーバ c 前輪側上下挙動検出手段 d 前輪側バウンス信号形成手段 e ピッチ成分信号形成手段 f 前輪側減衰力特性制御手段 g 車速センサ h ディレイ回路 i 合成信号形成手段 j 後輪側減衰力特性制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
    減衰力特性変更手段により減衰力特性を変更可能な前輪
    側ショックアブソーバおよび後輪側ショックアブソーバ
    と、 車体における前輪側の上下方向挙動を検出する前輪側上
    下挙動検出手段と、 該前輪側上下挙動検出手段で検出された前輪側上下方向
    挙動信号からばね上共振周波数を中心とする前輪側バウ
    ンス信号を求める前輪側バウンス信号形成手段と、 前記前輪側上下挙動検出手段で検出された前輪側上下方
    向挙動信号からピッチ共振周波数を中心とするピッチ成
    分信号を求めるピッチ成分信号形成手段と、 前記前輪側バウンス信号形成手段で形成された前輪側バ
    ウンス信号に基づく制御信号に応じて前輪側ショックア
    ブソーバの減衰力特性制御を行なう前輪側減衰力特性制
    御手段と、 車両の車速を検出する車速センサと、 前記前輪側バウンス信号形成手段で形成された前輪側バ
    ウンス信号から車速センサで検出された車速に応じた時
    間遅れのバウンス成分信号を形成するディレイ回路と、 前記時間遅れのバウンス成分信号とピッチ成分信号形成
    手段で形成されたピッチ成分信号との合成信号を形成す
    る合成信号形成手段と、 該合成信号形成手段で形成された合成信号に基づく制御
    信号に応じて後輪側ショックアブソーバの減衰力特性制
    御を行なう後輪側減衰力特性制御手段と、を備え、 前記合成信号形成手段が、車速センサで得られた車速が
    低車速になると時間遅れのバウンス成分信号の合成比率
    が減少してピッチ成分信号の合成比率が増加し、逆に高
    車速になるとピッチ成分信号の合成比率が減少して時間
    遅れのバウンス成分信号の合成比率が増加するように構
    成されていることを特徴とする車両懸架装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113400882A (zh) * 2020-03-17 2021-09-17 本田技研工业株式会社 电动悬架装置
JP2021146817A (ja) * 2020-03-17 2021-09-27 本田技研工業株式会社 電動サスペンション装置

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