JPH08216644A - サスペンション制御信号作成方法 - Google Patents

サスペンション制御信号作成方法

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JPH08216644A
JPH08216644A JP2648195A JP2648195A JPH08216644A JP H08216644 A JPH08216644 A JP H08216644A JP 2648195 A JP2648195 A JP 2648195A JP 2648195 A JP2648195 A JP 2648195A JP H08216644 A JPH08216644 A JP H08216644A
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JP
Japan
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signal
sprung vertical
sprung
shock absorber
characteristic
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JP2648195A
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English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 余分な低周波信号入力に基づく制御信号ドリ
フトによるサスペンション制御性の悪化を防止できるサ
スペンション制御信号作成方法の提供。 【構成】 ばね上上下加速度を検出するばね上上下加速
度検出手段aと、ばね上上下加速度検出手段aで検出さ
れたばね上上下加速度信号から位相遅れ補償式に基づい
てばね上上下速度信号に変換する速度変換手段bと、を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サスペンション制御信
号作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行うサスペンション制御信号作成方法としては、
例えば、特開平5−50826号公報「サスペンション
装置」に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の「サスペンション装置」におけ
るサスペンション制御信号作成方法は、ばね上上下加速
度センサでばね上上下加速度を検出すると共に、このば
ね上上下加速度信号を数値積分法によって積分(1/
S)することによってばね上上下速度を求め、このばね
上上下速度信号をショックアブソーバの減衰力特性制御
を行なうための制御信号の1つとして用いるようにした
ものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置にあっては、上述のように構成されていることから、
以下に述べるような問題点があった。
【0005】即ち、ばね上上下加速度センサは、ばね上
である車体側に設けられていて、走行路面を基準とする
車体の上下方向挙動を上下方向加速度として検出するも
のであるため、車両が平坦な路面を水平方向に走行して
いる時は問題ないが、例えば、長い上り坂で加速走行す
る時は、路面の傾斜により、車体が加速度をもって上昇
する状態となるため、ばね上上下加速度センサの信号に
は、制御に必要な水平な走行路面を基準とするばね上上
下加速度成分に、車体の上昇により継続的に入力される
上向きの低周波加速度成分が加算された状態となり、こ
の加算された低周波加速度成分だけばね上上下速度信号
に基づく制御信号がドリフトした状態となるもので、こ
のドリフトした信号によって制御するために、車両の乗
り心地を悪化させる。
【0006】また、車両が長い下り坂で加速走行する時
は、以上とは逆に、車体が加速度をもって下降すること
で継続的に入力される下向きの低周波加速度成分が加算
された状態となる。
【0007】また、車両の制動時においては、前輪側が
沈み込んで後輪側が浮き上がる所謂車体のダイブ現象に
より車体が傾斜すると共に、この傾斜状態で車体速度が
減速されることで、減速度の分力分をばね上上下加速度
センサが下向きのばね上上下加速度成分として検出し、
この継続的に入力される下向きの低周波加速度成分が加
算された状態となる。
【0008】また、車両の加速時においては、後輪側が
沈み込んで前輪側が浮き上がる所謂車体のスカット現象
により車体が傾斜すると共に、この傾斜状態で車体速度
が加速されることで、加速度の分力分をばね上上下加速
度センサが下向きのばね上上下加速度成分として検出
し、この継続的に入力される下向きの低周波加速度成分
が加算された状態となる。
【0009】また、以上のことは、ばね上上下加速度セ
ンサの信号に低周波のDC成分が入力されることによっ
ても生じる。
【0010】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、余分な低周波信号入力に基づく制御信
号ドリフトによるサスペンション制御性の悪化を防止す
ることができるサスペンション制御信号作成方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のサスペンション制御信号作成方法は、図
1のクレーム対応図に示すように、ばね上上下加速度を
検出するばね上上下加速度検出手段aと、該ばね上上下
加速度検出手段aで検出されたばね上上下加速度信号か
ら位相遅れ補償式に基づいてばね上上下速度信号に変換
する速度変換手段bと、を備えている手段とした。
【0012】
【作用】本発明のサスペンション制御信号作成方法で
は、上述のように、ばね上上下加速度検出手段aで検出
されたばね上上下加速度信号からばね上上下速度信号へ
の速度変換手段bとして位相遅れ補償式を用いることに
より、ばね上上下速度信号における制御に必要な周波数
より低周波側のゲインが下がり、余分な低周波入力によ
る影響をなくすことができるもので、これにより、長い
上り坂での加速走行時等におけるように余分な低周波入
力があった場合でも制御信号がドリフトすることがない
ので、適正にサスペンションが制御される。
【0013】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。図
2は、本発明実施例のサスペンション制御信号作成方法
を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間に介
在されて、4つのショックアブソーバSAFL,SAFR
SARL,SARR(なお、ショックアブソーバを説明する
にあたり、これら4つをまとめて指す場合、およびこれ
らの共通の構成を説明する時にはただ単にSAと表示す
る。また、右下の符号は車輪位置を示すもので、FLは前
輪左,FRは前輪右,RLは後輪左,RRは後輪右をそれぞれ
示している。)が設けられている。そして、前輪左右の
各ショックアブソーバSAFL,SAFRおよび後輪左右各
ショックアブソーバSARL,SARRの近傍位置(タワー
位置)の車体には、上下方向の加速度Gを検出する上下
加速度センサ(以後、上下Gセンサという)1FL
FR,1RL,1RRが設けられ、また、運転席の近傍位置
には、各上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)か
らの信号を入力して、各ショックアブソーバSAのパル
スモータ3に駆動制御信号を出力するコントロールユニ
ット4が設けられている。
【0014】以上の構成を示すのが図3のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ
FL,1FR,1RL,1RRからのばね上上下加速度GFL
FR,GRL,GRR信号が入力される。そして、前記イン
タフェース回路4aには、図14に示すように、ばね上
上下加速度GFL,GFR,GRL,GRR信号から各タワー位
置のばね上上下速度ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR
よびばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δx0FL
(Δx−Δx0FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δ
0RRを求めるための信号処理回路が設けられてい
る。なお、この信号処理回路の詳細については後述す
る。
【0015】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0016】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0017】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0018】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0019】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図6に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0020】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0021】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、ばね上上下速度Δxおよびばね上−ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )を求めるための信号処理回路の
構成を、図14のブロック図に基づいて説明する。
【0022】まず、B1では、位相遅れ補償式を用い、
各上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出さ
れた各ばね上上下加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR
を、各タワー位置のばね上上下速度信号に変換する。な
お、位相遅れ補償の一般式は、次の伝達関数式(1) で表
わすことができる。
【0023】 G(S) =(AS+1)/(BS+1)・・・・・・・・(1) (A<B) そして、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3
Hz )において積分(1/S)する場合と同等の位相お
よびゲイン特性を有し、低周波(〜0.05 Hz )側でのゲ
インを下げるための位相遅れ補償式として、次の伝達関
数式(2) が用いられる。
【0024】 G(S) =(0.001 S+1)/(10S+1)×γ・・・・・・・・(2) なお、γは、積分(1/S)により速度変換する場合の
信号とゲイン特性を合わせるためのゲインであり、この
実施例ではγ=10に設定されている。その結果、図1
5の(イ) における実線のゲイン特性、および、図15の
(ロ) における実線の位相特性に示すように、減衰力特性
制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3 Hz )における位相
特性を悪化させることなく、低周波側のゲインだけが低
下した状態となる。なお、図15の(イ),(ロ) の点線は、
積分(1/S)により速度変換されたばね上上下速度信
号のゲイン特性および位相特性を示している。
【0025】続くB2では、制御を行なう目標周波数帯
以外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を
行なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、2次
のハイパスフィルタHPF(0.3 Hz)と2次のローパス
フィルタLPF(4 Hz)とで構成され、車両のばね上共
振周波数帯を目標としたばね上上下速度Δx(ΔxFL
ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR)信号を求める。
【0026】一方、B3では、次式(3) に示すように、
各ばね上上下加速度からばね上−ばね下間相対速度まで
の伝達関数Gu(S) を用い、各上下Gセンサ1で検出さ
れた上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号
から、各タワー位置のばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )[(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx
0FR,(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RR]信
号を求める。 Gu(S) =−ms/(cs+k)・・・・・・・・(3) なお、mはばね上マス、cはサスペンションの減衰係
数、kはサスペンションのばね定数である。次に、前記
コントロールユニット4におけるショックアブソーバS
Aの減衰力特性制御作動の内容を図16のフローチャー
トに基づいて説明する。なお、この基本制御は各ショッ
クアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SARRごとに行
なわれる。
【0027】ステップ101では、ばね上上下速度Δx
が正の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ102に進んで各ショックアブソーバSAを伸側ハー
ド領域HSに制御し、NOであればステップ103に進
む。
【0028】ステップ103では、ばね上上下速度Δx
が負の値であるか否かを判定し、YESであればステッ
プ104に進んで各ショックアブソーバSAを圧側ハー
ド領域SHに制御し、NOであればステップ105に進
む。
【0029】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下速度Δxの値が、0である時の処理ステップであり、
この時は、各ショックアブソーバSAをソフト領域SS
に制御する。
【0030】次に、減衰力特性制御の作動を図17のタ
イムチャートにより説明する。ばね上上下速度Δxおよ
びばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δx0 )に基づく
ばね上上下速度Δxが、この図に示すように変化した場
合、図に示すように、ばね上上下速度Δxの値が0であ
る時には、ショックアブソーバSAをソフト領域SSに
制御する。
【0031】また、ばね上上下速度Δxの値が正の値に
なると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側の減衰力
特性をソフト特性に固定する一方、伸側の減衰力特性
(目標減衰力特性ポジションPT )を、次式(4) に基づ
き、ばね上上下速度Δxに比例させて変更する。 PT =α・Δx・K・・・・・・・・・・・・・・・・(4) なお、αは、伸側の定数、Kは、ばね上−ばね下間相対
速度(Δx−Δx0 )に応じて可変設定されるゲインで
ある。
【0032】また、ばね上上下速度Δxの値が負の値に
なると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側減衰力特
性をソフト特性に固定する一方、圧側の減衰力特性(目
標減衰力特性ポジションPC )を、次式(5) に基づき、
ばね上上下速度Δxに比例させて変更する。 PC =β・Δx・K・・・・・・・・・・・・・・・・(5) なお、βは、圧側の定数である。
【0033】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図17のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0034】図17のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下速度Δxおよびばね上−ばね下間相対速
度(Δx−Δx0 )に基づくばね上上下速度Δxが負の
値(下向き)から正の値(上向き)に逆転した状態であ
る、この時はまだ相対速度(Δx−Δx0 )は負の値
(ショックアブソーバSAの行程は圧行程側)となって
いる領域であるため、この時は、ばね上上下速度Δxの
方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側ハード領
域HSに制御されており、従って、この領域ではその時
のショックアブソーバSAの行程である圧行程側がソフ
ト特性となる。
【0035】また、領域bは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は負の値から正の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいて
ショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御さ
れており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸行程で
あり、従って、この領域ではその時のショックアブソー
バSAの行程である伸行程側が、ばね上上下速度Δxの
値に比例したハード特性となる。
【0036】また、領域cは、ばね上上下速度Δxが正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだばね上−ばね下間相対速度(Δx
−Δx0 )は正の値(ショックアブソーバSAの行程は
伸行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Δxの方向に基づいてショックアブソーバ
SAは圧側ハード領域SHに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある伸行程側がソフト特性となる。
【0037】また、領域dは、ばね上上下速度Δxが負
の値(下向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は正の値から負の値(ショックアブソ
ーバSAの行程は伸行程側)になる領域であるため、こ
の時は、ばね上上下速度Δxの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であり、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側が、ばね上上下速度Δxの値に比
例したハード特性となる。
【0038】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度Δxとばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δx
0 )とが同符号の時(領域b,領域d)は、その時のシ
ョックアブソーバSAの行程側をハード特性に制御し、
異符号の時(領域a,領域c)は、その時のショックア
ブソーバSAの行程側をソフト特性に制御するという、
スカイフック制御理論に基づいた減衰力特性制御と同一
の制御が、ばね上上下速度Δx信号のみに基づいて行な
われることになる。そして、さらに、この実施例では、
ショックアブソーバSAの行程が切り換わった時点、即
ち、領域aから領域b,および領域cから領域d(ソフ
ト特性からハード特性)へ移行する時には、切り換わる
行程側の減衰力特性ポジションは前の領域a,cで既に
ハード特性側への切り換えが行なわれているため、ソフ
ト特性からハード特性への切り換えが時間遅れなく行な
われるもので、これにより、高い制御応答性が得られる
と共に、ハード特性からソフト特性への切り換えはパル
スモータ3を駆動させることなしに行なわれるもので、
これにより、パルスモータ3の耐久性向上と、消費電力
の節約が成されることになる。
【0039】次に、車両が長い坂道で加速走行する時等
のように、上下Gセンサ1の信号に余分な低周波成分が
加算されるような状況における減衰力特性制御作動の内
容について説明する。
【0040】車両が長い上り坂で加速走行する時は、前
にも述べたように、路面の傾斜により、車体が加速度を
もって上昇する状態となるため、ばね上上下加速度セン
サの信号には、制御に必要な水平な走行路面を基準とす
るばね上上下加速度成分に、車体の上昇により継続的に
入力される上向きの低周波加速度成分が加算された状態
となり、この加算された低周波加速度成分だけばね上上
下速度信号に基づく制御信号がドリフトした状態となる
もので、このドリフトした信号によって制御するため
に、車両の乗り心地を悪化させる原因となる。
【0041】なお、以上のことは、車両が長い下り坂で
加速走行する時や、車両の制動時および加速時において
も生じ、さらには、上下Gセンサ1の信号に低周波のD
C成分が入力されることによっても生じる。
【0042】ところが、この実施例では、各上下Gセン
サ1で検出された各ばね上上下加速度Gを、各タワー位
置のばね上上下速度信号に変換する速度変換手段とし
て、位相遅れ補償式を用いることにより、減衰力特性制
御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜3 Hz )における位相特
性を悪化させることなしに、低周波側のゲインだけを低
下させたばね上上下速度信号が得られる。
【0043】従って、上下Gセンサ1の信号に余分な低
周波成分が加算されるような状況においても、低周波側
ゲインの低下により、減衰力特性制御への影響をなくす
ことができる。
【0044】以上説明してきたように、この実施例のサ
スペンション制御信号作成方法では、以下に列挙する効
果が得られる。 ばね上上下加速度からばね上上下速度に変換するた
めの手段として、位相遅れ補償式を用いたことで、余分
な低周波信号入力に基づく信号ドリフトを防止し、これ
により、ショックアブソーバSAにおける減衰力特性の
制御性の悪化を防止して車両の乗り心地を確保すること
ができるようになる。
【0045】 スカイフック制御理論に基づいた最適
な減衰力特性制御が得られると共に、ソフト特性からハ
ード特性への切り換えが時間遅れなく行なわれるもの
で、これにより、高い制御応答性が得られ、また、ハー
ド特性からソフト特性への切り換えはアクチュエータを
駆動させることなしに行なわれるもので、これにより、
アクチュエータの耐久性向上と、消費電力の節約が可能
になる。
【0046】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0047】例えば、実施例では、上下Gセンサを各車
輪位置にそれぞれ設ける場合を示したが、その設置個数
は任意であり、前輪側に設けた上下Gセンサの信号から
所定の伝達関数に基づいて各タワー位置のばね上上下速
度を推定するようにしてもよい。
【0048】また、実施例では、ばね上上下速度信号が
0の時のみソフト領域SSに制御するようにしたが、0
を中心とする所定の不感帯を設けこの不感帯の範囲内で
ばね上上下速度が推移している間は減衰力特性をソフト
領域SSに維持させることにより、制御ハンチングを防
止することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明のサスペ
ンション制御信号作成方法では、上述のように、ばね上
上下加速度検出手段で検出されたばね上上下加速度信号
からばね上上下速度信号への変換に位相遅れ補償式を用
いることにより、制御に必要な周波数より低周波側のゲ
インだけを低下させたばね上上下速度信号を得ることが
でき、これにより、余分な低周波入力があった場合でも
制御信号はドリフトすることがないので、適正にサスペ
ンションを制御することができるようになるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサスペンション制御信号作成方法を示
すクレーム概念図である。
【図2】本発明実施例のサスペンション制御信号作成方
法を適用した車両懸架装置を示す構成説明図である。
【図3】実施例のサスペンション制御信号作成方法を適
用した車両懸架装置を示すシステムブロック図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置における信号処理回路を示すブロ
ック図である。
【図15】実施例装置における信号処理回路で得られた
ばね上上下速度信号のゲイン特性(イ) および位相特性
(ロ) を示す図である。
【図16】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動の内容を示すフローチャートであ
る。
【図17】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動の内容を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
a ばね上上下加速度検出手段 b 速度変換手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね上上下加速度を検出するばね上上下
    加速度検出手段と、 該ばね上上下加速度検出手段で検出されたばね上上下加
    速度信号から位相遅れ補償式に基づいてばね上上下速度
    信号に変換する速度変換手段と、を備えていることを特
    徴とするサスペンション制御信号作成方法。
JP2648195A 1995-02-15 1995-02-15 サスペンション制御信号作成方法 Pending JPH08216644A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0803386A1 (en) * 1996-04-26 1997-10-29 Ford Motor Company Limited A method and apparatus for dynamically determining an operating state of a motor vehicle

Cited By (2)

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