JPH0920068A - インクジェット記録用白色フィルム - Google Patents

インクジェット記録用白色フィルム

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JPH0920068A
JPH0920068A JP7173488A JP17348895A JPH0920068A JP H0920068 A JPH0920068 A JP H0920068A JP 7173488 A JP7173488 A JP 7173488A JP 17348895 A JP17348895 A JP 17348895A JP H0920068 A JPH0920068 A JP H0920068A
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JP
Japan
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film
white
polyester
resin
ink
Prior art date
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Application number
JP7173488A
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English (en)
Inventor
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
Toru Kotani
徹 小谷
Katsuya Ito
勝也 伊藤
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、インク1液滴当たりのドット径が
小さく、写真画像に近い、高品位の画像印字に適し、イ
ンクを速やかに吸収し、印字画像の耐水性に優れる為、
画像保存性に優れ、プリンター内でしわやカールの発生
しにくいインクジェットプリンター用に好適な記録シー
トを提供する。 【構成】 本発明は、白色プラスチックフィルムの少な
くとも片面にインク受容層を設けたインクジェット記録
用白色フィルムにおいて、該インク受容層の表面をES
CAによって分析した時の、フッ素原子の個数の、観測
される全元素の個数に対する比率が10%以上、30%
以下であることを特徴とするインクジェット記録用フィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク1液滴当たりの
ドット径が小さく、且つ白色よりなるので写真画像に近
い、高品位の画像印字に適し、しかもインクを速やかに
吸収し、印字画像の耐水性に優れる為、画像保存性に優
れ、特にプリンター内でしわやカールの発生しにくいイ
ンクジェットプリンター用に好適な記録シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子スチルカメラあるいはコンピ
ュータの普及とともに、それらの画像を紙面などに記録
するためのハードコピー技術が急速に発達した。これら
ハードコピーの究極の目標は銀塩写真であり、特に、色
再現性、画像密度、光沢、耐候性などをいかに銀塩写真
に近づけるかが、開発の課題となっている。ハードコピ
ーの記録方法には、銀塩写真によって画像を表示したデ
ィスプレーを直接撮影するもののほか、昇華型熱転写方
式、インクジェット方式、静電転写型方式など多種多様
の方式が知られている。
【0003】インクジェット方式によるプリンターは、
フルカラー化が容易なことや印字騒音が低いことなどか
ら、近年急速に普及しつつある。インクジェット方式
は、ノズルから被記録材に向けてインク液滴を高速で射
出するものであり、インク中に多量の溶媒を含む。この
ため、インクジェットプリンター用の記録シートは、速
やかにインクを吸収し、しかも優れた発色性を有するこ
とが要求される。また、印字された画像上に誤って水を
こぼした場合にも画像が消えたり、汚れたりしないこ
と、インクの保持性やインク受容層の耐水性が要求され
る。また、ハードコピーの究極の目的である銀塩写真に
画像品位を近づけるためにインク1液滴当たりのドット
径を小さくすることが要求されるが、これにはプリンタ
ーのノズルから噴出されるインク1液滴当たりの量を小
さくするだけでなく、インクが受容層表面上で広がら
ず、真円形状が保持されることが必要となる。しかも基
材フィルムについての選択が要求される。しかし、上記
要求特性を全て満足するインクジェット記録体は得られ
ていないのが現状である。
【0004】これらのインクジェット記録体用の支持体
としては天然紙がもっとも普及しているが、これはイン
クが記録シートに吸収することにより支持体である紙に
しわが入り、美観を損なうという欠点があった。一方こ
れを解決するために、ポリオレフィンのフィルムや合成
紙を基材として用いたものも提案されている。しかし、
ポリオレフィンの場合、腰がないため基材を薄くするこ
とができない。また、インク受容層の接着性が良くない
ため、インク受容層を設けることが困難であり、コスト
アップにつながる。またそれらを解決するためにポリエ
ステルフィルムを基材とするものも提案されているが、
縦、横の配向がバランスしていないため、プリンターで
出力した後の記録物にカールやしわが入り、美観を損な
うものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インク1液
滴当たりのドット径が小さく、従って写真画像に近い高
品位の画像印字に適し、インクを速やかに吸収し得、印
字画像の耐水性に優れる為、画像保存性に優れ、しかも
プリンター内でしわやカールの発生しにくいインクジェ
ットプリンター用に好適な記録シートを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、白色基材フィ
ルムの少なくとも片面に、直接的または間接的にインク
受容層を設けたインクジェット用記録体であって、該イ
ンク受容層の表面をESCAによって分析した時の、フ
ッ素原子の個数の、観測される全元素の個数に対する比
率が10%以上30%以下であることを特徴とするイン
クジェット記録用白色フィルムに関する。
【0007】本発明の好ましい態様は、インク受容層が
本質的に親水性樹脂と架橋剤よりなることを特徴とする
ものであり、より好ましい態様はインク受容層が本質的
にポリビニルアルコール(PVA)とPVAを架橋しう
る架橋剤であることを特徴とするものであり、さらに好
ましい態様はPVAを架橋しうる架橋剤がメラミン系化
合物であることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の好ましい態様は、インク受
容層にカチオン性基を有する化合物が含まれることを特
徴とするインクジェット記録用白色フィルムであり、よ
り好ましい態様はカチオン基を有する化合物がカチオン
変成PVAであることを特徴とするインクジェット記録
用白色フィルムである。
【0009】さらに、また本発明の好ましい態様は、白
色基材フィルムが白色ポリエステルであることを特徴と
するインクジェット記録用白色ポリエステルフィルムで
あり、より好ましい態様は、白色ポリエステルフィルム
が光線透過率30%以下、面内複屈折が−0.02以上
+0.04以下であることを特徴とするものである。特
に好ましい態様は、白色ポリエステルフィルムがポリエ
ステルに該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を少な
くとも1種混合し、少なくとも1軸に延伸することによ
り内部に微細な空洞を含有せしめてなり、見かけ比重が
0.8以上1.3以下であることを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の好ましい態様は、白色基材
フィルム上に中間層を設け、その上にインク受容層を設
けたことを特徴とするインクジェット記録用白色フィル
ムであり、好ましくは当該中間層が少なくともポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリアクリル樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種類を含んでいることを特徴と
するものである。
【0011】また、本発明の好ましい態様は、基材フィ
ルム上のインク受容層との反対面に、易滑層を設けたこ
とを特徴とするインクジェット記録用白色フィルムであ
り、特に易滑層がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂
およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種および
帯電防止剤を含んでいることを特徴とするインクジェッ
ト記録用白色フィルムである。
【0012】インク受容層表面のフッ素原子の存在比率
は、10%以上30%以下、好ましくは15%以上25
%以下である。上記のように限定することによって、優
れたインク受容層が形成される原因は明らかではない
が、親水性の受容層表面を一定比率の疎水性物質でモザ
イク状に被覆することにより、インクの広がりを押さ
え、かつ吸収性を維持できるものと推定される。原子数
比率が10%未満ではインクのドット径を小さくする効
果が不十分であり、30%以上を超えるとインク吸収性
が低下する。当該原子数比率はESCAによる分析によ
るものである。
【0013】本発明において用いられる白色基材フィル
ム用の樹脂としては、特に限定されるものではなく、例
えばポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリア
クリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニル系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などがあ
げられるが、特に好ましいのは下記に述べるポリエステ
ル系樹脂である。
【0014】ポリエステルとしては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのごとき芳香
族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールのなどのグリコールととを
重縮合させて製造されるポリエステルが好適である。
【0015】当該ポリエステルは芳香族ジカルボン酸と
グリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカ
ルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル
交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカ
ルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの
方法によって製造することができる。
【0016】かかるポリエステルの代表例としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなど
が挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであっ
てもよく、第三成分を共重合したものであってもよい。
第三成分としては、イソフタル酸、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。
【0017】本発明においては、ポリエステルとして
は、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレ
ート単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位
が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好
ましくは90モル%以上であるポリエステルが好まし
い。
【0018】本発明は、光線透過率が30%以下、好ま
しくは20%以下で、面内複屈折が−0.02以上+
0.04以下の白色基材フィルム、特に白色ポリエステ
ルフィルムを使用することによってカールや皺のない最
も好ましいインクジェット用記録体を得ることができ
る。光線透過率はJIS K−6714に準じて測定し
たものであり、面内複屈折は神崎製紙(株)製分子配向
計MOA−2001Aにて測定したものである。光線透
過率が30%以下の白色基材フィルムは、例えば表面コ
ート法、充填剤混合法、延伸発砲法等によって製造され
る。また、面内複屈折が−0.02以上+0.04以下
の白色基材フィルムは、例えば後述の方法によって製造
される。
【0019】白色フィルムの製造法としては表面処理
法、表面コート法、表面ラミネート法、内部紙化法、充
填剤混合法、延伸発泡法などの公知の方法が利用可能で
あるが延伸発泡法が最も好ましく用いられる。延伸発泡
法は、例えばポリエステルと当該ポリエステルに非相溶
の熱可塑性樹脂を含有する重合体混合物を少なくとも1
軸に配向することにより行われる。かくして、後述する
微細空洞含有ポリエステル系フィルムが得られる。
【0020】延伸発泡法に用いられるポリエステルに非
相溶の熱可塑性樹脂は、ポリエステルに非相溶性のもの
であれば特に制限されるものではなく任意である。非相
溶の熱可塑性樹脂を配合することによって、基材フィル
ムに空洞を形成しえ、かくして基材フィルムを白色化す
ることができ、また面内複屈折を調整することができ
る。
【0021】当該非相溶の熱可塑性樹脂としては、ポリ
スチレン系樹脂(例えばポリスチレン−ブタジエン共重
合体等)、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリメチルペ
ンテン、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリアク
リル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート等)、ポ
リカーボネート系樹脂(例えばポリビスフェノールAカ
ーボネート等)、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹
脂、シリコーン系樹脂(例えばポリジメチルシロキサン
等)等が挙げられ、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルペ
ンテン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好
ましい。これらは2種以上を併用してもよい。
【0022】ポリエステルに混合させる当該非相溶の熱
可塑性樹脂の量は、目的とする空洞の量によって異なっ
てくるが、基材フィルムを構成する全成分に対して3〜
39重量%が好ましく、特に5〜15重量%が好まし
い。3重量%未満では、空洞の生成量を多くすることに
限界があり、白色化、面内複屈折の調整が困難で且つ、
柔軟性や軽量性あるいは描画性が得られない傾向があ
る。逆に、39重量%を越えると、フィルムの延伸性が
損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわれる傾
向がある。また、当該非相溶の熱可塑性樹脂は、2種類
以上使用しても構わない。
【0023】また、フィルム中には、隠蔽性等を向上さ
せるため、ポリエステル中あるいは非相溶樹脂中に無機
または有機の粒子を必要に応じて添加してもよい。添加
可能な粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、
炭酸カルシウム、ゼイライト、アルミナ、硫酸バリウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、有機白色顔料、ベンゾグア
ナミン粒子、架橋ポリスチレン、架橋アクリル粒子等が
例示されるが特に限定されるものではない。
【0024】本発明に関して、白色基材フィルム(たと
えば、微細空洞含有ポリエステル系フィルム)は、単層
フィルムであっても、2層以上の複合フィルムであって
もかまわない。この場合、特に表層に前述した粒子を添
加すると、白色性が増し、表面の美観が良好になる。
【0025】本発明のフィルムは、見掛け比重が、通常
0.8以上1.3未満、好ましくは1.0以上1.25
未満、さらに好ましくは1.05以上1.25未満の範
囲である。見掛け比重が0.8未満では空洞含有率が大
きすぎ、フィルムの強度が著しく損なわれたり、縦、横
のバランスにかかわらずフィルム表面のワレやシワが生
じやすくなる。逆に、見掛け比重が1.3を超えると、
空洞含有率が小さくなりすぎ、クッション性がなくなり
鉛筆での描画性が無くなる。
【0026】本発明に関して、微細空洞含有ポリエステ
ル系フィルムは、面内複屈折が−0.02〜+0.04
であることを要し、0〜+0.03であることが好まし
い。そして、面内複屈折を−0.02好ましくは0以上
とすることによって、初めて、実質的な等方性を有する
フィルムが得られる。ここで、面内複屈折が+(−)で
あるとは、縦延伸の履歴を横延伸の履歴よりも大きく
(小さく)残しているという意味であって、横延伸時の
いわゆるボーイング現象によって生じる若干の屈折率主
軸の歪みを伴っていてもかまわない。そして、面内複屈
折を−0.02以上好ましくは0以上とすることによっ
て、フィルムを横方向に裂けにくくすることができる。
一方、面内複屈折が+0.04を超えると、逆にフィル
ムの縦裂けが生じやすくなり、フィルムのスリット時に
破断が生じたり、シートへの裁断時にフィルムの縦方向
へのワレが生じやすくなる。また面内複屈折が−0.0
2未満あるいは+0.04以上ではプリンターでのしわ
やカールの原因となる。
【0027】本発明の基材フィルムの製造方法は、特に
制限されるものではなく、任意であるが、最も好ましい
製造方法は、以下の通りである。すなわち、未延伸フィ
ルムを縦方向に1段または多段で3.0倍以上延伸した
後、縦方向に3%以上の緩和処理を施し、次いで緩和処
理後の縦延伸倍率以上の倍率で横延伸・熱処理を行うこ
とによって製造される。
【0028】当該方法をより具体的に説明する。まず、
最初の縦延伸工程では、周速が異なる2本あるいは多数
本のロール間で延伸する。このときの加熱手段として
は、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用
いる方法でもよく、それらを併用してもよい。ただし、
非相溶樹脂界面に空洞を多数発現させるためには、延伸
温度をポリエステルの2次転移温度Tg+10℃以上か
つTg+50℃以下で、3.0倍以上、好ましくは3.
2〜5.0倍の範囲で延伸する。延伸倍率が3.0倍以
下では、フィルム内部に微細空洞を十分に発現させ、フ
ィルムの見かけ比重を1.3以下とすることが困難とな
る。また、縦倍率が5倍を超えると、その後の緩和処理
を十分に行うことが困難になり、フィルム面内複屈折を
0.04以下とすることが実質的に困難となる。
【0029】次いで、縦方向に3%以上、好ましくは5
%以上の緩和処理を施す。より好ましい緩和率は、緩和
に先立って行われた縦延伸倍率によって変わるが、緩和
後の縦延伸倍率が2.8〜3.5となるように決定する
ことが好ましい。そして、3%以上の緩和処理を施すこ
とによって初めて、面内複屈折が−0.02〜+0.0
4のフィルムを工業的に安定して製造することが可能と
なる。逆に、3%以上の緩和処理を施さない場合には、
次工程での横延伸性が著しく不良となり、面内複屈折が
−0.02〜+0.04のフィルムを作成することはで
きない。しかも、見かけ比重が1.30以上のフィルム
(微細空洞含有量が乏しいフィルム)を製造する場合に
は、緩和処理を行わずとも、等方性を有するフィルムの
製造は可能である。ただし、この場合には、見かけ比重
が0.8以上1.3未満の微細空洞含有フィルムを製造
することはできない。
【0030】また、縦緩和後の好ましい延伸倍率は2.
8〜3.5である。緩和後の縦延伸倍率が2.8以下の
場合には、緩和が均一に行われず不均一なフィルムとな
ったり、2軸延伸後の面内複屈折が−0.02以下とな
る場合が生じることがあるため、好ましくない。逆に緩
和後の縦延伸倍率が3.5を超える場合には、横延伸時
の延伸性が不良となったり、2軸延伸後の面内複屈折が
+0.04を超える場合があるため、好ましくない。
【0031】緩和処理を行う方法としては、一旦フィル
ムを冷却した後オーブン中で80℃〜150℃に再加熱
して実施する方法や、縦延伸直後に冷却することなくロ
ール間で緩和処理を施す方法、あるいは60℃〜100
℃に加熱した駆動ロール群あるいはフリーロール群の間
で緩和処理を施す方法、あるいはこれらを適当に組み合
わせた方法等を採用することができる。ただし、縦延伸
直後に冷却することなく緩和処理を施す方法を主体とし
て緩和処理を行う方法が好ましく、均一な緩和処理を効
率よく行うことができる。
【0032】次いで、縦緩和処理後のフィルムをテンタ
ーに導入し、緩和処理後の縦延伸倍率以上の倍率で横延
伸・熱処理を行う。好ましい横延伸温度は、縦延伸・緩
和処理の最高温度以上、原料樹脂(たとえば、ポリエス
テル)の融点Tm−10℃以下である。横延伸倍率が緩
和処理後の縦延伸倍率より小さいと、面内複屈折を+
0.04以下とすることが困難である。横延伸倍率の上
限は特に規制されないが、緩和処理後の縦延伸倍率+
1.0以下の倍率で行うことが、延伸性を確保し、面内
複屈折を−0.02以上とするためには好ましい。
【0033】このようにして得られた2軸延伸フィルム
に対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター
中で行うのが好ましく、原料樹脂(たとえば、ポリエス
テル)の融点Tm−50℃〜Tmの範囲で行うのが好ま
しい。また、熱処理と並行して、再横延伸や横方向の緩
和を実施してもかまわない。かくして、微細空洞含有フ
ィルムが得られ、これは本発明において、特に好ましい
態様の基材フィルムである。ここに微細空洞含有フィル
ムとは、フィルム表面に垂直に切断した時の断面におけ
る空洞の長さの平均(L1)と空洞の厚さの平均(T
1)の比(L1/T1)が7.0以上であり、フィルム
内部に含まれる空洞の数(n1)が30個/2500μ
2 以上であり、見かけ比重が0.6〜1.3である空
洞含有フィルムであることが好ましい。
【0034】本発明における、インク受容層は、その表
面における全元素の個数に対するフッ素原子の個数の比
率(ESCAによる測定)が10%〜30%である。か
かるインク受容層としては、例えば樹脂成分とフッ素系
化合物とを含有するものを層状に成形したもの、樹脂成
分よりなる層表面にフッ素系化合物含有物を塗工、噴霧
などの手段にて付着させたものが例示される。
【0035】樹脂成分としては、従来この分野において
既知のものを使用すればよく、例えばポリビニルアルコ
ール(PVA)、アクリル樹脂、スチレン−アクリル重
合体、エチレン−酢酸ビニル重合体、デンプン、ポリビ
ニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、
アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエステル樹
脂、フェノール、メラミン、エポキシ、スチレン−ブタ
ジエンゴム等の樹脂が例示され、特に親水性樹脂、就中
PVAが最も好ましく用いられ、その中でも重合度14
00〜2500、ケン化度85〜90のものが最も好ま
しく用いられる。
【0036】また、該受容層は、メラミン系化合物、エ
ポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、無水マレイ
ン酸共重合体などの架橋性官能基を含む化合物、即ち架
橋剤を添加することにより、該受容層の硬化度が上が
り、耐水性が良好になる。このような架橋剤は2種以上
併用することも可能である。本発明においては水溶性メ
ラミン系化合物が最も好ましく用いられる。また、必要
に応じて反応促進のために触媒を用いることも可能であ
る。
【0037】本発明においては、該インク受容層の表面
に観測される全元素の個数に対するフッ素原子の個数の
比率はESCAによって観測される。具体的には、島津
(株)製ESCA−850により、光源にMg−Kα線
(1254eV)を用い、出力9kV×30mAで行
う。表層の原子数比は受容層中に存在する元素の電子エ
ネルギースペクトル強度に各元素の検出感度の重み付け
を行うことにより求められる。
【0038】受容層表面のフッ素原子の存在比率を上記
のように限定することによって優れたインク受容層が形
成される理由は明らかではないが、受容層表面(特に親
水性の受容層表面)を一定比率の疎水性物質でモザイク
状に被覆することにより、インクの広がりを押さえ、か
つ吸収性を維持できるものと推定される。原子数比率が
10%未満ではインクのドット径を小さくする効果が不
十分で、30%を越えるとインク吸収性が低下する。
【0039】本発明において、該受容層表面のフッ素原
子の存在比率を前記特定の範囲にするために方法は特に
限定されるものではないが、フッ素含有高分子化合物や
フッ素含有界面活性剤を受容層中に添加し、フッ素系化
合物がインク受容層中の表層に局在化するような条件を
選択する方法や、フッ素系化合物を含む液状組成物をイ
ンク受容層上に塗工、噴霧して付着させる方法などが好
適なものとして例示される。従って、本発明におけるイ
ンク受容層とは、例えば当該塗工層などのフッ素系化合
物の付着層も包含するものである。
【0040】塗工層を設ける方法としては、グラビアコ
ート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコ
ート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方
式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式な
どの通常用いられている方法が適用できる。また、前記
フッ素系界面活性剤を表層近くに局在化させる塗工方法
としては特に乾燥初期段階の温度が重要であり、初期段
階の乾燥温度を塗工液の溶剤の沸点を基準として+30
℃以下、好ましくは0〜+20℃に設定することが好適
である。+30℃を越える温度で初期乾燥を行うとコー
ト層の表層が先に乾燥されるため前記界面活性剤が表層
に移動しにくくなるので好ましくない。
【0041】フッ素含有高分子化合物としては、ポリ4
フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどが例示さ
れ、フッ素含有界面活性剤としては、パーフルオロアル
キルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸
塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアル
キルベタインなどが例示される。添加量については特に
限定されるものではないが、インク受容層の乾燥重量1
00重量部に対して、0.05〜20重量部、好ましく
は0.1〜10重量部が好適である。また、フッ素系化
合物を含む液状組成物としては、上記フッ素含有化合物
を水および/または水溶性有機溶剤に分散または溶解し
たものが挙げられる。
【0042】本発明における、架橋剤の添加量は特に限
定されるものではないが、インク受容層に用いられる樹
脂成分の乾燥重量100重量部に対して、通常0.5〜
10重量部、好ましくは1.0〜7.0重量部である。
0.5重量部未満ではインク受容層の耐水性が不足する
傾向があり、10重量部を超えるとインク吸収能が低下
する傾向がある。
【0043】また、所望により、インク受容層中にシリ
カ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライ
ト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化
亜鉛、酸化チタン、有機白色顔料、ベンゾグアナミン粒
子、架橋ポリスチレン、架橋アクリル粒子、水酸化アル
ミニウムなどの粒子を加えることも可能であり、添加量
を適宜選択することによって、インクの吸収性や表面光
沢をコントロールすることができる。
【0044】本発明においてカチオン性基を含有する化
合物を受容層中に添加することによって、インクの定着
性を向上させることができる。この時使用されるカチオ
ン性基を含有する化合物としては、特に限定されるもの
ではなく公知のもの、例えばカチオン変性アクリル樹
脂、ジアリルアミン誘導体、ジアリルジアルキルアンモ
ニウムクロライド誘導体などが使用可能である。かかる
化合物の添加量は特に限定されるものではないが、イン
ク受容層の乾燥重量100重量部に対して、0.5〜1
0重量部、好ましくは1〜7重量部が好適である。0.
5重量部未満ではインク定着能が不足し、10重量部を
超えるとインク受容層の力学強度が低下するので好まし
くない。また、インクの定着性の観点より、上記カチオ
ン性基を含有する化合物を添加することに代えて、前述
した樹脂成分、特に親水性樹脂をカチオン変性してもよ
く、特にカチオン変性PVAは特に好ましく用いられ
る。
【0045】受容層は、一層からなるものでもまた2層
以上の構成をとっても構わない。白色基材フィルムと受
容層の間に中間層を設けることにより、基材と受容層と
の接着性を向上させることもできる。中間層を構成する
材料としては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この
他にも、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹
脂、アクリル系樹脂などの通常のポリエステルフィルム
の接着性を向上させる手段として既知の化合物などが適
用可能である。
【0046】中間層にはメラミン樹脂、イソシアネー
ト、エポキシ樹脂などの架橋剤やシリカ、カオリナイ
ト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、
硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、有機白色顔料、ベンゾグアナミン粒子、架橋ポリス
チレン、架橋アクリル粒子、水酸化アルミニウムなどの
粒子を加えることも構わない。
【0047】中間層用のポリエステル系樹脂は、二塩基
酸とグリコールからなり、水に可溶、乳化または分散で
きるポリエステル樹脂であり、例えば二塩基酸は全ジカ
ルボン酸の50〜0.5モル%がスルホン酸基含有のジ
カルボン酸の金属塩であり、これら2種のジカルボン酸
成分とグリコール成分とが共重合されたポリエステル共
重合体である。上記ジカルボン酸金属塩としては、スル
ホテレフタル酸、5ースルホイソフタル酸、4−スルホ
フタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、5[4ースルホフエノキシ]イソフタル酸等の金属
塩があげられ、特に好ましいのは5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。
これらのジカルボン酸の金属塩は、全ジカルボン酸成分
に対して50〜0.5モル%、好ましくは20〜1モル
%であり、50モル%を越えると水に対する分散性は良
くなるとしても共重合体の耐水性が低下する。ポリエス
テル共重合体の水に対する分散性は、共重合組成、水浴
性有機化合物の種類および量などによって異なるが、上
記ジカルボン酸の金属塩の量は水に対する分散性を損な
わない限り、少ない方がよい。
【0048】スルホン酸基含有のジカルボン酸の金属塩
以外のジカルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族
のそれぞれのジカルボン酸が用いられる。芳香族ジカル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルト
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などをあげ
ることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカ
ルボン酸成分の好ましくは40モル%以上、より好まし
くは60モル%以上である。40モル%未満であるとポ
リエステル共重合体の機械的強度や耐水性が低下する。
脂肪族、脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、1,3−シクロペンタンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3
−シクロジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸などがあげられ、これらのジカルボン酸成分を加
えると接着性能が高められる場合もあるが、一般にはポ
リエステル共重合体の機械的強度や耐水性は悪くなる。
【0049】上記ジカルボン酸混合物に反応させるグリ
コール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ル、および炭素数6〜12個の脂環族グリコール、およ
び両者の混合物が例示され、具体的にはエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオベンルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘ
キサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、p−キシレングリコールなどがあげられる。さら
に、炭素数4個以上の脂肪族ジオールとして、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールなどがあげら
れ、またポリエーテルとして、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどがあげられる。
【0050】ポリエステル共重合体は、たとえば通常の
溶融重縮合によって得られる。すなわち、ジカルボン酸
成分およびグリコール成分を直接反応させ水を留去して
エステル化したのち重縮合を行う直接エステル化法、あ
るいはジカルボン酸成分のジメチルエステルとグリコー
ル成分を反応させ、メチルアルコールを留去してエステ
ル交換を行ったのち重縮合を行うエステル交換法によっ
て得られる。このほかに溶液重縮合や界面重縮合などに
よっても重合体が得られる。溶融重縮合の際には、必要
に応じて酸化防止剤、滑り剤、無機微粒子、帯電防止剤
を加えることができる。前述したポリエチレングリコー
ルなどのポリエーテルは、溶融重縮合の際あるいは重合
後に溶融ブレンドして添加することができる。
【0051】ポリウレタン樹脂は、好適には(1)分子
内に2個以上の活性水素原子を有する化合物、(2)分
子内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリ
イソシアネート、あるいは(3)分子内に少なくとも2
個の活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得ら
れ、末端にイソシアネート基を有する化合物である。
【0052】上記(1)の化合物としては、末端または
分子内に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、
アミノ基あるいはメルカプト基を含むものが好適であ
り、特に好ましいものとしては、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルエステ
ルポリオールなどが挙げられる。ポリエーテルポリオー
ルとしては、たとえばエチレンオキサイドおよびプロピ
レンオキサイドなどのアルキレンオキサイド類、あるい
はスチレンオキサイドおよびエピクロルヒドリンなどを
重合した化合物、あるいはそれらのランダム共重合、ブ
ロック共重合あるいは多価アルコールへの付加重合を行
って得られた化合物などがある。ポリエステルポリオー
ルおよびポリエーテルエステルポリオールとしては、主
として直鎖状あるいは分岐状の化合物が挙げられ、コハ
ク酸、アジピン酸、フタル酸および無水マレイン酸など
の多価の飽和または不飽和カルボン酸無水物などとエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオールおよびトリメチロールプロパンなどの多価の
飽和または不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど
のポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれ
らアルコール類の混合物とを縮合することにより生成し
得るものが挙げられる。さらにポリエステルポリオール
としては、ラクトンおよびヒドロキシ酸から得られるポ
リエステル類が挙げられ、ポリエーテルエステルポリオ
ールとしてはあらかじめ製造されたポリエステル類に、
エチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなど
を付加せしめたポリエーテルエステル類が挙げられる。
【0053】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなど
の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソ
シアネートおよび4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、ある
いはそれら化合物を単一あるいは複数でトリメチロール
プロパンなどとあらかじめ付加させたポリイソシアネー
ト類が挙げられる。
【0054】上記(3)の少なくとも2個の活性水素を
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール,1,4−ブタンジオールおよび1,6
−ヘキサンジオールなどのグリコール類、グリセリン、
トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールな
どの多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミンおよびピペラジンなどのジアミン類、モノ
エタノールアミンおよびジエタノールアミンなどのアミ
ノアルコール類、チオジエチレングリコールなどのチオ
ジグリコール類あるいは水などが挙げられる。
【0055】また、ポリアクリル系樹脂は、たとえばア
クリル酸もしくはその誘導体および必要に応じてビニル
基を有するアクリル酸(誘導体)以外の単量体を重合さ
せて得られる。使用される単量体としては、アクリル
酸、メタアクリル酸(以下、アクリル酸および/または
メタクリル酸を(メタ)アクリル酸とする)(メタ)ア
クリル酸の低級アルキルエステル(たとえば、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、2−エチルヘキシルエステル)、メチル
メタアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、ス
チレン、グリシジルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレートなどを用いて調製される。
【0056】本発明において、白色基材フィルムのイン
ク受容層を設けた反対面に易滑層を設けることが好まし
い。この易滑層は前述した中間層を設ける技術がそのま
ま適用できる。また、易滑層は内部に帯電防止剤、蛍光
増白剤、紫外線吸収剤などを含有しても構わない。また
粒子を含有することも好ましい形態である。
【0057】
【効果】本発明は、インク1液滴当たりのドット径が小
さく、従って写真画像に近い高品位の画像印字に適し、
インクを速やかに吸収し得、印字画像の耐水性に優れる
為、画像保存性に優れ、しかもプリンター内でしわやカ
ールの発生しにくいインクジェットプリンター用に好適
な記録シートを提供することを目的とする。
【0058】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。ま
ず、本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0059】1)インク吸収性 インクジェット用プリンター(セイコーエプソン(株)
製MJ−700VC2)で4色プリントし、1分後にプ
リント面を指でこすった。このときプリント面がこすれ
なければ○、こすられれば×とした。
【0060】2)インク固着性 インクジェット用プリンター(セイコーエプソン(株)
製MJ−700VC2)でアルファベット文字を4色プ
リントし、乾燥後印字した文字上に水滴を落とし放置後
水滴が乾燥したとき、文字が判別できれば○、出来なけ
れば×とした。
【0061】3)耐水性 インクジェット用プリンター(セイコーエプソン(株)
製MJ−700VC2)でアルファベット文字を4色プ
リントし、乾燥後印字した文字上に水滴を落とし1分間
放置後、印字部分をティッシュペーパーでこすった。こ
のときプリント部が脱離しなければ○、脱離すれば×と
した。
【0062】4)ドット径 インクジェット用プリンター(セイコーエプソン(株)
製MJ−700VC2)で単一ドットを4色プリント
し、プリント画像を顕微鏡下で観察し、4色それぞれの
ドット径の平均値をドット径とした。
【0063】5)ESCAによるフッ素原子表面被覆率 島津(株)製ESCA−850Mによりフッ素、炭素、
酸素、窒素、水素に由来するピークの面積を求め、この
面積に各元素の検出感度による係数をかけ、原子数に換
算してその比率を求めた。
【0064】6)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が大きいほど透明性が高い。
【0065】7)見かけ比重 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。
【0066】
【数1】
【0067】8)面内複屈折 まず、フィルムを10cm×10cmの大きさにカット
し、その重量W(g)を計測した。そして、フィルム内
部に全く空洞が存在しない場合の比重ρ(g/cc)を用
い、下式によって空洞含有率とは無関係なフィルムの実
厚みT(cm)を計算した。
【0068】
【数2】
【0069】次に、神崎製紙(株)製分子配向計MOA
−2001Aを用い、上記の厚みTを代入して、マイク
ロ波領域での屈折率を縦方向主軸と横方向主軸に沿って
求めた。そして、下式によって面内複屈折を求めた。
【0070】
【数3】
【0071】9)しわ 3)のプリンターで出力したときに、記録フィルム
(紙)にしわが見られなければ○、見られるが許容でき
る範囲ならば△、プリント物の美観を損なうほどしわが
見られれば×とした。
【0072】10)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmとり、200m
m間隔で印をつけ5gの一定張力下で固定し印の間隔A
を測る。続いて、無張力下で30分間、150℃の雰囲
気中のオーブンにいれた後の印の間隔Bを求め、以下の
式により熱収縮率とした。
【0073】
【数4】
【0074】実施例1 原料として、固有粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レート樹脂83重量%に一般用ポリスチレン(三井東圧
化学(株)製T575−57U)13重量%およびアナ
ターゼ型二酸化チタン(富士チタン(株)製TA−30
0)4重量%を混合したものを押出機に供給し、 290
℃で溶融押し出し、30℃の冷却ドラム上に静電密着法
を用いてキャスティングし、厚さ750ミクロンの未延
伸フィルムを作成した。次いで、このフィルムを70℃
に加熱されたロールによって予熱し、赤外線ヒーターを
用いて更に加熱し、周速の異なるロール間で縦方向に3.
7 倍延伸した。このとき、高速ロール(延伸ロール)の
温度は70℃とした。そして延伸終了直後に、冷却する
ことなく、ロール間で14%の緩和処理を施した。した
がって、緩和後の縦延伸倍率は3.2 となった。次いで縦
緩和終了後のフィルムをテンターに導き、140℃で8秒
間予熱した後、同じ温度で横方向に3.6倍延伸した。次
いで、220℃で5秒間熱処理した後、同温度で更に横
方向に8%再延伸し、更に同温度で5秒間熱処理した。
このようにして、厚さ75ミクロンの微細空洞含有ポリ
エステル系フィルムを得た。得られたフィルムの特性を
表1に示した。
【0075】
【表1】
【0076】また、このフィルムの両面に、共重合ポリ
エステル樹脂(東洋紡績製バイロンMD−1200)を
ワイヤーバー(#5)で塗布し、乾燥させた。この塗布
面上にポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)
製GH20)20重量部を水200重量部に溶解させ、
この水溶液に、カチオン性多量体(旭電化工業(株)製
アデカカチオエースPD−50)と水溶性メラミン(住
友化学工業(株)製スミテックスレジンM3)をそれぞ
れ0.4および、1重量部添加し、さらにフッ素系界面
活性剤(ダイキン(株)製ユニダインDS402)を
0.8重量部添加して得た混合溶液を乾燥後10g/m
2 となるようにワイヤーバーで塗布、120℃で1分、
続いて160℃で3分、乾燥、キュアーして、インクジ
ェット記録用フィルムを得た。得られたフィルムのイン
クジェットプリンター印字特性を表2に示した。
【0077】
【表2】
【0078】実施例2 実施例1と同様にして基材フィルムを調製し、このフィ
ルムの両面に、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡積製バ
イロンMD−1200)をワイヤーバー(#5)で塗布
し、乾燥させた。この塗布面上にカチオン変性PVA
(クラレ(株)製CM−318)20重量部を水200
重量部に溶解させ、この水溶液に水溶性メラミン(住友
化学工業(株)製スミテックスレジンM−3)を1重量
部添加し、さらにフッ素系界面活性剤(ダイキン(株)
製ユニダインDS402)を0.8重量部添加して得た
混合溶液を実施例1と同様に塗布、乾燥してインクジェ
ット記録用フィルムを得た。
【0079】実施例3 実施例1において、フッ素系界面活性剤の添加量を0.
6重量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用フィルムを得た。
【0080】実施例4 実施例1において、フッ素系界面活性剤の添加量を1.
2重量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用フィルムを得た。得られたフィルムのイ
ンクジェットプリンター印字特性を表2に示した。
【0081】比較例1 実施例1においてフッ素系界面活性剤を添加しない以外
は、実施例1と全く同様の方法でインクジェット記録用
フィルムを得た。得られたフィルムのインクジェットプ
リンター印字特性を表2に示した。
【0082】比較例2 実施例1において乾燥、キュアーを160℃で4分間実
施した以外は、実施例1と全く同様の方法でインクジェ
ット記録用フィルムを得た。得られたフィルムのインク
ジェットプリンター印字特性を表2に示した。
【0083】比較例3 縦延伸倍率を3.2 倍として縦緩和処理を行わないこと以
外は、実施例1と全く同様の方法で比較例3の微細空洞
含有ポリエステル系フィルムを得た。得られたフィルム
の特性を表1に示した。得られたフィルムにPVA(ク
ラレ(株)製PVA205)20重量部を水200重量
部に溶解させ、得られたPVA溶液を乾燥後10g/m
2 となるようにワイヤーバーで塗布、乾燥して、インク
ジェット記録用フィルムを得た。得られたフィルムの特
性を表1に、インクジェットプリンター印字特性を表2
に示した。
【0084】比較例4 白色ポリエステルフィルムの代わりにセイコーエプソン
(株)製スーパーファイン専用紙(MJSP1)を使用
してプリントした。プリント物はインクを吸収したた
め、全体に波打ってしまった。
【0085】
【発明の効果】本発明は、インクを速やかに吸収し、画
像に水が触れたときのインクの固着性及び耐水性に優
れ、インクのドット径の小さく、表面の光沢度が高く、
また、プリンター内でしわやカールの発生しにくい、カ
ラーインクジェットプリンター用に好適な、高品質、高
品位の記録ができるものとなった。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色基材フィルムの少なくとも片面に、
    直接的または間接的にインク受容層を設けたインクジェ
    ット用記録体であって、該インク受容層の表面をESC
    Aによって分析した時の、フッ素原子の個数の、観測さ
    れる全元素の個数に対する比率が10%以上30%以下
    であることを特徴とするインクジェット記録用白色フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 インク受容層が本質的に親水性樹脂と架
    橋剤よりなることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット記録用白色フィルム。
  3. 【請求項3】 親水性樹脂がポリビニルアルコール(P
    VA)であり、架橋剤がPVAを架橋しうる架橋剤であ
    ることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録
    用白色フィルム。
  4. 【請求項4】 PVAを架橋しうる架橋剤がメラミン系
    化合物であることを特徴とする請求項3記載のインクジ
    ェット記録用白色フィルム。
  5. 【請求項5】 インク受容層にカチオン性基を有する化
    合物が含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のインクジェット記録用白色フィルム。
  6. 【請求項6】 カチオン基を有する化合物がカチオン変
    成PVAであることを特徴とする請求項5記載のインク
    ジェット記録用白色フィルム。
  7. 【請求項7】 白色基材フィルムがポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のイン
    クジェット記録用白色ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 白色ポリエステルフィルムが光線透過率
    30%以下、面内複屈折が−0.02以上+0.04以
    下であることを特徴とする請求項7記載のインクジェッ
    ト記録用白色ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 白色ポリエステルフィルムがポリエステ
    ルに該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を少なくと
    も1種混合し、少なくとも1軸に延伸することにより内
    部に微細な空洞を含有せしめてなり、見かけ比重が0.
    8以上1.3以下であることを特徴とする請求項7また
    は8記載のインクジェット記録用白色ポリエステルフィ
    ルム。
  10. 【請求項10】 白色基材フィルム上に中間層を設け、
    その上にインク受容層を設けたことを特徴とする請求項
    1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用白色フ
    ィルム。
  11. 【請求項11】 中間層が少なくともポリエステル樹
    脂、ポリウレタン樹脂またはポリアクリル樹脂から選ば
    れる少なくとも1種類を含んでいることを特徴とする請
    求項10記載のインクジェット記録用フィルム。
  12. 【請求項12】 基材フィルム上のインク受容層との反
    対面に、易滑層を設けたことを特徴とする請求項1〜1
    1のいずれかに記載のインクジェット記録用白色フィル
    ム。
  13. 【請求項13】 易滑層がポリエステル樹脂、ポリウレ
    タン樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1
    種および帯電防止剤を含んでいることを特徴とする請求
    項12記載のインクジェット記録用白色フィルム。
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