JPH09199121A - 水素吸蔵合金及び二次電池 - Google Patents

水素吸蔵合金及び二次電池

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JPH09199121A
JPH09199121A JP8008219A JP821996A JPH09199121A JP H09199121 A JPH09199121 A JP H09199121A JP 8008219 A JP8008219 A JP 8008219A JP 821996 A JP821996 A JP 821996A JP H09199121 A JPH09199121 A JP H09199121A
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alloy
hydrogen storage
hydrogen
storage alloy
group
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Ryuko Kono
龍興 河野
Shinji Tsuruta
慎司 鶴田
Motoi Kanda
基 神田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は水素の吸脱蔵速度を高い水素吸蔵合
金を得ることを改善を目的としている。また、本発明は
容量特性を向上した二次電池を得ることを目的とする。 【解決手段】 本発明は、ニッケルを5wt%以上含む水素
吸蔵合金に、1A族から7B族の元素から選ばれる少なくと
も一種の元素、該元素から構成される合金、又は該元素
の酸化物を混合する工程と、真空または不活性ガスもし
くは水素雰囲気下においてメカニカルな処理を施す工程
とを施して得られる水素吸蔵合金及び該水素吸蔵合金を
負極とする二次電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素吸蔵合金及び水
素吸蔵合金を負極とする二次電池。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金は安全にかつ容易にエネル
ギー源としての水素を貯蔵できる合金であり、新しいエ
ネルギー変換および貯蔵材料として非常に注目されてい
る。機能性新素材としての水素吸蔵合金の応用分野は、
水素の貯蔵・輸送、熱の貯蔵・輸送、熱−機械エネルギ
ーの変換、水素の分離・精製、水素同位体の分離、水素
を活物質とする電池、合成化学における触媒、温度セン
サーなどの広範囲にわたって提案されてきている。
【0003】さらに、近年は水素吸蔵合金を負極材料に
用いるニッケル−水素二次電池が、高容量であること、
過充電・過放電に強いこと、高率充放電が可能であるこ
と、クリーンであること、ニッケル−カドミウム電池と
互換性があることなどの特長を持つため次世代の民生用
電池として非常に注目され、その応用・実用化が現在活
発に行われている。このように水素吸蔵合金は機械的・
物理的・化学的に様々な応用の可能性を秘めており、今
後の産業におけるキー材料の一つに数えることができ
る。
【0004】水素を吸蔵する金属としては、水素と発熱
的に反応する、すなわち水素と安定な化合物を形成し得
る金属元素(Pd、Ti、Zr、V 、そのほか貴土類金属元
素、アルカリ土類元素等)を単体で用いる場合と、これ
らの金属元素を他の金属と合金化して用いる場合とがあ
る。
【0005】合金化を行う利点としては、金属−水素間
の結合力を適度に弱めて吸蔵反応のみでなく脱蔵反応も
比較的容易に行えるようにすること、反応に必要な平衡
水素圧(プラトー圧)の大きさ、平衡領域(プラトー領
域)の広さ、水素を吸蔵する過程での平衡圧の変化(平
坦性)など吸蔵・放出反応を改善すること、化学的・物
理的安定性を高めること、等が挙げられる。
【0006】現在、良く用いられる合金組成は、上述の
水素と発熱的に反応する金属元素をA、それ以外の金属
をBとすると、 1)AB5 系(LaNi5 、CaNi5 など) 2)AB2 系(MgZn2 、ZrNi2 など) 3)AB系(TiNi、TiFeなど) 4) A2 B 系(Mg2 Ni、Ca 2Feなど) 5)その他(クラスター合金など) に大別できる。
【0007】水素吸蔵合金の有している機能性の利用方
法として、実用的なエネルギー変換・貯蔵材料としての
観点から考えると、これら水素吸蔵合金の持つ特性に要
求される条件は以下に示すようなものである。 〓 活性化が容易である。 〓 吸蔵水素量が大きい。 〓 耐久性に優れ、合金の微粉化が少ない。 〓 合金の価格が廉価である。 〓 不純物に対する耐被毒性が大きい。
【0008】このうち、特に要求される合金特性の一つ
は活性化の向上である。製造したままの水素吸蔵合金
は、合金表面に吸着している不純物ガスや酸化物層のた
め水素吸蔵能力はきわめて低く、水素を十分に吸蔵し難
い。例えば3 )、4 )の合金は高温(300 〜500 ℃)、
高真空下で脱気処理を施した後、水素と反応させる操作
を繰り返さないと水素を吸蔵することができない。
【0009】またさらに4 )の合金は比較的高温(20
0〜300℃程度)でないと吸蔵・放出反応が起こらな
い(あるいは極めて遅い)などの諸問題があって貯蔵・
輸送用等の用途以外あまり応用分野が開けていない。実
用面からはその処理ができるだけ穏和な条件であり、し
かも少ない回数で達成できることが望まれる。
【0010】したがって、水素吸蔵合金が持つこの問題
点が解消されれば、さらに各種理化学・工業分野への応
用がより拡充され、水素吸蔵合金利用の新しい分野の開
拓にもつながり得ると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように水素吸蔵
合金は、初期においては水素の吸脱蔵速度が小さく、十
分に水素を吸蔵し難いという問題点を有する。本発明は
この合金の持つこれら吸脱蔵速度の問題点についての改
善を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、ニ
ッケルを5wt%以上含む水素吸蔵合金に、1A族から7B族の
元素から選ばれる少なくとも一種の元素、該元素から構
成される合金、又は該元素の酸化物を混合する工程と、
真空または不活性ガスもしくは水素雰囲気下においてメ
カニカルな処理を施す工程とを施して得られる水素吸蔵
合金であって最終的に得られる合金での酸素の含有量が
0at%以上10at% 以下であることを特徴とする水素吸蔵合
金である。
【0013】また、本願の第2の発明は、ニッケルを5w
t%以上含む水素吸蔵合金であって、CuK αを線源とした
X線回折ピークにおいて、三強線のうち少なくとも一つ
のピークでの半価幅Δ(2θ)が0.2 ゜≦Δ(2θ)≦
50゜であり、合金での酸素の含有量が10at% 以下である
ことを特徴とする水素吸蔵合金である。
【0014】また、本願の第3の発明はニッケルを5wt%
以上含む水素吸蔵合金であって、粒径0.001 μm 以上10
0 μm 以下の、1A族から7B族の元素から選ばれる少なく
とも一種の元素、該元素から構成される合金、又は該元
素の酸化物が、体積比で0.01%以上50%以下分散してい
ることを特徴とする水素吸蔵合金である。また、本発明
は上記第1乃至第3の水素吸蔵合金を負極に備えること
を特徴とする二次電池である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(i) 本願の第1乃至第3の発明の水素吸蔵合金につ
いて説明する。本願の第1乃至第3の発明に係る水素吸
蔵合金は、水素と発熱的に反応する金属元素とそれ以外
の金属を組み合わせた合金である。本発明に係る水素吸
蔵合金においては、水素を吸収する能力が小さく、水素
に対する触媒媒活性が高い元素であるニッケルを5wt%以
上、より好ましくは、5wt %以上90wt%以下含有するも
の、さらに好ましくは10wt%以上85wt%以下含有するも
のを使用する。それにより、水素の吸脱蔵特性を著しく
向上させることができる。特に水素と発熱的に反応する
金属元素をA、それ以外の金属をBとすると、 1)AB5 系水素吸蔵合金(LaNi5 系合金、CaNi5 系合金な
ど) 2)AB2 系水素吸蔵合金(MgNi2 系合金、 VNi2 系合金な
ど) 3)AB系水素吸蔵合金(TiNi系合金、LaNi系合金など) 4) A2 B 系水素吸蔵合金(Mg2 Ni系合金、Ti2 Ni系合金
など) 5)AB3 系水素吸蔵合金(LaNi3 系合金、 VNi3 系合金な
ど) 6) A2 B 7 系水素吸蔵合金(La2 Ni7 系合金、Zr2 Ni7
系合金など) 7) A2 B 3 系水素吸蔵合金(La2 Ni3 系合金、Ca2 Ni3
系合金など) 8) A7 B 3 系水素吸蔵合金(La7 Ni3 系合金など) 9) A3 B 系水素吸蔵合金(La3 Ni系合金、 V3 Ni系合金
など) 等が好ましい。これらの合金に必要に応じて他の元素を
添加したものでも良い。
【0016】(ii) 次に本願の第1の発明について
詳細に説明する。本発明の水素吸蔵合金の組成は上記
(i)に示したものを使用する。一般に水素吸蔵合金の
吸蔵特性を改善には様々な方法があるが、その内の一つ
として、合金の改質が挙げられる。合金への改質の手法
を大別すると、 1)コーティングによる改質 2)トポケミカルな改質 3)メカノケミカルな改質 4)カプセル化による改質 5)放射線照射の併用 などがある。
【0017】本発明の水素吸蔵合金は、これらのうち
3)の改質に着目し、合金にメカニカルな処理を行うも
のである。本発明の如く特定組成の合金に、特定組成の
添加物を添加しメカニカルな処理を行うことにより、合
金の初期活性および吸蔵特性を著しく向上させるもので
ある。以下に具体的な方法について説明する。
【0018】まず、1A族から7B族から選ばれる少なくと
も一種の元素、1A族から7B族までの少なくとも2種以上
の元素で構成される合金、または1A族から7B族から選ば
れる少なくとも一種の元素の酸化物、と水素吸蔵合金と
の混合粉を作成する工程を行う。1A族から7B族から選ば
れる少なくとも一種の元素としてはTi、Zr、Hf、V 、N
b、Ta、Cr、Mo、W 、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Pd、N
i、Pt、Cu、Ag、Au等が挙げられる。1A族から7B族まで
の元素で構成される合金のうち、元素間の相乗効果によ
ってその元素単体よりも水素電極反応における触媒活性
の高い合金を形成するものが好ましい。特に水素電極反
応における交換電流密度i0が大きいものが好ましく、例
えばNi-Ti 系合金、Ni-Zr 系合金、Co-Mo 系合金、Ru-V
系合金、Pt-W系合金、Pd-W系合金、Pt-Pd 系合金、V-Co
系合金、V-Ni系合金、V-Fe系合金、Mo-Co 系合金、Mo-N
i 系合金、W-Ni系合金、W-Co系合金などが挙げられる。
その中でも特にMoCo3 、 WCo3 、MoNi3 、 WNi3 などは
触媒活性が高く吸蔵特性を向上させるのに適している。
1A族から7B族から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化
物として、好ましくは特に水素電極反応における交換電
流密度i0が大きいものが好ましい。例えばFeO 、 RuO
2 、CoO 、Co2 O3 、Co3 O4 、 RhO2 、 IrO2 、NiO
等が挙げられる。水素吸蔵合金と上記元素、合金、又は
酸化物の添加物との混合割合は、特にモル比が0%以上85
% 以下であることが好ましい。添加物の割合が多すぎる
と吸蔵量が減少する。
【0019】このような添加物を水素吸蔵合金に添加し
た上で後述するメカニカルな処理を施すことにより、水
素吸蔵合金の構成元素と添加物の構成元素との化合物が
形成され、それにより水素吸蔵合金の水素吸蔵特性が向
上するものと考えられる。
【0020】次に該混合粉を容器に投入し、メカニカル
な処理を施す工程を行う。メカニカルな処理とは、混合
粉に機械的に衝撃を与える方式が採用される。具体的に
は、例えば遊星ボールミル、スクリュー式ボールミル、
回転式ボールミル、アトライタなどに混合粉を投入し、
容器とボール、またはボールとボールとの衝突により機
械的に衝撃を与える方式が採用される。
【0021】ここで、容器を密閉するときにはアルゴン
などの不活性ガス雰囲気で満たしたドライボックスのよ
うな装置内で行うか、または容器に排気弁を設けて容器
内を排気する。また場合によっては水素ガスを導入して
処理を行う。
【0022】以上のような装置は密閉容器といっても容
器内で衝突を起こさせるため、容器の合わせ目にも衝撃
が及び、密閉性低下の一因となる。そこで、密閉性を確
保するため、容器を二重蓋にする、あるいはこの考えを
延長して装置自体を不活性雰囲気で満たした、あるいは
真空にした部屋に入れてしまう、などの工夫をする事が
望ましい。
【0023】容器内を不活性雰囲気にする場合には、不
活性ガスの純度も制御されていることが望ましい。例え
ば酸素濃度200ppm以下、水分濃度60ppm 以下に抑えるこ
とが望ましい。原料として用いる水素吸蔵合金粉末や金
属粉末等も不活性ガス雰囲気中で扱い、酸化を避けるこ
とが望ましい。
【0024】メカニカルな処理の0.5 時間〜1000時間の
範囲で行うことが望ましい。0.5 時間未満では十分に吸
蔵特性が変化せず、1000時間より長い場合では酸化が徐
々に進行するほか、製造コストも大きなものになる。
【0025】得られる合金粉末の粒径は処理条件にも左
右されるが0.1 〜100 μm の範囲内に存在することが望
ましい。合金粉末の拡散の点で必要に応じて時効処理を
行ってもよく、この場合処理温度は合金組成によって変
化するが、約50〜600 ℃程度の温度範囲が好ましい。
【0026】なお、本発明の水素吸蔵合金においては、
生成した化合物中の酸素濃度は少なければ少ないほどよ
いが、特に10at% 以下と規定する。酸素濃度をこの範囲
に抑えることにより水素吸蔵特性を向上させることがで
きる。メカニカルな処理中は容器内の元素の酸化が生じ
やすい。混合粉末中には非常に酸化され易い元素、例え
ばアルカリ金属やアルカリ土類金属、希土類元素等を含
む場合が多い。このため混合粉末は目的の化合物を形成
せずに酸化物を生成し、合金の純度の低下を招くととも
に、水素吸蔵特性の低下を引き起こす。したがって、得
られる水素吸蔵合金中の酸素濃度を10at% となるよう処
理中の雰囲気制御は厳密に行う必要がある。
【0027】本願の第1の発明に係る改質処理は、水素
吸蔵合金に対し以下のような作用を生じせしめると考え
られる。 (1)粒子の基本的な構造を変化させるのみでなく、表
面構造の変化などにより粒子物性を変化させる、すなわ
ち内部エネルギーを変化させる。 (2)水素吸蔵合金中に微細な化合物粒子が生成し、そ
の生成に伴って新鮮な表面を発生させ、その表面エネル
ギーを増大させる。 (3)合金の表面およびその構造を変化させ、そこに生
じたストレスによって構造破壊を引き起こし、加えて原
子や分子の位置のずれと規則性の低下によりポテンシャ
ルエネルギーを増大させることにより、触媒活性の向上
や触媒反応における選択性を向上させる。 (4)改質により合金中での格子欠陥が生じる。(格子
欠陥には、理想的な結晶において熱力学的に許容される
格子欠陥以外に、改質工程中に加えられた機械的エネル
ギーによって粒子中に生じた可塑的変形、局所的に発生
した熱による粒子内の温度差や相転移の発生などによっ
て生じた残留応力なども含めて考えられる。
【0028】以上の(1)〜(4)の作用によって水素
吸蔵合金の吸蔵特性が向上されるものと考えられる。
【0029】(iii) 次に本願の第2の発明につい
て説明する。本発明の水素吸蔵合金の組成は前記(i)
で示したものを使用する。本発明の第2の発明は、CuK
αを線源としたX線回折ピークにおいて、三強線のうち
少なくとも一つのピークでの半価幅Δ(2θ)が0.2 ゜
≦Δ(2θ)≦50゜である。ここで三強線とはX線回折
により得られたピークにおいて、最大ピークから数えて
3つめまでのピークを意味する。
【0030】半価幅Δ(2θ)の値は、水素吸蔵合金を
CuK αを線源としたX線回折ピークを測定した際の三強
線のうち少なくとも一つのピークでのプロファイルの広
がりを示している。一般にプロファイルの広がりの変化
は次のような要因によるものである。 1)結晶子の大きさが変化する 2)不均一歪が生じる ここで1)の結晶子の大きさD はScherrerの式を用いて
以下のように示すことができる。
【0031】
【数1】 また、 Stokes&Wilsonの式を用いると結晶子の大きさε
は以下のように表される。
【0032】
【数2】
【0033】以上の2式によると、要因の一つはX線回
折ピークのプロファイルが広がるのは結晶子が小さくな
り半価幅が増大することにあることがわかる。また、一
方、2)の結晶子の歪みとして面間隔の変化や変動が考
えられる。Stokes&Wilson の式より、結晶子の不均一歪
みηとそれに基づく回折線の積分幅β‘iとの間には以
下の関係がある。
【0034】
【数3】 結晶子の大きさと不均一歪みの両方によるプロファイル
の広がりはHallの式を用いると以下の式で表すことがで
きる。
【0035】
【数4】
【0036】つまり、水素吸蔵合金をCuK αを線源とし
たX線回折ピークを測定した際の三強線のうち少なくと
も一つのピークでのプロファイルの広がりを示してい
る。プロファイルの広がりは、結晶子の大きさの変化と
不均一歪みの生成との双方の寄与によるものである。そ
してこの二つの因子により合金の吸蔵特性を改善させる
ことができる。
【0037】前記ピークでのプロファイルの広がりを示
すこの半価幅Δ(2θ)の値は近接しているピークが重
なり合った場合にも1つのピークと見なしてその価を評
価している。プロファイルの広がりにおいては、半価幅
Δ(2θ)が0.2 ゜より小さい場合には前述のような変
化を生じさせることができず、また50゜より大きい場合
には吸脱蔵の耐久性が減少する。また特にΔ(2θ)が
0.5 ゜以上20゜以下の範囲においては吸蔵速度が著しく
増大する。このことからΔ(2θ)の範囲は0.2 ゜≦Δ
(2θ)≦50゜が好ましく、特に好ましくは0.5 ゜≦Δ
(2θ)≦20゜の範囲である。
【0038】本発明においては、酸素濃度は少なければ
少ないほどよいが、特に10at% 以下と規定する。酸素濃
度をこの範囲に抑えることにより水素吸蔵特性を向上さ
せることができる。
【0039】なお、本発明において、結晶子の大きさD
は2000オングストロームより大きい場合には水素の反応
速度が著しく減少し、5 オングストロームよりより小さ
い場合には吸脱蔵の耐久性が減少する。それゆえDの範
囲は5 オングストローム≦D≦2000オングストロームで
あるのが好ましい。このように結晶子を適度な値にする
と小さくすると、水素の拡散するパスを増大させるとと
もに、その距離を短くするので吸脱蔵特性を改善するこ
とができる。
【0040】吸蔵時における合金の活性は表面での触媒
層の生成のしやすさと、触媒の性能に関連していると考
えられる。これらの点から、本発明においては、さらに
吸蔵特性を向上させる手段として水素化における触媒種
を含有していても良い。
【0041】触媒種としては水素との反応に対して高い
触媒活性を有する元素または合金または金属酸化物が望
ましい。特に水素電極反応における交換電流密度i0が大
きいものが好ましく、元素としては、4A〜1B族元素から
選ばれる少なくとも1種の元素が好ましい。例えばTi、
Zr、Hf、V 、Nb、Ta、Cr、Mo、W 、Mn、Fe、Ru、Co、R
h、Ir、Pd、Ni、Pt、Cu、Ag、Au等が挙げられる。ま
た、1A族から7B族から選ばれる少なくとも2種以上元素
で構成される合金のうち、元素間の相乗効果によってそ
の元素単体よりも水素電極反応における触媒活性の高い
合金を形成するものが好ましい。例えばNi-Ti 系合金、
Ni-Zr 系合金、Co-Mo 系合金、Ru-V系合金、Pt-W系合
金、Pd-W系合金、Pt-Pd 系合金、V-Co系合金、V-Ni系合
金、V-Fe系合金、Mo-Co 系合金、Mo-Ni 系合金、W-Ni系
合金、W-Co系合金などが挙げられる。その中でも特にMo
Co3 、 WCo3 、MoNi3 、 WNi3 などは触媒活性が高く吸
蔵特性を向上させるのに適している。上記元素で構成さ
れる金属酸化物の中では、特にi0が大きいものが好まし
い。例えばFeO 、 RuO2 、CoO 、Co2 O 3 、Co3 O 4
RhO2 、 IrO2 、NiO 等が挙げられる。
【0042】本発明の水素吸蔵合金を製造するには、ど
のような手法をとってもかまわないが、前記(i)に示
した合金に対し、前記(ii)で示したメカニカルな処
理を施すことにより得ることができる。
【0043】なお、上記の触媒種を水素吸蔵合金に添加
した上でメカニカルな処理を行うと吸蔵時において水素
化触媒となる触媒種を合金表面もしくはその近傍に強制
的に付加させることができ、初期活性を向上させること
が可能である。
【0044】(iv) 次に本願の第3の発明について
説明する。本発明の水素吸蔵合金の組成は前記(i)で
示したものを使用する。本願の第3の発明は、粒径0.00
1 μm 以上100 μm 以下の、1A族から7B族の元素から選
ばれる少なくとも一種の元素、該元素から構成される合
金、又は該元素の酸化物が、体積比で0.01%以上50%以
下分散していることを特徴とする水素吸蔵合金である。
【0045】このように上記の元素、合金又は酸化物を
分散させることにより、水素に対する触媒活性が向上す
るため、水素の吸蔵特性が向上する。1A族から7B族から
選ばれる少なくとも一種の元素としてはTi、Zr、Hf、V
、Nb、Ta、Cr、Mo、W 、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、P
d、Ni、Pt、Cu、Ag、Au等が挙げられる。
【0046】1A族から7B族までの元素で構成される合金
のうち、元素間の相乗効果によってその元素単体よりも
水素電極反応における触媒活性の高い合金を形成するも
のが好ましい。例えばNi-Ti 系合金、Ni-Zr 系合金、Co
-Mo 系合金、Ru-V系合金、Pt-W系合金、Pd-W系合金、Pt
-Pd 系合金、V-Co系合金、V-Ni系合金、V-Fe系合金、Mo
-Co 系合金、Mo-Ni 系合金、W-Ni系合金、W-Co系合金な
どが挙げられる。その中でも特にMoCo3 、 WCo3 、MoNi
3 、 WNi3 などは触媒活性が高く吸蔵特性を向上させる
のに適している。
【0047】1A族から7B族から選ばれる少なくとも一種
の元素の酸化物として好ましくは特にi0が大きいものが
好ましい。例えばFeO 、 RuO2 、CoO 、Co2 O 3 、Co3
O 4、 RhO2 、 IrO2 、NiO 等が挙げられる。
【0048】分散させる結晶の大きさは0.001 μm より
小さい場合には、吸蔵特性が向上せず、また100 μm よ
り大きい場合には合金の吸蔵速度が著しく減少する。そ
れゆえ結晶の大きさの範囲は0.001 μm 以上100 μm 以
下とする。より好ましい範囲は0.01μm 以上30μm 以下
である。
【0049】分散量が体積比で0.01%未満であると吸蔵
速度が増大せず、50%を越えると吸蔵量が減少する。よ
り好ましい範囲は体積比で0.1 %以上40%以下である。
本発明においては、酸素濃度は少なければ少ないほどよ
いが、特に0%以上10at% 以下であることが好ましい。酸
素濃度をこの範囲に抑えることにより水素吸蔵特性を向
上させることができる。
【0050】その分散法としては本願の第1の発明の如
く、1A族から7B族の元素から選ばれる少なくとも一種の
元素、該元素から構成される合金、又は該元素の酸化物
と水素吸蔵合金を混合した後、前述のメカニカルな処理
を施す方法、水素吸蔵合金を溶解する際に上記添加物を
添加する方法や、超急冷法、アトマイズ法、めっき法、
CVD 法、スパッタ法、メカニカルアロイング法、圧延
法、ゾル・ゲル法などが挙げられる。 (v) 次に本願発明に係る二次電池について説明す
る。本発明にかかわる二次電池のうち、円筒型ニッケル
水素電池の例を図1を参照して説明する。ただし、本願
発明に係る二次電池の形状は円筒型に限定されるもので
はない。
【0051】図1に示すように有底円筒状の容器1内に
は、正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイ
ラル状に捲回する事により作成された電極群5が収納さ
れている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置
されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電
解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を
有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口
部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8
は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面
の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシ
メ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケッ
ト8を介して気密に固定している。正極リード9は、一
端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接
続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封
口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。
ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子1
0で囲まれた空間内に前記孔6をふさぐように配置され
ている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押さ
え板12は前記正極端子10上に前記正極端子10の突
起部がその押さえ板12の穴から突出されるように配置
されている。外装チ チューブ13は、前記押さえ板12
の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を
被覆している。
【0052】次に二次電池の正極、セパレータ、負極、
及び電解液について説明する。 1)正極 正極は、例えば、活物質である正極材料、例えば水酸化
ニッケル粉末に導電材料を添加し、高分子結着剤及び水
と共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電
性基板に充填し、乾燥した後成形することにより作成さ
れる。
【0053】前記導電材料としては、例えばコバルト酸
化物、コバルト水酸化物、金属コバルト、金属ニッケ
ル、炭素などを挙げることができる。前記高分子結着剤
としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどを挙げることができる。
【0054】前記導電性基板としては、例えば、ニッケ
ル、ステンレス、またはニッケルメッキが施された金属
から形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフ
ェルト状の金属多孔体を挙げることができる。 2)セパレータ セパレータとしては、例えばポリプロピレン不織布、ナ
イロン不織布、ポリプロピレン繊維とナイロン繊維を混
繊した不織布などの高分子不織布が挙げられる。
【0055】特に表面が親水化処理されたポリプロピレ
ン不織布は、適度な親水性を有しセパレータとして好適
である。 3)負極 負極は、水素吸蔵合金の粉末に導電材を添加し、高分子
結着剤及び水と共に混練してペーストを調製し、前記ペ
ーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、成形するこ
とにより作成される電極、あるいは水素吸蔵合金を焼結
して得られる電極を用いることが望ましい。
【0056】水素吸蔵合金としては前記本願の第1の発
明、第2の発明、又は第3の発明に示されたいずれか少
なくとも一種の水素吸蔵合金を使用する。本発明に供す
る水素吸蔵合金の平均粒径は0.1 μm以上100 μm以下
であることが望ましい。これより粗い粒子では焼結後の
合金の比表面積が小さくなりすぎて大きな電流を取り出
すことができなくなる。他方、平均粒径が小さすぎる場
合には充放電サイクル特性が低下する。 4)電解液 アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム
(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)の
水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaOH
とLiOHの混合液、KOHとLiOH、とKOHとL
iOHとNaOHの混合液などを用いることができる。
本発明の二次電池は、水素吸蔵量の高い水素吸蔵合金を
使用しているため、容量の高い二次電池を提供すること
ができる。
【0057】
【実施例】
(実施例1 、比較例1 )実施例1として高周波溶解法で
得られたMg2Ni 合金を1 モルと触媒種となるNi粉末を2
モルの割合で調合して原料を調整し、得られた各原料混
合体をそれぞれステンレス鋼製の二重蓋の容器にステン
レス鋼製のボールと共に入れ、酸素濃度1ppm以下、水分
濃度0.5ppm以下に制御されたアルゴン雰囲気でみたし、
Oリングで密閉し、回転数200rpmにてメカニカル処理を
100 時間行った。
【0058】またこの処理を行った合金の水素吸蔵特性
を評価するため、水素吸蔵放出特性評価装置を用いた。
装置の概略図を図2に示す。測定は、反応容器に一定量
の水素を導入した時の反応容器内での圧力変化をモニタ
ーすることにより行った。
【0059】まず、前記各水素吸蔵合金を前述した図2
の試料容器3内に収納した。第1バルブ71を閉じ、第
2、第3のバルブ72、73を開き、真空ポンプ5を作動し
て前記配管2、分岐配管4、蓄圧容器8および試料容器
3内の空気を十分に排気した。第2、第3のバルブ72、
73を閉じた後、第1バルブ71を開いて水素ボンベ1から
水素を供給して前記配管2、分岐配管4および蓄圧容器
8内を水素置換した。その後、第1バルブ71を閉じ、そ
の時点で圧力計6が示す系内の圧力から導入した水素量
を算出した。つづいて、第2バルブ72を開き、水素を前
記試料容器3内に供給し、温度を熱電対10でモニター
する。その際、前記試料容器3内の温度が一定となるよ
うにヒータ9をコンピュータ11および温度コントロー
ラ12で制御した。このときの前記容器3内の圧力変化
を圧力計6により検出してそれをレコーダ13で記録し
た。
【0060】前記のメカニカルな処理を行った実施例1
および比較例1として前述の処理を施していないMg2Ni
合金の2種の水素吸蔵合金粉末において、前記の水素吸
蔵放出特性評価装置を用い、25℃での水素吸蔵速度を評
価した結果を表1に示している。
【0061】
【表1】
【0062】比較例1ではその吸蔵速度が著しく低く,
水素を吸蔵することができない。実施例1ではこの処理
により吸蔵速度を著しく向上させることが可能となっ
た。なお吸蔵速度V は、反応容器に一定量の水素を導入
を開始してから10時間後までに合金中に吸蔵された水素
の数MHV で表している。
【0063】(実施例2〜22)また表1では25℃にお
いて、ニッケルを5wt%以上含む様々な水素吸蔵合金を前
記の条件で処理し、処理前後での吸蔵特性評価における
水素吸蔵速度を示している。これらの結果からも、水素
吸蔵合金をこの処理を施すことにより活性化が容易とな
り、吸蔵特性が向上することが明らかとなった。
【0064】(比較例2、実施例23)次に、比較例1
に示したメカニカルな処理を施していないMg2 Ni合金お
よび前記実施例1 のメカニカルな処理を行った水素吸蔵
合金粉末を使用して以下に示す手順で電極を作製した。
まず、これら水素吸蔵合金粉末と電解銅粉を重量比が1
の割合で混合し、この混合体1gを錠剤成型器(内径10mm
φ)で圧力10トンで5 分間加圧することによりペレット
を作製した。このペレットをニッケルの金網で挟み込
み、周辺部をスポット溶接して圧接し、ニッケルのリー
ド線をスポット溶接して合金電極を作製した。
【0065】前記水素吸蔵合金電極を対極である焼結式
ニッケル電極とともに8 規定の水酸化カリウム水溶液に
浸漬し、25℃の温度下にて充放電サイクル試験を行っ
た。充放電条件は、合金1g当たり100mA の電流で10時間
充電した後、10分間休止し、合金1g当たり20mAの電流で
酸化水銀電極に対して-0.5V になるまで放電を行うサイ
クルを繰り返した。図3には処理前後でのMg2 Ni合金電
極(a 、b )における放電容量のサイクル特性を示して
いる。処理を施さないMg2 Ni合金電極(a )では、常温
では充放電することができず、放電容量はほとんど示さ
ない。一方、前記実施例1 のメカニカルな処理を行った
Mg2 Ni合金を用いた電極(b )では、1サイクル目から
放電容量が832mAh/gを示しており、これらの処理によっ
て放電容量を著しく増大させることが可能である。
【0066】(実施例24〜41)また、上記と実施例
1と同様の処理をMg2 Ni合金にニッケルを添加して施し
た。図4はその添加したニッケル量を変化させたときの
XRDパターン(A〜H)を示している。ニッケル添加
量を増大させるに従って、Mg2 Ni合金のXRDパターン
における20゜付近および40゜付近のピークがブロードと
なり、見かけの半価幅Δ(2θ20゜) およびΔ(2θ40゜) は
著しく増大する。図4において、BはMg2 Mi+0.
25Ni,CはMg2 Mi+0.50Ni,DはMg2
Mi+0.75Ni,EはMg2 Mi+1.00Ni,
FはMg2 Mi+1.25Ni,GはMg2 Mi+1.
50Ni,HはMg2 Mi+2.00Niの試料のパタ
ーンを示す。表2はこれらの処理合金及びさらにニッケ
ルの添加量を変化させた場合における電極での水素吸蔵
速度および放電容量を示している。
【0067】
【表2】
【0068】ニッケル添加量が85モル%までは、吸蔵速
度が増加し、放電容量も増大させることができるが90モ
ル%では逆に吸蔵速度が著しく減少する。
【0069】(比較例3,実施例42〜63)表3に
は、水素吸蔵合金を様々な条件で実施例1と同様の処理
を行い、それを用いた電極の25℃における最大放電容
量を示している。なお比較例3としてメカニカルな処理
を施していないMg2 Ni合金電極を示している.
【0070】
【表3】
【0071】これらの結果からも、水素吸蔵合金にメカ
ニカルな処理を施すことにより放電容量を増大させるこ
とが可能となり、充放電特性が著しく向上することが明
らかとなった。
【0072】(比較例4、実施例64〜67)高周波溶
解法で得られたMg2 Ni合金を1 モルと高周波溶解法で得
られたLaNi5 合金を1 モルの割合で調合して前記のメカ
ニカルな処理を行ったときのMg2 Ni合金におけるΔ(2θ
2 ) とその合金を用いた電極での水素吸蔵速度および放
電容量を表4に示している。なお比較例3としてメカニ
カルな処理を施していないMg2 Ni合金を示している.
【0073】
【表4】
【0074】処理時間を増大させると、結晶子が小さく
なると共に合金内に不均一歪みが生成することにより、
Δ(2θ2 ) の値が増大し、吸蔵速度および放電容量を著
しく増大させることができる。
【0075】(実施例68〜74)Mg2 Ni水素吸蔵合金
1モルおよびCo粉末2モルをステンレス鋼製の二重蓋付
き容器にステンレス鋼製のボールと共に入れ、真空、不
活性ガス(アルゴン、窒素、ヘリウム)、水素、酸素、
空気の計7種類の雰囲気で満たした。それぞれの雰囲気
下において前記実施例1と同様条件下でのメカニカル処
理を行って7種類の改質合金粉末を得た。得られた水素
吸蔵合金粉末を用いて実施例1と同様の水素吸蔵速度を
評価した。また実施例23と同様な方法により、水素吸
蔵合金電極(負極)を作製した。これら負極を対極であ
る焼結式ニッケル電極と共に8規定の水酸化カリウム溶
液にそれぞれ浸漬し、25℃の温度下にて実施例23と同
様な条件で充放電サイクル試験を行い、最大放電容量を
測定した。その結果を下記表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5から明らかなようにメカニカル処理を
行う際には、真空、不活性ガス、もしくは水素の雰囲気
下で行うことが望ましく、この雰囲気下の処理において
は著しく吸蔵速度および放電容量を増大させることがで
きる。
【0078】(比較例5、実施例75〜96)表6は様
々な合金において分散物の粒径と分散率及びその水素吸
蔵速度と放電容量を示している。
【0079】
【表6】
【0080】ニッケルを5wt%以上含む合金単体での常
温時における水素吸蔵速度Vは約0〜0.5 であるが、合
金内にこのように分散させることにより、常温時での水
素吸蔵特性および電極における充放電特性を著しく向上
させることが可能である。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明の水素吸蔵合金は、
活性化を容易とし、吸蔵特性および電気化学的特性を著
しく向上させることができる。したがって、水素吸蔵合
金を用いてきた各種応用分野(水素の貯蔵・輸送、熱の
貯蔵・輸送、熱−機械エネルギーの変換、水素の分離・
精製、水素同位体の分離、水素を活物質とする電池、合
成化学における触媒、温度センサー等)がより拡充さ
れ、さらには水素吸蔵合金利用の新しい分野の開拓にも
つながり得ると考えられる。また、本発明によれば二次
電池は、容量が高い二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる円筒型二次電池の斜視図
【図2】水素吸蔵放出特性評価装置
【図3】Mg2Ni 合金電極における放電容量
【図4】ニッケルとメカニカルな処理を施したMg2Ni 合
金でのXRDパターン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルを5wt%以上含む水素吸蔵合金
    に、1A族から7B族の元素から選ばれる少なくとも一種の
    元素、該元素から構成される合金、又は該元素の酸化物
    を混合する工程と、真空または不活性ガスもしくは水素
    雰囲気下においてメカニカルな処理を施す工程とを施し
    て得られる水素吸蔵合金であって最終的に得られる合金
    での酸素の含有量が0at%以上10at% 以下であることを特
    徴とする水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】 ニッケルを5wt%以上含む水素吸蔵合金で
    あって、CuK αを線源としたX線回折ピークにおいて、
    三強線のうち少なくとも一つのピークでの半価幅Δ(2
    θ)が0.2 ゜≦Δ(2θ)≦50゜であり、合金での酸素
    の含有量が10at%以下であることを特徴とする水素吸蔵
    合金。
  3. 【請求項3】 ニッケルを5wt%以上含む水素吸蔵合金で
    あって、粒径0.001 μm以上100 μm 以下の、1A族から7
    B族の元素から選ばれる少なくとも一種の元素、該元素
    から構成される合金、又は該元素の酸化物が、体積比で
    0.01%以上50%以下分散していることを特徴とする水素
    吸蔵合金。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載の水素吸蔵合金
    を備える水素負極と、正極と、正極及び負極を隔離する
    セパレータと、アルカリ性電解液とを備える二次電池。
JP8008219A 1994-07-22 1996-01-22 水素吸蔵合金及び二次電池 Pending JPH09199121A (ja)

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KR1019970001965A KR100241813B1 (ko) 1996-01-22 1997-01-22 수소저장합금, 이 합금의 표면변형방법, 전지의 음전극 및 알칼 라인 2차전지
US08/787,101 US5962165A (en) 1994-07-22 1997-01-22 Hydrogen-absorbing alloy, method of surface modification of the alloy, negative electrode for battery and alkaline secondary battery
US09/270,763 US6682609B1 (en) 1994-07-22 1999-03-17 Hydrogen absorbing alloy, method of surface modification of the alloy, negative electrode for battery and alkaline secondary battery
US09/933,900 US6759165B2 (en) 1994-07-22 2001-08-22 Hydrogen-absorbing alloy, method of surface modification of the alloy, negative electrode for battery and alkaline secondary battery

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015537119A (ja) * 2012-11-16 2015-12-24 ビーエーエスエフ バッテリー マテリアルズ−オヴォニック 水素吸蔵合金及び負極とこれらを用いたNi金属水素化物電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015537119A (ja) * 2012-11-16 2015-12-24 ビーエーエスエフ バッテリー マテリアルズ−オヴォニック 水素吸蔵合金及び負極とこれらを用いたNi金属水素化物電池

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