JPH10275631A - 粉末材料、電極構造体、それらの製造方法及び二次電池 - Google Patents

粉末材料、電極構造体、それらの製造方法及び二次電池

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JPH10275631A
JPH10275631A JP9359809A JP35980997A JPH10275631A JP H10275631 A JPH10275631 A JP H10275631A JP 9359809 A JP9359809 A JP 9359809A JP 35980997 A JP35980997 A JP 35980997A JP H10275631 A JPH10275631 A JP H10275631A
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nickel
hydrogen
magnesium
powder
electrode structure
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JP9359809A
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Soichiro Kawakami
総一郎 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過充電耐性が良好であり、充放電効率が高
く、サイクル寿命の長いアルカリ二次電池を提供する。 【解決手段】 コア層の水素吸蔵合金101が遷移金属
酸化物層102で被覆され、その最表面に遷移金属10
3が分散担持されている水素吸蔵機能を持った粉末材
料。及びその粉末材料を用いたアルカリ二次電池用電極
構造体、及び該電極構造体を負極として用いた二次電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質にアルカリ
を使用する二次電池の主材である活物質となる粉末材
料、負極、正極、等の電極構造体、及び二次電池に関す
る。詳しくは、負極の主材に使用する水素を吸蔵する化
合物粉、その水素を吸蔵する化合物粉末材料から形成さ
れた負極、正極の主材に使用する被覆処理を施した水酸
化ニッケルからなる粉末材料、その水酸化ニッケルから
形成された正極、上記負極及びまたは上記正極から成る
二次電池、並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大気中に含まれるCO2 ガス量が
増加しつつある為、温室効果により地球の温暖化が生じ
る可能性が指摘されている。例えば火力発電所では化石
燃料などを燃焼させて得られる熱エネルギーを電気エネ
ルギーに変換しているが燃焼によりCO2 ガスを多量に
排出するため新たな火力発電所は、新たに建設すること
が難しくなって来ている。したがって、火力発電所など
の発電機にて作られた電力の有効利用として、余剰電力
である夜間電力を一般家庭に設置した二次電池に蓄え
て、これを電力消費量が多い昼間に使用して負荷を平準
化する、いわゆるロードレベリングが提案されている。
【0003】また、COX 、NOX 、ハイドロカーボン
などを含む大気汚染にかかわる物質を排出しないという
特徴を有する電気自動車には、必須の高エネルギー密度
の二次電池の開発が期待されている。さらに、ブック型
パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサー、ビデオ
カメラ及び携帯電話などのポータブル機器の電源用途で
は、小型・軽量で高性能な二次電池の開発が急務になっ
ている。
【0004】以上このような状況下で、アルカリ溶液を
電解質としたアルカリ二次電池で、高密度に水素を吸蔵
する水素吸蔵合金をアルカリ二次電池の負極として利用
し、高容量な二次電池いわゆるニッケル−水素化物電池
(以下ニッケル−水素化物電池と呼称することにする)
が実用化されてきている。
【0005】水素吸蔵合金負極用の水素吸蔵合金として
は、Mm(Ni−Co−Mn−Al)5 に代表されるミ
ッシュメタル系合金、Ti−Zr−Ni−V−Cr−C
o−Mnに代表される遷移金属系合金、Mg2 NiやM
gNiのマグネシウム−ニッケル合金が研究され、ミッ
シュメタル系合金と遷移金属系合金が電極材として実用
化されてきている。
【0006】ミッシュメタル系合金と遷移金属系合金と
も理論容量に比べて低く、更なる改良が望まれている。
また、カドミウム負極を用いるニッケル−カドミウム電
池と比べて、過充電時に、酸化劣化し易い問題点を有し
ていた。これに対して、特開昭61−64069号公
報、特開昭61−101957号公報、では水素吸蔵合
金粉を耐酸化性の金属で被覆する方法が提案されている
が、ニッケル−カドミウム電池に比べて十分に過充電に
強いといえる二次電池はまだ得られていない。
【0007】マグネシウム−ニッケル合金においては、
第37回電池討論会(The 37th Battey
Symposium in Japan)389ペー
ジ(1996年)にメカニカルグラインディング法で調
製したMg2Ni合金粉を用いた電極で、充放電サイク
ル1回目で750mAh/gという高放電容量が得られ
る発表がされているが、充放電サイクルとともに放電容
量が低下して、安定に高放電容量を有するマグネシウム
−ニッケル合金電極は得られていない。
【0008】ニッケル−水素化物電池ではニッケル−カ
ドミウム電池などの他のアルカリ二次電池の正極と同様
に、正極活物質として水酸化ニッケルを用いている。こ
の水酸化ニッケルは導電性が低いために、正極形成時に
水酸化ニッケルに加えて一酸化コバルトや水酸化コバル
トを添加して導電性を高めることによって、正極活物質
の利用効率を高めている。しかし、充放電サイクル初期
の電池の正極活物質の利用効率は低いという問題点があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電解質にア
ルカリを使用する二次電池、特にいわゆるニッケル−水
素化物電池において、耐酸化性があり水素吸蔵量の多い
化合物からなる粉末材料、電気化学反応での水素吸蔵量
の多い負極としては好適な電極構造体、利用効率の高い
正極として好適な電極構造体、及び、これらを用いた電
気容量の大きい(ニッケル−水素化物)二次電池を提供
することを目的とする。また、本発明は、上述した粉末
材料の電極構造体の製造方法を提供することをも目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の最大の特徴は、
水素を吸蔵する機能を有した水素吸蔵合金を主としたコ
ア層、コア層の上に酸化に対する耐性を付与した金属酸
化物(第二層)、耐酸化層の上に水素を活性化する金属
元素の分散層(第三層)を設けた、三つの分離した機能
を各層に設けた、水素を吸蔵する化合物からなる粉末材
料にあり、そして上記粉末材料を主材として形成した電
極構造体及び該電極構造体を負極として用いた電解質に
アルカリを使用する二次電池にある。次いで、本発明の
別の大きな特徴は、遷移金属と酸素元素から成る、水酸
化ニッケルより導電率の高い化合物で被覆した水酸化ニ
ッケルからなる粉末材料にあり、その化合物で被覆され
た水酸化ニッケル粉から形成した電極構造体及び該電極
構造体を正極として用い、電解質としてアルカリを使用
する二次電池にある。
【0011】また本発明によればマグネシウムとニッケ
ルの合金を主成分とする水素を吸蔵する機能を有したコ
ア部分と、該コア部分の表面に酸化に対する耐性を付与
した金属酸化物層とを有する粉末材料、該粉末材料を主
材として構成された電極構造体、及び該電極構造体を負
極として用いた電解質にアルカリを用いた二次電池が提
供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第一は、水素を吸蔵する
合金をコアとして、そのコアの表面に、合金の酸化を防
止し原子状水素もしくは水素イオンが通過する機能を有
した金属酸化物層が設けられ、さらにその金属酸化物層
の表面に、水素を活性状態にする機能を有した金属元素
が分散されている、少なくとも三層以上の構造を有して
いる、水素吸蔵放出能を有した化合物からなる粉末材料
である。本発明で、好ましくは上記酸化を防止し原子状
水素が通過する機能を有した金属酸化物層が、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、ニオブ、チタン、ジル
コニウム、イリジウム、から選択される少なくとも一種
類以上の遷移金属元素と酸素元素から成る遷移金属酸化
物の層から構成される。また、好ましくは、上記水素を
活性化するために分散された金属元素が、ニッケル、ク
ロム、モリブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、
鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、タングステ
ン、チタン、マンガン、から選択される一種類以上の遷
移金属元素である。
【0013】本発明の第二は、水素を吸蔵する合金をコ
アとして、そのコアの表面に、合金の酸化を防止し原子
状水素もしくは水素イオンが通過する機能を有した金属
酸化物層が設けられ、さらにその金属酸化物層の表面
に、水素を活性状態にする機能を有した金属元素が分散
されている、少なくとも三層以上の構造を有している。
水素吸蔵放出能を有した化合物からなる粉末材料を主構
成材として形成された電気化学的に水素を吸蔵放出す
る、電池用電極構造体である。かかる電極構造体は電気
化学的に水素の吸蔵反応を利用した二次電池の負極に好
適に用いられる。
【0014】さらに、本発明の第三は、少なくとも、負
極、電解質、正極から構成される二次電池において、負
極が、水素を吸蔵する合金をコアとして、そのコアの表
面に、合金の酸化を防止し原子状水素もしくは水素イオ
ンが通過する機能を有した金属酸化物層が作為的に設け
られ、さらにその金属酸化物層の表面に、水素を活性状
態にする機能を有した金属元素が分散されている、少な
くとも三層以上の構造を有している、水素吸蔵放出能を
有した化合物からなる粉末材料を主構成材として形成さ
れていることを特徴とする二次電池である。
【0015】本発明の第四は、リチウム、カリウム、マ
ンガン、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択され
る一種類以上の元素を0.5原子%以上10原子%以下
含有する、コバルト元素とニッケル元素から選択される
一種類以上の元素と酸素元素からなる水酸化ニッケルよ
り導電性が高い化合物もしくは、少なくとも、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択され
る一種類以上の遷移金属元素と酸素元素と水素元素から
なる水酸化ニッケルより導電性が高い化合物で、被覆さ
れた水酸化ニッケル(Ni(OH)2)からなる粉末材
料である。
【0016】本発明の第五は、リチウム、カリウム、マ
ンガン、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択され
る一種類以上の元素を0.5原子%10原子%以下含有
する、コバルト元素とニッケル元素から選択される一種
類以上の元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルによ
り導電性が高い化合物もしくは、少なくとも、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択され
る一種類以上の遷移金属元素と酸化元素と水素元素から
なる水酸化ニッケルより導電性が高い化合物で、被覆さ
れた水酸化ニッケル(Ni(OH)2)からなる粉末材
料を主構成材として構成されている電極構造体である。
かかる電極構造体は、電解質にアルカリを使用する二次
電池の正極として好適に用いられる。
【0017】本発明の第六は、少なくとも負極、正極、
アルカリの電解質から構成される二次電池において、正
極が、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウム、
亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、バナ
ジウム、チタン、から選択される一種類以上の元素を1
0原子%以下含有する、コバルト元素とニッケル元素か
ら選択される一種類以上の元素と酸素元素からなる、水
酸化ニッケルより導電性が高い化合物もしくは、少なく
とも、モリブデン、タングステン、バナジウム、チタ
ン、から選択される一種類以上の遷移金属元素と酸素元
素と水素元素からなる水酸化ニッケルより導電性が高く
アルカリに溶解しない化合物で、被覆された水酸化ニッ
ケル(Ni(OH)2)からなる粉末材料を主構成材と
して形成されている二次電池であることを特徴とする。
【0018】尚、本発明(本明細書)においては、以下
「水酸化ニッケル」とは水酸化第一ニッケル(Ni(O
H)2)を指す。
【0019】さらに、本発明の第七として、少なくと
も、負極、正極、アルカリの電解質から構成される二次
電池において、負極が、水素を吸蔵する合金をコアとし
て、そのコアの表面に、合金の酸化を防止し、原子状水
素もしくは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化
物層が設けられ、さらにその金属酸化物層の表面に、水
素を活性状態にする機能を有した金属元素が分散されて
いる、少なくとも三層以上の構造を有している、水素吸
蔵放出能を有した化合物からなる粉末材料を主構成材と
して形成され、かつ正極、リチウム、カリウム、マンガ
ン、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、
タングステン、バナジウム、チタン、から選択される一
種類以上の元素を0.5原子%以上10原子%以下含有
する、コバルト元素とニッケル元素から選択される一種
類以上の元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルより
導電性が高い化合物もしくは、少なくとも、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択され
る一種類以上の遷移金属元素と酸素元素と水素元素から
なる水酸化ニッケルより導電性が高くアルカリに溶解し
ない化合物で、被覆された水酸化ニッケルからなる粉末
材料を主構成材として形成されている、二次電池が提供
される。
【0020】本発明の第八は、好ましくは電解質にアル
カリを使用する二次電池、特に好ましくは電気化学的な
水素の吸蔵反応を利用した二次電池の電極(負極)の主
構成材となる粉末材料の製造方法であって、水素を吸蔵
する合金をコアとして、そのコアの表面に、合金の酸化
を防止し原子状水素もしくは水素イオンが通過する機能
を有した金属酸化物層を設ける工程と、さらにその金属
酸化物層の表面に、水素を活性状態にする機能を有した
金属元素を分散させる工程を、少なくとも有している
か、マグネシウムとニッケルとの合金を主成分とする水
素吸蔵する機能を有するコア表面に、合金の酸化を防止
し原子状水素もしくは水素イオンが通過する機能を有し
た金属酸化物層を設ける工程を少なくとも有しているこ
とを特徴とする。
【0021】本発明の第九は、好ましくは電解質にアル
カリを使用する二次電池、特に好ましくは電気化学的な
水素の吸蔵放出反応を利用した二次電池に用いる電極構
造体(負極)の製造方法であって、上記水素を吸蔵する
化合物からなる粉末材料の製造工程に加えて、上記化合
物粉と集電体から電極構造体を成形する工程を有してい
ることを特徴とする。また、上記の負極の製造方法にお
いて、好ましくは、少なくとも上記化合物粉に形状の異
なる二種類以上の導電補助材を加えこれを集電体上に成
形することもできる。
【0022】本発明の第十は、好ましくは電解質にアル
カリを使用する二次電池電極(正極)の主構成材となる
粉末材料の製造方法であって、水酸化ニッケル粉を、リ
チウム、カリウム、マンガン、アルミニウム、亜鉛、マ
グネシウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、
チタン、から選択される一種類以上の元素を0.5原子
%以上10原子%以下含有する、コバルト元素とニッケ
ル元素から選択される一種類以上の元素と酸素元素から
なる、水酸化ニッケルより導電性が高い化合物もしく
は、少なくともモリブデン、タングステン、バナジウ
ム、チタン、から選択される一種類以上の元素と酸素元
素からなる水酸化ニッケルより導電性が高い化合物で、
被覆する工程を有することを特徴とする。
【0023】本発明の第十一は、好ましくは電解質にア
ルカリを使用する二次電池の正極となる電極構造体の製
造方法であって、上記水酸化ニッケル粉の被覆処理工程
に加えて、上記被覆処理を施した水酸化ニッケルからな
る粉末材料と集電体から電極構造体を成形する工程を有
していることを特徴とする。
【0024】本発明の第一にかかる粉末材料は、好まし
くは電解質にアルカリを使用する二次電池の負極活物質
粉に適用されるもので、水素吸蔵合金粉をコア層にして
その表面を金属元素と酸素元素から成る金属酸化物層で
被覆し、最表面に金属を分散担侍することによって、各
層に機能を分担させ、すなわち、最表面の金属分散層で
水素を吸着し、遷移金属の触媒作用で効率よく活性な原
子状水素を発生させ、水素吸蔵合金の酸化を防止する金
属酸化物層を通過した原子状水素もしくは水素イオン
を、コア層の水素吸蔵合金に貯蔵することが可能にあ
る。
【0025】また、マグネシウム−ニッケル合金をコア
層として用いた粉末材料は、該マグネシウム−ニッケル
合金がメカニカルアロイイングやメカニカルグラインデ
ィングといった手法により好ましくは非晶質化がなさ
れ、室温下でも優れた電気化学的な水素吸蔵能が得られ
るようになっている。しかしながら、かかる粉末材料を
ニッケル−水素化物電池の負極材料として用いた場合
に、充放電サイクルを繰り返すと、当該負極において、
アルカリ電解液と合金との反応により急激に水素吸蔵能
(充電電気量)が低下するといった問題が生じ得る。従
って、少なくともマグネシウム−ニッケル合金からなる
コア層を金属酸化物により被覆することで、当該粉末材
料をニッケル−水素化物電池の負極材料として用いた場
合に、当該合金からなるコア層とアルカリ電解液との反
応によるコア層の劣化が抑制され、上述した急激な水素
吸蔵能の低下が防止され、高容量のアルカリ二次電池が
実現される。
【0026】さらに、上記金属酸化物層が、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、ニオブ、チタン、ジル
コニウム、イリジウム、から選択される少なくとも一種
類以上の遷移金属元素と酸素元素から成る遷移金属酸化
物の層から構成することによって、最表面層で発生した
原子状水素もしくは水素イオンを水素吸蔵合金のコア層
まで通過し易い層を形成することができる。更に上記金
属酸化物層をアルミニウム、ケイ素から選ばれる一種類
以上の酸化物で複合化することで、アルカリに対する耐
久性を増すことができる。また、最表面に分散する金属
として、ニッケル、クロム、モリブデン、コバルト、
銅、パラジウム、白金、鉄、ルテニウム、ロジウム、イ
リジウム、タングステン、チタン、マンガン、から選択
される一種類以上の遷移金属を選択することによって、
水素を吸着し易くかつ活性な原子状水素を生成し易くす
ることができる。
【0027】上記水素吸蔵能を有する化合物からなる粉
末材料(化合物粉)を主材の負極物質として電極(負
極)を形成し、アルカリ二次電池の負極に採用すること
によって、充電反応で貯蔵する水素量が多くなり、充電
効率、充電容量、放電容量が増大する。また、過充電の
際に発生する酸素ガスによる性能劣化の少ない、負極を
備えた本発明の第三にかかるアルカリ二次電池を得るこ
とが可能になる。また、上述した粉末材料(負極活物
質)の他に鱗片状(フレーク状)、球状、フィラメント
状、針状、スパイク状、などから選択される少なくとも
形状の異なる二種類の粉末の導電補助材を添加して電極
構造体を形成することによって、そのインピーダンスを
低下することができるので、アルカリ二次電池に本電極
を負極として採用することによって、充放電効率の高
く、サイクル寿命の長い二次電池を得ることができる。
異なる二種類の鱗片状(フレーク状)、球状、フィラメ
ント状、針状、スパイク状、などの導電補助材を添加す
ることによって、負極活物質と導電補助材のパッキング
密度を上げることができるために負極のインピーダンス
を低減することができるのである。
【0028】さらに、本発明の第四は、好ましくはアル
カリ二次電池の正極活物質に用いることのできる、水酸
化ニッケルより導電率の高い少なくとも遷移金属元素と
酸素元素から成る化合物層で被覆された水酸化ニッケル
からなる粉末材料である。また、上記少なくとも遷移金
属元素と酸素元素から成る化合物層で被覆した水酸化ニ
ッケル粉(粉末材料)と集電体から形成された電極構造
体(本発明の第5にかかる電極構造体)では、水酸化ニ
ッケルより導電率の高い被覆層で活物質(正極活物質)
の水酸化ニッケル粉が覆われているので、これを二次電
池の正極として用いた場合、被覆層のない水酸化ニッケ
ルから形成された正極に比べて、水酸化ニッケル粉間の
電子導電性が向上するためにインピーダンスを低減する
ことが可能になる。また、上記正極をアルカリ二次電池
に採用することによって、充放電反応における正極活物
質の利用効率の高い、充電容量及び放電容量の大きい、
アルカリ二次電池(本発明の第6にかかる電極構造体)
を得ることが可能になる。
【0029】更に、上記水酸化ニッケル粉に加えて少な
くとも1〜30重量%の水酸化第二ニッケル第一ニッケ
ル(Ni32(OH)4)を含有せしめて電極構造体
(正極)とすることが好ましい。こうして未使用の二次
電池の正極が、主構成材の上記水酸化ニッケルに加え
て、少なくとも1重量%〜30重量%の水酸化第二ニッ
ケル第一ニッケルから構成されていることになり、水酸
化第二ニッケル第一ニッケルNi32(OH)4の密度
が水酸化ニッケルNi(OH)2の密度より低いため
に、過充電時や高率充電時に低密度のγ型オキシ水酸化
ニッケル、γ−NiOOHが生成しても電極膨張がな
く、寿命劣化が抑制される。また、Ni32(OH)4
は、ニッケルの酸化値が高く、放電時には容量増に寄与
する。
【0030】加えて、前記本発明の第一の粉末材料を用
いた電極構造体を負極として、第四の粉末材料を用いた
電極構造体を正極として採用することによって、高容量
で、充放電効率の高い、過充電に強い、サイクル寿命の
長い、アルカリ二次電池特に好ましくはニッケル−水素
化物二次電池を得ることができる。
【0031】さらに、本発明では上述した水素を吸蔵す
る化合物からなる粉末材料(化合物粉)を、水素吸蔵合
金粉の表面に遷移金属酸化物から成る層を形成して調製
する。さらに遷移金属を最表面に分散担持せしめる。上
記遷移金属酸化物層は、モリブデン、タングステン、バ
ナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウ
ム、から選択される少なくとも一種類以上の金属元素の
ポリ金属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶
液、から選択される一種類以上の溶液に、水素を吸蔵す
る合金粉を浸漬することにより容易に形成できる。その
際、アルミナゾル溶液、シリカゾル溶液を添加すること
によってアルミ酸化物、ケイ素酸化物を複合化でき、ア
ルカリに対する耐性を増すことができる。上記さらにポ
リ金属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、
から選択される一種類以上の溶液に、アルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素、希土類金属元素の水酸化物
もしくは塩を添加することによって、アルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素、希土類金属元素から選択さ
れる一種類以上の金属元素を含有した、遷移金属酸化物
層を容易に形成することができる。上記アルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素、希土類金属元素の添加によ
り、遷移金属酸化物の導電性を改善することができる。
さらに、上記遷移金属の最表面への分散担持は、ニッケ
ル、クロム、モリブデン、コバルト、銅、パラジウム、
白金、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、タング
ステン、チタン、マンガン、から選択される一種類以上
の遷移金属元素の塩を付着させた後、遷移金属元素の塩
を直接還元するか、遷移金属元素の塩にアルカリを反応
させて一旦遷移金属の水酸化物などを沈着させた後還元
処理を施すことによって、容易に成すことができる。上
記遷移金属の水酸化物を経由することによって、金属に
還元する還元温度を下げることが可能に成る。
【0032】また、本発明では、前記水素を吸蔵する化
合物からなる粉末材料のコア層に用いる水素吸蔵合金粉
の一例であるマグネシウム−ニッケル合金粉を、マグネ
シウム粉をニッケル塩の溶液に浸漬し、イオン化傾向の
差を利用した化学反応で、簡便に調製することができ
る。さらに、マグネシウム−ニッケル合金粉のマグネシ
ウム元素の一部を、同様にイオン化傾向の差を利用した
化学反応で、マグネシウムよりイオン化傾向の小さい元
素である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マンガ
ン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリブ
デン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パラ
ジウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換
し、微量元素を容易に合金内に導入することができる。
上記微量元素を20原子%以下の量導入することによ
り、電気化学的に水素をより安定に吸蔵放出する化合物
粉を得ることができる。
【0033】さらに、本発明では前記方法で調製した水
素吸蔵合金をコアとする化合物粉に炭素材(好ましく
は、非晶質カーボンや黒鉛など)、ニッケル、銅、銀、
インジウム、スズから選択される一種類以上の材料から
成る、鱗片状(フレーク状)、球状、フィラメント状、
から選択される少なくとも形状の異なる二種類以上の粉
末の導電補助材を混合し、さらに必要に応じて有機高分
子などの結着剤や溶媒を加えたものを、集電体上に、塗
布やプレスあるいは燒結の手法を用いて、よりインピー
ダンスの低減された電極における活物質層(負極活物質
層)を有する電極構造体を形成することができる。
【0034】上記水素を吸蔵する化合物からなる粉末材
料の調製及び電極構造体の形成において、窒素ガス、ア
ルゴンガス、ヘリウムガス、水素ガスから選択される一
種類以上のガスもしくは水素プラズマから成る雰囲気ま
たは減圧下で熱処理する工程を加えることによって、特
性を安定して発揮できる水素吸蔵化合物粉及びそれから
成る電極構造体を形成することが可能になる。
【0035】また、本発明では、好ましくはアルカリ二
次電池の正極活物質として使用できる上述した水酸化ニ
ッケルより導電性が高い化合物で被覆された水酸化ニッ
ケル(粉末材料)をコバルト塩もしくはニッケル塩また
はコバルト塩とニッケル塩に、水酸化アルカリもしくは
アルカリ金属の塩を反応させて、水酸化ニッケル粉表面
に上述した水酸化ニッケルの被覆層を容易に形成するこ
とで調製することができる。また、本発明では、上記水
酸化ニッケルの被覆層を、モリブデン、タングステン、
バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウ
ム、から選択される少なくとも一種類以上の金属元素の
ポリ金属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶
液、から選択される一種類以上の溶液に、水酸化ニッケ
ル粉を浸漬した後、乾燥熱処理して、容易に形成するこ
とができる。上記水酸化ニッケルの被覆層の形成時に
は、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウム、亜
鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、バナジ
ウム、チタン、から選択される元素の一種類以上塩を添
加し、添加元素を0.5原子%以上10原子%以下含有
する被覆層を容易に形成することができる。上記添加元
素は、10原子%以下の量では、導電性を高める効果が
ある。
【0036】また、本発明では、前記被覆処理を施した
水酸化ニッケル粉に、必要に応じて、有機高分子の結着
剤、溶剤、導電補助剤を適宜加えて混合し、多孔性集電
体に充填あるいは集電体に塗布することによって、好ま
しくは電池の正極として適用される電極構造体を得るこ
とができる。
【0037】更に、前記被覆処理したニッケル粉から電
極構造体(二次電池の正極)を形成する際に少なくとも
1〜30重量%の水酸化第二ニッケル第一ニッケルを混
合せしめることが好ましい。
【0038】さらに、本発明における前述した粉末材
料、電極構造体を用いたアルカリ二次電池は具体的に
は、本発明の第一にかかる粉末材料を用いた負極と本発
明の第四にかかる粉末材料を用いた正極を使用して、負
極と正極の間にセパレータを挟み、電池ハウジング(電
槽)に収納し、負極及び正極から取り出したリードを電
池の出入力端子に接続し、電解液を注入しセパレータに
電解液を保持し、電池ハウジングに蓋をかぶせて密閉化
することによって作製することができる。こうして高容
量で、過充電に強くサイクル寿命も長い、アルカリ二次
電池を作製することができる。
【0039】尚、本発明では、“活物質”とは、電池に
おける充電及び放電の電気化学的可逆反応(のくり返
し)に関与する物質である。更に上記化合物であって、
且つ自身で上記反応に関与し、他の上記反応に関与する
物質を保持する物質をも包含する。
【0040】以下、本発明の好ましい具体的な実施の形
態を、図1、図2、図3、図4、図5を参照して説明す
る。
【0041】図1は、好ましくは負極活物質として負極
に使用する水素を吸蔵からなる粉末材料(化合物粉)の
構造の一例を模式的に示す断面図である。同図におい
て、水素を吸蔵する化合物104は、水素吸蔵合金から
なるコア層101、遷移金属と酸素元素から成る遷移金
属酸化物層102、表面に分散担侍された遷移金属10
3の大きく分けて機能の分離された3層から構成されて
いる。水素吸蔵化合物104を負極活物質として使用
し、水酸化ニッケルを正極活物質として構成される正極
と水酸化アルカリの水溶液から成る電解液を用いて二次
電池を作製した場合、充電時に負極で発生する水素を最
表面の分散担侍された遷移金属103が吸着して効率よ
く活性な原子状水素を生成し、この活性な原子状水素は
遷移金属酸化物層102を通過して、コア層の水素吸蔵
合金(コア層)101に到達して原子間に貯蔵される。
すなわち、分散担侍された遷移金属103の触媒作用に
よって、効率よくコア層の水素吸蔵合金に吸蔵されやす
い活性な水素を発生し易く成るので、吸蔵される水素量
も増すことに成る。また、上記充電時に過充電がなされ
た場合、正極で過剰な酸素ガスが発生し負極に到達す
る。この時、負極の水素吸蔵合金101が遷移金属酸化
物層102で被覆されていなかったら、水素吸蔵合金1
01は酸化され、水素吸蔵能が低下し、二次電池の充電
容量が低下することになる。すなわち、上記遷移金属酸
化物層102の役割は、コア層の水素吸蔵合金101の
酸化を抑制する機能を有している。また、遷移金属酸化
物層102も層間に少量の水素を貯蔵する機能も有して
いる。更に上記遷移金属酸化物層はアルミニウム酸化物
やケイ素酸化物と複合化することで水酸化アルカリに対
する耐性を高められる。104の水素吸蔵化合物粉はコ
アとする水素吸蔵合金粉101を遷移金属酸化物層10
2で被覆し、次いで遷移金属元素をその表面に担侍する
ことによって形成される。
【0042】図2は、本発明に係る電極構造体の一例、
すなわち、集電体の両面に活性物質層を形成した場合の
電極構造体(負極)の一例の模式断面構成図である。図
2の電極構造体(負極)109は、集電体105上に前
記図1に示した水素吸蔵化合物粉104から成る活物質
層108を形成して成る。電極構造体109は、集電体
105上に、水素吸蔵化合物粉104と、フレーク状と
球状などの異なる二種以上の形状の導電補助材106お
よび107を混合し、乾式プレスにて活物質層108を
形成するか、上記水素吸蔵化合物粉と導電補助材の混合
物に結着剤(図2においては不図示)と溶剤を添加しペ
ーストを調製し塗布によって活物質層108を形成する
か、さらに焼結処理を施して、作製することができる。
このようにして作製される電極構造体109は、例えば
水酸化ニッケルを正極活物質として構成される正極と水
酸化アルカリの水溶液から成る電解液を用いて二次電池
の負極として使用でき、前述した水素化合物粉104の
作用から、充電容量が大きく、過充電に強い負極として
機能することに成る。
【0043】図3は、電池の正極活物質となり得る粉末
材料の構造の一例と模式的に示す断面図である。図3に
おいて、粉末材料(正極活物質粉)203は、水酸化ニ
ッケル粉(Ni(OH)2)201、少なくともニッケ
ル元素以外の遷移金属元素と酸素元素から成る水酸化ニ
ッケルよりも高導電率の被覆層202から成る。
【0044】図4は、図3に示す粉末材料を用いた電極
構造体(正極)の一例を模式的に示す断面図である。電
極構造体205は、上記遷移金属元素と酸素元素から成
る水酸化ニッケルよりも高導電率の被覆層202で覆わ
れた水酸化ニッケル粉201から成る粉末材料(正極活
物質粉)203を、多孔性集電体204の孔部206に
充填して形成されたものである。電極構造体(正極)2
05は、必要に応じて粉末材料(正極活物質粉)203
に、導電補助材、結着剤、溶剤を添加し混合し、ペース
トを調製し、このペーストを多孔性集電体に充填するこ
とで作製することができる。また、プレスによって適宜
正極の厚みを調整することができる。上記電極構造体
(正極)205中の粉末材料(正極活物質)203は、
導電率の高い被覆層202が水酸化ニッケル粉201に
表面に設けられ形成されていることで、充填された正極
活物質粉体間の電子伝導性が向上し、電極構造体(正
極)のインピーダンスを低減でき、正極活物質の充放電
反応の利用効率が高まり、すなわち充放電容量が増すこ
とになる。
【0045】図5は、本発明の二次電池の概略構造の一
例を示す断面図である。図5の二次電池は、充電反応で
水素を吸蔵する負極301と、水酸化ニッケルを主成分
とする正極活物質から構成される正極302、セパレー
タ及び水酸化アルカリの電解質303が、電池ハウジン
グ(電槽)304に納められ、出入力端子である、負極
端子305に負極301が接続され、正極端子306に
正極302が接続されて構成されている。なお、電解質
に固体電解質が採用されている場合には、セパレーター
が設けられていない場合もある。図5の本発明の二次電
池では、負極301と正極302の両方に、もしくは負
極301が正極302のいずれか一方に、本発明の負
極、正極が使用される。これによって、過充電に強く、
高容量の二次電池を作製することが可能になる。
【0046】(水素吸蔵合金表面への遷移金属元素の分
散)本発明の水素を吸蔵する化合物からなる粉末材料
(例えば図1に示すような材料)の粉の最表面には、別
途、仕事関数が4.5eV前後の、最短原子間距離が
0.248〜0.255ナノメートルと0.27〜0.
28ナノメートルの範囲の、遷移金属元素である、ニッ
ケル、クロム、モリブデン、銅、パラジウム、白金、
鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、タングステ
ン、チタン、マンガン、から選択される一種類以上の金
属元素が分散させてある。これらの遷移金属元素は、水
素を吸着し、D2(重水素)−H2(水素)交換反応を
示し、水素吸蔵合金のコアに吸蔵され易い活性な水素原
子を生成する。この遷移金属が分散する層の厚みは活性
化された原子状水素がコア層に拡散しやすいように、1
ナノメートル以上300ナノメートル以下が好ましく、
5ナノメートル以上10ナノメートル以下がより好まし
い。
【0047】層の厚みは透過電子顕微鏡、スキャニング
オージュ分光装置などで計測可能である。
【0048】後述の金属酸化物層による被覆処理を行な
った水素吸蔵化合物(合金)表面への遷移金属元素の分
散のより具体的な方法としては、水素吸蔵合金粉に遷移
金属の塩を付着させ、その後、遷移金属の塩が付着した
水素吸蔵合金粉を還元して、上記遷移金属元素が分散し
た水素吸蔵合金粉を調製する。
【0049】また、具体的な別の方法としては、金属酸
化物層被覆の水素吸蔵合金粉を遷移金属の塩の溶液に浸
漬した後、沈殿剤を反応させて、水素吸蔵合金粉表面に
遷移金属化合物を沈着させ、遷移金属化合物の付着した
水素吸蔵合金粉を還元して、上記遷移金属元素が分散し
た水素吸蔵合金粉を調製する。
【0050】上記遷移金属の塩としては、ハロゲン化
物、硝酸塩、炭酸塩、有機酸tの塩、硫酸塩、から選択
される一種類以上の塩が挙げられる。
【0051】上記沈殿剤としては、アルカリである、ア
ルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アンモ
ニウム塩、アミン、などの化合物が用いられ、具体的に
好ましい化合物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸アンモニウム、尿素、から選択され
る一種類以上の化合物が挙げられる。
【0052】上記還元反応は、還元ガス雰囲気中で行わ
れ、還元ガスとしては、水素、一酸化炭素、ヨウ化水
素、硫化水素、亜硫酸、などから選択される一種類以上
のガス状物質が挙げられる。還元温度は、500℃以下
が好ましく、350℃以下がより好ましい。また、ニッ
ケル金属元素の分散に関しては、水素を吸蔵する化合物
粉と蟻酸ニッケルに水を加え、混合の後乾燥し、水素気
流中か真空下で250℃程度の温度をかけて蟻酸ニッケ
ルを分解させて金属ニッケルを表面層に分散した化合物
粉を得ることができる。
【0053】(水素吸蔵合金粉の金属酸化物層での被
覆)上述した水素吸蔵(合金)粉では、水素を吸蔵する
コア層の外側に、モリブデン、タングステン、バナジウ
ム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、から
選択される少なくとも一種類以上の遷移金属元素と酸素
元素から成る金属酸化物の層が形成されている。この金
属酸化物層は、活性な原子状水素もしくは水素イオンが
拡散し易く、水素を吸蔵するコア層の酸化を抑制する機
能を有している。上記遷移金属の酸化物のうち、チタン
酸化物とジルコニウム酸化物はアルカリに対する耐久性
が高く、より好ましい材料である。さらに上述したよう
に遷移金属の酸化物のアルカリに対する耐性を高めるた
め、アルミニウム、ケイ素から選択される一種類以上の
酸化物で複合化することが好ましい。また、上記アルミ
ニウム、ケイ素の酸化物は、水素イオンもしくは原子状
を水素を透過を容易にするために非晶質であることが好
ましい。
【0054】また、上述した水素吸造合金粉は、水素を
吸蔵するコア層の外側に、モリブデン、タングステン、
バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウ
ム、から選択される少なくとも一種類以上の遷移金属元
素と酸素元素から成る遷移金属酸化物の層が形成され、
かつ該遷移金属酸化物層の外側に、ニッケル、クロム、
モリブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、鉄、ル
テニウム、ロジウムイリジウム、タングステン、チタ
ン、マンガン、から選択される一種類以上の遷移金属元
素金属元素が分散されているものでもある。
【0055】上記遷移金属酸化物層は、原子状水素が拡
散して水素を吸蔵するコア層に到達し易いように、10
ナノメートル以上1ミクロン以下であることが好まし
く、20ナノメートル以上0.5ミクロン以下であるこ
とがより好ましい。また、上記遷移金属酸化物層は、完
全に水素を吸蔵するコア層を完全に被覆している必要は
なく、上記コアコア層は上記遷移金属酸化物層に表面積
の50%以上覆われていることが好ましく、80%以上
覆われていることがより好ましい。また、上記遷移金属
酸化物としては、ニッケル水素化物−水素化物電池の負
極に本発明の水素吸蔵合金を用いる場合、充電にて発生
する水素を水素吸造合金であるコア層に拡散し易くする
ために、多孔質で、水を吸着もしくは包含したもの、ま
たは水を吸着もしくは包含し易いものが好ましい。さら
に、水素吸蔵合金が水素を吸蔵放出する時の膨張収縮の
応力破壊に対する耐久性を高めるために、上記遷移金属
酸化物の構造が、非晶質もしくは水分を包含したゲルで
あることが、好ましい。
【0056】上記遷移金属酸化物層の調製方法の例とし
ては、電子ビーム蒸着、スパッタリング、プラズマCV
D(Chemical Vapor Depositi
on)、レーザーアシストCVD、などの真空蒸着法や
CVD法やスプレー法を用いてコアの水素吸蔵合金粉に
遷移金属酸化物をコーティングすることができるが、以
下に述べるゾルーゲル法、あるいはイオン交換や化学反
応を用いた調製方法や陽極酸化、電気化学的堆積反応に
よる調製方法が上記遷移金属酸化物層を調製するのによ
り好ましい手法である。
【0057】また、マグネシウム−ニッケル合金をコア
層として用いる場合、室温下での充放電特性は非晶質化
されたマグネシウム−ニッケル合金の方が結晶化された
ものより優れているので、遷移金属酸化物層の形成は、
上記マグネシウム−ニッケル合金の結晶化されない温
度、すなわち400℃以下、より好ましくは300℃以
下の低温で行うのがよい。マグネシウム−ニッケル合金
に対する上記金属酸化物の形成方法としては、プラズマ
酸化、プラズマCVD、レーザーCVD、陽極酸化、電
気化学的析出方法が、好ましい方法として採用できる。
上記方法の中で、陽極酸化による酸化物層形成は、先ず
マグネシウム−ニッケル合金から構成されるコア表面
を、陽極酸化可能な金属材料の層を蒸着法やメッキなど
の方法にて形成した後、電解液に浸し、対極を陰極、マ
グネシウム−ニッケル合金から構成される電極を陰極と
して、通電し、上記金属の酸化被膜を形成するものであ
る。上記陽極酸化によって形成される酸化物層は、高温
での熱処理を施さない限り、非晶質であり、特に充放電
でのサイクル劣化を抑制するのに効果が大きい。
【0058】遷移金属元素にタングステンを選んだ場合
の、タングステン酸化物で水素吸蔵合金粉を被覆する方
法を各種説明する。
【0059】(a)パラタングステン酸アンモニウムな
どのポリタングステン酸のアンモニウム塩(NH410
1241・5H2Oの水溶液に水素吸蔵合金粉を浸漬さ
れた後に、水素ガス気流中400〜600℃で熱処理を
施すことによって、水素吸蔵合金粉表面にタングステン
酸化物層を形成することができる。上記アンモニウム塩
溶液中に、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土
類金属塩を添加することによって、アルカリ金属元素、
アルカリ土類金属元素、希土類金属塩を添加することに
よって、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希
土類金属元素を容易に含有する遷移金属酸化物を得るこ
ともできる。
【0060】(b)タングステン酸ナトリウムNa2
4 などのアルカリ金属塩の水溶液を強酸性のカチオン
イオン交換樹脂カラムを通して水溶液中のナトリウムイ
オンを水素イオンに交換することによって、タングステ
ン酸水溶液を得る。得られたタングステン酸水溶液中
に、水素吸蔵合金粉を分散させ、放置した後、ゲル化し
たタングステン酸の付着した水素吸蔵合金粉を分離し乾
燥熱処理することよって、水素吸蔵合金粉表面にタング
ステン酸化物であるタングステンゲル層を形成すること
ができる。
【0061】(c)金属タングステン粉あるいは炭化タ
ングステン粉あるいは窒化タングステンに過酸化水素水
を加えて反応させ、反応後過剰の過酸化水素を白金触媒
で分解して、過酸化ポリタングステン酸(2WO3 ・H
22 ・nH2 O)溶液を調製する。調製した過酸化ポ
リタングステン酸溶液に水素吸蔵合金粉を分散し放置し
た後、過酸化ポリタングステン酸の付着した水素吸蔵合
金粉を分離し乾燥熱処理することによって、過酸化ポリ
タングステン酸層で覆われた水素吸蔵合金粉を得ること
ができる。
【0062】タングステン以外の、モリブデン、バナジ
ウム、ニオブ、チタンの酸化物層で被覆された水素吸蔵
合金粉の調製も上記方法を採用することができる。
【0063】上記(a)のパラタングステン酸アンモニ
ウムの代わりに、モリブデン酸アンモニウム(NH4
6 Mo724・4H2 O、メタバナジン酸アンモニウム
NH4VO3 、ニオブ酸アンモニウムNH4 NbO3
も使用できる。
【0064】上記(b)のタングステン酸ナトリウムN
2 WO4 の代わりに、タングステン酸リチウムLi2
WO4 、タングステン酸カリウムK2 WO4 、モリブデ
ン酸ナトリウムNa2MoO4 、モリブデン酸リチウム
LiMoO、モリブデン酸カリウムK2 MoO4
メタバナジン酸ナトリウムNaVO3 、バナジン酸リチ
ウムLiVO3 、メタバナジン酸カリウムKVO3 、ニ
オブ酸ナトリウムNaNbO3 、ニオブ酸リチウムLi
NbO3 、ニオブ酸カリウムKNbO3 も使用できる。
【0065】上記(c)のタングステンWや炭化タング
ステンWCや窒化タングステンWN,W2 Nの代わり
に、モリブデンMo、炭化モリブデンMoC、Mo2
C、窒化モリブデンMoN,Mo2 N、バナジウムV、
炭化バナジウムVC、窒化バナジウムVN、ニオブN
b、炭化ニオブNbC、窒化ニオウNbN、チタンT
i、炭化チタンTiC、窒化チタンTiNも使用でき
る。
【0066】また、バナジウムの酸化物層での水素吸蔵
合金粉の被覆方法としては、他に、五酸化バナジウムV
25 結晶を高温で溶融したものを急冷して非晶質の酸
化バナジウムを形成し、これを水に溶かして調製したゾ
ル溶液か、五酸化バナジウムの溶融体を水に流し込んで
調製したゾル溶液に、水素吸蔵合金粉を分散し放置後、
分離し乾燥熱処理することによって、バナジウムの酸化
物であるバナジン酸ゲル層で覆われた水素吸蔵合金粉を
得ることができる。この手法はニオブにも適用でき、そ
の際には五酸化ニオブNb25 を使用する。
【0067】また、遷移金属とアルコールとの化合物で
あるアルコキサイドの加水分解によるいわゆるゾルーゲ
ル法にて調製したゾル溶液中に、水素吸蔵合金粉を分散
し放置後、分離し乾燥することによっても上記金属酸化
物層で覆われた水素吸蔵合金粉を得ることができる。金
属酸化物層を得る反応として、アルコキサイドを原料と
するの他にはアセチルアセトナートを原料に加水分解反
応を用いることも可能である。
【0068】さらに、アルコキサイド溶液に、水素吸蔵
合金粉を分散し放置後、分離し乾燥した後、酸素プラズ
マに接触させ処理することによって、上記遷移金属酸化
物層で被覆された水素吸蔵合金粉を得ることができる。
【0069】アルコキサイドの例としては、ペンタエト
キシタングテンW(OC255、ペンタイソプロポ
キシタングステンW(O−iC375 、ペンタエト
キシモリブデンMo(OC255 、トリメトキシバ
ナジルVO(OCH33 、トリエトキシバナジルVO
(O−n−C373 、トリイソブトキシバナジルV
O(O−i−C493 、トリ−sec−ブトキシバ
ナジルVO(O−sec−C493 、トリ−t−ブ
トキシバナジルVO(O−t−C493 、ペンタメ
トキシニオブNb(OCH35 、ペンタエトキシニオ
ブNb(OC255 、ペンタイソプロポキシニオブ
Nb(O−iC375 、ペンタプロポキシニオブN
b(O−n−C375 、ペンタイソブトキシニオブ
Nb(O−i−C495 、ペンタブトキシニオブN
b(O−n−C495 、ペンタ−sec−ブトキシ
ニオブNb(O−sec−C495 、テトラメトキ
シチタンTi(OCH34 、テトラエトキシチタンT
i(OC254 、テトラプロキシチタンTi(O−
n−C374 、テトライソブトキシチタンTi(O
−i−C494 、テトラ−sec−ブトキシチタン
Ti(O−sec−C494 、テトラ−t−ブトキ
シチタンTi(O−t−C494 テトラメトキシジ
ルコニウムZr(OCH34 、テトラエトキシジルコ
ニウムZr(OC254 、テトライソプロキシジル
コニウムZr(O−n−C374、テトライソブト
キシジルコニウムZr(O−i−C494 、テトラ
−sec−ブトキシジルコニウムZr(O−sec−C
494 、テトラ−t−ブトキシジルコニウムZri
(O−t−C494
【0070】上記遷移金属塩の溶液中に、水素吸蔵合金
粉を浸漬した後、アルカリを添加反応させ、遷移金属の
水酸化物として沈殿させ、遷移金属の水酸化物の沈殿付
着した水素吸蔵合金を分離し、乾燥熱処理することによ
って、遷移金属酸化物被覆の水素吸蔵合金粉を得ること
もできる。
【0071】アルミニウムやケイ素の酸化物を上記遷移
金属酸化物層に複合化させる方法としては、ゾル−ゲル
法、CVD法、陽極酸化法などが使用できる。
【0072】(水素吸蔵合金粉(コア材料)の調製方
法)本発明の水素を吸蔵する化合物からなる粉末材料の
コア部に使用する水素吸蔵合金粉としては、MmNi5
系水素吸蔵合金(Mm:ミッシュメタル)のNiの一部
をMn,Al,Coで置換して多成分化したもの、Z
r,Ti,V,Ni,Mn,Co,Feなどの多成分合
金の遷移金属系水素吸蔵合金、マグネシウム−ニッケル
合金など挙げられる。
【0073】上記水素吸蔵合金の製造方法としては、高
周波溶融、アーク溶融、ガスアトマイズ法、スパッタリ
ング、メカニカルアロイング、溶融塩電解、などの方法
が採用できる。
【0074】(マグネシウム−ニッケル水素吸蔵合金の
調製)本発明では、水素を吸蔵する合金の一つとして、
好ましくはマグネシウム−ニッケル合金を用いることが
できる。かかる合金の調製方法としては前記メカニカル
アロイング、メカニカルグラインディング、ガスアトマ
イズ法、高周波溶融、アーク溶融、スパッテリング、溶
融塩電界などの方法以外にも以下の具体的方法も挙げら
れる。
【0075】マグネシウム粉を、ニッケルの塩を溶媒に
溶かした溶液に浸漬することで、イオン化傾向の大きい
マグネシウム元素をイオン化傾向の小さいニッケル元素
で置換することができ、さらに熱処理することによって
水素を吸蔵するマグネシウム−ニッケル合金を調製す
る。
【0076】上記ニッケルの塩を溶かす溶媒としては、
マグネシウムが水と反応するので、エチルアルコールな
どのアルコールがより適している。
【0077】他のマグネシウム−ニッケル合金の調製方
法としては、マグネシウム粉に水酸化ニッケルを付着さ
せた後に、水酸化ニッケルを還元するとともにマグネシ
ウム−ニッケル合金を調製することができる。
【0078】さらに、別の調製方法としては、マグネシ
ウム粉と蟻酸ニッケルを混合した後、水素気流中か真空
下で、250℃程度で蟻酸ニッケルを分解し、さらに4
00℃程度の高温で熱処理を施すことによって、マグネ
シウム−ニッケル合金を調製することができる。
【0079】上記手法で調製したマグネシウム−ニッケ
ル合金は好ましくは表面のニッケル比率が中心部より高
くなっているのが特徴である。
【0080】また、得られたマグネシウム−ニッケル合
金は、さらにマグネシウム元素の一部をマグネシウムよ
りイオン化傾向の小さい元素である、チタン、ベリリウ
ム、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、イン
ジウム、コバルト、モリブデン、スズ、鉛、アンチモ
ン、ビスマス、銅、銀、パラジウム、白金で、置換する
ことができる。置換方法は、上記イオン化傾向のマグネ
シウムより小さい元素の塩の溶液に、マグネシウム−ニ
ッケル合金粉を浸漬することで可能になる。もちろん、
前記ニッケル塩の溶液に上記置換元素の塩を添加して、
マグネシウム粉を浸漬反応させることによっても、マグ
ネシウム元素の一部を上記元素で置換したマグネシウム
−ニッケル合金粉を得ることができる。
【0081】上記マグネシウム−ニッケル合金では、大
きな水素吸蔵能を得るために、ニッケルに対するマグネ
シウムの元素比率が0.8〜2.2の範囲であることが
好ましい。
【0082】上記マグネシウム−ニッケル合金の調製の
ための熱処理温度が100〜600℃の範囲であること
が好ましい。また、上記熱処理工程は、窒素ガス、アル
ゴンガス、ヘリウムガス、水素ガスから選択される一種
類以上のガスから成る雰囲気若しくは減圧下で行われる
のが好ましい。さらに、表面を活性にするためには、適
宜水素プラズマ処理を施すのが好ましい。
【0083】また、マグネシウム−ニッケル合金粉の粒
径を調製するために、粉砕工程を通す場合には、不活性
ガスもしくは水素ガスを含む雰囲気下で粉砕するのが好
ましい。さらにマグネシウム−ニッケル合金は、遠心力
をかけた混合粉砕(メカニカルグ礼んディング)などで
非晶質化されたものが、低温での水素吸蔵能が高く好ま
しい。
【0084】(電極構造体/負極の作製)前記水素を吸
蔵する化合物からなる粉末材料を用いた例えば図2に示
す構造の電極構造体の作製は、該粉末材料に導電補助材
を加えて、集電体上に焼結させて作製する方法、あるい
は結着剤を用いて集電体上に結着させて作製する方法、
の大きくわけて二通りが挙げられる。
【0085】上記集電体としては、発泡ウレタンなどの
三次元網目構造を持ったシート状の高分子樹脂表面をメ
ッキなどの手法でニッケルなどの金属膜で被覆し焼成に
よって樹脂を分解除去して得られる発泡金属、炭素繊維
のフェルトにメッキなどの手法でニッケルなどの金属膜
で被覆して得られる発泡金属、ニッケルなどの金属繊維
を不織布状にしたもの、ニッケル微粉末を燒結したも
の、ニッケルあるいはニッケルメッキした穿孔薄銅板な
どのパンチグングメタルやエキスパンドメタル、ニッケ
ル箔、ニッケルメッキした金属箔などが用いられる。
【0086】上記結着剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンやポリプロピレンな
どのポリオレフィル、ポリフッ化ビリニデンやテトラフ
ルオロエチレンポリマーなどのフッ素樹脂、カルボキシ
メチルセルロースなどのセルロース類などが、挙げられ
る。
【0087】かかる電極構造体に関して、特に負極とし
てのインピーダンスを下げるために、負極活物質層のパ
ッキング密度を上げ集電能を上げて負極のインピーダン
スを下げるために、上記導電補助材の形状としては、鱗
片状(フレーク状)、球状、フィラメント状、針状、ス
パイク状、などから選択される少なくとも形状の異なる
二種類以上の粉末を本発明では使用する。
【0088】上記導電補助材の材質としては、非晶質カ
ーボンや黒鉛などの炭素材、ニッケル、銅、銀、インジ
ウム、スズから選択される一種類以上の材料を使用する
ことができる。
【0089】(水酸化ニッケル粉の表面被覆)図3で示
したような粉末材料では水酸化ニッケル(Ni(OH)
2)粉の表面が、好ましくは水酸化ニッケルより導電性
が高い、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウ
ム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、
バナジウム、チタン、から選択される一種類以上の元素
を0.5原子%以上10原子%以下含有する、コバルト
元素とニッケル元素から選択される一種類以上の元素と
酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性が高い化
合物もしくは、少なくとも、モリブデン、タングステ
ン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以上の
元素と酸素元素と水素元素からなる化合物で被覆されて
いる。上記モリブデン、タングステン、バナジウムから
選択される一種類以上の元素と酸素と水素元素からなる
化合物はアルカリとの耐性を高めるために、アルミニウ
ム元素、ケイ素元素を加えて複合化するのが好ましい。
【0090】具体的な被覆方法としては以下の種類が挙
げられる。
【0091】コバルトと酸素元素とリチウムから成る化
合物で被覆する場合は、 (d)正極の主成分の水酸化ニッケル粉の表面の被覆処
理工程が、コバルト塩の溶液に、リチウム、カリウム、
マンガン、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブ
デン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択さ
れる元素の一種類以上塩を添加した溶液に、水酸化ニッ
ケル粉を分散させた後水酸化リチウムや水酸化カリウム
などのアルカリを反応させ、リチウム、カリウム、マン
ガン、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、チタン、から選択され
る元素を含有した水酸化コバルト化合物で被覆した水酸
化ニッケル粉を調整できる。反応させる上記コバルトの
塩としては、硝酸コバルト、塩化コバルト、塩化アンモ
ニウムコバルト、から選択される一種類以上の塩が挙げ
られる。
【0092】コバルトの塩をニッケルの塩に替えると、
上記添加元素を含有した水酸化ニッケルで被覆された水
酸化ニッケル粉が得られることになる。
【0093】(e)水酸化コバルトをアンモニア水に溶
解させた飽和溶液に、水酸化ニッケル粉を浸漬し、水酸
化リチウムを添加した後煮沸して、コバルトと酸素と水
素とリチウム元素から成るヒドロオクソコバルト(I
I)酸リチウムで被覆された水酸化ニッケル粉を得るこ
とができる。
【0094】水酸化リチウムの代わりに水酸化カリウム
を用いれば、カリウムのヒドロオクソコバルト(II)
酸塩で被覆された水酸化ニッケル粉が得られる。また、
水酸化リチムなどのアルカリを添加する前に、上記
(d)同様に、リチウム、カリウム、マンガン、アルミ
ニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステ
ン、バナジウム、チタン、から選択される元素の一種類
以上塩を添加すれば、これらの添加元素を含有したヒド
ロオクソコバルト(II)酸塩で被覆された水酸化ニッ
ケル粉が得られる。
【0095】(f)水酸化ニッケル粉に硝酸コバルト
と、酢酸リチウムやクエン酸リチウムなどの100℃程
度の比較的低温で分解し易いアルカリ金属との有機酸塩
を混合した後、硝酸コバルトと、有機酸塩が分解する温
度まで加熱して、コバルトと酸素とアルカリ金属元素か
ら成る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉を得ること
ができる。
【0096】また、硝酸コバルトの代わりに硝酸ニッケ
ルを使用した場合には、ニッケルと酸素とアルカリ金属
元素から成る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉を得
ることができる。
【0097】水酸化ニッケル粉の表面をモリブデン、タ
ングステン、バナジウム、チタン、から選択される一種
類以上の元素と酸素元素と水素元素からなる化合物で被
覆する方法としては、以下のような方法が挙げられる。
いかに挙げる例(g)と(h)はタングステンと酸素と
水素元素から成る化合物で被覆した水酸化ニッケルを調
製する方法である。
【0098】(g)タングステン酸ナトリウムNa2
4 などのアルカリ金属塩の水溶液を強酸性のカチオン
イオン交換樹脂カラムを通して水溶液中のナトリウムイ
オンを水素イオンに交換することによって、タングステ
ン酸水溶液を得る。得られたタングステン酸水溶液中
に、水酸化ニッケル粉を分散させ、放置した後、ゲル化
したタングステン酸の付着した水素吸蔵合金粉を分離し
乾燥熱処理することによって、タングステン酸化物であ
るタングステン酸ゲル層で被覆した水酸化ニッケル粉を
得ることができる。
【0099】(h)金属タングステン粉もしくは炭化タ
ングステン粉に過酸化水素水を加えて反応させ、反応後
過剰の過酸化水素を白金触媒で分解して、過酸化ポリタ
ングステン酸(2WO322 ・nH2 O)溶液を調
製する。調製した過酸化ポリタングステン酸溶液に、水
酸化ニッケル粉を分散し放置した後、過酸化ポリタング
ステン酸の付着した水酸化ニッケル粉を分離し乾燥熱処
理することによって、過酸化ポリタングステン酸層で覆
われた水酸化ニッケル粉を得ることができる。
【0100】上記(g)と(h)の例のタングステン以
外の、モリブデン、バナジウム、ニオブ、チタンの酸化
物層で被覆された水素吸蔵合金粉の調製も上記手法を採
用することができる。
【0101】なお、上記(g)のタングステン酸ナトリ
ウムNa2 WO4 の代わりに、タングステン酸リチウム
Li2 WO4 、タングステン酸カリウムK2 WO4 、モ
リブデン酸ナトリウムNa2 MoO4 、モリブデン酸リ
チウムLi2 MoO4 、モリブデン酸カリウムK2 Mo
4 、メタバナジン酸ナトリウムNaVO3 、メタバナ
ジン酸リチウムLiVO3 、メタバナジン酸カリウムK
VO3 、ニオブ酸ナトリウムNaNbO3 、ニオブ酸リ
チウムLiNbO3 、ニオブ酸カリウムKNbO3 、も
使用できる。
【0102】上記(h)のタングステンWや炭化タング
ステンWCの代わりに、モリブデンMo、炭化モリブデ
ンMoC、バナジウムV、炭化バナジウムVC、ニオブ
Nb、炭化ニオブNbC、チタンTi、炭化チタンTi
C、も使用できる。
【0103】また、バナジウムの酸化物層での水酸化ニ
ッケル粉の被覆方法としては、他に五酸化バナジウムV
25 結晶を高温で溶融したものを急冷して非晶質の酸
化バナジウムを形成し、これを水に溶かして調製したゾ
ル溶液か、五酸化バナジウムの溶融体を水に流し込んで
調製したゾル溶液に、水酸化ニッケル粉を分散し放置
後、分離し乾燥することによって、バナジウムの酸化物
であるバナジン酸ゲル層で覆われた水酸化ニッケル粉を
得ることができる。この手法はニオブにも適用でき、そ
の際には五酸化ニオブNb25 を使用する。
【0104】上記モリブデン、タングステン、バナジウ
ム、から選択される一種類以上の元素と酸素元素と水素
元素からなる化合物で被覆した水酸化ニッケルが電池の
電解質に使用されるアルカリに溶解しにくくするため
に、さらに前記(e)や(f)の方法でコバルトと酸素
元素から成る化合物もしくはニッケルと酸素元素から成
る化合物で被覆するか、アルミニウム、ケイ素から選択
される一種類以上の元素と酸素元素から成る化合物で被
覆するか、ニッケル金属薄膜で被覆する方法が採用でき
る。
【0105】(電極構造体/正極の作製)前記被覆処理
を施した水酸化ニッケル粉を結着剤と混合し溶媒を添加
してスラリーを調製し、多孔性の集電体中に充填する
か、水酸化ニッケル粉を結着剤で直接集電体に結着させ
るかして、二次電池において正極として適用される電極
構造体は作製される。
【0106】集電体は、充放電時の電極反応で消費する
電流を効率よく供給するあるいは発生する電流を集電す
る役目を担っている。したがって、集電体を形成する材
料としては、導電度が高く、かつ、電池反応に不活性な
材質が望ましい。
【0107】上記多孔性の集電体としては、発泡ウレタ
ンなどの三次元網目構造を持ったシート状の高分子樹脂
表面をメッキなどの手法でニッケルなどの金属膜で被覆
し焼成によって樹脂を分解除去して得られる発泡金属、
炭素遷移のフェルトにメッキなどの手法でニッケルなど
の金属膜で被覆して得られる発泡金属、ニッケルなどの
金属繊維を不織布状にしたもの、ニッケル微粉末を燒結
したものが用いられる。その他にはニッケルあるいはニ
ッケルメッキした穿孔薄銅板などのパンチングメタルや
エキスパンドメタル、ニッケル泊、ニッケルメッキした
金属箔などが用いられる。
【0108】上記結着剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンやポリプロピレンな
どのポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデンやテトラフ
ルオロエチレンポリマーなどのフッ素樹脂、カルボキシ
メチルセルロースなどのセルロース類などが、挙げられ
る。
【0109】また、本発明の正極活物質粉となる粉末材
料を用いず、従来の一手法である、ニッケル粉末と結着
剤溶液を混合して調製したスラリーをニッケルメッキし
た穿孔薄鋼板に塗布した後燒結して得られる燒結ニッケ
ル基板を、ニッケル塩溶液に浸漬しニッケル塩を充填し
アルカリ溶液を反応させて水酸化ニッケル生成させ、水
酸化ニッケルを充填した燒結ニッケル基板の正極も本発
明の第一の粉末材料を用いた負極と組み合わせて本発明
の二次電池を構成することができる。
【0110】前述したように、前記水酸化ニッケル(N
i(OH)2)粉に水酸化第二ニッケル第一ニッケルN
32(OH)4を混合して電極構造体(正極)を形成
することが好ましい。水酸化第二ニッケル第一ニッケル
Ni32(OH)4は水酸化ニッケルNi(OH)2に比
較して密度が小さいために、混合量が多すぎると正極中
の活物質の充填量が少なくなるために、その混合量は1
重量%〜30重量%が好ましく、2重量%〜20重量%
がより好ましい。水酸化第二ニッケル第一ニッケルNi
32(OH)4を水酸化ニッケルNi(OH)2に混合し
て形成された電極構造体を正極として用いたアルカリ二
次電池では、放電時に高価数のニッケル原子を有した水
酸化第二ニッケル第一ニッケルNi32(OH)4から
水素が付加され低価数のニッケル原子に還元される。従
って、上記水酸化第二ニッケル第一ニッケル添加の正極
を使用することによって、2価のニッケル元素しか持た
ない水酸化ニッケルNi(OH)2を唯一の活物質とし
て形成された正極を用いたアルカリ二次電池より、大き
な容量の二次電池を得ることができる。
【0111】水酸化第二ニッケル第一ニッケルの調製方
法の例としては、一例として、硝酸ニッケルの水溶液に
臭素と水酸化アルカリを反応させて調整する方法が、挙
げられる。他の例としては、金属ニッケルに、過酸化ア
ルカリと水酸化アルカリを混合して、600℃程度の温
度で反応させた後に氷水で洗浄して調製する方法、など
が挙げられる。
【0112】(電池の形状と構造)本発明の二次電池の
形状としては、例えば、扁平形、円筒形、直方体形、シ
ート形などがある。又、電池の構造としては、例えば、
単層式、多層式、スパイラル式などがある。その中で
も、スパイラル式円筒形の電池は、負極と正極の間にセ
パレータを挟んで巻くことによって、電極面積を大きく
することができ、充放電時に大電流を流すことができる
という特徴を有する。また、直方体形やシート形の電池
は、電池を収納する機器の収納スペースを有効に利用す
ることができる特徴を有する。
【0113】以下では、図6、図7、図8を参照して、
実用形での電池の形状と構造の例についてより詳細な説
明を行う。図6は単層式扁平形(コイン形)電池の断面
図であり、図7はスパイラル式円筒形電池の断面図を、
図8は直方体形電池の断面構造を表している。これらの
リチウム電池の基本的には図5と同様な構成で、負極、
正極、電解質・セパレータ、電池ハウジング、出力端子
などから成る。
【0114】図6と図7と図8において、401と50
3と601は負極活物質層から成る負極、403と50
6と603は正極活性物質層から成る正極、405、5
08と605は負極端子(負極キャップまたは負極
缶)、406と509と606は正極端子(正極缶また
は正極キャップ)、407と507と607はセパレー
タ・電解液、410と510はガスケット、501と6
00は負極集電体、504は正極集電体、511は絶縁
板、512は負極リード、513は正極リード、514
と614は安全弁で、609は電池ハウジング(電槽)
ある。
【0115】図6に示す扁平型(コイン型)の二次電池
では、正極材料層(活物質層)を正極403と負極材料
層(活物質層)を備えた負極401が少なくとも電解質
(電解液)を保持したセパレータ407を介して積層さ
れており、この積層体が正極端子としての正極缶406
内に正極側から収容され、負極側が負極端子としての負
極キャップ405により被覆されている。そして正極缶
406内の他の部分にはガスケット310が配置されて
いる。
【0116】図7に示す円筒状のリチウム二次電池で
は、正極集電体504上に形成された正極材料層(正極
活物質層)505を有する正極506と、負極集電体5
01上に形成された負極材料層(負極活物質層)502
を有する負極503の間に、少なくとも電解質(電解
液)を保持したセパレータ507を少なくとも挟装し、
所定の軸を中心に多重に捲回された円筒状構造の積層体
が、その側面及び一底面側から負極缶508内に収容さ
れている。また、該積層体の他の底面(上面)側は、正
極端子(正極キャップ)509により被覆されている。
そして負極缶内の他の部分は絶縁体(ガスケット51
0)が配置されている。円筒状構造の電極の積層体は絶
縁板511を介して正極キャップ509側と隔てられて
いる。負極503については負極リード512を介して
負極缶508に接続されている。又、正極506につい
ては正極リード513を介して正極キャップ509と接
続されている。正極キャップ509側には電池内部の内
圧を調整するための安全弁514が設けられている。
【0117】以下では、図6や図7に示した電池の組み
立て方法の一例を説明する。 (1)負極(401、503)と正極(403、50
6)の間に、セパレータ(407、507)を挟んで、
正極缶(406)又は負極缶(508)に組み込む。 (2)電解質を注入した後、負極キャップ(405)又
は正極キャップ(509)と絶縁パッキング(410、
510)を組み立てる。 (3)上記(2)を、かしめることによって、電池は完
成する。
【0118】なお、上述したリチウム電池の材料調製、
および電池の組立は、水分が十分除去された乾燥空気
中、又は乾燥不活性ガス中で行うのが望ましい。
【0119】図8に示す直方体電池の例では、負極60
1/電解質(電解液)を含有したセパレータ607/正
極603からなる単位セルがセパレータを介して複数個
重ねられ、並列接続されており、これらが電池ハウジン
グ(電槽)609内に収容されている。負極601は負
極端子605に、正極603は正極端子606に接続さ
れている。また電槽609には、電池内部の内圧を調整
する安全弁614が設けられている。
【0120】以下では、図7に示した電池の組み立てか
方法の一例を説明する。 (1)負極601とセパレータ607と正極603から
なる単位セルをセパレータを介して複数個重ね集電体を
通じて並列接続した後、電槽609に組み込む。 (2)負極端子605、正極端子606と夫々の電極の
集電体を接続した後、電解質を注入する。 (3)電槽609に蓋を施し密閉することで電池を完成
する。
【0121】次に、上述した二次電池の例における部材
の態様について説明する。
【0122】(電解質)前述したような電極構造体を用
いた二次電池では一般的には、溶媒に電解質を溶かした
電解液を、多孔性のセパレータに保液させて使用する。
【0123】電解質の導電率は、25℃における値とし
て、好ましくは1×10-3S/cm以上、より好ましく
は5×10-3S/cm以上であることが必要である。
【0124】電解質としては、水酸化カリウム、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、およびこれらの混合塩、
が挙げられる。通常、上記電解質を水に溶解したアルカ
リ水溶液を電解液として使用する。
【0125】上記電解液の漏洩を防止するために、ゲル
化することも好ましい。ゲル化剤としては電解液の溶媒
を吸収して膨潤するようなポリマーを用いるのが望まし
い。このようなポリマーとしては、ポリエチレンオキサ
イド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなど
が用いられる。
【0126】(セパレータ)本発明の二次電池において
用いられるセパレータは、負極と正極の短絡を防ぐ役割
がある。また、電解液を保持する役割を有する場合もあ
る。
【0127】セパレータは、水素イオンが移動できる細
孔を有し、かつ、電解液に不溶で安定である必要があ
る。したがって、セパレータとしては、例えば、ガラ
ス、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィ
ン、フッ素樹脂、ポリイミド、などの不織布あるいはミ
クロポア構造の材料が好適に用いられる。上記、ポリオ
レフィンやフッ素樹脂の材質のセパレータは、電解液と
のぬれ性を高めるために親水処理が施されていることが
好ましい。親水処理は、水素プラズマ、酸素プラズマ、
フッ素プラズマ、などのプラズマ照射による処理、オゾ
ン照射の処理、コロナ放電処理、あるいは化学薬品によ
る処理によっても簡単に行うことができる。
【0128】また、微細孔を有する金属酸化物フィル
ム、又は、金属酸化物を複合化した樹脂フィルムも使用
できる。
【0129】(電池ハウジング(電槽))本発明におけ
るアルカリ二次電池のハウジング(電槽)としては、電
池の出入力端子が電池ハウジング(電槽)を兼ねている
場合、すなわち図6と図7の電池405、406、50
8、509の材料としては、銅板やステンレススチール
板が好適に用いられる。特に、チタンクラッドステンレ
ス板や銅クラッドステンレス板、ニッケルメッキ銅板な
どが多用される。
【0130】電池の出入力端子が電池ハウジング(電
槽)を兼用しない図8の609の場合には、電池ハウジ
ング(電槽)の材質としては、ステンレススチール以外
にも亜鉛などの金属、ポリプロピレンなどのプラスチッ
ク、又は、金属若しくはガラス繊維とプラスチックの複
合材が挙げられる。
【0131】(安全弁)本発明の電池には、電池の内圧
が高まった時の安全対策として、安全弁(514,61
4)が備えられている。安全弁としては、例えば、ゴ
ム、スプリング、金属ボール、破裂箔などが使用でき
る。
【0132】(ガスケット)本発明におけるガスケット
(410、510)の部材としては、例えば、フッ素樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、各種ゴムが
使用できる。電池の封口方法としては、図6と図7のよ
うにガスケットを用いた「かしめ」以外にも、ガラス封
管、接着剤、溶接、半田付けなどの方法が用いられる。
【0133】また、図7に示す構造での絶縁板の材料と
しては、各種有機樹脂材料やセラミックスが用いられ
る。
【0134】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0135】実施例1から4までは二次電極の負極の主
材となる負極活物質である水素を吸蔵する化合物からな
る粉末材料の調製方法に関して、実施例5から10まで
は本発明の電極構造体(負極)の形成方法に関して、実
施例11から15までは二次電池の正極の主材となる正
極活物質となる粉末材料表面処理方法に関して、実施例
16から20までは本発明の電極構造体(正極)の形成
方法に関して、実施例21から38までは本発明の二次
電池の作製に関して、例でもって説明した。なお、これ
ら実施例並びに比較例の電池では、図7同様のAAサイ
ズの円筒形電池を作製した。
【0136】水素を吸蔵する化合物粉の調製 実施例1 (1)コアとする水素吸蔵合金粉の調製 80メッシュ以下のマグネシウム粉を、マグネシウム元
素に対するニッケル元素比が1:1となる塩化ニッケ
ル、またマグネシウム元素に対しそれぞれ2原子%、1
原子%となる塩化コバルトと塩化第二銅を、溶解させた
エタノール溶液に浸漬し、超音波洗浄器を用いて37キ
ロヘルツの超音波を照射して50℃で反応させ、マグネ
シウム粉のマグネシウム元素をニッケル元素、コバルト
元素、銅元素で置換した。得られた粉末を水素気流中3
50℃で処理し、コバルト元素と銅元素を微量含んだマ
グネシウム−ニッケル合金粉を得た。
【0137】また、得られた上記マグネシウム−ニッケ
ル合金粉のスキャニングマイクロオージェを用い、アル
ゴンイオンエッチングで深さ方向のニッケル元素の定量
分析を行なった結果と、上記マグネシウム−ニッケル合
金粉のプラズマ発光分析から割り出したマグネシウムと
ニッケル元素の平均された元素比率からの結果から、中
心部より表面の方がニッケル元素比率が高いことが分か
った。
【0138】(2)水素吸蔵合金粉の金属酸化物による
被覆 100メッシュ以下のチタン粉を水冷した過酸化水素
水に徐々に添加して反応させ、反応終了後、白金メッシ
ュで残存する過酸化水素を分解し、過酸化ポリチタン酸
水溶液を調製した。これに、上記(1)で得たマグネシ
ウム−ニッケル合金粉を得られた過酸化ポリチタン酸水
溶液に分散させ30分間放置し、分離後冷水で洗浄し、
乾燥後、150℃で熱処理した。これによって、マグネ
シウム−ニッケル合金コアがタングステンと酸素元素の
化合物である過酸化ポリチタン酸膜(膜厚0.5ミクロ
ン)により被覆されたものが得られる。
【0139】次いで、塩化ニッケルと塩化コバルトの
水溶液にで得られた化合物粉を分散させ撹拌して塩化
ニッケルと塩化コバルトを吸着させた後、分離し、水酸
化ナトリウム水溶液に分散させ、過酸化ポリチタン酸膜
表面に吸着した塩化ニッケルと塩化コバルトと水酸化ナ
トリウムを反応させて、水酸化ニッケルと水酸化コバル
トと沈着させ、水洗乾燥後、水素気流中300℃で処理
して水酸化ニッケル−水酸化コバルトを還元して、マグ
ネシウム−ニッケル合金をコアにチタンと酸素元素の化
合物で被覆され金属ニッケルと金属コバルトが厚み30
ナノメートル程度最表面に担持分散された化合物粉を得
た。
【0140】上記で得られた化合物粉のスキャニング
マイクロオージェによる分析では、タングステン元素と
酸素元素でほぼ被覆され、ニッケルとコバルト元素が最
表面に分散していることを確認した。
【0141】実施例2 (1)コアとする水素吸蔵合金粉の調製 80メッシュ以下のマグネシウム粉と、マグネシウム元
素に対して元素比1:1となるように平均粒径1ミクロ
ン以下のニッケル粉を混合し、遊星ボールミルにて20
時間粉砕して、マグネシウム−ニッケル合金粉末を得
た。(X線回折分析により得られた合金は非晶質である
ことを確認した。)得られた粉末を水素気流中100℃
で処理した。
【0142】(2)水素吸蔵合金粉の金属酸化物による
被覆 100メッシュ以下の炭化モリブデン粉に過酸化水素
水を反応させ、反応終了後、白金メッシュで残存する過
酸化水素を分解し、過酸化ポリモリブデン酸水溶液を調
製した。これに、1,3−ブタンジオールに硝酸アルミ
ニウムを溶解させ90℃に加温して調製したゾル溶液を
加え、上記(1)で得たマグネシウム−ニッケル合金粉
を分散放置し、分離後冷水で洗浄し、乾燥後、150℃
で熱処理した。これによって、マグネシウム−ニッケル
合金をコアにモリブデンとアルミニウムと酸素元素の化
合物で被覆されたものが得られる。
【0143】次いで、蟻酸ニッケルの水溶液にで得
られた化合物粉を分散混合し乾燥した後、水素気流中2
50℃で処理して蟻酸ニッケルを分解して、マグネシウ
ム−ニッケル合金をコアにモリブデンと炭素と酸素元素
の化合物で被覆され金属ニッケルが厚み10ナノメート
ル程度最表面に担持分散された化合物粉を得た。
【0144】上記で得られた化合物粉のスキャニング
マイクロオージェによる分析では、モリブデン元素と酸
素元素でほぼ被覆され、ニッケル元素が最表面に分散し
ていることを確認した。
【0145】実施例3 (1)コアとする水素吸蔵合金粉の調製 ミッシュメタル(Mm)系合金MmNi3.6Mn0.
4A10.3Co0.7が得られるように、上記比率の
La(30%),Ce(40%),Pr(4%),Nd
(14%),Fe(5%)の組成のミッシュメタル粉、
ニッケル粉、マンガン粉、アルミニウム粉、コバルト粉
を混合した後、アルゴンガス雰囲気下で高周波溶解し合
金を調製し、アルゴンガス雰囲気化で得られた合金を粉
砕して、平均粒径20ミクロン以下の合金粉を得た。
【0146】(2)水素吸蔵合金粉の金属酸化物による
被覆 テトラn−プロポキシチタンとエトキシリチウムをモ
ル比10:1で溶解したエタノール溶液に、上記(1)
で調製した水素吸蔵合金粉を浸漬した後、分離し空気中
で加水分解し、250℃で熱処理した。これによって、
上記水素吸蔵合金をコアにリチウムを含有するチタンと
酸素元素の化合物(チタン酸化物)膜で被覆されたもの
が得られる。
【0147】次いで、二塩化モリブデンのエタノール
溶液に上記で得られた化合物粉を浸漬して塩化モリブ
デンを吸着させた後、分離し、水酸化ナトリウムのエタ
ノール溶液に分散させ、チタン酸化物膜表面に吸着した
塩化モリブデンと水酸化ナトリウムを反応させて、水酸
化モリブデンを沈着させ、水洗乾燥後、水素気流中40
0℃で処理して水酸化モリブデンを還元して、上記
(1)の水素吸蔵合金をコアにリチウム元素含有のチタ
ン酸化物(膜厚50ナノメートル)で被覆され金属モリ
ブデンが厚み5ナノメートル程度最表面に担持分散され
た化合物粉を得た。
【0148】上記で得られた化合物粉のスキャニング
マイクロオージェによる分析では、チタン元素と酸素元
素でほぼ被覆され、金属状モリブデン元素が最表面に分
散していることを確認した。
【0149】実施例4 (1)コアとする水素吸蔵合金粉の調製 遷移金属合金 Zr0.9Ti0.1Ni1.1Co0.1Mn0.6
V0.2が得られるように、上記比率のジルコニウム
粉、チタン粉、ニッケル粉、コバルト粉マンガン粉、バ
ナジウム粉を混合した後、アルゴンガス雰囲気下でアー
ク溶融し合金を調製し、真空下で1100℃で熱処理の
後、アルゴンガス雰囲気化で得られた合金を粉砕して、
平均粒径50ミクロン以下の合金粉を得た。
【0150】(2)水素吸蔵合金粉の金属酸化物による
被覆 パラタングステン酸アンモニウムと水酸化リチウムの
モル比10:1の水溶液に、テトラエトキシシランを原
料にゾルゲル法で調製したシリカゾル溶液を加え、上記
(1)で得られた水素吸蔵合金粉を浸漬した後に、水素
ガス気流中600℃で熱処理を施すことによって、水素
吸蔵合金粉表面にリチウム元素含有のタングステン−ケ
イ素酸化物層(膜厚0.1ミクロン)で被覆されたもの
が得られた。
【0151】次いで、硝酸ニッケルと硝酸コバルトと
の硝酸銅のモル比3:2:5の水溶液に上記で得られ
た化合物粉を浸漬し、分離し、水酸化ナトリウム水溶液
に分散させ、タングステン酸化物膜表面に吸着した硝酸
ニッケルと硝酸コバルトと硝酸銅に水酸化ナトリウムを
反応させて、水酸化ニッケルと水酸化コバルトと水酸化
銅から成る水酸化物を沈着させ、水洗乾燥後、水素気流
中180℃で還元処理して、上記(1)の水素吸蔵合金
をコアにリチウム元素含有のタングステン−ケイ素酸化
物で被覆され金属ニッケル、コバルト、銅が最表面に厚
み10ナノメートル程度担持分散された化合物粉を得
た。
【0152】上記で得られた化合物粉のスキャニング
マイクロオージェによる分析では、タングステン元素と
酸素元素でほぼ被覆され、金属状ニッケル、コバルト、
銅元素が最表面に分散していることを確認した。
【0153】また、実施例1、2、3、4のコア層の使
用した水素吸蔵合金粉(酸化物層による被覆及び金属元
素が分散されていない粉末)と実施例で得られた水素を
吸蔵する化合物粉をそれぞれ別途1気圧未満の水素(H
2 )と重水素(D2 )の1:1雰囲気下で水素と重水素
の交換反応で生成する水素重水素(HD)の割合をガス
クロマトグラフィーで分析比較したところ、いずれも実
施例で得られた化合物粉の方が多く生成することがわか
り、水素重水素交換反応の活性が大きいことがわかっ
た。これは、実施例で得られる化合物粉の方が原子状水
素を生成し易いことを示唆するものである。
【0154】電極構造体(負極)の形成 実施例5 実施例1で得られた水素を吸蔵する化合物粉と導電補助
材として上記化合物粉に対して重量比2の平均粒径15
−20ミクロンのフレーク状ニッケル粉と重量比0.8
の平均粒径3−7ミクロンのスパイク球状ニッケル粉と
重量比0.2の平均粒径0.8ミクロンのフィラメント
状ニッケル粉に、ポリビニルアルコール3重量%に、水
を添加して混合し、ペースト状混合物を調製し、平均ポ
アサイズ150ミクロンの多孔度95%のスポンジ状ニ
ッケル多孔体に充填し、乾燥後ローラープレスで加圧
し、所定の大きさに切断し、ニッケル線のリードをスポ
ット溶接で上記電極に接続し、二次電池の負極となる電
極構造体を得た。
【0155】実施例6 実施例2で得られた水素を吸蔵する化合物粉と導電補助
剤として上記化合物粉に対して重量比2の平均粒径15
−20ミクロンのフレーク状ニッケル粉と重量比0.8
の平均粒径3−7ミクロンのスパイク球状ニッケル粉と
重量比0.2の平均粒径0.8ミクロンのフィラメント
状ニッケル粉に、ポリビニルアルコール3重量%に、水
を添加して混合し、ペースト状混合物を調製し、パンチ
ングメタルのニッケルメッキ鋼板に塗布成形し、乾燥後
ローラープレスで加圧し、所定の大きさに切断し、ニッ
ケル線のリードを電極に接続し、二次電池の負極となる
電極構造体を得た。
【0156】実施例7 実施例3で得られた水素を吸蔵する化合物粉と導電補助
剤として上記化合物粉に対して重量比2の平均粒径15
〜20ミクロンのフレーク状ニッケル粉と重量比1の平
均粒径1ミクロンの球状銅粉に、ポリビニルアルコール
3重量%に、水を添加して混合し、ペースト状混合物を
調製し、パンチングメタルのニッケルメッキ鋼板に塗布
成形し、乾燥後ローラープレスで加圧し、所定の大きさ
に切断し、ニッケル線のリードを電極に接続し、二次電
池の負極となる電極構造体を得た。
【0157】実施例8 実施例4で得られた水素を吸蔵する化合物粉と導電補助
剤として上記化合物粉に対して重量比2の平均粒径85
ミクロンのフレーク状ニッケル被覆グラファイト粉と重
量比1の平均粒径10ミクロンの球状ニッケル粉に、ポ
リビニルアルコール3重量%に、水を添加して混合し、
ペースト状混合物を調製し、平均ポアサイズ150ミク
ロンの多孔度95%のスポンジ状ニッケル多孔体に充填
し、乾燥後ローラープレスで加圧し、所定の大きさに切
断し、ニッケル線のリードを電極に接続し、二次電池の
負極となる電極構造体を得た。
【0158】実施例9 実施例4で得られた水素を吸蔵する化合物粉と導電補助
剤として上記化合物粉に対して重量比2の平均粒径15
−20ミクロンのフレーク状ニッケル粉と重量比1の平
均粒径1ミクロンの球状銅粉を混合しパンチングメタル
のニッケルメッキ鋼板に加圧成形し、アルゴンガス気流
中で燒結し、所定の大きさに切断し、ニッケル線のリー
ドを電極に接続し、二次電池の負極となる電極構造体を
得た。
【0159】実施例10 実施例2で得られた水素を吸蔵する化合物粉と導電補助
剤として上記化合物粉に対して重量比3の平均粒径15
−20ミクロンのフレーク状ニッケル粉と、ポリビニル
アルコール3重量%を加え、水を添加して混合し、ペー
スト状混合物を調製し、パンチングメタルのニッケルメ
ッキ鋼板に塗布成形し、乾燥後ローラープレスで加圧
し、所定の大きさに切断し、ニッケル線のリードを電極
に接続し、二次電池の負極となる電極構造体を得た。
【0160】比較例1 実施例1での酸化物被覆処理と遷移金属元素の分散処理
を行わないで、アルゴンガス雰囲気下でマグネシウム粉
とニッケル粉をモル比1:1に混合した後、高周波溶融
炉の黒鉛ルツブに入れアルゴンガス雰囲気下で高周波溶
融して得られた水素吸蔵合金粉をそのまま用いて、導電
補助剤として上記水素吸蔵合金粉に対して重量比3の平
均粒径15−20ミクロンのフレーク状ニッケル粉と、
ポリビニルアルコール3重量%を加え、水を添加して混
合し、ペースト状混合物を調製し、平均ポアサイズ15
0ミクロンの多孔度95%のスポンジ状ニッケル多孔体
に充填し、乾燥後ローラープレスで加圧し、所定の大き
さに切断し、ニッケル線のリードをスポット溶接で上記
電極に接続し、負極となる電極構造体を得た。
【0161】比較例2 実施例2での酸化物被覆処理と遷移金属元素の分散処理
を行わないで、すなわちコア層に用いた水素吸蔵合金粉
をそのまま用いて、導電補助剤として上記水素吸蔵合金
粉に対して重量比3の平均粒径15−20ミクロンのフ
レーク状ニッケル粉と、ポリビニルアルコール3重量%
を加え、水を添加して混合し、ペースト状混合物を調製
し、パンチングメタルのニッケルメッキ鋼板に塗布成形
し、乾燥後ローラープレスで加圧し、所定の大きさに切
断し、ニッケル線のリードを電極に接続し、負極となる
電極構造体を得た。
【0162】比較例3 実施例3での酸化物被覆処理と遷移金属元素の分散処理
を行わないで、すなわちコア層に用いた水素吸蔵合金粉
をそのまま用いて、導電補助剤として上記水素吸蔵合金
粉に対して重量比3の平均粒径15−20ミクロンのフ
レーク状ニッケル粉と、ポリビニルアルコール3重量%
を加え、水を添加して混合し、ペースト状混合物を調製
し、パンチングメタルのニッケルメッキ鋼板に塗布成形
し、乾燥後ローラープレスで加圧し、所定の大きさに切
断し、ニッケル線のリードを電極に接続し、負極となる
電極構造体を得た。
【0163】比較例4 実施例4での酸化物被覆処理と遷移金属元素の分散処理
を行わないで、すなわちコア層に用いた水素吸蔵合金粉
をそのまま用いて、導電補助剤として上記水素吸蔵合金
粉に対して重量比3の平均粒径15−20ミクロンのフ
レーク状ニッケル粉と、ポリビニルアルコール3重量%
を加え、水を添加して混合し、ペースト状混合物を調製
し、平均ポアサイズ150ミクロンの多孔度95%のス
ポンジ状ニッケル多孔体に充填し、乾燥後ローラープレ
スで加圧し、所定の大きさに切断し、ニッケル線のリー
ドを電極に接続し、負極となる電極構造体を得た。
【0164】比較例5 実施例4での酸化物被覆処理と遷移金属元素の分散処理
を行わないで、すなわちコア層に用いた水素吸蔵合金粉
をそのまま用いて、導電補助剤として上記水素吸蔵合金
粉に対して重量比3の平均粒径15−20ミクロンのフ
レーク状ニッケル粉を混合しパンチングメタルのニッケ
ルメッキ鋼板に加圧成形し、アルゴンガス気流中で燒結
し、所定の大きさに切断し、ニッケル線のリードを電極
接続し、負極となる電極構造体を得た。
【0165】水酸化ニッケル粉の調製 実施例11 モル比で、平均粒径10ミクロンの水酸化ニッケル粉
1.0部に、硝酸コバルト粉0.08部と、硝酸ニッケ
ル粉0.02部、酢酸リチウム粉0.01部を、混合し
た後、120℃まで徐々に加熱して、コバルトとニッケ
ルと酸素とリチウム元素から成る化合物で被覆された水
酸化ニッケル粉を得ることができた。
【0166】なお、水酸化ニッケルの表面のコバルト元
素とニッケル元素と酸素元素はスキャニングマイクロオ
ージェ分析装置でそれぞれの元素マッピングを行ない確
認した。また、水酸化ニッケルの表面リチウム元素に関
しては、別途上記得られた粉末材料を塩酸に溶解した水
溶液のプラズマ発光分析によって存在を確認した。
【0167】また、図9に示す平行平板電極(901、
902)の間に、上記表面処理を施した水酸化ニッケル
粉又は上記表面処理を施さない水酸化ニッケル粉(90
4)を充填し、絶縁体により側面から挟装し一定の圧力
を印加して電極間の抵抗を測定器905により測定し、
表面処理の有無による性能を比較した。上記表面処理を
施さない場合と比べて、上記処理を施した水酸化ニッケ
ル粉では明らかに抵抗値は低減されていた。
【0168】実施例12 モル比で、平均粒径10ミクロンの水酸化ニッケル粉
1.0部に、硝酸コバルト粉0.1部とクエン酸リチウ
ム粉0.01部を、混合した後、120℃まで徐々に加
熱して、コバルトと酸素とリチウム元素から成る化合物
で被覆された水酸化ニッケル粉を得ることができた。
【0169】なお、水酸化ニッケルの表面のコバルト元
素と酸素元素はスキャニングマイクロオ−ジェ分析で確
認した。また、水酸化ニッケルの表面のリチウム元素の
存在に関しては、別途上記得られた粉末材料を塩酸に溶
解した水溶液のプラズマ発光分析によって確認した。
【0170】また、実施例11の場合と同様に図9に示
す平行平板電極の間に、上記表面処理を施した水酸化ニ
ッケル粉又は上記表面処理を施さない水酸化ニッケル粉
を充填し、一定の圧力を印加して電極間の抵抗を測定
し、表面処理の有無による性能を比較した。上記表面処
理を施さない場合と比べて、上記処理を施した水酸化ニ
ッケル粉では明らかに抵抗値は低減されていた。
【0171】実施例13 水酸化コバルトをアンモニア水に溶解させた飽和溶液
に、モル比で水酸化コバルトの10倍量の水酸化ニッケ
ル粉を浸漬し、水酸化カリウムを添加した後煮沸して、
コバルトと酸素と水素とカリウム元素から成るヒドロオ
クソコバルト(II)酸カリウムで被覆された水酸化ニ
ッケル粉を得ることができた。
【0172】なお、水酸化ニッケルの表面のコバルト元
素と酸素元素はスキャニングマイクロオージェ分析で確
認した。また、水酸化ニッケルの表面のカリウム元素に
関しては、別途上記得られた粉末材料を塩酸に溶解した
水溶液のプラズマ発光分析によって確認した。
【0173】また、実施例11の場合と同様に図9に示
す平行平板電極の間に、上記表面処理を施した水酸化ニ
ッケル粉又は上記表面処理を施さない水酸化ニッケル粉
を充填し、一定の圧力を印加して電極間の抵抗を測定
し、各種表面処理の有無による性能を比較した。上記表
面処理を施さない場合と比べて、上記処理を施した水酸
化ニッケル粉では明らかに抵抗値は低減されていた。
【0174】実施例14 モル比で硝酸コバルト1部と硝酸亜鉛0.05部と臭素
0.5部を水に溶解した溶液に、硝酸コバルトの10倍
量の平均粒径10ミクロンの水酸化ニッケル粉を分散さ
せ撹拌しながら、硝酸コバルトの3倍量の水酸化カリウ
ムを溶かした水溶液を、滴下反応させて、生成した沈殿
を放置後炭酸ガスを含まない水で洗浄デカンテーション
し、ろ過し、減圧乾燥して、コバルトと酸素元素から成
る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉を得ることがで
きた。
【0175】なお、水酸化ニッケルの表面のコバルト元
素と酸素元素はスキャニングマイクロオージェ分析で確
認した。また、水酸化ニッケルの表面の亜鉛元素に関し
ては、別途得られた上記試料を塩酸に溶解した水溶液の
プラズマ発光分析によって確認した。
【0176】また、実施例11の場合と同様に図9に示
す平行平板電極の間に、上記表面処理を施した水酸化ニ
ッケル粉又は上記表面処理を施さない水酸化ニッケル粉
を充填し、一定の圧力を印加して電極間の抵抗を測定
し、表面処理の有無による性能を比較した。上記表面処
理を施さない場合と比べて、上記処理を施した水酸化ニ
ッケル粉では明らかに抵抗値は低減されていた。
【0177】実施例15 ペンタエトキシモリブデンとエトキシシランとエトキシ
リチウムのモル比1:0.5:0.1のエタノール溶液
に、平均粒径10ミクロンの水酸化ニッケル粉を浸漬し
た後、分離し空気中でペンタエトキシモリブデンとエト
キシシランの加水分解をし、150℃で熱処理して、リ
チウム元素を含有するモリブデンとケイ素と酸素元素か
ら成る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉を得ること
ができた。
【0178】なお、水酸化ニッケルの表面のモリブデン
元素と酸素元素はスキャニングマイクロオージェ分析で
確認した。また、水酸化ニッケルの表面のリチウム元素
に関しては、別途得られた上記試料を塩酸に溶解した水
溶液のプラズマ発光分析によって確認した。
【0179】また、図9に示す平行平板電極の間に、上
記表面処理を施した水酸化ニッケル粉又は上記表面処理
を施さない水酸化ニッケル粉を充填し、一定の圧力を印
加して電極間の抵抗を測定し、表面処理の有無による性
能を比較した。上記表面処理を施さない場合と比べて、
上記処理を施した水酸化ニッケル粉では明らかに抵抗値
は低減されていた。
【0180】正極の形成 実施例16 実施例11で得られた表面被覆した水酸化ニッケル(N
i(OH)2)粉90重量%及び水酸化第二ニッケル第
一ニッケルNi32(OH)48重量%と、結着剤とし
てカルボキシメチルセルロースの2重量%を混合後、水
を添加してペーストを得た。このペーストを厚さ1.5
mm孔径200ミクロン多孔度95%の発泡状ニッケル
基板に充填塗着し、120℃1時間乾燥した。得られた
電極は加圧して厚さを調製した。次いで、所定の大きさ
に切断し、ニッケル線のリードをスポット溶接で上記電
極に接続し、二次電池の正極となる電極構造体を得た。
【0181】尚、上記水酸化第二ニッケル第一ニッケル
Ni32(OH)4は硝酸ニッケルと臭素の水溶液に水
酸化リチウムの水溶液を撹拌しながら滴下して沈殿さ
せ、分離乾燥させることにより調製した。
【0182】実施例17 実施例12で得られた表面被覆した水酸化ニッケル粉を
使用し、実施例16と同様にして二次電池の正極となる
電極構造体を作製した。
【0183】実施例18 実施例13で得られた表面被覆した水酸化ニッケル粉を
使用し、実施例16と同様にして正極となる電極構造体
を作製した。
【0184】実施例19 実施例14で得られた表面被覆した水酸化ニッケル粉を
使用し、実施例16と同様にして正極となる電極構造体
を作製した。
【0185】実施例20 実施例15で得られた表面被覆した水酸化ニッケル粉を
使用し、実施例16と同様にして正極となる電極構造体
を作製した。
【0186】比較例6 水酸化ニッケル粉92%、酸化コバルト粉2%を混合
後、結着剤としてカルボキシメチルセルロースの2重量
%水溶液を用いてペーストを得る。このペーストを厚さ
1.5mm孔径200ミクロン多孔度95%の発泡状ニ
ッケル基板に充填塗着し、120℃1時間乾燥した。得
られた電極は加圧して厚さを調整した。次いで、所定の
大きさに切断し、ニッケル線のリードをスポット溶接で
上記電極に接続し、正極なる電極構造体を得た。
【0187】電解液の調製 水酸化カリウム6M(mol/l)と水酸化リチウム1
M(mol/l)の水溶液 セパレータの用意 親水処理を施されたポリプロピレン不織布を使用した。
【0188】電池の作製 本発明にかかる電極構造体(負極)を使用した電池
【0189】実施例21 実施例5で得られた負極と比較例6で得られた正極セパ
レータを介して円筒状のうず巻き上に捲回し電極群を作
製し、これを電池缶に挿入し、電池缶と電池キャップの
出入力端子となる部分にリードを溶接し、電解液を注入
した後、かしめて封口して密閉型電池とした。
【0190】なお、この電池は正極の容量を負極に比べ
て大きくした負極材料の容量によって律則される(負極
容量規制)の正極容量規制の電池とした。
【0191】実施例22 実施例6で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0192】実施例23 実施例7で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)のを作製した。
【0193】実施例24 実施例8で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0194】実施例25 実施例9で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0195】実施例26 実施例10で得られた負極と比較例6で得られた正極を
用い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって
律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0196】本発明にかかる電池と比較する電池 比較例7 比較例1で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0197】比較例8 比較例2で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0198】比較例9 比較例3で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0199】比較例10 比較例4で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0200】比較例11 比較例5で得られた負極と比較例6で得られた正極を用
い、実施例21と同様にして負極材料の容量によって律
則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製した。
【0201】本発明にかかる電極構造体(正極)を使用
した電池 実施例27 実施例16で得られた正極と比較例1で得られた負極を
セパレータを介して円筒状のうず巻き状に捲回り電極群
を作製し、これを電池缶に挿入し、電池缶電池キャップ
の出入力端子となる部分にリードを溶接し、電解液を注
入した後、かしめて封口して密閉型電池とした。
【0202】なお、この電池は負極の容量を正極に比べ
て大きくした正極材料の容量によって律則される(正極
容量規制)の電池とした。
【0203】実施例28 実施例17で得られた正極と比較例2で得られた負極を
使用し、実施例25と同様にして正極材料の容量によっ
て律則される(正極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0204】実施例29 実施例18で得られた正極と比較例3で得られた負極を
使用し、実施例25と同様にして正極材料の容量によっ
て律則される(正極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0205】実施例30 実施例19で得られた正極と比較例4で得られた負極を
使用し、実施例25と同様にして正極材料の容量によっ
て律則される(正極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0206】実施例31 実施例20で得られた正極と比較例5で得られた負極を
使用し、実施例25と同様にして正極材料の容量によっ
て律則される(正極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0207】本発明にかかる負極と正極を用いた電池 実施例32 実施例5で得られた負極と実施例16で得られた正極を
セパレータを介して円筒状のうず巻き状に捲回し電極群
を作製し、これを電池缶に挿入し、電池缶と電池キャッ
プの出入力端子となる部分にリードを溶接し、電解液を
注入した後、かしめて封口して密閉型電池とした。
【0208】なお、この電池は正極の容量を負極に比べ
て大きくした負極材料の容量によって律則される(負極
容量規制)の電池とした。
【0209】実施例33 実施例6で得られた負極と実施例17で得られた正極を
用いて、実施例32と同様にして負極材料の容量によっ
て律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0210】実施例34 実施例7で得られた負極と実施例18で得られた正極を
用いて、実施例32と同様にして負極材料の容量によっ
て律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0211】実施例35 実施例8で得られた負極と実施例19で得られた正極を
用いて、実施例32と同様にして負極材料の容量によっ
て律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0212】実施例36 実施例9で得られた負極と実施例20で得られた正極を
用いて、実施例32と同様にして負極材料の容量によっ
て律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0213】実施例37 実施例6で得られた負極と実施例16で得られた正極を
用いて、実施例32と同様にして負極材料の容量によっ
て律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0214】実施例38 実施例9で得られた負極と実施例19で得られた正極を
用いて、実施例32と同様にして負極材料の容量によっ
て律則される(負極容量規制)の密閉型電池を作製し
た。
【0215】なお、実施例21から実施例38までの電
池の特性を比較例6から比較例11までの電池に採用し
た負極と正極をまとめて表に示した。
【0216】
【表1】
【0217】電池の特性評価 通常試験として、室温下で、2時間率(0.5C)の定
電流で電池容量の110%を充電し、充電終了後の休止
時間を0.5時間、。放電は5時間率(0.2C)の定
電流で行い終止電圧を0.8Vとし、放電終了後の休止
時間を0.5時間、として、充放電をくり返した。
【0218】過充電試験としては、1時間率(1C)の
定電流で200%行い。充電終了後の休止時間を0.5
時間、放電は2時間率(0.5C)の定電流で行い終止
電圧を0.8Vとし、放電容量を測定するとともに、放
電終了後の休止時間を0.5時間、として、室温下で充
放電を繰り返しサイクル寿命を計測した。
【0219】本発明の負極を特徴とする電池の評価とし
て、先ず、実施例21、22、23、24、、25、2
6と、比較例7、8、9、10、11で作製した電池に
関しては、2組用意し、通常の充放電試験と、過充電試
験を施した。通常の充放電試験では5サイクル目の放電
容量を評価した。過充電試験では通常の充放電試験の5
サイクル目に得られる放電容量の60%を下回った時の
サイクル回数をサイクル寿命として評価した。なお、表
2には上記評価結果を対応する比較例の電池での評価結
果を基準に即ちこれを1.0として規格化して示した。
【0220】
【表2】
【0221】実施例と比較例の電池の特性を比較した表
2から、本発明の水素吸蔵合金粉の表面処理層を形成し
た水素を吸蔵放出する化合物粉を用いて作製した負極を
使用した電池は、高い容量と過充電に対して強いことが
わかった。
【0222】また、実施例21と比較例7の比較では。
イオン化傾向の違いを利用して化学反応で形成したコバ
ルトや銅などの遷移元素を微量含有するマグネシウム−
ニッケル合金の負極の電池は、高周波溶融などの溶融方
法によって形成されたマグネシウム−ニッケル合金のも
のに比較して高い放電容量を有することがわかった。
【0223】さらに、実施例26と比較例8の特性の比
較により、導電補助材としては、フレーク状のものばか
りでなく、球形などの形状の異なるものを混合すること
によって、パッキング密度が高まり電極の抵抗が低減で
きるためか、放電容量が伸びることが分かった。
【0224】次に、本発明の正極を特徴とする電池の評
価として、先ず、実施例27、28、29、30、31
と、比較例7、8、9、10、11で作製した電池に関
しては、通常の充放電試験を施した。通常の充放電試験
では5サイクル目の放電容量を評価し、表3には上記評
価結果を対応する比較例の電池での評価結果を基準に即
ちこれを1.0として規格化して示した。
【0225】
【表3】
【0226】表3の結果から、本発明の表面処理を施し
た水酸化ニッケル粉を用いた正極の電池の方が、正極中
の水酸化ニッケル粉間の導電性が増し水酸性ニッケルの
利用効率が高まったためか、いずれも容量が増すことが
わかった。
【0227】次いで、本発明の負極と正極を特徴とする
電池の評価として、実施例32、33、34、35、3
6、37、38と、比較例7、8、9、10、11で作
製した電池に関して、2組用意し、通常の充放電試験
と、過充電試験を施した。通常の充放電試験では5サイ
クル目の放電容量を評価した。過充電試験では通常の充
放電試験の5サイクル目に得られる放電容量の60%を
下回った時のサイクル回数をサイクル寿命として評価し
た。なお、表4には上記評価結果を対応する比較例の電
池での評価結果を基準に即ち1.0として規格化して示
した。
【0228】
【表4】
【0229】表4の結果から、本発明の負極と正極を採
用した電池は、放電容量も耐過充電特性も向上すること
がわかった。
【0230】実施例39 (1)コアとする水素吸蔵合金粉の調製 マグネシウム−ニッケル合金Mg2Ni合金粉末とNi
粉末を重量比1:1で混合し、アルゴン気流中で、遊星
ボールミルにてメカニカルグラインディングを行った。
得られた粉末は、X線回折分析の結果、Ni金属と非晶
質のマグネシウム合金からなることが確認された。
【0231】(2)水素吸蔵合金粉の遷移金属酸化物層
による被覆 (1)で得られたMg2Ni−Ni複合体1に対して重
量比で1.0のフレーク状銅粉末と球状微粉末のニッケ
ル粉末0.5を添加し混合し、ニッケルのエキスパンド
メタルに加圧成形機にて成形した。次に、成形物を所定
の大きさに切断した後、これにニッケル線のリードを接
続した。次に、得られたペレット表面に電子ビーム蒸着
機にてチタンとアルミニウムを蒸着して被覆した。その
後、水酸化ナトリウム水溶液の電解液に浸し、対極にグ
ラシーカーボンを使用し、チタン−アルミニウム被覆し
たペレットを陽極、対極を陰極として、直流電界を印加
して陽極酸化を行い、水洗後150℃で真空乾燥して、
非晶質成分を含む酸化チタン−アルミニウム膜で被覆さ
れた、Mg2Ni−Ni複合体からなる電極構造体を作
製した。尚、非晶質成分を含む酸化チタン−アルミニウ
ム層の確認はX線回折分析で行った。また、この酸化物
層の厚みは0.2ミクロンであった。
【0232】実施例40 実施例39で得られた電極構造体と、前述の比較例6で
得られた正極を用い、前述の実施例21の場合と同様に
正極容量規制型の密閉型二次電池を作製した。
【0233】上記実施例40の二次電池と、比較例8の
二次電池について、前述したような充放電通常試験を行
い、5サイクル目の放電容量を評価し、また前述の過充
電試験を行い通常の充放電試験の5サイクル目に得られ
る放電容量の60%を下回った時のサイクル回数をサイ
クル寿命として評価した。
【0234】比較例8の電池での評価結果を1.0とし
て実施例40の電池の評価結果を規格化したところ、放
電容量については1.7、サイクル寿命については3.
2であり、マグネシウム−ニッケル合金からなるコア層
を、遷移金属酸化物層で被覆した、特にアルミニウムで
複合化した酸化物層で被覆した粉末材料を主材とした負
極を有するアルカリ二次電池では、放電容量及びサイク
ル寿命に関して優れた性能が得られることが明らかとな
った。
【0235】なお、本発明の二次電池の実施例として
は、全てニッケル−水素化物電池であったが、本発明の
正極を用いた高容量の、ニッケル−カドミウム電池、ニ
ッケル−亜鉛電池、などの他のアルカリ二次電池も作製
することができ、実施例のみに限定されるものではな
い。
【0236】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
充放電容量の高く過充電に強いアルカリ二次電池用負極
活性物質に有用な粉末材料及びこれを用いて優れた特性
の電極構造体(負極)を作製することができる。また、
本発明によれば、正極活物質の利用効率の高い、充放電
容量の高い、アルカリ二次電池用正極活物質に有用な粉
末材料及びこれを用いて優れた特性の電極構造体(正
極)を作製することができる。そして、本発明の上記電
極構造体を負極もしくは正極として用いたアルカリ二次
電池は、高容量で過充電に強く、サイクル寿命も長い特
性を実現できる。
【0237】また、本発明の製造方法によれば、アルカ
リ二次電池用の、負極活物質、負極、正極活物質、及び
正極を比較的容易に、低コストの原料から製造すること
ができる。従って、本発明の製造方法を用いれば、高性
能で低コストのアルカリ二次電池の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉末材料の構造の一例を模式的に示す
断面図である。
【図2】本発明の電極構造体(負極)の一例を模式的に
示す断面図である。
【図3】本発明の粉末材料の構造の一例を模式的に示す
断面図である。
【図4】本発明の電極構造体(正極)の一例を模式的に
示す断面図である。
【図5】本発明のアルカリ二次電池の一例の概略断面図
である。
【図6】コイン形電池の断面図の一例である。
【図7】スパイラル式円筒形電池の断面図の一例であ
る。
【図8】角形電池の断面図の一例である。
【図9】本発明の正極活物質となる水酸化ニッケル粉の
被覆処理の有無における導電率の違いを測定するために
用いた粉体抵抗測定装置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
101 水素吸蔵合金から成るコア層 102 遷移金属酸化物 103 表面に担持された遷移金属 104 水素吸蔵化合物粉(負極活物質粉) 105 負極集電体 106 フレーク状導電補助材 107 球状導電補助材 108 負極活物質層 109 負極 201 水酸化ニッケル 202 表面被覆層 203 正極活物質粉 204 正極集電体 301、401、503、601 負極 302、403、506、603 正極 303、407、507、607 電解質・セパレータ 304、609 電池ハウジング(電槽) 305、405、508、605 負極端子 306、406、509、606 正極端子 501、600 負極集電体 502 負極活物質層 505 正極活物質層 504 正極集電体 511 絶縁板 512 負極リード 513 正極リード 514、614 安全弁 901 上部電極 902 下部電極 903 絶縁体 904 正極活物質粉 905 粉体抵抗測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 621 C22F 1/00 621 660 660Z 661 661C 691 691B 1/10 1/10 A C23C 28/00 C23C 28/00 B H01M 4/26 H01M 4/26 J 4/32 4/32 4/38 4/38 A 4/52 4/52 4/62 4/62 C // C22C 1/00 C22C 1/00 N

Claims (154)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気化学的に水素を吸蔵放出する化合物
    からなる粉末材料において、 水素を吸蔵する合金をコアとして、 そのコアの表面に、合金の酸化を防止し原子状水素もし
    くは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層が
    設けられ、 さらにその金属酸化物層の表面に、水素を活性状態にす
    る機能を有した金属元素が分散されている、 少なくとも三層以上の構造を有している、ことを特徴と
    した水素吸蔵放出能を有する粉末材料。
  2. 【請求項2】 前記合金の酸化を防止し原子状水素もし
    くは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    が、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、
    チタン、ジルコニウム、イリジウム、から選択される少
    なくとも一種類以上の遷移金属元素と酸素元素から成る
    金属酸化物の層から構成されることを特徴とする請求項
    1記載の粉末材料。
  3. 【請求項3】 前記合金の金属酸化物層の表面に分散さ
    れた、水素を活性状態にする機能を有した金属元素が、
    ニッケル、クロム、モリブデン、コバルト、銅、パラジ
    ウム、白金、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、
    タングステン、チタン、マンガン、から選択される一種
    類以上の遷移金属元素であることを特徴とする請求項1
    記載の粉末材料。
  4. 【請求項4】 前記水素を吸蔵するコア層主成分がニッ
    ケル元素とマグネシウム元素から構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の粉末材料。
  5. 【請求項5】 前記ニッケル元素とマグネシウム元素か
    ら構成されている水素を吸蔵するコア層表面部のニッケ
    ル元素の元素濃度がコア層中心部より高いことを特徴と
    する請求項4記載の粉末材料。
  6. 【請求項6】 前記水素を吸蔵するニッケル元素とマグ
    ネシウム元素から構成されるコア層のマグネシウム元素
    の一部がマグネシウムよりイオン化傾向の小さい元素で
    ある、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マンガン、
    亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリブデ
    ン、スズ、鉄、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パラジ
    ウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換され
    ていることを特徴とする請求項4又は5記載の粉末材
    料。
  7. 【請求項7】 電解質にアルカリを使用する二次電池の
    負極の主構成材として用いられる請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の粉末材料。
  8. 【請求項8】 水素を吸蔵する合金をコアとして、その
    コアの表面に、合金の酸化を防止し原子状水素もしくは
    水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層が設け
    られ、さらにその金属酸化物層の表面に、水素を活性状
    態にする機能を有した金属元素が分散されている、少な
    くとも三層以上の構造を有している、 水素吸蔵放出能を有した粉末材料を主構成材として形成
    された、電気化学的に水素を吸蔵放出する機能を有した
    電池用電極構造体。
  9. 【請求項9】 前記合金の酸化を防止し原子状水素もし
    くは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    が、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、
    チタン、ジルコニウム、イリジウム、から選択される少
    なくとも一種類以上の遷移金属元素と酸素元素から成る
    金属酸化物の層から構成されることを特徴とする請求項
    8記載の電気化学的に水素吸蔵放出する機能を有した電
    池用電極構造体。
  10. 【請求項10】 前記合金の金属酸化物層の表面に分散
    された、水素を活性状態にする機能を有した金属元素
    が、ニッケル、クロム、モリブデン、コバルト、銅、パ
    ラジウム、白金、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウ
    ム、タングステン、チタン、マンガン、から選択される
    一種類以上の遷移金属元素であることを特徴とする請求
    項8記載の電気化学的に水素を吸蔵放出する機能を有し
    た電池用電極構造体。
  11. 【請求項11】 前記水素を吸蔵するコア層主成分がニ
    ッケル元素とマグネシウム元素から構成されていること
    を特徴とする請求項8記載の電気化学的に水素を吸蔵放
    出する機能を有した電池用電極構造体。
  12. 【請求項12】 前記ニッケル元素とマグネシウム元素
    から構成されている水素を吸蔵するコア層表面部のニッ
    ケル元素の元素濃度がコア層中心部より高いことを特徴
    とする請求項11記載の電気化学的に水素を吸蔵放出す
    る機能を有した電池用電極構造体。
  13. 【請求項13】 前記水素を吸蔵するニッケル元素とマ
    グネシウム元素から構成されるコア層のマグネシウム元
    素の一部がマグネシウムよりイオン化傾向の小さい元素
    である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マンガ
    ン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリブ
    デン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パラ
    ジウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換さ
    れていることを特徴とする請求項11又は12記載の電
    気化学的に水素を吸蔵放出する機能を有した電極構造
    体。
  14. 【請求項14】 前記主構成材に加えて、鱗片状(フレ
    ーク状)、球状、フィラメント状、針状、スパイク状か
    らなる群から選択される少なくとも形状の異なる二種類
    の粉末の導電補助材を含むことを特徴とする請求項8記
    載の電気化学的に水素を吸蔵放出する機能を有した電池
    用電極構造体。
  15. 【請求項15】 前記導電補助材が、炭素材、ニッケ
    ル、銅、銀、インジウム、スズから選択される一種類以
    上の材料からなることを特徴とする請求項14記載の電
    池用電極構造体。
  16. 【請求項16】 前記炭素材が非晶質カーボン又は黒鉛
    からなる請求項15記載の電池用電極構造体。
  17. 【請求項17】 電解質にアルカリを使用する二次電池
    の負極として用いられる請求項8乃至16のいずれかに
    記載の電極構造体。
  18. 【請求項18】 少なくとも、負極、電解質、正極から
    構成される、電解質にアルカリを使用する二次電池にお
    いて、 負極が、 水素を吸蔵する合金をコアとして、そのコアの表面に、
    合金の酸化を防止し原子状水素もしくは水素イオンが通
    過する機能を有した金属酸化物層が設けられ、さらにそ
    の金属酸化物層の表面に、水素を活性状態にする機能を
    有した金属元素が分散されている、少なくとも三層以上
    の構造を有している、水素吸蔵放出能を有した化合物か
    らなる粉末材料を主構成材として形成されていることを
    特徴とする二次電池。
  19. 【請求項19】 前記負極の主材となる化合物粉末材料
    の酸化を防止し原子状水素が通過する機能を有した金属
    酸化物層が、モリブデン、タングステン、バナジウム、
    ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、から選択
    される少なくとも一種類以上の遷移金属元素と酸素元素
    から成る金属酸化物の層から構成されることを特徴とす
    る請求項18記載の二次電池。
  20. 【請求項20】 前記負極の主材となる化合物粉末材料
    の金属酸化物層の表面に分散された、水素を活性状態に
    する機能を有した金属元素が、ニッケル、クロム、モリ
    ブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、鉄、ルテニ
    ウム、ロジウム、イリジウム、タングステン、チタン、
    マンガン、から選択される一種類以上の遷移金属元素で
    あることを特徴とする請求項18記載の二次電池。
  21. 【請求項21】 前記負極の主材となる化合物粉末材料
    の水素を吸蔵するコア層主成分がニッケル元素とマグネ
    シウム元素から構成されていることを特徴とする請求項
    18記載の二次電池。
  22. 【請求項22】 前記ニッケル元素とマグネシウム元素
    から構成されている水素を吸蔵するコア層表面部のニッ
    ケル元素の元素濃度がコア層中心部より高いことを特徴
    とする請求項21記載の二次電池。
  23. 【請求項23】 前記水素を吸蔵するニッケル元素とマ
    グネシウム元素から構成されるコア層のマグネシウム元
    素の一部がマグネシウムよりイオン化傾向の小さい元素
    である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マンガ
    ン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリブ
    デン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パラ
    ジウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換さ
    れていることを特徴とする請求項21記載の二次電池。
  24. 【請求項24】 前記負極が、前記主材に加えて、鱗片
    状(フレーク状)、球状、フィラメント状、針状、スパ
    イク状、などから選択される少なくとも形状の異なる二
    種類以上の粉末の導電補助材から形成されていることを
    特徴とする請求項18記載の二次電池。
  25. 【請求項25】 前記導電補助材が、炭素材、ニッケ
    ル、銅、銀、インジウム、スズから選択される一種類以
    上の材料からなることを特徴とする請求項24記載の二
    次電池。
  26. 【請求項26】 前記炭素材が非晶質カーボン又は黒鉛
    からなる請求項25記載の二次電池。
  27. 【請求項27】 リチウム、カリウム、マンガン、アル
    ミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングス
    テン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以上
    の元素を0.5原子%以上10原子%以下含有する、コ
    バルト元素とニッケル元素から選択される一種類以上の
    元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性が
    高い化合物、もしくは、少なくとも、モリブデン、タン
    グステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類
    以上の遷移金属元素と酸素元素と水素元素からなる水酸
    化ニッケルより導電性が高い化合物で、被覆された水酸
    化ニッケルからなる粉末材料。
  28. 【請求項28】 リチウム、カリウム、マンガン、アル
    ミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングス
    テン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以上
    の元素を0.5原子%以上10原子%以下含有する、コ
    バルト元素とニッケル元素から選択される一種類以上の
    元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性が
    高い化合物、もしくは、少なくとも、モリブデン、タン
    グステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類
    以上の遷移金属元素と酸素元素と水素元素からなる水酸
    化ニッケルより導電性が高い化合物で、被覆された水酸
    化ニッケルからなる粉末材料を主構成材として構成され
    ていることを特徴とする電極構造体。
  29. 【請求項29】 前記水酸化ニッケルからなる主構成材
    に加えて、水酸化第二ニッケル第一ニッケル1〜30重
    量%を含む請求項28記載の電極構造体。
  30. 【請求項30】 電解質にアルカリを使用する二次電池
    の正極として用いられる請求項28又は29記載の電極
    構造体。
  31. 【請求項31】 少なくとも、負極、正極、電解質から
    構成される、電解質にアルカリを使用する二次電池にお
    いて、 正極が、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウ
    ム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、
    バナジウム、チタン、から選択される一種類以上の元素
    を0.5原子%以上10原子%以下含有する、コバルト
    元素とニッケル元素から選択される一種類以上の元素と
    酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性が高い化
    合物もしくは、少なくとも、モリブデン、タングステ
    ン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以上の
    遷移金属元素と酸素元素と水素元素からなる水酸化ニッ
    ケルより導電性が高い化合物で、被覆された水酸化ニッ
    ケルからなる粉末材料を主構成材として構成されている
    ことを特徴とする二次電池。
  32. 【請求項32】 前記正極において水酸化ニッケルから
    なる主構成材に加えて、水酸化第二ニッケル第一ニッケ
    ル1〜30重量%が含まれる請求項31記載の二次電
    池。
  33. 【請求項33】 少なくとも、負極、正極、電解質から
    構成される、電解質にアルカリを使用する二次電池にお
    いて、 負極が、水素を吸蔵する合金をコアとして、そのコアの
    表面に、合金の酸化を防止し原子状水素もしくは水素イ
    オンが通過する機能を有した金属酸化物層が設けられ、
    さらにその金属酸化物層の表面に、水素を活性状態にす
    る機能を有した金属元素が分散されている、少なくとも
    三層以上の構造を有している、水素吸蔵放出能を有した
    化合物粉末材料を主構成材とし、且つ、正極が、リチウ
    ム、カリウム、マンガン、アルミニウム、亜鉛、マグネ
    シウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、チタ
    ン、から選択される一種類以上の元素を0.5原子%以
    上10原子%以下含有する、コバルト元素とニッケル元
    素から選択される一種類以上の元素と酸素元素からな
    る、水酸化ニッケルより導電性が高い化合物もしくは、
    少なくとも、モリブデン、タングステン、バナジウム、
    チタン、から選択される一種類以上の遷移金属元素と酸
    化元素と水素元素からなる水酸化ニッケルより導電性が
    高い化合物で、被覆された水酸化ニッケルからなる粉末
    材料を主構成材としていることを特徴とする二次電池。
  34. 【請求項34】 前記負極の主材となる化合物粉末材料
    の酸化を防止し原子状水素もしくは水素イオンが通過す
    る機能を有した金属酸化物層が、モリブデン、タングス
    テン、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イ
    リジウム、から選択される少なくとも一種類以上の遷移
    金属元素と酸素元素から成る遷移金属酸化物の層から構
    成されることを特徴とする請求項33記載の二次電池。
  35. 【請求項35】 前記負極の主材となる化合物粉末材料
    の金属酸化物層の表面に分散された、水素を活性状態に
    する機能を有した金属元素が、ニッケル、クロム、モリ
    ブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、鉄、ルテニ
    ウム、ロジウム、イリジウム、タングステン、チタン、
    マンガン、から選択される一種類以上の遷移金属元素で
    あることを特徴とする請求項33記載の二次電池。
  36. 【請求項36】 前記負極の主材となる化合物粉末材料
    の水素を吸蔵するコア層主成分がニッケル元素とマグネ
    シウム元素から構成されていることを特徴とする請求項
    33記載の二次電池。
  37. 【請求項37】 前記ニッケル元素とマグネシウム元素
    から構成されている、水素を吸蔵するコア層表面部のニ
    ッケル元素の元素濃度がコア層中心部より高いことを特
    徴とする請求項36記載の二次電池。
  38. 【請求項38】 前記水素を吸蔵するニッケル元素とマ
    グネシウム元素から構成される、コア層のマグネシウム
    元素の一部が、マグネシウムよりイオン化傾向の小さい
    元素である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マン
    ガン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリ
    ブデン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パ
    ラジウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換
    されていることを特徴とする請求項36記載の二次電
    池。
  39. 【請求項39】 前記負極及びまたは前記正極が、前記
    主構成材に加えて、鱗片状(フレーク状)、球状、フィ
    ラメント状、針状、スパイク状、から選択される少なく
    とも形状の異なる二種類以上の粉末の導電補助材から形
    成されたことを特徴とする請求項33記載の二次電池。
  40. 【請求項40】 前記導電補助材が、炭素材、ニッケ
    ル、銅、銀、インジウム、スズから選択される一種類以
    上の材料からなることを特徴とする請求項39記載の二
    次電池。
  41. 【請求項41】 前記炭素材が非晶質カーボン又は黒鉛
    からなる請求項40記載の二次電池。
  42. 【請求項42】 前記正極において水酸化ニッケルから
    なる主構成材に加えて、水酸化第二ニッケル第一ニッケ
    ル1〜30重量%が含まれる請求項33記載の二次電
    池。
  43. 【請求項43】 電気化学的に水素を吸蔵放出する化合
    物からなる粉末材料の製造方法において、水素を吸蔵す
    る合金をコアとして、そのコアの表面に、合金の酸化を
    防止し原子状水素もしくは水素イオンが通過する機能を
    有した金属酸化物層を設ける工程と、 該金属酸化物層の表面に、水素を活性状態にする機能を
    有した金属元素を分散させる工程とを、 少なくとも有することを特徴とした水素吸蔵放出能を有
    する化合物からなる粉末材料の製造方法。
  44. 【請求項44】 前記合金の酸化を防止し原子状水素も
    しくは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    を形成する工程が、モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、か
    ら選択される少なくとも一種類以上の遷移金属元素と酸
    素元素から成る遷移金属酸化物の層を形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項43記載の粉末材料の製造方
    法。
  45. 【請求項45】 前記合金の酸化を防止し原子状水素も
    しくは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    を形成する工程が、モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、か
    ら選択される少なくとも一種類以上の遷移金属元素のポ
    リ金属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、
    から選択される一種類以上の溶液に、水素を吸蔵する合
    金粉を浸漬し、遷移金属酸化物の層を形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項44記載の粉末材料の製造方
    法。
  46. 【請求項46】 前記水素を吸蔵するコア層の表面に金
    属酸化物の層を形成する工程において、アルカリ金属元
    素、アルカリ土類金属元素、希土類金属元素から選択さ
    れる一種類以上の金属元素を含有させることを特徴とす
    る請求項43記載の粉末材料の製造方法。
  47. 【請求項47】 モリブデン、タングステン、バナジウ
    ム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウムから選
    択される少なくとも一種以上の遷移金属元素のポリ金属
    酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、から選
    択される一種類以上の溶液に、アルカリ金属元素、アル
    カリ土類金属元素、希土類金属元素の水酸化物もしくは
    塩を添加し、該溶液を用いて前記水素を吸蔵するコア層
    の表面に金属酸化物の層を形成することで前記水素を吸
    蔵するコア層の外側の金属酸化物の層に、アルカリ金属
    元素、アルカリ土類元素、希土金属元素から選択される
    一種類以上の金属元素を含有させる請求項46記載の粉
    末材料の製造方法。
  48. 【請求項48】 前記水素を活性状態にする機能を有し
    た遷移金属元素を分散させる工程が、ニッケル、クロ
    ム、モリブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、
    鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、タングステ
    ン、チタン、マンガン、から選択される一種類以上の金
    属元素を分散させる工程であることを特徴とする請求項
    43記載の粉末材料の製造方法。
  49. 【請求項49】 前記水素を活性状態にする機能を有し
    た金属元素を分散させる工程が、ニッケル、クロム、モ
    リブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、鉄、ルテ
    ニウム、ロジウム、イリジウム、タングステン、チタ
    ン、マンガン、から選択される一種類以上の遷移金属元
    素の塩を前記水素吸蔵合金の金属酸化物層の表面に付着
    させる工程と、その工程の後、遷移金属の塩を還元する
    工程を含むことを特徴とする請求項43記載の粉末材料
    の製造方法。
  50. 【請求項50】 前記遷移金属の塩が、ハロゲン化物、
    硝酸塩、炭酸塩、有機酸の塩、硫酸塩、から選択される
    一種類以上の塩であることを特徴とする請求項49記載
    の粉末材料の製造方法。
  51. 【請求項51】 前記遷移金属元素を分散させる工程に
    おいて、水素吸蔵合金を遷移金属の塩であって、ハロゲ
    ン化物、硝酸塩、炭酸塩、有機酸の塩、硫酸塩から選択
    される一種類以上の塩を溶液に浸漬した後、沈殿剤を反
    応させて、水素吸蔵合金の前記金属酸化物の表面に遷移
    金属化合物を沈着させる工程と、遷移金属化合物を還元
    する工程を含むことを特徴とする請求項43の粉末材料
    の製造方法。
  52. 【請求項52】 前記沈殿剤が、アルカリであることを
    特徴とする請求項51記載の粉末材料の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記沈殿剤が、アルカリ金属の水酸化
    物、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニウム塩から選択さ
    れる一種類以上の化合物であることを特徴とする請求項
    52記載の粉末材料の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記沈殿剤が、水酸化ナトリウム、水
    酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
    水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、尿素、から選択さ
    れる一種類以上の化合物であることを特徴とする請求項
    51記載の粉末材料の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記粉末材料のコア層主成分をニッケ
    ル元素とマグネシウム元素から調製する工程を含むこと
    を特徴とする請求項43記載の水素吸蔵放出能を有する
    粉末材料の製造方法。
  56. 【請求項56】 前記ニッケル元素とマグネシウム元素
    から構成されている水素を吸蔵するコア層表面部のニッ
    ケル元素の元素濃度がコア層中心部より高くする工程を
    含むことを特徴とする請求項55記載の水素吸蔵放出能
    を有する粉末材料の製造方法。
  57. 【請求項57】 前記コア層となる主成分のニッケル元
    素とマグネシウム元素から形成される水素を吸蔵する合
    金を調製する工程が、マグネシウム粉のマグネシウム元
    素をイオン化傾向の違いを利用した化学反応によってニ
    ッケル元素で置換して成る水素吸蔵合金粉の調製工程を
    少なくとも含むことを特徴とする請求項55記載の粉末
    材料の製造方法。
  58. 【請求項58】 前記コア層となる主成分のニッケル元
    素とマグネシウム元素から形成される水素を吸蔵する合
    金を調製する工程が、マグネシウム粉を、ニッケルの塩
    を溶媒に溶かした溶液に浸漬することで、マグネシウム
    元素をニッケル元素で置換して成る水素を吸蔵する合金
    粉の調製工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項
    57記載の粉末材料の製造方法。
  59. 【請求項59】 前記ニッケルの塩を溶かす溶媒がアル
    コールであることを特徴とする請求項58記載の粉末材
    料の製造方法。
  60. 【請求項60】 前記粉末材料のコア部分の水素を吸蔵
    する合金の調製工程が、マグネシウム粉に水酸化ニッケ
    ルを付着させた後に、還元する工程を少なくとも含有す
    ることを特徴とする請求項55記載の粉末材料の製造方
    法。
  61. 【請求項61】 前記水素を吸蔵するニッケル元素とマ
    グネシウム元素から構成されるコア層のマグネシウム元
    素の一部をマグネシウムよりイオン化傾向の小さい元素
    である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マンガ
    ン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリブ
    デン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パラ
    ジウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換す
    る工程を含むことを特徴とする請求項55記載の粉末材
    料の製造方法。
  62. 【請求項62】 前記水素を吸蔵するニッケル元素とマ
    グネシウム元素から構成されるコア層のマグネシウム元
    素の一部をマグネシウムよりイオン化傾向の小さい元素
    である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マンガ
    ン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリブ
    デン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パラ
    ジウム、白金から選択される一種類以上の元素での置換
    がイオン化傾向の違いを利用した化学反応によってなさ
    れる工程を含むことを特徴とする請求項61記載の粉末
    材料の製造方法。
  63. 【請求項63】 粉末材料のコア層の主成分元素のニッ
    ケルに対するマグネシウムの元素比率が0.8〜2.2
    の範囲であることを特徴とする請求項55に記載の粉末
    材料の製造方法。
  64. 【請求項64】 粉末材料に熱処理を施す工程を含むこ
    とを特徴とする請求項43記載の粉末材料の製造方法。
  65. 【請求項65】 前記熱処理温度が100〜600℃の
    範囲であることを特徴とする請求項64記載の粉末材料
    の製造方法。
  66. 【請求項66】 前記熱処理工程が、窒素ガス、アルゴ
    ンガス、ヘリウムガス、水素ガスから選択される一種類
    以上のガスから成る雰囲気若しくは減圧下で行われるこ
    とを特徴とする請求項64記載の粉末材料の製造方法。
  67. 【請求項67】 粉末材料に対し、水素プラズマ処理を
    施す工程を含むことを特徴とする請求項43記載の粉末
    材料の製造方法。
  68. 【請求項68】 得られたバルクの化合物を不活性ガス
    もしくは水素ガスを含む雰囲気下で粉砕する工程を含む
    ことを特徴とする請求項43の少なくとも一項記載の粉
    末材料の製造方法。
  69. 【請求項69】 電池用電極構造体の製造方法であっ
    て、水素を吸蔵する合金をコアとして、そのコアの表面
    に、合金の酸化を防止し原子状水素もしくは水素イオン
    が通過する機能を有した金属酸化物層を設ける工程と、 さらにその金属酸化物層の表面に、水素活性状態にする
    機能を有した金属元素を分散させる工程と、以上の工程
    で得られる水素吸蔵放出能を有した材料を主構成材とし
    て成形物を形成する工程を少なくとも含むことを特徴と
    した電池用電極構造体の製造方法。
  70. 【請求項70】 前記合金の酸化を防止し原子状水素も
    しくは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    を形成する工程が、モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、か
    ら選択される少なくとも一種類以上の遷移金属元素と酸
    素元素から成る遷移金属酸化物の層を形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項69記載の電池用電極構造体
    の製造方法。
  71. 【請求項71】 前記合金の酸化を防止し原子状水素も
    しくは水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    を形成する工程が、モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、か
    ら選択される少なくとも一種類以上の遷移金属元素のポ
    リ金属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、
    から選択される一種類以上の溶液に、水素を吸蔵する合
    金粉を浸漬し、遷移金属酸化物の層を形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項70記載の電池用電極構造体
    の製造方法。
  72. 【請求項72】 前記水素を吸蔵するコア層の表面の金
    属酸化物の層を形成する工程において、アルカリ金属元
    素、アルカリ土類金属元素、希土類金属元素から選択さ
    れる一種類以上の金属元素を含有させることを特徴とす
    る請求項69記載の電池用電極構造体の製造方法。
  73. 【請求項73】 モリブデン、タングステン、バナジウ
    ム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウムからの
    選択される少なくとも一種以上の遷移金属元素のポリ金
    属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、から
    選択される一種類以上の溶液に、アルカリ金属元素、ア
    ルカリ土類金属元素、希土類金属元素の水酸化物もしく
    は塩を添加し、該溶液を用いて前記水素を吸蔵するコア
    層の表面に金属酸化物を形成することで前記水素を吸蔵
    するコア層の外側の金属酸化物の層に、アルカリ金属元
    素、アルカリ土類金属元素、希土類金属元素から選択さ
    れる一種類以上の金属元素を含有させる請求項72記載
    の電池用電極構造体の製造方法。
  74. 【請求項74】 前記水素を活性状態にする機能を有し
    た金属元素を分散させる工程が、ニッケル、クロム、モ
    リブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、鉄ルテニ
    ウム、ロジウム、イリジウム、タングステン、チタン、
    マンガン、から選択される一種類以上の遷移金属元素を
    分散させる工程であることを特徴とする請求項69記載
    の電池用電極構造体の製造方法。
  75. 【請求項75】 前記水素を活性状態にする機能を有し
    た遷移金属元素を分散させる工程が、ニッケル、クロ
    ム、モリブデン、コバルト、銅、パラジウム、白金、
    鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、タングステ
    ン、チタン、マンガン、から選択される一種類以上の遷
    移金属元素の塩を前記水素吸蔵合金の金属酸化物層の表
    面に付着させる工程と、その工程の後、遷移金属の塩を
    還元する工程を含むことを特徴とする請求項69記載の
    電池用電極構造体の製造方法。
  76. 【請求項76】 前記遷移金属の塩が、ハロゲン化物、
    硝酸塩、炭酸塩、有機酸の塩、硫酸塩、から選択される
    一種類以上の塩であることを特徴とする請求項75記載
    の電池用電極構造体の製造方法。
  77. 【請求項77】 前記遷移金属元素を分散させる方法
    が、水素吸蔵合金を遷移金属の塩の溶液に浸漬した後、
    沈殿剤を反応させて、水素吸蔵合金粉表面に遷移金属化
    合物を沈着させる工程と、遷移金属化合物を還元する工
    程を含むことを特徴とする請求項75記載の電池用電極
    構造体の製造方法。
  78. 【請求項78】 前記沈殿剤が、アルカリであることを
    特徴とする請求項77記載の電池用電極構造体の製造方
    法。
  79. 【請求項79】 前記沈殿剤が、アルカリ金属の水酸化
    物、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニウム塩から選択さ
    れる一種類以上の化合物であることを特徴とする請求項
    78記載の電池用電極構造体の製造方法。
  80. 【請求項80】 前記沈殿剤が、水酸化ナトリウム、水
    酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
    水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、尿素、から選択さ
    れる一種類以上の化合物であることを特徴とする請求項
    77記載の電池用電極構造体の製造方法。
  81. 【請求項81】 前記主構成材である粉末材料のコア層
    主成分を、ニッケル元素とマグネシウム元素から形成す
    る工程を含むことを特徴とする請求項69記載の電池用
    電極構造体の製造方法。
  82. 【請求項82】 前記ニッケル元素とマグネシウム元素
    から構成されている水素を吸蔵するコア層表面部のニッ
    ケル元素の元素濃度がコア層中心部より高くする工程を
    含むことを特徴とする請求項81記載の電池用電極構造
    体の製造方法。
  83. 【請求項83】 前記コア層となる主成分がニッケル元
    素とマグネシウム元素から形成する水素を吸蔵する合金
    からなる粉末材料を調製する工程が、マグネシウム粉の
    マグネシウム元素をイオン化傾向の違いを利用した化学
    反応によってニッケル元素で置換して成る水素吸蔵合金
    粉の調製工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項
    81記載の電池用電極構造体の製造方法。
  84. 【請求項84】 前記コア層となる主成分のニッケル元
    素とマグネシウム元素から形成される水素を吸蔵する合
    金を調製する工程が、マグネシウム粉を、ニッケルの塩
    を溶媒に溶かした溶液に浸漬することで、マグネシウム
    元素をニッケル元素で置換して成る水素を吸蔵する合金
    粉の調製工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項
    83記載の電池用電極構造体の製造方法。
  85. 【請求項85】 前記ニッケルの塩を溶かす溶媒がアル
    コールであることを特徴とする請求項84記載の電池用
    電極構造体の製造方法。
  86. 【請求項86】 前記粉末材料のコア部分の水素を吸蔵
    する合金の調製工程が、マグネシウム粉に水酸化ニッケ
    ルを付着させた後に、還元する工程を少なくとも含有す
    ることを特徴とする請求項81記載の電池用電極構造体
    の製造方法。
  87. 【請求項87】 前記水素を吸蔵する、ニッケル元素と
    マグネシウム元素から構成されるコア層の、マグネシウ
    ム元素の一部をマグネシウムよりイオン化傾向の小さい
    元素である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マン
    ガン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリ
    ブデン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パ
    ラジウム、白金から選択される一種類以上の元素で置換
    する工程を含むことを特徴とする請求項81記載の電池
    用電極構造体の製造方法。
  88. 【請求項88】 前記水素を吸蔵する、ニッケル元素と
    マグネシウム元素から構成されるコア層の、マグネシウ
    ム元素の一部をマグネシウムよりイオン化傾向の小さい
    元素である、チタン、ベリリウム、アルミニウム、マン
    ガン、亜鉛、クロム、鉄、インジウム、コバルト、モリ
    ブデン、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、パ
    ラジウム、白金から選択される一種類以上の元素での置
    換がイオン化傾向の違いを利用した化学反応によってな
    される工程を含むことを特徴とする請求項87記載の電
    池用電極構造体の製造方法。
  89. 【請求項89】 前記粉末材料のコア層の層の主成分元
    素のニッケルに対するマグネシウムの元素比率が0.8
    〜2.2の範囲であることを特徴とする請求項81乃至
    88のいずれかに記載の電池用電極構造体の製造方法。
  90. 【請求項90】 前記水素吸蔵合金の表面の金属酸化物
    層上に金属元素を分散させて得られた材料をさらに不活
    性ガスもしくは水素ガスを含む雰囲気下で粉砕する工程
    を含むことを特徴とする請求項69記載の電池用電極構
    造体の製造方法。
  91. 【請求項91】 前記主構成材である水素を吸蔵する化
    合物からなる粉末材料から成る層を集電体上に焼結工程
    を経て形成して構造体を得ることを特徴とする請求項6
    9記載の電池用電極構造体の製造方法。
  92. 【請求項92】 前記主構成材である水素を吸蔵する化
    合物粉末材料から成る層を集電体上に結着剤を用いて形
    成して構造体を得ることを特徴とする請求項69記載の
    電池用電極構造体の製造方法。
  93. 【請求項93】 前記主構成材の化合物粉末材料に加え
    て、鱗片状(フレーク状)、球状、フィラメント状、針
    状、スパイク状、からなる群より選択される少なくとも
    形状の異なる二種類以上の粉末の導電補助材を用いて電
    極構造体を作製することを特徴とする請求項69記載の
    電池用電極構造体の製造方法。
  94. 【請求項94】 前記導電補助材として炭素材、ニッケ
    ル、銅、銀、インジウム、スズから選択される一種類以
    上の材料を用いることを特徴とする請求項93記載の電
    池用電極構造体の製造方法。
  95. 【請求項95】 前記炭素材が非晶質カーボン又は黒鉛
    からなる請求項94記載の電池用電極構造体の製造方
    法。
  96. 【請求項96】 前記粉末材料に対して熱処理を施す工
    程を含むことを特徴とする請求項69記載の電池用電極
    構造体の製造方法。
  97. 【請求項97】 熱処理温度が100〜600℃の範囲
    であることを特徴とする請求項96記載の電池用電極構
    造体の製造方法。
  98. 【請求項98】 前記熱処理工程が、窒素ガス、アルゴ
    ンガス、ヘリウムガス、水素ガスから選択される一種類
    以上のガスから成る雰囲気若しくは減圧下で行われるこ
    とを特徴とする請求項96記載の電池用電極構造体の製
    造方法。
  99. 【請求項99】 前記粉末材料に対し水素プラズマ処理
    を施す工程を含むことを特徴とする請求項69記載の電
    極構造体の製造方法。
  100. 【請求項100】 前記電極構造体は、電解質にアルカ
    リを用いる二次電池の電極である請求項69乃至99い
    ずれかに記載の電極構造体の製造方法。
  101. 【請求項101】 リチウム、カリウム、マンガン、ア
    ルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タング
    ステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以
    上の元素を0.5原子%以上10原子%以下含有する、
    コバルト元素とニッケル元素から選択される一種類以上
    の元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性
    が高い化合物もしくは、少なくとも、モリブデン、タン
    グステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類
    以上の遷移金属元素と酸素元素と水素元素からなる水酸
    化ニッケルより導電性が高い化合物で、被覆された水酸
    化ニッケルからなる粉末材料を調製する工程を含むこと
    を特徴とした粉末材料の製造方法。
  102. 【請求項102】 コバルト塩もしくはニッケル塩の溶
    液に、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウム、
    亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、バナ
    ジウム、チタン、から選択される元素の一種類以上の塩
    を添加した溶液に、水酸化ニッケル粉を分散させた後、
    アルカリを反応させ、リチウム、カリウム、マンガン、
    アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タン
    グステン、バナジウム、チタン、から選択される元素を
    含有した水酸化コバルトまたは水酸化ニッケルで被覆し
    た水酸化ニッケル粉を得ることを特徴とした請求項10
    1記載の粉末材料の製造方法。
  103. 【請求項103】 前記アルカリとして水酸化リチウム
    又は水酸化カリウムを用いる請求項102記載の粉末材
    料の製造方法。
  104. 【請求項104】 水酸化コバルトをアンモニア水に溶
    解させた飽和溶液に、水酸化ニッケル粉を浸漬し、水酸
    化リチウムもしくは水酸化カリウムを添加した後煮沸し
    て、コバルトと酸素と水素とリチウム元素から成るヒド
    ロオクロコバルト(II)酸リチウムまたはコバルトと
    酸素と水素とカリウム元素から成るヒドロオクソコバル
    ト(II)酸カリウムで被覆された水酸化ニッケル粉を
    調製する工程を含むことを特徴とした請求項101記載
    の粉末材料の製造方法。
  105. 【請求項105】 水酸化ニッケル粉に、硝酸コバルト
    もしくは硝酸ニッケルと、少なくとも100℃で分解す
    るアルカリ金属の有機酸塩を混合した後、硝酸コバルト
    もしくは硝酸ニッケルと有機酸塩が分解する温度まで加
    熱して、コバルト元素と酸素元素とアルカリ金属元素か
    ら成る化合物またはニッケル元素と酸素元素とアルカリ
    金属元素から成る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉
    を調製する工程を含むことを特徴とした請求項101記
    載の粉末材料の製造方法。
  106. 【請求項106】 前記少なくとも100℃で分解する
    アルカリ金属の塩が酢酸リチウム又はクエン酸リチウム
    である請求項105記載の粉末材料の製造方法。
  107. 【請求項107】 モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、か
    ら選択される少なくとも一種類以上の金属元素のポリ金
    属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、から
    選択される一種類以上の溶液に、水酸化ニッケル粉を浸
    漬した後、乾燥熱処理して上記金属元素と酸素元素と水
    素元素から成る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉を
    調製する工程を含むことを特徴とした請求項101記載
    の粉末材料の製造方法。
  108. 【請求項108】 前記粉末材料は電解質としてアルカ
    リを使用する二次電池の正極の主構成材料となる請求項
    101記載の粉末材料。
  109. 【請求項109】 リチウム、カリウム、マンガン、ア
    ルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タング
    ステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以
    上の元素を0.5原子%以上10原子%以下含有する、
    コバルト元素とニッケル元素から選択される一種類以上
    の元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性
    が高い化合物もしくは、少なくとも、モリブデン、タン
    グステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類
    以上の元素と酸素元素と水素元素からなる水酸化ニッケ
    ルより導電性が高い化合物で、被覆された水酸化ニッケ
    ルからなる粉末材料を調製する工程と、該粉末材料を成
    形して構造体を得る工程を含むことを特徴とした電池用
    電極構造体の製造方法。
  110. 【請求項110】 コバルト塩もしくはニッケル塩の溶
    液に、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウム、
    亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、バナ
    ジウム、チタン、から選択される元素の一種類以上塩を
    添加した溶液に、水酸化ニッケル粉を分散させた後アル
    カリを反応させ、リチウム、カリウム、マンガン、亜
    鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、チタン、から選択される元素を含有した水酸化コ
    バルトまたは水酸化ニッケルで被覆した水酸化ニッケル
    粉を調製する工程を含むことを特徴とした請求項109
    記載の電池用電極構造体の製造方法。
  111. 【請求項111】 前記アルカリとして水酸化リチウム
    または水酸化カリウムを用いる請求項110記載の電池
    用電極構造体の製造方法。
  112. 【請求項112】 水酸化コバルトをアンモニア水に溶
    解された飽和溶液に、水酸化ニッケル粉を浸漬し、水酸
    化リチウムもしくは水酸化カリウムを添加した後煮沸し
    て、コバルトと酸素と水素とリチウム元素から成るヒド
    ロオクソコバルト(II)酸リチウムまたはコバルトと
    酸素と水素とカリウム元素から成るヒドロオクソコバル
    ト(II)酸カリウムで被覆された水酸化ニッケル粉を
    調製する工程を含むことを特徴とした請求項109記載
    の電池用電極構造体の製造方法。
  113. 【請求項113】 水酸化ニッケル粉に、硝酸コバルト
    もしくは硝酸ニッケルと、少なくとも100℃で分解す
    るアルカリ金属との有機酸塩を混合した後、硝酸コバル
    トもしくは硝酸ニッケルと有機酸塩が分解する温度まで
    加熱して、コバルトと酸素とアルカリ金属元素から成る
    化合物またはニッケルと酸素とアルカリ金属元素から成
    る化合物で被覆された水酸化ニッケル粉を調製する工程
    を含むことを特徴とした請求項109記載の電池用電極
    構造体の製造方法。
  114. 【請求項114】 前記少なくとも100℃で分解する
    アルカリ金属の塩が酢酸リチウムやクエン酸リチウムで
    ある請求項113記載の電池用電極構造体の製造方法。
  115. 【請求項115】 モリブデン、タングステン、バナジ
    ウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウム、か
    ら選択される少なくとも一種類以上の金属元素のポリ金
    属酸塩溶液、過酸化ポリ金属酸溶液、金属酸溶液、から
    選択される一種類以上の溶液に、水酸化ニッケル粉を浸
    漬した後、乾燥熱処理して差上記遷移金属元素と酸素元
    素と水素元素から成る化合物で被覆された水酸化ニッケ
    ル粉を調製する工程を含むことを特徴とした請求項10
    9記載の電池用電極構造体の製造方法。
  116. 【請求項116】 水酸化ニッケルからなる粉末材料
    に、水酸化第二ニッケル第一ニッケル1〜30重量%を
    混合し、得られた混合物を用いて構造体を得る請求項1
    09記載の電極構造体の製造方法。
  117. 【請求項117】 前記水酸化第二ニッケル第一ニッケ
    ルをアルカリ材料を用いて調製する工程を有する請求項
    116記載の電極構造体の製造方法。
  118. 【請求項118】 硝酸ニッケルと水酸化アルカリと臭
    素を用いて前記水酸化第二ニッケル第一ニッケルを調製
    する工程を有する請求項116記載の電極構造体の製造
    方法。
  119. 【請求項119】 ニッケルと水酸化アルカリと過酸化
    アルカリとを用いて前記水酸化第二ニッケル第一ニッケ
    ルを調製する工程を有する請求項116記載の電極構造
    体の製造方法。
  120. 【請求項120】 前記電極構造体が電解質としてアル
    カリを使用する二次電池の正極の主構成材料となる請求
    項109乃至119のいずれかに記載の電極構造体の製
    造方法。
  121. 【請求項121】 リチウム、カリウム、マンガン、ア
    ルミニウム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タング
    ステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類以
    上の元素を0.5原子%以上10原子%以下含有する、
    コバルト元素とニッケル元素から選択される一種類以上
    の元素と酸素元素からなる、水酸化ニッケルより導電性
    が高い化合物もしくは、少なくとも、モリブデン、タン
    グステン、バナジウム、チタン、から選択される一種類
    以上の遷移金属元素と酸素元素と水素元素からなる水酸
    化ニッケルより導電性が高い化合物で、被覆された水酸
    化ニッケルからなる粉末材料を調整する工程、及び該粉
    末材料を多孔質の集電体に充填する工程を含むことを特
    徴とした電池用電極構造体の製造方法。
  122. 【請求項122】 前記多孔質集電体の材料がニッケル
    金属であることを特徴とした請求項121記載の電極構
    造体の製造方法。
  123. 【請求項123】 前記粉末材料に加えて、鱗片状(フ
    レーク状)、球状、フィラメント状、針状、スパイク
    状、から選択される少なくとも形状の異なる二種類の粉
    末の導電補助材を多孔質集電体に充填して構造体を作製
    する工程を含むことを特徴とした請求項121記載の電
    極構造体の製造方法。
  124. 【請求項124】 前記導電補助材として、非晶質カー
    ボン、黒鉛、ニッケル、から選択される一種類以上の材
    料を用いることを特徴とする請求項123記載の電極構
    造体の製造方法。
  125. 【請求項125】 前記炭素材が非晶質カーボン又は黒
    鉛からなる請求項124記載の電極構造体の製造方法。
  126. 【請求項126】 前記電極構造体が電解質としてアル
    カリを用いる二次電池の正極となる請求項121乃至1
    25のいずれかに記載の電極構造体の製造方法。
  127. 【請求項127】 マグネシウムとニッケルの合金を主
    成分とする水素を吸蔵する機能を有したコア部分と、該
    コア部分の表面に合金の酸化を防止し、原子状水素又は
    水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層とを有
    する、水素吸蔵放出能有する粉末材料。
  128. 【請求項128】 前記合金の酸化を防止し、原子状水
    素又は水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    が、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、
    チタン、ジルコニウム、イリジウムから選択される一種
    以上の遷移金属元素であることを特徴とする請求項12
    7記載の粉末材料。
  129. 【請求項129】 前記金属酸化物層が、アルミニウ
    ム、珪素、から選択される一種類以上の金属元素の酸化
    物から成る金属酸化物で複合化された層である請求項1
    27記載の粉末材料。
  130. 【請求項130】 前記マグネシウム−ニッケル合金の
    コア部分が非晶質である請求項127記載の粉末材料。
  131. 【請求項131】 前記金属酸化物層が少なくとも非晶
    質相から成ることを特徴とする請求項129記載の粉末
    材料。
  132. 【請求項132】 マグネシウムとニッケルの合金を主
    成分とする水素を吸蔵する機能を有したコア部分と、該
    コア部分の表面に合金の酸化を防止し、原子状水素又は
    水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層とを有
    する粉末材料を主材として形成された、電気化学的に水
    素を吸蔵放出する機能を有した電池用電極構造体。
  133. 【請求項133】 前記合金の酸化を防止し、原子状水
    素又は水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層
    が、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、
    チタン、ジルコニウム、イリジウムから選択される一種
    以上の遷移金属元素であることを特徴とする請求項13
    2記載の電極構造体。
  134. 【請求項134】 前記金属酸化物層が、アルミニウ
    ム、珪素、から選択される一種類以上の金属元素の酸化
    物から成る金属酸化物で複合化された層である請求項1
    32記載の電極構造体。
  135. 【請求項135】 前記マグネシウム−ニッケル合金の
    コア部分が非晶質である請求項132記載の電極構造
    体。
  136. 【請求項136】 前記金属酸化物層が少なくとも非晶
    質相から成ることを特徴とする請求項134記載の電極
    構造体。
  137. 【請求項137】 少なくとも、負極、電解質、正極か
    ら構成される、電解質にアルカリを使用する二次電池に
    おいて、 負極が、マグネシウムとニッケルの合金を主成分とする
    水素を吸蔵する機能を有したコア部分と、該コア部分の
    表面に合金の酸化を防止し、原子状水素又は水素イオン
    が通過する機能を有した金属酸化物層とを有する粉末材
    料を主材として形成されていることを特徴とする二次電
    池。
  138. 【請求項138】 前記負極における合金の酸化を防止
    し、原子状水素又は水素イオンが通過する機能を有した
    金属酸化物層が、モリブデン、タングステン、バナジウ
    ム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウムから選
    択される一種以上の遷移金属元素であることを特徴とす
    る請求項137記載の二次電池。
  139. 【請求項139】 前記負極における金属酸化物層が、
    アルミニウム、珪素、から選択される一種類以上の金属
    元素の酸化物から成る金属酸化物で複合化された層であ
    る請求項137記載の二次電池。
  140. 【請求項140】 前記マグネシウム−ニッケル合金の
    コア部分が非晶質相である請求項137記載の二次電
    池。
  141. 【請求項141】 前記負極における金属酸化物層が少
    なくとも非晶質相からなることを特徴とする請求項13
    9記載の二次電池。
  142. 【請求項142】 少なくとも、負極、電解質、正極か
    ら構成される、電解質にアルカリを使用する二次電池に
    おいて、 負極が、マグネシウムとニッケルの合金を主成分とする
    水素を吸蔵する機能を有したコア部分と、該コア部分の
    表面に合金の酸化を防止し、原子状水素又は水素イオン
    が通過する機能を有した金属酸化物層とを有する粉末材
    料を主材として形成されており、 正極が、リチウム、カリウム、マンガン、アルミニウ
    ム、亜鉛、マグネシウム、モリブデン、タングステン、
    バナジウム、チタンから選択される一種以上の元素を
    0.5原子%〜10原子%以下含有する、コバルト元素
    とニッケル元素から選択される一種以上の元素と酸素元
    素からなる、水酸化ニッケルよりも導電性が高い化合物
    もしくは、少なくとも、モリブデン、タングステン、バ
    ナジウム、チタンから選択される一種以上の遷移金属元
    素と酸素元素と水素元素からなる水酸化ニッケルより導
    電性が高い化合物で被覆された水酸化ニッケルからなる
    粉末材料を主構成材としていることを特徴とする二次電
    池。
  143. 【請求項143】 前記負極における合金の酸化を防止
    し、原子状水素又は水素イオンが通過する機能を有した
    金属酸化物層が、モリブデン、タングステン、バナジウ
    ム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、イリジウムから選
    択される一種以上の遷移金属元素であることを特徴とす
    る請求項142記載の二次電池。
  144. 【請求項144】 前記負極における金属酸化物層が、
    アルミニウム、珪素、から選択される一種類以上の金属
    元素の酸化物から成る金属酸化物で複合化された層であ
    る請求項142記載の二次電池。
  145. 【請求項145】 前記マグネシウム−ニッケル合金の
    コア部分が非晶質相である請求項142記載の二次電
    池。
  146. 【請求項146】 前記負極における金属酸化物層が少
    なくとも非晶質相からなることを特徴とする請求項14
    4記載の二次電池。
  147. 【請求項147】 マグネシウムとニッケルの合金を主
    成分とする水素を吸蔵する機能を有したコア部分の表面
    に、該コア部分の合金の酸化を防止し、原子状水素又は
    水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層を形成
    する工程を有する、水素吸蔵放出能有する粉末材料の製
    造方法。
  148. 【請求項148】 マグネシウムとニッケルの合金を主
    成分とする水素を吸蔵する機能を有したコア部分の表面
    に、該コア部分の合金の酸化を防止し、原子状水素又は
    水素イオンが通過する機能を有した金属酸化物層を形成
    して粉末材料を調整する工程と、該粉末材料を主構成材
    として成形物を形成する工程を有する電池用電極構造体
    の製造方法。
  149. 【請求項149】 前記金属酸化物層が、アルミニウ
    ム、珪素、から選択される一種類以上の金属元素の酸化
    物から成る金属酸化物で複合化された層である請求項1
    記載の粉末材料。
  150. 【請求項150】 前記コア部分が非晶質のマグネシウ
    ム−ニッケル合金からなる請求項1記載の粉末材料。
  151. 【請求項151】 前記金属酸化物層が、アルミニウ
    ム、珪素、から選択される一種類以上の金属元素の酸化
    物から成る金属酸化物で複合化された層である請求項8
    記載の電池用電極構造体。
  152. 【請求項152】 前記コア部分が非晶質のマグネシウ
    ム−ニッケル合金からなる請求項8記載の電極構造体。
  153. 【請求項153】 前記金属酸化物層が、アルミニウ
    ム、珪素、から選択される一種類以上の金属元素の酸化
    物から成る金属酸化物で複合化された層である請求項1
    8記載の二次電池。
  154. 【請求項154】 前記コア部分が非晶質のマグネシウ
    ム−ニッケル合金からなる請求項18記載の二次電池。
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