JPH09198785A - ディスクプレーヤーの回転異常判定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線速度一定にて回転するディスクに記録され
ている信号を光学式ピックアップにより読み出すように
構成されたディスクプレーヤーにおけるディスクの回転
異常を判定する方法を提供する。 【解決手段】 ディスクの回転状態が同期はずれの状態
になったとき、異常と判定し、スピンドルモーターの回
転制御信号をモニターすることによって異常の状態を判
定するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、線速度一定にて回
転するディスクに記録されている信号を光学式ピックア
ップにより読み出すように構成されたディスクプレーヤ
ーの回転異常判定方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】デジタル信号により音楽等の情報データ
が記録されているとともに線速度一定にて回転するディ
スクより信号を光学式ピックアップを用いて読み出すこ
とによって再生動作を行うディスクプレーヤーが普及し
ており、斯かるディスクプレーヤーの代表的なものとし
てＣＤプレーヤーがある。

【０００３】斯かるディスクプレーヤーでは、光学式ピ
ックアップより照射される光ビームをディスクの信号面
に合焦させるフォーカシング制御動作と信号トラックに
追従させるトラッキング制御動作が行われて信号の読み
出し動作が行われるとともに読み出された信号の中の同
期信号を利用してディスクの回転駆動動作を行うスピン
ドルモーターのロック動作、即ちディスクの回転速度を
線速度一定にするための制御動作を行うように構成され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】線速度一定にてディス
クを回転制御するように構成されたディスクプレーヤー
において、再生動作を開始させる操作を行うと、まず光
学式ピックアップより照射される光ビームをディスクの
信号面に合焦させるフォーカシング制御動作を行い、そ
のフォーカスがとれるとスピンドルモーターを回転させ
るように構成されている。

【０００５】スピンドルモーターの回転駆動動作によっ
てディスクの回転速度が上昇し、その回転速度がロック
可能な回転速度になると、ディスクに記録されている信
号トラックに光ビームを追従させるトラッキング制御動
作を行い、ディスクからの信号の読み出し動作が行われ
る。そして、該ディスクより読み出される信号の中から
同期信号を検出し、該同期信号を利用してスピンドルモ
ーターの回転速度のロック動作、即ちディスクの回転速
度を線速度一定に制御する動作を行う。

【０００６】前述した動作によって、ディスクが線速度
一定にて回転駆動されるとともにディスクに記録されて
いる信号の再生動作が行われるが、斯かる状態におい
て、ディスクの回転速度を線速度一定の回転状態に制御
できない状態、即ち同期はずれが発生すると、信号の読
み出し動作が行われなくなる。斯かる同期はずれの状態
が発生した場合、従来では、その原因が分からないた
め、ディスクの回転が異常に高速状態になり、その状態
が長い時間続き、所定時間後に保護回路の働きによって
停止動作が行われるという問題があった。

【０００７】本発明は、斯かる問題を解決するために回
転異常の状態を判定する方法を提供しようとするもので
ある。

【０００８】

【作用】本発明は、ディスクの回転状態が同期はずれの
状態になったとき、異常と判定し、スピンドルモーター
の回転制御信号をモニターすることによって異常の状態
を判定するようにしたものである。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の回転異常判定方法を示すフロ
ーチャート、図２は本発明に係るディスクプレーヤーの
ブロック回路図である。

【００１０】図２において、１はディスクＤが載置され
るとともに該ディスクＤを回転させるターンテーブル、
２は該ターンテーブル１を回転駆動するスピンドルモー
ターである。３はディスクＤに光ビームを照射し、該デ
ィスクＤの信号面で反射される光ビームを受ける光検出
器を有するとともに対物レンズ等が組み込まれている光
学式ピックアップであり、ピックアップ送り用モーター
（図示せず）の回転によってディスクＤの径方向へ移動
されるように構成されている。

【００１１】４は前記光学式ピックアップ３の光検出器
より得られるＲＦ信号を増幅するとともに波形整形する
ＲＦ増幅回路、５は該ＲＦ増幅回路４を介して得られる
信号に基づいて前記光学式ピックアップ３の光ビームを
ディスクＤの信号面に合焦させるフォーカシング制御動
作及び該光ビームを前記信号面の信号トラックに追従さ
せるトラッキング制御動作を行うとともに前記ピックア
ップ３を構成する対物レンズの変位動作によるトラック
ジャンプの制御動作を行うサーボ信号処理回路であり、
斯かる動作は対物レンズの動きを制御することによって
行うように構成されている。

【００１２】６は前記ＲＦ増幅回路４より出力される出
力信号のデジタル信号処理を行うとともに各種信号の復
調動作を行うデジタル信号処理回路、７は前記デジタル
信号処理回路６にてデジタル処理されたデジタル信号で
あるデータ信号が入力されるととも該デジタル信号をア
ナログ信号に変換するＤ／Ａコンバーター等が組み込ま
れている信号再生回路であり、音楽等のオーディオ信号
を出力端子に出力するように構成されている。

【００１３】８は前記デジタル信号処理回路６により復
調された信号が入力されるとともにディスクプレーヤー
の動作切り換えを行う操作スイッチ９からの切換信号に
応じて種々の動作制御を行うシステム制御回路であり、
マイクロコンピューターにて構成されている。

【００１４】１０は前記ピックアップ送り用モーターの
回転駆動動作を制御することによって光学式ピックアッ
プ３の送り動作を制御するピックアップ送り制御回路で
あり、前記システム制御回路８によって動作が制御され
るように構成されている。１１は前記スピンドルモータ
ー２の回転動作を制御するモーター制御回路であり、前
記システム制御回路８より出力されるモーター制御信号
によって動作が制御されるように構成されている。

【００１５】斯かる回路構成において、再生動作を開始
させる操作を行うと、まず光学式ピックアップ３より照
射される光ビームをディスクＤの信号面に合焦させるフ
ォーカシング制御動作を行い、フォーカスがとれるとス
ピンドルモーター２を回転させるように構成されてい
る。また、前記スピンドルモーター２の回転駆動動作に
よってディスクＤの回転速度が上昇し、その回転速度が
ロック可能な回転速度になると、ディスクＤに記録され
ている信号トラックに光ビームを追従させるトラッキン
グ制御動作を行い、ディスクＤからの信号の読み出し動
作が行われる。そして、該ディスクＤより読み出される
信号の中から同期信号を検出し、該同期信号を利用して
スピンドルモーター２の回転速度のロック動作、即ちデ
ィスクＤの回転速度を線速度一定に制御する動作を行う
ように構成されている。

【００１６】以上の如く、本発明に係るディスクプレー
ヤーは構成されているが、次に本実施例の再生動作につ
いて説明する。操作スイッチ９に設けられている再生用
のスイッチを操作するとシステム制御回路８による制御
動作が行われ、ディスクプレーヤーの再生動作状態が構
成される。再生動作状態にあるとき、ディスクＤはモー
ター制御回路１１によるスピンドルモーター２の回転制
御動作によって線速度が一定になるように回転駆動され
る。また、斯かる状態にあるとき、サーボ信号処理回路
５によるサーボ動作によって光学式ピックアップ３より
照射される光ビームのフォーカシング制御動作及びトラ
ッキング制御動作が行われる。

【００１７】前述した各制御動作が行われることによっ
て光学式ピックアップ３によるディスクＤからの信号の
読み出し動作が正常に行われることになる。前記光学式
ピックアップ３により読み出された信号は、ＲＦ増幅回
路４に入力されて増幅されるとともに波形整形されて、
デジタル信号処理回路６に印加される。該デジタル信号
処理回路６に印加されたデジタル信号は、デジタル信号
処理された後そのデータ信号成分が復調されて信号再生
回路７に入力される。前記信号再生回路７に入力された
デジタル信号は、Ｄ／Ａコンバーターによってアナログ
信号であるオーディオ信号に変換されて出力端子に出力
される。従って、使用者は、ディスクＤに記録されてい
る音楽等の信号を再生聴取することが出来る。

【００１８】以上の如く、本発明に係るディスクプレー
ヤーの再生動作は行われるが、次に本発明の要旨である
回転異常の判定方法について、図１に示したフローチャ
ートに基づいて説明する。

【００１９】ディスクプレーヤーが動作状態にあると
き、光学式ピックアップ３より得られる信号が無くなる
と、ディスクＤを所定の線速度にて回転させることが出
来なくなる。斯かる状態になると、まず同期がとれてい
るかが判断される（ステップＡ）。ステップＡで同期し
ていないと判断されると、異常な状態であると判定し、
モーター制御回路１１へ出力される制御信号のモニター
を行う（ステップＢ）。

【００２０】前記モーター制御回路１１へ出力される制
御信号のモニターを行い、その制御信号が減速信号であ
るか否かを判定する（ステップＣ）。ステップＣで減速
信号であると判定されると、その減速信号が所定時間以
上出力されているか否かを判定する（ステップＤ）。ス
テップＤで減速信号が所定時間以上出力されていると判
定されると、ディスクＤの回転状態が逆回転状態にある
と判定し、所定時間、即ちステップＤにて判定された時
間と同一の時間モーター制御回路１１に対して加速信号
を出力する（ステップＥ）。斯かる加速信号が所定時間
出力される結果、ディスクＤの回転速度がステップＢに
て異常と判定された速度まで復帰されることになる。そ
して、前述した動作によってディスクＤの回転速度が元
の回転速度に復帰した時点で停止のための制御動作が行
われる。

【００２１】ステップＣにおいて、減速信号でないと判
定されると、モーター制御信号は加速信号であると判定
する（ステップＦ）。ステップＦで加速信号であると判
定されると、その加速信号が所定時間以上出力されてい
るか否かを判定する（ステップＧ）。ステップＧで加速
信号が所定時間以上出力されていると判定されると、デ
ィスクＤの回転状態が高速回転状態にあると判定し、所
定時間、即ちステップＧにて判定された時間と同一の時
間モーター制御回路１１に対して減速信号を出力する
（ステップＨ）。斯かる減速信号が所定時間出力される
結果、ディスクＤの回転速度がステップＢにて異常と判
定された速度まで復帰されることになる。そして、前述
した動作によってディスクＤの回転速度が元の回転速度
に復帰した時点で停止のための制御動作が行われる。

【００２２】ステップＤで減速信号が所定時間以上出力
されないと判定されると、モーター制御信号は加速信号
であると判定する（ステップＩ）。ステップＩで加速信
号であると判定されると、ディスクＤの回転制御動作が
異常状態になってから、モーター制御信号が減速信号か
ら加速信号に変化したことになり、斯かる状態はサーボ
動作が正常に行われていない状態、即ちラフサーボ状態
であると判定し、停止動作を行う（ステップＫ）。そし
て、斯かるラフサーボ状態では、光学式ピックアップ３
による信号の読み出し動作は行われているため、システ
ム制御回路８の制御動作によってディスクＤの停止動作
を行うことが出来る。

【００２３】また、ステップＧで加速信号が所定時間以
上出力されないと判定されると、モーター制御信号は減
速信号であると判定する（ステップＪ）。ステップＪで
減速信号であると判定されると、ディスクＤの回転制御
動作が異常状態になってから、モーター制御信号が加速
信号から減速信号に変化したことになり、斯かる状態は
サーボ動作が正常に行われていない状態、即ちラフサー
ボ状態であると判定し、停止動作を行う（ステップ
Ｋ）。そして、斯かるラフサーボ状態では、光学式ピッ
クアップ３による信号の読み出し動作は行われているた
め、システム制御回路８の制御動作によってディスクＤ
の停止動作を行うことが出来る。

【００２４】前述したように本発明による回転異常の判
定は行われるが、ステップＥにて判定された逆回転状態
は、ディスクＤの回転を停止させるために行われるスピ
ンドルモーター２の逆方向への回転駆動動作が過度に行
われた場合に発生し、ステップＨにて判定された高速回
転状態は、ディスクＤの信号が記録されていない領域、
即ちミラー領域と呼ばれる位置に光学式ピックアップ３
が衝撃等によって移動した場合に発生する。

【００２５】尚、本実施例では、ステップＩで加速信号
であると判定したとき及びステップＪで減速信号である
と判定したとき、ラフサーボであると判定するように構
成したが、モーター制御信号として加速信号と減速信号
とが繰り返し所定回数出力されたとき、ラフサーボであ
ると判定するように構成することも出来る。

【００２６】

【発明の効果】本発明は、ディスクの回転状態が同期は
ずれの状態になったとき、異常と判定し、スピンドルモ
ーターの回転制御信号をモニターすることによって異常
の状態を判定するようにしたので、回転数の検出を行う
検出機構がなくても異常状態を判定することが出来る。

【００２７】また、本発明は、異常状態において、モニ
ターされた回転制御信号が加速信号であるか、減速信号
であるかを判定するとともにその信号が所定時間以上検
出された場合には、その所定時間反対の信号、即ち加速
信号に対しては、減速信号を、減速信号に対しては、加
速信号を出力させるようにしたので、ディスクの回転速
度を異常と判定した時点に戻すことが出来る。それ故、
異常に対応させて停止動作等の制御動作を行うことが出
来る。

【００２８】そして、本発明は、異常状態において、モ
ニターされた回転制御信号が加速信号と減速信号に変化
した場合にラフサーボ状態であると判定するようにした
ので、ディスクの回転停止動作を速やかに行うことが出
来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回転異常判定方法を示すフローチャー
トである。

【図２】本発明に係るディスクプレーヤーのブロック回
路図である。

【符号の説明】

Ｄ ディスク ２ スピンドルモーター ３ 光学式ピックアップ ５ サーボ信号処理回路 ６ デジタル信号処理回路 ８ システム制御回路 １１ モーター制御回路

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクに記録されている信号を光学式
   ピックアップにより読み出すとともに該ディスクに記録
   されている信号を用いて線速度一定にてディスクを回転
   駆動するように構成されたディスクプレーヤーにおい
   て、ディスクの回転状態が同期はずれの状態になったと
   き、異常と判定し、スピンドルモーターの回転制御信号
   をモニターすることによって異常の状態を判定するよう
   にしたことを特徴とするディスクプレーヤーの回転異常
   判定方法。
2. 【請求項２】 回転制御信号が減速信号であることが所
   定時間検出されたとき、ディスクの回転状態が逆回転で
   あると判定するようにしたことを特徴とする請求項１に
   記載の回転異常判定方法。
3. 【請求項３】 逆回転であると判定されたとき所定時間
   加速信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項
   ２に記載の回転異常判定方法。
4. 【請求項４】 回転制御信号が加速信号であることが所
   定時間検出されたとき、ディスクの回転状態が高速回転
   であると判定するようにしたことを特徴とする請求項１
   に記載の回転異常判定方法。
5. 【請求項５】 高速回転であると判定されたとき所定時
   間減速信号を出力するようにしたことを特徴とする請求
   項４に記載の回転異常判定方法。
6. 【請求項６】 回転制御信号が減速信号と加速信号に交
   互に変化するとき、ラフサーボ状態であると判定するよ
   うにしたことを特徴とする請求項１に記載の回転異常判
   定方法。