JPH09197340A - 色合成光学系及び該色合成光学系を用いた表示装置 - Google Patents

色合成光学系及び該色合成光学系を用いた表示装置

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JPH09197340A
JPH09197340A JP757996A JP757996A JPH09197340A JP H09197340 A JPH09197340 A JP H09197340A JP 757996 A JP757996 A JP 757996A JP 757996 A JP757996 A JP 757996A JP H09197340 A JPH09197340 A JP H09197340A
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light
color
hologram
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polarization
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JP757996A
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Yoshiharu Sakai
芳晴 堺
Masaharu Hara
政春 原
Makoto Kitagawa
真 北川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光変調するライトバルブに用いるに適した
色分解,色合成光学系,光源光生成装置、及び該光学系
により鮮明かつ明るい表示画像を得る表示装置を提供す
ること。 【解決手段】 光源1からの白色光は、反射型と透過型
を重ね合わせた色分解用のホログラム光学系3rに作用
して、3原色に色分解される。色分解された各色光は、
ライトバルブ4pG,4pR,4pBで偏光変調された
後、第1と第2の45゜透過ホログラムにより色合成さ
れる。変調されて表示すべき情報を担った合成光は、投
射光学系6によりスクリーン12に投射される。また、
ホログラムの応用例として、図示しないが、コンパクト
化された色分解,合成光学系、平行かつ直線偏光された
光源光生成系が示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー対応の投射
型表示装置に関し、より詳細には、光源からのホワイト
光を3原色に分解した光にそれぞれ液晶パネルで例示さ
れる偏光変調可能なライトバルブを作用させた後に、再
び色合成をするという動作を行う当該表示装置に用いる
色合成光学系、該色合成光学系を用いて構成される投射
型表示装置及び当該偏光変調可能なライトバルブ等への
入力光として適用し得る光源光の生成光学系に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】偏光変調透過型ライトバルブを利用した
投射型表示装置として、例えば、液晶プロジェクタが従
来より知られている。この液晶プロジェクタにおいて、
光源からの光を3原色に分光する手段、或いは、分光し
た光を合成する手段は、例えば、特公平4−64559
4号公報で提案されているようなキューブプリズムによ
る方法を用いるものを例示することができる。この方法
は、直角プリズムの直角を挟む2辺にそれぞれダイクロ
イックミラーの赤反射,青反射の層の蒸着を行ったもの
を4個準備し、更に、それぞれのプリブムを光学的接着
をして組み立たることによって光の3原色を分解、合成
するようにしている。しかしながら、ダイクロイックミ
ラーを用いたこの従来技術による色分解,色合成では次
のような問題があった。大きなキューブプリズムはその
製作上難易度が高い上に、光学特性の良いガラスが4個
必要な上、ダイクロイックミラーの層を蒸着するため高
価であるとともに、キューブ全体がガラスの塊であるた
め重量が重いということである。また、ダイクロイック
ミラーの分光透過曲線のカット特性に限界があるために
光のロスを生じてしまうということである。更に、赤,
緑,青光が色合成されてホワイト光になるが、その際合
成されたホワイト光の色温度を目標値に近づけるため、
赤,緑,青光の波長幅のバランスをとる必要があるため
明るさを最大限に得ることができないということであ
る。
【0003】また、上記した従来例のようなキューブプ
リズムに代わるものとして、ダイクロイックミラーを用
いる色分解,色合成光学系の例を図20に示す。図20
において、色分解,色合成には、ガラスに薄膜を蒸着し
たダイクロイックミラー2A,2B,2C,2D及び2
Eを使用している。ダイクロイックミラーは、基本機能
として各波長帯をトリミングしている。色合成系2D及
び2Eでは、反射面が曲率0の平面が望まれる。凸面又
は凹面になると凸面反射鏡又は凹面反射鏡となり、色合
成ミラー群の各チャンネルの像サイズが合わず、ミスコ
ンバージェンスとなる。また、透過光のミラーにおいて
は、特開平5−313119号公報に記載のごとく、ガ
ラスの厚みに比例して非点収差が発生し、この点からも
画質を劣化させる。この劣化への対策としてのプリズム
形ミラーも前述のとおり非常に高価なものとなってしま
う。更に、ガラス基板への蒸着でこのミラーを作成する
と湾曲が生ずる。この湾曲についての実験条件と蒸着加
工前,後の湾曲の実験結果を以下に示す。 条件:基板材料;t=2のフロートガラス 蒸着仕様;B反射ミラー 部品数;3枚 測定数;3ケ所/枚 結果(測定曲率半径): 蒸着前 蒸着後 No部品 ∞/807m/404m 202m/202m/404m No部品 270m/404m/807m 162m/202m/162m No部品 404m/807m/807m 162m/202m/404m 上記測定データのごとく、蒸着後の膜応力により、ガラ
ス基板が湾曲する(曲率半径が大きければ、平担性がよ
いことを示す、つまり、蒸着後の数値は、おおむね半分
となっており、平担性が2倍悪くなっていることが分か
る)。
【0004】液晶を用いたプロジェクタの場合、その原
理として光の偏波面を回転させることにより明暗の表示
を行う。その原理を図21により説明すると、同図にお
いて、光源からの光は通常円偏光の光であり、その偏波
面は光軸に対し縦方向の振動(P波)と横方向の振動
(S波)で表わされる。このような光を液晶に入射させ
表示の明暗を変化させるためには、まず、いったん偏光
板を用いて、ある方向の偏波面の光のみ取り出し液晶へ
入射させる。液晶は、その分子が持つ複屈折性により光
の偏波面を回転させる作用を持つ。例えば、液晶に電圧
がかかっていない場合、入射した光の偏波面を90゜回
転させて出射するTN液晶の場合、図21に示すように
なる。図21で矢印は、光の偏波面(振動方向)を示
す。液晶の出射側には入射側においた偏光板と90゜角
度の違うもう1枚の偏光板が配置してある。入射側の偏
光板に対しこれを検光子と呼ぶ。液晶に電圧がかかって
いない場合、偏光板を通ったある方向の偏波面の光は、
液晶を通ることにより偏波面が90゜回転して出射し、
検光子を通り抜け、明るい表示となる。液晶に電圧をか
けた場合、液晶の分子配列に変化が起き、入射する光の
偏波面に与える影響が徐々に少なくなり、最終的に全く
影響を与えないで光を通過させる。この場合、入射光
は、その偏波面と同一方向で出射するため、その光は検
光子により遮られ暗い表示となる。このような作用によ
り液晶による画像の表示を行っている。さて、このこと
により液晶による明るい表示の場合でも、一方向の偏波
面の光のみを使っているため、別の偏波面を持つ光は、
偏光板で遮光しているため、光源が持つ明るさの半分し
か利用できないことになる。このような不利益を解決す
る手段として、例えば、特開平6−265896号公報
に開示されているものがあるが、これは偏光ビームスプ
リッタで分離し、片方の偏波面を位相板により回転させ
た後レンズにより合成する構成をとっている。また、特
開平7−84256号公報に開示されているものは、偏
光ビームスプリッタで分離したS波光を非球面反射ミラ
ーにより反射させ、位相板で回転させることによって偏
波面をそろえ、更に、偏光ビームスプリッタから離れた
部分の光を本来の光軸に近づけるために内側に集光する
ように、非球面ミラーを使用したことを特徴としている
ものである。本来、このような投射型表示装置の光学系
としては、光源から出た光を光源を中心とした一本の光
軸で色分解手段,偏光変調手段,色合成手段,投射光学
系を通過するように構成するのが望ましい。これは、例
えば、PS分離によって光軸が2本になった場合、それ
ぞれの光軸をレンズの中心を通すことができずレンズの
最良性能を使えない。また、それぞれの光軸を中心とす
る光束が二つできることになり、それぞれの光束の明る
さの違い,色の違いが投影像に輝度むら,色むらとなっ
て現れる。更に、光源の光束に対し光軸が増加した分光
束が太くなってしまい、光源の集光,色分解,色合成ミ
ラーの設計に大きな制約となる、といった問題が実験上
判明しており、前述のようにPS分離合成により光源の
利用効率を上げる手段として有効な考え方にも関わら
ず、上記のような問題により十分な効果を得られていな
い。特開平6−265896号公報による発明において
も、PS分離した後光軸は2本になっており、それぞれ
の光束は、レンズの中心以外を通り、また、それぞれの
光束が照射する部分も違っているため、上記のような問
題が発生する可能性が大きい。特開平7−84256号
公報による発明では、光軸は3本となっており、偏光ビ
ームスプリッタを透過したP偏光の光と、反射したS偏
光の光を非球面反射ミラーで反射した後位相差板により
P偏光にした光とではその強度等に差ができ輝度むらな
どが現れやすい。また、この発明では、光源の光束の大
きさが約3倍近い値となり被照射面積と光源の大きさの
設計上、大きな制約となる可能性がある。
【0005】また、ダイクロイックミラーとクロスプリ
ズムから構成される投射型表示装置における色分解,色
合成光学系の他の従来例を図22に示す。図22におい
て、クロスプリズム9を持つ当該装置の色分解系は、2
A,2B,2Cの薄膜コーティングしたダイクロイック
ミラー及び5A,5B,5Cのアルミ全反射ミラーを用
いている。2A〜2C,5A〜5Cの各ミラーの光束の
反射,透過は、いずれも表面にコーティングされた薄膜
の特性によりスネル(Snell)の法則に従って正反
射,透過を行う。各ミラーに45゜で入射した光は、4
5゜で反射し、クロスプリズム9の直前に配置された光
変調素子4´の各々に入射するが、理想的な点光源であ
る場合、光源1より発した光束のサイズは、光変調素子
4´に入射するまでの各ミラーの反射前後で変化せず、
光源より発した光束サイズのままの光路巾を各光変調素
子4´に対して必要とし、そのために装置のサイズが大
きくなってしまう。
【0006】そして、上記したようなカラー対応の投射
型表示装置等に適用し得る平行に出射するホワイト光
を、或いは、所定波長の光を生成する光学系として従来
において提案されたものの一例は、平行光を作るため、
楕円型リフレクタを使用して、必要な面積が光束ができ
る位置で、そのレンズに合わせた凹レンズを設定するよ
うにしたものである。図23は、その照明光学系を動作
とともに示すものである。楕円型リフレクタ1r´によ
り、ランプ1´からの光束が指向されるが、ランプ1´
の両端のアーク長より光線を追跡した様子が示されてい
る。凹レンズ10によりその第2焦点F2に向かってい
るものは平行光となるが、楕円型リフレクタ1r´の焦
点F1を外れたものは別の方向へ進む。偏光ビームスプ
リッタ(PBS)11pでP/S分離,合成している
が、楕円型リフレクタ1r´の焦点外からでた光は、P
BS11pを透過しないか、又は、P/S分離されず
に、無効の光となる。しかしながら、ここに示されるよ
うに、有限の光源を使って小さいリフレクタを使用する
と必ずスネルの法則に従い、反射光は角度を持つ。更
に、PBS分離,合成する際の入射側で透過後の1/2
の面積に光を集光させることは、至難であり、できたと
しても集光効率が非常に悪くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術における問題点に鑑みてなされたもので、以下に
記載される点をその解決課題とする。色分解,色合成を
行う光学系の従来技術において採用されたキューブプリ
ズムの問題点を解消するためにキューブプリズムに代わ
る手段を得ること。また、従来技術の色合成光学系にお
けるダイクロイックミラーにおいて、赤,緑,青,各色
の像サイズの不一致、非点収差の画質劣化,分光透過曲
線のカット特性の限界による光のロス及び各色における
波長幅のアンバランスが発生するので、このようなこと
が発生しない手段によって鮮鋭度の高い、明るい良好な
画質を得ること。 また、波長選択のために採用するホ
ログラム素子を効率よく利用するために、光源に含まれ
るP波とS波のどちらもホログラム素子の出力光として
有効に用いるようにして明るい画像を得ること。また、
ホワイト光より色分解するダイクロイックミラー及びア
ルミ反射鏡による従来技術における光学系をより小型
化、つまり、光路の占める空間が最小となるようにし
て、より明るく使い勝手がよく低コストの装置とするこ
と。また、当該表示装置に適用し得る直線偏光された平
行光、或いは、所定波長で前記光を生成する光学系とし
て、コンパクトで光源からの光の利用効率の良いものを
提供すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ホワ
イト光を発する光源と、該光源からの光を3原色に色分
解する手段と、該色分解手段からの3原色光をそれぞれ
偏光変調するライトバルブと、該ライトバルブで変調さ
れた原色光を色合成する手段とを有する色合成光学系に
おいて、前記色分解手段と色合成手段の少なくとも一方
にホログラム光学系を用いるようにし、ホログラムを用
いることにより、製作が容易で、分解,合成特性が良
く、明るい合成光が出力されることを可能とするもので
ある。
【0009】請求項2の発明は、上記請求項1の発明に
おいて、前記ホログラム光学系を反射型ホログラムと透
過型ホログラムを重ね合わせたものとするようにし、ホ
ログラムを用いた効果をより一層大きくするものであ
る。
【0010】請求項3の発明は、上記請求項1の発明に
おいて、前記ホログラム光学系をダイクロイックミラー
に透過型ホログラムを重ね合わせたものとするように
し、ホログラム光学系の具体化のための一手段を与え、
実施化を可能とするものである。
【0011】請求項4の発明は、上記請求項1の発明に
おいて、前記ホログラム光学系を多重露光法で作成する
ことにより透過型ホログラム,反射型ホログラムの2つ
の特性を同時に満たすような1つのホログラムとするよ
うにし、ホログラムを1つとしたことにより、ホログラ
ムを用いた効果をより一層大きくするものである。
【0012】請求項5の発明は、上記請求項2又は4の
発明において、前記ホログラム光学系としてホログラム
作成時に最適条件が得られる角度を選択して作成された
透過型ホログラム,反射型ホログラムを用いるように
し、より性能の良いホログラムを要素として用いること
を可能とするものである。
【0013】請求項6の発明は、上記請求項1の発明に
おいて、前記色分解手段に用いたホログラム光学系を光
路幅を小さくするように作成されたホログラムにより構
成するようにし、色分解光学系が占める空間を小さくす
ることを可能とするものである。
【0014】請求項7の発明は、ホワイト光を発する光
源と、該光源からの光を3原色に色分解する手段と、該
色分解手段からの3原色光をそれぞれ偏光変調するライ
トバルブと、該ライトバルブで変調された原色光を色合
成する手段とを有する色合成光学系において、前記ライ
トバルブに入射する前に光の偏波面をP波とS波に分波
する分波手段と、該分波手段により分波した後に片方の
偏波面を90゜回転させる偏波面回転手段とを有し、該
偏波面回転手段によりそろった偏波面を持つ2つの光を
ホログラム光学系により光軸合成する手段を有するよう
にし、ライトバルブでの処理過程においてロスが生じる
ことがなく、明るい色合成出力を可能とするものであ
る。
【0015】請求項8の発明は、ホワイト光を発する光
源と、該光源からの光を3原色に色分解する手段と、該
色分解手段からの3原色光をそれぞれ偏光変調するライ
トバルブと、該ライトバルブで変調された原色光を色合
成する手段とを有する色合成光学系において、前記色分
解手段によって色分解された光ごとに雑音波長カット用
ホログラム及び前記ライトバルブと前記色合成手段の特
性に応じる偏光方向整合用波長板を作用させるように
し、ライトバルブでの処理過程においてロスが生じるこ
とがなく、色純度を良くし、明るい色合成光学系を構成
するものである。
【0016】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8のいずれかに記載の色合成光学系からの光を投射光学
系によって投射するように構成したもので、表示しよう
とする画像情報に基づいてライトバルブを変調しスクリ
ーン等に大面積にしても明るく、高品質の画像を投射す
るようにした投射型表示装置の提供を可能とするもので
ある。
【0017】請求項10の発明は、光源を内蔵するリフ
レクタから出射される光の光路中に所定の回折光を選択
する機能を持つホログラムと、該ホログラムから出力さ
れる光に作用するP/S分離合成用の偏光ビームスプリ
ッタと波長板からなる直線偏光への変換手段とを設け、
前記光源からの光を直線偏光された平行光として変成す
るようにし、平行かつ直線偏波された光を入力光として
使用する液晶、或いは、上記各請求項記載の光学系や表
示装置等に適した光源光の生成を可能とするものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】
(請求項1ないし5又は9の実施の形態)図1は、本発
明の色合成光学系及び該色合成光学系を用いた表示装置
の実施の一形態を示す図である。図中、1は、光源、3
rは、色分解用のホログラム、5A,5Bは、全反射ミ
ラー、4pG,4pR,4pBは、液晶パネル、3c
R,3cBは、色合成用のホログラム、6は、投射用レ
ンズである。
【0019】ここで、この発明を特徴付けるホログラム
について説明する。ホログラムの特性としては、すでに
知られているように2つ以上のある波長帯の干渉縞を記
録することにより作成し、そのようにして作られたホロ
グラムに記録したときと同じ波長帯の光を照射すると、
記録されたときと同じ条件で光が回折作用を受ける。ま
た、ホログラムを作成する方法の違いにより、照射した
光の中で、ある特定波長のみが回折作用を受け透過する
透過型ホログラムと、照射した光の中の、ある特定波長
のみが回折作用を受け反射する反射型ホログラムとに分
けることができる。
【0020】図2は、透過ホログラムの原理を説明する
ための図である。図2(A)は、透過ホログラムを作成
するときの2つの光の照射方向を示したもので、赤色の
波長の光を矢印a及びbの方向から照射し、その干渉縞
を記録する。このようにして作成したホログラムに図2
(B)に示すように矢印aの方向から、記録した波長と
同じ赤色の光を照射すると、その光は、記録された干渉
縞によって回折作用を受け矢印bの方向へ向かって進行
するが、それ以外の波長の光は回折作用を受けず直進す
る。この場合、回折角度は45゜である。また、図2
(A)で、矢印bの方向の代わりに、矢印c方向から照
射した場合、図2(B)において矢印c方向から入射し
た光は、矢印bの方向へ進行する。この場合、回折角度
は90゜である。図3は、反射型ホログラムの原理を説
明するための図である。図3(A)は、反射型のホログ
ラムを作成するときの2つの光の照射方向を示したもの
で、青色の波長の光を矢印a及びbの方向から照射し、
その干渉縞を記録する。このようにして作成したホログ
ラムに図3(B)に示すように矢印aの方向から、記録
した波長と同じ青色の光を照射すると、その光は、記録
された干渉縞によって回折作用を受け矢印bの方向へ向
かって進行するが、それ以外の波長の光は回折作用を受
けず直進する。この場合、回折角度は45゜である。ま
た、図3(B)で、矢印bの方向の代わりに、矢印c方
向から照射した場合、図3(B)において矢印a方向か
ら入射した光は、矢印cの方向へ進行する。この場合、
回折角度は90゜である。ここで、ホログラムのもう1
つの特徴である色分散について述べる。図2及び図3で
は、単一波長の場合について述べているが、投射型のプ
ロジェクタの場合は青色,赤色といってもある帯域を持
った波長帯である。今、仮に図2(A)に示すような方
法で、450nmの光でホログラムを作成し、そのホロ
グラムに400nm〜500nmの帯域を持つ光をあて
た場合を考える。単一波長で記録した単純なホログラム
の場合、その特性は、記録された干渉縞の間隔や、干渉
縞の方向などで決められる。1969年、ベル研究所の
KOGELNIKが発表したカップル波理論によると、
記録された干渉縞による光の回折角度は下記の式で表さ
れる。
【0021】
【数式1】
【0022】ここで、Λは、干渉縞の間隔、λは、ホロ
グラムに入射する光の波長、nは記録材の屈折率、θ
は、ホログラムに入射する光の角度である。この式よ
り、今、450nmの光が、45゜の角度で回折するよ
うな干渉縞の間隔,屈折率を持つホログラムに、違う波
長の光を入射した場合、上記式より、その回折角度は4
5゜からはずれていくことになる。つまり、450nm
の短波長の光の回折角度は、45゜より小さくなり、長
波長の光は大きくなっていくことになる。この特性は、
本発明による画像合成用としてホログラムを利用するこ
とに対し障害となる。それは、青の画像を形成する40
0nm〜500nmの光のそれぞれの波長で回折角度が
変わり、スクリーン上で色収差となって現れるためであ
る。それに対し我々は、複数のそれぞれ違う回折角度を
持つホログラムを重ね合わせ、その合成した回折角度が
希望の角度となるようにすることで、波長の角度分散が
実用上問題とならないようなレベルになることを確認し
た。また、単一波長で作成する単純なホログラムではな
くホログラムを作成するとき、複数の波長を用い記録す
ることにより、更に、波長分散を小さくすることもでき
る。
【0023】今、このようにして作られたホログラム
を、画像合成用として使う場合を考える。図4は、45
゜の回折角度を持つホログラムである。a方向から液晶
パネルを通過して入射した光は、b方向へ向かう。この
とき、このホログラムによる液晶パネルのイメージ像は
cの位置に作られる。従って、b方向へ向かった光を投
影レンズを介してスクリーン上に投影すれば、レンズに
対して斜めに結像することになり好ましくない。図5で
は、図4で、b方向に向かった光を更にホログラム1と
同じ特性を持つ第2のホログラムへ入射させている。第
2のホログラムによる作用としては、b方向から入射し
た光をe方向へ回折させ、cの位置のイメージ像をdの
位置に作る。従って、投影レンズを介しスクリーン上に
投影する像はdの位置のイメージ像となり、投影レンズ
に正対して投影することができ、画像合成用としてこの
ホログラムの組み合わせが有効であることがわかる。次
に、色分解用のホログラムの場合を考える。図6は、青
色反射ホログラムと、赤色透過ホログラムを重ね合わせ
たものである。回折角度は90゜である。d方向から光
源から発した白色の光が入射した場合を考えると、青色
の光は青色反射ホログラムによりa方向へと向かい、赤
色の光は赤色透過ホログラムによりb方向へと向かう。
緑色の光は、青色ホログラム,赤色ホログラムのどちら
の影響も受けずc方向へと向かう。このような作用によ
り、これは、色分解用のホログラムとして機能すること
がわかる。
【0024】このような色分解及び色合成機能をもつホ
ログラムを要素とする図1に示される光学系の詳細とそ
の動作を次に説明する。今、光源1は、ランプ1´とパ
ラボラリフレクタ1rによって構成されており、ランプ
1´から出た光は、平行光となって出射され、色分解用
のホログラム3rへ入射される。色分解用ホログラム3
rは、赤色90゜反射ホログラムと青色90゜透過ホロ
グラムが2枚重ね合わされている。色分解用ホログラム
3rへ45゜の角度で入射した光は、赤色反射ホログラ
ムの回折作用を受け45゜の角度で反射し、赤色の光が
全反射ミラー5Aに向かう。全反射ミラー5Aで反射さ
れた赤色の光は、赤色の液晶パネル4pRで赤色の画像
に対応するよう偏光変調される。赤色の液晶パネルを透
過した光は、第1の赤色合成用ホログラム3cR1へ入
射する。第1の赤色合成用ホログラム3cR1は、赤色
45゜透過ホログラムで、この第1の赤色合成用ホログ
ラム3cR1へ入射した光は、回折作用を受けて第2の
赤色合成用ホログラム3cR2へ向かう。第2の赤色合
成用ホログラム3cR2は、第1の赤色合成用ホログラ
ム3cR1と、第1の青色合成用ホログラム3cB1を
2枚重ね合わせたものである。第1の赤色合成用ホログ
ラム3cR1から第2の赤色合成用ホログラム3cR2
へ入射した赤色の光は、第2の赤色合成用ホログラム3
cR2の回折作用を受けて、45゜の角度で透過し投射
用レンズ6へ向かう。一方、色分解用ホログラム3rへ
入射した青色の光は、青色透過ホログラムの回折作用を
受けて45゜の角度で透過し、全反射ミラー5Bへ向か
う。全反射ミラー5Bで反射した青色の光は、青色用の
液晶パネル4pBで青色の画像に対応するよう偏光変調
される。青色用の液晶パネル4pBを透過した光は、第
1の青色合成用ホログラム3cB1に入射し、回折作用
を受け45゜の角度で透過し、前記第2の青色合成用ホ
ログラム3cB2へ向かう。第1の青色合成用ホログラ
ム3cB1から第2の青色合成用ホログラム3cB2へ
入射した青色の光は、第2の青色合成用ホログラム3c
B2の回折作用を受けて、45゜の角度で透過し投射用
レンズ6へ向かう。緑色の光の場合を考えると、前記色
分解ホログラム3rに入射した緑色の光は、前記色分解
用ホログラム3rに入射するが、ホログラムを記録した
波長帯域が違うため、赤色反射ホログラムの回折作用も
青色透過用ホログラムの回折作用も受けず直進し、緑色
用の液晶パネル4pGへ入射する。緑色用の液晶パネル
4pGで緑色の画像に対応するよう偏光変調される。緑
色用の液晶パネル4pGを透過した光は、前記第2の色
合成用ホログラム3cR2,3cB2に入射するが、こ
の場合も前述のごとく波長帯域の差により、赤色透過ホ
ログラムの回折作用も青色透過ホログラムの回折作用も
受けず直進し、投射用レンズ6へ向かう。このようにし
て、青色,赤色及び緑色の偏光変調された光が合成さ
れ、投射用レンズによりスクリーン12上に投影され
る。
【0025】上記した例では、色分解手段として、反射
ホログラムと透過ホログラム2枚を重ねた場合の例を示
し、説明したが、他の実施の形態として図7に示すよう
な赤色反射のダイクロイックミラーに青色透過のホログ
ラムを貼り付けたものを前述の色分解用ホログラム3r
の代わりに置き換えても全く前述の色分解の効果が得ら
れることは容易に理解できる。
【0026】また、更に他の実施の形態としては、ホロ
グラム作成の方法の一つとして多重露光の方法を用いた
ホログラムにより構成されるものである。これは、図2
及び図3で示したようにホログラムをそれぞれ1回露光
で記録し、それぞれのホログラムを作成するのではな
く、1つのホログラムに、まず、反射のホログラムを露
光記録し、その後、透過のホログラムを多重露光記録す
ることによって、1つのホログラムで2つの特性を持つ
ようなホログラムを作成する手段であるが、もちろん、
このような方法により作成されたホログラムにおいて
も、前述の色分解,色合成の効果を得ることに全く変わ
りはない。
【0027】また、更に他の実施の形態を図8に示す
が、それは、ホログラム入射角度が45゜以外の場合の
実施の形態である。通常の反射光学系では、スネルの法
則により、光の入射角度と反射角度は常に等しくなる。
しかしながら、ホログラム光学素子は、前述の図2及び
図3の説明で述べた通り、ホログラムを記録するときの
2つの光の角度により、回折角度が決められる。図8で
は、入射角度が45゜以上の場合の実施例である。この
ようにしたことによる効果としては、前記した実施の形
態と同じように、ホログラムへの入射角度がホログラム
作成時に選択された最良の条件で選択されることになっ
て、より高い効果を得ることが期待できる。また、これ
らの実施の形態においては、色分解用として赤色反射,
青色透過のホログラムを使用し、色合成用として青色透
過、赤色透過のホログラムを使用した投射型表示装置の
例を示したが、反射及び透過の色の選択は本発明におい
て制限されるものではなく、その効果を最大に引き出す
ための色選択が可能である。
【0028】上記したところで、色合成光学系として色
合成の要素として透過型ホログラム,色分解の要素とし
て反射型と透過型のホログラムを重ね合わせたものが示
されたが、色合成のための要素として、従来から用いら
れているダイクロイックミラーに代えてホログラムを用
いる利点は、ホログラムを支持する基板が無いか又は非
常に薄くフラットにすることが可能で、これによって、
従来における基板の湾曲による画質の劣化を起こさない
ですむことにある。
【0029】次に示す実施の形態は、前述したホログラ
ムの重ね合わせによらない単独のホログラムでフラット
かつ薄い基板とした要素により構成した分解,合成光学
系を示すものである。ここに、ホログラム素子は、フォ
トポリマに干渉を発生,感光させたものをガラス基板に
貼り付けるもので、ガラス基板に蒸着するように応力が
発生することはない。よって、非常に薄いガラス基板を
使用できる。又は、ガラス基板無しにホログラム素子だ
けを支持することもできる。収れん(又は、発散)光束
中に平行平面板を設置した時に発生する非点収差は、板
厚に比例する(特開平5−313119号公報、参照)
が、これは、スクリーンでの拡大倍率の2乗に比例し
て、ラジアル方向とタンジェンシャル方向の結像点が離
れるという結果をもたらす。この非点収差は、この合成
光学系を用いた投射型表示装置において、ライトバルブ
が高温ポリシリコン液晶のような小形サイズになって、
大きなスクリーンサイズにするために拡大倍率を高くし
て動作させる場合に、画質に致命的欠陥を与える。
【0030】図9は、従来における合成光学系(図2
0、参照)に用いたダイクロイックミラーの代わりにガ
ラス基板に貼り付けたホログラム素子を使用した例を示
し、図10は、同様にガラス基板無しでホログラム素子
を使用した例を示す。図9及び図10において、1は、
光源、4B,4G,4Rは、それぞれB,G,R光用液
晶、5は、アルミ反射ミラー、2A〜2Eは、ダイクロ
イックミラー、3´cA,3´cBは、ホログラム素子
を薄い基板に貼り付けたもの、3cA,3cBは、ホロ
グラム素子そのものである。ここでは、便宜上、45゜
入射(回折角)で記述されているが、異なる入射角回折
角としても有効に動作する。ホログラム素子を使用した
この光学系は、従来例として示した図20と比較する
と、液晶4Bでの非点収差は、ダイクロイックミラー2
D及び2Eで計4mm厚とすると、1.08mmにな
り、ホログラム素子(図10)のガラス基板の無い場
合、厚さを10μmとすると、非点収差は5.4μmと
なり全く問題のないレベルである。また、ホログラム素
子を基板に貼り付けた方の例についても、通常蒸着した
ダイクロイックミラー基板と比較すると、従来の技術で
示した実験例に示すような結果が生じないことから、画
質劣化を大巾に防止することが可能となる。
【0031】(請求項6及び9の実施の形態)図11
は、本発明の色合成光学系及び色合成光学系用いた表示
装置の実施の更に他の形態を示す図である。この実施の
形態は、色分解光学系にホログラムを用い色合成系とし
てクロスプリズム,クロスダイクロイックミラー系等を
用いて、色分解光学系で光路幅を最小(光路用の空間を
最小)にするように構成されている。図11において、
1は、光源(ランプ)、3A〜3Fは、ホログラム素
子、4´A〜4´Cは、変調素子、6は、投射レンズ、
9は、クロスプリズムである。
【0032】光源1より発したホワイト光は、ホログラ
ム3Aによりトリミングして反射され(仮に、分解され
て選択された光を青(B)色とする)、ホログラム3B
及び3Cにより反射され、光変調素子4´Aにより変調
され、クロスプリズム等の色合成系9により反射合成さ
れ、投射レンズ6によりスクリーン上に投射される。ま
た、ホログラム素子3Aを透過した緑(G),赤(R)
色の光は、ホログラム素子3Dにより分解し選択されて
R色光が反射され、ホログラム素子3E,3Fで反射さ
れ光変調素子4´Cで変調され、クロスプリズム9で合
成され、投射レンズ6でスクリーン上に投射される。ホ
ログラム3Dを透過したG色光は、光変調素子4´Bで
変調され、クロスプリズム9により合成され、投射レン
ズ6でスクリーン上に投射される。ここに、各色の光の
光路巾は、光変調素子4´A〜4´Cを透過する時に、
光変調素子の全面積を透過する光路巾を有し、他の光路
(ホログラム素子3Aから3Cまで、或いは、ホログラ
ム素子3Dから3Fまで)では、図14において、光路
巾Wとして示すごとく最小になるようにホログラム素子
を製作する。このようにして、2方向について光路巾を
小さくすることによって、光路用の空間、延いては、装
置全体をコンパクト化することになる。
【0033】(請求項7及び9の実施の形態)図12
は、本発明の色合成光学系及び該色合成光学系を用いた
表示装置の実施の形態を示す。図11において、1は、
光源、2Aは、青色光反射のダイクロイックミラー、2
Bは、赤色光反射のダイクロイックミラー、2Cは、緑
色光反射のダイクロイックミラー、5A〜5Fは、全反
射ミラー、13B,13R,13Gは、図12でで示し
た本発明によるPS分離合成のためのユニットであり、
13Bは、青色光の波長帯にあうようにホログラムが作
成されており、13Rは、赤色光波長帯、13Gは、緑
色光の波長帯にあうようにホログラムが作成されてい
る。4pB,4pR,4pGは、それぞれ青,赤,緑色
の各光用の液晶パネルで、6は、投射用レンズ。2D,
2Eは、画像合成用のダイクロイックミラーである。光
源1は、ランプとパラボラリフレクタによって構成され
ており、ランプから出た光は平行光となって出射され
る。ダイクロイックミラー2Aによって反射した青色の
光は、全反射ミラー5D,5Eによって青色光用PS分
離合成ユニット13Bに入射する。入射した光は、偏波
面がそろった光となって青色光用液晶パネル4pBを通
過することにより青色光の画像を作り、合成用ダイクロ
イックミラー2D,2Eを経て投射レンズ6によりスク
リーン上へ投射される。赤色光,緑色光についても同様
の作用をし、画像合成用のダイクロイックミラー2D,
2Eで青色光,赤色光,緑色光の画像が合成され投射レ
ンズ6によってスクリーン上に画像が投射される。
【0034】この実施の形態において、本発明を特徴付
ける構成要素であるPS分離合成ユニットについて、図
13及び図14に従ってより詳細な構成とその動作を次
に説明する。図13において、入射光をP波とS波に分
離する偏光ビームスプリッタ(PBS)11pにa方向
から光源光が入射する。PBS11pにより入射光は、
光線asと光線apに分離される。光線asはミラー5
Aによって反射され、以下に説明する特性を持つホログ
ラム3Aへ向かう。
【0035】ここで、このホログラムの特性について図
14に基づいて説明すると、同図に示されるホログラム
は、透過型ホログラムである。ホログラムの特性は、既
に知られているように、ある波長帯の2つ以上の干渉縞
を記録することにより作成し、そのようにして作られた
ホログラムに記録したときと同じ波長帯の光を照射する
と記録されたときと同じ条件で光が回折作用を受け光の
進行方向を変えられる作用を持つ。図14に示されるホ
ログラムは、ホログラムにある波長帯の垂直な光と、θ
の角度を持つ2つの光によって記録されたホログラムで
ある。このようなホログラムにθ角度を持つ記録した波
長帯の光を照射すると、回折作用によりホログラムに垂
直角度の光となって進行する。なお、図14に示される
ようにθと異なる、例えば、θ´の角度で入射した光
は、そのまま進行方向を変えずに進む。
【0036】このような特性をホログラム3Aは持つ一
方で、ホログラム3Bは、異なる入射角度特性を持つよ
うに設計されているので、ホログラム3Aへ入射した光
線asは、ホログラムの回折作用により光線bとなって
出射されるが、入射角度特性を異にするホログラム3B
の影響は受けない。一方、光線apは、PBS11pの
出射面に配置された位相板7により偏波面を90゜回転
させられ、ミラー5Bで反射しホログラム3A及び3B
へ向かい、まず、ホログラム3Aに入射するが、ホログ
ラム3Aが持つ角度特性とは違う方向からの入射となる
ため、その影響は受けず直進し、ホログラム3Bに達
し、その回折作用により光線bの方向へ出射される。こ
のような作用によりPBS11pで分離された光線as
と光線apは、その偏波面を一致させ、なおかつ、同一
光軸上の光線bとすることができる。実際はガラスの厚
み分で完全には一致しないが無視できる値である。この
ような方法を採れば、明るさのむら,色むら,照射面積
の問題を発生することなく偏波面を一致させることがで
きるため、液晶などの偏光変調素子を用いた投射型表示
装置にとって非常に有効な手段となる。
【0037】(請求項8及び9の実施の形態)図15
は、本発明の色合成光学系と該色合成光学系を用いた表
示装置の実施の更に他の形態を示す図である。図15に
おいて、1は、光源であり、例えば、パラボラリフレク
タとランプの組み合わせである。14は、紫外線,赤外
線のカットフィルタ、2A,2B,2C,2Dは、ダイ
クロイックミラー、5A,5Bは、全反射ミラー、3t
A,3tB,3tCは、0度反射の透過型ホログラム、
7A,7B,7C,7D,7E,7Fは、波長板、4p
A,4pB,4pCは、液晶パネル、6は、投射レン
ズ、12は、スクリーンである。光源1から出た光は、
紫外線,赤外線のカットフィルタ14を透過した後、緑
(G)色反射のダイクロイックミラー2Aに入射する。
P波,S波共にミラーで透過反射するが、反射したG色
光は、全反射ミラー5Aに入射し、透過した青(B),
赤(R)色光は、B色反射のダイクロイックミラー2B
に入射する。全反射ミラー5Aで反射したG色光は、波
長板7Aに入射する。ダイクロイックミラー2Bにより
分解されたB色光及びR色光についても同様に波長板7
C,7Eに入射する。
【0038】ここで、ホログラムの作用について説明を
加えると、ダイクロイックミラーにおいては、その特性
が図16に示されるように、入射光がP波の時とS波の
時で特性が違うということが解っている。これは、G色
光を反射するミラーの特性であるが、S波特性の方がP
波特性より反射の波長幅が広くなることが分っている。
この特性を利用して反射されるG色光側ではS波を、透
過するB色光側ではP波を使用することによって、B色
光の長波長側は、より長波長まで、G色光の短波長側
は、より短波長まで、バンド幅を広げることができる。
同じようにしてR色光にP波を使用することにより、G
色光の長波長側とR色光の短波長側のバンド幅も広げる
ことができる。これによってG色光,R色光,B色光の
光量を増やすことができるため明るさの増加が計れる
が、単にバンド幅を広げただけだと色純度が下がってし
まうという問題を生じてしまう。そこで、色純度を上げ
るためにホログラムを用する。ホログラムの種類には透
過型,反射型があるが、光路の配置によりどちらでも採
用することができる。カット特性の曲線の切り立ってい
る角度が鋭敏であるほど色純度が高いまま光量を確保で
きることになるが、図16に示すようにダイクロイック
ミラーのカット特性の鋭敏さには限界がある。そこで、
図17のようなカット特性の鋭敏なホログラムを用いる
ことにより、R色光,G色光,B色光、及び、その色合
成されたホワイト光について色純度を落とさないまま光
量を増やすことができる。
【0039】説明を図15に戻すと、波長板7A,7
C,7Eで、G色光は、S波、R色光,B色光は、P波
が使用されるように(即ち、液晶パネル4pA,4p
B,4pCの入射側の偏光板にて、G色光はP波、R色
光,B色光は、S波がカットされるように)偏光軸が回
転された後、0゜入射の透過型ホログラム3+A,3+
B,3+Cに入射し、余計な波長成分がカットされる。
液晶パネル4pA,4pB,4pCを出た光は、波長板
7B,7D,7FでG色光は、P波、B色光は、S波、
R色光は、S波になるように回転させられる。そのた
め、B色反射のダイクロイックミラー2BでのB色光及
びG色光のバンド幅及び赤反射のダイクロイックミラー
2DでのR色光及びG色光のバンド幅を広くとることが
できる。ダイクロイックミラー2Dで色合成された光
は、投射レンズ6でスクリーン12に投射される。ここ
で、R色光,G色光,B色光の光路の配置は、より十分
な明るさが得られるように変えることが可能である。ま
た、スクリーン12に投射される光の偏光方向をP波或
いはS波に揃えたいときは、波長板7B,7D,7Fで
偏光方向を揃えることが可能である。そのときダイクロ
イックミラー2C,2Dで多少バンド幅が狭くはなる
が、従来例よりも明るくすることは可能である。上記実
施例では、順次ミラー方式について説明を行ったが、こ
の考え方は、例えば、クロスダイクロイックプリズムな
どダイクロイックミラーの層を用いて色分解,色合成す
る他の光学系にも適用することができる。
【0040】(請求項10の実施の形態)本発明は、前
述したところの合成光学系を用いた表示装置への入力光
として適用し得る平行かつ直線偏波された光を生成する
装置を構成するものである。図18は、この発明の実施
の形態の装置構成を示す図である。図18において、パ
ラボラリフレクタ1rにセットされたランプ1´より発
光する光は、パラボラ焦点上よりでたものは、平行光、
焦点外よりでたものは、角度を持つ光となり、ダイクロ
イックミラー2Aにより色分光されて、それぞれの光
は、透過側の3fA及び反射側の3rAへ反射及び透過
することになる。この時設置されるホログラム3fA,
3fB,3rAは、最終透過後の光透過面積A0とする
と、ホログラム作用後の光束の面積Aiは、概ねAi=
1/2×A0となるような角度θ2とする。つまり、ホロ
グラム3fA及び3fBは、面積1/2変換及び円錐入
射光を平行出射光にする機能を有する反射型ホログラ
ム、3rAは、前記機能の他に分光(分解)機能を付加
したホログラムである。各々の3fA,3fB,3rA
出射後にPBS11p(B,G,Rの各色光用)を設置
し、波長板7で全て一つの偏光波に振動方向を揃えてい
る。2Cより出射された光は、ホワイト光であるが、非
常に平行性の良い直線偏光波となる。PBS11pは、
各G,R,B用に設置され、かつ、PBS11pへの入
射光が0゜で均一のため非常に透過効率がよい直線偏光
波となっている。このようにして、ランプを内蔵したリ
フレクタより出射された光をホログラムの特性によって
ホログラムへの入射時の半分の面積となるように反射さ
せ、面積が最終必要面積の半分にした平行光を効率よ
く、P/S分離合成して、純度の高い直線,平行偏波を
得る。
【0041】図19は、この発明の他の実施の形態を示
す図である。図19において、パラボラリフレクタ1r
の焦点に置かれたランプ1´からの光は、IR−UVフ
ィルタ14を透過し、反射型ホログラム3fで反射し、
PBS11p及び/又は波長板7を経て出射する。この
場合、ホログラム3fは、色分解の機能を要しないの
で、面積変換及び角度変換の機能をもつものでよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1〜5,9の効果:ホログラムによる3色分解,
合成を行うことで、いままでのキューブプリズム方式で
は困難だった大面積の分解,合成も簡単に実現でき、ま
た、コストの大幅上昇も低く押えることができ、このよ
うな合成光学系を要素とする投射型表示装置の構成要素
として、非常に有効な手段を提供することになる。当該
発明の技術を適用することにより、例えば、高温ポリシ
リコン液晶でEWS対応画素数を備えたもの、のよう
に、非常に小さくかつ高精細のライトバルブの投射型表
示装置による大画面でも鮮明な画像が得られるというこ
とになる。
【0043】請求項6,9の効果:色分解光学系が占め
る空間を小さくすることができて、光源から投射レンズ
までの光路は短くなるので、光の利用効率が高く、明る
い画像をスクリーンに投射し、映し出すことができる。
また、開示の実施の形態の例によると、図示の実行方向
は、同じとして、表面積及び体積共に従来例と比較する
と1/3以下になり、部品サイズの縮小化によるコスト
削減及び商品のコンパクト化による使い勝手の向上が図
られる。
【0044】請求項7,9の効果:本発明によるPS分
離合成手段を採ることにより、従来技術における偏光板
で捨てていた光の半分を有効に利用することができ、な
おかつ、いままで光軸が一定とならず複数になることに
よる問題点を解決でき、明るい品位の高い画像を得るこ
とができる。
【0045】請求項8,9の効果:本発明に示すように
ダイクロイックミラーのP波とS波に対する特性の違い
と波長板を利用してR色光,G色光,B色光のバンド幅
を広げ、かつ、カット特性の鋭敏なホログラムを利用し
て色を選択することにより、色純度を良くし、かつ、従
来の投射型表示装置より明るい画像にすることができ
る。
【0046】請求項10の効果:本発明によって出射さ
れる光は、直線偏光,平行波であるので、応用例として
述べたTFT液晶等に使用すると、入射側の偏光板が無
くとも非常にコントラストが高い画質が得られる。ま
た、入射側の偏光板の冷却装置が不要となり、コストダ
ウン及び省スペースとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色合成光学系及び該色合成光学系を用
いた表示装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】透過型ホログラムの原理を説明するための図
で、(A)は、ホログラムを作成するとき、(B)は、
再生するときを示す図である。
【図3】反射型ホログラムの原理を説明するための図
で、(A)は、ホログラムを作成するとき、(B)は、
再生するときを示す図である。
【図4】透過型ホログラムでの結像の動作を示す図であ
る。
【図5】図4に更に第2の透過型ホログラムを付加した
場合の結像の動作を示す図である。
【図6】青反射ホログラムと赤透過ホログラムとを重ね
合わせホログラム光学系を色分離系として用いた時の動
作を示す図である。
【図7】赤色反射のダイクロイックミラーに青色透過の
ホログラムを貼り付けた色分解用ホログラムを示す図で
ある。
【図8】図1と同様の形態で、ホログラムへの入射角度
が45゜以外の場合を示す図である。
【図9】合成光学系として従来のダイクロイックミラー
の代わりにガラス基板に貼り付けたホログラム素子を使
用したものを例示する図である。
【図10】図9と同様の形態で、ガラス基板無しでホロ
グラム素子を使用した他の例を示す図である。
【図11】本発明の色合成光学系及び色合成光学系用い
た表示装置の実施の更に他の形態を示す図である。
【図12】本発明のPBS分離合成手段を付加した色合
成光学系及び該色合成光学系を用いた表示装置の実施の
形態を示す図である。
【図13】色合成光学系に付加したPS分離合成ユニッ
トとその動作を説明するための図である。
【図14】PS分離合成ユニットに用いるホログラムと
その動作を説明するための図である。
【図15】本発明の色純度を向上させる手段を付加した
色合成光学系と該色合成光学系を用いた表示装置の実施
の形態を示す図である。
【図16】ダイクロイックミラーのP波,S波それぞれ
の波長特性を示すグラフである。
【図17】ホログラムの波長特性を示すグラフである。
【図18】本発明の平行かつ直線偏波された光源光を生
成する装置の実施の形態の装置構成を示す図である。
【図19】本発明の平行かつ直線偏波された光源光を生
成する装置の他の実施の形態を示す図である。
【図20】ダイクロイックミラーを用いる従来の色分
解,色合成光学系を示す図である。
【図21】従来からある液晶による画像表示の原理を説
明するための図である。
【図22】ダイクロイックミラーとクロスプリズムから
構成される投射型表示装置における色分解,色合成光学
系の他の従来例を示す図である。
【図23】投射型表示装置に適用し得る平行光を発生す
る従来の照明光学系をその動作とともに示す図である。
【符号の説明】
1…光源、1´…ランプ、1r…パラボラリフレクタ、
1r´…楕円形リフレクタ、2,2A〜2E…ダイクロ
イックミラー、3,3A〜3F…ホログラム、3cA,
3cB,3´cA,3´cB…色合成用のホログラム、
3cR1…第1の赤色合成用ホログラム、3cR2…第
2の赤色合成用ホログラム、3cB1…第1の青色合成
用ホログラム、3cB2…第2の青色合成用ホログラ
ム、3r,3´r,3rA…色分解用のホログラム、3
f,3fA,3fB…反射型ホログラム、3t…透過型
ホログラム、3´cA,3´cB…薄い基板に貼り付け
たホログラム、3tA,3tB,3tC…0度反射の透
過型ホログラム、4…液晶、4pA,4pB,4pC,
4pG,4pR,4pB…液晶パネル、4´,4´A〜
4´C…光変調素子、4B,4G,4R…それぞれB,
G,R光用液晶、5…アルミ反射ミラー、5A〜5F…
全反射ミラー、6…投射用レンズ、7,7A〜7F…波
長板、8…プリズム、9…クロスプリズム、、10…凹
レンズ、11…光分離手段、11p…偏光ビームスプリ
ッタ(PBS)、12…スクリーン、13,13B,1
3R,13G…PS分離合成ユニット、14…紫外線,
赤外線のカットフィルタ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホワイト光を発する光源と、該光源から
    の光を3原色に色分解する手段と、該色分解手段からの
    3原色光をそれぞれ偏光変調するライトバルブと、該ラ
    イトバルブで変調された原色光を色合成する手段とを有
    する色合成光学系において、前記色分解手段と色合成手
    段の少なくとも一方にホログラム光学系を用いるように
    したことを特徴とする色合成光学系。
  2. 【請求項2】 前記ホログラム光学系を反射型ホログラ
    ムと透過型ホログラムを重ね合わせたものとするように
    したことを特徴とする請求項1記載の色合成光学系。
  3. 【請求項3】 前記ホログラム光学系をダイクロイック
    ミラーに透過型ホログラムを重ね合わせたものとするよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載の色合成光学
    系。
  4. 【請求項4】 前記ホログラム光学系を多重露光法で作
    成することにより透過型ホログラム,反射型ホログラム
    の2つの特性を同時に満たすような1つのホログラムと
    するようにしたことを特徴とする請求項1記載の色合成
    光学系。
  5. 【請求項5】 前記ホログラム光学系としてホログラム
    作成時に最適条件が得られる角度を選択して作成された
    透過型ホログラム,反射型ホログラムを用いるようにし
    たことを特徴とする請求項2又は4記載の色合成光学
    系。
  6. 【請求項6】 前記色分解手段に用いたホログラム光学
    系を光路幅を小さくするように作成されたホログラムに
    より構成するようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の色合成光学系。
  7. 【請求項7】 ホワイト光を発する光源と、該光源から
    の光を3原色に色分解する手段と、該色分解手段からの
    3原色光をそれぞれ偏光変調するライトバルブと、該ラ
    イトバルブで変調された原色光を色合成する手段とを有
    する色合成光学系において、前記ライトバルブに入射す
    る前に光の偏波面をP波とS波に分波する分波手段と、
    該分波手段により分波した後に片方の偏波面を90゜回
    転させる偏波面回転手段とを有し、該偏波面回転手段に
    よりそろった偏波面を持つ2つの光をホログラム光学系
    により光軸合成する手段を有するようにしたことを特徴
    とする色合成光学系。
  8. 【請求項8】 ホワイト光を発する光源と、該光源から
    の光を3原色に色分解する手段と、該色分解手段からの
    3原色光をそれぞれ偏光変調するライトバルブと、該ラ
    イトバルブで変調された原色光を色合成する手段とを有
    する色合成光学系において、前記色分解手段によって色
    分解された光ごとに雑音波長カット用ホログラム及び前
    記ライトバルブと前記色合成手段の特性に応じる偏光方
    向整合用波長板を作用させるようにしたことを特徴とす
    る色合成光学系。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の色合成光学系からの光を投射光学系によって投射す
    るように構成したことを特徴とする投射型表示装置。
  10. 【請求項10】 光源を内蔵するリフレクタから出射さ
    れる光の光路中に所定の回折光を選択する機能を持つホ
    ログラムと、該ホログラムから出力される光に作用する
    P/S分離合成用の偏光ビームスプリッタと波長板から
    なる直線偏光への変換手段とを設け、前記光源からの光
    を直線偏光された平行光として変成するようにしたこと
    を特徴とする光源光生成光学系。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000057218A1 (en) * 1999-03-24 2000-09-28 Intel Corporation Projection system
JP2010538329A (ja) * 2007-09-04 2010-12-09 ブンデスドルッケライ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 着色個別化ホログラムを作製する方法と装置
JP2016024270A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 船井電機株式会社 光学系及び光学系を有する光学機器

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