JPH09195229A - 柱状構造体の補強方法およびそれに用いる補強ワイヤ巻付装置 - Google Patents

柱状構造体の補強方法およびそれに用いる補強ワイヤ巻付装置

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JPH09195229A
JPH09195229A JP1041996A JP1041996A JPH09195229A JP H09195229 A JPH09195229 A JP H09195229A JP 1041996 A JP1041996 A JP 1041996A JP 1041996 A JP1041996 A JP 1041996A JP H09195229 A JPH09195229 A JP H09195229A
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reinforcing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄筋コンクリート橋脚などの柱状構造体を十
分な強度で簡単に補強し、しかも、補強後の外観も良好
にする。 【解決手段】 柱状構造体1の外周に、PCワイヤ単線
からなる補強ワイヤ2を緊張させて螺旋状に巻回する工
程と、補強ワイヤ2を埋め込んで柱状構造体1の外周を
保護層3で被覆する工程とを含む柱状構造体の補強方法
により、補強ワイヤ2の締め付け力で柱状構造体1の全
体に均等に3軸圧縮応力を生じさせて、機械的強度や耐
力を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柱状構造体の補強
方法およびそれに用いる補強ワイヤ巻付装置に関し、詳
しくは、鉄筋コンクリート橋脚などの柱状構造体を補強
する方法と、この補強方法に用いる補強ワイヤを柱状構
造体に巻き付ける装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路や鉄道に利用される橋脚が、施
工後に地震等の災害で損傷したり老朽化したりしたとき
には補強工事が必要になる。また、耐震基準の見直しが
あったり設計基準より大きな荷重が加わるようになった
りして強度向上が必要になった場合にも補強工事が必要
である。
【0003】従来、橋脚の補強工事としては、橋脚の外
周に補強鉄筋を組み立て、その外周を鋼板で箱形に囲
み、この鋼板箱の内部にコンクリートを流し込み固めて
一体化させる方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の補強工
事方法では、鉄筋および鋼板の加工、現地での鉄筋およ
び鋼板の組立や熔接等、手間のかかる多くの作業が必要
になる。特に、橋脚の外周で鋼板を組み立て熔接する作
業は、鉛直方向での不安定な作業になるので、作業に技
術を要し煩雑である。また、元の橋脚の外周に鉄筋およ
び鋼板が追加配置されるので、補強後の橋脚はその外径
が大幅に増えてしまう。補強されていない橋脚のコンク
リート面と補強された橋脚の鋼板面との質感も大きく違
ってくるので、外観的に極めて不釣り合いになり、美観
を損なう。
【0005】本発明の課題は、鉄筋コンクリート橋脚な
どの柱状構造体を十分な強度で簡単に補強し、しかも、
補強後の外観も良好にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔柱状構造体の補強方法〕本発明に係る柱状構造体の補
強方法は、柱状構造体の外周に、PCワイヤ単線からな
る補強ワイヤを緊張させて螺旋状に巻回する工程と、前
記補強ワイヤを埋め込んで前記柱状構造体の外周を保護
層で被覆する工程とを含む。
【0007】柱状構造体とは、高速道路や鉄道などの橋
梁を支持する橋脚のほか、各種の土木建築構造物を構成
する柱状の構造体を含む。柱状構造体は、通常、鉄筋コ
ンクリートで構築されているものに適用されるが、その
他の材質構造からなる柱状構造体にも適用できる。柱状
構造体は、円柱状、楕円柱状、長円柱状、その他の滑ら
かな曲断面柱状のもののほか、多角柱状のものなども適
用できる。柱状構造体は、鉛直柱状のもののほか、傾斜
柱状あるいは湾曲柱状のものにも適用できる。柱状構造
体の寸法としては半径500mm程度以上が採用される。
【0008】補強ワイヤとして用いるPCワイヤ単線
は、従来、各種のプレストレスコンクリート製品の製造
に使用されているPC(プレストレスコンクリート)ワ
イヤのうち、撚線ではなく単線からなるものを用いる。
PCワイヤは、高張力および高強度の綱線材料からな
る。PCワイヤ単線の口径は、補強の対象となる柱状構
造体の形状寸法や必要な補強の程度などの条件によって
も異なるが、通常は、4.0〜6.0mmφの範囲のもの
が用いられる。
【0009】補強ワイヤは緊張状態で柱状構造体に巻回
する。緊張状態とは、補強ワイヤに引張応力を生じさせ
た状態であり、補強ワイヤに生じる引張応力の反力とし
て柱状構造体に圧縮応力を生じさせて、柱状構造体に加
わる負荷や外力に対する耐久性を向上させる。具体的な
圧縮応力あるいは緊張力の大きさは、通常のプレストレ
スコンクリート製品の製造条件と同程度でよい。
【0010】補強ワイヤは、柱状構造体の外周面に一定
の密度間隔で螺旋状に巻回する。補強ワイヤの配置密度
が高いほど補強効果は高まる。補強ワイヤは、1本の補
強ワイヤのみを螺旋状に巻回してもよいし、複数本の補
強ワイヤを並べて螺旋状に巻回してもよい。補強ワイヤ
を交差させて螺旋状に巻回することもできる。補強ワイ
ヤは、柱状構造体の全長にわたって巻回してもよいし、
補強が必要な個所のみに部分的に巻回するだけでもよ
い。補強ワイヤを柱状構造体に巻回する速度は、速いほ
ど能率的に作業ができるが遅いほうが確実に巻回でき
る。
【0011】保護層の材料には、コンクリート、モルタ
ルあるいは樹脂など、通常の土木建築物の外壁面を構成
する外壁仕上げ材料を用いることができる。保護層とし
て、異なる材料からなる複数の層を積層して構成するこ
ともできる。保護層の厚みは、補強ワイヤを埋め込んで
外部に露出しないようにでき、柱状構造体の外観を良好
にできればよく、柱状構造体に加わる荷重を負担できる
ような大きな機械的強度は必要ない。
【0012】補強ワイヤの巻回工程で引き抜きダイスを
用いることができる。引き抜きダイスは、通常の金属材
料に対する引き抜き加工に用いられる引き抜きダイスが
使用できる。引き抜きダイスには補強ワイヤの外径より
も小さな口径のダイス孔を有する。引き抜きダイスのダ
イス孔に補強ワイヤを挿入して、引き抜きダイスと補強
ワイヤとを相対的に移動させれば、補強ワイヤの外径を
ダイス孔の口径に相当する外径に縮径加工することがで
きる。引き抜きダイスの口径は、補強ワイヤの外径や補
強ワイヤに生じさせる緊張力の大きさなどの条件に合わ
せて設定される。具体的には、補強ワイヤの外径に対し
て85〜90%の口径を有する引き抜きダイスが用いら
れる。
【0013】補強ワイヤの一端を固定した状態で補強ワ
イヤに嵌挿された引き抜きダイスを、補強ワイヤの固定
側から離れる方向に移動させれば、補強ワイヤが縮径加
工されると同時に、補強ワイヤが固定側と引き抜きダイ
スの位置との間で強く引っ張られることになり、補強ワ
イヤが緊張させられることになる。この状態で、補強ワ
イヤを柱状構造体の外周に螺旋状に巻回すれば、補強ワ
イヤを緊張状態で柱状構造体の外周面に巻回することが
できる。なお、このような引き抜きダイスによる縮径加
工と同時に緊張させる作業は、補強ワイヤとして単線を
用いなければ困難である。
【0014】〔補強ワイヤ巻付装置〕本発明に係る補強
ワイヤ巻付装置は、前記した柱状構造体の補強方法に用
いられ、自走台車とワイヤ保持部と引き抜きダイスとを
備える。自走台車は、柱状構造体の外周面に沿って螺旋
状に移動できる螺旋走行手段を有する。螺旋走行手段と
しては、各種の土木建築機械などに採用されている機器
類の走行手段を組み合わせて構成することができる。自
走台車は、柱状構造体そのものに支持された状態で走行
するものでもよいし、柱状構造体の外部に支持手段を備
えていてもよい。
【0015】螺旋走行手段は、自走台車を柱状構造体の
周方向に移動させる周回手段と、自走台車を柱状構造体
の軸方向に移動させる軸方向移動手段とを組み合わせて
構成することができる。ワイヤ保持部は、柱状構造体に
巻回する補強ワイヤを一時的に保持しておければ、各種
の線材保持機構の構造が採用できる。補強ワイヤを巻回
状態で保持しておける巻回リールのほか、補強ワイヤを
折り畳んだ状態で保持してようであってもよい。補強ワ
イヤの一端を自走台車の外部に固定した状態で、ワイヤ
保持部を有する自走台車が柱状構造体の外周面に沿って
螺旋運動を行えば、ワイヤ保持部の補強ワイヤが順次引
き出されて柱状構造体の外周面に巻き付けられる。
【0016】補強ワイヤの一端を固定するには、柱状構
造体の外周面にボルトなどの金具を用いて補強ワイヤの
一端を固定すればよい。柱状構造体が構築された地盤や
基礎構造物に補強ワイヤの一端を固定しておいてもよ
い。引き抜きダイスは、ワイヤ保持部から補強ワイヤの
固定点に至る補強ワイヤの通過経路中に配置される。補
強ワイヤは引き抜きダイスを通過して柱状構造体に巻き
付けられる。補強ワイヤが引き抜きダイスを通過する際
に、縮径加工が施されると同時に引き抜きダイスから固
定点に至る間の補強ワイヤに強い引張力が加えられる。
【0017】螺旋走行手段として、周回案内路と昇降手
段と周回手段とを備えておくことができる。周回案内路
は、柱状構造体の外周に沿って配置される。周回案内路
は、型鋼材を組み立てて構成でき、通常のクレーンやホ
イスト、コンベアなどの走行路の構造が採用できる。
【0018】昇降手段は、周回案内路に沿って移動し、
自走台車を吊り下げて昇降させる。具体的には、ホイス
トやチェーンブロックのように、各種の機械装置に設置
される昇降手段が採用される。昇降手段による自走台車
の昇降速度は、前記した補強ワイヤの巻回速度に対応し
て設定される。周回手段は、自走台車に搭載され、柱状
構造体の外周に巻き付けられる巻付ローラチェーンと巻
付ローラチェーンを一方から他方へと送給する巻付ロー
ラチェーン送給手段とを有することができる。
【0019】巻付ローラチェーンは、各種機械装置で使
用されているチェーンと同様のものが用いられる。巻付
ローラチェーンは柔軟に変形できる。巻付ローラチェー
ンを構成する個々のチェーンリンクの凹凸が柱状構造体
に食い込むように締め付けるので、柱状構造体の外周面
に沿って確実に当接して自走台車を柱状構造体に支持し
ておくことができる。巻付ローラチェーンを、自走台車
に搭載された巻付ローラチェーン送給手段で一方から他
方へと送給すれば、柱状構造体の外周に巻き付いて摩擦
支持された巻付ローラチェーンに対して自走台車のほう
が相対的に移動することになるので、自走台車の周回運
動が果たされる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の一実施形態とな
る柱状構造体の補強方法を表している。柱状構造体1の
外周に配置された自走台車10などからなる補強ワイヤ
巻付装置で、柱状構造体1の外周に補強ワイヤ2を巻き
付け、さらに、その外周を保護層3で覆う。
【0021】図4に示すように、柱状構造体1は、道路
や鉄道に利用される橋脚Bの一部を構成する。橋脚B
は、地盤から鉛直に立設された柱状構造体1と、柱状構
造体1の上端から左右水平方向に延びる水平腕部bとを
有し、水平腕部bの上部に橋桁構造が構築される。 〔補強ワイヤ巻付装置〕補強ワイヤ巻付装置は、柱状構
造体1の外周上部に配置された周回案内路50、周回案
内路50を走行するホイスト40、42、ホイスト4
0、42に吊り下げられた自走台車10を有する。
【0022】図2にも示すように、周回案内路50はH
型鋼材などからなり、柱状構造体1の外周に沿って円環
状に配置されている。図1では図示を省略しているが、
周回案内路50は鋼材などの構造体を介して地上あるい
は橋脚Bの上部構造などに支持されている。周回案内路
50は、半円部分づつ2つ割りにされていて、分解組立
や輸送保管が容易になっている。
【0023】周回案内路50には、一対のホイスト4
0、42が走行輪部46、46を介して走行可能に取り
付けられている。両ホイスト40、42は、1本の連結
リンク48の両端にそれぞれ水平旋回可能に連結されて
いる。片側のホイスト40には駆動モータ47を備えて
いて、両ホイスト40、42が一体的に周回案内路50
上を走行する。図2に示すように、周回案内路50の内
周に沿って給電用のトロリーダクト52が配置されてお
り、ホイスト40、42への駆動電力を供給する。トロ
リーダクト52から自走台車10の駆動電力を供給した
り、自走台車10の制御信号を伝達したりすることもで
きる。
【0024】ホイスト40、42に備えた昇降自在な吊
り下げチェーン44の下端に自走台車10のフレーム部
12が吊り下げられている。自走台車10は、鋼材など
で組み立てられたフレーム部12に、ワイヤ巻回リール
22が搭載されている。ワイヤ巻回リール22には、P
Cワイヤ単線からなる補強ワイヤ2が巻回保持されてい
る。補強ワイヤ2としては、外径4.0〜6.0mmφの
PCワイヤ単線が用いられ、ワイヤ巻回リール22に
は、補強ワイヤ2を600kg分保持しておける。図示し
ないが、ワイヤ巻回リール22にはフリクションブレー
キを備えていて、ワイヤ巻回リール22のオーバーラン
を防止できる。
【0025】ワイヤ巻回リール22から引き出された補
強ワイヤ2は、複数の案内ローラ24、24を経て、引
き抜き加工部30に供給され、引き抜き加工部30を通
過した補強ワイヤ2が柱状構造体1の外周に巻き付けら
れる。補強ワイヤ2の先端は、柱状構造体1の下端21
に、ボルト等の金具で引き止められている。図2および
図3に示すように、引き抜き加工部30には、引き抜き
ダイス32を有する。引き抜きダイス32を通過する補
強ワイヤ2は、通過前の外径D0 が通過後の外径D1
なるように縮径加工を受ける。引き抜き加工部30の後
端側には導入案内ローラ34、34が配置されており、
補強ワイヤ2の引き抜きダイス32への導入をスムーズ
にしている。
【0026】フレーム部12の内周で柱状構造体1の外
周面に当接する位置には、複数個の走行輪60(図の実
施形態では上下左右に合計4個)が配置されており、自
走台車10を柱状構造体1の外周面に対して一体の間隔
をあけた状態で周方向に移動可能にしている。柱状構造
体1の外周面には無端状の巻付ローラチェーン70が巻
き付けられている。巻付ローラチェーン70は、自走台
車10に有する複数個の案内スプロケット72および駆
動スプロケット73に順次噛み合っている。駆動スプロ
ケット73は駆動モータ74で回転駆動される。駆動ス
プロケット73の回転駆動によって巻付ローラチェーン
70は、自走台車10の一端側から柱状構造体1の外周
面側に送り出され、自走台車10の他端側から引き込ま
れる。
【0027】案内スプロケット72のうち駆動スプロケ
ット73と対象になる位置に配置されている案内スプロ
ケット72aは、駆動スプロケット73から遠ざかる方
向に移動自在に設置されている。この可動案内スプロケ
ット72aの位置を調整することで、巻付ローラチェー
ン70の張り、すなわち、柱状構造体1に対する締め付
け力を調整することができる。なお、巻付ローラチェー
ン70は、個々の単位チェーンリンクを取り外すこと
で、柱状構造体1の外径に合わせて巻付ローラチェーン
70の全長を調整したり、柱状構造体1への取り付けや
取り外しを行うことができる。
【0028】自走台車10には、前記巻付ローラチェー
ン70の作動等を電気的に制御する制御盤13を備えて
いる。 〔補強方法〕前記した補強ワイヤ巻付装置を用いる柱状
構造体の補強方法を工程順に説明する。
【0029】まず、補強の対象となる柱状構造体1の周
囲に足場を組み、周回案内路50を構築する。周回案内
路50に、ホイスト40、42および自走台車10を吊
り下げる。巻付ローラチェーン70を自走台車10から
柱状構造体1の外周に巻き付ける。ワイヤ巻回リール2
2から引き出した補強ワイヤ2の端部21を柱状構造体
1の外周面に固定する。
【0030】この状態で、巻付ローラチェーン70を駆
動する。巻付ローラチェーン70が自走台車10から送
り出され引き込まれるが、巻付ローラチェーン70は柱
状構造体1の外周面に巻き付いていて、柱状構造体1と
の間の摩擦力で周方向には滑らない。そのため、巻付ロ
ーラチェーン70は動かずに自走台車10のほうが柱状
構造体1の外周を周方向に移動することになる。このと
き、ホイスト40、42を自走台車10の移動方向に走
行させることで、自走台車10が柱状構造体1の外周面
をスムーズに周回運動する。
【0031】自走台車10が柱状構造体1の外周を周回
すると、柱状構造体1の外周面に一端21が固定された
補強ワイヤ2は、ワイヤ巻回リール22から順次引き出
されてくる。ワイヤ巻回リール22から引き出された補
強ワイヤ2は、引き抜きダイス32を通過する。引き抜
きダイス32を通過した補強ワイヤ2は縮径加工され
る。補強ワイヤ2が縮径加工される際の引き抜き抵抗力
が、引き抜きダイス32から固定点21までの間の補強
ワイヤ2に加わる。
【0032】その結果、補強ワイヤ2は強い引張力が加
わった状態で柱状構造体1の外周面に巻き付けられてい
く。前記のような自走台車10の周回運動と同時に、ホ
イスト40、42で吊り下げチェーン44を引き上げる
と、自走台車10が上昇する。すなわち、自走台車10
は、柱状構造体1の外周面を周回しながら上昇してい
き、いわゆる螺旋運動を行うことになる。巻付ローラチ
ェーン70も自走台車10の上昇に伴って徐々に柱状構
造体1への巻き付き位置が上昇していく。図1に示すよ
うに、補強ワイヤ2は、柱状構造体1の下端の固定点2
1から柱状構造体1の外周面に沿って螺旋状に巻き付け
られていくことになる。補強ワイヤ2の巻付速度は2.
4〜24m/min の範囲で調整することができる。自走台
車10の昇降速度は0.79〜7.9m/min の範囲で調
整することができる。補強ワイヤ2に加わる引張力は1
000kg程度に設定されている。
【0033】自走台車10の螺旋運動の速度を一定にし
ておけば、補強ワイヤ2は一定の緊張力が常に加わった
状態で一定の間隔をあけて螺旋状に柱状構造体1の外周
に巻き付けられ、柱状構造体1に均等な締め付け力を与
え、柱状構造体1の全体に均等な3軸圧縮応力を生じさ
せる。このようにして、柱状構造体1の外周面に、縮径
加工された緊張状態の補強ワイヤ2を螺旋状に巻き付け
た後、補強ワイヤ2の後端を柱状構造体1の外周面など
に固定してしまえば、補強ワイヤ2の巻き付け作業は完
了し、図4に示すように、柱状構造体1が補強ワイヤ2
で補強されることになる。この実施形態の補強ワイヤ巻
付装置では、自走台車10の最大昇降距離が6m であ
る。
【0034】柱状構造体1の周囲から自走台車10など
の機器を撤去した後、柱状構造体1の外周面に、補強ワ
イヤ2を覆うようにコンクリートを打設して保護層3を
施工する。保護層3は、補強ワイヤ2を覆い柱状構造体
1の外観を良好に出来れば、補強効果についてはそれほ
ど要求されないので、比較的薄い厚みで十分である。 〔補強ワイヤの連結〕前記した補強作業で、ワイヤ巻回
リール22に保持された補強ワイヤ2が足りなくなった
場合には、補強ワイヤ2を継ぎ足して使う。そこで、補
強ワイヤ2の連結手段が必要になる。
【0035】図5に示す連結具100は、筒状の本体1
02を有する。筒状本体102には、両端に向かって細
くなるテーパー状孔104、104を有する。テーパー
状孔104には連結クサビ106が配置され、後端をコ
イルバネ108で先端側に付勢されている。連結クサビ
106の内面には細かな凹凸歯が形成されている。連結
具100の端部からテーパー状孔104の連結クサビ1
06の中央に補強ワイヤ2の端部を挿入すると、コイル
バネ108で付勢された連結クサビ106が補強ワイヤ
2の外周面に噛み付くように当接する。この状態で、補
強ワイヤ2を連結具100から抜き出そうとすると、連
結クサビ106がテーパー状孔104の先端側に移動
し、連結クサビ106の中央空間がより狭まることにな
るので、連結クサビ106が補強ワイヤ2により強く噛
み付いて補強ワイヤ2の抜け出しを阻止することにな
る。
【0036】したがって、継ぎ足そうとする補強ワイヤ
2を連結具100の両端に差し込めば、連結具100を
介して両側の補強ワイヤ2が簡単かつ強固に連結される
ことになる。上記実施形態の連結具100は、補強ワイ
ヤ2の外径よりも少し大きな程度の筒状をなしているの
で、連結具100で連結された補強ワイヤ2を、柱状構
造体1の外周面にそのまま巻き付けて使用することも可
能である。
【0037】図6に示す連結具110は、2枚の方形板
112、112と、方形板112、112を対面させて
締め付ける締め付けボルト114とを有する。方形板1
12の対向面には1対の凹溝116、116を有する。
2枚の方形板112、112を1組にして、2組の方形
板112、112の組を並べて使用する。連結しようと
する2本の補強ワイヤ2を、各方形板112、112の
凹溝116の間に挟み込み、締め付けボルト114で方
形板112、112を締め付ければ、補強ワイヤ2が方
形板112からなる連結具110に固定される。すなわ
ち、連結具110を介して、両側の補強ワイヤ2、2が
連結されることになる。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る柱状構造体の補強方法は、
PCワイヤ単線からなる補強ワイヤを柱状構造体の外周
に緊張状態で螺旋状に巻回することにより、柱状構造体
に均等な3軸圧縮応力を発生させて、柱状構造体の機械
的強度あるいは耐力を大幅に向上させることができる。
しかも、柱状構造体の外周には、補強ワイヤとこの補強
ワイヤを覆う保護層が追加されるだけなので、補強によ
って柱状構造体の外径が大幅に増大したり美観が損なわ
れることが少ない。
【0039】本発明に係る補強ワイヤ巻付装置は、柱状
構造体の外周面で螺旋運動を行う自走台車で柱状構造体
の外周面に補強ワイヤを巻き付ける際に、PCワイヤ単
線からなる補強ワイヤを引き抜きダイスに通過させるこ
とで、引き抜きダイスを通過した補強ワイヤに強い引張
力を作用させることができる。その結果、補強ワイヤに
よる柱状構造体の補強を強力かつ能率的に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す施工状態の正面図。
【図2】前図のうち補強ワイヤ巻付装置部分を一部切欠
して表す水平断面図。
【図3】引き抜きダイス部分の拡大断面図。
【図4】柱状構造体の全体構造を表す模式的構造図。
【図5】補強ワイヤの連結具を表す断面図。
【図6】補強ワイヤの連結具の別の実施形態を表す平面
図(a) および断面図(b) 。
【符号の説明】 1 柱状構造体 2 補強ワイヤ 3 保護層 10 自走台車 12 フレーム部 22 ワイヤ巻回リール 24 案内ローラ 30 引き抜き加工部 32 引き抜きダイス 34 導入案内ローラ 40、42 ホイスト 44 吊り下げチェーン 46 走行輪部 48 連結リンク 50 周回案内路 52 トロリーダクト 60 走行輪 70 巻付ローラチェーン 72 案内スプロケット 74 駆動モータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱状構造体の外周に、PCワイヤ単線から
    なる補強ワイヤを緊張させて螺旋状に巻回する工程と、 前記補強ワイヤを埋め込んで前記柱状構造体の外周を保
    護層で被覆する工程とを含む柱状構造体の補強方法。
  2. 【請求項2】前記巻回工程が、一端が固定された前記補
    強ワイヤに引き抜きダイスを嵌挿し、前記引き抜きダイ
    スを前記補強ワイヤの固定側から離れる方向に移動さ
    せ、前記引き抜きダイスで前記補強ワイヤを縮径加工す
    ると同時に緊張させて前記補強ワイヤを前記柱状構造体
    の外周に螺旋状に巻回する請求項1に記載の柱状構造体
    の補強方法。
  3. 【請求項3】前記被覆工程が、保護層として、コンクリ
    ート層、モルタル層および樹脂層のうちの少なくとも何
    れか1種の層を形成する請求項1または2に記載の柱状
    構造体の補強方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載の柱状構造体の補強方
    法で前記巻回工程に用いる補強ワイヤ巻付装置であっ
    て、 前記柱状構造体の外周面に沿って螺旋状に移動できる螺
    旋走行手段を有する自走台車と、 前記自走台車に搭載され、前記自走台車の外部に一端が
    固定された前記補強ワイヤを保持するワイヤ保持部と、 前記自走台車に搭載され、前記自走台車の走行に伴って
    前記補強ワイヤが通過する引き抜きダイスとを備える補
    強ワイヤ巻付装置。
  5. 【請求項5】前記螺旋走行手段が、 前記柱状構造体の外周に沿って配置された周回案内路
    と、 前記周回案内路に沿って移動し前記自走台車を吊り下げ
    て昇降させる昇降手段と、 前記自走台車に搭載され、前記柱状構造体の外周に巻き
    付けられる巻付ローラチェーンと前記巻付ローラチェー
    ンを一方から他方へと送給する巻付ローラチェーン送給
    手段とを有する周回手段とを備える請求項4に記載の補
    強ワイヤ巻付装置。
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