JPH09194561A - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents

硬質発泡合成樹脂の製造方法

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JPH09194561A
JPH09194561A JP8004794A JP479496A JPH09194561A JP H09194561 A JPH09194561 A JP H09194561A JP 8004794 A JP8004794 A JP 8004794A JP 479496 A JP479496 A JP 479496A JP H09194561 A JPH09194561 A JP H09194561A
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正 島田
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弘光 武安
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美奈子 岡村
Masahito Furuumi
正仁 古海
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オゾン破壊のおそれのある特定フロンを使用せ
ずに電気冷蔵庫用の断熱材用硬質ポリウレタンフォーム
を製造する。 【解決手段】活性水素化合物とポリイソシアネート化合
物とを発泡剤および触媒の存在下に反応させて硬質ポリ
ウレタンフォームを製造するにあたり、発泡剤としてシ
クロペンタンと水を使用し、活性水素化合物の少なくと
も一部としてアルキルアミン類のAO付加物を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬質発泡合成樹脂の
製造方法に関し、例えば発泡剤としてシクロペンタンな
どを使用して電気冷蔵庫用の断熱材に好適な硬質発泡合
成樹脂を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特定フロン類によるオゾン層の破壊の防
止のため発泡剤としてR−141b(1,1−ジクロロ
トリフルオロエタン)や水(イソシアネートとの反応で
副生するCO2 による発泡)が使用されている。
【0003】しかし水発泡においては、CO2 ガスの熱
伝導率が高いためその使用が制限されており、電気冷蔵
庫用の断熱材に使用するには困難が伴う。R−141b
についてはオゾン破壊係数(ODP)が0.11と大き
く、かつ、このODPの時間依存性も大きいためその使
用を制限しようとする動きがヨーロッパ、米国などで起
きている。
【0004】シクロペンタンはODPがゼロであるの
で、ヨーロッパを中心として既にシクロペンタンを発泡
剤として使用している。しかしシクロペンタンは疎水性
が高い化合物であるのに対し、硬質発泡合成樹脂用のポ
リオールは概して親水性が高いものが多い。したがっ
て、シクロペンタンを硬質発泡合成樹脂の発泡剤として
用いる場合にはポリオールなどの活性水素化合物との相
互溶解性がきわめて低く、安定なシステム液を得にく
い。このため、シクロペンタンを発泡剤として用いるた
めには溶解性を改良する必要がある。また、シクロペン
タン自身の熱伝導率がR−141bのそれよりも大きい
ために、熱伝導率を低める工夫も必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
るため、本発明者らが検討した結果、シクロペンタンを
発泡剤として使用する場合には、フォーム中の気泡を均
一で細かくすることが輻射伝熱の効果を小さくし、それ
により断熱性の向上を図れることがわかった。
【0006】フォーム中の気泡を均一で細かくするには
適当な反応速度が必要と考えられる。ポリオールの初期
の反応性を高めるため、ポリオールの水酸基を1級水酸
基とすることが行われている。また、イソシアネートと
の反応性向上のための工夫として、ポリオールとイソシ
アネートとの相溶性を高めることが行われている。
【0007】本発明者らはシクロペンタンとポリオール
の相互溶解性の向上が、フォーム中の気泡を均一で細か
くしさらには断熱性の向上が図れることを見いだし、相
溶化向上について研究した結果、炭素数5以上のアルキ
ルアミン類の使用が有効であることを見いだした(特開
平7−157589参照)。
【0008】しかし、これらの化合物は凝固点が高いた
めシクロペンタン添加前工程において析出するなどの問
題があり、システム液の長期安定性が損なわれるおそれ
があることがわかった。
【0009】本発明は、シクロペンタンとポリオールの
相互溶解性の向上に寄与し、かつ、凝固点の問題も解決
でき、システム液の長期安定性を損なわない相溶化剤を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、イソシアネー
ト基と反応しうる活性水素含有官能基を2個以上有する
活性水素化合物とポリイソシアネート化合物を、発泡
剤、触媒その他の助剤の存在下で反応させて硬質発泡合
成樹脂を製造する方法において、発泡剤として炭素数2
〜8の炭化水素またはそれと水を使用し、かつ活性水素
化合物の少なくとも一部としてアルキルアミン類のアル
キレンオキシド付加物を使用することを特徴とする硬質
発泡合成樹脂の製造方法である。
【0011】硬質発泡合成樹脂は、電気冷蔵庫の断熱材
として用いられる。電気冷蔵庫においては、設計思想と
してフォームの断熱性のみならず均一にフォームを充填
することが求められており、硬質発泡合成樹脂の原料
(システム液)の流れ性の向上も求められている。本発
明によれば、この特定の化合物の使用によりシステム液
の流れ性も良好となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、イソシアネート基と
反応しうる活性水素含有官能基を2個以上有する活性水
素化合物の1種または2種以上を使用する。活性水素含
有官能基としては水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基
などがあり、水酸基が特に好ましい。
【0013】本発明では、活性水素化合物の少なくとも
一部としてアルキルアミン類のアルキレンオキシド(以
下、AOという)付加物を使用する。アルキルアミン類
のAO付加物の介在により親水性の活性水素化合物と炭
素数2〜8の炭化水素からなる発泡剤とは、相溶化され
る。
【0014】アルキルアミン類のAO付加物の使用量
は、全活性水素化合物中20重量%以下が好ましい。特
に3〜15重量%、とりわけ3〜8重量%が好ましい。
【0015】アルキルアミン類としては、炭素数5以
上、特に炭素数5〜30のアルキルアミンが好ましい。
具体的にはラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリ
ルアミン等が挙げられる。アルキルアミン類としては天
然油脂をアミノ化して得られる化合物も使用できる。天
然油脂としてはヤシ油、牛脂、硬化牛脂、大豆油などが
挙げられる。
【0016】牛脂をアミノ化して得られる牛脂アミンや
ヤシ油をアミノ化して得られるヤシ油アミンにAOを付
加して得られる化合物が特に好ましく、牛脂アミンにA
Oを付加して得られる化合物がもっとも好ましい。
【0017】AOの付加量はアルキルアミン類のアミノ
基1モルに対して5モル未満であることが好ましい。実
施例で示すように、AOの付加量が5モルを超えると、
相溶化の効果が充分でない、得られる硬質発泡樹脂の熱
伝導率が上昇する、またはシステム液の流れ性が悪化す
る、などが見られる。AOを付加しないアルキルアミン
類を使用すると、活性水素化合物との相溶性が悪化し、
アルキルアミン類が析出するという問題がある。
【0018】アルキルアミン類に付加するAOとしては
エチレンオキシド(以下、EOという)またはプロピレ
ンオキシド(以下、POという)が好ましい。アルキル
アミン類のAO付加物以外の活性水素化合物が、親水性
の高い化合物である場合には、EOの使用が好ましく、
アルキルアミン類のAO付加物以外の活性水素化合物が
疎水性の高い化合物である場合にはPOの使用が好まし
い。
【0019】アルキルアミン類のAO付加物以外の活性
水素化合物としては、広く使用されているポリオールが
好ましく、2個以上のフェノール性水酸基を有する化合
物(例えば、フェノール樹脂初期縮合物)なども使用で
きる。
【0020】ポリオールとしては、ポリエーテル系ポリ
オール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、
水酸基含有ジエン系ポリマーなどがある。特に、ポリエ
ーテル系ポリオールの1種以上のみからなるか、それを
主成分として多価アルコール、その他の活性水素化合物
との併用が好ましい。
【0021】ポリエーテル系ポリオールは、アルカリ触
媒等の触媒と開始剤の存在下、AOを反応させて得られ
るものが好ましい。開始剤としてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、シ
ュークロース等の糖類、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノー
ルアミン、トリレンジアミン等の多価アミン類、ビスフ
ェノールA等の多価フェノール類、およびこれらに少量
のAOを付加して得られる低分子量のポリエーテル系ポ
リオールがある。
【0022】アルキルアミン類のAO付加物以外の活性
水素化合物を得るために使用するAOとしては特に炭素
数2〜4のAOが好ましく、PO、EOおよびこれらの
併用が好ましい。POとEOを併用する場合、これらを
ランダムに、または順次反応させうる。特にPOを反応
させた後、EOを反応させることにより、末端に1級水
酸基を有するポリエーテル系ポリオールが得られる。
【0023】本発明においては、芳香環を有する化合物
を開始剤としてAOを反応させて得られるポリエーテル
系ポリオールを使用することが特に好ましい。具体的に
はトリレンジアミン等の芳香族多価アミン類を開始剤と
するポリエーテル系ポリオール、ビスフェノールA等の
多価フェノール類を開始剤とするポリエーテル系ポリオ
ールおよびそれらの併用が好ましい。
【0024】2個以上のフェノール性水酸基を有する化
合物としては、フェノール類をアルカリ触媒の存在下で
過剰のホルムアルデヒド類と縮合結合させたレゾール型
初期縮合物、このレゾール型初期縮合物を合成する際に
非水系で反応させたベンジリック型初期縮合物、過剰の
フェノール類を酸触媒の存在下でホルムアルデヒド類と
反応させたノボラック型初期縮合物などがある。これら
の初期縮合物の分子量は、500〜10000程度のも
のが好ましい。
【0025】上記においてフェノール類とは、ベンゼン
環を形成する骨格の1個以上の炭素原子が直接水酸基と
結合したものを意味し、その同一構造内に他の置換結合
基を有するものも含まれる。代表的なものとしては、フ
ェノール、クレゾール、ビスフェノールA、レゾルシノ
ールなどがある。また、ホルムアルデヒド類は、特に限
定されないが、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなど
が好ましい。
【0026】本発明における活性水素化合物(特にポリ
オール)の水酸基価は20〜1000mgKOH/g、
特に100〜800mgKOH/g、であることが好ま
しい。もっとも好ましくは200〜600mgKOH/
gである。
【0027】本発明では発泡剤として炭素数2〜8の炭
化水素またはそれと水を使用する。炭素数2〜8の炭化
水素としてはシクロペンタン、プロパン、ブタン、n−
ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、シ
クロヘキサンなどがある。これらは、2種以上の混合物
であってもよい。シクロペンタンが特に好ましい。その
他、以下に挙げるフッ素化ハロゲン化炭化水素やその他
の低沸点ハロゲン化炭化水素、不活性ガスなどを併用し
てもよい。ODPがゼロより大きいフッ素化ハロゲン化
炭化水素は、本発明における発泡剤との併用によりその
使用量を減らしうる。
【0028】本発明においては、シクロペンタンのみま
たはシクロペンタンと水の併用が特に好ましい。
【0029】塩素を含むフッ素化ハロゲン化炭化水素と
しては、R−123(1,1−ジクロロ−2,2,2−
トリフルオロエタン)、R−141b、R−22(モノ
クロロジクロロメタン)、1,2−ジクロロ−1,1,
2−トリフルオロエタン(R−123a),1−クロロ
−1,1−ジフルオロエタン(R−142b)、3,3
−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロ
パン(R−225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,
2,2,3−ペンタフルオロプロパン(R−225c
b)、3−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプ
ロパン(R−244ca)、1−クロロ−1,2,2,
3−テトラフルオロプロパン(R−244cb)、3−
クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン
(R−235ca)、1,1−ジクロロ−1,2,2−
トリフルオロプロパン(R−243cc)などが挙げら
れる。
【0030】塩素を含まないフッ素化炭化水素として、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134
a)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン
(R−356mff)、1,1,1,2,3,3−ヘキ
サフルオロブタン(R−356mec)、1,1,1,
2,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチルプロパン(R
−356myp)、1,1,1,2−テトラフルオロプ
ロパン(R−245eb)、1,1,2,2,3−ペン
タフルオロプロパン(R−245ca)、1,1,1,
3−テトラフルオロプロパン(R−254fb)などが
挙げられる。
【0031】炭素数2〜8の炭化水素の使用量は、活性
水素化合物100重量部に対して、5〜40重量部、特
に10〜30重量部程度が好ましい。また、水の使用量
は、活性水素化合物100重量部に対して、0〜5重量
部、特に0.5〜3重量部程度が好ましい。
【0032】ポリイソシアネート化合物としては、イソ
シアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂
肪族系のポリイソシアネートおよびそれらを変性して得
られる変性体がある。具体的には、トリレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMD
I)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポ
リイソシアネートやそれらのプレポリマー型変性体、ヌ
レート変性体、ウレア変性体などがある。ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソ
シアネートおよびこれらの変性体が特に好ましい。
【0033】活性水素化合物とポリイソシアネート化合
物を反応させる際、通常は触媒の使用を要する。触媒と
しては、活性水素含有官能基とイソシアネート基の反応
を促進する有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やト
リエチレンジアミンなどの3級アミン触媒などを使用で
きる。カルボン酸金属塩などのイソシアネート基どうし
を反応させる多量化触媒も目的に応じて使用できる。
【0034】さらに、良好な気泡を形成するための整泡
剤も多くの場合使用される。整泡剤としては、例えばシ
リコーン系整泡剤や含フッ素化合物系整泡剤などがあ
る。その他、任意に使用しうる配合剤としては、例えば
充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤などがある。
【0035】これらの原料を使用し、ポリウレタンフォ
ーム、ウレタン変性ポリイソシアネートフォーム、その
他の発泡合成樹脂が得られる。本発明は、特に従来ハロ
ゲン化炭化水素系発泡剤の使用量の多い分野であった硬
質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌ
レートフォームの製造において特に有用である。なかで
も、電気冷蔵庫用断熱材である硬質ポリウレタンフォー
ムの製造において特に有用である。
【0036】
【実施例】実施例(例4〜13および例17〜26)お
よび比較例(例1〜3および例14〜16)により、本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されない。
【0037】本発明に従い、硬質ポリウレタンフォーム
を製造した。ここで使用したポリオールおよびアルキル
アミン類のAO付加物は以下のとおりである。
【0038】[ポリオール] A:トリレンジアミンを開始剤とし、PO次いでEOを
重合して得られる、オキシエチレン基含量(以下EO含
量という)20重量%、水酸基価450mgKOH/
g、粘度3×104 cPのポリオール。 B:トリレンジアミンを開始剤とし、POを重合して得
られる、水酸基価350mgKOH/g、粘度3×10
4 cPのポリオール。 C:ビスフェノールAを開始剤とし、PO次いでEOを
重合して得られる、EO含量40重量%、水酸基価28
0mgKOH/g、粘度1×104 cPのポリオール。
【0039】D:シュークロース/グリセリンを開始剤
とし、POを重合して得られる、水酸基価450mgK
OH/g、粘度1×104 cPのポリオール。 E:シュークロース/モノエタノールアミンを開始剤と
し、PO次いでEOを重合して得られる、EO含量5重
量%、水酸基価530mgKOH/g、粘度2×103
cPのポリオール。 F:モノエタノールアミンを開始剤とし、POを重合し
て得られる、水酸基価500mgKOH/g、粘度5×
102 cPのポリオール。
【0040】[アルキルアミン類のAO付加物] H:牛脂アミン。 I:ヤシ油アミン。 J:牛脂アミンのアミノ基にEOの1倍モルを付加して
得られる化合物。 K:牛脂アミンのアミノ基にEOの2倍モルを付加して
得られる化合物。 L:牛脂アミンのアミノ基にEOの3倍モルを付加して
得られる化合物。 M:牛脂アミンのアミノ基にEOの5倍モルを付加して
得られる化合物。
【0041】N:牛脂アミンのアミノ基にPOの1倍モ
ルを付加して得られる化合物。 P:牛脂アミンのアミノ基にPOの2倍モルを付加して
得られる化合物。 Q:牛脂アミンのアミノ基にPOの3倍モルを付加して
得られる化合物。 R:牛脂アミンのアミノ基にPOの5倍モルを付加して
得られる化合物。 S:ヤシ油アミンのアミノ基にEOの2倍モルを付加し
て得られる化合物。 T:ヤシ油アミンのアミノ基にPOの2倍モルを付加し
て得られる化合物。
【0042】[例1〜13]ポリオールAの60重量
部、ポリオールCの10重量部、ポリオールDの20重
量部およびポリオールFの10重量部の合計100重量
部に対し、表1〜2に示すアルキルアミン類のAO付加
物5重量部(ただし、例1は使用しない)、シリコーン
整泡剤2重量部、アミン触媒2.5重量部、水1重量部
およびシクロペンタン18重量部を混合し、システム液
を得た。
【0043】このとき、アルキルアミン類のAO付加物
がシステム液に溶解して均一になっているかどうかを評
価した(表中、溶解性aとした)。評価は、均一の場合
を○、アルキルアミン類のAO付加物がやや析出してい
る場合を△、析出している場合を×、とした。
【0044】また、同時にシステム液全体の溶解性を評
価した(表中、溶解性bとした)。評価は、均一の場合
を○、濁りがある場合を△、相分離を起こしている場合
を×、とした。
【0045】さらに、このシステム液をクルードMDI
と液温20℃で混合し、400×400×50mm
(t)のアルミニウム製のモールド内に投入し発泡させ
た。この発泡体から適度の大きさのサンプルを切出し、
熱伝導率(単位:kcal/m・hr・℃)を測定し
た。
【0046】一方、長尺(1500×300×35mm
(t))のアルミニウム製のモールドを用いて流れ性
(単位:cm/100g)を評価した。これらの結果を
表1〜2に示す。
【0047】[例14〜26]ポリオールBの50重量
部、ポリオールCの5重量部、ポリオールDの20重量
部、ポリオールEの15重量部およびポリオールFの1
0重量部の合計100重量部に対し、表3〜4に示すア
ルキルアミン類のAO付加物5重量部(ただし、例14
は使用しない)、シリコーン整泡剤2重量部、アミン触
媒2.8重量部、水1重量部およびシクロペンタン17
重量部を混合し、システム液を得た。例1と同様に評価
した。これらの結果を表3〜4に示す。
【0048】例1〜13におけるシステム液の方が、例
14〜26におけるシステム液に比べて、親水性の程度
が大きいと考えられる。ポリオール系の親水性・疎水性
の程度により、アルキルアミンのAO付加物の効力も異
なり、親水性の大きい系ではアルキルアミンのEO付加
物(2モル付加物)の使用が有効であり、疎水性の大き
い系ではアルキルアミンのPO付加物(2モル付加物)
の使用が有効であることが見いだされた。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明において、活性水素化合物の少な
くとも一部としてアルキルアミン類のAO付加物を使用
することにより、長期安定性に優れたシステム液が得ら
れる。また、断熱性に優れた硬質発泡合成樹脂が得られ
る。さらにシステム液の流れ性も良好である。よって、
本発明によりオゾン破壊のおそれのある特定フロンを、
シクロペンタン等のオゾン破壊のおそれのない発泡剤に
置き換え、電気冷蔵庫用断熱材に適した硬質発泡合成樹
脂を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 75:04 (72)発明者 古海 正仁 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地2 旭硝子株式会社玉川分室内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート基と反応しうる活性水素含
    有官能基を2個以上有する活性水素化合物とポリイソシ
    アネート化合物を、発泡剤、触媒その他の助剤の存在下
    で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法におい
    て、発泡剤として炭素数2〜8の炭化水素またはそれと
    水を使用し、かつ活性水素化合物の少なくとも一部とし
    てアルキルアミン類のアルキレンオキシド付加物を使用
    することを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】アルキルアミン類が炭素数5以上のアルキ
    ルアミンである請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】アルキルアミン類が天然油脂をアミノ化し
    て得られる化合物である請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】炭素数2〜8の炭化水素がシクロペンタン
    である請求項1、2または3の製造方法。
  5. 【請求項5】アルキルアミン類のアルキレンオキシド付
    加物がアルキルアミン類のアミノ基1モルに対してアル
    キレンオキシド5モル未満を付加して得られる化合物で
    ある請求項1、2、3または4の製造方法。
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