JPH09194433A - トリシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法 - Google Patents
トリシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法Info
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- JPH09194433A JPH09194433A JP850796A JP850796A JPH09194433A JP H09194433 A JPH09194433 A JP H09194433A JP 850796 A JP850796 A JP 850796A JP 850796 A JP850796 A JP 850796A JP H09194433 A JPH09194433 A JP H09194433A
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Abstract
比が8/92以上のジヒドロジシクロペンタジエンを、
CO及びエタノールと反応させてエキソ−トリシクロ
〔5.2.1.02,6〕デカン−エンド−2−カルボン
酸エチルを高められた量含有するトリシクロデカンカル
ボン酸エチルエステルを製造する。 【効果】 本発明方法によれば、エキソ−トリシクロ
〔5.2.1.02,6〕デカン−エンド−2−カルボン
酸エチルを高い比率で含む優れた香料特性を有するトリ
シクロデカンカルボン酸エチルエステルを工業的に有利
に製造することができる。
Description
リシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法に関
する。
テルにはエキソ−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デ
カン−エンド−2−カルボン酸エチル(以下「エキソ
体」という)とエンド−トリシクロ〔5.2.1.0
2,6〕デカン−エキソ−2−カルボン酸エチル(以下
「エンド体」という)の2つの異なる異性体があり、そ
のうち特にエキソ体が匂いが良いことが知られている。
エステルを製造する方法としては、次の代表的な2つの
方法が知られている。 (1)トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デク−8−イ
ルホルメートを強酸と接触させてトリシクロデカンカル
ボン酸となし、次いでこれをエチル化する方法(特開昭
59−20245号及び特公昭62−53499号)。 (2)ジシクロペンタジエンを半還元して得られるジヒ
ドロジシクロペンタジエンを無水HFの存在下、CO及
びエタノールと反応させる方法(特開平2−15294
6号)。
いエキソ体の含有量の高いトリシクロデカンカルボン酸
エチルエステルを得ることができるという利点を有する
が、一旦トリシクロデカンカルボン酸を単離し、更にこ
れをエチル化しなければならないので、操作が煩瑣であ
ると共に、収率が低いという欠点があった。
原料から比較的簡単な操作で目的物を得ることができる
ため、工業的製法として有利である。しかしながら、従
来工業的に容易に入手可能なジシクロペンタジエンを原
料として使用するときは、高い収率を得ようとすると、
匂いの良いエキソ体の含有量が下がり、逆に匂いの良い
エキソ体の含有量を高めようとすれば、収率が著しく悪
くなるという欠点があった。
キソ体の含有量が高い香料特性に優れたトリシクロデカ
ンカルボン酸エチルエステルを工業的有利に製造する方
法を提供せんとするものである。
て、本発明者は上記課題を解決せんと鋭意研究を行った
結果、上記(1)及び(2)の両方法とも、反応系では
次式(A)のエキソ構造と(B)のエンド構造をもつ中
間体が生成するが、(1)の方法ではエキソ構造が多い
のに対し、(2)の方法ではエンド構造が多いことか
ら、その生成物に差が生ずることが明らかになった。
エンド構造中間体が多く生成するのは、従来一般に工業
的に入手できる原料のジシクロペンタジエンはその95
〜99%がエンド体であることに原因すること、従っ
て、エキソ体の含有量の多いジシクロペンタジエンから
得られるジヒドロジシクロペンタジエンを原料として用
いればエキソ体の含有量の高いトリシクロデカンカルボ
ン酸エチルエステルが得られることを見出し、本発明を
完成した。
エキソ体/エンド体比が8/92以上のジヒドロジシク
ロペンタジエンを、CO及びエタノールと反応させるこ
とを特徴とするエキソ−トリシクロ〔5.2.1.0
2,6〕デカン−エンド−2−カルボン酸エチルを高めら
れた量含有するトリシクロデカンカルボン酸エチルエス
テルの製造法を提供するものである。
的物を得るためには、目的物のトリシクロデカンカルボ
ン酸エチルエステルのエキソ体/エンド体比が40/6
0以上になるようにするのが好ましい。そのためには、
エキソ体比率の高い原料を使用することが必要である
が、エンド体の原料も一部エキソ体の目的物に変化する
から、原料のエキソ体/エンド体比が8/92以上、好
ましくは15/85以上であれば本発明の目的とする匂
いの優れた目的物を得ることができる。
/92以上のジヒドロジシクロペンタジエンは、例えば
特開平2−17130号の方法に従って得られたエキソ
体の比率が高いジシクロペンタジエンを銅−クロム触媒
の存在下に水素添加することにより製造される。
2946号に記載の方法と同様にして実施される。HF
の使用量は、原料のエキソ−ジヒドロジシクロペンタジ
エンに対して5モル倍以上、好ましくは10〜25倍モ
ルである。HFのモル比がこれより低いとエステルの収
率が低下し、またHFが25倍モルを超えても収率に悪
影響を与えないが、それ以上の収率の向上は認められな
いので経済的に好ましくない。反応温度は−20〜60
℃が好ましく、これより低いと反応速度が遅く、また6
0℃を超えると重合等の副反応が生起して収率が低下す
るので好ましくない。COガスの圧力は5〜50気圧が
好ましい。圧力は高い方が収率がよいが、耐圧に対する
設備コストとのバランスによって決定される。
エンの反応系への添加は、自己重合をできるだけ避ける
ために、少しづつ加えるのがよく、そのためには定流量
ポンプを用いて少しづつ加えるか、あるいは希釈剤を用
いるのが好ましい。希釈剤としては、HFと反応せずか
つ系中で副反応を起こさないものであれば何れでもよ
く、例えばヘキサン等の飽和炭化水素、塩化メチレン等
のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
ロ〔5.2.1.02,6〕デカン−エンド−2−カルボ
ン酸エチルを高い比率で含む優れた香料特性を有するト
リシクロデカンカルボン酸エチルエステルを工業的有利
に製造することができる。
み、10℃に保ちながらCOガス圧40atmに加圧
し、圧入ポンプで原料ジヒドロジシクロペンタジエン
(エキソ体29%、エンド体60%、テトラヒドロジシ
クロペンタジエン11%の混合物)67g(0.45モ
ル)とエタノール28gの混合液を連続的に圧入して反
応させた。CO圧は、順次追加し30〜40atmを維
持するように制御した。注入終了後30分間攪拌を続
け、ガスの吸収がなくなったことを確認したのち氷水中
に投入した。これに四塩化炭素100mlを加え、分液に
より有機層を取り出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥さ
せ、濾過後溶媒を留去して残留物80gを得、更にこれ
を蒸留してエステル混合物72.2g(収率78%)を
得た。このエステル混合物はガスクロ分析した結果、エ
キソ−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−エン
ド−2−カルボン酸エチルとエンド−トリシクロ〔5.
2.1.02,6〕デカン−エキソ−2−カルボン酸エチ
ルの比率は46/54であった。
ンを水添して製したエンド−ジヒドロジシクロペンタジ
エン(純度92%、エンド体99%以上、テトラヒドロ
体8%)に代える以外は実施例1と同一の条件で反応さ
せエステル混合物を収率76%で得た。このエステル混
合物をガスクロ分析した結果、エキソ体/エンド体の比
率は33/67であった。
のオートクレーブにシクロヘキサン50gと銅−クロム
触媒5gを仕込み、水素で置換した後、175℃、水素
圧50atmで30分間触媒を活性化させる。その後、室
温に冷却させた後、エキソ−ジシクロペンタジエン(エ
キソ体32%、エンド体77%、その他1%)200g
を仕込み、水素圧10〜15atm、温度70℃でほぼ当
量の水素が吸収されるまで、すなわち、水素吸収が急激
に遅くなるまで注意深く反応させ、ジヒドロジシクロペ
ンタジエン(エキソ体29%、エンド体60%)89%
とテトラヒドロジシクロペンタジエン11%からなる混
合物を得た。
Claims (2)
- 【請求項1】 無水HFの存在下、エキソ体/エンド体
比が8/92以上のジヒドロジシクロペンタジエンを、
CO及びエタノールと反応させることを特徴とするエキ
ソ−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−エンド
−2−カルボン酸エチルを高められた量含有するトリシ
クロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法。 - 【請求項2】 トリシクロデカンカルボン酸エチルエス
テルのエキソ体/エンド体比が40/60以上である請
求項1記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00850796A JP3436838B2 (ja) | 1996-01-22 | 1996-01-22 | トリシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP00850796A JP3436838B2 (ja) | 1996-01-22 | 1996-01-22 | トリシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法 |
Publications (2)
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---|---|
JPH09194433A true JPH09194433A (ja) | 1997-07-29 |
JP3436838B2 JP3436838B2 (ja) | 2003-08-18 |
Family
ID=11695046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00850796A Expired - Lifetime JP3436838B2 (ja) | 1996-01-22 | 1996-01-22 | トリシクロデカンカルボン酸エチルエステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3436838B2 (ja) |
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-
1996
- 1996-01-22 JP JP00850796A patent/JP3436838B2/ja not_active Expired - Lifetime
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TWI791768B (zh) * | 2018-02-16 | 2023-02-11 | 日商三菱瓦斯化學股份有限公司 | ]癸烷-2-羧酸酯之製造方法 |
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