JPH09193760A - ペダル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーム手段の長さを充分に取ることが困難な
小スペース下にあっても、常に踏み易い状態でペダルを
作動させる。 【解決手段】 車体に固定されるブラケット３と、該ブ
ラケットに一端が回転可能に取り付けられ、回転力を他
に伝達するためのアーム手段５，７と、該アーム手段を
回転させるために足踏み操作されるペダル１１，１２と
を備え、前記ペダルの面の角度を、前記ペダルの踏み込
み開始から踏み込み完了までの間において一定に保つよ
うにした構成にしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に具備さ
れるペダル装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は、従来のブレーキペダルを作動さ
せる為のペダル装置の構成を示す図である。

【０００３】同図において、１０１は車体の壁であり、
この壁１０１にマスタシリンダ１０２及びブラケット１
０３が螺子によって固定される。前記ブラケット１０３
に形成された穴にはピン１０４が嵌合され、該ピン１０
４によってペタルアーム１０５の一端が回転可能に取り
付けられる。そして、このペダルアーム１０５の他端に
ペダルパッド１０６が溶接によって固定され、該ペダル
パッド１０６にはペダルラバー１０７が被せられる。前
記ペダルパッド１０６とペダルラバー１０７によりブレ
ーキペダルが構成される。

【０００４】また、前記ペダルアーム１０５に形成され
た穴にはピン１０８が嵌合され、該ピン１０８にヨーク
１０９が回転可能に取り付けられる。このヨーク１０９
にはプッシュロッド１１０が連結されており、図示の様
に、運転者の足（靴）１１１によって前記ブレーキペダ
ルが踏み込まれると、前記マスタシリンダ１０２に液圧
が発生し、公知の様にしてブレーキ（制動力）が掛かる
ことになる。なお、１１２は前記ブレーキペダルに対す
る足１１１による踏み込みが解除された際に、前記ペダ
ルアーム１０５を元の位置に復帰させる為のリターンス
プリングである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、車両にはそ
の用途（例えば自動車教習所での使用）によっては補助
ブレーキが具備されている。この補助ブレーキは補助席
側に設けられることになるが、補助席側にはクーラーの
ダクトやファンのモータ等があるため、運転席側に設け
られたブレーキに比べ、前記ブレーキアーム１０５を長
くすることが出来なかった。

【０００６】この為、ブレーキペダルを踏んでブレーキ
を掛けた際のペダルパッド１０６の面の角度（傾き）の
変化、つまりブレーキペダルを踏む前と踏み込んだ際と
の間の角度の変化（ピン１０４を中心とした）が、ペダ
ルアーム１０５を長くすることのできるものに比べ大き
くなり、図３からも明らかな様に、ブレーキペダルを適
正に踏みにくいものであった。従って、補助ブレーキを
使用する際は危険を伴う場合であるにも拘わらず、滑っ
たり、慌てている為にブレーキペダルを踏み外し、大事
故につながる恐れのあるものであった。

【０００７】（発明の目的）本発明の目的は、アーム手
段の長さを充分に取ることが困難な小スペース下にあっ
ても、常に踏み易い状態でペダルを作動させることので
きるペダル装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の本発明は、車体に固定されるブラケ
ットと、該ブラケットに一端が回転可能に取り付けら
れ、回転力を他に伝達するためのアーム手段と、該アー
ム手段を回転させるために足踏み操作されるペダルとを
備えたペダル装置において、前記ペダルの面の角度を、
前記ペダルの踏み込み開始から踏み込み完了までの間に
おいて一定に保つようにした構成にしている。

【０００９】同じく上記目的を達成するために、請求項
２記載の本発明は、車体に固定されるブラケットの２点
に、第１ペダルアームと第２ペダルアームの一端をそれ
ぞれ回転可能に取り付け、前記第１ペダルアームと第２
ペダルアームの他端をペダル取付部材により前記ブラケ
ット、第１ペダルアーム、ペダル取付部材、第２ペダル
アームが平行四辺形を形成するように取り付け、前記ペ
ダル取付部材の前端にペタルを取り付け、前記ペダルの
踏み込み開始時点から踏み込み完了時点までの間におい
て、前記ペダル取付部材を前記ブラケットに対して平行
に移動させるようにしている。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。

【００１１】図１は本発明の実施の一形態に係る補助ブ
レーキ用のペダル装置の構成を示す図である。

【００１２】車体の壁１には、マスタシリンダ２及びペ
ダル装置の構成要素の一つであるブラケット３が螺子に
よって固定される。前記ブラケット３には前後（図１の
左右方向）に二つの穴が形成されており、一方の穴には
ピン４が嵌合され、該ピン４によって第１ペダルアーム
５の一端が回転可能に取り付けられ、他方の穴にはピン
６が嵌合され、該ピン６によって第２ペダルアーム７の
一端が回転可能に取り付けられる。

【００１３】前記第１ペダルアーム５及び第２ペダルア
ーム７の他端は共にペダルパッド取付部材８に、ピン
９，１０によってそれぞれ回転可能に取り付けられる。
そして、ペダルパッド取付部材８にはペダルパッド１１
が溶接によって固定され、該ペダルパッド１１にはペダ
ルラバー１２が被せられる。前記ペダルパッド１１及び
ペダルラバー１０７によりブレーキペダルが構成されて
いる。すなわち、ブラケット３、第１ペダルアーム５、
第２ペダルアーム７、ペダルパッド取付部材８が平行四
辺形を形成するように連結されている。

【００１４】また、前記第２ペダルアーム７に形成され
た穴にはピン１３が嵌合され、該ピン１３にヨーク１４
が回転可能に取り付けられる。このヨーク１４にはプッ
シュロッド１５が連結されており、図示の様に、運転者
の足（靴）１６によって前記ブレーキペダルが踏み込ま
れると、前記マスタシリンダ２に液圧が発生する。な
お、１７は前記ブレーキペダルに対する足１６による踏
み込みが解除された際に、前記第１ペダルアーム５及び
第２ペダルアーム７を元の位置に復帰させる為のリター
ンスプリングである。

【００１５】本実施の形態におけるペダル装置は、上記
のブラケット３，第１ペダルアーム５，第２ペダルアー
ム７，ペダルパッド取付部材８，ペダルパッド１１、ペ
ダルラバー１２、及び、ピン４，６，９，１０によって
構成される。

【００１６】次に、補助ブレーキを作動させた時の、つ
まりブレーキペダルを踏み込んだ時の各部材の動きにつ
いて、図２を用いて説明する。

【００１７】補助ブレーキを掛ける為にブレーキペダル
が踏み込まれると、該ブレーキペダルは図２の後方（図
２の左方向）に移動し、これに伴って第１ペダルアーム
５及び第２ペダルアーム７がピン４，６を中心に回転す
る様になる。従って、前記第２ペダルアーム７に取り付
けられたヨーク１４が後方に移動する為、該ヨーク１４
に連結されたプッシュロッド１５が押し込まれ、マスタ
シリンダ２に液圧が発生し、公知の様にしてブレーキが
掛かることになる。

【００１８】上記の様にしてブレーキは掛かることにな
るが、前述の様にブレーキペダルが踏み込まれた際、そ
の構成要素であるペダルパッド取付部材８はピン９，１
０によって第１ペダルアーム５及び第２ペダルアーム７
にそれぞれ回転可能に取り付けられている為、ブラケッ
ト３と平行状態を保ちつつ後方へ移動することになる。

【００１９】従って、ブレーキパッド１１の面の角度
（傾き）は該ブレーキペダルの踏み込み開始時点から踏
み込み完了時点までの間において全く変化せず（図２参
照）、運転者側に設けられる、ペダルアームを長くする
ことのできるブレーキペダル（不図示）と同様に、踏み
易いものにすることができる。よって、従来の様に滑っ
たり、慌てている為にブレーキペダルを踏み外すといっ
たことを確実に無くすことが出来、本来の補助ブレーキ
といった機能を確実に発揮させることが可能となる。

【００２０】本発明は、補助ブレーキ用ペダル装置に適
用した例を述べたが、これに限定されるものではなく、
例えば主ブレーキ用ペダル装置やクラッチ用ペダル装置
であっても良く、充分にスペースを取ることが出来ない
場所において使用されるペダルであれば同様に適用でき
るものである。更に、比較的スペースを取れる場所であ
っても、該ペダル装置の小型化が有利なものに対しての
適用は、安全性が確保される限りにおいて有効である事
は言うまでもない。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ペダルの面の角度を、前記ペダルの踏み込み開始から踏
み込み完了までの間において一定に保つようにしてい
る。

【００２２】よって、アーム手段の長さを充分に取るこ
とが困難な小スペース下にあっても、常に踏み易い状態
でペダルを作動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係るペダル装置の構成
を示す側面図である。

【図２】図１のブレーキペダルを操作する際の各部材の
動きを説明する為の図である。

【図３】従来のペダル装置の構成を示す側面図である。

【符号の説明】

２ マスタシリンダ ３ ブラケット ４，６，９，１０ ピン ５ 第１ペダルアーム ７ 第２ペダルアーム ８ ペダルパッド取付部材 １１ ペダルパッド １２ ペダルラバー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体に固定されるブラケットと、該ブラ
   ケットに一端が回転可能に取り付けられ、回転力を他に
   伝達するためのアーム手段と、該アーム手段を回転させ
   るために足踏み操作されるペダルとを備えたペダル装置
   において、前記ペダルの面の角度を、前記ペダルの踏み
   込み開始から踏み込み完了までの間において一定に保つ
   ようにしたことを特徴とするペダル装置。
2. 【請求項２】 車体に固定されるブラケットの２点に、
   第１ペダルアームと第２ペダルアームの一端をそれぞれ
   回転可能に取り付け、前記第１ペダルアームと第２ペダ
   ルアームの他端をペダル取付部材により前記ブラケッ
   ト、第１ペダルアーム、ペダル取付部材、第２ペダルア
   ームが平行四辺形を形成するように取り付け、前記ペダ
   ル取付部材の前端にペタルを取り付け、前記ペダルの踏
   み込み開始時点から踏み込み完了時点までの間におい
   て、前記ペダル取付部材を前記ブラケットに対して平行
   に移動させるようにしたペダル装置。