JPH09193737A - エアバッグコントローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートベルト非装着時には、エアバッグの機
能が充分でないことを搭乗者に確実に報知して、搭乗者
保護をより万全なものにする。 【解決手段】 シートベルトが装着されていない場合
に、警報手段（ＬＥＤ８）により警報を発する機能をエ
アバッグコントローラ２に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エアバッグの機能
が充分発揮できない状態であることを搭乗者に的確に報
知できるエアバッグコントローラに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエアバッグコントローラは、一般
に、コントローラが故障した場合などで、エアバッグと
しての機能を充分発揮できない時は、警告灯を点灯もし
くは点滅させることによりドライバーに知らせる機能を
もっている。また、特開平７−１６５００８号公報に見
られるように、シートベルを装着しているか否かによ
り、エアバッグの作動開始時期或いは膨らみ量を変化さ
せる制御装置を設けたものも知られている。しかしなが
ら、シートベルトを着用していない事をドライバーや他
の搭乗者に知らせる機能は、従来のエアバッグコントロ
ーラは有していなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このため、従来のエア
バッグコントローラでは、ドライバーがエアバッグの機
能を誤って信じてしまう可能性があった。というのは、
少なくとも国内向け自動車は、搭乗者がシートベルトを
装着していることを前提としてエアバッグの仕様（作動
開始時期、膨らみ量等）が設定してあり、顔面及び頭部
のみの保護をエアバッグに受持たせるようにしている。
このため、シートベルトを着用していないと、搭乗者の
身体全体を保護できず、結果的にエアバッグの本来の機
能が阻害される。ところが、一般の搭乗者はこのような
事情を通常は知らないため、従来のエアバッグコントロ
ーラの表示のみを信じて、たとえシートベルトを装着し
てなくても、エアバッグが正常なのだから安全だと勘違
いし易かった。

【０００４】そこで本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたもので、シートベルト非装着時に
は、エアバッグの機能が充分でないことを搭乗者に確実
に報知して、搭乗者保護をより万全なものにできるエア
バッグコントローラを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載のエアバッグコントローラは、異常が
ある場合に警報を発する警報手段を備えたエアバッグコ
ントローラにおいて、シートベルトが装着されていない
場合に、前記警報手段により警報を発する機能を有する
ことを特徴とする。

【０００６】また、請求項２記載のエアバッグコントロ
ーラは、前記警報手段が、発光或いは表示により前記警
報を行う発光表示手段であることを特徴とする。

【０００７】また、請求項３記載のエアバッグコントロ
ーラは、前記警報手段が、警報音の出力により前記警報
を行なう音声出力手段であることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。第１例 まず、図１により第１例のエアバッグコントローラにつ
いて説明する。図１において符号１で示すものはバッテ
リーであり、エアバッグコントローラを含むシステムの
電源であって、例えば車両のイグニションスイッチに連
動してオンとなるものである。そして、符号２で示すも
のが、本例のエアバッグコントローラであり、前記バッ
テリー１の他に、スクイブ６とシートベルトスイッチ９
とＬＥＤ８（警報手段、発光表示手段）とが接続されて
いる。エアバッグコントローラ２は、衝突時の加速度を
検出し、その加速度に比例した電圧を出力する加速度セ
ンサ３と、この加速度センサ３の出力を受けて衝突の度
合を判別し、エアバッグを展開すべき時に制御信号を出
力するＣＰＵ４と、このＣＰＵ４からの信号を受けてス
クイブ６に電流を流すトランジスタ５と、ＣＰＵ４から
の信号を受けてＬＥＤ８を駆動するためのトランジスタ
７とを備える。なお、ここでＣＰＵ４は、図示省略した
ＲＯＭ等に登録されたプログラムに基づいて制御処理を
行なう。

【０００９】スクイブ６は、エアバッグを展開する時に
火薬を着火させるための発熱用抵抗であり、シートベル
トスイッチ９は、シートベルトが装着されているか否か
を検出するスイッチである。そして、ＣＰＵ４の処理機
能には、衝突判断を行なって前述の制御信号を出力する
通常のエアバッグ制御機能のほかに、エアバッグコント
ローラ２自体の故障（例えば加速度センサ３などの故
障）を検出し、ＬＥＤ８を点灯又は点滅させる自己診断
機能、さらには、シートベルトスイッチ９の状態を適宜
或いは周期的に読み込み、シートベルトが非装着の時に
ＬＥＤ８を点灯又は点滅させる機能（以下、エアバッグ
機能低下報知機能）を有しており、エアバッグコントロ
ーラ２自体が故障した場合や、シートベルトが着用され
ていない場合などには、ＬＥＤ８が点灯又は点滅する構
成となっている。

【００１０】なお図１では、スクイブ６やシートベルト
スイッチ９が一つしか設けられていないが、一つの車両
において、エアバッグが運転席の他に助手席等にも設け
られている場合には、これら複数のエアバッグに対し
て、上記スクイブ６やトラジスタ５がそれぞれ設けら
れ、またシートベルトスイッチが各座席毎に設けられ
る。そして、このように複数の座席毎にエアバッグやシ
ートベルトスイッチが設けられた場合における前記エア
バッグ機能低下報知機能は、単一のＬＥＤ８を設けてい
ずれかのシートベルトが非装着の時にこの単一のＬＥＤ
８を点灯又は点滅させる態様でもよいし、各座席毎にＬ
ＥＤ８を設けてこれら複数のＬＥＤのうちで該当するも
ののみを点灯又は点滅させる態様でもよい。この場合、
各座席毎に設けたＬＥＤのいずれかを点灯又は点滅させ
る態様とした場合には、車両に複数設けられたエアバッ
グのうちで、どのエアバッグの機能が低下しているか
（どの座席のシートベルトが非装着であるか）が判別で
きることになり、よりきめの細かい報知が可能となる。

【００１１】このように本例のエアバッグコントローラ
２であると、自己診断機能の他に、前記エアバッグ機能
低下報知機能を有しているので、シートベルトが非装着
でエアバッグの機能が低下していることが、エアバッグ
がシートベルトの装着を前提として設計されていること
を知らない運転者や搭乗者にも確実に報知され、シート
ベルトの装着を強く促すことができるので、車両の衝突
事故等からの運転者等の保護がより万全なものとなる。
なお、本例では、発光により警報を与えるようにしてい
るので、音声出力による警告が聞えにくい状況（例え
ば、高速走行時等）において、より確実にエアバッグの
機能が低下していることが報知される。またなお、本発
明の発光表示手段は、本例のようなＬＥＤに限られず、
例えば電球或いは蛍光燈よりなるものでもよいし、小型
のＣＲＴや液晶ディスプレイに警告用の文字等を表示す
るものであってもよい。

【００１２】第２例 次に、図２により第２例のエアバッグコントローラにつ
いて説明する。なお、図１に示す第１例と同様の構成要
素には同符号を付してその説明を省略する。この例で
は、前記第１例のＬＥＤ８の代りにブザー１３（警報手
段、音声出力手段）が設けられ、このブザー１３がトラ
ンジスタ１２を介してＣＰＵ１１により制御される構成
となっている。ＣＰＵ１１は、加速度センサ３の出力を
受けて衝突の度合を判別し、エアバッグを展開すべき時
にトランジスタ５に制御信号を出力してスクイブ６に電
流を流す通常のエアバッグ制御機能の他に、前述の自己
診断機能や、シートベルトが非装着のときに前記ブザー
１３を鳴らすエアバッグ機能低下報知機能を有する。

【００１３】すなわち、ＣＰＵ１１の処理機能には、エ
アバッグコントローラ２自体の故障（例えば加速度セン
サ３などの故障）を検出し、ブザー１３を作動させる自
己診断機能、さらには、シートベルトスイッチ９の状態
を読みシートベルトが非装着の時にブザー１３を作動さ
せる機能（以下、エアバッグ機能低下報知機能）を有し
ており、エアバッグコントローラ２自体が故障した場合
や、シートベルトが着用されていない場合には、ブザー
１３が警報音を出力する構成となっている。

【００１４】このように本例のエアバッグコントローラ
２であっても、自己診断機能の他に、エアバッグ機能低
下報知機能を有しているので、シートベルトが非装着で
エアバッグの機能が低下していることが、エアバッグが
シートベルトの装着を前提として設計されていることを
知らない運転者や搭乗者にも確実に報知され、シートベ
ルトの装着を強く促すことができるので、車両の衝突事
故等からの運転者等の保護がより万全なものとなる。な
お、本例では、ブザー音の出力により警報を与えるよう
にしているので、発光或いは表示による警告が見にくい
日中等の状況において、より確実にエアバッグの機能が
低下していることが報知される。またなお、本発明の音
声出力手段は、上記のようなブザーに限られず、例えば
スピーカーとアンプ、及び音声情報を記憶するＩＣメモ
リや磁気テープ等の記憶手段とよりなり、予め登録され
た警報音や音声（例えば、「シートベルトを着用して下
さい」等の合成音）をＣＰＵ１１の制御に従って出力す
るものであってもよい。

【００１５】以上、本発明の二つの形態例を説明した
が、本発明のエアバッグコントローラはこれら態様に限
られず、各種の変形等があり得る。例えば警報手段とし
て、発光表示手段と音声出力手段の両方を有し、シート
ベルトが非装着のときには、ＬＥＤの点灯等による警報
表示と、ブザー音等の警報音出力の両者を行なう構成で
もよい。また例えば、ＣＰＵ１１がシートベルトが非装
着であることを検知してから一定時間の間は、警報表示
のみを行ない、一定時間経過後にはブザー音等の警報音
出力をも行なうといったように、両者を組合せたエアバ
ッグ機能低下報知機能としてもよい。

【００１６】

【発明の効果】請求項１記載のエアバッグコントローラ
によれば、シートベルトが装着されていない場合に、警
報手段により警報が発せられる。このため、シートベル
トが非装着でエアバッグの機能が低下していることが、
エアバッグがシートベルトの装着を前提として設計され
ていることを知らない運転者や搭乗者にも確実に報知さ
れ、シートベルトの装着を強く促すことができるので、
車両の衝突事故等からの運転者等の保護がより万全なも
のとなる。

【００１７】また、請求項２記載のエアバッグコントロ
ーラによれば、前記警報手段が、発光或いは表示により
前記警報を行う発光表示手段であるため、音声出力によ
る警告が聞えにくい状況（例えば、高速走行時等）にお
いて、より確実にエアバッグの機能が低下していること
が報知できる。

【００１８】また、請求項３記載のエアバッグコントロ
ーラは、前記警報手段が、警報音の出力により前記警報
を行なう音声出力手段であるため、発光或いは表示によ
る警告が見にくい日中等の状況において、より確実にエ
アバッグの機能が低下していることが報知できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１例であるエアバッグコントローラ
の構成を示す回路図である。

【図２】本発明の第２例であるエアバッグコントローラ
の構成を示す回路図である。

【符号の説明】

２ エアバッグコントローラ ４，１１ ＣＰＵ ８ ＬＥＤ（警報手段、発光表示手段） ９ シートベルトスイッチ １３ ブザー（警報手段、音声出力手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異常がある場合に警報を発する警報手段
   を備えたエアバッグコントローラにおいて、 シートベルトが装着されていない場合に、前記警報手段
   により警報を発する機能を有することを特徴とするエア
   バッグコントローラ。
2. 【請求項２】 前記警報手段は、発光或いは表示により
   前記警報を行う発光表示手段であることを特徴とする請
   求項１記載のエアバッグコントローラ。
3. 【請求項３】 前記警報手段は、警報音の出力により前
   記警報を行なう音声出力手段であることを特徴とする請
   求項１又は２記載のエアバッグコントローラ。