JPH09193605A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH09193605A
JPH09193605A JP8005993A JP599396A JPH09193605A JP H09193605 A JPH09193605 A JP H09193605A JP 8005993 A JP8005993 A JP 8005993A JP 599396 A JP599396 A JP 599396A JP H09193605 A JPH09193605 A JP H09193605A
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arc
tire
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tread
curvature
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Hiroyuki Matsumoto
浩幸 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空荷時および積荷時のそれぞれにおいて、ワ
ンダリング現象の発生を抑制して直進安定性を向上させ
る。 【解決手段】 規定内圧の充填下での、タイヤ幅方向断
面内のトレッド外輪郭形状を、タイヤ断面の対称軸X−
X上に中心を有する第1の円弧CR1 と、この第1の円
弧に隣接する第2の円弧CR2 と、第2の円弧のタイヤ
幅方向の外側に連続する第3の円弧CR3 との少なくと
も三種類の円弧で画成し、第2および第3の円弧C
2 ,CR3 のそれぞれを、第1の円弧CR1 の仮想延
長線aよりタイヤ半径方向の外側に配設するとともに、
第2の円弧CR2 の曲率半径R2 を、第3の円弧CR3
の曲率半径R3 より大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば轍等の
凹凸を有する路面の傾斜面上を車両が走行する場合に生
じる、運転者が予測できないようなタイヤの複雑な動
き、いわゆるワンダリング現象の発生を、空荷時、積荷
時の別なく抑制して、直進安定性を大きく向上させた空
気入りラジアルタイヤ、なかでも、軽トラック、小型ト
ラック・バスおよびトラック・バスに用いて好適なタイ
ヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーカスコードをタイヤ赤道面と実質的
に直交する方向に延在させて配設したラジアルタイヤ
は、耐摩耗性および操縦安定性にすぐれることから、近
年の車両の高速化とも相俟って、乗用車のみならず、小
型トラック、トラック・バス等の車両においても、ラジ
アルタイヤがバイアスタイヤに比して多用されるに至っ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、道路網の整
備拡充によって、車両の高速走行が日常的に行われる昨
今においては、ラジアルタイヤにおいてとくに激しいワ
ンダリング現象の発生を十分に抑制して直進安定性を高
め、安全性を一層向上させることが強く要求されてい
る。
【0004】ここで、ラジアルタイヤにおけるワンダリ
ング現象の発生についてみるに、図4に例示するよう
に、タイヤTが轍等の傾斜路面S上を転動する場合に
は、タイヤTには、負荷荷重W、路面からの反力FR
よびキャンバースラストFc のそれぞれが作用し、そし
て、これらのそれぞれの力の水平方向分力の合力として
の横力FY が働くことになる。ところで、タイヤをラジ
アル構造とした場合には、トレッド部の剛性が高くなっ
て、バイアス構造のタイヤに比してキャンバースラスト
c が小さくなるため、図では傾斜路面Sの下側に向く
横力FY が、キャンバースラストFc の減少分に相当す
るだけ相対的に大きくなり、それ故に、タイヤTの、傾
斜面下方への滑り落ち傾向が強くなって、轍乗越しが困
難となるワンダリング現象が発生する。
【0005】そこで、この発明は、ラジアルタイヤのキ
ャンバースラストを増加させることによって、轍路等の
傾斜面上でのワンダリング現象の発生を作用荷重の大
小、いいかえれば、トレッド接地幅の大小にかかわら
ず、十分に抑制して直進安定性を大きく向上させた空気
入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の空気入りラジ
アルタイヤは、ともに一対をなすビード部およびサイド
ウォール部と、両サイドウォール部に連続するトロイド
状のトレッド部とを具えるとともに、それらの各部を補
強するラジアルカーカスと、このラジアルカーカスのク
ラウン部の外周側でトレッド部を補強するベルトとを具
えるものであり、規定内圧の充填下での、タイヤ幅方向
断面内のトレッド外輪郭形状を、タイヤ赤道面に重な
る、タイヤ断面の対称軸上に中心を有する第1の円弧
と、この第1の円弧に隣接する第2の円弧と、この第2
の円弧の、タイヤ幅方向の外側に連続する第3の円弧と
の少なくとも三種類の円弧で画成し、第2および第3の
円弧のそれぞれを、第1の円弧の仮想延長線よりタイヤ
半径方向の外側に配設するとともに、第2の円弧の曲率
半径を、第3の円弧のそれより大きくしたものである。
【0007】ここで好ましくは、第2の円弧の曲率半径
を、第1の円弧のそれよりも大きくし、また好ましく
は、第1の円弧と、第2の円弧との接合位置に周方向溝
を設ける。
【0008】そして、より好ましくは、第1の円弧と第
2の円弧とを、タイヤ断面の中心軸から、トレッド幅の
0.15〜0.28倍の位置で接合させ、さらに好まし
くは、トレッド部に、傾斜面上での転動時にのみ接地す
る側方張出し部を設ける。
【0009】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、タイヤへの規定内圧の
充填状態の下での、タイヤ幅方向断面内のトレッド外輪
郭形状を示すものであり、図示以外のタイヤ構成部分
は、従来の一般的なラジアルタイヤと同様の構造を有す
るものとする。
【0010】ここでは、タイヤ赤道面に重なるタイヤ断
面の対称軸X−X上に中心を有する第1の円弧CR
1 を、この第1の円弧CR1 に隣接し、対称軸X−Xか
ら0〜0.28Wの位置の、X−Xと平行な線上に中心
を有する第2の円弧CR2 と、この第2の円弧CR
2 の、タイヤ幅方向の外側に、好ましくは滑らかに連続
する第3の円弧CR3 との三種類の円弧で画成し、第2
および第3の円弧CR2 ,CR 3 をいずれも、第1の円
弧CR1 の仮想延長線aよりもタイヤの半径方向外側に
位置させるとともに、第2の円弧CR2 の曲率半径R2
を、第3の円弧CR3 の曲率半径R3 より大きくする。
このような外輪郭形状の下では、多くは、第1の円弧C
1 と第2の円弧CR 2 との接合部に凹部が形成される
ことになる。なおここにおいて、円弧の種類は四種類以
上の複数種類とすることも可能である。
【0011】かかるタイヤにおいて、より好ましくは、
第1の円弧CR1 の曲率半径R1 を、第2の円弧CR2
の曲率半径R2 より小さくし、また好ましくは、第1の
円弧CR1 と第2の円弧CR2 との接合位置に周方向溝
Gを設ける。
【0012】さらに好ましくは、第1の円弧CR1 と第
2の円弧CR2 とを、対称軸X−Xからトレッド幅Wの
0.15〜0.28倍の範囲内で接合させ、より好まし
くは、トレッド部TDに、傾斜路面上でのタイヤの転動
時にのみ接地する側方張出し部SIを設ける。
【0013】以上のように構成してなるタイヤの作用
を、図2に例示するところに基づいて以下に説明する。
傾斜路面S上を転動するタイヤへのキャンバースラスト
C は、トレッド部TDが傾斜路面Sに接地してトレッ
ド部TDが撓み変形した場合に、タイヤ幅方向断面内
で、トレッド部TDの本来的な曲線状輪郭線が直線状に
延ばされることに伴う、トレッド部TDの曲げ変形b
s,bC がそのトレッド部TDの剪断変形S S , C
もたらし、この剪断変形SS , C によって生じる、斜
面を登る方向の剪断応力fCS,fCCの合力として発生す
るものである。従って、キャンバースラストFC を増加
させるためは、トレッド部TDの曲線状輪郭線の曲率半
径を小さくして、剪断変形量、ひいては、剪断応力
CS,fCCを高めることが有効である。
【0014】ここでとくに、小型トラック用、トラック
・バス用等のタイヤにあっては、空荷時と積荷時とて負
荷される荷重が大きく相違し、これがためトレッド接地
幅もまた大きく変化し、積荷時にはトレッド幅のほぼ全
体が接地するのに対し、空荷時の接地幅は、トレッド幅
のほぼ半分となるので、空荷時と積荷時との別なく、常
に大きなキャンバースラストFC を発生するタイヤ、ひ
いては、トレッド部TDの外輪郭形状の出現が強く望ま
れている。
【0015】ところで、空荷時に大きなキャンバースラ
ストFC を発生させるためには、空荷時に接地するトレ
ッド部中央区域、すなわち第1の円弧CR1 にて画成さ
れるトレッド部分の曲率半径R1 を小さくすることが有
効であるも、トレッド部分の全体をその曲率半径R1
基づく円弧にて画成した場合には、図3に例示するよう
に、トレッド部TD1 の、対称軸X−X上におけるタイ
ヤ半径方向の高さと、トレッド端における半径方向高さ
との差Hが大きくなりすぎ、積荷時においてもなお、ト
レッド端部分が接地できなくなり、それ故に、積荷時の
キャンバースラストFC が逆に低下することになる不都
合がある。
【0016】そこでこのタイヤでは、第1の円弧CR1
の曲率半径を十分小さくしてなお、差Hが過大にならな
いように、第1の円弧CR1 に隣接し、その円弧CR1
の仮想延長線aよりタイヤ半径方向の外側に位置する第
2の円弧CR2 を設ける。ここで、両円弧CR1 ,CR
2 の接合部は、多くは谷部となるが、それらの円弧CR
1 ,CR2 を、谷部が生じないように滑らかに連続させ
ることも可能である。なお、第1の円弧CR1 と第2の
円弧CR2 との接合部に谷部が生じる場合には、そこが
偏摩耗の発生核となり易いので、好ましくは、そこに周
方向溝Gを形成することによって、偏摩耗の発生を防止
する。
【0017】またここで、第1の円弧CR1 の曲率半径
1 を小さくする理由は、上述のように空荷時のキャン
バースラストFC を増すためであるから、空荷時に接地
するトレッド領域にのみ第1の円弧CR1 を適用すれば
良く、このため、第1の円弧CR1 と第2の円弧CR2
との接合位置は、空荷時の接地端近傍とすることが好ま
しい。従って、タイヤを装着する車両や、タイヤサイズ
等によっても、幾分相違するが、その接合位置を、一般
的には、対称軸X−Xからトレッド幅Wの0.15〜
0.28倍の範囲内に位置させることが好ましい。
【0018】そしてさらに、第2の円弧CR2 の、タイ
ヤ幅方向の外側に連続する第3の円弧CR3 を設け、こ
の円弧CR3 をもまた、円弧CR1 の仮想延長線aより
半径方向の外側に位置させるとともに、それぞれの円弧
CR2 ,CR3 の曲率半径R 2 ,R3 を、 R2 >R3 とすることで、積荷時に接地するトレッド端部分領域で
の剪断応力fCSを大きくし、その積荷時のキャンバース
ラストFC を十分大ならしめる。
【0019】ところで、かかるタイヤのトレッド部TD
において、傾斜路面上での転動時にのみ接地する側方張
出し部SIは、とくには積荷時のキャンバースラストF
C の増加に有効に寄与することができる。
【0020】
【実施例】以下に、この発明の実施例について説明す
る。サイズが195/85 R16 114/112
LTの小型トラック用で、最大負荷能力が1180kgf
(JATMA)のタイヤであって、図1に実線で示すト
レッド外輪郭形状を有する発明タイヤと、同図に破線で
示す外輪郭形状を有する従来タイヤと、一点鎖線で示す
比較タイヤとのそれぞれにつき、空荷時および積荷時の
それぞれの直進安定性を比較したところ、表1に示す通
りとなった。
【0021】なお評価は、それぞれのタイヤに規定内圧
(6.0kgf/cm2 ) を充填後、それを2t積みの小型
トラック(後輪が複輪タイプ)に装着し、空荷状態と、
規定最大荷重を負荷した状態とのそれぞれにおいて、轍
を有する舗装路をテストドライバーによって走行して、
直進安定性を官能評価することにより行った。表中の指
数値は、従来タイヤをコントロールとし、数値が大きい
ほどすぐれた結果を示すものとした。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示すところから明らかなように、発
明タイヤはいずれも、空荷時および積荷時のそれぞれに
おいて、従来タイヤに比して直進安定性を大きく向上さ
せることができ、なかでも、積荷時の直進安定性は、ト
レッド部に側方張出し部を設けることによって顕著に改
善されることになる。
【0024】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、空荷時、積
荷時の別なく、ワンダリング現象の発生を有効に抑制し
て直進安定性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示すトレッド外輪郭線図
である。
【図2】キャバースラストの発生態様を例示するタイヤ
幅方向断面図である。
【図3】トレッド外輪郭線の曲率半径が小さい場合を示
すタイヤ幅方向断面図である。
【図4】ワンダリング現象の発生状況を示す略線正面図
である。
【符号の説明】
CR1 第1の円弧 CR2 第2の円弧 CR3 第3の円弧 R1 ,R2 ,R3 曲率半径 TD トレッド部 W トレッド幅 G 周方向溝 SI 側方張出し部 a 第1の円弧の仮想延長線 X−X 対称軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ともに一対のビード部およびサイドウォ
    ール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状のト
    レッド部と、これらの各部を補強するラジアルカーカス
    と、このラジアルカーカスの外周側でトレッド部を補強
    するベルトとを具える空気入りラジアルタイヤにおい
    て、 規定内圧の充填下での、タイヤ幅方向断面内のトレッド
    外輪郭形状を、タイヤ断面の対称軸上に中心を有する第
    1の円弧と、この第1の円弧に隣接する第2の円弧と、
    第2の円弧の、タイヤ幅方向の外側に連続する第3の円
    弧との少なくとも三種類の円弧で画成し、第2および第
    3の円弧のそれぞれを、第1の円弧の仮想延長線よりタ
    イヤ半径方向の外側に配設するとともに、第2の円弧の
    曲率半径を、第3の円弧の曲率半径より大きくしてなる
    空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 第1の円弧の曲率半径を、第2の円弧の
    曲率半径より小さくしてなる請求項1記載の空気入りラ
    ジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 第1の円弧と第2の円弧との接合位置に
    周方向溝を設けてなる請求項1もしくは2記載の空気入
    りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 第1の円弧と第2の円弧とを、タイヤ断
    面の対称軸から、トレッド幅の0.15〜0.28倍の
    位置で接合させてなる請求項1〜3のいずれかに記載の
    空気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 トレッド部に、傾斜路面上での転動時に
    のみ接地する側方張出し部を設けてなる請求項1〜4の
    いずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006033337A1 (ja) * 2004-09-24 2006-03-30 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 小型トラック用空気入りラジアルタイヤ
US10647158B2 (en) 2014-10-27 2020-05-12 Bridgestone Corporation Pneumatic tire

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006033337A1 (ja) * 2004-09-24 2006-03-30 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 小型トラック用空気入りラジアルタイヤ
US10647158B2 (en) 2014-10-27 2020-05-12 Bridgestone Corporation Pneumatic tire

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