JPH09193321A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

化粧シート及び化粧板

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JPH09193321A
JPH09193321A JP8007562A JP756296A JPH09193321A JP H09193321 A JPH09193321 A JP H09193321A JP 8007562 A JP8007562 A JP 8007562A JP 756296 A JP756296 A JP 756296A JP H09193321 A JPH09193321 A JP H09193321A
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JP
Japan
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layer
resin
board
polyolefin resin
decorative
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Application number
JP8007562A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Takewaki
智之 竹脇
Eiji Hinishi
英二 日西
Shigeki Nishida
茂樹 西田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐汚染性や耐湿性に優れ、基材の吸放湿による
反りの発生の防止効果を備え、しかも焼却処分をしても
有害ガスを発生することのない化粧シート及び化粧板を
提供する。 【解決手段】少なくとも透明なポリオレフィン系樹脂よ
りなる表面層3の裏面に絵柄層4を有する化粧シート
1、及び少なくとも透明なポリオレフィン系樹脂よりな
る表面層3と、絵柄層4と、ポリオレフィン系樹脂から
なる基体層7とをこの順に積層してなる化粧板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面材や造作部
材、建具等の建装材や家具等の表面装飾に用いる化粧シ
ート及び化粧板に関するものであり、さらに詳しくは、
耐汚染性や耐湿性に優れ、基材の吸放湿による反りの発
生の防止効果を備え、しかも焼却処分をしても有害ガス
を発生することのない化粧シート及び化粧板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、壁面材や造作部材、建具等の建装
材や家具等の製造において、天然木材の無垢材よりも安
価な材料として、合板、パーティクルボード、ハードボ
ード、中密度繊維板(MDF)等の繊維板、珪酸カルシ
ウム板や石膏ボード等の無機質板等の基材が広く用いら
れている。これらの基材は天然木材の無垢材と比較して
表面の意匠性が劣るため、チタン紙等の紙に木目、石目
や抽象柄等の各種意匠を施した化粧紙が別途用意されて
いてこれを表面に貼り合わせて用いたり、または予め表
面に化粧紙等で意匠を施してなる化粧板が用意されてい
てこれを用いたりする方法が、ますます広く行われる様
になっている。
【0003】また、ドアの様に大型の平面状部材では、
価格の低減と共に軽量化をも目的として、角材を縦横に
組んでなる枠心(フレームコア)の表裏に単板、合板等
の板材を張り合わせた所謂フラッシュ構造が広く採用さ
れており、この表面にも前記した化粧紙を貼り合わせた
り、表裏を構成する板材を化粧板で構成する方法が広く
用いられている。
【0004】ところで、前述したフラッシュ構造の部材
においては、環境条件の異なる二つの空間の境界に置か
れると、表裏の2枚の板材の吸放湿による伸縮が異なる
ために、部材が全体として反ってしまうという問題点が
あった。化粧板の表面には通常塗装が施されるが、塗装
の塗膜は比較的薄いため透湿性があり、吸放湿による反
りの防止には不十分である。また枠心の補強に金属製の
棒材を利用する方法も考えられるが、この場合は部材の
重量増につながる他、板材の伸縮自体を防止するもので
はなく、反りを防止する効果が少ない等、不十分なもの
であった。
【0005】かかる問題点を解決する方法として、フラ
ッシュ構造の部材の表裏の板材の表裏両面に防湿性(非
透水・非透湿性)シートを積層しておく方法が提案され
ている(特開平6−272455号公報参照)。しかし
ながら、この方法で化粧部材を製造しようとすると、フ
ラッシュ構造の部材の表裏の板材にまず防湿性シートを
積層した後、さらにその表面に化粧紙の積層等の化粧を
施す必要が生じる為、工程が著しく煩雑になるという問
題点があった。
【0006】また、化粧紙に替わるものとして、塩化ビ
ニルフィルムに絵柄印刷を施した化粧シートを用いる方
法も用いられており、この方法によっても耐湿性は得ら
れるが、部材製造時の端切れや使用済みの廃棄部材の処
分に際し、これの焼却処分を行うと塩化水素等の有害ガ
スが発生するため、埋め立て処分を余儀なくされ、埋め
立て地の慢性的な不足という事情もあって、技術的にも
社会的にも大きな問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の上
記した問題点に鑑みてなされたものであって、耐汚染性
や耐湿性に優れ、基材の吸放湿による反りの発生の防止
効果を備え、しかも焼却処分をしても有害ガスを発生す
ることのない化粧シート及び化粧板を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧シートは、
少なくとも透明なポリオレフィン系樹脂よりなる表面層
の裏面に絵柄層を有することを特徴とするものである。
【0009】また本発明の化粧シートは、絵柄層の裏面
に、ポリオレフィン系樹脂よりなる裏打層を有すること
を特徴とするものである。
【0010】また本発明の化粧シートは、前記裏打層を
構成するポリオレフィン系樹脂が、着色剤を含有するこ
とを特徴とするものである。
【0011】また本発明の化粧シートは、最裏面に、ポ
リスチレン樹脂からなる接着補助層を有することを特徴
とするものである。
【0012】本発明の化粧板は、少なくとも透明なポリ
オレフィン系樹脂よりなる表面層と、絵柄層と、ポリオ
レフィン系樹脂からなる基体層とをこの順に積層してな
ることを特徴とするものである。
【0013】また本発明の化粧板は、前記基体層を構成
するポリオレフィン系樹脂が、着色剤を含有することを
特徴とするものである。
【0014】また本発明の化粧板は、前記基体層を構成
するポリオレフィン系樹脂が、充填剤を含有することを
特徴とするものである。
【0015】また本発明の化粧板は、前記基体層の表面
側、裏面側もしくは層内に、ABS樹脂からなる補強層
を有することを特徴とするものである。
【0016】また本発明の化粧板は、最裏面に、ポリス
チレン樹脂からなる接着補助層を有することを特徴とす
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧シート及び化
粧材の実施の形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明
する。図1〜4はそれぞれ本発明の化粧シートの実施の
形態の一例を示す側断面図であり、図5〜図11はそれ
ぞれ本発明の化粧材の実施の形態の一例を示す側断面図
である。
【0018】本発明の化粧シート1は、図1に示す様
に、少なくとも透明なポリオレフィン系樹脂からなる表
面層3の裏面に絵柄層4を設けてなるものである。
【0019】前記表面層3を構成する透明なポリオレフ
ィン系樹脂として具体的には、例えば低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂(PE)、二
軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレ
ン(CPP)、部分塩素化ポリプロピレン等のポリプロ
ピレン樹脂(PP)、ポリ−4−メチルペンテン−1
(P4MP−1)、ポリブテン−1(PB−1)等のポ
リオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体(ET
FE)等のポリオレフィン系共重合体等、またはそれら
の混合物、積層体等を使用することが出来る。
【0020】中でも、安価で加工性や耐湿性・耐汚染性
に優れたポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂が
好ましく、特に二軸延伸ポリプロピレンまたは無延伸ポ
リプロピレンが、強度等の物性面からも最も好適に使用
できる。またその厚さは特に限定されないが、通常は1
0〜100μmの範囲が好ましく、特に20〜50μの
範囲が好適である。
【0021】絵柄層4に用いる色材としては、各種グラ
ビアインキ、各種オフセットインキ、各種スクリーンイ
ンキ等の各種印刷用インキ類、各種コーティング材等、
従来公知の任意の色材を用いることができる。またこの
絵柄層4の形成方法としては、グラビア印刷法、オフセ
ット印刷法、スクリーン印刷法等の各種印刷法、ロール
コート法、ロッドコート法、ダイコート法、スプレーコ
ート法、ディップコート法、ナイフコート法、エアーナ
イフコート法等の各種コーティング法、箔押し法、水圧
転写法、熱転写法、昇華転写法等の各種転写法等、従来
公知の任意の方法を適用することができる。
【0022】こうして得た化粧シート1は、絵柄層4側
に接着剤を介して合板、パーティクルボード、ハードボ
ード、中密度繊維板(MDF)等の繊維板、珪酸カルシ
ウム板や石膏ボード等の無機質板、ポリオレフィン板、
ポリエステル板、アクリル板、スチロール板、ABS板
等の合成樹脂板等、各種の基材と貼り合わせて用いるこ
とが出来る。また基材が合成樹脂の場合には、接着剤を
介さずに熱圧着法、熱融着法、超音波融着法等により直
接貼り合わせることも可能である。またこのいずれの方
法においても、必要に応じて裏面に予めアクリル系アン
カー剤、塩化酢酸ビニル系アンカー剤等のアンカーコー
ト層を設けておくと、接着剤の種類の選択範囲を広げた
り、接着剤や樹脂基材等との接着強度を高めることがで
きるので好適である。
【0023】上記した様な、透明なポリオレフィン系樹
脂からなる表面層3と絵柄層4との2層構成の化粧シー
トにおいては、絵柄層4が淡色の絵柄であると隠蔽性が
不十分なために、基材の表面の色や木目等が透けて見え
てしまい好ましくない場合がある。このような場合に
は、絵柄層4の最裏面に白色の隠蔽インキを施す方法も
行われているが、例えばグラビア印刷法やオフセット印
刷法では鮮明で意匠性に優れた印刷が可能であるもの
の、印刷適性上インキの隠蔽力には限界があるので、必
ずしも満足な結果は得られていない。
【0024】この問題を解決するには、図2に示す様
に、絵柄層4の裏面に、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色
顔料、紅殻、黄鉛等の有色無機顔料、フタロシアニン、
アントラキノン等の有機顔料等の着色剤を含有する、白
色または有色の着色合成樹脂からなる裏打層5を積層し
た構成の化粧シート1を用いるとよい。この方法は、絵
柄層4を構成するインキが基材との接着に使用する接着
剤によって侵される場合等にも適用することができ、そ
の場合には裏打層5は透明であってもよい。裏打層5の
材質は、表面層3と同じポリオレフィン系樹脂とするこ
とが好ましく、その厚さは隠蔽性の必要度合いに応じて
適宜設計すべきものであって特に限定されないが、通常
10〜100μmの範囲が好ましい。
【0025】前記裏打層5を有する化粧シート1の製造
方法としては、まず表面層3の裏面に絵柄層4を設けた
のちに裏打層5を積層してもよいし、逆にまず裏打層5
の表面に絵柄層4を設けたのちに表面層3を積層しても
よい。後から積層する裏打層5または表面層3の積層方
法としては、接着剤を介して貼り合わせる方法、接着剤
を介さずに、必要に応じてアンカーコート層を介して、
熱圧着法、熱融着法、超音波融着法等により直接積層す
る方法、溶融樹脂を塗工後冷却固化する方法、溶融樹脂
の押し出し直後の熱時に貼り合わせる方法等、従来公知
の任意の方法を適用することができる。
【0026】なお、ポリオレフィン系樹脂は一般に接着
性に乏しく、コロナ処理、フレーム処理、放射線処理等
を施しても使用可能な接着剤は限定され、例えば木材加
工や建築の分野で多用されている酢酸ビニル系エマルジ
ョン接着剤等の使用は困難である。この問題を解決する
方法として、前記した裏面にアンカーコート層を設ける
方法の他、図3や図4に示す様に、最裏面を酢酸ビニル
系エマルジョン接着剤等と接着性を有する材質からなる
接着補助層6を設けておく方法もある。この様にする
と、木材加工や建築の分野で多用されている酢酸ビニル
系エマルジョン接着剤を使用して、従来の紙からなる化
粧紙の場合と同じ要領で施工できるので好適である。
【0027】前記接着補助層6に使用する材質として
は、紙、織布、不織布等の繊維質基材や、ポリスチレン
樹脂等が使用できるが、紙等はポリオレフィン系樹脂と
の接着のために別途接着剤等が必要となるのに対し、ポ
リスチレン樹脂はポリオレフィン樹脂との共押し出し法
や熱圧着法、熱融着法、超音波融着法等により直接積層
して強固に接着することが出来るので好適である。ポリ
スチレン樹脂からなる接着補助層6の厚さは1μm程度
の薄層であっても十分効果が得られるが、これより厚く
ても良く、特に限定されない。
【0028】本発明の化粧板2は、図5に示す様に、少
なくとも透明なポリオレフィン系樹脂よりなる表面層3
と、絵柄層4と、ポリオレフィン系樹脂からなる基体層
7とをこの順に積層してなるものである。
【0029】前記表面層3を構成する透明なポリオレフ
ィン系樹脂として具体的には、例えば低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂(PE)、二
軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレ
ン(CPP)、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレ
ン樹脂(PP)、ポリ−4−メチルペンテン−1(P4
MP−1)、ポリブテン−1(PB−1)等のポリオレ
フィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体(ET
FE)等のポリオレフィン系共重合体等、またはそれら
の混合物、積層体等を使用することが出来る。
【0030】中でも、安価で加工性や耐湿性・耐汚染性
に優れたポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂が
好ましく、特に二軸延伸ポリプロピレンまたは無延伸ポ
リプロピレンが、強度等の物性面からも最も好適に使用
できる。またその厚さは特に限定されないが、通常は1
0〜100μmの範囲が好ましく、特に20〜50μの
範囲が好適である。
【0031】絵柄層4に用いる色材としては、各種グラ
ビアインキ、各種オフセットインキ、各種スクリーンイ
ンキ等の各種印刷用インキ類、各種コーティング材等、
従来公知の任意の色材を用いることができる。またこの
絵柄層4の形成方法としては、グラビア印刷法、オフセ
ット印刷法、スクリーン印刷法等の各種印刷法、ロール
コート法、ロッドコート法、ダイコート法、スプレーコ
ート法、ディップコート法、ナイフコート法、エアーナ
イフコート法等の各種コーティング法、箔押し法、水圧
転写法、熱転写法、昇華転写法等の各種転写法等、従来
公知の任意の方法を適用することができる。
【0032】基体層7を構成するポリオレフィン樹脂と
して具体的には、例えば低密度ポリエチレン(LDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密
度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(H
DPE)等のポリエチレン樹脂(PE)、二軸延伸ポリ
プロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CP
P)、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレン樹脂
(PP)、ポリ−4−メチルペンテン−1(P4MP−
1)、ポリブテン−1(PB−1)等のポリオレフィン
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレ
ン−テトラフロロエチレン共重合体(ETFE)等のポ
リオレフィン系共重合体等、またはそれらの混合物、積
層体等を使用することが出来る。
【0033】中でも、安価で加工性や耐湿性・耐汚染性
に優れたポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂が
好ましく、特に強度の優れたポリプロピレン樹脂を用い
ることが好ましい。特に、材料費を低減するとともに強
度や寸法安定性をさらに向上する目的で、酸化珪素、炭
酸カルシウム等の充填剤を添加することが好ましく、そ
の添加率は特に限定されないが、通常樹脂100重量部
に対して10〜150重量部の範囲であり、中でも50
〜100重量部の範囲が好ましい。
【0034】また、特に絵柄層4が淡色の絵柄である場
合には、隠蔽性を持たせる目的で、酸化チタン、酸化亜
鉛等の白色顔料、紅殻、黄鉛等の有色無機顔料、フタロ
シアニン、アントラキノン等の有機顔料等の着色剤を基
体層7に添加すると、化粧板2の裏面側が透けて見える
ことがなく、淡色の絵柄でも十分に意匠性を発揮するこ
とが出来るので好適である。また、これらの着色剤を基
体層7に添加する代わりに、図6に示す様に、絵柄層4
の裏側に着色剤を添加した樹脂からなる裏打層5を設け
た構成としてもよく、こうすることにより着色剤の節約
を図ることができる。
【0035】図5に示す構成の化粧板2の製造方法とし
ては、まず基体層7の表面に絵柄層4を設けたのちに表
面層3を積層してもよいが、基体層7は通常厚く印刷に
適さないので、まず表面層3の裏面に絵柄層4を設けた
のちに基体層7を積層することが好ましい。この後者の
方法は、図6に示す構成の場合にも適用することができ
る。後から積層する基体層7の積層方法としては、接着
剤を介して貼り合わせる方法、接着剤を介さずに、必要
に応じてアンカーコート層を介して、熱圧着法、熱融着
法、超音波融着法等により直接積層する方法、溶融樹脂
を塗工後冷却固化する方法、溶融樹脂の押し出し直後の
熱時に貼り合わせる方法等、従来公知の任意の方法を適
用することができるが、中でも溶融樹脂の押し出し直後
の熱時に貼り合わせる方法は、基体層7の成形と同時の
1工程で、接着剤等を必要とせずに直接強固に接着する
ことができるので最も好適である。
【0036】基体層7の厚さは、必要とする化粧板2の
総厚から前記表面層3及び前記絵柄層4、及び必要に応
じて設けられる裏打層5の厚さの和を差し引いた厚さで
あるが、化粧板2の総厚は通常3〜5mm程度であるの
に対し、前記表面層3等の厚さの和は通常100μm程
度以下であるから、基体層7の厚さもほぼ3〜5mm程
度である。この様な厚さの基体層7の成形には、複数の
Tダイ押し出し機を組み合わせて用いると、1台の押し
出し機では成形不可能な厚さが容易に得られ、また厚さ
を任意に変更することも容易であるので好適である。
【0037】基体層7を構成するポリオレフィン系樹脂
には、強度や寸法安定性の向上の目的で、酸化珪素、炭
酸カルシウム等の充填剤を添加することができるが、そ
れでも剛性が不足する場合には、基体層7の厚さの一部
を、基体層7よりも硬質で剛性のある材質からなる補強
層8で置き換えると良い。補強層8の厚さは特に限定さ
れないが、一般には1〜4mm程度の範囲とすることが
好ましい。
【0038】上記補強層8に用いる材質としては、例え
ば鉄、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属、ガラ
ス、陶磁器、石膏ボード、珪酸カルシウム板等の無機材
質、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(AB
S)、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂等の合成
樹脂、ガラス繊維強化プラスチック、メラミン含浸紙等
の複合材料等、基体層7よりも硬質で剛性のある材質で
あれば何でも使用可能であるが、中でも軽量で加工性に
優れた合成樹脂を用いることが好ましく、その中でも特
に安価で耐衝撃性に優れたABS樹脂を用いることが最
も好ましい。
【0039】補強層8は、図7に示す様に基体層7の裏
面側に設けても、図8に示す様に基体層7の表面側に設
けても良いが、この様な構成にすると化粧板2の製造
上、基体層7と補強層8との熱膨張係数の差のために反
ってしまうことがあるので、図9に示す様に、補強層8
は基体層7の層内に設ける、すなわち補強層8を2層の
基体層7で挟持した構成とすることが好ましい。
【0040】この様な構成の化粧板2は、基体層7及び
補強層8の成形体を接着剤を介して接着する方法、接着
剤を介さずに、必要に応じてアンカーコート層を介し
て、熱圧着、熱融着、超音波融着する方法、溶融樹脂の
塗工後冷却固化する方法、溶融樹脂の押し出し直後に貼
り合わせる方法、共押し出し法等、従来公知の任意の方
法により製造することができる。
【0041】なお、ポリオレフィン系樹脂は一般に接着
性に乏しく、コロナ処理、フレーム処理、放射線処理等
を施しても使用可能な接着剤は限定され、例えば木材加
工や建築の分野で多用されている酢酸ビニル系エマルジ
ョン接着剤等の使用は困難である。この問題を解決する
方法として、前記した裏面にアンカーコート層を設ける
方法の他、図10に示す様に、最裏面を酢酸ビニル系エ
マルジョン接着剤等と接着性を有する材質からなる接着
補助層6を設けておく方法もある。この様にすると、例
えば本発明の化粧板を用いたフラッシュ構造のドアの製
造において、木材加工の分野で多用されている酢酸ビニ
ル系エマルジョン接着剤を使用して、従来の合板等を使
用した場合と同じ要領で木製の枠心との接着を行うこと
ができるので好適である。
【0042】前記接着補助層6に使用する材質として
は、紙、織布、不織布等の繊維質基材や、ポリスチレン
樹脂等が使用できるが、紙等はポリオレフィン系樹脂と
の接着のために別途接着剤等が必要となるのに対し、ポ
リスチレン樹脂はポリオレフィン樹脂との共押し出し法
や熱圧着法、熱融着法等により直接積層することにより
強固に接着することが出来るので好適である。ポリスチ
レン樹脂からなる接着補助層6の厚さは1μm程度の薄
層であっても十分効果が得られるが、これより厚くても
良く、特に限定されない。
【0043】また、図11に示す様に、基体層7の表面
側にもポリスチレン樹脂からなる接着補助層6を設けて
おくと、絵柄層4を設けた表面層3と基体層7とを熱圧
着法等により接着する方法を容易に適用することができ
るのでなお好適である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて詳細
に説明する。
【0045】<実施例1>厚さ30μmの白色2軸延伸
ポリプロピレンフィルムを裏打層として、そのコロナ処
理面に、ウレタン系グラビアインキ(東洋インキ製、商
品名ラミスター)を用いてグラビア印刷法により多色印
刷の絵柄層を形成した。
【0046】透明ポリプロピレン樹脂を加熱溶融し、T
ダイ押し出し機を用いて上記の白色ポリプロピレンフィ
ルムの絵柄層形成面上に厚さ20μmに押し出しコーテ
ィングを行い透明な表面層を形成して、化粧シートを完
成した。
【0047】<実施例2>上記実施例1の化粧シートの
裏面に、厚さ10μの一般用ポリスチレンフィルム(G
PPS)を熱ロールを用いて熱圧着して、接着補助層を
有する化粧シートを完成した。
【0048】<実施例3>厚さ30μmの透明2軸延伸
ポリプロピレンフィルムを表面層として、そのコロナ処
理面に、ウレタン系グラビアインキ(東洋インキ製、商
品名ラミスター)を用いてグラビア印刷法により、刷り
順を通常と逆にして多色印刷の絵柄層を形成した。
【0049】着色ポリプロピレン樹脂100重量部に粒
径1〜2μmの炭酸カルシウム粉末100重量部を加え
て混合、加熱溶融し、5台のTダイ押し出し機を用いて
厚さ合計5mmのシート状に押し出した直後に、上記と
絵柄層からなる積層体の絵柄層形成面とプレスロールを
用いて貼り合わせ、基体層を形成して、化粧板を完成し
た。
【0050】<実施例4>厚さ30μmの白色2軸延伸
ポリプロピレンフィルムを裏打層として、そのコロナ処
理面に、ウレタン系グラビアインキ(東洋インキ製、商
品名ラミスター)を用いてグラビア印刷法により多色印
刷の絵柄層を形成した。
【0051】透明ポリプロピレン樹脂を加熱溶融し、T
ダイ押し出し機を用いて上記の白色ポリプロピレンフィ
ルムの絵柄層形成面上に厚さ20μmに押し出しコーテ
ィングを行い、透明な表面層を形成した。
【0052】透明ポリプロピレン樹脂100重量部に粒
径1〜2μmの炭酸カルシウム粉末100重量部を加え
て混合、加熱溶融し、厚さ2mmのABS樹脂からなる
補強層の両面に厚さ1mmにTダイ押し出しコーティン
グして基体層を形成した。
【0053】前記補強層の両面に基体層を設けた積層体
の両面に、厚さ10μの一般用ポリスチレンフィルム
(GPPS)を熱ロールを用いて熱圧着して接着補助層
を形成した。
【0054】前記表面層、絵柄層及び裏打層からなる積
層体を、前記補強層、基体層及び接着補助層からなる積
層体の表面側となる片面に熱ロールを用いて熱圧着し
て、化粧板を完成した。
【0055】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、少なくとも透明
なポリオレフィン系樹脂よりなる表面層の裏面に絵柄層
を積層した構成としたことにより、例えばフラッシュ構
造のドアの両面を構成する合板等の基材の表面装飾等、
各種部材の表面装飾に使用して、表面の耐汚染性に優
れ、湿気を透過しないことにより基材の吸放湿による反
りの発生を防止することができ、しかも焼却処分をして
も有害ガスを発生することのない優れた各種部材を製造
することができるという顕著な効果を有するものであ
る。
【0056】また特に、裏面にポリオレフィン樹脂より
なる裏打層を有することにより、絵柄層を接着剤等によ
る侵食から保護して意匠性に優れた各種部材を製造する
ことができるという顕著な効果を有するものである。
【0057】また特に、前記裏打層を構成するポリオレ
フィン樹脂が、着色剤を含有することにより、絵柄層が
淡色の絵柄であっても基材表面の色や木目等を隠蔽し
て、意匠性に優れた各種部材を製造することができると
いう顕著な効果を有するものである。
【0058】また特に、ポリスチレン樹脂からなる接着
補助層を有することにより、木材加工や建築の分野で多
用されている酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を使用し
て、従来の紙からなる化粧紙の場合と同じ要領で施工す
ることができるという顕著な効果を有するものである。
【0059】本発明の化粧板は、少なくとも透明なポリ
オレフィン系樹脂よりなる表面層と、絵柄層と、ポリオ
レフィン系樹脂からなる基体層とをこの順に積層してな
ることにより、例えばフラッシュ構造のドアの両面を構
成する板材等、各種部材の表面材に使用して、表面の耐
汚染性に優れ、湿気を吸収・放出による伸縮が発生しな
いため反りを発生することがなく、しかも焼却処分をし
ても有害ガスを発生することのない優れた各種部材を製
造することができるという顕著な効果を有するものであ
る。
【0060】また特に、前記基体層を構成するポリオレ
フィン系樹脂が、着色剤を含有することにより、化粧板
の裏面側が透けて見えることがなく、絵柄層が淡色の絵
柄であっても十分に意匠性を発揮することが出来るとい
う顕著な効果を有するものである。
【0061】また特に、前記基体層を構成するポリオレ
フィン系樹脂が、充填剤を含有することにより、材料費
が低減し安価な化粧板が得られるとともに、強度や寸法
安定性の優れた化粧板が得られ、従って安価で強度や寸
法安定性に優れた各種部材を製造することができるとい
う顕著な効果を有するものである。
【0062】また特に、前記基体層の表面側、裏面側も
しくは層内に、ABS樹脂からなる補強層を有すること
により、化粧板の剛性が向上し、従って剛性の高い各種
部材を製造することができるという顕著な効果を有する
ものである。
【0063】また特に、最裏面にポリスチレン樹脂から
なる接着補助層を有することにより、木材加工や建築の
分野で多用されている酢酸ビニル系エマルジョン接着剤
を使用して、従来の合板等の木質系板材の場合と同じ要
領で施工することができるという顕著な効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施の形態の一例を示す
側断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの実施の形態の他の一例を
示す側断面図である。
【図3】本発明の化粧シートの実施の形態の他の一例を
示す側断面図である。
【図4】本発明の化粧シートの実施の形態の他の一例を
示す側断面図である。
【図5】本発明の化粧板の実施の形態の一例を示す側断
面図である。
【図6】本発明の化粧板の実施の形態の他の一例を示す
側断面図である。
【図7】本発明の化粧板の実施の形態の他の一例を示す
側断面図である。
【図8】本発明の化粧板の実施の形態の他の一例を示す
側断面図である。
【図9】本発明の化粧板の実施の形態の他の一例を示す
側断面図である。
【図10】本発明の化粧板の実施の形態の他の一例を示
す側断面図である。
【図11】本発明の化粧板の実施の形態の他の一例を示
す側断面図である。
【符号の説明】
1……化粧シート 2……化粧板 3……表面層 4……絵柄層 5……裏打層 6……接着補助層 7……基体層 8……補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 B32B 27/18 Z 27/20 27/20 27/30 27/30 B C08J 7/04 CES C08J 7/04 CESE

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも透明なポリオレフィン系樹脂よ
    りなる表面層の裏面に絵柄層を有することを特徴とする
    化粧シート。
  2. 【請求項2】前記絵柄層の裏面に、ポリオレフィン系樹
    脂よりなる裏打層を有することを特徴とする請求項1に
    記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】前記裏打層を構成するポリオレフィン系樹
    脂が、着色剤を含有することを特徴とする請求項2に記
    載の化粧シート。
  4. 【請求項4】最裏面に、ポリスチレン樹脂からなる接着
    補助層を有することを特徴とする請求項1、2又は3に
    記載の化粧シート。
  5. 【請求項5】少なくとも透明なポリオレフィン系樹脂よ
    りなる表面層と、絵柄層と、ポリオレフィン系樹脂から
    なる基体層とをこの順に積層してなることを特徴とする
    化粧板。
  6. 【請求項6】前記基体層を構成するポリオレフィン系樹
    脂が、着色剤を含有することを特徴とする請求項5に記
    載の化粧板。
  7. 【請求項7】前記基体層を構成するポリオレフィン系樹
    脂が、充填剤を含有することを特徴とする請求項5又は
    6に記載の化粧板。
  8. 【請求項8】前記基体層の表面側、裏面側もしくは層内
    に、ABS樹脂からなる補強層を有することを特徴とす
    る請求項5、6又は7に記載の化粧板。
  9. 【請求項9】最裏面に、ポリスチレン樹脂からなる接着
    補助層を有することを特徴とする請求項5、6、7又は
    8に記載の化粧板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336905A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toppan Printing Co Ltd 窓枠リフォーム用被覆材及びその施工方法
JP2014080020A (ja) * 2012-09-25 2014-05-08 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート

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