JPH09192807A - ローラテーブル設備における補修用搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラテーブル設備において全てのローラユ
ニットについてライン内外への搬入及び搬出が簡単に操
作できる補修用搬送装置を提供すること。 【解決手段】 複数のローラをライン方向に配列すると
共にこれらのローラを同期して回転駆動可能とし、更に
ローラのラインを複数列互いに平行に配置したローラテ
ーブル設備において、ラインの内の少なくとも二つのロ
ーラ列であってライン方向に隣接するローラ上に下端部
が載置される門型のフレームを設置可能とし、フレーム
にはその上端にあってラインの幅方向の端部よりも外に
突き出るビームを備えると共に、このビームに沿って走
行駆動され且つライン上のローラを拘束して昇降動作可
能な吊り上げ手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば連続鋳造
設備でのビレットの搬送や加熱炉への処理材の搬入及び
搬出に利用されるローラテーブルに係り、特にローラの
保守や交換及び不良処理材の回収を効率的に行えるよう
にした補修用の搬送装置に関する。

【０００２】

【従来技術】連続鋳造設備によって製造されるビレット
の搬送は、多数のローラを搬送方向に一定ピッチで配列
してこれらのローラを回転駆動させ、搬入したビレット
をローラの回転によって順次下流側に送り出していくロ
ーラテーブルが一般に利用されている。

【０００３】このローラテーブルの中で、大規模な設備
の場合では、建屋の中に複数の列とし互いに平行に配置
したものが多用され、各列のローラテーブルのそれぞれ
を独立して作動させるようにしている。

【０００４】このようなローラテーブルの設備では、各
列のローラの作動を全て同期させて同じ回転速度で駆動
することが必要であり、この条件が満たされないとビレ
ットやその他の処理材の搬送に大きな影響を与える。こ
のため、ローラテーブルの各列に対する保守点検による
異常の確認や部品の交換等はきわめて重要となる。

【０００５】たとえば、ローラテーブルをローラのユニ
ット単位としてラインに対して着脱できるようにしてお
けば、保守点検の際にはこのローラユニットをラインか
ら取り出し、補修や部品交換の後に再びラインに戻すよ
うにすることで、補修作業の効率の向上が図られる。こ
のような補修に対し、ローラユニットのラインからの搬
出や補修後の搬入は、設備の建屋に付帯した天井走行ク
レーンやホイスト等を利用し、これらによってローラユ
ニットを吊り上げて搬送する方法が従来では主であっ
た。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、天井走行ク
レーンを用いる場合では、建屋の天井の一部に障害物が
あったり、もしくは２つ以上の建屋及びクレーンの下に
ローラテーブルを設置する必要がある場合に、クレーン
を全てのローラユニットを回収できる位置に移動させる
ことができないことが多々ある。

【０００７】また、ホイストを利用する場合では、ライ
ンの外側からブームを伸ばした後にフックによるローラ
ユニットの吊り上げ操作等を行うので、天井走行クレー
ンによる作業に比べるとホイストの移動等に時間が大幅
に費やされることになり、作業性の面での改善に限界が
ある。

【０００８】更に、ローラテーブルの補修だけでなく、
搬送されていくビレットの中で形状不良となったものに
ついては、ローラ上の移送の障害となり、ライン停止等
の事態に陥る。このような場合でも、ビレットをライン
外に搬出することが必要になるが、天井走行クレーンで
はビレットの位置によってはこれを回収できなかった
り、ホイストを用いる場合でもその作業時間が長引く傾
向にあることから、ライン稼働率の低下は免れない。

【０００９】本発明において解決すべき課題は、ローラ
テーブル設備において全てのローラユニットについてラ
イン内外への搬入及び搬出が簡単に操作できる補修装置
を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数のローラ
をライン方向に配列すると共にこれらのローラを同期し
て回転駆動可能とし、更に前記ローラのラインを複数列
互いに平行に配置したローラテーブル設備において、前
記ラインの内の少なくとも二つの前記ローラ列であって
ライン方向に隣接するローラ上に下端部が載置される門
型のフレームを設置可能とし、前記フレームにはその上
端にあって前記ラインの幅方向の端部よりも外に突き出
るビームを備えると共に、該ビームに沿って走行駆動さ
れ且つ前記ライン上のローラを拘束して昇降動作可能な
吊り上げ手段を備えてなることを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】門型のフレームを２列のローラ列
に載せるようにすれば、これらのローラ列のローラの同
期した回転によってフレームをライン方向に移動させる
ことができる。そして、フレームの上端に備えるビーム
をラインの幅方向の両端から突き出る位置まで突き出る
長さとしておけば、このビームに沿って移動可能な吊り
上げ手段はラインの中と外との間を移動する。したがっ
て、ラインのローラ列のローラの回転を利用してフレー
ムを自走式として移動させることができ、補修が必要な
ローラに吊り上げ手段の位置を合わせることでこのロー
ラを回収できると共に補修後には元の位置に戻すことが
可能となる。

【００１２】また、ローラの回収だけでなく、フレーム
が載っているローラ列のライン以外のラインに対して
は、このライン上を搬送される搬送処理材についてもラ
イン外への回収除去が行える。

【００１３】

【実施例】図１は本発明の補修用搬送装置を備えたロー
ラテーブル設備の概要を示す斜視図である。

【００１４】図において、ライン方向に４列配置したテ
ーブルフレーム１のそれぞれに一定のピッチで多数のロ
ーラ２が配列されている。これらのローラ２は、図２に
示すように、テーブルフレーム１に対して着脱自在とし
た軸受３によって回転自在に支持され、これらの軸受３
から軸２ａを突き出すと共に一端側の軸２ａにスプロケ
ット２ｂを取り付けたものである。そして、テーブルフ
レーム１のそれぞれに配置する電動機（図示せず）に連
接したチェーン１ａをこのスプロケット２ｂに巻回する
ことによって、各テーブルフレーム１における全てのロ
ーラ２を同期させて回転駆動可能としている。

【００１５】各テーブルフレーム１のローラ２をユニッ
トとしてこれをラインの内外に搬入及び搬出するための
補修用搬送装置は、ラインの幅方向の両端のローラ２の
上に載置されたものである。すなわち、幅方向の両端側
に２本ずつの脚フレーム４を備えると共にこれらの脚フ
レーム４の下端にはローラ２の上面に載るベース４ａ，
４ｂを設け、脚フレーム４どうしの間をビーム４ｃによ
って連結したライン方向から見て門型のフレーム構造を
持つ。

【００１６】ベース４ａ，４ｂは、ローラ２の配列ピッ
チよりも長くしたもので、ライン方向に移動していくと
きには隣接するローラ２の上端の周面に同時に載る状態
を維持可能としたものである。すなわち、先のローラ２
の配列ピッチとの長さ関係の他に、ベース４ａ，４ｂど
うしの間の間隔はこの配列ピッチよりも短くしておくこ
とによって、ベース４ａ，４ｂはローラ２列の上を順に
移動していくことが可能である。そして、ベース４ａ，
４ｂを合計４ヵ所に配置してローラ列２に対して、脚フ
レーム２の移動の期間を通じて少なくと４点支持でこれ
を受載することができる。したがって、ライン方向の両
端に位置しているテーブルフレーム１のローラ２は全て
電動機によって同期して回転駆動されるので、これらの
ローラ２の回転によってベース４ａ，４ｂは送りを与え
られ、ライン方向に移動させることができる。

【００１７】ビーム４ｃはライン幅方向に見て脚フレー
ム４よりも外側に突き出る長さを持ち、自走式のチェー
ンブロック５を本実施例における吊り上げ手段としてラ
イン幅方向に移動可能に連接したものである。チェーン
ブロック５は、従来周知のように、ビーム４ｃをガイド
レールとして走行するホイール５ａを走行用電動機また
は手動による走行によって回転駆動可能とすると共に、
巻上げ用電動機または手動による巻き上げによりチェー
ン５ｂを昇降動作させる機構を持つ。

【００１８】チェーン５ｂの下端には、図３に示すよう
にフック５ｃを設けると共に、ローラ２を吊り上げるた
めのハンガー６をフック５ｃに取り付ける。このハンガ
ー６は、ローラ２の両端から突き出た軸２ａを抱き込む
ようにして保持する係合フック６ａを図３中に示すよう
に矢印方向に揺動自在に備えたものであり、吊り上げよ
うとするローラ２に対してチェーンブロック５の位置を
合わせてハンガー６を下降させることで係合フック６ａ
を軸２ａに係合させる操作によって、ローラ２の吊り上
げを可能とする。

【００１９】以上の構成において、ローテーブル設備の
補修作業の場合には、図１に示すように、ライン方向の
両端に位置しているテーブルフレーム１のローラ２上に
補修用搬送装置のベース４ａ，４ｂを載せる。これによ
り、これらの左右両端のテーブルフレーム１の各ローラ
２を図示の矢印方向に回転させれば、補修装置も図中の
矢印方向に移動する。すなわち、ローラテーブル設備が
本来の機能として有しているローラ２上のものをライン
方向に移送するという構成を利用して、補修用搬送装置
を移動させることができる。

【００２０】このローラ２の回転駆動によって、改修し
ようとする任意の位置のローラ２に対して脚フレーム４
の位置を設定する。この場合、ベース４ａ，４ｂが載っ
ているラインの幅方向の両端に位置しているローラ列２
に対しても、ビーム４ｃが外側に突き出ているため回収
対象とすることができる。そして、脚フレーム４の位置
を設定した後には、チェーンブロック５を対象のローラ
２の真上まで移動させることによって、ハンガー６をロ
ーラ２に対して位置合わせする。

【００２１】なお、このような脚フレーム４の移動及び
チェーンブロック５の位置の設定は、回収しようとする
ローラ２の位置を予め制御系に入力しておき、これに基
づいて脚フレーム４及びチェーンブロック５の移動を制
御すればよい。

【００２２】以上の位置決めの後には、チェーンブロッ
ク５のチェーン５ｂを下降させてハンガー６をローラ２
の軸２ｂに掛ける作業を行うが、その前に軸受３をテー
ブルフレーム１から取り外すと共にスプロケット２ｂか
らもチェーンを外しておき、ローラ２をテーブルフレー
ム１に対して無縁としておく。そして、ハンガー６の下
降によって、図３に示すように係合フック６ａが軸２ａ
を保持した後、チェーンブロック５のチェーン５ｂを巻
き上げるとローラ２をテーブルフレーム１から吊り上げ
ることができる。

【００２３】ローラ２を吊り上げた後には、チェーンブ
ロック５を走行させてビーム４ｃテーブルフレーム１の
配列ラインの端部から突き出ている部分まで移動させ
る。そして、ラインを外れた位置に回収ヤードを設けて
おき、この回収ヤードにローラ２を降ろせるようにロー
ラ２の回転方向及び回転量を制御して位置合わせした
後、チェーンブロック５のチェーン５ｃを繰り出すこと
によってローラ２を回収することができる。

【００２４】また、ローラ２を補修した後には、回収の
際の手順と逆に操作することで回収ヤードからテーブル
フレーム１の所定の位置まで搬送し、ハンガー６を下降
させることでローラ２をテーブルフレーム１に戻すこと
ができる。

【００２５】このようなローラ２に対する操作において
は、図１に示したように、幅方向の両端に位置している
テーブルフレーム１に組み込んだローラ２についても同
様に行われる。すなわち、図示の位置に脚フレーム４が
位置しているときには、ベース４ａ，４ｂの間に１個の
ローラ２が位置しており、このローラ２についてもチェ
ーンブロック５による吊り上げが可能である。この場
合、ベース４ａ，４ｂとの間にはローラが無い状態とな
るので、脚フレーム４は移動させずすなわちローラ２列
は回転させないでチェーンブロック５をラインの幅方向
の両端から外に突き出ているビーム４ｃを利用してライ
ンの外に搬送させ、この部分でローラ２を回収すればよ
い。

【００２６】なお、実施例では、連続鋳造設備における
ビレットの搬送用のローラテーブルとしたが、たとえば
加熱炉への処理材の搬送及び搬出のための設備にも同様
に適用することができる。また、本発明は実施例にのみ
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限
り各構成部材の諸形状等種々の変更を加え得ることは勿
論である。

【００２７】

【発明の効果】本発明では、ローラテーブルのローラの
同期回転を利用して補修用搬送装置の門型フレームをラ
イン方向に移動させることができ、この移動とビームに
備えた吊り上げ手段の移動との合成によって、各ローラ
列のローラ及び搬送処理材の回収や組み込みが可能とな
る。したがって、設備の建屋の条件に関係なく回収作業
がライン上のみで行うことができ、天井走行クレーン等
を利用するのに比べると設備が簡単になる。また、ロー
ラテーブルの本来の搬送機能を補修のための搬送作業ま
でにも利用できるので、補修用搬送装置にはライン方向
に移動させるための駆動機構は不要となり、より一層設
備の簡略化が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の補修用搬送装置を備えたローラテー
ブル設備の概要を示す斜視図である。

【図２】 ローラテーブルのローラ部分の概略を示す正
面図である。

【図３】 ハンガーにローラを吊り下げた状態を示す概
略斜視図である。

【符号の説明】

１ ：テーブルフレーム ２ ：ローラ ２ａ：軸 ２ｂ：スプロケット ３ ：軸受 ４ ：脚フレーム ４ａ：ベース ４ｂ：ベース ４ｃ：ビーム ５ ：チェーンブロック（吊り上げ手段） ５ａ：ホイール ５ｂ：チェーン ５ｃ：フック ６ ：ハンガー ６ａ：係合フック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のローラをライン方向に配列すると
   共にこれらのローラを同期して回転駆動可能とし、更に
   前記ローラのラインを複数列互いに平行に配置したロー
   ラテーブル設備において、前記ラインの内の少なくとも
   二つの前記ローラ列であってライン方向に隣接するロー
   ラ上に下端部が載置される門型のフレームを設置可能と
   し、前記フレームにはその上端にあって前記ラインの幅
   方向の端部よりも外に突き出るビームを備えると共に、
   該ビームに沿って走行駆動され且つ前記ライン上のロー
   ラを拘束して昇降動作可能な吊り上げ手段を備えてなる
   ローラテーブル設備における補修用搬送装置。