JPH0919245A - マルチプライヤ型魚釣りリール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 トリガーにより離脱位置に変位可能で、ハン
ドルによってもまたトリガーによっても係合位置に復帰
できるクラツチ機構。 【解決手段】 ギア部分と係合部分３６を持つクラッチ
装置３５がスプール軸２９に装着され、ギア部分はハン
ドル７によって回転される駆動ギア８′と噛み合わされ
る。クラッチ装置３５はその回転のため係合部分３６が
スプール６に結合される係合位置と、係合部分３６がス
プール６から離合する離脱位置との間を軸２９に沿って
変位可能であり、その変位のためクラッチ機構４２、６
０を付勢するトリガーにより係合位置と、離脱位置との
間を前後に変位できる。クラッチ装置３５はまたそれに
回転不能に結合されたハンドル７により復帰装置８″、
７３を介して離脱位置から係合位置に変位できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、マルチプライヤ型
魚釣りリールに関する。

【０００２】

【従来の技術】この型の周知の魚釣りリールは、一般に
２枚の外部側板を有するフレームと、フレームを貫通す
るスプール軸と、スプール軸に装着された回転自在の糸
巻きすなわちスプールとを備えている。一方の側板の内
側でフレーム内に配置された装着板は、スプール軸に平
行でかつ前記一方の側板を貫通するスピンドルと、スプ
ール軸が貫通する中央孔とを有している。ハンドルが前
記一方の側板の外側でスピンドルに装着される。また、
駆動ギアと歯車がスピンドルに装着されハンドルによっ
て回転されるようになっている。また、クラッチ装置が
装着板の中央孔内でスプール軸に装着され、回転可能に
駆動ギアと噛み合うギア部分を備えている。クラッチ装
置はその回転のためスプールと係合する係合位置と、ス
プールから離脱する離脱位置間をスプール軸に沿って変
位できるようになっている。また、手動調整自在のトリ
ガーにより作動するクラッチ機構が、クラッチ装置を二
つの位置間をシフトさせるため装着板に装着される。

【０００３】釣糸を投げ込もうとするとき、トリガー装
置はクラッチ装置を離脱位置にシフトするように作動す
る。クラッチ装置が離脱位置にあるとき、スプールは自
由に回転する。クラッチ機構は、釣人がハンドルを糸を
引き戻す方向、即ち投げ込まれたとき手繰り出された、
スプールに固定されている糸の一部分をスプールに再び
巻き取る方向に回し始めたときクラッチ装置を係合位置
に戻すよう設計されている。

【０００４】ある魚釣りリールの先行例（米国特許第4,
564,158 号並びに第5,128,245 号明細書参照）では、魚
釣りリールはトリガーに加えてさらに手動調整装置を持
っている。これは二つの異なる位置にセットできる。手
動調整装置が一つの位置にあるときトリガーとクラッチ
機構は前述のように動作する。しかしながら他の位置に
あるとき、手動調整装置はトリガーが釈放されるやいな
やクラッチ装置を係合位置に戻すようにクラッチ機構に
対し働く。したがって、クラッチ装置は復帰動作がハン
ドルで手動で実施されるよりも早く戻ることができる。
このような早い戻りは特別な魚釣り技術の場合には望ま
しい。

【０００５】他の先行技術の魚釣りリールにおいては、
クラッチ機構は、クラッチ装置がトリガーのみにより離
脱位置に変位するのみでなく、係合位置へも変位するよ
うに設計されており、このことはスプールがハンドルに
よって回転可能とされる前に、クラッチ装置を係合位置
にシフトするためまずトリガーを付勢しなければならな
いことを意味している。この型の魚釣りリールにおいて
は、復帰動作がハンドルにより実施されるよりも早くク
ラッチ装置をも係合位置に復帰させることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、装着
容易で、トリガーにより離脱位置に変位可能なクラッチ
装置により、機能的には、最初に述べた魚釣りリール型
式と後に述べた魚釣りリール型式のクラッチ機構の組み
合わせに相当し、しかもハンドルによってもまたトリガ
ーによっても係合位置への復帰を行うことができる、比
較的簡単なクラツチ機構を有する魚釣りリールを提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、この目
的は次に述べるマルチプライヤ型の魚釣りリールにより
達成できる。すなわち、この魚釣りリールは、フレーム
と、前記フレームに装着された２枚の外部側板と、前記
フレームに支持されたスプール軸と、前記スプール軸に
装着された回転自在のスプールとを備え、一方の側板の
内側でフレーム内に配置され、且つスプール軸に平行で
前記一方の側板を貫通するスピンドルと、スプール軸が
貫通する中央孔と、前記中央孔に関し直径方向にほぼ反
対位置に設けた２本の第１の装着ピンと、第２の装着ピ
ンとを有する装着板を備え、前記第１および第２の装着
ピンはスプール軸に平行で前記一方の側板に向けて突出
しており、前記一方の側板の外側には、スピンドルに装
着されたハンドルを備え、前記スピンドルに設けられ前
記ハンドルにより回転されるよう組立てられた駆動ギア
と復帰装置を備え、前記装着板の中央孔に回転可能に装
着されたスリーブ部分と、スリーブ部分の周辺の少なく
とも一部に沿って延びそして前記一方の側板に面する装
着板の側に位置し、表面にランプ装置を持つ放射方向フ
ランジと、このフランジに形成された外部歯状片とを有
する第１の歯付セグメント装置を備え、前記第１の歯付
セグメント装置は第１の位置と第２の位置間を回転自在
であり、前記第１の歯付セグメント装置のスリーブ部分
で前記スプール軸に装着され、駆動ギアによって回転駆
動されるようにそれと噛み合うギア部分をもち、回転の
ために前記スプールに連結される係合位置と、前記スプ
ールから解除される離脱位置との間をスプール軸に沿っ
て変位できるクラッチ装置を備え、前記クラッチ装置が
回転自在に装着された中央部を有するとともに前記２つ
の位置間で前記クラッチ装置を変位させるため前記２本
の第１装着ピンに変位可能に支持されたヨークを備え、
前記クラッチ装置をその係合位置に向け押す方向にヨー
クを押圧する第１の弾性装置を備え、前記ヨークは前記
第１の歯付セグメント装置のランプ装置と協働するラン
プ装置を有し、これにより第１位置から第２位置に回動
するとき、前記クラッチ装置が離脱位置に動くように前
記ヨークを変位せしめるように構成され、前記第２の装
着ピンに回転自在に装着され、前記第１の歯付セグメン
ト装置の歯状片に係合する外部歯状片を有する第２の歯
付セグメント装置を備え、第１の位置と第２の位置間を
回動するため、および前記２つの歯状片の互いの係合に
より第１と第２の位置間で前記第１の歯付セグメント装
置を回動するため前記第２の歯付セグメント装置に回転
できないように連結されたトリガーを備え、前記第２の
歯付セグメント装置を前記第１と第２の位置に弾性的に
保持する第２の弾性装置を備え、中立位置と係合位置間
で変位可能で、一端に前記復帰装置と協働するための突
起を有し、他端で前記第２の歯付セグメント装置が第１
の位置にあるとき中立位置に持ち来たし、前記第２の歯
付セグメント装置が第２の位置にあるとき係合位置に持
ち来たすように、前記第２の歯付セグメント装置に枢着
されているリンクアームを備え、前記ハンドルの回転時
前記復帰装置が前記突起と係合し、前記リンクアーム
を、前記第２の弾性装置が前記第２の歯付セグメント装
置を第１の位置に動かす中間位置に前記第２の歯付セグ
メント装置を持ち来す位置に動かすようになっている。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態へを添付図面に
基づいてより詳細に説明する。図１に示す魚釣りリール
は、本出願人の１９９５年３月３１日付出願に係る“マ
ルチプライヤ型魚釣りリール用フレームの製造方法”な
る名称の米国特許出願の明細書に記載のマルチプライヤ
型で円筒フレーム１を有する。更にこの魚釣りリール
は、取り外し自在の２枚の内部側板２、３と取り外し自
在の２枚の外部側板４、５とを有している。魚釣りリー
ルはまた釣糸（図示せず）を受けるための、２枚の内部
側板２、３間でフレーム１内に装着されたスプール６
と、スプール６の回転のために組み込まれた伝動機構８
を備えるハンドル７と、右手内部側板２に固着され、ハ
ンドル７と伝動機構８を支持する装着板９と、２枚の内
部側板２、３間でフレーム１内に装着されたレベルワイ
ンド機構１０と、魚釣りリールを釣竿（図示せず）に装
着できるようにフレーム１にリベット付けされた脚１１
とを備える。

【０００９】組み込まれた伝動機構８を持つハンドル７
と，組み込まれた伝動機構３３（後述）を持つレベルワ
インド機構１０は通常のものであってここでは詳細は述
べない。

【００１０】内部側板２、３、外部側板４、５および装
着板９はすべてが円形で、ねじ１２によりフレーム１に
固着される。

【００１１】内部側板２、３の各々は中央に位置し軸方
向に向かうスリーブ１３、１４を夫々有し、これらのス
リーブにより各内部側板に夫々中央円形開孔１５、１６
が劃成される。２枚の内部側板２、３は更に中央開孔１
５、１６と夫々同軸的に周辺を取り巻く軸方向内側に向
うフランジ１７、１８を夫々持つ。

【００１２】スプール６は、両端に周辺を取り巻くほぼ
半径方向端部フランジ２０、２１を備える円筒本体１９
を持つ。端部フランジ２０、２１は、さらにフランジ２
２、２３をもち、これらのフランジ２２、２３は内部側
板２、３の周辺を取り巻くフランジ１７、１８に夫々囲
まれて軸方向外側に突出している。スプール本体１９の
各端には、スプールと同軸で且つスプール６から軸方向
に突出するスリーブ２４、２５を形成する延長部が形成
されている。図示する実施形態では、スリーブ２４、２
５の外径はスリーブ１３、１４の内径より夫々かなり小
さくなっている。スリーブ２４、２５はスリーブ１３、
１４内に夫々突出し、ボールベアリング２６、２７によ
り夫々回転自在に支持される。スプール６は、その本体
１９と２つのスリーブ２４、２５を貫通する軸方向中心
孔２８を有する。

【００１３】他の実施形態（図示せず）では、スリーブ
１３、１４の外径はスリーブ２４、２５の内径よりかな
り小さくされる。この他の実施形態ではスリーブ１３、
１４はスリーブ２４、２５内に夫々延在し、中間ボール
ベアリングにより回転自在に支持される。

【００１４】スプール６の軸２９は２つの軸部２９ａ、
２９ｂから成る。軸部２９ａ、２９ｂは、夫々スプール
６の中央孔２８に密着挿入される周辺ローレット切り部
３０ａ、３０ｂを持っ。かくして、スプール６は軸２９
に対して回転不能に結合される。右軸部２９ａは、ハン
ドル７が釣糸をスプール６に巻き取るときスプール６を
回転するため伝動機構８と離脱可能な係合（以下詳細に
述べる）状態にある。右軸部２９ａは右内部側板２と装
着板９を貫通して右外部側板４にまで延長し、そこで軸
部２９ａは、軸の歪みの除去を可能にするため右軸部２
９ａの直径よりかなり大きい内径である支持軸受け３１
内に緩く支持される。左軸部２９ｂは左内部側板３を貫
通し、この側板の外側でレベルワインド機構１０を駆動
するため伝動機構３３と噛み合うギア３２を相対回転し
ないように支持している。これらの両端で二つの軸部２
９ａ、２９ｂは夫々軸２９とスプール６のブレーキを調
整するため可撓性の制動素子３４ａ、３４ｂを支持す
る。

【００１５】ギア３５は、以下詳述するクラッチ機構に
より作動され且つ伝動機構８を介しハンドル７に結合さ
れそして駆動されるクラッチ装置を形成するものであっ
て、右軸部２９ａに装着される。ギア３５はスプール６
に面する端部に、右軸部２９ａの一部に形成される２つ
の平面３７と係合し、スリーブ１３内に位置する２つの
反対方向の軸方向突部３６を持ち、前記平面は平坦面を
形成するため互いに直径方向に対向している。ギア３５
は、ハンドル７が糸を巻き上げるときスプール６を回転
させるため突部３６が平坦面と駆動状態で係合する、図
１に実線で示す係合位置と、係合位置の僅か右に位置
し、図１で仮想線で示し且つ突部３６が平坦面と係合し
ない離脱位置との間で右軸部２９ａに沿って変位可能で
ある。

【００１６】図２に示すように、装着板９は軸２９に平
行なスピンドル３８を有する。このスピンドル３８に
は、ハンドル７と伝動機構８が装着される。伝動機構８
はクラッチ装置すなわちギア３５と噛み合う駆動ギア
８′と、歯車８″とを含み、この作用は以下詳述する。
装着板９は中央孔３９を有する。右外部側板４に向けて
突出する右内部側板２のスリーブ１３の一部は装着板９
の中央孔３９内に延び、中央孔３４の直径はスリーブ１
３のこの部分の外径と等しい。装着板９は中央孔３９に
関して直径方向にほぼ反対方向にある２本の第１の装着
ピン４０と第２の装着ピン４１を有する。装着ピン４
０、４１は軸２９と平行で右外部側板４に向けて突出す
る。

【００１７】クラッチすなわちギア３５は装着板９に支
持されたクラッチ機構によって作動される。

【００１８】第１の歯付セグメント装置４２は、図３に
示すようにスリーブ部分４３を有する。このスリーブ部
分４３により、セグメント装置４２は、装着板９の中央
孔３９に、より正確にはその中に回転可能に挿入され
る。第１の歯付セグメント装置４２はギア３５の係合位
置に対応する第１の位置（図５）と、ギア３５の離脱位
置に対応する第２の位置（図６）との間を回転自在であ
る。第１の歯付セグメント装置４２はまた、半径方向フ
ランジ４４を有する。このフランジ４４はスリーブ部分
４３の周辺の一部に沿って延び且つ右外部側板４に面す
る装着板９の側面に接している。フランジ４４には外部
歯状片４５が形成されている。フランジ４４はまた装着
板９から離れる方向に面している側面に直径方向に対向
する２つのランプ面４６を備える。

【００１９】第２の歯付セグメント装置４７は、第２の
装着ピン４１に回転自在に装着される中央部４８を有す
る。第２の歯付セグメント装置４７は第１の位置（図
５）と第２の位置（図６）との間を回動しうる。第２の
歯付セグメント装置４７は中央部４８の周辺の部分に沿
って延びかつ装着板９に係合する放射方向のフランジ４
９を有する。フランジ４９は第１の歯付セグメント装置
４２の歯状片４５と図４に示すように噛み合う外部歯状
片５０を持つ。また、直径方向にほぼ反対方向の２つの
放射方向突起５１、５２は装着板９からある距離離れて
中央部４８から突出する。二つの角度を成している足を
持つ捩りばね５３の一方の足は突起５１の孔５４に、他
方の足は装着板９の孔５５に係合される。捩りばね５３
は第２の歯付セグメント装置４７を第１と第２の位置に
弾性的に保持する。断面が細長い形状の孔５６が装着板
９から離れた方に面している側面で第２の歯付セグメン
ト装置４７に形成される。トリガー５７は孔５６と同じ
形状で孔５６の中に挿入されるピン５８を持つ。かくし
て、トリガー５７は第２の歯付セグメント装置４７に回
転不能に結合される。トリガー５７は手動操作できるよ
うにフレーム１内の孔（図示せず）を介して突出するア
ーム５９を有する。トリガー５７は第１の位置（図５）
と第２の位置（図６）間を回動できる。トリガー５７が
第１の位置から第２の位置に回動したとき、第２の歯付
セグメント装置４７を第１の位置から第２の位置に動か
し、また２つの歯状片４５、５０の互いの係合により第
１の歯付セグメント装置４２を第１の位置（図５）と第
２の位置（図６）に回動せしめる。トリガー５７が第１
の位置に逆回動したとき、それに対応して２つの歯付セ
グメント装置４２と４７は夫々第１の位置に回動する。

【００２０】ヨーク６０の内部にはギア３５が回転自在
に支持されている。ヨーク６０は、ギア３５がスプール
６を回転するためスプール６と駆動的係合する係合位置
と、ギア３５がスプール６から離脱する離脱位置との間
を右軸部２９ａに沿いギア３５を動かすために２本の第
１の装着ピン４０に変位可能に装着された中央部分６１
を有する。ヨーク６０は装着板９に面した側に直径方向
に対向する２つのランプ面６２を有する。ランプ面６２
は、その回動時第１の位置から第２の位置にヨーク６０
を装着板９から離れる方向に動かすため、第１の歯付セ
グメント装置４２のランプ面４６と協働し、これにより
ギア３５を係合位置から離脱位置に動かす。ヨーク６０
は装着板９から離れた方向に面する側に直径方向に対向
する２つの環状溝６３を有する。各環状溝６３は、一端
が環状溝６３の底部に支えられ、他端が右外側板４に支
持される圧縮ばね６４を受け入れる。これにより圧縮ば
ね６４はヨーク６０を装着板９に向けて押圧する。第１
の歯付セグメント装置４２が第２の位置から第１の位置
に回動し、ランプ面４６と６２がこれを許容した時、圧
縮ばね６４はギア３５を係合位置に復帰するよう装着板
９に向けてヨーク６０を動かす。

【００２１】装着板９に対して平行に延在するリンクア
ーム６５はその一端に、装着板９に対し垂直に延び且つ
第２の歯付セグメント装置４７の放射方向突起５２の孔
６７に回転自在に受け入れられる枢着ピン６６を備え
る。リンクアーム６５は、第２の歯付セグメント装置４
７が第１の位置にあるときに対応する中立位置と、第２
の歯付セグメント装置４７が第２の位置にあるときに対
応する係合位置間を変位可能である。リンクアーム６５
にはガイド曲面６８が形成され、このガイド曲面６８
は、張力ばね６９（図４）により２本の第１の装着ピン
４０の一つと係合するよう押圧されている。ピン４０は
リンクアーム６５のガイドピンとして働く。張力ばね６
９はリンクアーム６５に形成された耳７０と装着板９か
ら突出したピン７１（図２）との間に取り付けられる。
ガイド曲面６８は、中立位置と係合位置に夫々置かれる
ガイドピン４０と係合する二つのマークされた凹所を持
つ。リンクアーム６５は歯車８″と協働するためその他
端において装着板９に平行の内側に向かう鉤状突起７２
を有する。この協働のため歯車８″は、歯車の周辺内側
に装着板９に面する歯車の側部からある距離離れて軸方
向に延びかつ直径方向に対向する２つの耳７３を備え
る。リンクアーム６５が中立位置にあるとき、その突起
７２は歯車８″の耳７３の半径方向外側に位置する。リ
ンクアーム６５が係合位置にあるとき、その突起７２
は、歯車８″が巻回方向Ａに回転するとき耳７３の一つ
により係合される半径方向位置にあり、次いでリンクア
ーム６５を動かし、第２の歯付セグメント装置４７が、
捩りばね５３がそれを第１の位置に回動させるような中
間位置に回動される。リンクアーム６５は第２の歯付セ
グメント装置４７を中立位置に変位させる。逆転阻止部
材７４（図５、図６）は巻回方向Ａと反対の方向への歯
車８″の回転を阻止する。

【００２２】前述から明瞭なように、ギア３５はトリガ
ー５７により離脱位置に動かされ、そしてトリガー５７
またはハンドル７のいずれかにより係合位置に動かされ
る。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、簡単な構造で装着容易
で、トリガーにより、クラッチ装置をスプール軸に沿っ
て変位させ、スプールを係合位置から離脱位置に持ち来
すことができる。更にハンドルによっても、トリガーに
よっても共に係合位置に復帰できる。従来のこの種の魚
釣りリールの一例では、トリガーに加えて更に手動調整
装置を必要とした。また従来の他の例では、クラッチ機
構が、クラッチ装置がトリガーによりそしてそれ自体に
よって離脱位置に変位するのみでなく、係合位置に変位
するように設計されている。このことはスプールがハン
ドルによって回転される前に、まずクラッチ装置が係合
位置にシフトするためトリガーを付勢しなければならな
いことを意味している。

【００２４】しかしながら本発明では、次のように構成
されているので、比較的簡単なクラッチ機構で、スプー
ルをハンドルによっても、またトリガーによっても容易
に係合位置に復帰できるマルチプライヤ型魚釣りリール
を提供することができる。すなわち、ギア部分と係合部
分を持つクラッチ装置が軸に装着され、ギア部分はハン
ドルによって回転される駆動ギアと噛み合わされる。ク
ラッチ装置はその回転のため係合部分がスプールに結合
される係合位置と、係合部分がスプールから離合する離
脱位置との間を軸に沿って変位可能である。クラッチ装
置はクラッチ装置の変位のためクラッチ機構を付勢する
トリガーにより係合位置と、離脱位置との間を前後に変
位できる。クラッチ装置はまたそれに回転不能に結合さ
れたハンドルにより復帰装置を介して離脱位置から係合
位置に変位でき、クラッチ機構に結合され且つクラッチ
装置が離脱位置にあるとき復帰装置と協働する位置にあ
るリンクアームを付勢する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による魚釣りリールの長手方向断面図で
ある。

【図２】図１に示した魚釣りリールのクラッチ機構の要
素を示す分解図である。

【図３】異なる方向から見たクラッチ機構要素を示す図
２に対応する図である。

【図４】装着板に装着したクラッチ機構を示す斜視図で
ある。

【図５】第１位置にあるクラッチ機構を示す平面図であ
る。

【図６】第２位置にあるクラッチ機構を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ フレーム ４、５ 外部側板 ６ スプール ７ ハンドル ８′ 駆動ギア ８″ 歯車 ９ 装着板 ２９ スプール軸 ３５ クラッチ装置 ３８ スピンドル ３９ 中央孔 ４０、４１ 装着ピン ４２ 第１の歯付セグメント装置 ４３ スリーブ部分 ４５ 外部歯状片 ４６ ランプ装置 ４７ 第２の歯付セグメント装置 ５０ 外部歯状片 ５３ 第２の弾性装置 ５７ トリガー ６０ ヨーク ６１ 中央部 ６２ ランプ装置 ６４ 第１の弾性装置 ６５ リンクアーム ６９ 第３の弾性装置 ７２ 突起 ７３ 耳 ７４ 逆転阻止部材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレーム（１）と、 前記フレームに装着された２板の外部側板（４，５）
   と、 前記フレームに支持されたスプール軸（２９）と、 前記スプール軸に装着された回転自在のスプール（６）
   とを備え、 一方の側板（４）の内側でフレーム内に配置され、且つ
   スプール軸（２９）に平行で前記一方の側板を貫通する
   スピンドル（３８）と、スプール軸が貫通する中央孔
   （３９）と、前記中央孔に関して直径方向にほぼ反対位
   置に設けた２本の第１の装着ピン（４０）と、第２の装
   着ピン（４１）とを有する装着板（９）を備え、前記第
   １および第２の装着ピンはスプール軸に平行で前記一方
   の側板に向けて突出しており、 前記一方の側板（４）の外側には、スピンドル（３８）
   に装着されたハンドル（７）を備え、 前記スピンドル（３８）に設けられ前記ハンドル（７）
   により回転されるよう組立てられた駆動ギア（８′）と
   復帰装置（８″、７３）を備え、 前記装着板（９）の中央孔（３９）に回転可能に装着さ
   れたスリーブ部分（４３）と、スリーブ部分の周辺の少
   なくとも一部に沿って延びそして前記一方の側板（４）
   に面する装着板の側に位置し、表面にランプ装置（４
   ６）を持つ放射方向フランジ（４４）と、このフランジ
   に形成された外部歯状片（４５）とを有する第１の歯付
   セグメント装置（４２）を備え、前記第１の歯付セグメ
   ント装置は第１の位置と第２の位置間を回転自在であ
   り、 前記第１の歯付セグメント装置（４２）のスリーブ部分
   （４３）で前記スプール軸（２９）に装着され、駆動ギ
   ア（８′）によって回転駆動されるようにそれと噛み合
   うギア部分をもち、回転のために前記スプール（６）に
   連結される係合位置と、前記スプールから解除される離
   脱位置との間をスプール軸に沿って変位できるクラッチ
   装置（３５）を備え、 前記クラッチ装置（３５）が回転自在に装着された中央
   部（６１）を有するとともに前記２つの位置間で前記ク
   ラッチ装置を変位させるため前記２本の第１装着ピン
   （４０）に変位可能に支持されたヨーク（６０）を備
   え、 前記クラッチ装置（３５）をその係合位置に向け押す方
   向にヨーク（６０）を押圧する第１の弾性装置（６４）
   を備え、 前記ヨーク（６０）は前記第１の歯付セグメント装置
   （４２）のランプ装置（４６）と協働するランプ装置
   （６２）を有し、これにより第１位置から第２位置に回
   動するとき、前記クラッチ装置（３５）が離脱位置に動
   くように前記ヨークを変位せしめるように構成され、 前記第２の装着ピン（４１）に回転自在に装着され、前
   記第１の歯付セグメント装置（４２）の歯状片（４５）
   に係合する外部歯状片（５０）を有する第２の歯付セグ
   メント装置（４７）を備え、 第１の位置と第２の位置間を回動するため、および前記
   ２つの歯状片（４５、５０）の互いの係合により第１と
   第２の位置間で前記第１の歯付セグメント装置（４２）
   を回動するため前記第２の歯付セグメント装置（４７）
   に回転できないように連結されたトリガー（５７）を備
   え、 前記第２の歯付セグメント装置（４７）を前記第１と第
   ２の位置に弾性的に保持する第２の弾性装置（５３）を
   備え、 中立位置と係合位置間で変位可能で、一端に前記復帰装
   置（８″、７３）と協働するための突起（７２）を有
   し、他端で、前記第２の歯付セグメント装置が第１の位
   置にあるとき中立位置に持ち来たし、前記第２の歯付セ
   グメント装置が第２の位置にあるとき係合位置に持ち来
   たすように、前記第２の歯付セグメント装置（４７）に
   枢着されているリンクアーム（６５）を備え、前記ハン
   ドル（７）の回転時、前記復帰装置（８″、７３）が前
   記突起（７２）と係合し、前記リンクアーム（６５）
   を、前記第２の弾性装置（５３）が前記第２の歯付セグ
   メント装置を第１の位置に動かす中間位置に前記第２の
   歯付セグメント装置（４７）を持ち来す位置に動かすよ
   うになっていることを特徴とするマルチプライヤ型魚釣
   りリール。
2. 【請求項２】前記リンクアーム（６５）の変位は、前記
   リンクアームに形成されて第３の弾性装置（６９）によ
   り固定ガイドピン（４０）と押圧係合するガイド曲面
   （６８）により案内される請求項１記載の魚釣りリー
   ル。
3. 【請求項３】前記ガイドピンは２本の第１の装着ピン
   （４０）の一つである請求項２記載の魚釣りリール。
4. 【請求項４】前記第１の歯付セグメント装置（４２）の
   前記ランプ装置（４６）と前記ヨーク（６０）の前記ラ
   ンプ装置（６２）は、夫々装着板（９）の中央孔（３
   ９）に関して直径方向に反対側にある２つのランプ面か
   ら成る請求項１記載の魚釣りリール。
5. 【請求項５】前記復帰装置は、前記ハンドル（７）の一
   方向の回転を阻止する逆転阻止部材（７４）と協働する
   歯車（８″）に形成された少なくとも一つの耳（７３）
   を備える請求項１記載の魚釣りリール。