JPH09188930A - 織物用ポリエステル系マルチフィラメント糸及びその製造方法 - Google Patents

織物用ポリエステル系マルチフィラメント糸及びその製造方法

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JPH09188930A
JPH09188930A JP8023864A JP2386496A JPH09188930A JP H09188930 A JPH09188930 A JP H09188930A JP 8023864 A JP8023864 A JP 8023864A JP 2386496 A JP2386496 A JP 2386496A JP H09188930 A JPH09188930 A JP H09188930A
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entanglement
polyester
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Keijiro Hattori
啓次郎 服部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無撚無糊織物の経糸用ポリエステル系マルチ
フィラメント糸をウオータージェットルームで高速製織
するに際して、経糸因による停台回数の増加を抑制し、
高効率で織物が生産可能な織物経糸用ポリエステル系マ
ルチフィラメント糸及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 流体交絡処理されたポリエステル系マル
チフィラメント糸であって、下記〜を同時に満足す
ることを特徴とする織物用ポリエステル系マルチフィラ
メント糸。 破断伸度(EL):45%≦EL≦55% 交絡度(IL):20ケ/m≦IL≦50ケ/m 50g擦過後残留交絡度(IL50):IL50≧10ケ
/m 50g擦過後平均交絡長(L50):L50≧5mm

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織物用ポリエステ
ル系マルチフィラメント糸及びその製造方法に関する。
特に、ウォータージェットルームによる高速での無撚無
糊製織に適し、高効率で織物を生産することができる織
物経糸用ポリエステル系マルチフィラメント糸及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マルチフィラメント糸をウォータ
ージェットルームにて無撚無糊で経糸に使用する場合
は、該糸に流体交絡処理を施し、その交絡度を大きくし
て集束性を高め、製織性を向上させようとする検討がな
されてきた。
【0003】しかるに、先般の製織技術の向上や織機の
技術革新により、特にウォータージェットルームでは8
00〜1000rpmといった高速回転での製織が実用
化される段階にきており、それに伴う問題として、綜絖
及び筬の運動による経糸同志の摩擦、経糸と綜絖又は筬
との摩擦等により、単糸切れ・毛羽が発生しやすくな
り、織機の開口不良や停台が増加するといった問題があ
げられている。
【0004】このような問題を解決するために、特開昭
62―53432号公報には単糸デニールと交絡度との
積が一定範囲にあるマルチフィラメント糸が提案されて
いる。しかしこのものは、高速製織が可能とはいって
も、その織機回転数を800rpm以上にすると、製織
時に付与されている交絡が消滅しやすいため大きな効果
は期待できない。
【0005】また特開平4―185726号公報には、
3g/dの緊張処理後の交絡保持率が70%以上のマル
チフィラメント糸が提案され、高速製織時に経糸に負荷
される張力下でも集束が維持されるため高速製織するこ
とができるとされている。しかしこのものは、緊張処理
という繊維軸方向の応力負荷に対する交絡保持率が高い
だけであり、回転数が800rpm以上といった高速化
での製織では綜絖の上下運動やビーティングによる繊維
軸横方向の擦過応力が大きく作用するため、毛羽発生の
抑制効果が不十分で得られる織物の品位が低下するとい
う問題が依然と解消されていない。
【0006】さらに、織機の回転速度高速化に伴う新た
な問題点として、経糸の高速運動による筬・綜絖自体の
磨耗が促進されて金属の一部に新たな傷が発生し、これ
が経糸単糸切れ・毛羽発生を誘発することが分かってき
た。
【0007】一方マルチフィラメント糸の生産性効率の
向上のために、製糸速度そのものが5000m/分以上
に高速化されており、これにともなって流体交絡処理に
関して以下の問題点が明かとなってきた。
【0008】それは、流体交絡させる部位での糸条走行
速度が大きくなるため、従来の無撚無糊で経糸に使用で
きる程度の交絡を付与するためには従来対比相当な高圧
流体を使用しなければならず、そのため糸条が交絡付与
装置において物理的なダメージを受けやすく、毛羽・単
糸切れなどのトラブルが多く発生することである。
【0009】これらの問題に対し、上記に記載の通り特
開平4−185726号公報には、3g/dの緊張処理
後の交絡保持率が70%以上のマルチフィラメント糸が
提案されているが、この場合の実施例では延伸速度は5
000m/分に満たず、現在主流となりつつある延伸速
度5000m/分以上での高速製糸条件のプロセスにお
いて糸条の高度な集束性は何ら保障されていない。ま
た、特開昭60―110917号公報には複数個の交絡
付与装置を連続して設置する方法が提案されているが、
交絡度を高めるために高圧流体を使用すると、交絡付与
装置間での弦振動による干渉を遮断することが困難で充
分な交絡度が得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
従来技術の問題点を解決し、無撚無糊織物の経糸用ポリ
エステル系マルチフィラメント糸をウオータージェット
ルームで織機の回転数が1000rpm以上の高速製織
するに際して、経糸因による停台回数の増加を抑制し高
効率でかつ品位の良好な織物が生産可能な織物経糸用ポ
リエステル系マルチフィラメント糸及びその製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、織機回転数が10
00rpm以上といった高速製織時の経糸原因のトラブ
ルを抑制あるいは回避するためには、マルチフィラメン
ト糸の繊維軸方向の応力に対する交絡度の保持率を高め
るのみでは不十分で、繊維軸横方向の応力に対する交絡
度及び交絡長の保持性が重要であることを見いだし、更
に該マルチフィラメントの特性を達成するため鋭意検討
を重ねた結果、紡糸・延伸・熱処理・捲取の各プロセス
における特定の位置に交絡付与装置を使用することで、
高速製織時の経糸原因のトラブルを抑制あるいは回避可
能なマルチフィラメント糸を製造することができること
を見いだし、本発明に到達したものである。
【0012】すなわち、本発明によれば、流体交絡処理
されたポリエステル系マルチフィラメント糸であって、
下記〜を同時に満足することを特徴とする織物用ポ
リエステル系マルチフィラメント糸が提供される。 破断伸度(EL):45%≦EL≦55% 交絡度(IL):20ケ/m≦IL≦50ケ/m 50g擦過後残留交絡度(IL50):IL50≧10ケ
/m 50g擦過後平均交絡長(L50):L50≧5mm 更に本発明によれば、ポリエステル系重合体を溶融紡糸
し、吐出した糸条を一旦引き取ることなく、延伸熱処理
して、最終延伸処理ローラー(D)を経て、捲取装置
(W)にて、5000m/分以上の速度で捲取るに際し
て、該DとWとの間に、非加熱の中間ローラー(R)を
介在して、該DとRとの間及びRとWとの間の各々の領
域に設置した少くとも1個の交絡付与装置により、流体
交絡処理して、捲取ることを特徴とする織物用ポリエス
テル系マルチフィラメント糸の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】従来、織物経糸用ポリエステル系
マルチフィラメント糸としては、通常破断伸度が30〜
35%程度のものが用いられているが、織機の回転数が
1000rpm以上といった高速製織では、このような
伸度の経糸では高速運動による筬・綜絖の摩耗が大きく
なって単糸切れを誘発するだけでなく、経糸自体の耐摩
耗性も不十分となって単糸切れが増加するので、その値
は45%以上とする必要がある。一方破断伸度が55%
を越える場合には、得られる織物の寸法安定性が低下
し、また織物の風合も柔らかくなり過ぎるため好ましく
ない。
【0014】次に交絡度(IL)は、一般に大きくして
いくと非交絡部の見掛けの太さが増大して交絡部の太さ
との差が大きくなる。その結果、1000rpm以上の
高速で製織する際に経糸同志の摩擦、経糸と綜絖や筬と
の摩擦が増大し、単糸切れ・毛羽発生による停台が増大
する、あるいは得られる織物に「イラツキ」欠点も発生
しやすくなるため好ましくない。一方交絡数が少ない場
合には、非交絡部の集束性が低下して単糸バラケ等によ
る製織不良が発生しやすくなる。したがって、交絡度
(IL)は20〜50ケ/m、好ましくは30〜45ケ
/mとする必要がある。
【0015】本発明においては、上記特性に加えて、擦
過張力50gの下で測定した時の残留交絡度(IL50
が10ケ/m以上、好ましくは15〜20ケ/mの範囲
にあると共に、その残留平均交絡長(L50)が5mm以
上、好ましくは7〜15mmであることが肝要である。
残留交絡度又は残留交絡長がこれらの範囲未満の場合に
は、高速製織時に交絡がほどけて経糸の集束性が不十分
となり、単糸の切断・毛羽の発生による製織不良、織物
品位の低下が発生するため好ましくない。
【0016】本発明のマルチフィラメント糸は、繰り返
し単位が実質的にエチレンテレフタレートからなるポリ
エステル系フィラメント糸を主たる対象とする。この
際、テレフタル酸成分及び/又はエチレングリコール成
分以外の第3成分を少量(通常テレフタル酸成分に対し
て20モル%以下)共重合したものであってもよく、ま
た、他種ポリマーを少量(通常ポリエステルに対して1
0重量%以下)混合せしめたポリエステルであっても差
し支えない。
【0017】また、前記ポリエステル中には、必要に応
じて制電剤、艶消剤、紫外線吸収剤、染色性改良剤、顔
料等の添加剤を混入せしめても良い。
【0018】以上に説明した本発明のポリエステル系マ
ルチフィラメントにつき、その製造方法を以下別添の図
面に従って詳細に説明する。
【0019】図1及び図2は、各々、本発明及び従来技
術の紡糸延伸を実施する装置の一例を示す概略図であ
る。紡糸口金1から溶融吐出されたポリエステル糸条Y
は冷却装置2によって冷却・固化され、給油装置3で必
要量給油される。その後、交絡付与装置4により適度の
集束を与えられ、加熱ローラー群5、6の間で延伸熱処
理される。糸条はその後実質的に非加熱の中間ローラー
8を介して巻取り機9によって巻取られるが、その間に
2個の交絡付与装置7a、7bにより織物経糸として必
要な高い集束性が付与される。
【0020】本発明のポリエステル系マルチフィラメン
ト糸の重要な点は、適度な高伸度を有する共に、擦過応
力に対してある程度以上の交絡度及び交絡長の交絡を保
持する点にあり、このような要求に対しては、まずある
程度の紡糸速度、例えば2000m/分以上5000m
/分未満、好ましくは2500m/分以上4500m/
分以下で紡糸した後、伸度特性を満足するように延伸熱
処理することが大切で、特に直延伸する方法が好ましく
採用される。ここで紡糸速度が2000m/分未満の場
合には、45%以上といった高伸度特性を維持しながら
均一に延伸することは困難となり、一方、5000m/
分以上の高速紡糸では、交絡処理を施すべきマルチフィ
ラメント糸のスピードが高速となりすぎるため十分な強
度の交絡を付与することが困難となって、擦過後の交絡
残留度が低下するので好ましくない。この交絡の強度を
上げるために用いる圧空圧力を高くすると、単繊維にダ
メージが加わって、毛羽が発生して高速製織用には不適
当となる。
【0021】次に、延伸熱処理されたマルチフィラメン
ト糸は、最終延伸熱処理ローラー(D:図1及び図2の
6)を経て、捲取装置(W:図1及び図2の9)にて5
000m/分以上の速度で捲取る。捲取速度が6000
m/分を越えると、所望の伸度特性(45〜55%)が
得られないばかりか、十分な強度の交絡を付与すること
が困難となるので、捲取速度は5000m/分以上60
00m/分以下の範囲が好ましい。延伸熱処理されたマ
ルチフィラメント糸を捲取るに際して該最終延伸熱処理
ローラー(D)と捲取機(W)との間に設置された非加
熱の中間ローラー(R:図1及び図2の8)を介在し
て、該DとRとの間及びRとWとの間の各々の領域に設
置した少くとも1個の交絡付与装置を使用することで従
来法に比較して高い集束性を得ることができる。この
時、従来1個の交絡付与装置で同程度の集束を得ようと
して相当な高圧流体を使用したために発生していた毛羽
・単糸切れは、本発明では無視し得る程度に低いことを
見い出した。この理由については、同程度の糸条の集束
性を得ようとした場合、2個の交絡付与装置を用いるこ
とで、1個当りの交絡付与圧力は少なくてすみ、糸条に
与えるダメージを減少できると考える。
【0022】さらに本発明では延伸熱処理後の2個の交
絡付与装置の間に、非加熱の中間ローラーを設けること
が重要であるが、これは以下の2つの理由による。
【0023】第1に、複数個の交絡付与装置を連続して
設けた場合、それぞれの交絡付与装置から生ずる弦振動
が互いに干渉しあうこととなり交絡付与性能が低下する
傾向にあるので、交絡付与装置間に干渉を遮断する装置
を設けることが必要なのである。
【0024】第2に、2個の交絡付与装置の間に、非加
熱の中間ローラーを設けることにより、それぞれの交絡
付与装置での糸条張力のコントロールが可能であり、製
造する糸条の形状、延伸速度に応じて適正な張力に調整
可能である。
【0025】ここで、最終延伸ローラーと該中間ローラ
ーとの間のオーバーフィード率をOF1、中間ローラー
と巻取り機との間のオーバーフィード率をOF2と表す
ことにすると、 0≦OF1≦1.5% 0≦OF2≦1.5% と設定して流体処理し且つ巻き取る方法が好ましい。但
し、オーバーフィード率(OF)は以下のように定義す
る。
【0026】OF1=[(最終延伸ローラー表面速度)
−(中間ローラー表面速度)]/(最終延伸ローラー表
面速度)×100[%] OF2=[(中間ローラー表面速度)−(巻取り速
度)]/(中間ローラー表面速度)×100[%] 本発明では、上記交絡付与装置を使用して、オーバーフ
ィード率(OF1、OF2)を調整することにより、交
絡度を20〜50ケ/mとすることが必要である。
【0027】オーバーフィード率が0%未満、すなわち
緊張下での交絡付与では十分な交絡を付与することがで
きず、交絡長も短くなる。一方、1.5%を越える場合
には、走行糸条にたるみが生じやすくなり、毛羽発生や
断糸の要因となるので好ましくない。
【0028】さらに、前記の要件を満足する交絡部を形
成するためには交絡付与装置の形状も重要で、例えば、
特開平2―61108号公報に記載のインターレースノ
ズル、特に同公報第4図(b)に記載されているよう
な、流体噴射孔が2個で、各々の噴射孔の中心線が1点
で交差するものを用いることが、擦過処理後でも残留交
絡長の長い交絡を付与する上で大切である。ここで使用
する圧空圧は低すぎると十分な交絡を付与できず、逆に
高すぎると毛羽が発生しやすくなるので、5〜8Kg/
cm2 程度が採用される。また第1、第2の交絡付与装
置にあたえる圧空圧力は同一の圧力を通常設定とする
が、別々の圧力設定にしても差し支えはない。
【0029】
【発明の効果】以上に詳述した本発明のポリエステル系
マルチフィラメント糸は、擦過処理後での残留交絡度及
び残留交絡長が大きいので高速製織時のマルチフィラメ
ント糸の集束性低下が少なく、また破断伸度も45%以
上と大きく糸自体がソフトなので経糸の高速運動による
筬・綜絖の摩擦が少なくなってこれらの摩耗傷に起因す
る単糸切れ・毛羽発生が低下するため、1000rpm
以上の高速回転下でも安定に製織することができ、品位
に優れた織物が得られるのである。
【0030】又本発明のポリエステル系マルチフィラメ
ントの製造方法によれば、走行糸条に不必要な損傷を与
えることなく、しかも5000m/分以上の高速巻取り
条件においても織物経糸用マルチフィラメントとして十
分な集束性を与えることができる。またこの糸は上述の
如く適度の破断伸度を持つ構造のため、綜絖及び筬の運
動による経糸同志の摩擦、更には経糸と綜絖、筬との摩
擦による単糸切れ・毛羽の発生が少ない。その結果とし
て、ウオータージェットルームで1000rpm以上と
いった高速製織の領域においても、効率よく高品位の織
物の生産が可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、各評価項目は下記方法にしたがって測定した。
【0032】(1)交絡度及び平均交絡部長 帝人エンジニアリング株式会社製YT−2型インターレ
ース測定器を使用し、測定モード3で交絡数を測定す
る。また測定した10m間の交絡部の長さ分布におい
て、その平均値を交絡部長平均値とした。
【0033】(2)擦過処理後の残留交絡度(IL50) サンプル糸をガイドスタンドにかけ、2箇所のS型コン
ペンセーター(ワッシャーテンサー)にて糸導を屈曲さ
せることで張力を付与し、下流側のコンペンセーター出
側の張力が50gとなるようワッシャの締め付け程度を
調整後100m/分で巻き取った条の交絡度を測定す
る。
【0034】(3)耐摩耗性 図3に示す耐摩耗性試験機を用いて、擦過毛羽数を測定
し評価した。パッケージ11から供給ローラー12に1
00m/分の速度で引き取り、引取ローラー14との間
で擦過角θが30度となるように擦過体(サファイヤガ
ラス)13に圧接させ、発生した毛羽を毛羽検出装置
(東レエンジニアリング(株)製)15で測定した。
【0035】(4)製織性 日産LW−54型ウオータージェットルームを用い、経
糸に実施例及び比較例の糸、緯糸には市販の75デニー
ル/36フィラメントの直延伸糸を打ち込んで平織り組
織とし、1000rpmで製織した場合の経糸因停台回
数(回/日)を測定した。
【0036】(5)筬・綜絖摩耗 上記織機を使用し、上記条件にて30日間運転した後、
目視にて筬・綜絖部の摩耗状態をチェックし、摩耗度に
おいて小・中・大・大大の4段階で評価した。
【0037】(6)織物品位 経糸に実施例及び比較例の糸、緯糸に市販の75デニー
ル/36フィラメントの直延伸糸を打ち込んで平織りの
組織とし、1000rpmの回転数で製織した。得られ
た織物を常法によりグレーの染料で染色し、その品位を
目視により「良好」、「やや不良」及び「不良」の3段
階で判定した。
【0038】[実施例1〜3、比較例1〜4]固有粘度
が0.63のポリエチレンテレフタレートを図1又は図
2に記載の紡糸延伸装置を用いて常法により溶融吐出し
た後、表1記載の紡糸速度で引き取った後、一旦巻き取
ることなく延伸熱処理し、ついで表1記載のオーバーフ
ィード率下でインターレースノズル(特開平2―611
08号公報第4図(b)記載のもの)を用いて交絡を付
与し、表1記載の速度で巻き取り、最終的に50デニー
ル/20フィラメントのマルチフィラメント糸を得た。
【0039】[比較例5〜6]固有粘度が0.63のポ
リエチレンテレフタレートを常法により溶融紡糸して表
1記載の紡糸速度で、175デニール/20フィラメン
トの未延伸糸を巻き取った。次にこの未延伸糸を160
℃で3.5倍に延伸しながら熱セットし、表1記載の速
度で引き取りながら交絡付与処理を施して巻取り、最終
的に50デニール/20フィラメントのマルチフィラメ
ント糸を得た。なお巻取り時におけるオーバーフィード
率及びインターレース圧空圧力を表1に示す如く変更し
た。
【0040】上記の各例で得られたマルチフィラメント
糸について評価した結果を表1にまとめて示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果から明らかなように、本発明で
規定する要件を満たすマルチフィラメント糸は筬・綜絖
の摩耗が少なく且つ製織性も良好であるのに対し、破断
伸度が低いか又は交絡度が大きいものでは擦過後の残留
交絡度及び交絡長は良好なものの、筬・綜絖の摩耗によ
る損傷が早く発生して得られる織物品位も不十分とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施することのできる紡糸延伸機の一
例を示す概略図。
【図2】従来技術の紡糸・延伸機の一例を示す概略図。
【図3】本発明の織物経糸用マルチフィラメント糸の摩
耗性を評価するための試験装置の概略図。
【符号の説明】
Y:糸条 1:紡糸口金 2:冷却装置 3:油剤付与装置 4:交絡付与装置(前処理用) 5、6:加熱ローラー 7a、7b:交絡付与装置(後処理用) 8:中間ローラー 9:巻取り機 11:パッケージ 12:供給ローラー 13:擦過体 14:引取ローラー 15:毛羽検出装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体交絡処理されたポリエステル系マル
    チフィラメント糸であって、下記〜を同時に満足す
    ることを特徴とする織物用ポリエステル系マルチフィラ
    メント糸。 破断伸度(EL):45%≦EL≦55% 交絡度(IL):20ケ/m≦IL≦50ケ/m 50g擦過後残留交絡度(IL50):IL50≧10ケ
    /m 50g擦過後平均交絡長(L50):L50≧5mm
  2. 【請求項2】 ポリエステル系重合体を溶融紡糸し、吐
    出した糸条を一旦引き取ることなく、延伸熱処理して、
    最終延伸処理ローラー(D)を経て、捲取装置(W)に
    て、5000m/分以上の速度で捲取るに際して、該D
    とWとの間に、非加熱の中間ローラー(R)を介在し
    て、該DとRとの間及びRとWとの間の各々の領域に設
    置した少くとも1個の交絡付与装置により、流体交絡処
    理して、捲取ることを特徴とする請求項1記載の織物用
    ポリエステル系マルチフィラメント糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 延伸熱処理前に、流体処理して5ケ/m
    以内の微少交絡度を付与する請求項2記載の織物用ポリ
    エステル系マルチフィラメント糸の製造方法。
JP8023864A 1995-02-13 1996-02-09 織物用ポリエステル系マルチフィラメント糸及びその製造方法 Pending JPH09188930A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100534521B1 (ko) * 1998-12-17 2006-03-16 주식회사 코오롱 경사용 합성섬유 멀티필라멘트의 제조방법.
KR100534524B1 (ko) * 1998-12-23 2006-03-20 주식회사 코오롱 경사용 합성섬유 멀티필라멘트.
JP2008106418A (ja) * 2006-09-28 2008-05-08 Toray Ind Inc シートベルト用ポリエステル繊維

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