JP4992577B2 - ポリアミドマルチフィラメントおよびそれを用いた織物 - Google Patents

ポリアミドマルチフィラメントおよびそれを用いた織物 Download PDF

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Description

本発明は、薄地高密度織編物を製織するに際して、好適なポリアミドマルチフィラメントおよびそれを用いた織編物に関するものである。
織編物の薄地化は、軽さや着用感、フィット性を向上させ、ユーザーニーズが高いために、活発に開発が進められている。しかしながら、薄地化のためには糸のトータル繊度を細くしなければならないこと。細くすると必然的に糸の構成フィラメント数が少なくなるため、交絡が入りにくくなり、集束性が悪くなること。集束性が悪いと整経時に取り扱いが困難となり、製織性を悪化させる。薄地化の開発のボトルネックとして細繊度フィラメントの集束性の問題があり、解決が待たれていた。
特許文献1および2では、薄地高密度織物に関して通気性の抑制、破裂強さ維持した織物が提案されている。しかしながら、具体的に開示されたものとしては、実施例から44dtex〜22dtexの範囲での薄地織物であり、本発明が目指している領域から見ると満足できる細繊度とは言えなかった。
さらに特許文献3では、ソフト性、低通気性、耐久性に優れたポリアミド織物が提案されている。製織性向上のために経糸に使用する際は交絡付与することが有効であるとの記載があるが、具体的に開示されたものとしては、56Tと比較的太繊度の織物に限定されていた。
特開2004−339672号公報(段落番号[0005]〜[0007]、[0022]〜[0028]) 特開2005−48298号公報(段落番号[0006]〜[0007]、[0037]〜[0046]) 特開2006−57190号公報(段落番号[0005]〜[0007]、[0020]、[0029]〜[0040])
薄地高密度織編物を製織するに際して、整経時の集束性に優れており、停台を減少させると共に織物の品位が向上するポリアミドマルチフィラメントを提供すること、また上記ポリアミドマルチフィラメントを経糸に用いて薄地織物とすることにより、通気性が抑制され、さらに洗濯後も効果が持続する薄地織物を提供することを課題とするものである。
この課題を解決するために、本発明は、次の構成を採用するものである。
(1)トータル繊度6dtex〜18dtexであり、かつ単糸繊度が0.8dtex以下であり、かつ4T/m以下の撚数であり、かつ交絡度が25以上であることを特徴とするポリアミドマルチフィラメント。
(2)強度5.0cN/dtex以上、伸度40〜50%であることを特徴とする(1)記載のポリアミドマルチフィラメント。
(3)(1)または(2)いずれかのポリアミドマルチフィラメントを少なくとも経糸の一部に用いていることを特徴とする織物。
(4)経糸と緯糸のカバーファクターの総和が1600以上であることを特徴とする(3)記載の織物。
(5)経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と経糸に用いる糸条の単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)が、下記式の関係を満たすことを特徴とする(3)または(4)いずれかに記載の織物。
B/A≧1.30
本発明は上記の構成を採用することにより、これまで製織困難であった薄地高密度織物であっても経糸の集束性に優れているために追撚などを施すことなく効率よく生産することができる。また、本発明のポリアミドマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いた薄地高密度織物は、構成単糸が複数段に重なり合っているために通気性が低い。また、洗濯後も低い通気性を維持することができる。
本発明の構成としては、トータル繊度6dtex〜18dtexであり、かつ単糸繊度が0.8dtex以下であり、かつ4T/m以下の撚数であり、かつ交絡度が25以上のポリアミドマルチフィラメントである。
すなわち、トータル繊度が6dtex〜18dtexと細繊度にもかかわらず、4T/m以下の撚数と実質的に無撚の状態で集束性を持たせるために、単糸繊度を0.8dtex以下と細繊度化して交絡を入りやすくすることで、交絡度を25以上としたポリアミドマルチフィラメントである。
従来よりこの範囲のポリアミドマルチフィラメントは、ストッキング用途としてカバリング糸の巻き糸や交編糸に用いられてきた。丸編で用いるために、高い集束性は必要とされず、たとえば、カバリング糸の巻き糸に用いる11dtex5フィラメントのマルチフィラメントでは、交絡度12程度であり、交編糸に用いられる17dtex4フィラメントのマルチフィラメントでは、交絡度4程度の極めて低い集束性であった。
近年織物の薄地化が望まれ、製織技術も向上してきたため、22dtex〜33dtex程度のマルチフィラメントも安定して製織できるようになってきた。しかしながら、本発明の範囲である6dtex〜18dtexのマルチフィラメントとなると製織の難易度は急激に難しくなる。その原因について鋭意検討したところ、細繊度化により糸強力が低下することに加えて、集束性が低下していることに起因していることを見出した。その原因としては、トータル繊度が細いため、構成フィラメント数が少なくなるためである。たとえば、22dtexの場合、20フィラメント程度とすることによって十分な集束性をもたせるための交絡を付与することができる。しかしながら、18dtexとなると単糸繊度1dtex程度としても、交絡度を本発明の範囲とすることは困難であった。
製織時に集束性が必要となる工程としては、ドラムからの解舒時とワーパービームに巻き取る際にロールに糸を左右にトラバースさせる際にフィラメントが割れることを防ぐためである。
集束性を向上させるために交絡度を25以上とする手段としては、交絡時の圧空圧を上げたり、交絡付与時の糸張力を下げる等の手段があるものの、本発明のトータル繊度範囲において、安定して交絡度を向上させることは容易ではない。そのため単糸繊度を細くすることによって構成フィラメントを増やすと共に、交絡の絡みが生じやすくなるように曲げやわらかくすることが有効である。具体的には単糸繊度を0.8dtex以下とする必要がある。同様な理由のために単糸繊度を0.7dtex以下とすることがさらに好ましく、0.6dtex以下とすることが特に好ましい。また、副次的効果として単糸繊度が細くなることにより織物の風合いがやわらかくなること、さらに通気性が抑制できるため、薄くても風を通しにくい生地を得ることができる。
一方、単糸繊度が細すぎると日常使用時の摩耗により織物表面で、単糸切れを生じやすくなるため、単糸繊度を0.1dtex以上とすることが好ましい。
単糸繊度の細いポリアミドマルチフィラメントを得る手段として、限定されるものではないが、溶融紡糸工程にて直接得るいわゆる直紡法が好ましい。たとえば、複合紡糸機を用いてポリアミドとポリエステルからなるマルチフィラメントを製編織後、ポリエステルを溶出して分割や海島繊維の島部分を残して織物とすることができる。しかしながら、溶出工程によって低密度となりやすいこと、本発明のトータル繊度範囲を複合紡糸で得ることは生産性が低い。
トータル繊度として、6dtex未満の場合、織物としたとき実用耐久性を維持できないため、好ましくなく、18dtexを越える繊度の場合、現状の製織技術にて対応可能であるため、本発明の効果は小さい。同様にトータル繊度として6dtex〜16dtexの時、より効果的で実用的な織物を効率良く生産でき、より好ましい。さらに8dtex〜13dtexの時、特に好ましい。
本発明のトータル繊度範囲において製織した場合、破裂強さと共に摩耗特性、柔らかさからポリアミドマルチフィラメントとすることが最も実用的である。
本発明でいうポリアミドは、いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体であって、好ましくは、染色性、洗濯堅牢度、機械特性に優れる点から、主としてポリカプロアミド、もしくはポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミドであることが好ましい。ここでいう主としてとは、ポリカプロアミドではそれを構成するε−カプロアミド単位として、ポリヘキサメチレンアジパミドではそれを構成するヘキサメチレンアジパミド単位として80モル%以上であることをいい、さらに好ましくは90モル%以上である。その他の成分としては、特に制限されないが、ポリカプロアミドの場合は、ヘキサメチレンアジパミド単位、ポリヘキサメチレンアジパミドの場合には、カプロアミド単位の他、例えば、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等を構成するモノマーである、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンなどの単位が挙げられる。
本発明でいうポリアミドの重合度は、必要とする糸強度、初期引張抵抗度等を考慮して適宜選択して良いが、98%硫酸相対粘度で2.0〜3.5の範囲が好ましい。
さらに必要に応じて光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、末端基調節剤、染色性向上剤等が添加されていてもよい。また、紫外線吸収や接触冷感、抗菌性等の付与のため、無機粒子や有機機能剤の添加を行うことも可能である。しかしながら、製糸性や耐久性を低下してしまうため、1μmを超える無機粒子の添加は好ましくなく、白色顔料も含めて無機粒子の添加は限定されるものではないが、2.0%以下であることが好ましく、1.0%未満であることがより好ましい。
本発明のポリアミドマルチフィラメントを直紡法にて得る方法は、本発明のマルチフィラメントが得られる限り、限定されるものではない。一例を挙げると口金を保温しながら、口金近傍で糸条走行方向に対して垂直方向かつ一方向に冷却風を当てるユニフロー方式の冷却が挙げられる。
なかでも、単糸細繊度のポリアミドマルチフィラメントを斑なく得るために、環状に吐出孔を配置した口金から溶融ポリマーを吐出させ、口金中心から放射状方向、または口金吐出孔を取り囲むように円周方向から口金中心方向に冷却風を流すいわゆる環状冷却装置を用いることが好ましく用いられる。冷却開始距離は口金面から10〜100mmと比較的近い距離が好ましい。また、冷却長としては、100〜1000mm程度とすることが好ましい。
冷却後、給油ガイドにて給油を行い、1500〜4500m/min程度で引取り(第1ゴデーローラー)、次の第2ゴデーローラーとの間で1.0〜2.5倍程度の延伸を行った後で、3000m/min以上で巻き取ることができる。この際、第1ゴデーローラーと第2ゴデーローラーの間の延伸倍率(延伸倍率が高いと伸度は低くなる)、巻取速度(巻取速度が高いと低くなる)を適切に設計することにより、狙いとする伸度を得ることが可能となる。また、第2ゴデーロールを150〜170℃の加熱ロールとすることで熱処理を行うことは好ましく行われる。各ゴデーロールはネルソンローラー、駆動ローラーに従動型のセパレートローラがついたもの、さらに片掛けローラーのいずれでも問題はない。またローラーとフィラメントの滑りを抑制するためにローラーの表面状態を平滑にしたり、糸離れを良くするために第2ゴデーロールを溝付きにしたり、梨地としてもよい。
油剤はガイド給油などによってマルチフィラメントに付与され、巻取時の有効成分付着量はマルチフィラメント重量当たり0.4〜1.0重量%程度が好ましい。油剤の付与は紡糸工程中、1度でも複数回に分けて行われても問題ない。複数回に分けて行う場合には、有効成分量が低い油剤を付与した後、有効成分量が高い油剤を付与することが好ましい。
油剤としては、潤滑剤、制電剤、乳化剤、添加剤などを混合分散して用いることができる。潤滑剤の例としては、脂肪族エステル、ポリエーテル、鉱物油などがあげられる。制電剤の例としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などのイオン界面活性剤を適用できる。乳化剤としてはノニオン系乳化剤を適用でき、また添加剤としては、毛羽防止剤、浸透性向上剤、外観調整剤、抗酸化剤、防腐剤などを適宜使用することができる。
また、ポリアミドマルチフィラメントに付着した紡糸油剤量は、nヘキサンなどの有機溶媒で油剤成分のみ抽出し、溶媒を飛ばすことにより油分量を測定することができる。
上記単糸繊度で紡糸して、十分な交絡を付与するために、圧空圧は0.15〜0.35MPaとすることが好ましく、特に0.20〜0.30MPaに制御することが好ましい。また、上記範囲の単糸繊度のフィラメントを交絡時の糸張力で交絡度を制御する場合、糸張力は0.04〜0.30cN/dtexとすることが好ましく、特に0.08〜0.20cN/dtexとすることが好ましい。
本発明のポリアミドマルチフィラメントを用いて織編物を作った場合、薄地となるため、通常、実用強度を持たせる設計とする。織物設計としてリップストップ組織とすることにより引裂強さを上げ、織物の密度を適正化することが好ましい。またそれとともにポリアミドマルチフィラメントとしても強くすることが好ましい。具体的には強度5.0cN/dtex以上、伸度40〜50%とすることが好ましい。強度は高いほうがより好ましいが、低伸度にしてまで強度を上げたとしても織物においては、引裂の際切断される時、力を分担して負担するフィラメント数が減少してしまうため、逆に織物の引裂強さを低下させてしまう。同様な理由から伸度を維持しながら強度は5.5cN/dtex以上であることがより好ましく、6.0cN/dtexであることが特に好ましい。一方、強度を高くすべく、低伸度に設計しすぎると、高密度で製織する難易度が高くなること、さらに織物の風合いが高くなるため、強度は8.0cN/dtex以下であることが好ましい。
強度5.0cN/dtex以上、伸度40〜50%とする手段としては、下記に好ましい様態を示すが、これに限定されるものではない。ポリアミドの重合度は、98%硫酸相対粘度で2.5〜3.5の範囲が好ましい。また、1800〜3000m/min程度で引取り(第1ゴデーローラー)、次の第2ゴデーローラーとの間で1.3〜2.5倍程度の延伸を行った後で、3000〜4500m/min程度で巻き取る方法が好ましい。この際、第1ゴデーローラーと第2ゴデーローラーの間の延伸倍率(延伸倍率が高いと伸度は低くなる)、巻取速度(巻取速度が高いと低くなる)を適切に設計することにより、狙いとする伸度を得ることが可能となる。さらに、第2ゴデーロールを150〜170℃の加熱ロールとすることで熱処理を行うことで、強度を高くし、染色時の収縮を抑制することができる。
また、本発明のポリアミドマルチフィラメントの断面形状としては、特に限定するものではない。なかでも交絡の入りやすさから、丸断面が好ましいが、扁平断面や凸レンズ型、四角型、さらに多様断面や中空断面であってもよい。また、溶融紡糸後巻き取った生糸が好ましい。
これまで述べてきたように、本発明のポリアミドマルチフィラメントは、トータル繊度が細繊度ながら、集束性に優れているために織物の経糸に用いると製織性を向上させることに極めて有効である。
すなわち、本発明のトータル繊度範囲においては、細繊度であるため、集束性が不十分で、整経時にわずかな交絡が外れてフィラメント割れを生じてループ毛羽を有していると、サイジングを行ったとしてもループ毛羽を有していることによって製織時に経糸の捌きが悪く、糸切れが生じてしまう。もしくは、集束性が十分でない経糸をサイジングする場合、過大なサイジング剤を付与することになり、例えばウォータージェットにて緯糸打ち込み時に筬に糊粕が付着し、糸切れが多発する。
したがって、本発明のポリアミドマルチフィラメントを少なくとも経糸に用いることにより、上記問題を解決でき、生産性を向上させることができる。また、緯糸にも用いた場合でも集束性に優れているために打ち込み性に優れており、好ましく用いられる。
さらに織物密度が高い場合には、例えば経糸の捌きが悪くなるため、糸の集束性が重要となる。したがって、本発明のポリアミドマルチフィラメントは、経糸と緯糸のカバーファクターの総和が1600以上の高密度織物の時、好ましく用いられる。なかでもカバーファクターの総和が1600〜1700の高密度織物の時、 引裂強力と通気性のバランスに優れる点で特に好ましい。
従来、本発明のポリアミドマルチフィラメントのトータル繊度範囲においては、構成フィラメント数が少ないため、フィラメントは一列に並んでしまっていた。そのため、カレンダー加工により、単糸間の空隙を埋めて通気度を低下させることはできても効果に限界があった。すなわち、単糸が一部重なっていたり、単糸の入れ替わり等が見られることから、そこでの通気性ダウンは否めなかった。さらに洗濯によって織物中の単糸がずれて、通気度が高くなることが生じていた。
そこで、本発明の織物では、経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と経糸に用いる糸条の単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)が、下記式の関係を満たすことが好ましい。
B/A≧1.30
すなわち、経糸中に単糸が一列に並んで配置することができず、織物の断面写真を観察すると2列以上に配置されることになる。ここで、B/A≧1.30とする理由としては、単糸の入れ替わりで2列になったり、構成単糸の一部が2列になっていたとしても効果が少ないためである。この場合、織物の断面写真を観察したとき、構成単糸が2列以上に配置されている。
これにより通気度ダウンに効果的であり、洗濯後も通気度を維持することが可能となる。
上記範囲とするためには、本発明のポリアミドマルチフィラメントを少なくとも経糸に用い、織物密度を適正化することにより実現することができる。
同様な理由からB/A≧1.60であることがより好ましい。糸繊度が直径の2乗で比例しているため、特に繊度13〜18dtexにおいては、6〜13dtex未満に比べて、比較的構成単糸を3段以上にしやすい。3段以上にするためには、B/A≧1.60とすることが好ましい。B/Aの上限としては、経糸の捌き性の点から 2.0以下に設計することが好ましい。
また、緯糸にも本発明のポリアミドマルチフィラメントを用いることは好ましく行われ、適正な織物密度とすることにより、さらに通気度ダウンに有効となる。
なお、2.54cm幅に存在する経糸本数を拡大鏡を用いて数えることで、経糸密度を測定する。緯糸密度も同様である。ただし、リップ部の引き揃え部分は引き揃え本数をそれぞれカウントする(例:3本引き揃えならば、3本とカウントする)。
ここで、経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)とは、単位長さを経糸本数で除した値であり、図2中、経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅Aで示される長さに相当するものである。なお、図2は経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)を説明する模式図であり、aが経糸である。例えば2.54cm当たりの経糸本数であるならば、
A(μm)=2.54×10/経糸本数
で求められる。また、経糸に用いる糸条の単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)とは、図3中、単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸bを一列に並べたときの長さBで示される長さに相当するものである。なお、図3は単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)を説明するために実施例11と比較例9を用いた模式図であり、次式で求められる値である。例えば、すなわち、ポリカプロアミド、もしくはポリヘキサメチレンアジパミドの時、比重が1.14であることから
B(μm)=2×フィラメント数×10×(繊度(dtex)/(π×フィラメント数×1.14×10))(1/2)
で求められる。
使用する織機としては特に限定されないが、ウォータージェットルームが好ましく用いられる。織物組織としてはウィンドブレーカーやダウンウェアの生地のように薄地織物を狙いとしている。したがって、軽くて薄い生地が求められると共に引裂強さなどの強さが必要となる。したがって、組織点の多い平組織、または平組織と石目、ナナコ組織を組み合わせたリップストップ組織が好ましい。リップストップ組織における石目、ナナコ部は2本以上であっても問題ない。一般的には2本から5本の範囲内で構成され、ダブルリップストップでも問題ない。リップストップ組織について限定はないが、引裂強力および視覚的効果から格子柄の幅としては5mm以下の格子柄が好ましく、2mm以下の格子柄がより好ましい。
本発明の織物は、より高い低通気性や防水特性を得るためにカレンダー加工や樹脂加工を施すことは問題ない。一方で、薄くてやわらかい特性を活かして、上記加工を行わなかったとしても、単糸繊度が細いため、比較的高い低通気性が得られたり、片面だけカレンダー加工して撥水加工を施すなど、狙いとする特性に応じて加工することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例および比較例における各測定値は、次の方法で得たものである。
A.98%硫酸相対粘度(ηr)
(a)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解する。
(b)(a)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
(c)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
(d)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式により算出する。測定温度は25℃とする。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}。
B.強度・伸度測定
JIS L 1013−1992 7.5引張強さ及び伸び率に準じて測定を行った。試験条件としては、試験機の種類としては定速緊張形、つかみ間隔50cmにて行った。なお、強度(cN/dtex)=引張強さ(cN)/繊度(dtex)
C.交絡度
(a)装置:エンタングルメントテスター R2040およびエレクトロニック・テンションメーターR−1192、共にツエルベカーオーバーシーズ社製
(b)測定条件:糸走行スピード2.4m/min、リールスピード17.6m/min、リール時間3.4sec、リール長99.7cm、NO.Show10×10cm、初荷重0.22g×測定サンプル繊度dtex、トリップレベル張力(g)測定サンプル繊度dtex/フィラメント数、フルスケール25g
(c)個々の交絡点長さの平均を平均交絡点長さA(mm)としたとき、交絡度=1000/A
(d)おもりを吊り下げて走行させ、張力指示針が初荷重となるように調整する。テストカウンターをN=30にセットして測定を行い、10DMにて測定した結果の平均値を交絡度とする。
D.油剤付着量
(a)原糸サンプル重量(S)10gをn−ヘキサン70mlに浸漬、撹拌(20℃、5分間)して油剤を抽出する。
(b)再度、同じサンプルをn−ヘキサン70mlに浸漬、撹拌(20℃、5分間)して油剤を抽出する。
(c)上記a,bにて抽出したn−ヘキサンを予め、乾燥させて重量(W0)を測定したフラスコに移し、n−ヘキサンを100℃にて飛ばす。
(d)さらに真空乾燥機(40℃、10torr以下、1時間)にて乾燥させる。
(e)乾燥剤の入ったデシケーター内で放冷した後、フラスコの重量(W1)を測定する。
(f)下記式より油剤付着量を求める。
油剤付着量(%)=(W1−W0)/S×100
E.カバーファクター
JIS L 1096−1999 8.6.1 織物の密度に準じて2.54cmの区間にて測定する。カバーファクター(CF)=経糸密度×(経糸繊度)1/2+緯糸密度×(緯糸繊度)1/2
F.通気度
JIS L 1096−1999 8.27.1 A法 フラジール形法に準じて測定する。
G.引裂強力
JIS L 1096−1999 8.15.5 D法 ペンジュラム法に準じて測定を行った。経糸を切断する方向と緯糸を切断する方向の両方向を測定する。
H.厚み
JIS L 1096−1999 8.5.1 織物の厚さに準じて測定する。
I.目付け
JIS L 1096−1999 8.4.1 正量に準じて測定する。
J.洗濯処理
JIS L 0217−1995 表1 洗い方(水洗い)番号103の試験方法に従い実施する。浴比1:30、洗剤:弱アルカリ洗剤(花王製「アタック」)標準量、洗濯機:2槽式洗濯機東芝製VH−M30(HS)、工程:{洗い(5min、40℃)、すすぎ(2min、常温)、脱水(1mm)、すすぎ(2min、常温)、脱水(1mm)、風乾}、左記工程を5回繰り返す。
98%硫酸相対粘度2.8で酸化チタンを含まないポリカプロアミドチップを280℃で溶融し、紡糸口金において環状に配した丸型の吐出孔から吐出し、円柱状のフィルターから内向きに冷却風を吹き出す内吹き環状冷却冷却装置(口金面からの冷却開始距離:36.5mm、冷却長:150mm)を用いて冷却し、その後給油ガイドから0.18ml/minの油剤(平滑剤として、鉱物油およびトリデシルステアレートを使用し、乳化剤として牛脂アルコールエチレンオキサイド付加物、制電剤としてイミダゾリン化合物を用いた)を吐出させてマルチフィラメントに給油し、交絡ノズル(圧空圧0.2MPa)にて交絡を付与した後、第1ゴデーローラーに片掛けすることによって引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように第2ゴデーローラーとの間で延伸した後、155℃で加熱した第2ゴデーローラーに片掛けすることによって熱処理してから4000m/分で巻き取り、11デシテックス16フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.6cN/dtex、交絡度34)。以下の実施例および比較例においても同様の第1ゴデーローラーおよび第2ゴデーローラーおよび油剤を用いている。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を常法にしたがって精練(オープンソーパー、90℃×20分)、中間セット(170℃×20分)、染色(ジッカー、90℃×30分)、乾燥(120℃×1分)、撥水加工(パッドドライ)、仕上げセット(170℃×20分)した後、カレンダー加工(シリンダー温度180℃、カレンダー圧力35t(150cm幅)、速度10m/min)を織物両面(表面2回、裏面1回)に施して仕上げ、経糸密度255本/2.54cm、緯糸密度240本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.41であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、図1に示すように構成フィラメントによって2段に配置されていた。なお、図1は、経糸断面を切断した織物断面の概略図である。また、得られた織物は経引裂強力が9.7N、緯引裂強力が8.1Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.5cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.8cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例2
98%硫酸相対粘度2.8で酸化チタンを含まないポリヘキサメチレンジアミドチップを290℃で溶融し、紡糸口金において環状に配した丸型の吐出孔から吐出し、円柱状のフィルターから内向きに冷却風を吹き出す内吹き環状冷却装置を用いて冷却し、その後給油ガイドから0.18ml/minの油剤を吐出させてマルチフィラメントに給油し、交絡ノズル(圧空圧0.2MPa)にて交絡を付与した後、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、11デシテックス16フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.8cN/dtex、交絡度36)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度255本/2.54cm、緯糸密度240本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.41であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が10.2N、緯引裂強力が8.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.5cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.8cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例3
実施例1で用いたポリカプロアミドチップを用い、紡糸口金を変えて同様に紡糸〜巻取を行い、11デシテックス18フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.5cN/dtex、交絡度38)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度255本/2.54cm、緯糸密度240本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.49であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が9.4N、緯引裂強力が7.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.4cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.7cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例4
実施例3でのカレンダー加工を表面2回のみに変更した。得られた織物は経引裂強力が9.8N、緯引裂強力が8.4Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.5cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.9cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例5
実施例1で用いたポリカプロアミドチップを用い、紡糸口金を変えて同様に紡糸〜巻取を行い、11デシテックス14フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.7cN/dtex、交絡度30)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度255本/2.54cm、緯糸密度240本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.32であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が10.2N、緯引裂強力が8.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.7cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.9cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さくサイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例6
実施例2で用いたポリヘキサメチレンジアミドチップを用い、紡糸口金とポリマー吐出量、油剤吐出量を変えて実施例2と同様に紡糸〜巻取を行い、8デシテックス16フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.5cN/dtex、交絡度41)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度290本/2.54cm、緯糸密度280本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.37であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が8.6N、緯引裂強力が7.3Nであり、厚みは0.03mm、目付けは20g/m、通気度は0.4cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.6cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例7
実施例6でのカレンダー加工を表面2回のみに変更した。得られた織物は経引裂強力が8.8N、緯引裂強力が7.7Nであり、厚みは0.03mm、目付けは20g/m、通気度は0.5cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.8cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
実施例8
98%硫酸相対粘度2.6で酸化チタンを0.3重量%含むポリヘキサメチレンジアミドチップを290℃で溶融し、紡糸口金とポリマー吐出量、油剤吐出量を変えて同様に紡糸〜巻取を行い、13デシテックス16フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.0cN/dtex、交絡度32)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度240本/2.54cm、緯糸密度220本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.44であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が9.2N、緯引裂強力が8.1Nであり、厚みは0.04mm、目付けは26g/m、通気度は0.6cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。さらに、洗濯5回後の通気度は、0.8cm/cm/secであり、洗濯耐久性に優れていることが判った。織物評価の結果を表2に示す。
実施例9
実施例8のチップを用い、290℃で溶融し、紡糸口金とポリマー吐出量、油剤吐出量を変えて、実施例1と同様な冷却方法によって冷却し、その後給油ガイドから油剤を吐出させてマルチフィラメントに給油し、交絡ノズル(圧空圧0.2MPa)にて交絡を付与した後、引取りを行い、引き続き、伸度が60%になるように延伸した後、熱処理することなく4500m/分で巻き取り、13デシテックス16フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度4.0cN/dtex、交絡度38)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度240本/2.54cm、緯糸密度220本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.44であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が8.4N、緯引裂強力が6.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは26g/m、通気度は0.6cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低くかった。引裂強力としては、糸の強度が5.0cN/dtex、伸度45%である実施例8の方が優れていることが判った。また、風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。さらに、洗濯5回後の通気度は、0.8cm/cm/secであり、洗濯耐久性に優れていることが判った。織物評価の結果を表2に示す。
実施例10
実施例8で用いたポリヘキサメチレンジアミドチップを用い、紡糸口金を変えて同様に紡糸〜巻取を行い、13デシテックス22フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度4.5cN/dtex、交絡度40)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例8と同様に製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度240本/2.54cm、緯糸密度220本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.69であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段〜中央部は3段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が9.0N、緯引裂強力が7.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは26g/m、通気度は0.4cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。さらに、洗濯5回後の通気度は、0.6cm/cm/secであり、洗濯耐久性に優れていることが判った。織物評価の結果を表2に示す。
実施例11
98%硫酸相対粘度2.6で酸化チタンを1.5重量%含むポリヘキサメチレンジアミドチップを290℃で溶融し、紡糸口金とポリマー吐出量、油剤吐出量を変えて同様に紡糸〜巻取を行い、18デシテックス23フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度4.0cN/dtex、交絡度38)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度195本/2.54cm、緯糸密度190本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.65であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段〜中央部は3段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が9.1N、緯引裂強力が8.2Nであり、厚みは0.04mm、目付けは30g/m、通気度は0.4cm/cm/secであり、目付が極めて低い薄地織物にも関わらず、通気性は低く、引裂強力が高い優れた織物であった。また、洗濯5回後の通気度は0.7cm/cm/secであり、通気度抑制の耐洗濯性に優れていた。風合いは非常にソフトであり、生地をこすり合わせたときの音が非常に小さく、サイレント性に優れていた。織物評価の結果を表2に示す。
比較例1
98%硫酸相対粘度2.8で酸化チタンを0.02重量%含むポリヘキサメチレンジアミドチップを290℃で溶融し、紡糸口金において全面に配した丸型の吐出孔から吐出し、片面から一方向に冷却風を吹き出すユニフロー型冷却装置を用いて冷却し、その後給油ガイドにてマルチフィラメントに給油した後、交絡ノズル(圧空圧0.25MPa)にて交絡を付与し、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、8デシテックス5フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.0cN/dtex、交絡度7)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例6と同様に製織を行った。なお、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが発生し、実施例6に比較して強い張力を掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため経糸要因の糸切れが多発し、織り上がった生織は、多数の欠点が見られた。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度290本/2.54cm、緯糸密度280本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは0.76であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって1段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が8.5N、緯引裂強力が7.2Nであり、厚みは0.03mm、目付けは20g/m、通気度は0.8cm/cm/secであり、実施例6と比べて通気度抑制効果が低かった。また、洗濯5回後の通気度は1.3cm/cm/secであり、洗濯後の通気度抑制が実施例6に比べて劣っていた。風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例2
比較例1でのカレンダー加工を表面2回のみに変更した。得られた織物は経引裂強力が8.6N、緯引裂強力が7.3Nであり、厚みは0.03mm、目付けは20g/m、通気度は1.0cm/cm/secであり、実施例7に比べて通気度抑制効果が低かった。また、洗濯5回後の通気度は1.5cm/cm/secであり、同様に実施例7と比べて、洗濯後の通気度抑制の低下が大きかった。風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例3
実施例1で用いたポリカプロアミドチップを280℃で溶融し、紡糸口金において全面に配した丸型の吐出孔から吐出し、比較例1と同様のユニフロー型冷却装置を用いてその後給油ガイドにてマルチフィラメントに給油した後、交絡ノズル(圧空圧0.25MPa)にて交絡を付与し、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、11デシテックス5フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度6.0cN/dtex、交絡度12)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例3と同様に製織を行った。なお、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが発生し、実施例3に比較して強い張力を掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため経糸要因の糸切れが多発し、織り上がった生織は、多数の欠点が見られた。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度255本/2.54cm、緯糸密度240本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは0.79であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって1段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が10.2N、緯引裂強力が9.2Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.8cm/cm/secであり、実施例3に比べて通気度抑制効果が低かった。また、洗濯5回後の通気度は1.4cm/cm/secであり、洗濯後の通気度抑制が実施例3に比べて劣っていた。また、風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例4
比較例3でのカレンダー加工を表面2回のみに変更した。得られた織物は経引裂強力が10.7N、緯引裂強力が9.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は1.2cm/cm/secであり、実施例4に比べて通気度抑制効果が低かった。また、洗濯5回後の通気度は1.9cm/cm/secであり、同様に実施例4と比べて、洗濯後の通気度抑制の低下が大きかった。風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例5
実施例2で用いたポリヘキサメチレンジアミドチップを用い、紡糸口金において全面に配した丸型の吐出孔から吐出し、比較例1と同様のユニフロー型冷却装置を用いてその後給油ガイドにてマルチフィラメントに給油した後、交絡ノズル(圧空圧0.25MPa)にて交絡を付与し、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、11デシテックス10フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度6.2cN/dtex、交絡度21)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例2と同様に製織を行った。なお、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが発生し、実施例2に比較して強い張力を掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため経糸要因の糸切れが多発し、織り上がった生織は、多数の欠点が見られた。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度255本/2.54cm、緯糸密度240本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.11であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって1段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が9.7N、緯引裂強力が8.9Nであり、厚みは0.04mm、目付けは24g/m、通気度は0.7cm/cm/secであり、実施例2と比べて通気度抑制効果が劣っていた。また、また、洗濯5回後の通気度は1.4cm/cm/secであり、洗濯後の通気度抑制が実施例2に比べて劣っていた。風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例6
比較例5において交絡を上げるために交絡ノズルの圧空圧のみを0.4MPaに高くして、11デシテックス10フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度6.0cN/dtex、交絡度26)。しかしながら、交絡ノズルでのダメージのために毛羽が発生しており、伸度が40%に低下していた。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
比較例5と同様に製織を行おうとしたが、交絡は高いものの、毛羽のために整経時頻繁に停台するとともに製織性も比較例5と比べても悪化していたため、製織を中止した。
比較例7
実施例1において交絡を下げるために交絡ノズルの圧空圧のみを0.1MPaに下げて、11デシテックス16フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.6cN/dtex、交絡度21)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例1と同様に製織を行おうとしたが、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが発生し、実施例1に比較して強い張力を掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため実施例1と比べて、経糸要因の糸切れが多発したため、製織を中止した。
比較例8
実施例1で用いたポリカプロアミドチップを280℃で溶融し、紡糸口金において全面に配した丸型の吐出孔から吐出し、比較例1と同様のユニフロー型冷却装置を用いてその後給油ガイドにてマルチフィラメントに給油した後、交絡ノズル(圧空圧0.25MPa)にて交絡を付与し、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、13デシテックス10フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度6.0cN/dtex、交絡度20)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例6と同様に製織を行った。なお、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが見られ、張力をやや高めに掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため経糸要因の糸切れがやや多く、織り上がった生織は、欠点が見られた。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度240本/2.54cm、緯糸密度220本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.14であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって1段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が9.5N、緯引裂強力が8.4Nであり、厚みは0.04mm、目付けは26g/m、通気度は0.8cm/cm/secであり、通気度抑制効果は実施例8と比べて劣っていた。また、風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。さらに洗濯5回後の通気度は1.5cm/cm/secであり、洗濯後の通気度抑制が実施例8に比べて劣っていた。織物評価の結果を表2に示す。
比較例9
98%硫酸相対粘度2.6で酸化チタンを0.3重量%含むポリカプロアミドチップを280℃で溶融し、紡糸口金とポリマー吐出量、油剤吐出量を変えて比較例2と同様に紡糸〜巻取を行い、18デシテックス3フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度5.0cN/dtex、交絡度3)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例11と同様に製織を行った。なお、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが発生し、実施例11に比較して強い張力を掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため経糸要因の糸切れが多発し、織り上がった生織は、多数の欠点が見られた。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度195本/2.54cm、緯糸密度190本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは0.60であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって1段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が15.1N、緯引裂強力が13.2Nであり、厚みは0.04mm、目付けは30g/m、通気度は1.9cm/cm/secであり、実施例11と比べて通気度抑制が劣っていた。また、また、洗濯5回後の通気度は2.5cm/cm/secであり、洗濯後の通気度抑制が実施例11に比べて劣っていた。風合いはハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音が気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例10
実施例1で用いたポリカプロアミドチップを280℃で溶融し、紡糸口金において全面に配した丸型の吐出孔から吐出し、比較例1と同様のユニフロー型冷却装置を用いてその後給油ガイドにてマルチフィラメントに給油した後、交絡ノズル(圧空圧0.25MPa)にて交絡を付与し、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、18デシテックス12フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度6.0cN/dtex、交絡度19)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
実施例8と同様に製織を行った。なお、交絡が入っていないために、整経時にフィラメント割れが見られ、張力をやや高めに掛けながら整経、糊付けを行ったものの、集束性は十分でなく、そのため経糸要因の糸切れがやや多く、織り上がった生織は、欠点が見られた。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度195本/2.54cm、緯糸密度190本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.19であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって1段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が11.0N、緯引裂強力が10.5Nであり、厚みは0.04mm、目付けは30g/m、通気度は0.8cm/cm/secであり、実施例11に比べて通気度抑制効果は劣っていた。また、洗濯5回後の通気度は1.4cm/cm/secであり、洗濯後の通気度抑制が実施例11に比べて劣っていた。風合いはややハリ感があり、生地をこすり合わせたときの音がやや気になった。織物評価の結果を表2に示す。
比較例11
実施例1で用いたポリカプロアミドチップを280℃で溶融し、紡糸口金において全面に配した丸型の吐出孔から吐出し、比較例1と同様のユニフロー型冷却装置を用いてその後給油ガイドにてマルチフィラメントに給油した後、交絡ノズル(圧空圧0.20MPa)にて交絡を付与し、引取りを行い、引き続き、伸度が45%になるように延伸した後、155℃で熱処理してから4000m/分で巻き取り、22デシテックス20フィラメントのポリアミドマルチフィラメントを得た(強度6.0cN/dtex、交絡度30)。ポリアミドマルチフィラメントの評価結果を表1に示す。
織物経糸および緯糸として解除撚のみで追撚を施すことなく用いてマイクロリップストップ組織にて製織を行った。なお、トータル繊度が太く、構成フィラメント本数も20本と多いため、整経時の毛羽はなく、整経〜糊つけ工程を問題なく通過し、製織性も良好であり、織り上がった生織は品質の高いものであった。得られた生織を実施例1と同様に精練〜カレンダー加工を施して仕上げ、経糸密度190本/2.54cm、緯糸密度190本/2.54cmの織物を得た。
経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)の比であるB/Aは1.66であった。
織物経糸断面をSEMを用いて観察したところ、構成フィラメントによって2段に配置されていた。また、得られた織物は経引裂強力が13.1N、緯引裂強力が12.1Nであり、厚みは0.05mm、目付けは36g/m、通気度は0.6cm/cm/secであった。また、洗濯5回後の通気度は0.8cm/cm/secであった。風合いは実施例の織物に比べて厚みがあり、それに伴うハリ感があった。織物評価の結果を表2に示す。
Figure 0004992577
Figure 0004992577
実施例1の経糸断面を切断した織物断面の概略図 請求項5における経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)を説明する模式図 請求項5における経糸に用いる糸条の単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)を説明するために実施例11と比較例9を用いた模式図
符号の説明
A.経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅
B.単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ
a.織物経糸
b.織物緯糸
c.単糸

Claims (5)

  1. トータル繊度6dtex〜18dtexであり、かつ単糸繊度が0.8dtex以下であり、かつ4T/m以下の撚数であり、かつ交絡度が25以上であることを特徴とするポリアミドマルチフィラメント。
  2. 強度5.0cN/dtex以上、伸度40〜50%であることを特徴とする請求項1記載のポリアミドマルチフィラメント。
  3. 請求項1または2いずれかのポリアミドマルチフィラメントを少なくとも経糸の一部に用いていることを特徴とする織物。
  4. 経糸と緯糸のカバーファクターの総和が1600以上であることを特徴とする請求項3記載の織物。
  5. 経糸密度から求められる経糸1本当たりの幅(=A)と経糸に用いる糸条の単糸の直径とフィラメント数から求められる単糸を一列に並べたときの長さ(=B)が、下記式の関係を満たすことを特徴とする請求項3または4いずれかに記載の織物。
    B/A≧1.30
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