JPH09188627A - インターフェロン産生能向上物質及びその製造方法 - Google Patents
インターフェロン産生能向上物質及びその製造方法Info
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- JPH09188627A JPH09188627A JP8002582A JP258296A JPH09188627A JP H09188627 A JPH09188627 A JP H09188627A JP 8002582 A JP8002582 A JP 8002582A JP 258296 A JP258296 A JP 258296A JP H09188627 A JPH09188627 A JP H09188627A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】インターフェロン産生を高めて感染症や腫瘍の
治療を行う免疫機能助長剤と併用することで、少量の免
疫機能助長剤の使用でも、より多量のインターフェロン
を産生させて免疫機能助長剤による副作用を最小限に止
めることができるインターフェロン産生能向上物質及び
その製造方法を提供する事を目的とする。 【解決手段】漬物などに由来するラクトバチルス・ブレ
ービス(Lactobacillus brevis subsp. coagulans) 菌FE
RM BP-4693の菌体表面に存在する莢膜を菌体表面から分
離して得るようにした。
治療を行う免疫機能助長剤と併用することで、少量の免
疫機能助長剤の使用でも、より多量のインターフェロン
を産生させて免疫機能助長剤による副作用を最小限に止
めることができるインターフェロン産生能向上物質及び
その製造方法を提供する事を目的とする。 【解決手段】漬物などに由来するラクトバチルス・ブレ
ービス(Lactobacillus brevis subsp. coagulans) 菌FE
RM BP-4693の菌体表面に存在する莢膜を菌体表面から分
離して得るようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターフェロン
産生能向上物質(すなわち、インターフェロンを産生さ
せる能力を向上させる物質)及びその製造方法に関する
ものである。
産生能向上物質(すなわち、インターフェロンを産生さ
せる能力を向上させる物質)及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】インターフェロン(以下、「IFN」と
略す)は、ウィルス増殖抑制因子ともいい、ウィルス等
の感染因子の刺激を受けた動物細胞が作り出し、細胞外
に分泌する抗ウィルス物質として、1950年代に発見
された。このIFNは、異種核酸等の刺激によって白血
球や繊維芽細胞、Tリンパ球などで作られるタンパク質
もしくは糖タンパク質である。
略す)は、ウィルス増殖抑制因子ともいい、ウィルス等
の感染因子の刺激を受けた動物細胞が作り出し、細胞外
に分泌する抗ウィルス物質として、1950年代に発見
された。このIFNは、異種核酸等の刺激によって白血
球や繊維芽細胞、Tリンパ球などで作られるタンパク質
もしくは糖タンパク質である。
【0003】IFNには、α、β、γ型等のタイプが存
在し、この中の白血球型インターフェロンともいわれる
IFNα(α型インターフェロン)の産生能は、癌患者
や糖尿病患者、前白血病等の疾患で低下していることが
報告され、易感染性との相関が明らかにされている。し
たがって、IFNα産生能(IFNの産生量)の測定
は、各個人固有の免疫能を反映する有効なパラメーター
の一つであると考えられる。
在し、この中の白血球型インターフェロンともいわれる
IFNα(α型インターフェロン)の産生能は、癌患者
や糖尿病患者、前白血病等の疾患で低下していることが
報告され、易感染性との相関が明らかにされている。し
たがって、IFNα産生能(IFNの産生量)の測定
は、各個人固有の免疫能を反映する有効なパラメーター
の一つであると考えられる。
【0004】このような免疫能を反映するパラメーター
が低下しているとき、それを上昇させることは患者の病
態や生活の質向上につながると考えられる。その為の一
つの方法として、IFNの直接投与やOK432等の強
力な免疫賦活剤の利用が考えられるが、これらを連続し
て使用することは、白血球数の減少(白血球減少症)、
血小板数の減少(血小板減少症)、脱毛、発熱、痛み、
疲労感等の副作用を招くという問題がある。
が低下しているとき、それを上昇させることは患者の病
態や生活の質向上につながると考えられる。その為の一
つの方法として、IFNの直接投与やOK432等の強
力な免疫賦活剤の利用が考えられるが、これらを連続し
て使用することは、白血球数の減少(白血球減少症)、
血小板数の減少(血小板減少症)、脱毛、発熱、痛み、
疲労感等の副作用を招くという問題がある。
【0005】そこで、IFNを直接投与するのではな
く、人体内でIFN産生を高めて免疫機能を助長させる
免疫機能助長剤(IFN誘導剤)の研究が進められ、た
とえば、この免疫機能助長剤として、ポリイノシン酸─
ポリシチジル酸という2種の合成ポリヌクレオチドが対
になったホモポリマーであるPolyI:C等が知られ
ている。
く、人体内でIFN産生を高めて免疫機能を助長させる
免疫機能助長剤(IFN誘導剤)の研究が進められ、た
とえば、この免疫機能助長剤として、ポリイノシン酸─
ポリシチジル酸という2種の合成ポリヌクレオチドが対
になったホモポリマーであるPolyI:C等が知られ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、IFN誘導剤
も、本来は人体内に存在しないものであるため、IFN
産生を高めて感染症や腫瘍の治療を行おうとすれば、大
なり小なり副作用が起きる恐れもある。したがって、で
きるだけ使用量を少なくする事が望ましい。
も、本来は人体内に存在しないものであるため、IFN
産生を高めて感染症や腫瘍の治療を行おうとすれば、大
なり小なり副作用が起きる恐れもある。したがって、で
きるだけ使用量を少なくする事が望ましい。
【0007】そこで、本発明は、上記課題を解決すべ
く、IFN誘導剤と併用することで、IFNがより多量
に産生させる効果を有するインターフェロン産生能向上
物質、および、その製造方法を提供することを目的とし
た。
く、IFN誘導剤と併用することで、IFNがより多量
に産生させる効果を有するインターフェロン産生能向上
物質、および、その製造方法を提供することを目的とし
た。
【0008】
【発明を解決するための手段】このような目的を達する
ために、本発明にかかるIFN産生能を向上させる物質
は、ラクトバチルス・ブレービス(Lactobacillus brev
is subsp. coagulans)菌FERM BP−4693の菌
体表面に存在する莢膜を菌体表面から分離して得るよう
にした。
ために、本発明にかかるIFN産生能を向上させる物質
は、ラクトバチルス・ブレービス(Lactobacillus brev
is subsp. coagulans)菌FERM BP−4693の菌
体表面に存在する莢膜を菌体表面から分離して得るよう
にした。
【0009】また、インターフェロン産生能向上物質の
製造方法は特に限定されないが、請求項2に記したよう
にチオシアン酸ナトリウム溶液に懸濁させることによ
り、菌体の周囲に位置する莢膜を菌体から分離すること
で製造することが望ましい。懸濁に要する時間は、特に
限定されないが、菌体の沈澱を溶液中に分散、すなわ
ち、懸濁状態にする場合、30分〜1時間程度が好まし
い。
製造方法は特に限定されないが、請求項2に記したよう
にチオシアン酸ナトリウム溶液に懸濁させることによ
り、菌体の周囲に位置する莢膜を菌体から分離すること
で製造することが望ましい。懸濁に要する時間は、特に
限定されないが、菌体の沈澱を溶液中に分散、すなわ
ち、懸濁状態にする場合、30分〜1時間程度が好まし
い。
【0010】また、菌体から莢膜物質を遊離させるまで
の時間は、攪拌装置としてスターラーを用いた場合で懸
濁してからさらに2〜3時間程度が好ましい。
の時間は、攪拌装置としてスターラーを用いた場合で懸
濁してからさらに2〜3時間程度が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るインターフェロン産
生能向上物質(Lactobacillus Clumping Factor(LC
F))は、純粋培養したすぐき漬けの醗酵菌であるラクト
バチルス・ブレービス菌FERM BP−4693をチ
オシアン酸ナトリウム液に懸濁し、菌体から莢膜を可溶
化させて分離させることによって得られた莢膜分離溶液
にエタノール等のアルコールを加えて、可溶化した莢膜
物質を凝集させた後に遠心分離して集めることによって
得ることができる。
生能向上物質(Lactobacillus Clumping Factor(LC
F))は、純粋培養したすぐき漬けの醗酵菌であるラクト
バチルス・ブレービス菌FERM BP−4693をチ
オシアン酸ナトリウム液に懸濁し、菌体から莢膜を可溶
化させて分離させることによって得られた莢膜分離溶液
にエタノール等のアルコールを加えて、可溶化した莢膜
物質を凝集させた後に遠心分離して集めることによって
得ることができる。
【0012】このようにして得られたインターフェロン
産生能向上物質は、IFN誘導剤であるPolyI:C
と併用することによって、PolyI:Cを単独で使用
する時に比べてよりIFNの産生能を向上させることが
できるという効果を有するものである。
産生能向上物質は、IFN誘導剤であるPolyI:C
と併用することによって、PolyI:Cを単独で使用
する時に比べてよりIFNの産生能を向上させることが
できるという効果を有するものである。
【0013】したがって、少ないPolyI:Cの使用
量で、充分に人体のIFN産生を高めることができるよ
うになり、副作用を極力抑えて感染症や腫瘍の治療をよ
り効果的に行なうことができるようになる。
量で、充分に人体のIFN産生を高めることができるよ
うになり、副作用を極力抑えて感染症や腫瘍の治療をよ
り効果的に行なうことができるようになる。
【0014】また、上記製造方法によれば、本発明のイ
ンターフェロン産生能向上物質を多量に含む莢膜を菌体
本体から効率よく分離することができる。これは、チオ
シアン酸ナトリウムが莢膜を構成する分子そのものの立
体構造を変化させて遊離させるからであると考えられ
る。
ンターフェロン産生能向上物質を多量に含む莢膜を菌体
本体から効率よく分離することができる。これは、チオ
シアン酸ナトリウムが莢膜を構成する分子そのものの立
体構造を変化させて遊離させるからであると考えられ
る。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と対比させ
つつ詳しく説明する。 (実施例1)すぐき漬けから分離したラクトバチルス・
ブレービス菌FERM BP−4693をMRS培地(D
ifco社)で32℃、24時間静置培養した。
つつ詳しく説明する。 (実施例1)すぐき漬けから分離したラクトバチルス・
ブレービス菌FERM BP−4693をMRS培地(D
ifco社)で32℃、24時間静置培養した。
【0016】ラクトバチルス・ブレービス菌FERM
BP−4693菌体を培養した上記液体培地を試験管に
入れ、ボルテックスミキサー(試験管自動振動装置)で
約20秒間強く攪拌したところ凝集塊が出現した。この
凝集塊を走査電子顕微鏡で観察すると菌体がお互いに粘
性を帯びた糸状物質でつながっていた。
BP−4693菌体を培養した上記液体培地を試験管に
入れ、ボルテックスミキサー(試験管自動振動装置)で
約20秒間強く攪拌したところ凝集塊が出現した。この
凝集塊を走査電子顕微鏡で観察すると菌体がお互いに粘
性を帯びた糸状物質でつながっていた。
【0017】また、ラクトバチルス・ブレービスFER
M BP−4693菌体を含む液体培地に炭素粒(墨
汁)を混合して位相差顕微鏡で菌体を観察(墨汁染色)
したところ、菌体周囲が白く抜けて見え、ラクトバチル
ス・ブレービスFERM BP−4693菌体が、菌体
周囲に莢膜を有していることが分かった。したがって、
上記凝集塊が出現する理由は、この菌体表面に存在する
粘性を帯びた莢膜が攪拌流などの力で一部はずれた後、
互いに吸着して大きく凝集するためと考えられる。
M BP−4693菌体を含む液体培地に炭素粒(墨
汁)を混合して位相差顕微鏡で菌体を観察(墨汁染色)
したところ、菌体周囲が白く抜けて見え、ラクトバチル
ス・ブレービスFERM BP−4693菌体が、菌体
周囲に莢膜を有していることが分かった。したがって、
上記凝集塊が出現する理由は、この菌体表面に存在する
粘性を帯びた莢膜が攪拌流などの力で一部はずれた後、
互いに吸着して大きく凝集するためと考えられる。
【0018】つぎに、液体培地を遠心分離して菌体を沈
澱させて取り出したのち、0.15M塩化ナトリウム溶液
(生理食塩水)に懸濁し、再び遠心分離して取り出し
た。すなわち、液体培地から遠心分離しただけでは、培
地中に含まれる栄養素や代謝産物が不純物として含まれ
ているため、0.15M塩化ナトリウム溶液でこれらの不純
物を洗った。
澱させて取り出したのち、0.15M塩化ナトリウム溶液
(生理食塩水)に懸濁し、再び遠心分離して取り出し
た。すなわち、液体培地から遠心分離しただけでは、培
地中に含まれる栄養素や代謝産物が不純物として含まれ
ているため、0.15M塩化ナトリウム溶液でこれらの不純
物を洗った。
【0019】このようにして得た純粋なラクトバチルス
・ブレービスFERM BP−4693菌体をチオシア
ン酸ナトリウム溶液(6Mのチオシアン酸ナトリウムと
0.05Mのトリスヒドロキシメチルアミノメタン−塩酸を
含みpH7.5 にしたもの)に懸濁し、室温で2時間攪拌
した後、可溶化した物質を遠心によって菌体から分離し
た。可溶化した物質の溶液に3倍量のエタノールを加え
て直ちに凝集する繊維状の物質を遠心分離して集め、70
%エタノールおよび0.15M塩化ナトリウムと0.05Mトリ
スヒドロキシルアミノメタン塩酸を含むpH7.5 の緩衝
液で洗ったのち、凍結乾燥してインターフェロン産生能
向上物質を得た。
・ブレービスFERM BP−4693菌体をチオシア
ン酸ナトリウム溶液(6Mのチオシアン酸ナトリウムと
0.05Mのトリスヒドロキシメチルアミノメタン−塩酸を
含みpH7.5 にしたもの)に懸濁し、室温で2時間攪拌
した後、可溶化した物質を遠心によって菌体から分離し
た。可溶化した物質の溶液に3倍量のエタノールを加え
て直ちに凝集する繊維状の物質を遠心分離して集め、70
%エタノールおよび0.15M塩化ナトリウムと0.05Mトリ
スヒドロキシルアミノメタン塩酸を含むpH7.5 の緩衝
液で洗ったのち、凍結乾燥してインターフェロン産生能
向上物質を得た。
【0020】インターフェロン産生能向上物質の収量
は、菌体重量の0.3 〜0.5 %であった。
は、菌体重量の0.3 〜0.5 %であった。
【0021】また、得られたインターフェロン産生能向
上物質は、なにも処理を加えない状態では水に不溶性
で、高濃度のチオシアン酸ナトリウムや尿素溶液中では
粘性が高いゾル状態として存在したが、短時間の超音波
処理によって水に可溶性になった。そして、この可溶化
したインターフェロン産生能向上物質の分子量は、尿素
存在下でのゲル濾過により、100 万以上と推定される。
上物質は、なにも処理を加えない状態では水に不溶性
で、高濃度のチオシアン酸ナトリウムや尿素溶液中では
粘性が高いゾル状態として存在したが、短時間の超音波
処理によって水に可溶性になった。そして、この可溶化
したインターフェロン産生能向上物質の分子量は、尿素
存在下でのゲル濾過により、100 万以上と推定される。
【0022】さらに、このインターフェロン産生能向上
物質は、低温(4℃)でヨウ素(I 2 −KI溶液)と結
合し、ヨウ素・デンプン反応と類似の、青色のヨウ素複
合体(吸光度のピークは580 〜600nm )を形成したが、
室温ではこのヨウ素複合体は解離しやすい傾向にあっ
た。また、このインターフェロン産生能向上物質の酸加
水分解物の主成分はグルコースであった。
物質は、低温(4℃)でヨウ素(I 2 −KI溶液)と結
合し、ヨウ素・デンプン反応と類似の、青色のヨウ素複
合体(吸光度のピークは580 〜600nm )を形成したが、
室温ではこのヨウ素複合体は解離しやすい傾向にあっ
た。また、このインターフェロン産生能向上物質の酸加
水分解物の主成分はグルコースであった。
【0023】以上のことより、本発明のインターフェロ
ン産生能向上物質は、蛋白質を含まず、アミロースに類
似のα−1,4−グルコシド結合を持った水難溶性の高
分子グルカンと考えられる。
ン産生能向上物質は、蛋白質を含まず、アミロースに類
似のα−1,4−グルコシド結合を持った水難溶性の高
分子グルカンと考えられる。
【0024】つぎに、このようにして得たインターフェ
ロン産生能向上物質の向上効果を以下のように調べた。
まず、凍結乾燥されたインターフェロン産生能向上物質
をチオシアン酸ナトリウム溶液に溶かし、水に対して透
析してチオシアン酸ナトリウムを除去した後、超音波処
理(30秒、3回) によって粘性が低い可溶性のインター
フェロン産生能向上物質を調製した。
ロン産生能向上物質の向上効果を以下のように調べた。
まず、凍結乾燥されたインターフェロン産生能向上物質
をチオシアン酸ナトリウム溶液に溶かし、水に対して透
析してチオシアン酸ナトリウムを除去した後、超音波処
理(30秒、3回) によって粘性が低い可溶性のインター
フェロン産生能向上物質を調製した。
【0025】つぎに、ショ糖とエピクロロヒドリンを共
重合した水溶性の合成品(Phamacia社製の商品
名Ficoll) によって分離した健康人の末梢血単核細胞
(PBMC)を1mlの10%牛胎仔血清(fetal calf ser
um)を含むRPMI1640培地中に、表1に示す割合のの
可溶性のインターフェロン産生能向上物質(表1ではL
CFと記す)および/またはIFN誘導剤として 125μ
g のPolyI:Cを加えて37℃で24時間インキュベー
トした後、培養液の上清中のIFN−αをバイオアッセ
イ法によって定量し、その結果を表1に示した。
重合した水溶性の合成品(Phamacia社製の商品
名Ficoll) によって分離した健康人の末梢血単核細胞
(PBMC)を1mlの10%牛胎仔血清(fetal calf ser
um)を含むRPMI1640培地中に、表1に示す割合のの
可溶性のインターフェロン産生能向上物質(表1ではL
CFと記す)および/またはIFN誘導剤として 125μ
g のPolyI:Cを加えて37℃で24時間インキュベー
トした後、培養液の上清中のIFN−αをバイオアッセ
イ法によって定量し、その結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】上記表1からインターフェロン産生能向上
物質(LCF)は、IFN誘導剤であるPolyI:C
と同時に用いることによって、PolyI:Cを単独で
用いる場合に比べて、より多くのIFNを産生させるよ
うになることが明らかである。
物質(LCF)は、IFN誘導剤であるPolyI:C
と同時に用いることによって、PolyI:Cを単独で
用いる場合に比べて、より多くのIFNを産生させるよ
うになることが明らかである。
【0028】(比較例1) ラクトバチルス・ブレービ
スの基準株としてJCM1059株を同様にMRS培地
で培養し、実施例1と同様の操作を行なった。しかし、
凝集はおこらず、勿論、本発明のIFN産生能向上物質
およびこれと類似の物質を抽出することはできなかっ
た。
スの基準株としてJCM1059株を同様にMRS培地
で培養し、実施例1と同様の操作を行なった。しかし、
凝集はおこらず、勿論、本発明のIFN産生能向上物質
およびこれと類似の物質を抽出することはできなかっ
た。
【0029】(比較例2) JCM1102、JCM1
183についても実施例1と同様の操作を行なったが、
結果は「比較例1」と同様に凝集はおこらず、勿論、本
発明のIFN産生能向上物質およびこれと類似の物質を
抽出することはできなかった。
183についても実施例1と同様の操作を行なったが、
結果は「比較例1」と同様に凝集はおこらず、勿論、本
発明のIFN産生能向上物質およびこれと類似の物質を
抽出することはできなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明にかかるIFN産生能向上物質
は、以上のように、PolyI:Cの使用時に併用すれ
ば、PolyI:Cの単独使用時に比べ、IFNの産生
量を飛躍的に向上させることができる。すなわち、少量
のPolyI:Cの使用でも従来と同様のIFNの産生
量の向上効果を得ることができる。
は、以上のように、PolyI:Cの使用時に併用すれ
ば、PolyI:Cの単独使用時に比べ、IFNの産生
量を飛躍的に向上させることができる。すなわち、少量
のPolyI:Cの使用でも従来と同様のIFNの産生
量の向上効果を得ることができる。
【0031】また、このIFN産生能向上物質は、日本
古来から食されている漬物であるすぐき漬けの醗酵菌で
あるラクトバチルス・ブレービス菌FERM BP−4
693から得られるため、人体に対して用いても安全性
が高い。したがって、PolyI:Cによる副作用を極
力抑えて有効に感染症や腫瘍の治療を行なうことができ
る。
古来から食されている漬物であるすぐき漬けの醗酵菌で
あるラクトバチルス・ブレービス菌FERM BP−4
693から得られるため、人体に対して用いても安全性
が高い。したがって、PolyI:Cによる副作用を極
力抑えて有効に感染症や腫瘍の治療を行なうことができ
る。
【0032】さらに、PolyI:Cに限らず、IFN
を産生させる感染因子が生体内に入ってきたときにも、
IFNをより多量に産生して感染因子の除去が効果的に
なされる働きを持つと思われる。一方、本発明にかかる
IFN産生能向上物質の製造方法は、IFN産生能向上
物質を効率よく製造することができる。
を産生させる感染因子が生体内に入ってきたときにも、
IFNをより多量に産生して感染因子の除去が効果的に
なされる働きを持つと思われる。一方、本発明にかかる
IFN産生能向上物質の製造方法は、IFN産生能向上
物質を効率よく製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ラクトバチルス・ブレービス菌FERM
BP−4693の菌体表層の莢膜部から得られてなる
インターフェロン産生能向上物質。 - 【請求項2】 ラクトバチルス・ブレービス菌FERM
BP−4693をチオシアン酸ナトリウム溶液に懸濁
させることにより、菌体の周囲に位置する莢膜を菌体か
ら分離する工程を含んでいるインターフェロン産生能向
上物質の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8002582A JPH09188627A (ja) | 1996-01-10 | 1996-01-10 | インターフェロン産生能向上物質及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8002582A JPH09188627A (ja) | 1996-01-10 | 1996-01-10 | インターフェロン産生能向上物質及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09188627A true JPH09188627A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=11533376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8002582A Pending JPH09188627A (ja) | 1996-01-10 | 1996-01-10 | インターフェロン産生能向上物質及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09188627A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007195414A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Kagome Co Ltd | 発酵飲食品およびその製造方法 |
JP2007195415A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Kagome Co Ltd | 発酵飲食品およびその製造方法 |
JP2008195631A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-28 | Bio Ken:Kk | IL−12産生増強法及び当該処置を施したTh1誘導剤 |
JP2008211994A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Kagome Co Ltd | 新規乳酸菌株、飲食品、発酵飲食品および発酵飲食品の製造方法 |
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JP2012229258A (ja) * | 2012-07-19 | 2012-11-22 | Shinwa Yakuhin Kk | ナノ型乳酸菌 |
US8334371B2 (en) | 2007-07-04 | 2012-12-18 | Kikkoman Corporation | Lactic acid bacteria-derived double-stranded RNA |
TWI396509B (zh) * | 2007-05-31 | 2013-05-21 | Kagome Kk | 發酵飲食品及其製造方法 |
-
1996
- 1996-01-10 JP JP8002582A patent/JPH09188627A/ja active Pending
Cited By (13)
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