JPH09187612A - ガス状不純物処理システム及び粒子除去フィルタ - Google Patents

ガス状不純物処理システム及び粒子除去フィルタ

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JPH09187612A
JPH09187612A JP8305991A JP30599196A JPH09187612A JP H09187612 A JPH09187612 A JP H09187612A JP 8305991 A JP8305991 A JP 8305991A JP 30599196 A JP30599196 A JP 30599196A JP H09187612 A JPH09187612 A JP H09187612A
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gaseous
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air
treatment system
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Soichiro Sakata
総一郎 阪田
Katsumi Sato
克己 佐藤
Hideto Takahashi
秀人 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 それ自体が汚染源にならないガス状不純物処
理システムを提供する。 【解決手段】 本発明にかかるガス状不純物処理システ
ムは、未処理空気中に含まれるガス状不純物は除去する
が、それ自体が処理済空気中に粒子状不純物を発生する
ガス状不純物除去手段(110)とそのガス状不純物除
去手段の下流側に配され、ガス状不純物を発生しない素
材(例えば、金属やガラス繊維)のみから構成されるフ
ィルタ手段120とを備えているので、ガス状不純物除
去手段により発生した粒子状不純物も除去することが可
能となり、システム自体が汚染源となることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子(LS
I)や液晶ディスプレイ(LCD)などを製造するクリ
ーンルームの雰囲気中に含まれるガス状不純物を除去す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIやLCD製造工程における歩留ま
り及び信頼性を向上させた製造技術の一つに、いわゆる
HEPAフィルタ(High Efficiency
Particulate Air Filter)やU
LPAフィルタ(UltraLow Penetrat
ion Air Filter)と称される微粒子除去
用フィルタがある。これらのフィルタ技術は、製造プロ
セスのクリーン化に多いに貢献してきた。HEPAフィ
ルタが保証している公称の捕捉粒径サイズは現在0.0
5μmであるが、実際にはナノメータ(μmの千分の一
の単位)サイズの微粒子もほとんど全て除去可能であ
る。つまり、微粒子除去用フィルタは既に完成された技
術と言っても良い。
【0003】近年量産体制に入った高集積半導体素子
は、16M−DRAMに代表されるように、配線サイズ
0.5μm、ゲート酸化膜厚10nmの微細構造であ
る。かかる高集積半導体素子の製造工程においても、も
ちろん微粒子は製品不良を起こす汚染源として問題にな
っている。しかし、上記のようなHEPAフィルタやU
LPAフィルタを透過してクリーンルームに供給される
空気中には汚染源となり得る微粒子はほとんど存在しな
い。従って、クリーンルーム内に存在する微粒子は、ク
リーンルームの内部にあるロボットやオペレータや製造
装置からの発塵によって生じたものであると考えられ
る。
【0004】また、配線サイズがサブミクロン以下の高
集積半導体素子の製造工程においては、微粒子よりもさ
らに小さいガス状不純物が製品の清浄表面に付着して、
素子の電気特性ニーズやドライエッチングの選択性やC
VDの多層膜の接着性などに影響し始めている。ガス状
不純物は、HEPAフィルタで除去不可能なオングスト
ロームからnm(1nm=10オングストローム)程度
の大きさを有する原子/分子状、イオン状物質である。
ガス状不純物汚染の性状は粒子汚染と比較すると、物理
的な現象である吸着・脱着、界面現象や化学反応的現象
などがより活性であることが知られている。クリーンル
ーム雰囲気内に存在することが知られているガス状不純
物及びその発生原因を示せば次の通りである。
【0005】(1)製造装置類、排気系などから漏洩し
たガス状不純物 F-、Cl-、SO4 2-、NO2 -、NO3 -、PO4 3-、有機
溶剤など (2)取り入れ外気に由来するガス状不純物 NOx- 、SOx2- 、Cl-、有機物など (3)オペレータなどに由来するガス状不純物 NH4 +、Cl-、Na+、K+、有機物など (4)カセット治具やウェハ収納部材などからの揮発性
不純物 F-、有機物など (5)構造物や装置の材質に由来する揮発性不純物 ホウ素化合物、有機リン化合物など
【0006】かかるガス状不純物を除去するための装置
として、いわゆるケミカルフィルタが知られている。大
部分のケミカルフィルタは、活性炭をベースとするもの
で、有機性ガスについてはそのまま物理吸着して除去す
ることができる。これに対して、酸系ガス、アルカリ系
ガス、イオウ系ガスに対しては、種々の添着物質を活性
炭表面に付加することで、中和反応による化学吸着で除
去することができる。
【0007】これらのケミカルフィルタは、通常中性能
エアフィルタ、HEPAまたはULPAと称される高性
能フィルタの前段(上流側)に取り付ける形で使用され
る。この理由は、ケミカルフィルタの吸着濾材に活性炭
を使用しているためで、活性炭は自身が破砕した粒子状
の汚染物を発生するためである。しかし、ppbオーダ
の低濃度のガス状不純物を問題とした場合、中性能エア
フィルタや高性能フィルタの濾材(例えば、不織布、バ
インダなど)そのものや、濾材を固着するために用いる
シール材(例えば、ネオプレンゴムやシリコンゴムな
ど)や接着剤(例えば、ネオプレン系樹脂、ウレタン系
樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂など)などから
脱離するガス状不純物がクリーンルーム中に浮遊し、デ
バイスに悪影響を与える可能性がある。なお、本明細書
においては、中性能エアフィルタを単に中性能フィル
タ、HEPAまたはULPAフィルタのことを高性能フ
ィルタと称する。
【0008】また、接触触媒燃焼法を利用したガス状不
純物の除去装置も知られている。このガス状不純物除去
装置は、加熱された処理空気を白金やパラジウムなどの
貴金属触媒や銅、マンガン、クロム、ニッケル、鉄など
の酸化物触媒と接触させる、いわゆる接触触媒法によ
り、処理空気中に含まれるガス状有機不純物を製品に無
害な炭酸ガスと水に分解するものである。しかし、かか
る装置でも、触媒燃焼筒の内部の触媒から微粒子が発生
するおそれがあり、下流側に高性能フィルタを取り付け
ることは必須である。また、この場合にも、ケミカルフ
ィルタの場合と同様に、ガス状不純物除去装置下流側の
高性能フィルタの構成部材にガス状不純物を発生する素
材が利用されていると、脱離したガス状不純物がクリー
ンルーム中に浮遊し、デバイスに悪影響を与える可能性
がある。
【0009】さらに、流動層吸着塔を利用したガス状不
純物の除去装置も知られている。この流動層吸着塔は、
多段に積層された多孔板上に粒状活性炭などの吸着濾材
による流動層を形成し、この流動層を各段ごとに流動移
動させながら順次下段に落下させるように構成されてい
る。この間、処理空気を上向き流として、各段において
吸着濾材の流動層と均一に接触させ、処理空気中のガス
状不純物を吸着させる。浄化された空気は吸着塔の上部
から放出される。また吸着塔底部に到達した吸着濾材
は、気流搬送器によって吸着塔の最上段に戻され、再び
落下する。このような流動吸着塔において、流動状態に
ある吸着濾材は、互いに擦れ合うことで夥しいミクロン
サイズの微粒子を発生する。このような微粒子をHEP
AやULPAと称される高性能フィルタで除去しようと
すると、僅かな期間で目詰まりを起こしてしまう。そこ
で、まず中性能フィルタでミクロンサイズの濾材摩耗粒
子を除去し、中性能フィルタで除去できなかった僅かの
サブミクロンサイズの微粒子はさらに下流側に設けた高
性能フィルタで除去している。従って、この場合にも、
ガス状不純物除去装置下流側の中性能フィルタまたは高
性能フィルタの構成部材に先に示したようなガス状不純
物を発生する素材が利用されていると、脱離したガスが
クリーンルーム中に浮遊し、デバイスに悪影響を与える
可能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のガス状不純物の除去装置が有する問題点に鑑み
てなされたものであり、フィルタ自身がガス状不純物汚
染の原因となることを防止するとともに、フィルタの寿
命を延長することが可能な新規かつ改良されたクリーン
ルーム雰囲気中のガス状不純物の除去装置を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点によれば、気相中に含まれるガ
ス状不純物を除去して清浄空気を生成するガス状不純物
処理システムが提供される。そして、そのガス状不純物
処理システムは、未処理空気中に含まれるガス状不純物
は除去するが、それ自体が処理済空気中に粒子状不純物
を発生するガス状不純物除去手段と、そのガス状不純物
除去手段の下流側に配され、ガス状不純物を発生しない
素材のみから構成されるフィルタ手段とから構成され
る。
【0012】ガス状不純物除去手段としては、気相中に
含まれるガス状不純物を高性能に除去することができる
吸着濾材や流動層吸着塔、あるいは接触触媒燃焼筒のよ
うにガス状有機不純物を製品に無害な炭酸ガスと水に分
解するものを使用することができる。いずれのガス状不
純物除去手段でも吸着材や触媒から粒子状不純物を発生
するものである。従って、それらの下流側にはガス状不
純物を発生しない素材のみから構成される粒子状不純物
を除去するフィルタ手段を設けなければならない。
【0013】なお、ガス状不純物除去手段の下流側に、
ガス状不純物を発生しない素材のみから構成される粒子
状不純物を除去するバックアップ用フィルタ手段を、上
記フィルタ手段に対して並列にかつ選択的に切り換え可
能に接続することもできる。かかる構成によれば、目詰
まりを起こしたフィルタ手段を交換する際に、空気経路
をバックアップ用フィルタ手段に切り換えることで、シ
ステムの運転を中断する必要がない。
【0014】ガス状不純物除去手段の下流に配置される
ガス状不純物を発生しないフィルタ手段として、例え
ば、HEPAフィルタまたはULPAフィルタと称され
る粒径が0.3μmの大きさの微粒子を99.97%以
上捕集できる高性能フィルタを使用することができる。
また、その高性能フィルタの上流側に、中性能エアフィ
ルタとも称される粒径が0.3μmまたは0.3μm以
上の大きさの微粒子を99.97%未満で捕集できる中
性能フィルタを配しても良い。その中性能フィルタに
は、捕捉された微粒子を払い落として再生するフィルタ
再生手段、例えば、捕捉された微粒子を機械的振動また
は逆洗ガス気流により払い落とすものを設けても良い。
ガス状不純物を発生しない素材(例えば、金属、セラミ
ックス、ガラス繊維など)のみから構成されるフィルタ
手段は、例えば、金属製フレーム要素とガラス繊維製フ
ィルタ要素のみから、あるいは、金属製フレーム要素と
金属製フィルタ要素のみから構成することができる。ま
たフィルタ手段の取り付けにあたっては、ガス状不純物
を発生しない無機素材パッキンやフッ素樹脂パッキンを
用いることが好ましい。また有機系の樹脂であっても、
加熱処理により揮発性成分を除去し、表面汚染に関与す
る脱ガスが生じないように処理が施されたものであれば
用いることができる。
【0015】また本発明の別の観点によれば、粒径が
0.3μmまたは0.3μm以上の大きさの微粒子を9
9.97%未満で捕集できる中性能の粒子除去フィル
タ、または粒径が0.3μmの大きさの微粒子を99.
97%以上捕集できる高性能の粒子除去フィルタが提供
される。この粒子除去フィルタは、ガス状不純物を発生
しない素材(例えば、金属、セラミックス、ガラス繊維
などそれ自体からガス状不純物を発生しない素材や、有
機性樹脂であっても加熱処理により揮発性成分が除去さ
れて、表面汚染に関与する脱ガスが生じないように処理
された素材)のみで構成されるフレーム要素とフィルタ
要素のみから構成されて、ガス状不純物を発生しないも
のである。ガラス繊維製や金属製のフィルタ要素を、プ
リーツ形状、円筒形状または封筒形状に形成し、処理空
気との接触面積を拡大しても良い。なお、ガラス繊維製
フィルタ要素を使用する場合には、そのガラス繊維製フ
ィルタ要素を金属製またはセラミックス製のスペーサま
たは多孔板またはメッシュで挟持するように構成しても
良い。この場合、ガラス繊維製フィルタ要素を挟持する
スペーサ、多孔板、メッシュはフレーム要素の一部を構
成する。本発明による粒子除去フィルタにおいては、フ
ィルタ要素とフレーム要素をつぎのように定義する。す
なわち、ガラス繊維濾材や金属メッシュのように、処理
空気中の微粒子除去に直接役立つ機能を有する要素をフ
ィルタ要素とする。一方、微粒子除去の機能を十分に発
揮させるためにフィルタ要素を成形する要素や、処理空
間中にフィルタ要素を機械的に保持するための要素はフ
レーム要素とする。したがって、金属製メッシュや金属
製多孔板に関しては、目の粗さや線径や板厚がそれぞれ
小さなものは濾材、すなわちフィルタ要素として好適に
使用することが可能であり、これに対して、目の粗さや
線径や板厚がそれぞれ大きなものはフィルタ部材の保持
網、すなわちフレーム要素として好適に使用することが
できる。さらに、これらの粒子除去フィルタに、捕捉さ
れた微粒子を払い落として再生するフィルタ再生手段、
例えば、捕捉された微粒子を機械的振動または逆洗ガス
気流により払い落とすものを設けても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら、
本発明にかかるガス状不純物の処理システム及びそのシ
ステムに実装される粒子除去フィルタの好適な実施の形
態について詳細に説明する。
【0017】図1には、本発明にかかるガス状不純物処
理システムの実施の第1の形態が示されている。図示の
ように、本システム100は、ケーシング102内に、
その上流側にはガス状不純物の吸着濾材110として、
活性炭繊維をベースとした3種のケミカルフィルタ、す
なわち酸性ガス処理用フィルタ112、アルカリ性ガス
処理用フィルタ114、有機系ガス処理用フィルタ11
6を3層重ね、その下流側に、高性能フィルタ120を
取り付けたものである。図中104は送風機を内蔵した
ファンモジュールであって、ケーシング102の上流側
に取り付けられ、吸着濾材110と高性能フィルタ12
0に未処理空気を送風する役割を果たす。高性能フィル
タ120は、後述するように、金属またはセラミックス
のいずれか一方、または両方の素材で構成されるフレー
ム要素とフィルタ要素のみから構成されるもので、それ
自体からガス状不純物を発生しない素材から構成される
か、あるいは有機系樹脂のように揮発性成分を含むもの
であっても、加熱処理などにより脱ガスが生じないよう
に処理されたものである。なお図示の例では、高性能フ
ィルタ120のみを設置しているが、その上流側に中性
能フィルタを設置しても良い。また、後述するように、
その中性能フィルタに再生装置を設けてフィルタの交換
寿命を延長させても良い。なお高性能フィルタ120を
ケーシング102に取り付ける際には、有機物ガスの発
生のないシール部材、例えば無機素材パッキンやテフロ
ンなどのフッ素樹脂パッキンを使用することが好まし
い。また、有機系樹脂であっても、加熱処理により揮発
性成分を除去したものであれば、表面汚染に関与するガ
ス状不純物を発生しないので使用することができる。
【0018】さて、すでに説明したように、システムの
上流側に設置されるケミカルフィルタの吸着濾材110
は活性炭をベースとしており、活性炭自身が破砕した粒
子状の汚染物を発生する汚染源となり得る。すなわち、
吸着濾材110は未処理空気中に含まれるガス状不純物
は除去するが、それ自体が粒子状不純物の発生源となり
得る。そこでその下流側には粒子状不純物を除去するフ
ィルタ手段が必要になる。従来のHEPAフィルタやU
LPAフィルタの高性能フィルタでは、これらのフィル
タ自体を構成する濾材、シール材、接着剤などからガス
状不純物が発生する。ガス状不純物除去後の処理済み空
気は、これらのフィルタを通気する際に、粒子状不純物
は完全に除去できたとしても、ガス状不純物によって再
度汚染されてしまう。しかし、本発明の形態によれば、
吸着濾材110の下流側にガス状不純物を発生しない高
性能フィルタ120が設置されるので、ガス状不純物を
含まないクリーンエアを供給することができる。
【0019】図2には、本発明にかかるガス状不純物処
理システムの実施の第2の形態が示されている。このガ
ス状不純物処理システム100’は、システムの上流側
に設置されるガス状不純物処理装置として接触触媒燃焼
筒130を使用し、その下流側に本発明に基づいて構成
されたガス状不純物を発生しない高性能フィルタ12
0’を設置したものである。この接触触媒燃焼筒130
は、取り入れた空気を圧縮する圧縮機132と、空気を
加熱し触媒と反応させる反応塔134と、処理済みの空
気を冷却する熱交換器136とから主に構成されてい
る。さらに接触触媒燃焼筒130は、圧縮機132と反
応塔134との間の送気経路中に、粒子除去フィルタ1
38、圧力計140、流量計142が介装されており、
生成される清浄空気の清浄度、圧力、流量をそれぞれ調
整することが可能である。また、反応塔134内には、
例えば白金やパラジウムなどの酸化触媒が置かれてお
り、加熱器144により、空気中に含まれる炭化水素類
を次式に示されるように燃焼させ分解することができ
る。なお、図中146は、反応塔134の過熱を防止す
るための温度指示調節警報器である。 2CnHm+(m/2+2n)O2 → 2nCO2+m
2
【0020】このようにして、クリーンルーム内の清浄
空気または外気は、圧縮機132により、例えば420
℃に加熱された反応塔134に送気され、反応塔134
内において酸化触媒と反応し、炭化水素類が水と炭酸ガ
スに分解され除去される。かかる装置でも、接触触媒燃
焼筒130の内部の触媒から微粒子が発生するおそれが
ある。しかし、本実施の形態によれば、接触触媒燃焼筒
130の下流側にガス状不純物を発生しない高性能フィ
ルタ120’が設置されるので、ガス状不純物を含まな
いクリーンエアを供給することができる。なお、高性能
フィルタ120’の詳細については後述する。また図示
の例では、高性能フィルタ120’のみを設置している
が、その上流側に中性能フィルタを設置しても良い。ま
た、後述するように、その中性能フィルタに再生装置を
設けてフィルタの交換寿命を延長させても良い。なお高
性能フィルタ120’をシステムに取り付ける際には、
有機物ガスの発生のないシール部材、例えば無機素材パ
ッキンやテフロンなどのフッ素樹脂パッキンを使用する
ことが好ましい。また、本実施の形態の場合にも、図4
および図5に関連して後述するように、高性能フィルタ
120’に対するバックアップ用フィルタを並列に接続
し、高性能フィルタ120’の交換時に空気経路を切り
換えるように構成しても良い。
【0021】図3には、本発明にかかるガス状不純物処
理システムの実施の第3の態様が示されている。このガ
ス状不純物処理システム100”は、システムの上流側
に設置されるガス状不純物処理装置として流動層吸着塔
150を使用し、その下流側に本発明に基づいて構成さ
れたガス状不純物を発生しない中性能フィルタ122及
び高性能フィルタ124を上流側から順次直列に設置し
たものである。なお、後述するように、中性能フィルタ
122に再生装置を設けてフィルタの交換寿命を延長さ
せても良い。また、中性能フィルタ122や高性能フィ
ルタ124をシステムに取り付ける際には、有機物ガス
の発生のないシール部材、例えば無機素材パッキンやテ
フロンなどのフッ素樹脂パッキンを使用することが好ま
しい。なお有機系樹脂であっても、加熱処理により揮発
性物質を除去し、表面汚染に関与するガス状不純物の発
生をなくした素材であれば使用することができる。
【0022】この流動層吸着塔150は、大きく分けて
流動層吸着部152、シール部154、吸着濾材搬送部
156から成る。流動層吸着部152は、吸着塔158
内に多段に積層された多孔板160を備えている。吸着
濾材(例えば、粒状活性炭)は、この流動層吸着部15
2において、多段の多孔板160上で、例えば静止層高
10〜20mm、流動層高20〜40mmの流動層16
2を形成し、多段毎に流動移動しながら各段の流下部1
60aから逐次下段に落下して行く。この間、吸着濾材
は、空気取入口163からダンパ163bと渦巻送風機
163aを経由して取り入れられた上向流の処理空気1
64と均一に接触し、処理空気中の不純物ガス成分を吸
着する。他方、浄化された空気166は吸着塔158の
上部158aから放出される。またシール部154をな
す吸着塔底部158bに達した吸着濾材は、吸着濾材搬
送部156によって吸着塔の最上段に戻され、再び吸着
工程に移って行く。
【0023】かかる流動層吸着塔150を利用したガス
状不純物の除去装置は、流動状態にある吸着濾材の層の
中を被処理空気が通過するため、通気抵抗が極めて低い
という利点がある。例えば0.7mm直径の粒状活性炭
からなる静止層高1.5cmの流動層を1m/sの被処
理空気が通過する場合の通気抵抗はわずか10mmH2
Oである。また、被処理空気中に含まれるppmオーダ
のガス状有機不純物を1ppb以下の濃度にするために
はせいぜい7段の流動層、つまり70mmH2Oの通気
抵抗を見込んでおけば十分である。なお、長期連続運転
中に、吸着塔内の吸着濾材は不純物を吸着して破過(飽
和して吸着性能を失う状態)に近づく。従って、破過す
る前に安全を見込んで早目に吸着濾材の交換が必要であ
る。例えば、破過するまでの寿命が2年であれば半年置
きに交換することができる。
【0024】図3に示す吸着濾材搬送部156について
説明する。吸着濾材搬送部156は、ターボ送風機16
8を備えており、このターボ送風機168によりダンパ
174と三方管172と気流輸送管176を経由して圧
縮空気178が吸着塔の最上段に送られる。三方管17
2において、圧縮空気178と、取り出し口170から
出た吸着濾材とが混合される。取り出し口170から吸
着濾材を取り出す経路には、第1経路170aと第2経
路170bの2系統があり、第1経路170aから取り
出された吸着濾材が圧縮空気178によって吸着塔の最
上段まで気流搬送される。この際、第2経路170bは
ダンパ174aおよびバルブ180を閉じることによっ
て閉鎖されている。
【0025】一方、吸着濾材を交換する場合は、渦巻送
風機163aを停止し、ダンパ174を閉じて第1経路
170aを閉鎖する。逆に第2経路170bは開放し、
三方管172aにおいて、ダンパ174aを経由した圧
縮空気178aと、取り出し口170から出た吸着濾材
とを混合する。この吸着濾材はバルブ180を経由して
使用済み濾材貯槽182まで気流搬送される。気流搬送
に使用された圧縮空気178aは貯槽182に取り付け
た排気口182aから外部に排出される。
【0026】吸着塔158の使用済み濾材を全て貯槽1
82に気流搬送した後、貯槽下部に取り付けたバルブ1
82bを開いて使用済み濾材を外部に取り出す。一方、
未使用の吸着濾材は供給口184aから未使用濾材貯槽
184に入れる。その後未使用の吸着濾材は、バルブ1
86を経由して取り入れ口188から吸着塔158内に
入る。
【0027】ところで、かかる流動層吸着塔150で
は、流動状態にある吸着濾材自体が微粒子の発生源とな
る。しかし、本実施の形態によれば、流動層吸着塔15
0の下流側にガス状不純物を発生しない中性能フィルタ
122および高性能フィルタ124が設置されるので、
ガス状不純物と粒子状不純物の両方とも含まないクリー
ンエアを供給することができる。なお、中性能フィルタ
122および高性能フィルタ124の詳細については後
述する。また図示の例では、中性能フィルタ122と高
性能フィルタ124を直列に配列しているが、高性能フ
ィルタ124のみを設置する構成にしても良い。ただ
し、かかる流動層吸着塔150では、流動状態にある吸
着濾材は、互いに擦れ合うことで夥しいミクロンサイズ
の微粒子を発生するため、このような微粒子をHEPA
やULPAと称される高性能フィルタで除去しようとす
れば、例えば、粉塵濃度1mg/m3、通気風速0.3
m/secの場合、2ヶ月程度で完全に目詰まりを起こ
してしまう。従って、本実施の形態に示すように、まず
中性能フィルタ122でミクロンサイズの濾材摩耗粒子
を除去し、中性能フィルタ122で除去できなかった僅
かのサブミクロンサイズの微粒子をさらに下流側に設け
た高性能フィルタ124で除去する構成を採用すること
が好ましい。さらにまた、後述するように、中性能フィ
ルタ122に再生装置を設けてフィルタの交換寿命を延
長させても良い。なお中性能フィルタ122や高性能フ
ィルタ124をシステムに取り付ける際には、有機物ガ
スの発生のないシール部材、例えば無機素材パッキンや
テフロンなどのフッ素樹脂パッキンを使用することが好
ましい。また、有機系の樹脂を使用する場合には、加熱
処理により揮発性成分を除去し、表面汚染に関与するガ
ス状不純物をなくす必要がある。
【0028】かかる流動層吸着塔150の下流側にガス
状不純物を発生しない中性能フィルタ122および高性
能フィルタ124を設置した場合には、吸着濾材から発
生する微粒子で中性能フィルタ122が目詰まりを起こ
すことは既に述べた。このような目詰まりを起こしたフ
ィルタは、新しいフィルタと交換しなければならない
が、交換作業中には、図3に示す本実施例の形態による
ガス状不純物除去システムの稼働を停止しなければなら
ない。本実施例の形態によるガス状不純物除去システム
はLSIやLCDを製造するクリーンルームの雰囲気中
に含まれるガス状不純物を除去する技術に関するもので
あり、例えば、LSIやLCDの基板の保管庫雰囲気を
充満させるためのガス状不純物と粒子状不純物のいずれ
も含まないクリーンエアを供給するために使用される。
通常、LSIやLCDの基板はクリーンルーム中で昼夜
を問わず24時間体制で休みなく製造されるから、フィ
ルタの交換作業中といえども本システムの稼働は停止し
ないことが望ましい。そこで、図4および図5に示すよ
うなバックアップとなる別系統のフィルタを流動層吸着
塔150の下流側に最初から設けておくことが望まし
い。
【0029】バックアップとなる別系統のフィルタとし
ては、主フィルタと同等の性能を有するものが使用され
るが、通常運転時は、使用しない。しかし、目詰まりを
起こしたフィルタの交換時には、空気経路をバックアッ
プ用フィルタに切り換えて、システムを中断することな
くフィルタの交換を行うことができる。フィルタ交換後
には、空気経路を更新された元の系統に切り換えて、バ
ックアップ用フィルタの使用を再度停止する。このよう
に、バックアップ用フィルタは交換作業の間、一時待避
的に使用することができる。
【0030】また、バックアップとなる別系統のフィル
タを、目詰まりを起こしたフィルタの交換後も、引き続
き使用し、この別系統のフィルタが目詰まりを起こして
使用出来なくなった場合には、元の系統のフィルタに切
り替えるというふうに、2系統のフィルタを交互運転す
ることもできる。
【0031】図4は、中性能フィルタ122に対してバ
ックアップ用の中性能フィルタ122’をダンパ122
a〜122dにより選択的に切り換え可能に並列に接続
したものである。中性能フィルタ122の運転時には、
ダンパ122a、122bは開けられ、ダンパ122
c、122dは閉じられている。一方、中性能フィルタ
122の交換時には、ダンパ122a、122bは閉
じ、ダンパ122cと122dを開ける。このように、
本実施の形態によれば、目詰まりを起こしていない中性
能フィルタ122’が交換作業中に使用されるため、シ
ステムの稼働が停止することはない。なお、図4中のダ
ンパ開閉状態は中性能フィルタ122の運転時に相当す
る。
【0032】図5は中性能フィルタ122または高性能
フィルタ124のどちらか一方、または中性能フィルタ
122と高性能フィルタ124の両方の交換を想定した
ものである。中性能フィルタ122および高性能フィル
タ124の運転時には、ダンパ122a、122b、1
24aは開けられ、ダンパ122c、122d、124
bは閉じられている。一方、中性能フィルタ122のみ
の交換時には、ダンパ122a、122b、124bは
閉じ、ダンパ122c、122d、124aを開ける。
このように目詰まりを起こしていない中性能フィルタ1
22’を交換作業中に使用することができるので、本実
施の形態によれば、システムの駆動がフィルタ交換作業
中でも停止することはない。さらに、高性能フィルタ1
24のみの交換時には、ダンパ122c、122d、1
24aは閉じ、ダンパ122a、122b、124bを
開ける。このように目詰まりを起こしていない高性能フ
ィルタ124’を交換作業中に使用することができるの
で、本実施の形態によれば、システムの稼働が交換作業
中でも停止することはない。さらに、中性能フィルタ1
22と高性能フィルタ124の両方の交換時には、ダン
パ122a、122b、124aを閉じ、122c,1
22d,124bを開ける。このように目詰まりを起こ
していない中性能フィルタ122’と高性能フィルタ1
24’が交換作業中に使用されるため、本実施の形態に
よれば、システムの稼働が交換作業中でも停止すること
はない。なお、図5中のダンパ開閉状態は高性能フィル
タ124の交換時に相当する。
【0033】次に、図6〜図16を参照しながら、本発
明に基づいて構成されたそれ自体がガス状不純物を発生
しない粒子除去フィルタのいくつかの好適な実施の形態
について説明する。
【0034】図6(a)(b)および図7(a)(b)
に示す粒子除去フィルタ410は、例えばステンレスや
アルミニウムのような金属やガラスのようなセラミック
スから成るフレーム412、418とスペーサ416
と、ガラス繊維素材の濾紙414のみから構成されてい
る。フレーム412、418とスペーサ416はフレー
ム要素であり、濾紙414はフィルタ要素である。図6
(a)、(b)に示すように、製造時にはまず、凹字形
状のスペーサ416を使用してガラス繊維濾紙をプリー
ツ形状に織る。さらに図7(a)、(b)に示すよう
に、スペーサ416を挟んだガラス繊維濾紙414の両
側を、有機物ガスの発生のないフッ素樹脂パッキン42
0を介してフレーム412で挟んで圧縮し、両側のフレ
ーム412を側面のフレーム418に機械的に(例え
ば、ネジ留めにより)固定する。この粒子除去フィルタ
410は使用前に、例えば200℃でベーキングして、
製作中に粒子除去フィルタ410に汚れとして付着(主
として雰囲気由来のガス状有機物が付着)した全ての不
純物を脱離させる。なお、図7(a)、(b)は、粒子
除去フィルタ410のB−B、A−A断面をそれぞれ示
し、切り口に相当する部分にはハッチングを施した。ま
た、A−A断面図(図7(b))にはフィルタ410内
における処理対象空気の流れ方向を破線矢印422で示
した。この粒子除去フィルタ410は、後述する図11
に示す実施の形態と同様に、金属製ダクトに取り付ける
ことができるが、取付部のシールにも有機物ガスの発生
のないフッ素樹脂パッキンを使用することが好ましい。
またスペーサ416やフレーム412、418などの材
質も、不純物ガス発生のない素材、例えば金属やセラミ
ックスなどで構成されることは既に述べたとおりであ
る。
【0035】図8および図10に示す粒子除去フィルタ
420も、例えばステンレスやアルミニウムなどから成
る金属製フレーム412a、412bとガラス繊維素材
のフィルタ414のみから構成されている。図8に示す
ように、本実施の形態では、バインダを含まないガラス
繊維のみからなる濾紙形平板フィルタ濾材414を凹凸
に折り曲げてフィルタ要素を構成する。そして、凹凸形
状のフィルタの上下端部414aは、フィルタの凹凸形
状に対応して凹凸形状に成形された金属製型枠412
a、412bの凹凸部間(図10(a)(b)に示す金
属製型枠412a、412bの上面および下面)に挟み
込む。また凹凸形状のフィルタの左右端部414bは金
属製型枠412a、142bの平坦面間(図10(a)
(b)に示す金属製型枠412a、412bの左右側
面)に挟み込む。このようにすれば、ガス状不純物など
を発生するシール材などを使用せずに、図10(a)に
示すような粒子除去フィルタを構成することができる。
なお図10(a)は、粒子除去フィルタを組み立てた状
態を示し、図10(b)は一方の金属枠412aを取り
外した状態を示す斜視図である。このようして組み立て
られた粒子除去フィルタ420についても、金属製型枠
412a、412bごと濾材414を、例えば200℃
でベーキングして、全ての有機物を脱離させる。なお、
図8および図10において、フレーム要素は金属型枠4
12a、412bに相当し、フィルタ要素はフィルタ4
14に相当する。
【0036】なお、図9に示す粒子除去フィルタ42
0’は、図8の粒子除去フィルタ420と異なり、バイ
ンダを含まないガラス繊維のみからなる濾紙形平板フィ
ルタ濾材414’をジグザグに折り曲げてフィルタ要素
を構成し、そのジグザグ形状のフィルタ414’を、そ
のジグザグ形状に対応してジグザグ形状に成形された金
属製型枠412a’、412b’の間に挟み込んだもの
である。かかる形状の相違を除けば、図9に示す粒子除
去フィルタ420’は、図8に示す粒子除去フィルタ4
20と実質的には同一の構成を有しているので、詳細な
説明は省略する。また、図9において、フレーム要素は
金属型枠412a’、412b’に相当し、フィルタ要
素はフィルタ414’に相当する。
【0037】図11には、図8および図10に示す粒子
除去フィルタ420を風道430a、430bに取り付
ける様子を示すものである。風道430a、430bの
フランジ432a、432bに形成された孔に全螺子ボ
ルト434がナット436で取り付けられており、ナッ
ト436により、風道430a、430b間の間隔を調
整することができる。そして、本実施の形態にかかる粒
子除去フィルタ420は、風道430a、430b間
に、ガス状不純物を発生しない無機素材パッキンやフッ
素樹脂パッキン438を介して、気密に取り付けること
ができる。
【0038】図12(a)〜(d)には、本発明にかか
る粒子除去フィルタのさらに別の実施例が示されてい
る。この粒子除去フィルタ440は、ステンレスやアル
ミニウムなどの金属製フレームと金属製フィルタのみか
ら構成されるものである。図12(a)(b)に示すよ
うに、この粒子除去フィルタ440のフィルタ部442
はステンレスメッシュ442a、442b、442c・
・・を複数枚積層して構成される。さらに、フィルタ部
442は、図12(c)に示すように、通気抵抗を少な
くするためにプリーツ形状に加工され、図12(d)に
示すように、その周囲を金属製フレーム444で固定す
ることにより組み立てられる。金属製フレーム444の
形状の詳細は特に示さないが、図10の金属製型枠41
2a、412bの凹凸形状をプリーツ形状(波形形状)
に変えたものである。なお、図12(c)は図12
(d)のC−C断面を示す。もちろんこの場合にも、フ
ィルタ442を金属製フレーム444とともにベーキン
グし、全ての有機物を除去することが好ましい。もちろ
んこの場合にも、フィルタ442を金属製フレーム44
4とともにベーキングし、全ての有機物を除去すること
が好ましい。また取り付けにあたっては、無機素材パッ
キンやフッ素樹脂パッキンなどのガス状不純物を発生し
ないシール部材を使用することが好ましい。なお上記例
では、金属製フィルタとして金属製メッシュを使用した
例を示したが、代わりに金属製多孔板を使用しても良
い。なお、図12(a)〜(d)において、フレーム要
素は金属製フレーム444に相当し、フィルタ要素はフ
ィルタ442に相当する。
【0039】図13(a)〜(d)には、本発明にかか
る粒子除去フィルタのさらに別の実施例が示されてい
る。この粒子除去フィルタ450は、金属製フレームと
濾材保持用金属メッシュまたは金属製多孔板とガラス繊
維製フィルタとを組み合わせて構成されるものである。
図13(a)(b)に示すように、フィルタ部452
は、金属製メッシュまたは金属製多孔板のフレーム45
2a、452bの間にバインダなどのガス状不純物を発
生する素材を含まないガラス繊維製フィルタ454を挟
持することにより構成される。ガラス繊維製フィルタの
代わりに金属繊維製フィルタを用いても良い。さらに、
フィルタ部452は、図13(c)に示すように、通気
抵抗を少なくするためにプリーツ形状に加工され、図1
3(d)に示すように、その周囲を金属製フレーム45
6で固定することにより組み立てられる。もちろんこの
場合にも、フィルタ452を金属製フレーム456とと
もにベーキングし、全ての有機物を除去することが好ま
しい。また取り付けにあたっては、無機素材パッキンや
フッ素樹脂パッキンなどのガス状不純物を発生しないシ
ール部材を使用することが好ましい。また、図13
(a)〜(d)においては、フレーム要素は金属製フレ
ーム452a、452b、456に相当し、フィルタ要
素は454に相当する。
【0040】図14〜図16には、本発明に基づいて構
成される粒子除去フィルタのさらに別の実施の形態が示
されている。この粒子除去フィルタ460は、金属製フ
レーム462(図16)と、ガス状不純物を発生しない
フィルタ部464のみから構成される。フィルタ部46
4は、一端が閉じた円筒状の金属製メッシュまたは多孔
板から成る外枠464aと内枠464bとの間にガラス
繊維製フィルタ466を挟み込むようにして構成され
る。ガラス繊維製フィルタの代わりに金属繊維製フィル
タを用いても良い。そして、このように構成されたフィ
ルタ部464を、図16に示すように複数個、金属フレ
ーム462に取り付けることにより構成される。なお図
16に示す例では、フィルタ部464の開放端側に、そ
の開放端内枠464bの寸法に対応する開口が穿設され
た平板状の金属製フレーム462を取り付けている。組
立にあたっては、フィルタ部464の開放端外枠464
aを金属製フレーム462の開口に同心円状に取り付け
る。つまり、外枠464aと内枠464bに挟まれた環
状の開放端部分は金属製フレーム462によって閉鎖さ
れる。こうして、ガス状不純物を発生しない素材のみで
粒子除去フィルタ460を構成することができる。もち
ろんこの場合にも、フィルタ464を金属製フレーム4
62とともにベーキングし、全ての有機物を除去するこ
とが好ましい。また取り付けにあたっては、無機素材パ
ッキンやフッ素樹脂パッキンなどのガス状不純物を発生
しないシール部材を使用することが好ましい。
【0041】図15(a)(b)には処理対象空気の流
れ方向を矢印468で示した。図15(a)は、例えば
風道内に粒子除去フィルタ460を取り付けるに当たっ
て、フィルタ部464の開放端側を風道内空気流れの上
流方向、閉鎖端側を下流方向になるように配置した場合
である。一方、図15(b)は図15(a)とは逆に、
例えば風道内に粒子除去フィルタ460を取り付けるに
当たって、フィルタ部464の開放端側を風道内空気流
れの下流方向、閉鎖端側を上流方向になるように配置し
た場合である。図15(a)(b)いずれの場合もフィ
ルタ部464の中心線に対してはほぼ放射状に処理対象
空気がガラス繊維製フィルタ466を透過する。なお、
図14〜図16において、フレーム要素は金属製フレー
ム462、外枠464a、内枠464bに相当し、フィ
ルタ要素はガラス繊維製フィルタ466に相当する。
【0042】次に、図17〜図19を参照しながら、本
発明に基づいて構成されたフィルタ再生装置付の粒子除
去フィルタ(中性能フィルタ)のいくつかの実施の形態
について説明する。
【0043】図17に示す装置200において、空気入
口204と空気出口206を備えたチャンバ202は、
空気入口204側のエクスパンションチャンバ202b
と空気出口側の処理チャンバ202aを備えている。処
理チャンバ202a内には、本発明に基づいて構成され
たガス状不純物を発生しない粒子除去フィルタ208、
例えば金属製メッシュをチューブ式の濾布状(封筒状)
に加工した複数のフィルタ部208aを金属フレーム2
08b(例えば、図16に示す金属製フレーム462に
相当するもの)に取り付けたものが収納されている。な
お、複数のフィルタ部208aの閉止端は処理チャンバ
202aの天井部のロッド202cに設けられた複数の
フック202dに取り付けられている。
【0044】さらに、この装置200は、機械振動式の
フィルタ再生装置210を備えている。このフィルタ再
生装置210は、ロッド202cを振動させることによ
り、各フック202dにつり下げられたチューブ状粒子
除去フィルタ208に振動を伝達するものである。すな
わち、長期間にわたり空気処理を行うと、チューブ式粒
子除去フィルタ208のフィルタ部208aの粉塵層が
段々厚くなり、圧力損失が高くなり、濾過効率が落ちて
しまう。そこで、本実施の形態によれば、例えば、不図
示の圧力センサにより圧力損失を計測し、圧力損失が例
えば30mmH2O程度になると、空気を遮断して、振
動装置210を駆動して、振動をロッド202c、フッ
ク202dを介してフィルタ部208aに伝達し、その
振動によりフィルタ部208aに付着した粉塵を払い落
とすことができる。このように、適宜フィルタの再生を
行うことにより、本発明に基づいて構成されたガス状不
純物を発生しない中性能フィルタの寿命を延ばすことが
できる。払い落とされた粉塵はチャンバの底部のホッパ
202eから排出される。
【0045】なお、図17には、塵埃がある程度堆積す
るとファンを止めて払い落としをする間欠式の装置20
0を示したが、長時間連続運転を必要とする場合には、
図18に示すような連続式の装置200’を使用するこ
とが好ましい。なお図18(a)は装置200’の側面
図、図18(b)は装置200’の正面図をそれぞれ示
している。図示のように、装置200’は、図17に示
す装置200を複数(図示の例では3つ)併置したもの
であり、処理チャンバ200A〜200Cを備えてい
る。そして、各処理チャンバ200A〜200Cには対
応する空気入口204A〜204Cが取り付けられてお
り、清浄化された空気は空気出口206A〜206Cか
ら清浄空気用ダクト212に送られる。このように、本
実施の形態によれば、複数の処理チャンバ200A〜2
00Cが設けられているので、再生処理が必要な処理チ
ャンバが出現した場合には、不図示のダンパ切り換えに
よりそのチャンバへの空気供給を遮断して払い落とし
(フィルタ再生処理)を行なうことができる。このよう
に、本実施の形態によれば、順次再生処理を行うので、
再生処理により清浄空気の供給が中断することがない。
また再生処理のサイクルは、例えば含塵濃度や圧力損失
により決定される。
【0046】図17および図18には、機械振動式のフ
ィルタ再生機構を備えた装置を示したが、本発明はかか
る例に限定されない。例えば図19に示すように、逆洗
ガス気流式のフィルタ再生機構を備えた装置250を使
用することができる。この装置250は、本発明に基づ
いて構成された粒子除去フィルタ260が収納される処
理チャンバ252を備えている。粒子除去フィルタ26
0は、例えば図16に示すものと同様の構成を有してお
り、複数の金属製メッシュ(または濾材保持用金属製メ
ッシュや金属製多孔板の間にガラス繊維または金属繊維
を挟み込んだもの)から成るフィルタ部262を金属製
フレーム264に取り付けたものである。従って、図中
で矢印で示すように、金属製フレーム264の開口部2
64aからフィルタ部262で清浄化された空気を得る
ことができる。
【0047】この処理チャンバ252の上部には、各金
属パネル264の開口部264aに対応する位置に複数
のノズル261を設けられている。このノズル261は
不図示の窒素源より高圧の高純度窒素ガスを噴射するこ
とができるものである。なお、ノズル261は電磁弁2
63を備えており、高圧窒素の噴射時間およびタイミン
グを制御することができる。また、フィルタ部262の
上部にはベンチュリ部262aが形成されている。従っ
て、ノズル261から高速度で噴射された窒素ガスはベ
ンチュリ部262aにおいて周囲の空気を吸引してチュ
ーブ状のフィルタ部262内に入るから、フィルタ部2
62の内部は瞬間的に高圧となり、フィルタ部262の
外周より内部に流入していた空気は逆流して、フィルタ
部262の外面に付着している粉塵は清掃される。噴射
のサイクルは粉塵の種類、含塵濃度によって調整でき
る。また、除去された粉塵は処理チャンバ252の底部
に設けられたホッパ258から適宜排出される。なお、
図19中の254は空気入口、256は空気出口をそれ
ぞれ示している。
【0048】
【実施例】次に本発明にかかるガス状不純物処理システ
ムのいくつかの実施例について説明する。
【0049】[実施例1]まず、図1に示すガス状不純
物処理システム(すなわち、下流側フィルタ120とし
て図8、図10および図11に示すガス状不純物を発生
しない粒子除去フィルタ420を用いたもの)の場合
と、図1に示すシステムと同様に、ガス状不純物の吸着
濾材として活性炭繊維をベースとした3種のケミカルフ
ィルタ、すなわち酸性ガス処理用フィルタ、アルカリ性
ガス処理用フィルタ、有機系ガス処理用フィルタを3層
重ね、その下流側に従来のULPAフィルタ(すなわ
ち、それ自体がガス状不純物を発生するもの)を取り付
けた場合について、フィルタ下流側に置いたガラス基板
表面の有機物による汚れ方を比較した。ガラス基板はC
ORNING#7059、100mm×100mm×
1.1mmtである。ガラス基板表面に付着している有
機物は、紫外線オゾン洗浄によって全て除去した後、試
験に供し、接触角評価法により評価した。
【0050】その結果を図21に示す。なお、図21に
示すグラフは、縦軸に接触角、横軸に暴露時間を示すも
のである。なお、本実施例においては、ガラス基板表面
の汚染状態を評価するために、接触角評価法を用いた。
接触角評価法で測定する接触角はガラス基板表面に滴下
された超純水の液滴の接触角であり、XPS(X線光電
子分光法)により測定したガラス表面の有機物による汚
染状態(炭素/ケイ素比)と接触角との間には、図20
に示すような関係がある。炭素/ケイ素比は表面に付着
している有機物量に比例する指標であり、接触角は表面
の疎水性有機物による汚染の程度を表す指標である。し
たがって、接触角を観察することにより、ガラス基板表
面の有機物汚染状態を簡便かつ短時間に測定できる。な
お、XPSと接触角測定法については、本発明とは直接
的に関係するものではないので、その詳細な説明は省略
する。なお、その詳細については、本件出願人と同一出
願人にかかる特願平7−171373号を参照された
い。
【0051】ガラス表面の接触角の経時変化を、洗浄直
後のガラス基板が、本実施の形態による不純物ガスの発
生のない高性能フィルタの下流側に置かれた場合と、同
ガラス基板が従来のULPAフィルタ下流側に置かれた
場合について比較した。図21に示すように、本発明の
場合には、3日間経過後も接触角の増加はわずか3度で
あったが、従来のULPAフィルタを使用した場合に
は、ULPAフィルタの構成素材からの脱ガスの影響に
より、接触角は20度も増えた。なお、図21中には、
ケミカルフィルタを設けないクリーンルーム雰囲気に曝
された場合のデータも参考までに示した。
【0052】〔実施例2〕同様に図2に示すガス状不純
物処理システムに、高性能フィルタ120’として、図
8、図10および図11に示す本発明による金属製フレ
ームとガラス繊維素材から構成される高性能フィルタ4
20を取り付け、実施例1と同様に、フィルタ下流側に
洗浄直後のガラス基板を置いて、接触角の経時変化を調
べたところ、3日間経過後も接触角の増加は全く観察さ
れなかった。
【0053】〔実施例3〕さらにまた、図3に示すガス
状不純物処理システムに、中性能フィルタ122とし
て、図17に示す横振動型払い落とし機構を備えた金属
製メッシュ濾材から成る中性能フィルタを使用し、さら
に下流側に設置される高性能フィルタ124として、図
8、図10および図11に示す本発明による金属製フレ
ームとガラス繊維素材から構成される高性能フィルタ4
20を取り付け、実施例1と同様に、最終段の高性能フ
ィルタ下流側に洗浄直後のガラス基板を置いて、接触角
の経時変化を調べたところ、3日間経過後も接触角の増
加は全く観察されなかった。
【0054】以上、本発明に基づいて構成されたガス状
不純物処理システムおよび粒子除去フィルタの好適な実
施の形態について添付図面を参照しながら説明したが、
本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもな
い。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内に
おいて、当業者であれば、さまざまな変形例および修正
例に想到することは明らかであり、それらについても、
本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0055】例えば、上記実施の形態においては、ガス
状不純物を発生しない素材として、金属、セラミックス
およびガラス繊維などの無機素材や、フッ素樹脂パッキ
ンなどを使用する例を示したが、本発明はかかる例に限
定されない。本発明にいわゆるガス状不純物を発生しな
い素材には、加熱処理により揮発性成分を除去し、表面
汚染に関与するガス状不純物(フタル酸エステル類(D
OP、DBPなどの樹脂可塑剤)、シロキサン類(シー
ル材など)、リン酸エステル類(TBPなどの樹脂可塑
剤)、BHT(樹脂参加防止剤))の発生をなくした素
材が含まれる。
【0056】例えば、通常のフィルタの構成素材の中に
は、ガスケット、接着剤、フィルタ濾材などに各種有機
系の樹脂が使用されているが、これらの素材は、例え
ば、90℃でベーキングすることで表面汚染に関与する
ガス状有機物の発生をなくすことが可能である。
【0057】以下、評価素材として、フィルタのシール
材などに使用されるウレタン樹脂を用いて、加熱処理に
よりガス状不純物の発生をなくした場合の効果について
説明すると、脱脂処理を施したステンレス製容器の中
に、清浄なシリコンウェハと評価素材を一緒に密封し、
3日間放置した。評価素材として、未処理のウレタン樹
脂と加熱処理を施したウレタン樹脂とを用い、放置後の
シリコンウェハ表面の純粋滴下接触角の値を比較した。
【0058】その結果、紫外線/オゾン洗浄で表面付着
有機物を完全に除去した清浄なシリコンウェハの接触角
は約3度であった。そして、未処理のウレタン樹脂と一
緒に密封したシリコンウェハ表面はウレタン樹脂からの
脱ガスに汚染され、接触角は20度以上まで上昇した。
一方、加熱処理を施したシリコンウェハの接触角は清浄
なシリコンウェハの接触角とほとんど変わらなかった。
以上より、有機系樹脂を含む素材であっても、加熱処理
により揮発性成分を除去すれば、表面汚染に関与するガ
ス状有機物の発生を低減できることが判明した。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
未処理空気中に含まれるガス状不純物は除去するが、そ
れ自体が処理済空気中に粒子状不純物を発生するガス状
不純物除去手段の下流側に、ガス状不純物を発生しない
素材(例えば、金属やガラス繊維)のみから構成される
粒子状不純物を除去するフィルタ手段を設けているの
で、ガス状不純物除去手段により発生した粒子状不純物
も除去することが可能となり、装置自体が汚染源となら
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるガス状不純物除去システムの実
施の一態様を示す概略的な構成図である。
【図2】本発明にかかるガス状不純物除去システムの実
施の別の態様を示す概略的な構成図である。
【図3】本発明にかかるガス状不純物除去システムの実
施のさらに別の態様を示す概略的な構成図である。
【図4】本発明にかかるガス状不純物除去システムにバ
ックアップ用フィルタを設けた実施の態様を示す概略的
な構成図である。
【図5】本発明にかかるガス状不純物除去システムにバ
ックアップ用フィルタを設けた実施の別の態様を示す概
略的な構成図である。
【図6】本発明にかかる粒子除去フィルタの実施の一態
様を示す概略的な分解組立図である。
【図7】図6に示す粒子除去フィルタの断面図である。
【図8】本発明にかかる粒子除去フィルタの実施の別の
態様を示す概略的な分解組立図である。
【図9】本発明にかかる粒子除去フィルタの実施のさら
に別の態様を示す概略的な分解組立図である。
【図10】図10(a)は、図8に示す粒子除去フィル
タの組立後の概略的な斜視図であり、図10(b)は、
図8に示す粒子除去フィルタに使用される金属枠の概略
を示す斜視図である。
【図11】図8に示す粒子除去フィルタを風道に取り付
ける様子を示す概略的な説明図である。
【図12】本発明にかかる粒子除去フィルタの実施のさ
らに別の態様を示している説明図である。
【図13】本発明にかかる粒子除去フィルタの実施のさ
らに別の態様を示している説明図である。
【図14】本発明にかかる粒子除去フィルタの実施のさ
らに別の態様を示している説明図である。
【図15】図14に示す粒子除去フィルタの空気流れの
様子を示す説明図であり、(a)は空気流れが下向きの
場合、(b)は空気流れが上向きの場合をそれぞれ示し
ている。
【図16】図14に示す粒子除去フィルタの組立後の様
子を示す概略的な斜視図である。
【図17】本発明にかかるフィルタ再生機構つきの粒子
除去フィルタの実施の一態様を示す構成図である。
【図18】本発明にかかるフィルタ再生機構つきの粒子
除去フィルタの実施の別の態様を示す構成図である。
【図19】本発明にかかるフィルタ再生機構つきの粒子
除去フィルタの実施のさらに別の態様を示す構成図であ
る。
【図20】接触角判定法における接触角とガラス基板の
有機物汚染状態との関係を示すグラフである。
【図21】ガラス基板に滴下された超純水の液滴の接触
角と暴露時間の関係を示すグラフであり、本発明にかか
るガス状不純物を発生しない素材のみで構成した粒子除
去フィルタを有するガス状不純物除去システムを使用し
た場合、ケミカルフィルタの下流側にガス状不純物の発
生がある素材を有する従来のULPAフィルタを取り付
けたガス状不純物除去システムを使用した場合、ガス状
不純物の除去されていないクリーンルーム雰囲気を直接
使用した場合を、それぞれ示している。
【符号の説明】
100 ガス状不純物処理システム 102 ケーシング 110 ケミカルフィルタ 120 ガス状不純物を発生しない粒子除去フィルタ 410 粒子除去フィルタ 412 フレーム 414 フィルタ 416 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 46/42 9441−4D B01D 46/42 C 46/52 9441−4D 46/52 Z 9441−4D C

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相中に含まれるガス状不純物を除去し
    て清浄空気を生成するガス状不純物処理システムにおい
    て、 未処理空気中に含まれるガス状不純物は除去するが、そ
    れ自体が処理済空気中に粒子状不純物を発生するガス状
    不純物除去手段と、 前記ガス状不純物除去手段の下流側に配され、ガス状不
    純物を発生しない素材のみから構成される粒子状不純物
    を除去するフィルタ手段とを備えたことを特徴とする、
    ガス状不純物処理システム。
  2. 【請求項2】 前記ガス状不純物除去手段は、ガス状不
    純物の吸着濾材、接触触媒燃焼筒または流動層吸着塔を
    含むものであることを特徴とする、請求項1に記載の気
    相中のガス状不純物処理システム。
  3. 【請求項3】 前記ガス状不純物除去手段の下流側に
    は、ガス状不純物を発生しない素材のみから構成される
    粒子状不純物を除去するバックアップ用フィルタ手段
    が、前記フィルタ手段に並列にかつ選択的に切り換え可
    能に接続されていることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の気相中のガス状不純物処理システム。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ手段または前記バックアッ
    プ用フィルタ手段は、粒径が0.3μmの大きさの微粒
    子を99.97%以上捕集できる高性能フィルタである
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の気
    相中のガス状不純物処理システム。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ手段または前記バックアッ
    プ用フィルタ手段は、粒径が0.3μmまたは0.3μ
    m以上の大きさの微粒子を99.97%未満で捕集でき
    る中性能フィルタと、その下流に配される粒径が0.3
    μmの大きさの微粒子を99.97%以上捕集できる高
    性能フィルタであることを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれかに記載のガス状不純物処理システム。
  6. 【請求項6】 前記中性能フィルタは、捕捉された微粒
    子を払い落として再生するフィルタ再生手段を備えてい
    ることを特徴とする、請求項5に記載の気相中のガス状
    不純物処理システム。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ再生手段は、捕捉された微
    粒子を機械的振動または逆洗ガス気流により払い落とす
    ものであることを特徴とする、請求項6に記載のガス状
    不純物処理システム。
  8. 【請求項8】 前記フィルタ手段またはバックアップ用
    フィルタ手段は、ガス状不純物を発生しない素材のみか
    ら成るフレーム要素とガス状不純物を発生しない素材の
    みから成るフィルタ要素のみから構成されることを特徴
    とする、請求項1〜7のいずれかに記載のガス状不純物
    処理システム。
  9. 【請求項9】 前記ガス状不純物を発生しない素材は、
    金属、セラミックスおよびガラス繊維から成る群から選
    択された任意の素材、および/または加熱処理により揮
    発性物質を予め脱離した素材であることを特徴とする、
    請求項8に記載のガス状不純物処理システム。
  10. 【請求項10】 前記フィルタ手段は、無機素材パッキ
    ンまたはフッ素樹脂パッキンにより取り付けられること
    を特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のガス状
    不純物処理システム。
  11. 【請求項11】 ガス状不純物を発生しない素材のみか
    ら成るフレーム要素とガス状不純物を発生しない素材の
    みから成るフィルタ要素のみから構成される、粒子除去
    フィルタ。
  12. 【請求項12】 前記ガス状不純物を発生しない素材
    は、金属、セラミックスおよびガラス繊維から成る群か
    ら選択された任意の素材、および/または加熱処理によ
    り揮発性物質を予め脱離した素材であることを特徴とす
    る、請求項11に記載の粒子除去フィルタ。
  13. 【請求項13】 前記フィルタ要素は、ガラス繊維から
    構成され、プリーツ形状、円筒形状または封筒形状を成
    すことを特徴とする、請求項11または12に記載の粒
    子除去フィルタ。
  14. 【請求項14】 前記フィルタ要素は、金属からから構
    成され、プリーツ形状、円筒形状または封筒形状を成す
    ことを特徴とする、請求項11または12に記載の粒子
    除去フィルタ。
  15. 【請求項15】 前記フレーム要素は、前記フィルタ要
    素を挟持するスペーサおよび/または多孔板および/ま
    たはメッシュを含むことを特徴とする、請求項11〜1
    4のいずれかに記載の粒子除去フィルタ。
  16. 【請求項16】 さらに、捕捉された微粒子を払い落と
    して再生するフィルタ再生手段を備えていることを特徴
    とする、請求項11〜15のいずれかに記載の粒子除去
    フィルタ。
  17. 【請求項17】 前記フィルタ再生手段は、捕捉された
    微粒子を機械的振動または逆洗ガス気流により払い落と
    すものであることを特徴とする、請求項16に記載の粒
    子除去フィルタ。
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