JP3814207B2 - 清浄な資材用保管庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清浄な資材用保管庫に係り、特に半導体素子や液晶ディスプレイ(LCD)を製造するクリーンルームなどの清浄空間において、半導体基板やLCD基板などの清浄な資材を保管するための局所清浄空間に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体やLCDパネル製造工程において、ベアウェハや素ガラスから完成品を得るためには多くの工程が必要である。例えば、ベアウェハから1MDRAMチップに至る半導体製造ラインは約200工程のプロセスから成る。また、例えば、素ガラスから9.4型TFTに至るLCDパネル製造ラインは約80工程のプロセスからなる。各プロセスに常に連続的に製品を流すことは困難で、例えば、TFT−LCDの製造ラインでは、前工程で回路が一通り形成された半製品基板を後工程に移送するまでに、その半製品基板を、数十時間、清浄雰囲気に保持された保管庫(ストッカ)に保管する場合もある。
【0003】
ところで、半導体基板やLCD基板を通常のクリーンルーム雰囲気中で保管すると、それらの表面にはクリーンルーム雰囲気由来の有機物が付着することがある。例えば、雰囲気由来の有機物が半導体基板であるシリコンウェハに付着した状態で、650℃以上の高温下において絶縁酸化膜(SiO2)が形成されると、有機物中の炭素成分がSiCに変化してこの絶縁酸化膜(SiO2)中に取り込まれる。この場合、絶縁酸化膜の絶縁耐圧は大幅に低下する。また、リーク電流も大幅に増大する。また、例えば、雰囲気由来の有機物がLCD基板であるガラスに付着した状態で、そのガラス表面上に薄膜トランジスタ(TFT)用のアモルファスシリコン(a−Si)が成膜されると、ガラスとa−Si膜の密着不良が生じる。以上のように、半導体基板やLCD基板の表面に付着したクリーンルーム雰囲気由来の有機物は、半導体素子やLCDの電気特性に悪影響を及ぼすことが知られている。
【0004】
従って、このような製品不良を防止するためには、表面付着有機物を洗浄技術によって除去しなければならない。しかしながら、公知の有機物洗浄技術、例えば紫外線/オゾン洗浄によって表面付着有機物を除去した場合には、基板一枚当たりの洗浄時間として数分間も要し、頻繁に洗浄することはスループットの低下を招く。
【0005】
そこで、クリーンルーム雰囲気暴露による基板表面の有機物汚染の防止対策が模索されており、これまでにも、半製品基板の表面に有機物汚染を起こすことなく保管することができる各種保管庫が提案されている。
【0006】
例えば、HEPAフィルタやULPAフィルタなどの高性能フィルタとケミカルフィルタとを組み合わせて、粒子状物質のみならずガス状有機物の除去も行うことにより、保管庫内での有機物汚染を防止する技法が提案されている。しかしながら、ケミカルフィルタの上流側に通常の高性能フィルタ(HEPA、ULPAなど)を取り付けた場合には、ケミカルフィルタ自身から発生する粒子状汚染物を除去することができず、これに対して、ケミカルフィルタの下流側に通常の高性能フィルタを取り付けた場合には、この高性能フィルタの構成材料から発生するガス状汚染物を除去できないという問題があるため、必ずしも実効を挙げることができない。
【0007】
また、例えば、特開平6−156622号公報には、保管庫(または、ウェハストッカ)内を清浄空気の代わりに不活性ガスで充満し、基板の有機物汚染を防止する技法が提案されている。このような不活性ガスチャンバ内で基板を保管することにより、清浄空気が充満されたクリーンルーム内で基板を保管した場合に比較して、有機物による表面汚染を1/5〜1/2程度にまで軽減することができる。しかしながら、保管庫(または、ウェハストッカ)を不活性ガスで充満する場合、不活性ガスのコストが高いという問題のみならず安全性の問題に注意を払う必要がある。すなわち、なんらかの事故により大量の不活性ガスがクリーンルーム内に漏洩した場合、周辺の作業員は窒息のおそれがある。
【0008】
さらに、例えば、特開平5−286567号公報には、不活性ガスを封入した密閉容器内に半製品基板を収納し、保管する技法が提案されている。しかし、このような容器は、完成品であるICチップやLCDガラスを収納し、そのまま容器ごと搬出するには適しているが、半製品基板のように出し入れを頻繁に行う資材を保管する方法としては不適切である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の清浄な資材用保管庫が有する問題点に鑑みて成されたものであり、半導体基板やLCD基板などの清浄な資材を、有機物汚染を引き起こすことなく保管することが可能であり、また不活性ガスを使用せず、従って、安全にかつ廉価なランニングコストで稼働させることが可能であり、さらに、出し入れを頻繁に行う資材の保管に好適な清浄な資材用保管庫を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1の清浄度に保持された周囲清浄空間内に、その周囲清浄空間と隔離された状態で設置された第1の局所清浄空間として構成された清浄な資材用保管庫に、メタンを含む炭化水素類の総濃度が10ppb以下に制御されかつ微粒子を含まない第2の清浄度に保持された保管用清浄空気を生成する保管用清浄空気生成手段と、その第1の局所清浄空間内の保管空間に保管用清浄空気を供給する送気手段とを設けている。かかる構成により、基板表面の有機物汚染を効果的に防止することが可能である。その際に、不活性ガスを使用しないので、安全にかつ廉価なランニングコストで保管庫を稼働させることができる。
【0011】
さらに、請求項2に記載のように、第1の局所清浄空間は、保管空間とその保管空間と周囲清浄空間との間に介装されるバッファ空間とから成り、送気手段により保管空間からバッファ空間に保管用清浄空気が流れるように構成すれば、バッファ空間から例えば周囲清浄空間において汚染された空気が保管空間内に混入することを効果的に防止することができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載のように、第1の局所清浄空間および周囲清浄空間と隔離された第2の局所清浄空間を備えた評価装置が設置され、ガス導入手段を介してその第2の局所清浄空間内に第1の局所清浄空間内の保管用清浄空気が導入されて、第1の局所清浄空間内の有機物汚染の程度を評価するように構成することができる。この評価装置は、例えば請求項4に記載のように、第1の局所清浄空間内に配置された清浄な資材の表面の有機物汚染量が許容値以下に保たれているかどうかを監視するように構成することができる。かかる評価装置により、清浄な資材が保管される第1の局所清浄空間内の有機物汚染の程度を経時的に観察することが可能なので、第1の局所清浄空間内の有機物汚染が進展し、保管される資材が有機物により汚染され、製品の歩留まりが低下する前に、有機物汚染対策を講じることが可能となる。さらに、かかる評価装置により、活性炭フィルタを用いた場合に従来問題となっていたフィルタの交換時期が不明確であるといった点を解決することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しながら本発明に基づいて構成された清浄な資材の保管庫の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1〜図3には、本発明の第1実施例にかかるLCD基板の保管に適するように構成した保管庫10が示されており、それぞれ、図1は保管庫10の平面図、図2は図1のAから見た保管庫10の側面図、図3は図1のBから見た保管庫10の側面図を示している。
【0015】
図示のように、本発明にかかる保管庫10は、第1の清浄度に保持された周囲清浄空間(クリーンルーム)12内にその空間とは隔離状態で設置される第1の局所清浄空間として構成される。保管庫10は、クリーンルーム12と隔壁14により隔離されクリーンルーム12との間でLCD基板18を受け渡しを行うバッファ空間としての前室16と、LCD基板18を搬送する搬送室20と、実際にLCD基板18の保管を行う保管室22とから構成されている。なお図示の例では搬送室20と保管室22とは共通の空間(保管空間)として構成されているが、搬送室20と保管室22とを開閉自在の隔壁により隔離して、搬送室20に起因するコンタミネーションが保管室22に入り込まないように構成することも可能である。
【0016】
クリーンルーム12内には前室16の隔壁14に隣接してキャリア台24が設置されており、このキャリア台24上には所定枚数のLCD基板を収納することができるキャリア26が載置される。また前室16内には搬送アーム28などの搬送機構が設置されており、キャリア台24からLCD基板が収納されたキャリア26を前室16内のキャリア台30に移載することができる。さらに前室16には給気系32が設けられており、図5に関連して後述する保管用清浄空気生成装置36、すなわち触媒燃焼装置や、図6に関連して後述する保管用清浄空気生成装置36’、すなわち活性炭フィルタユニットにより生成された保管用清浄空気を給気系32より導入することができる。また前室16には排気系34が設けられており、必要に応じて前室16内を排気することができる。
【0017】
さらに前室16と搬送室20とは開閉自在の隔壁38で隔離されている。搬送室20内には保管室22に沿って移動可能な移動台39と、その移動台39に設置された搬送アーム40とが設置されている。例えば、資材を保管する際には、隔壁38を開けて、搬送アーム40により前室16内のキャリア台30に設置されたキャリア26を取り出し、保管室22の空きストッカ位置にまで移動台39で移送し、その空きストッカにキャリア26を収納することができる。
【0018】
保管室22内には、複数のストッカ42が形成されている。なお図示の例では、上下2段、横3列のストッカユニット44が2台併設されているが、本発明はかかる実施例に限定されず、任意の数のストッカを任意に配置した保管室22に対して適用できることは言うまでもない。また図示の例では、所定枚数のLCD基板18が収容されたキャリア26を収容するストッカ42を示したが、LCD基板18を直接収容することが可能なストッカにより保管室を構成することも可能である。
【0019】
さらに上記構成に加えて、図4に示す保管庫10’のように、保管室22には給気系46および高性能フィルタ48を設けることも可能である。かかる構成によれば、図5に関連して後述する保管用清浄空気生成装置36により、例えば炭化水素類の総濃度10ppb以下に制御された清浄空気をさらに高性能フィルタ48で第2の清浄度に調整した後、保管用清浄空気として保管室22内に導入することができる。さらに、図示の例では保管室22内のフィルタ48により第2の清浄度を達成する構成を示したが、保管用清浄空気生成装置36内において適当なフィルタ手段により第2の清浄度を達成するように構成することもできる。また保管室22には排気系50が設けられており、必要に応じて保管室22内を排気することができる。
【0020】
次に図5を参照しながら、図4に示す保管庫10’に適用される保管用清浄空気を生成するための保管用清浄空気生成装置36について説明する。図示のように、保管用清浄空気生成装置36は、取り入れた空気を圧縮する圧縮機52と、空気を加熱し触媒と反応させる反応塔54と、処理済みの空気を冷却する熱交換器56とから主に構成されている。さらに保管用清浄空気生成装置36は、圧縮機52と反応塔54との間の送気経路中に、ガスフィルタ58、圧力計60、流量計62が介装されており、生成される保管用清浄空気の清浄度、圧力、流量をそれぞれ調整することが可能である。また、反応塔54内には、例えば白金やパラジウムなどの酸化触媒が置かれており、加熱器64により、空気中に含まれる炭化水素類を次式に示されるように燃焼させ分解することができる。なお、図中66は、反応塔54の過熱を防止するための温度指示調節警報器である。
2CnHm+(m/2+2n)O2 → 2nCO2+mH2O
【0021】
このようにして、クリーンルーム内の清浄空気または外気は、圧縮機52により、例えば420℃に加熱された反応塔54に送気され、反応塔54内において酸化触媒と反応し、炭化水素類が水と炭酸ガスに分解され除去される。ところで、通常のクリーンルーム空気中には、水分が10,000ppm〜20,000ppm、炭酸ガスが数百ppm、メタンを含む炭化水素類総量が数ppm含まれているから、炭化水素類が全て燃焼しても、水分量や炭酸ガス量は元から含まれていた量と比較して微量増加するだけである。炭化水素類を燃焼分解された清浄空気は、フィン付きの熱交換器56により室温まで冷却され、清浄空気取り出し口68より外部に取り出される。
【0022】
次に図6を参照しながら、図1〜図3に示す保管庫10に適用される保管用清浄空気を生成するため保管用清浄空気生成装置36’について説明する。図示のように、保管用清浄空気生成装置36’は、ユニット内へ空気を取り込む、あるいはシステム内で空気を循環させるための送風機652と、活性炭フィルタの目詰まりを抑制するための粒子粗取りフィルタ654と、空気中の炭化水素類を吸着するための活性炭フィルタ656と、活性炭フィルタから発生するおそれのある活性炭微粒を下流側で除去するための粒子除去濾過フィルタ658とから主に構成されている。送風機652は、インバータ660で周波数制御され、任意に処理風量を調節することが可能である。
【0023】
活性炭フィルタ656は、ベースとなる活性炭の形状によって、ペレット状、繊維状、ハニカム状が可能である。本実施の形態では、濾材である活性炭には、ガス状不純物を発生しないように添着物を全く使用しないペレット状の球状活性炭素材を用いた。一般に繊維状ならびハニカム状活性炭フィルタは、他の有機繊維や接着剤を用いて形を整えたり強度を保たせたりしているので、有機繊維や接着剤から有機物ガスを発生する。また、ペレット状の活性炭素材も、ウレタンなどに接着剤で添着して使用すると、ウレタンや接着剤から有機物ガスを発生する。かかる有機物ガスは二次汚染源となるため何らかの対策が必要である。そこで、本実施の形態においては、球状活性炭をガス状不純物の発生しない素材で構成された容器内に充填する構成を採用している。なお本明細書において、ガス状不純物を発生しない素材としては、例えば脱脂処理を施し、耐腐食性・低表面粗度のステンレス、アルミニウムなどの金属や、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックスを用いることができる。ただし、ステンレスの場合は、電解研磨処理を施したものを用いることが好ましい。またアルミニウムの場合には、ベーマイト処理のような表面処理を施したものを用いることが好ましい。
【0024】
図7および図8には、ガス状不純物を発生しない素材で構成された濾過フィルタの一例が示されている。この濾過フィルタ420は、例えばステンレスやアルミニウムなどから成る金属製フレーム412a、412bとガラス繊維素材のフィルタ414のみから構成されている。図8に示すように、本実施の形態では、バインダを含まない(または、バインダを含んでいたとしても焼き出し処理などにより揮発性有機物を除去した)ガラス繊維のみからなる濾紙形平板フィルタ濾材414を凹凸に折り曲げてフィルタ要素を構成する。そして、凹凸形状のフィルタの上下端部414aは、フィルタの凹凸形状に対応して凹凸形状に成形された金属製型枠412a、412bの凹凸部間(図8(a)、(b)に示す金属製型枠412a、412bの上面および下面)に挟み込む。また凹凸形状のフィルタの左右端部414bは金属製型枠412a、142bの平坦面間(図8(a)(b))に示す金属製型枠412a、412bの左右側面)に挟み込む。このようにすれば、ガス状不純物などを発生するシール材などを使用せずに、図8(a)に示すような濾過フィルタ420を構成することができる。なお図8(a)は、粒子除去フィルタを組み立てた状態を示し、図8(b)は一方の金属枠412aを取り外した状態を示す斜視図である。このようして組み立てられた粒子除去フィルタ420は、金属製型枠412a、412bごと濾材414を、例えば300℃でベーキングして、全ての有機物を脱離させる。この濾過フィルタ420は、常温で有機物ガスの発生のないフッ素樹脂製パッキンを介して風道662(図6)間に取り付けられる。
【0025】
なお、濾過フィルタは、図9に示すように構成することも可能である。図9に示す濾過フィルタ420’は、図7および図8に示す粒子除去フィルタ420と異なり、バインダを含まない(または、バインダを含んでいたとしても焼き出し処理などにより揮発性有機物を除去した)ガラス繊維のみからなる濾紙形平板フィルタ濾材414’をジグザグに折り曲げてフィルタ要素を構成し、そのジグザグ形状のフィルタ414’を、そのジグザグ形状に対応してジグザグ形状に成形された金属製型枠412a’、412b’の間に挟み込んだものである。かかる形状の相違を除けば、図9に示す粒子除去フィルタ420’は、図7および図8に示す粒子除去フィルタ420と実質的には同一の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0026】
さらに、図10には、風道662(図6)に活性炭フィルタ656と粒子除去濾過フィルタ658を取り付けるためにさらに別の態様が示されている。図示のように本実施の態様にかかる活性炭フィルタ450は、ステンレス製メッシュ452、454の間に球状活性炭を単層に配した球状活性炭層456と、球状活性炭層456の下流の空気通過空間458とから成るフィルタ単位を複数段積層するとともに、その最下流側に、球状活性炭層456から発生する二次粒子を除去するための濾過フィルタ460を配することにより構成されている。このように単層の球状活性炭層456を空気通過空間458を介して複数段積層することにより、圧力損失の小さな濾過フィルタ構造を得ることができる。なお、フィルタ構成部材は、すべてガス状不純物を発生しない素材を用いることにより、濾過フィルタ自体が有機物汚染の汚染源となることを防止することができる。
【0027】
再び図6に戻り、以上のように活性炭フィルタ656により、有機物ガスを除去処理された後の清浄空気は、清浄空気取り出し口664から外部に取り出される。なお、清浄空気取り出し口664より下流側の風道および保管庫の構成部材も全て不純物ガスの発生のない材料を採用する必要がある。また、シールの必要な風道または保管庫の構成部材のジョイント部分には、ガス状不純物による有機物汚染を防止するために、全て脱ガスのないフッ素樹脂製パッキンを使用した。図示のように、保管用清浄空気生成装置36’では、粒子除去用濾過フィルタ658の前後の差圧を差圧計666でモニタし、粒子除去用濾過フィルタ658の交換時期を知ることができる。
【0028】
図6〜図10に示す保管用清浄空気清浄装置では、活性炭フィルタにより空気中の炭化水素類を吸着する構成を採用したが、本発明はかかる例に限定されず、図11に示すような、活性炭濾材を使用した流動層吸着塔550を備えたガス状不純物処理システム500を使用することも可能である。このガス状不純物処理システム500は、流動層吸着塔550を使用し、その下流側にガス状不純物を発生しない中性能フィルタ522及び高性能フィルタ524を上流側から順次直列に設置したものである。また、中性能フィルタ522や高性能フィルタ524をシステムに取り付ける際には、有機物ガスの発生のないシール部材、例えば無機素材パッキンやテフロンなどのフッ素樹脂パッキンを使用することが好ましい。
【0029】
この流動層吸着塔550は、大きく分けて流動層吸着部552、シール部554、吸着濾材搬送部556から成る。流動層吸着部552は、吸着塔558内に多段に積層された多孔板560を備えている。吸着濾材(例えば、粒状活性炭)は、この流動層吸着部552において、多段の多孔板560上で、例えば静止層高10〜20mm、流動層高20〜40mmの流動層562を形成し、多段毎に流動移動しながら各段の流下部560aから逐次下段に落下して行く。この間、吸着濾材は、空気取入口563からダンパ563bと渦巻送風機563aを経由して取り入れられた上向流の処理空気564と均一に接触し、処理空気中の不純物ガス成分を吸着する。他方、浄化された空気566は吸着塔558の上部558aから放出される。またシール部554をなす吸着塔底部558bに達した吸着濾材は、吸着濾材搬送部556によって吸着塔の最上段に戻され、再び吸着工程に移って行く。
【0030】
かかる流動層吸着塔550を利用したガス状不純物の除去装置は、流動状態にある吸着濾材の層の中を被処理空気が通過するため、通気抵抗が極めて低いという利点がある。例えば0.7mm直径の粒状活性炭からなる静止層高1.5cmの流動層を1m/sの被処理空気が通過する場合の通気抵抗はわずか10mmH2Oである。また、被処理空気中に含まれるppmオーダのガス状有機不純物を1ppb以下の濃度にするためにはせいぜい7段の流動層、つまり70mmH2Oの通気抵抗を見込んでおけば十分である。なお、長期連続運転中に、吸着塔内の吸着濾材は不純物を吸着して破過(飽和して吸着性能を失う状態)に近づく。従って、破過する前に安全を見込んで早目に吸着濾材の交換が必要である。例えば、破過するまでの寿命が2年であれば半年置きに交換することができる。
【0031】
図11に示す吸着濾材搬送部556について説明する。吸着濾材搬送部556は、ターボ送風機568を備えており、このターボ送風機568によりダンパ574と三方管572と気流輸送管576を経由して圧縮空気578が吸着塔の最上段に送られる。三方管572において、圧縮空気578と、取り出し口570から出た吸着濾材とが混合される。取り出し口570から吸着濾材を取り出す経路には、第1経路570aと第2経路570bの2系統があり、第1経路570aから取り出された吸着濾材が圧縮空気578によって吸着塔の最上段まで気流搬送される。この際、第2経路570bはダンパ574aおよびバルブ580を閉じることによって閉鎖されている。
【0032】
一方、吸着濾材を交換する場合は、渦巻送風機563aを停止し、ダンパ574を閉じて第1経路570aを閉鎖する。逆に第2経路570bは開放し、三方管572aにおいて、ダンパ574aを経由した圧縮空気578aと、取り出し口570から出た吸着濾材とを混合する。この吸着濾材はバルブ580を経由して使用済み濾材貯槽582まで気流搬送される。気流搬送に使用された圧縮空気578aは貯槽582に取り付けた排気口582aから外部に排出される。
【0033】
吸着塔558の使用済み濾材を全て貯槽582に気流搬送した後、貯槽下部に取り付けたバルブ584を開いて使用済み濾材を外部に取り出す。一方、未使用の吸着濾材は供給口584aから未使用濾材貯槽584に入れる。その後未使用の吸着濾材は、バルブ586を経由して取り入れ口588から吸着塔558内に入る。
【0034】
ところで、かかる流動層吸着塔550では、流動状態にある吸着濾材自体が微粒子の発生源となる。しかし、本実施の形態によれば、流動層吸着塔550の下流側にガス状不純物を発生しない中性能フィルタ522および高性能フィルタ524が設置されるので、ガス状不純物と粒子状不純物の両方とも含まないクリーンエアを供給することができる。なお、中性能フィルタ522および高性能フィルタ524の詳細については後述する。また図示の例では、中性能フィルタ522と高性能フィルタ524を直列に配列しているが、高性能フィルタ524のみを設置する構成にしても良い。ただし、かかる流動層吸着塔550では、流動状態にある吸着濾材は、互いに擦れ合うことで夥しいミクロンサイズの微粒子を発生するため、このような微粒子をHEPAやULPAと称される高性能フィルタで除去しようとすれば、例えば、粉塵濃度1mg/m3、通気風速0.3m/secの場合、2ヶ月程度で完全に目詰まりを起こしてしまう。
【0035】
従って、本実施の形態に示すように、まず中性能フィルタ522でミクロンサイズの濾材摩耗粒子を除去し、中性能フィルタ522で除去できなかった僅かのサブミクロンサイズの微粒子をさらに下流側に設けた高性能フィルタ524で除去する構成を採用することが好ましい。さらにまた、中性能フィルタ522に従来のバグフィルタ再生に用いられるような再生装置を設けてフィルタの交換寿命を延長させても良い。なお中性能フィルタ522や高性能フィルタ524をシステムに取り付ける際には、有機物ガスの発生のないシール部材、例えば無機素材パッキンやテフロンなどのフッ素樹脂パッキンを使用することが好ましい。
【0036】
次に上記のように構成された保管庫の動作について図1〜図3を用いて説明する。
まず清浄な資材を搬入する動作について説明する。保管すべきLCD基板18を収納したキャリア26をクリーンルーム12内のキャリア台24に載置する。次いで、クリーンルーム12と前室16とを隔離する隔壁14が開いて、キャリア26は搬送アーム28により保持されて前室16内に収容され、前室16内のキャリア台30に載置される。その後、隔壁14が閉じ、前室16とクリーンルーム12とを隔離してから、保管用清浄空気生成装置36、36’より給気系32を介して、メタンを含む炭化水素類の総濃度が10ppb以下に制御された微粒子を含まない清浄空気、または清浄な資材表面の純水滴下接触角または表面抵抗率が洗浄直後とほぼ同等な状態に保持できるように制御された微粒子を含まない清浄空気が、前室16内に送気される。このとき、前室16は隣接する室から隔離された隔離空間を構成し(従って、前室16と搬送室20との間の隔壁38は閉じられている)、給気量と同量の空気が排気系34から排気される。前室16の内部雰囲気が保管用清浄空気に十分入れ替わった後、前室16と搬送室20との間の隔壁38が開き、搬送室20の内部にある搬送機構の搬送アーム40によって、前室16から搬送室20へキャリア26が取り込まれる。次いで、移動台39は、保管室22の空きストッカ42の位置まで移動し、保持したキャリア26をその空きストッカ42に収容する。ストッカ42には、給気系46から保管用清浄空気が送り込まれ、図3に矢印で示すように、キャリア26と搬送室20とを通過してストッカ42の下部51に回り込む気流が形成される。このとき、保管室22および搬送室20は隣接する室から隔離された隔離空間を構成し(従って、搬送室20と前室16との間の隔壁38は閉じられている)、給気量と同量の空気が排気系50から排気される。
【0037】
次に、ストッカ42において一定期間保管されたキャリア26を搬出する動作について説明する。まず、移動台39が搬出するキャリア26が収容されたストッカ42位置まで移動し、搬送アーム40にてキャリア26を保持する。移動台39は前室16の位置まで移動する。この時点で、前室16は密閉状態にされ、その内部は保管用清浄空気雰囲気に保持されている。次いで、隔壁38が開放し、搬送アーム40はキャリア26を前室16内のキャリア台30上に載置する。その後、搬送室20と前室16との間の隔壁38を閉じた後、前室16とクリーンルーム12との間の隔壁14が開放し、キャリア台30上のキャリア26は搬送アーム28により、クリーンルーム12内のキャリア台24に載置され、搬出動作が完了する。
【0038】
なお図1〜図4に示した実施例では、保管用清浄空気の前室16への送気は給気系32を介して行われるが、図12に示すように、この給気系32を省略して、前室16と搬送室20(保管空間)とを隔てる隔壁38を貫通する開口部37を設け、保管室22に送気された保管用清浄空気の一部が搬送室20を介して前室16に流れ込むような構成にすることも可能である。かかる構成によれば、保管用清浄空気の気流は、常に保管室22から搬送室20を介して前室16に流れるので、前室16や搬送室20内において発生する汚染が保管室22内に入り込むのを効果的に防止することができる。またこの際、給気系46から保管室22までの経路途中で発生する可能性のある微粒子までも完全に除去するために、脱ガスのない素材で構成された微粒子除去用フィルタ48を設けることもできる。
【0039】
図13には、本発明に係る清浄な資材用保管庫のさらに別な実施例が示されている。この保管庫は、図1〜図4に関連して説明した保管庫に加えて、保管室22(または搬送室20、前室16)内の有機物汚染の程度を評価するための評価装置100(200)が設置されている。なお本明細書において、各図面間において同一の機能構成を有する構成部材については、同一の番号を付することにより重複説明を省略している。
【0040】
この評価装置100(200)は、図13に示すように、周囲清浄空間(クリーンルーム)12と、前室16、搬送室20、保管室22から成る保管空間(第1の局所清浄空間)と隔離された、図14、図17に示すような第2の局所清浄空間を構成するチャンバ102(202)を備えており、そのチャンバ102(202)内に、保管室22内の保管用清浄空気雰囲気を管路70を介して供給することが可能である。評価装置100(200)による評価結果は制御器72に送られ、制御器72は、その結果に応じて、保管用清浄空気生成装置36(36’)に、例えば送気中断指令などを出すことができる。あるいは、図20および図21に関連して後述するようなバックアップ用の装置構成が採用されている場合には、制御器72はバックアップ用装置に対して所定の指令を出すことができる。なお、図13に示す実施例では、評価装置100(200)に評価対象となる雰囲気を導入する管路70を保管室22の排気系50から分岐した管路として構成したが、図20および図21に示すように、保管用清浄空気生成装置36(36’)の給気系46から分岐するように管路71を設ける構成とすることも可能である。
【0041】
評価装置100(200)としては、保管空間(前室、搬送室、保管室)16、20、22内の有機物汚染の程度を評価できるものであれば良く、例えば、基板表面に付着した有機物量をX線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)により測定する装置を使用することができる。このX線光分子分光法(以下、XPS法と称する。)は、高真空中で測定サンプルに軟X線を照射して、サンプル表面から脱出する光電子のエネルギーと数をスペクトロメータで計測することにより、サンプル表面に存在する元素を定性/定量分析するものである。XPS法による極微量の表面有機物汚染量の評価では、有機物汚染量は、表面から深さ数十オングストロームの分析領域内における全原子数に対する炭素原子数の割合、あるいは上記分析領域内に存在する既知の元素の原子数に対する炭素原子数の比で表される。XPS法の装置内チャンバに表面が絶縁性の基板を入れ、保管空間の雰囲気に曝す。一定時間置きにチャンバを真空にして基板表面の有機物汚染量を評価する。この汚染量の経時変化から保管空間の雰囲気の汚れ具合が判定できる。さらに、かかる評価装置により、活性炭フィルタを用いた場合に従来問題となっていたフィルタの交換時期が不明確であるといった点を解決し、活性炭フィルタの劣化を知ることができる。
【0042】
上記のようなXPS法による評価装置は、有機物汚染量を高精度に測定することができるので、保管室内のガラス基板表面に有機物汚染を引き起こす雰囲気を評価するために有効な手段であるが、高真空装置やスペクトロメータが不可欠なために非常に高価である。また、XPS法は、サンプル採取場所と分析場所が一致した状態で測定を行う、いわゆるインライン分析には不向きな分析方法である。そこで、図14〜図16に示すような表面が絶縁性の基板表面の表面抵抗率の変化を利用した評価装置100、あるいは図17〜図19に示すような表面が絶縁性のまたは導電性の基板表面に滴下された液滴の接触角の変化を利用した評価装置200を使用することにより、より廉価な構成で正確なインライン分析を行うことができる。
【0043】
まず、図14〜図16を参照しながら、表面が絶縁性の基板表面の表面抵抗率の変化を利用した評価装置100について説明する。
【0044】
図14に示すように、評価装置100は、第1の局所空間および周囲清浄空間と隔離された隔離空間102を備えている。この隔離空間102は、たとえばアルミニウム製の隔壁で周囲と隔離されたチャンバとして構成することができる。この隔離空間102の内部に有機物を除去した清浄な表面104aを有するガラス基板104が設置されている。なお、本実施例では、保管室22内にガラス基板18が保管されるので、有機物汚染の評価対象としてガラス基板104を使用したが、保管室22内にシリコンウェハを保管するような場合には、有機物汚染の評価対象としてシリコンウェハを使用することが好ましい。このように、保管庫内に保管される資材の表面の材料と同じ材料の表面を有する基板を評価対象として使用することにより、より正確な有機物汚染の評価を行うことが可能となる。さらに、評価装置において測定または観察する対象となる基板の洗浄後の放置時間も、保管庫内に保管される清浄な資材の洗浄後の放置時間と同じにすることが好ましい。なお、本実施例では基板表面が絶縁性である必要があるので、シリコン基板を使用する場合には、シリコン基板の表面に絶縁膜が形成されている必要がある。
【0045】
このガラス基板104には表面抵抗率測定用の金属電極106が蒸着されている。図15(A)(B)に、ガラス基板104に蒸着される金属電極106の概略を示す。図示のように、金属電極106は、ガラス基板104の表面104aの略中心に直径D1の略円形に蒸着された第1電極106aと、その第1電極106aと同心円状に配された内径D2の略円環状の第2電極106bと、ガラス基板104の裏面104bに略円形に蒸着された接地電極106cとから構成される。これらの電極106はガラス基板104の表面104a、bに導電性材料を直接蒸着させて構成することが可能である。あるいは、これらの電極106はガラス基板104の表面104a、bに、たとえばプラズマCVDで絶縁膜を形成し、さらにその絶縁膜の表面に、たとえばスパッタ装置で導電性材料を蒸着させて構成することも可能である。さらに第1および第2電極106a、106b間には、電源108および電流計110が直列に接続されており、表面抵抗率計112(図中点線で囲った部分)が構成されている。なお、図示の例では、基板104及び隔離空間102の一部も含めて表面抵抗率計112が構成されているように示されているが、これは理解を容易にするためであり、ここに言う表面抵抗率計112は、サンプル基板104の表面上の少なくとも2点間の電気抵抗値を測定できるものであれば良く、各種装置を使用することが可能である。また、本実施例においては、サンプル基板104としてガラス基板を用いているが、測定対象に応じてサンプル基板として別の基板、例えば絶縁膜が形成されたシリコンウェハを使用して、そのサンプル基板表面に電極106を設置して、表面抵抗率計112により表面抵抗率を測定することも可能である。
【0046】
さらに、隔離空間102内には、給気バルブV1を介して湿度発生器114により調湿された加圧精製空気を導入可能であり、給気バルブV2を介して酸素ボンベ116より酸素を導入可能であり、さらに給気バルブV3を介して評価対象雰囲気を導入可能である。また隔離空間102には、湿度センサ118に連通する排気バルブV4、排気ポンプ120に連通する排気バルブV5、エアポンプ122に連通する排気バルブV6がそれぞれ接続されている。また湿度センサ118により検出される相対湿度は制御器124に送られ、制御器124は検出値に応じて湿度発生器114をフィードバック制御する。また、隔離空間102の上部には紫外線ランプ126が設置されており、ガラス基板104の表面104aに紫外線を照射することができる。
【0047】
まず、洗浄直後のガラス基板の表面抵抗率を測定するには、バルブV2、V5、V3、V6を閉じた状態で、バルブV1、V4を開き、所定の相対湿度に制御された加圧調湿ガスを隔離空間102内に送り込む。加圧調湿ガスは、加圧精製空気を湿度発生器114に送気する方法、いわゆる分流法で得られる。隔離空間102内が所定の一定の相対湿度に維持されるように、調湿ガスの出口側に設置した湿度センサ118および制御器124で湿度発生器114の分流量がフィードバック制御される。隔離空間102内が所定の相対湿度に達した後、表面抵抗率測定用の電極106に電圧を印加し、表面抵抗率計112により、清浄なガラス基板の初期表面抵抗率(Rsi)を測定する。
【0048】
次に、バルブV1、V4を閉じ、バルブV3、V6を開け、エアポンプ122を作動し、隔離空間102内に評価対象雰囲気の気体を吸引し、ガラス基板104の表面104aを所定時間にわたり評価対象雰囲気の気体で曝す。暴露終了とともに、バルブV3、V6を閉じて、バルブV1、V4を開け、制御器124により、再び隔離空間102内を所定の相対湿度(洗浄後の基板の表面抵抗率を測定した時の相対湿度と実質的に同一の相対湿度)雰囲気にし、表面抵抗率計112により、表面抵抗率(Rsf)を測定する。こうして、一定時間ごとに表面抵抗率(Rsf)の測定を繰り返すことで、清浄表面上の有機物汚染量の経時変化を追跡できる。
【0049】
また、隔離空間102内にはUV(紫外線)ランプ126が設けられており、一連の表面抵抗率の経時変化測定が完了した後、バルブV1、V4、V3、V6を閉じて、バルブV2、V5を開いて、酸素ボンベ116から加圧酸素ガスを隔離空間102内に送気するとともに、ガラス基板104の表面104aにUV光を照射して、表面104aに付着した有機物を分解除去する、いわゆる紫外線/オゾン洗浄が施される。紫外線/オゾン洗浄後、バルブV2を閉じ、バルブV5を開けたままで、バルブV1を開いて、洗浄の際に隔離空間102内部で発生したオゾンガスを排気ポンプ120で外部に排出しながら、隔離空間102内部を精製空気で置換する。こうして、次の清浄ガラス基板の表面抵抗率の経時変化測定に備える。
【0050】
また、XPS法で測定したガラス基板表面の有機物付着量(炭素/ケイ素比)と一定の相対湿度雰囲気中で測定した表面抵抗率の増加率(Rsf/Rsi)の間には、図16に示すような関係があることがわかった。図示のように、有機物付着量の増加に対応して表面抵抗率も増加しており、この関係を利用すれば、表面抵抗率の増加量の測定値をガラス基板表面の有機物付着量に換算することができる。たとえば、ガラス基板に一定時間だけ種々の評価対象雰囲気を暴露したときの表面抵抗率の増加割合によって、異なるさまざまな雰囲気が表面有機物汚染源として寄与する程度を比較することができる。あるいは、ガラス基板が保管されているある特定の雰囲気中に置かれた同一ガラス基板の表面抵抗率測定を一定時間間隔で繰り返すことによって、その雰囲気由来のガラス基板の表面の有機物汚染量が許容値以下に保たれているかどうかを常時監視することが可能となる。
【0051】
次に、図17〜図19を参照しながら、基板表面に滴下された液滴の接触角の変化を利用した評価装置200について説明する。
【0052】
図17に示すように、評価装置200は、第1の局所空間および周囲清浄空間と隔離された隔離空間202を備えている。この隔離空間202は、たとえば周囲とアルミニウム製の隔壁により隔離されたチャンバとして構成することができる。この隔離空間202内部にはステージ204が設置されており、図18に示すように、そのステージ204上に有機物を除去した清浄な表面206aを有するガラス基板206が搭載されている。ガラス基板206上部には、ガラス表面206aに超純水の液滴207を滴下するためのシリンジ208が設けられている。また、図18に示すように、シリンジ208から滴下される液滴207のガラス基板206上の滴下位置を自在に変えられるよう、ステージ204には基板206を水平面内で回転したり平行に移動したりできる移動機構(不図示)が設けられている。なお、本実施例では、保管室22内にガラス基板18が保管されるので、有機物汚染の評価対象としてガラス基板206を使用したが、保管室22内にシリコンウェハを保管するような場合には、有機物汚染の評価対象としてシリコンウェハを使用することが好ましい。このように、保管庫内に保管される資材の表面の材料と同じ材料の表面を有する基板を評価対象として使用することにより、より正確な有機物汚染の評価を行うことが可能となる。なお、本実施例では図14の実施例と異なり、基板表面が絶縁性である必要はないので、シリコン基板もそのまま使用できる。
【0053】
さらに、隔離空間202の側壁には測定用窓210a、210bが設けられている。測定用窓210aの外側には基板206に滴下された液滴207を照明する光源212が設けられ、測定用窓210bの外側には液滴207の像を拡大して観察するための顕微鏡や拡大鏡などの像拡大手段214が設けられている。従って、図18に示すような、ガラス基板206上に滴下された液滴207を、光源212からの照明光に曝し、拡大鏡214でその接触角αを測定することができる。なお、この液滴の接触角の変化により有機物汚染の程度を評価をする方法は、次のような原理を利用したものである。有機物汚染のない酸化膜付きシリコンウェハやガラス基板の表面は水に馴染みやすい性質、つまり親水性であり、接触角は小さい。ところが、有機物で汚染された場合には基板の表面は水をはじく性質、つまり疎水性に変化し、接触角が大きくなる。従って、図17に示す装置により接触角の変化を経時的に観察することにより有機物汚染の程度を評価することができる。
【0054】
また隔離空間202には、給気バルブV11を介してボンベ214より少なくとも酸素を含む洗浄ガスを導入することが可能であるとともに、給気バルブV12を介して評価用気体を導入することが可能である。さらに隔離空間202には、洗浄ガスを排気するように導入・排気ポンプ216に連通する排気バルブV13が接続され、また評価用ガスを排気するようにエアポンプ218に連通する排気バルブV14が接続されている。また、隔離空間202の上部には、基板洗浄時に基板206の表面206aに紫外線を照射するための紫外線ランプ220が設置されている。
【0055】
次に、上記評価装置を用いて、基板表面の有機物汚染を評価する方法について説明する。まず、洗浄直後の清浄基板の接触角を拡大鏡214により測定する。その後、バルブV11とバルブV13を閉じ、バルブV12とバルブ14の両方を開いて、評価対象となる雰囲気の気体を隔離空間202内にエアポンプ218で送気する。所定時間にわたり基板206の表面206aを評価雰囲気に曝した後、ステージ204を駆動して、隔離空間202内の基板206を水平面内で移動する。なお、この実施例では、ステージ204を駆動するように構成しているが、シリンジ208を水平面内を自在に移動可能に構成し、基板206(ステージ204)を静止したままシリンジ208の方を移動してもよい。つまり、1回の接触角測定が終わる度に、ステージ204またはシリンジ208を回転または水平方向に移動して、液滴がまだ滴下されていない位置に液滴を滴下して再度接触角を測定する。こうして、一定時間ごとに接触角の測定を繰り返すことで、清浄表面上の有機物汚染量の経時変化を追跡できる。
【0056】
また、一連の接触角の経時変化測定が完了後、バルブV12とバルブV14の両方を閉じて、バルブV11とバルブV13の両方を開いて、ボンベ214から少なくとも酸素を含む洗浄ガスを隔離空間202内に送気し、さらに紫外線ランプ220によりガラス基板206の表面206aに紫外線を照射して、表面206aに付着した有機物を分解除去する、いわゆる紫外線/オゾン洗浄を施す。紫外線/オゾン洗浄後、バルブV11を閉じ、バルブV13は開いたままで、バルブV12を開いて、洗浄の際に隔離空間202内部で発生したオゾンガスを排気ポンプ216で外部に排出しながら、隔離空間202内部を評価対象となる雰囲気の気体で置換する。こうしてつぎの清浄ガラス基板の接触角の経時変化測定に備える。
【0057】
図19に、有機物付着量(炭素/ケイ素比)と接触角との関係を示す。図示のように、有機物付着量(炭素/ケイ素比)の増加に対応して接触角も増加しており、この関係を利用すれば、接触角の測定値をガラス基板表面の有機物付着量に換算できる。たとえば、ガラス基板に一定時間だけ種々の評価対象雰囲気を暴露したときの接触角の増加割合によって、異なるさまざまな雰囲気が表面有機物汚染源として寄与する程度を比較することができる。あるいは、ガラス基板が保管されているある特定の雰囲気中に置かれた同一ガラス基板の接触角測定を一定時間間隔で繰り返すことによって、その雰囲気由来のガラス基板の表面有機物汚染量が許容値以下に保たれているかどうかを常時監視することが可能となる。
【0058】
さて、図1〜図4に示す保管庫10(10’)において、触媒燃焼法による保管用清浄空気生成装置36が正常に稼働中の場合や、保管用清浄空気生成装置36’の活性炭の吸着性能が使用に耐え得る範囲内であれば、図14に示す評価装置100により測定された基板の表面抵抗率の増加は1日当たり数%に抑えられ、あるいは図17に示す評価装置200により測定された基板の表面に滴下された液滴の接触角の増加は1日当たり数度に抑えられる。しかしながら、評価装置100、200により経時的に測定された表面抵抗率の増加、あるいは接触角の増加が上記範囲を超えるような場合には(例えば、1日当たりの表面抵抗率の増加率の変化が数10%になった場合や、1日当たりの接触角の増加が数10度になった場合)、保管用清浄空気生成装置36に何らかの異常が生じたり、あるいは保管用清浄空気生成装置36’の活性炭が破過に達し、処理空気中の有機物ガスを十分に除去できなくなり、保管空間内に有機物汚染が生じたものと判断できる。かかる場合には、保管中の清浄な資材を直ちに取り出して、再度洗浄し直し、改めて保管する必要がある。そして、図13の制御器72は、保管用清浄空気生成装置36(36’)に対して送気の中止などの所定の指令を送り、保管用清浄空気生成装置36(36’)の修理を行うか、または活性炭フィルタを交換することができる。あるいは、図20、21に示すようなバックアップ機構が設けられている場合には、制御器72は、稼働中の保管用清浄空気生成装置をバックアップ機構に切り換えることができる。
【0059】
バックアップ機構としては、例えば図20に示すような機構302を採用することができる。このバックアップ機構302においては、保管用清浄空気生成装置36が独立に制御可能な2系統の第1および第2保管用清浄空気生成装置36a、36bから構成されている。そして、保管庫10への給気系46から分岐した管路71により保管庫10に送気される保管用清浄空気の一部が評価装置100(200)に送られ、そこで有機物汚染の程度が経時的に観察される。例えば、第1の保管用清浄空気生成装置36aから保管用清浄空気が供給されている時(すなわち、バルブ78が開放しバルブ80が閉止している)、評価装置100(200)において有機物汚染が発生したと評価された場合には、制御器72は、バルブ78を閉止しバルブ80を開放することにより、保管用清浄空気の供給源を第2の保管用清浄空気生成装置36bに切り換えることができる。そして、異常が発生した第1の保管用清浄空気生成装置36aの活性炭フィルタを交換することができる。
【0060】
図21には、バックアップ機構の別の実施例が示されている。このバックアップ機構304は、図20に示す第2の保管用清浄空気生成装置の代わりに不活性ガス供給源82が給気系46に接続されている。従って、評価装置100(200)により異常が発生したと評価された場合には、制御器72は保管用清浄空気生成装置36に連通するバルブ84を閉止し、不活性ガス供給源82に連通するバルブ86を開放し、保管用清浄空気生成装置36の修理が完了するまでの臨時措置として、保管庫10に不活性ガスを供給することができる。
【0061】
以上、本発明をLCD基板用の保管庫に適用した実施例に即して説明したが、本発明はかかる実施例に限定されず、当業者であれば特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において様々な変更及び修正を行うことが可能であり、それらについても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0062】
例えば、本発明は、本実施例に示したLCD基板用の保管庫のみならず半導体ウェハ用の保管庫に対しても適用可能である。また基板をキャリアに収納し、そのキャリア単位で保管する場合のみならず、基板を直接保管する保管庫に対しても当然に適用することができる。また、本発明によれば、図5に示す触媒燃焼法を利用した保管用清浄空気生成装置に限らず、メタンを含む炭化水素類の総濃度が10ppb以下に制御できるような装置であれば、各種装置を使用することが可能である。また、本発明によれば、図6〜10に示す活性炭フィルタを利用した保管用清浄空気生成装置、あるいは図11に示す活性炭濾材を使用した流動層吸着塔を利用した保管用清浄空気生成装置に限らず、清浄な資材表面の純水滴下接触角または表面抵抗率が洗浄直後とほぼ同等な状態に保持できるように制御できるような装置であれば、各種装置を使用することが可能である。
【0063】
また、保管空間の基板表面の有機物汚染の程度を直接評価する評価装置として、図14および図17に示すような評価装置に限定されず基板表面の有機物汚染を間接的に測定可能な各種センサを使用することができる。例えば、空気中の有機物量を測定するセンサを用いて間接的に基板表面の有機物汚染を推定して評価するように構成することもできる。さらにまた図示の例ではクリーンルーム内に保管庫を設けた構成を示したが、本発明にかかる保管庫はクリーンルームなどの周囲清浄空間と隔離された状態に保持されれば良く、クリーンルームの外部に設置することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、清浄な資材を保管する第1の局所清浄空間内にメタンを含む炭化水素類の総濃度が10ppb以下に制御された保管用清浄空気が充填されるので、基板表面の有機物汚染を効果的に防止することが可能である。その際に、不活性ガスを使用しないので、安全にかつ廉価なランニングコストで保管庫を稼働させることができる。
【0065】
さらに本発明によれば、清浄な資材を保管する第1の局所清浄空間内に、例えば触媒反応塔や活性炭フィルタや流動層吸着塔より、清浄な資材表面の純水滴下接触角または表面抵抗率が洗浄直後とほぼ同等な状態に保持できるように制御された保管用清浄空気が充満されるので、基板表面の有機物汚染を効果的に防止することが可能である。その際に、不活性ガスなどを使用しないので、安全にかつ廉価なイニシャルコストで保管庫を稼働させることができる。また触媒反応塔や活性炭フィルタや流動層吸着塔などの清浄空気生成手段の下流側に自身から脱ガスのない微粒子除去手段を設け、生成した清浄空気中の微粒子や不純物ガスを極力低減することも可能である。
【0066】
さらに、第1の局所清浄空間が、清浄な資材を保管する保管空間とバッファ空間とに区画されており、資材の搬入搬出時に周囲清浄空間の雰囲気由来の有機物が保管空間内に混入することを防止できるので、頻繁に搬入搬出を繰り返す半製品の清浄な資材を保管するに適した保管庫を構築することができる。
【0067】
さらに、第2の局所清浄空間内において、評価装置により、清浄な資材が保管される第1の局所清浄空間内の保管用清浄空気による有機物表面汚染の程度を経時的に観察すれば、第1の局所清浄空間内の有機物汚染が進展し、保管される資材が有機物により汚染され、製品の歩留まりが低下する前に、有機物汚染対策を講じることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る清浄な資材用保管庫の一実施例の概略平面図である。
【図2】図1に示す清浄な資材用保管庫をA方向から見た側面図である。
【図3】図1に示す清浄な資材用保管庫をB方向から見た側面図である。
【図4】本発明に係る清浄な資材用保管庫の別の実施例の概略平面図である。
【図5】図1に示す清浄な資材用保管庫に適用可能な保管用清浄空気生成装置の一例を示す構成図である。
【図6】図1に示す清浄な資材用保管庫に適用可能な保管用清浄空気生成装置の一例を示す構成図である。
【図7】図6に示す保管用清浄空気生成装置に適用可能な濾過フィルタの一例を示す概略的な分解組立図である。
【図8】図8(a)は、図7に示す濾過フィルタの組立後の概略的な斜視図であり、図8(b)は、図7に示す濾過フィルタに使用される金属枠の概略を示す斜視図である。
【図9】図6に示す保管用清浄空気生成装置に適用可能な濾過フィルタの別の例を示す概略的な分解組立図である。
【図10】図6に示す保管用清浄空気生成装置に適用可能な濾過フィルタの別の例を示す概略的な構成図である。
【図11】図1に示す清浄な資材用保管庫に適用可能な保管用清浄空気生成装置の別の例を示す構成図である。
【図12】本発明に係る清浄な資材用保管庫の別の実施例の概略平面図である。
【図13】本発明に係る清浄な資材用保管庫のさらに別の実施例の概略平面図である。
【図14】本発明に係る清浄な資材用保管庫に適用可能な評価装置の一実施例を示す概略的な構成図である。
【図15】図14の評価装置に適用可能な基板に形成される電極の構成を示す平面図であり、(A)はその表面の様子を示し、(B)その裏面の様子を示している。
【図16】ガラス基板の表面に対する有機物付着量(炭素/ケイ素比)と表面抵抗率の増加率の関係を示すグラフである。
【図17】本発明に係る清浄な資材用保管庫に適用可能な評価装置の別な実施例を示す概略的な構成図である。
【図18】基板表面に滴下された液滴と接触角との関係を示す説明図である。
【図19】ガラス基板の表面に対する有機物付着量(炭素/ケイ素比)と接触角との関係を示すグラフである。
【図20】本発明に係る清浄な資材用保管庫に適用可能なバックアップ機構の一実施例を示す概略的な構成図である。
【図21】本発明に係る清浄な資材用保管庫に適用可能なバックアップ機構の別の実施例を示す概略的な構成図である。
【符号の説明】
10 保管空間(第1の局所清浄空間)
12 クリーンルーム(周囲清浄空間)
14 隔壁
16 前室(バッファ空間)
18 LCD基板
20 搬送室
22 保管室
26 キャリア
32 給気系
34 排気系
36 保管用清浄空気生成装置
38 隔壁
42 ストッカ
46 給気系
50 排気系
72 制御器
100 評価装置
200 評価装置
Claims (3)
- クリーンルーム雰囲気に保持されたクリーンルーム内に、そのクリーンルームと隔離された状態で設置された第1の局所清浄空間として構成された、清浄な資材用保管庫において、
メタンを含む炭化水素類の総濃度が10ppb以下に制御されかつ微粒子を含まない清浄度に保持された保管用清浄空気を生成する保管用清浄空気生成手段と、
前記第1の局所清浄空間内の保管空間に前記保管用清浄空気を供給する送気手段とを備え,
前記第1の局所清浄空間は、前記保管空間とその保管空間と前記クリーンルームとの間に介装されるバッファ空間とから成り、前記送気手段は、前記保管用清浄空気の空気流を前記保管空間から前記バッファ空間に送るものであることを特徴とする、清浄な資材用保管庫。 - 前記第1の局所清浄空間および前記クリーンルームと隔離された第2の局所清浄空間を備えた評価装置が設置され、ガス導入手段を介してその第2の局所清浄空間内に前記第1の局所清浄空間内の前記保管用清浄空気が導入されて、前記第1の局所清浄空間内の有機物汚染の程度を評価することを特徴とする、請求項1に記載の清浄な資材用保管庫。
- 前記評価装置は、前記第1の局所清浄空間内に配置された清浄な資材の表面の有機物汚染量が許容値以下に保たれているかどうかを監視することを特徴とする、請求項2に記載の清浄な資材用保管庫。
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