JPH09186459A - 多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板

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JPH09186459A
JPH09186459A JP35286895A JP35286895A JPH09186459A JP H09186459 A JPH09186459 A JP H09186459A JP 35286895 A JP35286895 A JP 35286895A JP 35286895 A JP35286895 A JP 35286895A JP H09186459 A JPH09186459 A JP H09186459A
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JP
Japan
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conductor
conductor circuit
hole
layer
resin
Prior art date
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JP35286895A
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English (en)
Inventor
Masanori Tamaki
昌徳 玉木
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱衝撃等に対して各導体回路とスルーホール
との間における接続信頼性に優れた多層プリント配線板
を提供する。 【解決手段】 導体回路12Aが、スルーホールHの導
体層21と直接接続されるとともに、バイアホールB1
の導体回路17Aを介してスルーホールHの導体層21
に接続されており、また、導体回路12Cが、スルーホ
ールHの導体層21に直接接続され、バイアホールB2
の導体回路17Cを介してスルーホールHの導体層21
に接続されており、バイアホールB2及び導体回路12
Cを介してスルーホールHの導体層21に接続されるよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁基板の片面又
は両面で層間絶縁層と導体回路とを交互に積層し、スル
ーホールを介して導体回路間を選択的に接続した多層プ
リント配線板に関し、特に、熱衝撃に対して導体回路と
スルーホールとの間で優れた接続信頼性を有する多層プ
リント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の多層プリント配線板では、電気絶
縁性の基板の片面又は両面で層間絶縁層と導体回路とを
交互に積層し、スルーホールを介して各導体回路間を接
続することにより、多層プリント配線板の電気配線を形
成していた。以下に、図14に示す従来の多層プリント
配線板の断面図を用いて、各導体回間の電気的な接続に
ついて具体的に説明する。多層プリント配線板100の
基板101には、導体回路102A、102B、102
C、102D等と層間絶縁層103が交互に積層される
構造をしており、各導体回路102A、102B、10
2C、102D等の短絡の防止が図られている。
【0003】また、スルーホール104は、導体回路1
02A、102B、102C等を貫通しており、接触面
104A、104B、104C等を介して、導体回路1
02A、102B、102Cとスルーホール104とが
接続されており、さらに、スルーホール105は、導体
回路102D等を貫通しており、接触面105D等を介
して、導体回路102D等とスルーホール105とが接
続されている。かかる構成により、多層プリント配線板
100において、スルーホール104、105と導体回
路102A、102B、102C、102Dとの電気的
な接続が確保され、各導体回路102A、102B、1
02C、102Dは直接に接続することなく、多層プリ
ント配線板100の電気配線を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スルー
ホール104、105と導体回路102A、102B、
102C、102Dとの電気的な接続は、各接触面10
4A、104B、104C、105Dを介して行なわれ
ているので、多層プリント配線板100に熱衝撃が加わ
ると、導体回路102A、102B、102C、102
Dや層間絶縁層103等が伸縮して、各接触面104
A、104B、104C、105Dに熱応力が生じ、接
触面104A等に生じる熱応力が大きくなってクラック
が発生することにより、スルーホール104と導体回路
102A等との電気的な接続が断たれる虞れがあり、よ
って、基板101に形成された導体回路102Aの接触
面104Aの面積を十分に確保し、かかる熱応力を低く
抑えて、熱衝撃に備える必要があった。
【0005】その一方で、近年においては、多層プリン
ト配線板100のファインパターン化の要求に応じて、
導体回路102A、102B、102C、102D等が
細線化(例えば、線幅80μm以下、線厚40μm以
下)される傾向にあるので、これに伴って接触面104
A、104B、104C、105D等の面積は必然的に
減少することとなり、特に、基板101に形成された導
体回路102Aの接触面104Aの面積を十分に確保す
ることができなくなって、熱衝撃に対する接続信頼性が
低下するという問題が発生していた。
【0006】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、2つの導体回路を相互
に接続するについて、各導体回路をスルーホールに接続
するとともに、層間絶縁層に形成されたバイアホールを
介して接続することにより、熱衝撃等に対して各導体回
路とスルーホールとの間における接続信頼性に優れた多
層プリント配線板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に成された多層プリント配線板は、絶縁基板の片面又は
両面で層間絶縁層と導体回路とが交互に積層されるとと
もに、導体回路を選択的に接続するスルーホールが設け
られた多層プリント配線板において、前記スルーホール
に接続された第1導体回路が層間絶縁層に形成されたバ
イアホールを介して第1導体回路の上層又は下層の第2
導体回路に接続されるとともに、第2導体回路がスルー
ホールに接続されていることを特徴とする。
【0008】前記構成を有する本発明に係る多層プリン
ト配線板では、第1導体回路及び第2導体回路が共にス
ルーホールに接続されており、且つ、第1導体回路と第
2導体回路は、層間絶縁層に形成されたバイアホールを
介して接続されている。従って、各第1導体回路、第2
導体回路とスルーホールとの接続に着目すれば、第1導
体回路は、スルーホールに直接接続されるとともに、バ
イアホール及び第2導体回路を介してスルーホールに接
続されており、また、第2導体回路は、第1導体回路と
同様に、スルーホールに直接接続されるとともに、バイ
アホール及び第1導体回路を介してスルーホールに接続
されることとなる。これより、各第1導体回路、第2導
体回路は、それぞれ2つの接続ルートを介してスルーホ
ールに接続されることから、多層プリント配線板に対し
て熱衝撃等が加わって1つの接続ルートに断線が発生し
た場合においても、他の接続ルートにより各第1導体回
路、第2導体回路とスルーホールとの接続を確保するこ
とが可能となり、この結果、優れた接続信頼性を得るこ
とが可能となるものである。
【0009】また、前記のように第1導体回路及び第2
導体回路とスルーホールとの接続信頼性を確保できるこ
とに基づき、第1導体回路及び第2導体回路の線幅や導
体層の厚さをそれぞれ80μm、40μm以下に小さく
することが可能となり、従って、導体回路のファインパ
ターン化に容易に対応することが可能となる。
【0010】前記したように本発明の多層プリント配線
板によれば、各導体回路とスルーホールとの間における
接続信頼性の向上と各導体回路のファインパターン化と
を両立することが可能となるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。ここでは、最初に多層プリント配
線板の製造方法について説明し、次いで、製造されたプ
リント配線板の構造的特徴に言及する。図1〜10に本
発明の多層プリント配線板1の製造過程を示す。尚、図
5〜7においては、基板11の下側を省略しているが、
図示された基板11の上側と同様である。
【0012】先ず、図1に示すように、電気絶縁性の基
板11に銅層12が形成された銅張積層板10を用意す
る。次の図2では、導体回路12A、12B、12C、
12Dのパターンが印刷された感光性ドライフィルム
を、銅張積層板10の両面にラミネートし、露光及び現
像を行なった後にエッチング処理することにより、導体
回路12A、12B、12C、12Dが形成された銅張
積層板10(配線板)を得る。
【0013】次の図3では、図2の銅張積層板10(配
線板)に電気絶縁性の充填樹脂13を塗布して固化させ
ることにより、導体回路12A、12B、12C、12
Dの間に充填樹脂13を充填する。かかる充填樹脂13
には、無機粒子を含有させて硬化収縮を低滅させること
により、基板11の反りを防止している。また、充填樹
脂13に溶剤樹脂を使用すると、加熱した場合に残留溶
剤が気化して層間剥離の原因となるので、無溶剤樹脂が
使用されている。
【0014】さらに、かかる充填樹脂13を塗布する前
に、図2の銅張積層板10(配線板)を酸化還元処理
(黒化還元処理)して、基板11と導体回路12A、1
2B、12C、12Dの表面を粗化させることにより、
充填される充填樹脂13の層間剥離を防止している。充
填樹脂13が固化した後は、導体回路12A、12B、
12C、12Dと充填樹脂13の表面研磨により平滑に
して、後述するバイアホールB1、B2等(図5参照)
の露光不良、現像不良を防止している。
【0015】次の図4では、表面研磨により同一平面と
なった導体回路12A、12B、12C、12Dと充填
樹脂13の表面に、酸または酸化剤に対する難溶性と耐
熱性とを有する樹脂からなる第1樹脂層14を形成し、
同様にして、酸または酸化剤に対する難溶性と耐熱性と
を有する樹脂からなる第1接着層15を形成する。尚、
第1接着層15には、酸または酸化剤に対する可溶性と
耐熱性とを有する樹脂粒子(図示せず)を分散させて、
後述する第1接着層15の表面粗化処理(図5参照)を
容易にしている。
【0016】第1樹脂層14と第1接着層15について
は、感光性の熱硬化性樹脂や、感光性の熱硬化性樹脂と
熱可塑性樹脂との複合体を使用することにより、後述す
るバイアホールB1、B2等(図5参照)の形成を容易
にしている。かかる複合体を使用したときは、靱性を向
上させることができるので、第1接着層15に形成され
る導体回路17AやバイアホールB1、B2等(図5参
照)のピール強度の向上、熱衝撃によるクラック発生を
防止できる。いずれにしても、第1樹脂層14と第1接
着層15は電気絶縁性を有しており、図3の充填樹脂1
3とともに3層からなる層間絶縁層を構成している。
尚、図3の充填樹脂13に代えて、第1樹脂層14を使
用してもよい。
【0017】次の図5では、バイアホールB1が形成さ
れる開口部が印刷されたポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(図示せず)を、第1接着層15の表面にラミネ
ートし、露光及び現像を行なった後に加熱処理(ポスト
ベーク)することにより、フォトマスクフィルムと同様
に寸法精度に優れた開口部(バイアホールB1に相当す
る)を得る。かかる開口部(バイアホールB1に相当す
る)からは、基板11に形成された導体回路12Aが露
出している。露光の際、ポリエチレンテレフタエートフ
ィルムと第1接着層15とを粘着剤で張りつけることに
より、重合反応を阻害する酸素との接触を防止してい
る。加熱処理をした後は、酸あるいは酸化剤で、第1接
着層15内に分散した樹脂粒子を除去することにより、
第1接着層15の表面を粗化して蛸壺状のアンカーを形
成させ(図8参照)、後述するめっきレジスト16(図
6参照)や導体回路17A(図7参照)の層間剥離を防
止している。
【0018】次の図6では、開口部(バイアホールB1
に相当する)内部及び開口部において露出している導体
回路12Aと、表面粗化された第1接着層15の表面
に、核触媒を付与した後、液状感光性レジストを塗布し
て乾燥させる。尚、核触媒を付与するのは、後述する無
電解めっき処理(図7、8参照)において金属を析出さ
せるためである。核触媒の固定化は加熱により行い、感
光性レジストを乾燥させるのは、溶剤が硬化反応にじゃ
まだからである。液状感光性レジストを乾燥させた後
は、露光及び現像により、めっきレジスト16を第1接
着層15の表面に得る。
【0019】次の図7では、めっきレジスト16を第1
接着層15の表面に得た後に、酸性溶液による活性化処
理及び無電解めっき液による一次めっきを行って、めっ
きレジスト16が形成されていない部分に、めっき薄膜
17B(図8参照)を形成させる。その後、めっき薄膜
17Bの酸化被膜を、酸性溶液の活性化処理で除去し、
無電解めっき液による二次めっきを行って、めっき薄膜
17B(図8参照)上に、導体回路17A(のパター
ン)を形成させる。すなわち、第1接着層15の開口部
にバイアホールB1が形成された導体回路17Aを得る
ことができる。かかるバイアホールB1は、基板11に
形成された導体回路12Aと一体に接続されている。
【0020】図8に、一次めっきのめっき薄膜17B
と、二次めっきの導体回路17Aが形成された状態を示
す。かかるめっき薄膜17Bは、その上に形成される導
体回路17Aの密着性を確保するために、第1接着層1
5の粗化面をそのままトレースするように行なわれる。
従って、めっき薄膜17Bの表面には、第1接着層15
の表面と同様なアンカーが形成される。また、一次めっ
きは2種以上の金属イオンで行なわれており、ピール強
度の向上を図るために、めっき薄膜17Bは合金から構
成されている。さらに、導体回路17Aは、電気配線に
相当するものであり、めっき薄膜17Bと比べ厚みを必
要とすることから、高い電気伝導性と速い析出速度が必
要となり、よって、二次めっきは1種の金属イオンで行
なわれる。
【0021】次の図9では、図4と同様にして、めっき
レジスト16と導体回路17Aの表面に、第1樹脂層1
4と同じ樹脂の第2樹脂層18と、第1接着層15と同
じ樹脂の第2接着層19とを形成し、酸あるいは酸化剤
で、第2接着層19内に分散した樹脂粒子を除去するこ
とにより、第2接着層19の表面を粗化して蛸壺状のア
ンカーを形成させる。第2樹脂層18と第2接着層19
は電気絶縁性を有しているので、2層からなる層間絶縁
層が構成される。
【0022】次の図10では、基板11上の導体回路1
2Aと、バイアホールB1を有する導体回路17Aと
を、同時に貫通する穴をドリルで開け、図6の場合と同
様にして、核触媒の付与後にめっきレジスト20を形成
するとともに、図7の場合と同様な二次めっきを行なっ
て、上下開口の周辺部及び内部に導体層21を有するス
ルーホールHを形成することにより、多層プリント配線
板1が完成される。
【0023】このとき、図10に示すように、基板11
の上側においては、基板11上の導体回路12A及びバ
イアホールB1内の導体回路17Aは、共にスルーホー
ルHの導体層21に接続されており、且つ、各導体回路
12A、17Aは、バイアホールB1の導体回路17A
を介して相互に接続されている。従って、各導体回路1
2A、17AとスルーホールHの導体層21との接続に
着目すると、導体回路12Aは、スルーホールHの導体
層21に直接接続されるとともに、バイアホールB1の
導体回路17Aを介してスルーホールHの導体層21に
接続されており、また、導体回路17Aは、導体回路1
2Aと同様に、スルーホールHの導体層21に直接接続
されるとともに、バイアホールB1及び導体回路12A
を介してスルーホールHの導体層21に接続されること
となる。
【0024】前記と同様にして、基板11の下側におい
ても、基板11上の導体回路12C及びバイアホールB
2内の導体回路17Cは、共にスルーホールHの導体層
21に接続されており、且つ、各導体回路12C、17
Cは、バイアホールB2の導体回路17Cを介して相互
に接続されている。従って、各導体回路12C、17C
とスルーホールHの導体層21との接続に着目すると、
導体回路12Cは、スルーホールHの導体層21に直接
接続されるとともに、バイアホールB2の導体回路17
Cを介してスルーホールHの導体層21に接続されてお
り、また、導体回路17Cは、導体回路12Cと同様
に、スルーホールHの導体層21に直接接続されるとと
もに、バイアホールB2及び導体回路12Cを介してス
ルーホールHの導体層21に接続されることとなる。
【0025】これより、各導体回路12A、17A及び
12C、17Cは、それぞれ2つの接続ルートを介して
スルーホールHの導体層21に接続されることから、多
層プリント配線板1に対して熱衝撃等が加わって1つの
接続ルートに断線が発生した場合においても、他の接続
ルートにより各導体回路12A、17A及び12C、1
7CとスルーホールHとの接続を確保することが可能と
なり、この結果、優れた接続信頼性を得ることができる
ものである。
【0026】また、前記のように導体回路12A、17
A及び12C、17CとスルーホールHとの接続信頼性
を確保できることに基づき、各導体回路12A、17
A、12C、17Cの線幅や導体層の厚さをそれぞれ8
0μm、40mμ以下に小さくすることが可能となり、
従って、導体回路12A、17A、12C、17Cのフ
ァインパターン化に容易に対応することができる。
【0027】このように、本実施の形態に係る多層プリ
ント配線板1によれば、各導体回路12A、17A、1
2C、17CとスルーホールHとの間における接続信頼
性の向上と各導体回路12A、17A、12C、17C
のファインパターン化とを両立することができるもので
ある。
【0028】
【実施例】以下に、フルアディティブプロセスによって
製作された多層プリント配線板1の実施例について、そ
の具体的な製造プロセスを上述した図1〜10に従って
説明する。
【0029】(1)図1の銅張積層板10として、ガラ
スエポキシ銅張積層板を用意した。 (2)図2でのエッチング処理は、塩化第2銅エッチン
グ液で行った。尚、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基
板、セラミック基板、金属基板などの基板10(銅張さ
れていないもの)に、粗化面を有する接着層(第1接着
層15、第2接着層19に相当する)を形成させた後
に、無電解めっきを施すことにより、導体回路12A、
12B、12C、12Dの銅パターンを形成させてもよ
い。
【0030】(3)図3の充填樹脂13は、無溶剤のエ
ポキシ樹脂100重量部、シリカ粉末(1.6μm)1
70重量部、イミダゾール硬化剤6重量を混合したもの
を用いた。塗布された充填樹脂13は、150℃の温度
を10時間保持することにより硬化させた。尚、無溶剤
のエポキシ樹脂に代えて、ポリイミド樹脂を使用しても
よい。
【0031】(4)図4の第1樹脂層14を形成する樹
脂組成物は、以下のようにして作成した。すなわち、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶
解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製 分子量2500)の25%アクリル化物を70重量
部、ポリエーテルスルフォン(PES)30重量部、イ
ミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)4
重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン変成トリ
ス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成
製、商品名:アロニックスM325)10重量部、光開
始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)5重量部、
光増感剤ミヒラーケトン(関東化学製)0.5重量部N
MPを添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘
度2000CPS に調整し、続いて、3本ロールで混練す
ることにより作成した。
【0032】また、図4の第1接着層15を形成する接
着剤溶液は、以下のようにして作成した。すなわち、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に溶
解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製 分子量2500)の25%アクリル化物を70重量
部、ポリエーテルスルフォン(PES)30重量部、イ
ミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)4
重量部、感光製モノマーであるカプロラクトン変成トリ
ス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成
製、商品名:アロニックスM325)10重量部、光開
始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)5重量部、
光増感剤ミヒラーケトン(関東化学製)0.5重量部、
さらにこの混合物に対してエポキシ樹脂粒子(東レ製
商品名:トレパール)の平均粒径5.5μmを35重量
部、平均粒径0.5μmのものを5重量部を混合した
後、NMPを添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌
機で粘度2000CPS に調整し、続いて、3本ロールで
混練することにより作成した。
【0033】前記のように作成された第1樹脂層14の
樹脂組成物は、ロールコーターを用いて塗布し、水平状
態で20分間放置してから、60℃で乾燥(プリベー
ク)を行なった。また、前記のように作成された第1接
着層15の接着剤溶液も、同様にして、ロールコーター
を用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、6
0℃で乾燥(プリベーク)を行なった。
【0034】尚、上述した第1樹脂層14と第1接着層
15にはエポキシ樹脂が使用されているが、その他にポ
リイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フェノ
ール樹脂など熱硬化性樹脂やこれらを感光化した感光性
樹脂、あるいはポリエーテルスルフォンなどの熱可塑性
樹脂、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の複合体、感光性樹
脂と熱可塑性樹脂の複合体を使用することもできる。こ
れらの中では、エポキシ樹脂をアクリル酸やメタクリル
酸などと反応させたエポキシアクリレートやエポキシア
クリレートとポリエーテルスルホンとの複合体がよい。
かかるエポキシアクリレートは、全エポキシ基の20〜
80%がアクリル酸やメタクリル酸などと反応したもの
が望ましい。
【0035】さらに、第1接着層15の樹脂粒子として
は、平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平
均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させて平均
粒径が前記粒子の粒子径の3倍以上の大きさとした凝集
粒子、平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末と、
平均粒径が前記粒子の粒子径の1/5以下かつ2μm以
下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が2μm〜
10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なく
とも1種を付着させてなる疑似粒子から選ばれることが
望ましい。これらは、複雑なアンカーを形成できるから
である。
【0036】ここでは、第1接着層15の樹脂粒子には
エポキシ樹脂が使用されているが、アミノ樹脂(メラミ
ン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)などもよく、これ
らは、クロム酸やリン酸等のような粗化液に対して可溶
である。尚、エポキシ樹脂は、そのオリゴマーの種類、
硬化剤の種類、架橋密度を変えることにより任意に酸や
酸化剤に対する溶解度を変えることができる。例えば、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂オリゴマーをアミン系
硬化剤で硬化処理したものは、酸化剤に溶解しやすい。
しかし、ノボラックエポキシ樹脂オリゴマーをイミダゾ
ール系硬化剤で硬化させたものは、酸化剤に溶解しにく
いことに留意する必要がある。
【0037】(5)図5の露光では、超高圧水銀灯40
0mj/cm2 で露光した後に、さらに、超高圧水銀灯
により約3000mj/cm2 で露光した。現像では、
トリエチレングリコールジメチルエーテル(DMTG)
で現像した。加熱処理(ポストベーク)では、150℃
の温度で5時間保持した。以上より、第1樹脂層14と
第1接着層15は、厚さ50μmで形成することができ
た。また、表面粗化処理では、70℃のクロム酸に20
分間浸漬して、第1接着層15の樹脂粒子であるエポキ
シ樹脂を溶解除去し、第1接着層15の表面に微細なア
ンカーが多数形成された粗化面を形成した。
【0038】尚、ここでは、酸化剤としてクロム酸を使
用したが、酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、又は蟻
酸、酢酸などの有機酸を使用することが望ましい。表面
粗化処理した場合に、バイアホールB1、B2に相当す
る開口部から露出する導体回路12A等を腐食させにく
いからである。また、その他の酸化剤としては、過マン
ガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)が望ましい。
【0039】(6)図6の触媒核は、PdCl2 ・2H
2O 0.2g/l、SnCl2・2H2O 15g/
l、HCl 30g/l の液中で処理することにより
付与した。また、液状感光性レジストは、市販の液状感
光性レジストを使用し、60μmの厚さで塗布した。形
成されためっきレジスト16の線幅は50μmであっ
た。
【0040】尚、触媒核は、貴金属イオンやコロイドな
どがよいが、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使
用してもよい。また、液状感光性レジストは、エポキシ
樹脂をアクリル酸やメタクリル酸などと反応させたエポ
キシアクリレートとイミダゾール硬化剤からなる組成物
やエポキシアクリレート、ポリエーテルスルホンおよび
イミダゾール硬化剤からなる組成物を使用してもよい。
エポキシアクリレートとポリエーテルスルホンの比率
は、50/50〜80/20程度が望ましい。エポキシ
アクリレートが多すぎると可撓性が低下し、少なすぎる
と感光性、耐塩基性、耐酸性、耐酸化剤特性が低下する
からである。
【0041】また、エポキシアクリレートは、前エポキ
シ基の20〜80%がアクリル酸やメタクリル酸などと
反応したものが望ましい。アクリル化率が高すぎるとO
H基による親水性が高くなり吸湿性が上がり、アクリル
化率が低すぎると解像度が低下するからである。さら
に、基本骨格樹脂であるエポキシ樹脂としては、ノボラ
ック型エポキシ樹脂が望ましい。架橋密度が高く、硬化
物の吸水率が0.1%以下に調整でき、耐塩基性に優れ
るからである。ノボラック型エポキシ樹脂としては、ク
レゾールノボラック型、フェノールノボラック型があ
る。
【0042】(7)図7の活性化処理は、100g/l
の硫酸水溶液中で行なった。一次めっきは、下記の組成
を有する無電解銅−ニッケル合金めっき浴で行なった。
めっき浴の温度は60℃であり、めっき浸漬時間は1時
間であった。 金属塩・・・CuSO4・5H2O ;6.0mM(1.5g/l) ・・・NiSO4・6H2O ;95.1mM(25g/l) 錯化剤・・・Na3C6H5O7 ;0.23M(60g/l) 還元剤・・・NaPH2O2・H2O ;0.19M(20g/l) ph調節剤・・・NaOH ;0.75M(pH=9.5) 安定剤・・・硝酸鉛 ;0.2mM(80ppm) 界面活性剤 ;0.05g/l 析出速度は、1.7μm/時間 以上の条件で一次めっきを行うことによって、レジスト
16が形成されていない部分に厚さ約1.7μmの銅−
ニッケル−リンのめっき薄膜17Bが形成された。この
後、めっき浴から引き上げて、表面に付着しているめっ
き浴を水で洗い流した。
【0043】さらに、酸性溶液で処理する活性化処理に
よって、銅−ニッケル−リンのめっき薄膜17Bの酸化
皮膜を除去した。その後、Pd置換を行うことなく、銅
−ニッケル−リンのめっき薄膜17B上に対する二次め
っきを行った。二次めっき用のめっき浴としては、下記
の組成を有するめっき浴で行なった。めっき浴の温度は
50℃〜70℃であり、めっき浸漬時間は90分〜36
0分であった。 金属塩・・・CuSO4・5H2O;8.6mM 錯化剤・・・TEA ;0.15M 還元剤・・・HCHO ;0.02M その他・・・安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリ
ウム等)少量。 析出速度は、6μm/時間 以上の条件で二次めっきを行うことによって、めっき薄
膜17Bに導体回路17Aが形成された。この後、めっ
き浴から引き上げて、表面に付着しているめっき浴を水
で洗い流した。
【0044】尚、一次めっきとしては、銅、ニッケル、
コバルトおよびリンから選ばれる少なくとも2種以上の
金属イオンを使用することが必要であるが、この理由
は、これらの合金は強度が高く、ピール強度を向上させ
ることができるからである。銅イオン、ニッケルイオ
ン、コバルトイオンについては、硫酸銅、硫酸ニッケ
ル、硫酸コバルト、塩化銅、塩化ニッケル、塩化コバル
トなどの銅、ニッケル、コバルト化合物を溶解させるこ
とにより供給する。また、無電解めっき液には、ビピリ
ジルを含有してなることが望ましい。この理由は、ビピ
リジルはめっき浴中の金属酸化物の発生を抑制してノジ
ュールの発生を抑制できるからである。
【0045】また、錯化剤としてヒドロキシカルボン酸
を使用しているが、銅、ニッケル、コバルトイオンと塩
基性条件下で安定した錯体を形成するからである。ヒド
ロキシカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸などが望ましい。また、ヒドロキシカルボンの濃度は
0.1〜0.8Mであることが望ましい。0.1Mより
少ないと、十分な錯体が形成できず、異常析出や液の分
解が生じる。0.8Mを越えると、析出速度が遅くなっ
たり、水素の発生が多くなったりするなどの不具合が発
生するからである。
【0046】また、金属イオンを還元して金属元素にす
るために、還元剤を使用しており、アルデヒド、次亜リ
ン酸塩(ホスフィン酸塩と呼ばれる)、水素化ホウ素
塩、ヒドラジンから選ばれる少なくとも1種であること
が望ましい。これらの還元剤は、水溶性であり、還元力
に優れるからである。次亜リン酸塩を用いれば、ニッケ
ルを析出させることができる。
【0047】ph調整剤ついては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムから少なくとも1種
を選ぶ必要があり、これらはいずれも塩基性化合物であ
る。ヒドロキシカルボン酸を使用するのは、塩基性条件
下でニッケルイオンなどと錯体を形成するからである。
【0048】また、二次めっきについては、以下の無電
解めっき液に浸漬することにより形成してもよい。すな
わち、銅イオン、トリアルカノールアミン、還元剤、p
h調整剤からなる無電解めっき液であって、銅イオンの
濃度が0.005〜0.015mol/l、ph調整剤
の濃度が、0.25〜0.35mol/lであり、還元
剤の濃度が0.01〜0.04mol/lであることを
特徴とする無電解めっき液である。このめっき液は、浴
が安定であり、ノジュールなどの発生が少ない。また、
トリアルカノールアミンの濃度が0.1〜0.8Mであ
ることが望ましい。この範囲でめっき析出反応が最も進
行しやすいからである。
【0049】前記トリアルカノールアミンは、トリエタ
ノールアミン、トリイソパノールアミン、トリメタノー
ルアミン、トリプロパノールアミンから選ばれる少なく
とも1種であることが望ましい。水溶性だからである。
また、還元剤については、アルデヒド、次亜リン酸塩、
水素化ホウ素塩、ヒドラジンから選ばれる少なくとも1
種であることが望ましい。水溶性であり、塩基性条件下
で還元力を持つからである。さらに、ph調整剤につい
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウムから選ばれる少なくとも1種であることが望まし
い。
【0050】(8)図9においては、(4)の図4の場
合と同様にして、めっきレジスト16と導体回路17A
の表面に、第1樹脂層14と同じ材質の第2樹脂層18
と、第1接着層15と同じ材質の第2接着層19とを形
成した。また、(5)の図5と同様にして、第2接着層
19内に分散した樹脂粒子を除去することにより、第2
接着層19の表面を粗化して蛸壺状のアンカーを形成さ
せた。
【0051】(9)図10においては、(6)の図6の
場合と同様にして、核触媒を付与後にめっきレジスト2
0を形成するとともに、(7)の図7と同様にして、二
次めっきを行なって、導体層21を有するスルーホール
Hを形成して、多層プリント配線板1が完成された。そ
の結果、得られた導体回路12A、17A等の線幅は、
80μm以下であり、その厚みは40μm以下であっ
た。この範囲の微細な導体回路の場合は、特に本願発明
の効果が顕著となる。
【0052】(比較例)比較例としては、基本的には実
施例と同様であるが、バイアホールB2の導体回路17
CとスルーホールHの導体層21とを接続されていない
積層プリント配線板1を作成した。多層プリント配線板
1を−65℃〜125℃で2000サイクル後の導体回
路12A、17A、12C、17CとスルーホールHの
導通試験を行ったところ、実施例の多層プリント配線板
1では、各導体回路間の導通に問題はみられないが、比
較例の多層プリント配線板1では、各導体回路間の導通
を確認できなかった。
【0053】そこで、実施例及び比較例の多層プリント
配線板1におけるスルーホールH部分のクロスカットを
光学顕微鏡で観察したところ、比較例の多層プリント配
線板1では基板11上の導体回路12Cとスルーホール
Hの導体層21との接続部分にクラックが発生してい
た。一方、実施例の多層プリント配線板1でも、同じ箇
所に相当する、基板11上の導体回路12Aとスルーホ
ールHの導体層21との接続部分にクラックが発生して
いたが、バイアホールB1の導体回路17Aとスルーホ
ールHの導体層21との接続部分、及び、基板11上の
導体回路12Aと導体回路17Aとの接続部分(バイア
ホールB1)ではともに接続が確保されていた。
【0054】これは、バイアホールB1、B2は、可撓
性のある熱可塑性樹脂であるPESを配合した第1樹脂
層14や第1接着層15の上に形成されており、ヒート
サイクルによる熱衝撃を吸収するため、クラックが発生
しないと推定される。これに対して、基板11は強度の
観点からガラスエポキシ基板を使用するため、熱衝撃を
吸収できないからであると思われる。
【0055】以上詳細に説明したように、多層プリント
配線板1においては、基板11上の導体回路12A及び
バイアホールB1内の導体回路17Aは、共にスルーホ
ールHの導体層21に接続されており、且つ、各導体回
路12A、17Aは、バイアホールB1の導体回路17
Aを介して相互に接続されており、従って、各導体回路
12A、17AとスルーホールHの導体層21との接続
に着目すると、導体回路12Aは、スルーホールHの導
体層21と直接接続されるとともに、バイアホールB1
の導体回路17Aを介してスルーホールHの導体層21
に接続されており、また、導体回路17Aは、導体回路
12Aと同様に、スルーホールHの導体層21に直接接
続されるとともに、バイアホールB1及び導体回路12
Aを介してスルーホールHの導体層21に接続される構
成を有する。
【0056】同様に、基板11の下側においても、基板
11上の導体回路12C及びバイアホールB2内の導体
回路17Cは、共にスルーホールHの導体層21に接続
されており、且つ、各導体回路12C、17Cは、バイ
アホールB2の導体回路17Cを介して相互に接続され
ており、従って、各導体回路12C、17Cとスルーホ
ールHの導体層21との接続に着目すると、導体回路1
2Cは、スルーホールHの導体層21と直接接続される
とともに、バイアホールB2の導体回路17Cを介して
スルーホールHの導体層21に接続されており、また、
導体回路17Cは、導体回路12Cと同様に、スルーホ
ールHの導体層21に直接接続されるとともに、バイア
ホールB2及び導体回路12Cを介してスルーホールH
の導体層21に接続される構成を有する。
【0057】これより、各導体回路12A、17A及び
12C、17Cは、それぞれ2つの接続ルートを介して
スルーホールHの導体層21に接続されることから、多
層プリント配線板1に対して熱衝撃等が加わって1つの
接続ルートに断線が発生した場合においても、他の接続
ルートにより各導体回路12A、17A及び12C、1
7CとスルーホールHとの接続を確保することが可能と
なり、この結果、優れた接続信頼性を得ることが可能と
なるものである。
【0058】また、前記のように導体回路12A、17
A及び12C、17CとスルーホールHとの接続信頼性
を確保できることに基づき、各導体回路12A、17
A、12C、17Cの線幅や導体層の厚さをそれぞれ8
0μm、40μm以下に小さくすることが可能となり、
従って、導体回路12A、17A、12C、17Cのフ
ァインパターン化に容易に対応することが可能となる。
【0059】このように、本実施の形態に係る多層プリ
ント配線板1によれば、各導体回路12A、17A、1
2C、17CとスルーホールHとの間における接続信頼
性の向上と各導体回路12A、17A、12C、17C
のファインパターン化とを両立することが可能となるも
のである。
【0060】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、図11に示すように、バイアホー
ルB3に形成された導体回路22と、基板11上の導体
回路12Aとが、それぞれスルーホールHの導体層21
と電気的に接続されており、また、導体回路22と導体
回路12Aとが、それらの中間に位置するバイアホール
B2における導体回路17Aを介して、電気的に接続さ
れるように構成してもよい。かかる構成においては、基
板11上の導体回路12Aは、スルーホールHの導体層
21に直接接続されるとともに、同時にバイアホールB
2の導体回路17A、バイアホールB3の導体回路22
を介してスルーホールHの導体層21に接続されること
となり、これにより導体回路12Aは2つの接続ルート
を介してスルーホールHの導体層21に接続されること
となるので、前記実施例におけると同様の効果を得るこ
とができる。
【0061】また、図12に示すように、第1接着層1
5と第2接着層19の各々に形成された導体回路17
A、22について、両者ともスルーホールHの導体層2
1と電気的に接続させてもよい。この場合においても、
第1接着層15上の導体回路17Aは、スルーホールH
の導体層21と直接に接続されるとともに、同時にバイ
アホールB3の導体層22を介してスルーホールHの導
体層21と接続され、導体回路17Aは2つの接続ルー
トを介してスルーホールHの導体層21に接続されるこ
ととなるので、前記実施例におけると同様の効果を得る
ことができる。さらに別の構成として第13図に示すよ
うに、2ヶ所以上スルーホールH、Pと接続していても
よく、特に基板11のみに形成されたスルーホールPを
経由させて接続してもよい。尚、図11、12、13に
おいては、充填樹脂13、第1樹脂層14、第2樹脂層
18等は省略して図示した。
【0062】
【発明の効果】以上、説明したことから明らかなよう
に、2つの導体回路を相互に接続するについて、各導体
回路をスルーホールに接続するとともに、層間絶縁層に
形成されたバイアホールを介して接続することにより、
熱衝撃等に対して各導体回路とスルーホールとの間にお
ける接続信頼性に優れた多層プリント配線板を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅張積層板の断面図である。
【図2】導体回路を形成した銅張積層板(配線板)の断
面図である。
【図3】導体回路間に充填樹脂を充填した状態を示す銅
張積層板(配線板)の断面図である。
【図4】導体回路上に第1樹脂層及び第1接着層を形成
した状態を示す説明図である。
【図5】第1樹脂層及び第1接着層にバイアホールを形
成した状態を示す説明図である。
【図6】第1接着層上にめっきレジストを形成した状態
を示す説明図である。
【図7】バイアホール内に導体回路を形成した状態を示
す説明図である。
【図8】導体回路と第1接着層との接着状態を拡大して
模式的に示す説明図である。
【図9】めっきレジスト及びバイアホールの導体回路上
に第2樹脂層及び第2接着層を形成した状態を示す説明
図である。
【図10】多層プリント配線板の断面図である。
【図11】多層プリント配線板の他の形態を示した断面
図である。
【図12】多層プリント配線板の更に他の形態を示した
断面図である。
【図13】多層プリント配線板の更に他の形態を示した
断面図である。
【図14】従来の多層プリント配線板の断面図である。
【符号の説明】
1 多層プリント配線板 12A、12B、12C、12D、17A 導体回路 21、22 導体層 13 充填樹脂 14 第1樹脂層 15 第1接着層 18 第2樹脂層 19 第2接着層 H スルーホール B1、B2、B3 バイアホール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板の片面又は両面で層間絶縁層と
    導体回路とが交互に積層されるとともに、導体回路を選
    択的に接続するスルーホールが設けられた多層プリント
    配線板において、 前記スルーホールに接続された第1導体回路が層間絶縁
    層に形成されたバイアホールを介して第1導体回路の上
    層又は下層の第2導体回路に接続されるとともに、第2
    導体回路がスルーホールに接続されていることを特徴と
    する多層プリント配線板。
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