JPH09186005A - 限流素子およびその製造方法 - Google Patents

限流素子およびその製造方法

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JPH09186005A
JPH09186005A JP8128889A JP12888996A JPH09186005A JP H09186005 A JPH09186005 A JP H09186005A JP 8128889 A JP8128889 A JP 8128889A JP 12888996 A JP12888996 A JP 12888996A JP H09186005 A JPH09186005 A JP H09186005A
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JP
Japan
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current limiting
limiting element
resistor
glass
electrode
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JP8128889A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Yoshizawa
利之 吉沢
Takuya Suzuki
卓弥 鈴木
Kenji Kunihara
健二 国原
Takao Sakai
隆夫 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化バナジウム系セラミックスの酸化が起こら
ない限流素子を得る。 【解決手段】限流素子抵抗体の非電極部表面に亜鉛ガラ
ス4やポリイミド膜5などの絶縁性酸化防止膜を設け
る。抵抗体の外側を覆うコバール円筒10を溶着ガラス
9aで気密に封止し、不活性ガスを封入してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、正の抵抗温度係
数を持つ(PTC)抵抗体を用いる限流素子に係わり、
特に長期にわたる信頼性に優れる限流素子およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低圧配電系統においても大容量化
が進展し、それに伴い負荷が短絡した際に流れる過電流
も大電流化しており、ブレーカーについても高遮断容量
化が望まれている。このような技術動向に対応して、大
電流、大電力用の過電流保護素子として酸化バナジウム
2 3 系セラミックスを主成分とするPTC限流素子
の利用が期待されている。酸化バナジウムV2 3 系セ
ラミックスは100℃〜200℃の間で金属から絶縁物
に転移する性質を有しており、室温付近では比抵抗が1
-3Ω・cmと小さいため大電流、大電力用に期待され
ている。酸化バナジウムV23 系セラミックスを主成
分とする限流素子は過電流が流れると、ジュール発熱に
より高抵抗化し、ブレーカーを動作させて電流の遮断を
行うことができる。
【0003】図2は酸化バナジウム系セラミックスの抵
抗温度特性(イ)を劣化した限流素子の特性(ロ)とと
もに示す線図である。酸化バナジウム系セラミックスを
主成分とする限流素子においては過電流が流れたときの
ジュール発熱による温度上昇はブレーカーの要求仕様に
より数ms以内に200〜300℃に達することが要求
される。
【0004】正常電流が流れているときは通電による若
干の発熱のため限流素子の温度は周囲温度に比べ60〜
70℃高くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酸化バナジウムの大気
中における安定相は五酸化バナジウムV2 5 であり、
限流機能を有する三二酸化バナジウムV2 3 は前述の
ように周囲温度に比べ60〜70℃高い温度で大気中に
長期間さらされると、徐々に表面酸化が進行し、V2
4 相などを経て、大気中での安定相であるV2 5 に変
質する。V2 5などの酸化相は高比抵抗であるため、
限流素子の酸化が著しく進行して劣化すると特性(ロ)
に示すように室温近傍の比抵抗値が上昇し、そりに伴っ
て正常通電時における発熱量が増大して、PTC特性の
比抵抗のジャンプ領域に達し、通電が不可能になる。
【0006】この発明は、上述の点に鑑みてなされその
目的は、酸化バナジウム系セラミックスの酸化を防止し
て誤動作のない信頼性に優れる限流素子およびその製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、酸化バナ
ジウム系セラミックス(V1-X X 2 3 (0≦X≦
0.02、YはAl、Crから選ばれた少なくとも一
種)からなる抵抗体の両端面に電極を接合した限流素子
において、前記セラミックス抵抗体の非電極部表面に絶
縁性酸化防止膜を被着してなるとすることにより達成さ
れる。
【0008】何故ならば、絶縁性酸化防止膜は酸素(O
2 )の限流素子の内部への拡散を防止するからである。
上述の発明において、絶縁性酸化防止膜は酸化亜鉛Zn
Oを主成分とするガラスであるとすることにより達成さ
れる。酸化亜鉛を主成分とするガラスは、熱膨張係数が
酸化バナジウム系セラミックスのそれと近似しており、
接合強度の高い酸化防止膜となる。酸化亜鉛を主成分と
するガラスとして例えばZnO:B2 3 =60重量
%:40重量%のガラスは熱膨張係数4.6×10-6
℃であり、酸化バナジウム系セラミックスのそれは約4
×10-6/℃である。
【0009】また、絶縁性酸化防止膜はポリイミドを主
成分とする高耐熱性樹脂、或いはポリイミドを主成分と
する高耐熱性樹脂の第一層とその外側のエポキシ樹脂の
第二層とからなるものでもよい。ポリイミドを主成分と
する樹脂も、高い耐熱性を持ち、酸化バナジウム系セラ
ミックスの周囲に酸化性ガスを遮蔽する緻密な皮膜を形
成できる。
【0010】また、絶縁性酸化防止膜は、抵抗体表面を
覆うように封入された不活性ガスの第一層と、その外側
のコバールの円筒の第二層とからなり、その円筒と抵抗
体の電極とが酸化ナトリウム(Na2 O)、酸化アルミ
ニウム(Al2 3 )、酸化ホウ素(B2 3 )、酸化
珪素(SiO2 )の混合物であるガラスで封着されてな
るものでもよい。
【0011】上記のガラスの熱膨張係数は4.5×10
-6/℃であり、酸化バナジウム系セラミックスのそれ
(4×10-6/℃)と非常に近い。そのため、抵抗体と
コバール円筒との封着後も熱膨張差による歪み等が無
く、封着が確実に行われる。不活性ガス雰囲気中で封着
することにより、抵抗体を周囲の酸化性ガスから遮蔽す
ることができる。
【0012】絶縁性酸化防止膜を有する限流素子の製造
方法としては、酸化バナジウム系セラミックス(V1-X
X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Crから
選ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体に電極を接合
したのちに抵抗体の非電極部表面に酸化亜鉛を主成分と
するガラス粉末のペーストを塗布する工程と、中性また
は還元性の雰囲気中で熱処理して、前記ガラスを溶融、
固化する工程を備えるものとする。
【0013】そのように抵抗体の熱処理と同一の中性や
還元性の雰囲気で熱処理する方法を取れば、抵抗体を変
質させることなく、酸化性ガスを遮蔽する緻密な皮膜を
形成できる。また、酸化バナジウム系セラミックス(V
1-X X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Cr
から選ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体に電極を
接合したのちに抵抗体の非電極部表面に液体のポリイミ
ドを塗布する工程と、中性の雰囲気中で熱処理してポリ
イミドを固化する工程を備えるものとしてもよい。
【0014】そのような方法でも、抵抗体を変質させる
ことなく酸化性ガスを遮蔽する緻密な皮膜を形成でき
る。特にポリイミドを固化する工程の後、ポリイミドの
表面層に紫外線を照射し、更にエポキシ樹脂で封止する
工程を備えるとよい。そのようにすれば、ポリイミドの
絶縁性酸化防止膜の周囲に接合強度の強いエポキシ樹脂
の外皮が形成される。
【0015】更に、酸化バナジウム系セラミックス(V
1-X X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Cr
から選ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体に電極を
接合したのち、電極にリング状の酸化ナトリウム、酸化
アルミニウム、酸化ホウ素、酸化珪素の混合物であるガ
ラスプリフォームを挿入し、ついでこのガラスプリフォ
ームを介しコバールの円筒で抵抗体表面を覆う組立工程
と、不活性ガス雰囲気中で熱処理し、前記ガラスを溶
融、固化させ、雰囲気の不活性ガスを封入する工程を備
えるものとしてもよい。
【0016】そのような方法でも、抵抗体を変質させる
ことなく、酸化性ガスを遮蔽することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 〔実施例1〕PTCセラミックス抵抗体としては酸化バ
ナジウム系セラミックスを用いる。図1は、本発明第一
の実施例に係る限流素子の製造工程を示す断面図であ
る。
【0018】イ)V2 5 99.65mol%、Cr2
3 0.35mol%を配合し、純水を溶媒として添加
し、ボールミルで約48時間粉砕、混合してセラミック
ス原料を得る。 ロ)上記セラミックス原料を乾燥後、水素(H2 )気流
中で600℃×4h、続けて1000℃×4h焼成し、
2 5 をV2 3 に還元する。 ハ)上記焼成後、Fe2 3 を5%、バインダーを3%
添加し、再び純水を溶媒としてボールミルで約24時間
粉砕、混合し、その後乾燥して成形用のセラミックス原
料を得る。 ニ)上記セラミックス原料を2t/cm2 の圧力でプレ
ス成形し、15φ×長さ30mmの成形体を得る。成形
体は押し出し法等で成形することもできる。 ホ)上記成形体をH2 気流中で1500℃×4h焼成
し、12φ×長さ22mmの酸化バナジウム系セラミッ
クスの焼結した円柱状体1を得る〔図1(a)〕。 ヘ)円柱状体1の両側に12φ×0.1mmのAg−C
u共晶ろう箔を置き、12φ×5mmのMo電極3で挟
み、荷重100g/cm2 をかけ、H2 気流中で900
℃×10分間焼成し、電極付けする〔図1(b)〕。 ト)ZnO:B2 3 =60重量%:40重量%のガラ
ス粉末に15wt%のPVA(ポリビニルアルコール)
をバインダーとして混ぜ、さらに水を混ぜスラリー状に
なるまで混合した。ガラススラリーを円柱状体1の周囲
にコーティングする。ガラススラリーの厚さは100μ
m程度が適当である。 チ)窒素(N2 )中で約150℃×30分乾燥後、N2
中で400℃×60分間焼成し、バインダーを飛ばした
後、さらにN2 中で700℃×10分間焼成しガラスを
溶融しV2 3 などと反応させた後室温まで降温し、絶
縁性酸化防止パシベーション膜である亜鉛ガラス膜4を
形成する〔図1(c)〕。このときN2に若干のH2
混ぜ、還元性を高めてもよい。このようにして作製した
素子(A)と、従来の絶縁性酸化防止膜の施されていな
い素子(B)の1000時間通電試験(10A)前後の
素子抵抗を表1に示す。
【0019】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明の素子(A)の抵抗
値の変化はほとんど無く、亜鉛ガラス膜4による素子の
酸化が防止されていることがわかる。亜鉛ガラス膜のな
い素子(B)についてX線光電子分光光度計(ESC
A)などで調べた結果、V2 3 より酸化の進んだV2
4 あるいは焼結助剤である酸化鉄についてFeO、F
2 3 などの相が若干検出された。絶縁性酸化防止膜
用のガラスにはPbOを主成分とする所謂低融点ガラス
を用いる場合には、N2 中での焼成ではPbOが還元さ
れPbが析出し、導電層を形成し不適当である。またP
bOが安定な空気中での焼成では、素子の酸化バナジウ
ム系セラミックスのV2 3あるいは焼結助剤の酸化鉄
が劣化するため、PbO系ガラスは使用できない。Zn
O系の焼成について、N2 中が最も適しているが、若干
2 を混入した雰囲気でも焼成が可能である。 〔実施例2〕PTCセラミックス抵抗体としては酸化バ
ナジウム系セラミックスを用いる。
【0020】図3は、本発明の第二の実施例の限流素子
の断面図である。両端にMo電極3を接合した円柱状体
1の周囲にポリイミド膜5が被着されている。このよう
な限流素子の製造は、次のように行う。図1(b)のよ
うな両端にMo電極3を接合した円柱状体1までは、第
一の実施例のイ)からヘ)と同じでよいので説明を省略
する。ヘ)に続いて次の工程を進める。
【0021】リ)ポリアミド酸(25wt%)をNメチ
ル2ピロリドン(50wt%)+ジメチルブセトアミド
(20wt%)+芳香族炭化水(5wt%)の溶剤で希
釈した溶液を、Mo電極3を接合した円柱状体1の周囲
にはけ塗りし、室温で10分間乾燥した後、N2 気流中
で120℃×10分間、220℃×10分間、300℃
×30分間のステップキュアを行う。更に、上記溶液を
塗布し、室温乾燥、N 2 気流中で120℃×10分間、
220℃×10分間のステップキュアを行って硬化さ
せ、絶縁性酸化防止膜であるポリイミド膜5を形成す
る。二回の塗布により硬化生成物であるポリイミド膜5
の膜厚は30〜50μmとなる。このようにして作製し
た素子(C)の1000時間通電試験(10A)前後の
素子抵抗を表2に示す。
【0022】
【表2】 表2からも明らかなように、本発明の素子(C)の抵抗
値はほとんど変化が認められず、ポリイミド膜5による
素子酸化が防止されていることがわかる。
【0023】希釈した溶液の塗布方法としては、はけ塗
りの他にディッピングでも良かった。ここではポリイミ
ド膜を用いたが、ポリアミドイミド膜でもほぼ同様の結
果が得られた。絶縁性酸化防止膜としてポリイミド或い
はポリイミドを主成分とする高耐熱樹脂を用いた限流素
子は、加熱温度も低く、製造が容易である。 〔実施例3〕実施例2のままでは、酸化防止膜として形
成したポリイミド膜は30〜50μmと薄くしかも比較
的柔らかいため、素子の取扱い時にポリイミド膜を傷つ
けないように注意が必要である。更には酸化防止膜のピ
ンホールレス化のため、コーティング時に異物を巻き込
まないよう細心の注意が必要である。
【0024】そこで、ポリイミド薄膜を形成後、安価な
エポキシ樹脂で厚く被覆することが考えられる。しか
し、ポリイミドはエポキシと接着性が良いとは言えない
ため、単にエポキシで被覆するだけでは取扱は容易にな
るものの、ポリイミド膜にピンホールを生じている場
合、接着していないエポキシ−ポリイミド界面を通って
酸素(O2 )或いは水分等の酸化性ガスがV2 3 まで
達し、徐々に酸化し、素子特性が劣化することを見出し
た。
【0025】幾つかの実験の結果、発明者らはポリイミ
ド膜表面を紫外線照射により改質しエポキシ樹脂と密着
性のよい層を生成させたのちにエポキシ樹脂で封止する
方法を見出した。図4は、本発明第三の実施例に係る限
流素子の製造工程を示す断面図である。実施例3は実施
例2の製造工程のリ)までは全く同一であるため、その
部分の説明は省略する。以下にその後の工程を図4
(a)および(b)に従って説明する。 ヌ)硬化させたポリイミド膜5からなる絶縁性酸化防止
膜の表面に、高圧水銀ランプで発生させた紫外線(U
V)8を50mW/cm2 の強度で約60秒間ポリイミ
ド膜に照射する〔図4(a)〕。ポリイミド膜5の表面
は紫外線により一部が分解され、同時にオゾンにより酸
化され改質層6を生じる。この改質層6は同定はされて
いないがエポキシと反応性のよい官能基が生成されてい
るものと思われる。 ル)改質層6の表面にエポキシ樹脂7を約3mmの厚さ
にトランスファーモールドする〔図4(b)〕。このよ
うにして試作された素子は、実施例2の注意深く作った
素子(C)と同等以上の長期寿命を有していることが確
認された。 〔実施例4〕上記のように実施例1ないし3で試作した
限流素子は、十分に長期寿命を有している。しかしなが
ら、実施例1の限流素子では、ガラスパシベーション膜
を抵抗体に直接溶着しているため、ガラスの熱膨張係数
と抵抗体のそれとの僅かな差により、使用時の膨張、収
縮が繰り返されるうちに、溶着界面の剥離やガラスパシ
ベーション膜のクラックなどが進行する可能性がある。
また、実施例2、3の限流素子においては、樹脂膜であ
るため、僅かながらO2 や水分の浸透がある。そこで、
実施例1ないし3よりも更に長期信頼性の高い限流素子
を試作した。
【0026】図5は、本発明第四の実施例に係る限流素
子の製造工程を示す断面図である。実施例4は実施例1
の製造工程のホ)までは全く同一であるため、その部分
の説明は省略する。以下その後の工程を図5(a)ない
し(c)に従って説明する。 ヲ)円柱状体1の両側に12φ×0.1mmのAg−C
uろう箔2を置き、12φ×5mmのMo電極3で挟
み、荷重約100Paをかけ、H2 気流中で1050
℃、10分間加熱し、電極付けする[(a)]。 ワ)リング状の酸化ナトリウム(Na2 O)、酸化アル
ミニウム(Al2 3 )、酸化ホウ素(B2 3 )、酸
化珪素(SiO2 )の混合物(例えばNa2 O:Al2
3 :B2 3 :SiO2 =5:5:20:70%)で
あるガラスプリフォーム9をMo電極3の外側に挿入
し、更にこのガラスプリフォーム9の外側にコバールの
円筒10を挿入する[(b)]。Mo電極3の外径とガ
ラスプリフォーム9の内径との間隙、およびガラスプリ
フォーム9の外径とコバール円筒10の内径との間隙
は、0.1mm程度が組立作業がやり易く、適当であ
る。 カ)次に、N2 気流中で、10℃/分の昇温速度で加熱
し、950℃で20分間保持した後、10℃/分の降温
速度で冷却して、ガラスプリフォームを溶融・固化さ
せ、Mo電極3とコバールの円筒10との間を溶着ガラ
ス9aで封止する[(c)]。このとき、円柱状体1と
コバール円筒10との間の空隙には、雰囲気ガスである
窒素ガス11が封入される。雰囲気ガスはN2 の他に、
アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスでもよい。このよ
うにして製造した限流素子(D)の1000時間通電試
験(10A)前後の素子抵抗を表3に示す。
【0027】
【表3】 この結果から明らかなように、実施例4の限流素子
(D)は実施例1ないし3の限流素子(A)、(C)よ
り優れた長期寿命を有している。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、限流素子が絶縁性酸
化防止膜を備えるので酸素の素子内部への拡散が防止さ
れ、酸化バナジウム系セラミックスが酸化されることが
なく、信頼性に優れる限流素子が得られる。絶縁性酸化
防止膜に酸化亜鉛を主成分とするガラスを用いると、接
着強度の良好な酸化防止膜が得られるとともに、酸化バ
ナジウム系セラミックスと絶縁性酸化防止膜の熱処理を
同一の雰囲気を用いて行うことができ、限流素子の製造
が容易になる。
【0029】絶縁性酸化防止膜としてポリイミドを主成
分とする高耐熱樹脂を用いると、製造が容易である。そ
して特にエポキシ樹脂で封止した素子は、取扱が容易な
上、長期信頼性を有しており、限流素子の容易な製造、
取りつけを可能とする。絶縁性酸化防止膜としてコバー
ルの円筒とMo電極とをNa2 O・Al2 3・B2
3 ・SiO2 の混合成分のガラスにより封着し、その空
隙に不活性ガスを封入した素子は、特に長期信頼性が優
れたものとなる。封着ガラスとしてリング状のプリフォ
ームを用いれば、製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ないし(c)は本発明第一の実施例に係
る限流素子の製造工程を示す断面図
【図2】酸化バナジウム系セラミックスの抵抗温度特性
(イ)を劣化した限流素子の特性(ロ)とともに示す線
【図3】本発明第二の実施例の限流素子の断面図
【図4】(a)および(b)は本発明第三の実施例に係
る限流素子の製造工程を示す断面図
【図5】(a)ないし(c)は本発明第四の実施例に係
る限流素子の製造工程を示す断面図
【符号の説明】
1 円柱状体 2 ろう箔 3 電極 4 亜鉛ガラス 5 ポリイミド膜 6 改質層 7 エポキシ樹脂 8 紫外線 9 ガラスプリフォーム 9a 溶着ガラス 10 コバール円筒 11 不活性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 隆夫 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化バナジウム系セラミックス(V1-X
    X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Crから選
    ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体の両端面に電極
    を接合した限流素子において、前記セラミックス抵抗体
    の非電極部表面に絶縁性酸化防止膜を被着してなること
    を特徴とする限流素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の素子において、絶縁性酸化
    防止膜は酸化亜鉛ZnOを主成分とするガラスであるこ
    とを特徴とする限流素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の素子において、絶縁性酸化
    防止膜はポリイミドを主成分とする高耐熱性樹脂である
    ことを特徴とする限流素子。
  4. 【請求項4】請求項1記載の素子において、絶縁性酸化
    防止膜がポリイミドを主成分とする高耐熱性樹脂の第一
    層とその外側のエポキシ樹脂の第二層とからなることを
    特徴とする限流素子。
  5. 【請求項5】請求項1記載の素子において、絶縁性酸化
    防止膜が封入された不活性ガスの第一層と、その外側の
    コバールの円筒の第二層とからなり、その円筒と抵抗体
    の電極とが酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、酸化ホ
    ウ素、酸化珪素の混合物からなるガラスで封着されてな
    ることを特徴とする限流素子。
  6. 【請求項6】酸化バナジウム系セラミックス(V1-X
    X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Crから選
    ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体に電極を接合し
    たのちに抵抗体の非電極部表面に酸化亜鉛を主成分とす
    るガラス粉末のペーストを塗布する工程と、中性または
    還元性の雰囲気中で熱処理して、前記ガラスを溶融、固
    化する工程を備えることを特徴とする限流素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】酸化バナジウム系セラミックス(V1-X
    X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Crから選
    ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体に電極を接合し
    たのちに抵抗体の非電極部表面に液体のポリイミドを塗
    布する工程と、中性の雰囲気中で熱処理してポリイミド
    を固化する工程を備えることを特徴とする限流素子の製
    造方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の限流素子の製造方法におい
    て、ポリイミドを固化する工程の後、ポリイミドの表面
    層に紫外線を照射し、更にエポキシ樹脂で封止する工程
    を備えることを特徴とする限流素子の製造方法。
  9. 【請求項9】酸化バナジウム系セラミックス(V1-X
    X 2 3 (0≦X≦0.02、YはAl、Crから選
    ばれた少なくとも一種)からなる抵抗体に電極を接合し
    たのち、電極にリング状の酸化ナトリウム、酸化アルミ
    ニウム、酸化ホウ素、酸化珪素の混合物であるガラスプ
    リフォームを挿入し、更にガラスプリフォームを介しコ
    バールの円筒で抵抗体表面を覆う組立工程と、不活性ガ
    ス雰囲気中で熱処理し、前記ガラスを溶融、固化させ、
    不活性ガスを封入する工程を備えることを特徴とする限
    流素子の製造方法。
JP8128889A 1995-08-23 1996-05-24 限流素子およびその製造方法 Pending JPH09186005A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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