JPH09183887A - ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物

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JPH09183887A
JPH09183887A JP29927896A JP29927896A JPH09183887A JP H09183887 A JPH09183887 A JP H09183887A JP 29927896 A JP29927896 A JP 29927896A JP 29927896 A JP29927896 A JP 29927896A JP H09183887 A JPH09183887 A JP H09183887A
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Japan
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rubber
aromatic vinyl
polymer
weight
resin composition
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JP29927896A
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Masayuki Nozawa
正行 野沢
Masaya Fujita
昌也 藤田
Yasuji Shichijo
保治 七條
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた光沢と高い耐衝撃性・剛性を併せ持つ、
ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物の提供。 【解決手段】ゴム状重合体が粒子状に分散したゴム変性
芳香族ビニル系樹脂組成物中の分散ゴム粒子の重量平均
粒子径が0.4〜0.8μm、その粒子径分布が1.1
5〜1.45の範囲にあり、該ゴム状重合体分散粒子中
に内包される芳香族ビニル系重合体粒子の重量平均粒子
径が0.10〜0.25μm の範囲にある樹脂組成物に
シリコーンオイルを含有させたゴム変性芳香族ビニル系
樹脂組成物中のトルエン不溶分X重量%、ゴム成分R重
量%、および全分散ゴム状重合体粒子中に占めるサラミ
構造を有する分散粒子の割合Y重量%を下記式(I)の
範囲にする。 2.2<X/R+80/Y<3.3 (I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械的強度と光沢に
優れたゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のゴム変性ポリスチレンは、ABS
樹脂と比較して、耐衝撃性が低く、成形品表面の光沢に
劣るという問題があった。そのため、耐衝撃性と光沢の
バランスを改良する目的で、1μm以下のゴム粒子径を
もつゴム変性スチレン系樹脂に、シリコーンオイル等を
含有させ耐衝撃性を補償する方法(特公平3−7633
8、特公平5−11143、特公平5−45624)、
さらにこれにゲル成分とゴム成分の比率を調整する方法
(特公平7−53816)、などが提案されている。し
かし、この手法では、光沢と耐衝撃性のバランスが不十
分であり、満足できる品質は得られていない。
【0003】また、特公平3−62723、特公平1−
34453には、ゴム状物質中に内蔵される芳香族ビニ
ル重合体の平均粒子径を調整することで、着色性や外観
性を改良することが提案されており、この他、単一オク
ルージョン(コアシェル、カプセル) 構造を有するゴム
粒子とサラミ構造を有するゴム粒子をブレンドし、二峰
性ゴム粒子径分布とする事で耐衝撃性と光沢のバランス
を改良し、ABS樹脂の特性に近づける方法が、たとえ
ば特公平5−25897、特公平5−18348などに
提案されている。しかし、これらの手法では、光沢測定
値は高い値は示すが実際の成形品を目視で評価した時の
光沢感(反射像の鮮明度)に欠け、成形品表面の反射像
のかすみが残り、さらに表面高度が低く耐擦傷性に欠け
るため、用途に制限があるという問題があった。このよ
うに、従来の技術では、光沢と耐衝撃性のバランスが不
十分であり、満足できる品質は得られおらず、さらにこ
れらのバランスの優れた材料の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる欠点
を克服し、優れた光沢と高い耐衝撃性・剛性を併せ持
つ、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光沢・耐
衝撃性・剛性などの物性バランスに優れた芳香族ビニル
系樹脂組成物を開発するために、鋭意研究を重ねた結
果、芳香族ビニル系樹脂組成物として、特定の分散ゴム
粒子形態・分散ゴム粒子径および分散ゴム粒子径分布を
有するゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物を使用するこ
とにより、上記目的に適合しうることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、主に、芳香族ビニル
系重合体85〜96重量%とゴム状重合体15〜4重量
%とからなるゴム変性芳香族モノビニル系樹脂組成物に
おいて、(a)芳香族ビニル系重合体中に、ゴム状重合
体が粒子状に分散しており、分散粒子の重量分散粒子径
が0.4〜0.8μmであり、かつその粒子径分布が
1.15〜1.45の範囲にあり、(b)該ゴム状重合
体分散粒子中に内包される芳香族ビニル系重合体粒子の
重量平均粒子径が0.10〜0.25μm の範囲であ
り、(c)該組成物中に含有されているトルエン不溶分
X重量%、ゴム成分R重量%、および全分散ゴム状重合
体粒子中に占めるサラミ構造を有する分散粒子の割合Y
重量%が一般式(I)の範囲にあり 2.2<X/R+80/Y<3.3 (I) (d)該組成物中に、25゜Cにおける表面張力が1
9.5〜22.0dyne/cmであるシリコーンオイルが
0.005〜0.5重量%含有されていることを特徴と
するゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物に関するもので
ある。本発明について以下に詳しく説明する。
【0007】本発明に使用するゴム変性芳香族ビニル系
重合体は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量
体を重合せしめることによって得られる。芳香族ビニル
系単量体としては、スチレン、α- メチルスチレン、o-
メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレ
ン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナ
フタレン等が挙げられる。
【0008】本発明においては、芳香族ビニル系単量体
と共重合可能なその他のビニル単量体を共重合すること
もできる。芳香族ビニル単量体と共重合可能なその他の
ビニル単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、
アクリル酸、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、あ
るいはハロゲン含有ビニル系単量体等が挙げられる。こ
れらの共重合可能な単量体は、その1種のみを用いても
よいし、2種以上を組み合せて用いてもよいが、スチレ
ンを含む全芳香族ビニル系単量体に対して、通常30重
量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で用いられ
る。
【0009】本発明のゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成
物中には、ゴム状重合体が粒子状に含有されている。
【0010】使用するゴム状重合体の種類は特に制限が
なく、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンポリイソプ
レン共重合体、天然ゴム等が一般的に使用できる。本発
明のゴム状重合体にポリブタジエンを使用する場合、該
ポリブタジエン部分のミクロ構造については、ローシス
ポリブタジエンゴムであってもよいし、ハイシスポリブ
タジエンゴムであってもよく、ローシスポリブタジエン
ゴムとハイシスポリブタジエンゴムの混合物であっても
よい。また、スチレン−ブタジエン共重合体を使用する
場合、その構造はランダム型であってもよいし、ブロッ
ク型あるいはテーパー型であってもよい。これらのゴム
状重合体は、その1種のみを用いることもできるし、2
種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0011】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物中のゴ
ム状重合体の含有量は、4〜15重量%の範囲で含有さ
れていることが必要であり、好ましくは7〜15重量%
の範囲である。ゴム状重合体の含有量が4重量%未満で
は耐衝撃性が不十分であり、15重量%を超えると剛性
が実用的な範囲以下に低下するため好ましくない。
【0012】本発明のゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成
物において、ゴム状重合体分散粒子の重量平均粒子径は
0.4〜0.8μm、好ましくは0.4〜0.7μmで
あることが必要である。重量平均粒子径が0.4μm未
満では耐衝撃性が不十分であり、0.8μmを越えると
光沢が著しく低下するので好ましくない。
【0013】更に本発明の目的を達成するためには、ゴ
ム状重合体分散粒子の粒子径分布が1.15〜1.45
の範囲にあることが必要である。成形品の光沢とくに目
視評価による光沢感( 反射像の鮮明度) は、ゴム状重合
体分散粒子の粒子径によって著しく左右されるため、粒
子径分布がブロードな場合たとえば平均粒子径の異なる
ゴム状重合体分散粒子を混合した場合、成形品の目視評
価による光沢感( 反射像の鮮明度) は、平均粒子径の大
きい成分によって極端に低下する。したがって、粒子径
分布を1.45以下にする事が優れた光沢を得るために
重要である。
【0014】本発明において、光沢と機械的強度の物性
バランスにおいて目的のものを得るためには、分散ゴム
状重合体粒子を特定の分散形態に制御することが必要で
ある。すなわち、該ゴム状重合体分散粒子中に内包され
る芳香族モノビニル系重合体粒子の重量平均粒子径が
0.10〜0.25μm の範囲であることが必要であ
り、好ましくは0.13μm 〜0.25μm 、より好ま
しくは0.14μm 〜0.22μm の範囲であることが
必要である。内包される芳香族モノビニル系重合体粒子
の重量平均粒子径が0.10〜0.25μm の範囲をは
ずれると、耐衝撃性と光沢のバランスが悪化し、満足す
る物性バランスが得られない。
【0015】光沢・耐衝撃性・剛性の物性バランスにお
いて目的のものを得るためには、本発明に用いるゴム変
性芳香族ビニル系樹脂に含まれるゴム状重合体のトルエ
ン不溶分X( 重量%) 、ゴム成分R( 重量%) 、および
全分散ゴム状重合体粒子中に占めるサラミ構造を有する
分散粒子の割合Y( 重量%) が、 2.2<X/R+80/Y<3.3 の範囲、好ましくは 2.4<X/R+80/Y<3.0 の範囲、より好ましくは 2.5<X/R+80/Y<2.8 の範囲に入ることが必要である。
【0016】ここで、サラミ構造を有する分散粒子と
は、分散粒子中に内包している芳香族ビニル系重合体の
粒子が2個以上であるゴム状重合体分散粒子を示す。X
/R+80/Yが2.2以下では、耐衝撃性の低下が著
しく、3.3以上では剛性が低下するため、満足する物
性バランスが得られない。
【0017】本発明で用いるシリコーンオイルは、下記
一般式(I)
【0018】
【化1】
【0019】( ただし、R1 、R2 、R3 、R4 はアル
キル基、フェニル基、アラルキル基等の有機基を表わ
す)
【0020】で示される構造単位のくり返しを含む重合
体であり、25゜Cにおける表面張力が19.5〜2
2.0dyne/cm の範囲であれば、本発明での使用が可能
である。
【0021】本発明で用いるシリコーンオイルを例示す
れば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリ
コーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、あるい
はこれらのシリコーンオイルの末端あるいは分子鎖中に
水酸基、ふっ素、アルコキシ基、アミノ基、エポキシ
基、カルボキシル基、ハロゲン基、アミド基、エステル
基、ビニル基を導入したシリコーンオイル等があげられ
る。これらのシリコーンオイルは、単独で用いても二種
以上を混合して用いても良い。
【0022】本発明で用いるシリコーンオイルは、25
゜Cにおける表面張力が19.5〜22.0dyne/cm 、
好ましくは19.8〜21.5dyne/cm 、より好ましく
は20.1〜21.2dyne/cm の範囲にある必要があ
る。この場合、樹脂に対するシリコーンオイルの分散が
最適となり、耐衝撃性向上の効果が著しい。シリコーン
オイルの25゜Cにおける表面張力が19.5dyne/cm
〜22.0dyne/cm の範囲をはずれると耐撃性が極端に
低下するため、本発明の効果の発現が不十分である。
【0023】シリコーンオイルの粘度は特に限定するも
のではないが、好ましくは25゜Cで10〜1000セ
ンチストークスであるものである。
【0024】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物中のシ
リコーンオイルの含有量は、0.005〜0.5重量
%、好ましくは0.005〜0.3重量%、より好まし
くは0.005〜0.2重量%の範囲である。シリコー
ンオイルの含有量が0.005重量%より少ないと耐衝
撃性向上の効果が低くなり、0.5重量%より多くなる
と、シリコーンオイルの添加効果が頭打ちになるだけで
なく、樹脂を成形した時に成形品表面にブリードして外
観不良をきたす等の問題を生じる場合がある。
【0025】本発明のゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成
物の製造において、シリコーンオイルはその製造工程の
任意の段階で添加することができる。たとえば、重合を
行なう前の原料に対して添加しても良く、重合途中の重
合液に添加しても良く、また、重合終了後の造粒工程で
添加しても良く、さらに、混練機を用いて添加したり、
成形機において添加することができる。重合終了後に添
加する方法として、たとえばシリコーンオイルと芳香族
モノビニル系樹脂またはゴム変性芳香族モノビニル系樹
脂を用いて高シリコーンオイル濃度のマスターペレット
を製造し、このマスターペレットとゴム変性芳香族モノ
ビニル系樹脂を混合する方法を用いても良い。
【0026】本発明のゴム変性芳香族モノビニル系樹脂
組成物には、滑剤として高級脂肪酸、たとえばステアリ
ン酸、高級脂肪酸の金属塩、たとえばステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、高級脂肪酸のアミド類、
たとえばエチレンビスステアロアミドなどを単独で、あ
るいは二種以上を混合して用いても良い。滑剤の一般的
な添加量は、0.01〜1.0重量%である。
【0027】本発明の組成物には、この他にも必要に応
じて種々の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、染顔料等の添加
剤などを配合する事もできる。これらの添加剤は、任意
の段階で添加することができる。たとえば、成形品の成
形段階で添加してもよいし、製品の重合段階で添加して
もかまわない。
【0028】本発明の樹脂組成物の製造法は、特に限定
されたものではないが、本発明のゴム状重合体分散粒子
の構造を得るための方法としては、たとえば、連続塊状
重合法をもちいて、1器の完全混合型反応器と1 器もし
くは複数のプラグフロー型反応器を直列に配置した重合
装置において、第1の完全混合型反応器でゴム状重合体
が分散粒子化しない範囲まで重合し引き続きプラグフロ
ー型重合反応器で重合してゴム状重合体を分散粒子化さ
せる方法が採用できる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってな
んら限定されるものではない。なお、樹脂の物性は次に
示す方法により求めた。
【0030】(1)トルエン不溶分 ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物(1g)をトルエン
(30ml)に溶解させた後、遠心分離機(国産遠心器
株式会社製 H−2000B)により、半径11.4c
mのローターを用いて、14000rpm、20℃で3
0分、遠心沈降させ、上澄み液を除去し不溶分を分離す
る。不溶分を乾燥させてトルエンを除去した後、不溶分
の重量を求める。
【0031】トルエン不溶分(重量%)=(トルエン不
溶分の重量/樹脂組成物の重量)×100
【0032】(2)ゴム成分 ウィス法により求めた。
【0033】(3)ゴム粒子径および粒子径分布の測定 樹脂を四酸化オスミウム染色し、超薄切片法により電子
顕微鏡写真を撮影する。10000倍に拡大した写真に
おいて、分散ゴム粒子1000個以上の粒子径を測定し
て次式により重量平均粒子径を求め、平均粒子径とす
る。
【0034】 重量平均粒子径=ΣniDi4 /ΣniDi3 ( ここでniは粒子径Diのゴム状重合体粒子の個数で
ある) また、粒子径分布は、同様に次式により数平均粒子径を
算出し、重量平均粒子径/数平均粒子径として求める。 数平均粒子径=ΣniDi2 /ΣniDi
【0035】(4)内包芳香族ビニル系重合体平均粒子
径 樹脂を四酸化オスミウム染色し、超薄切片法により電子
顕微鏡写真を撮影する。10000倍に拡大した写真に
おいて、ゴム状重合体分散粒子中に内包される芳香族モ
ノビニル系重合体粒子のうち、写真上で短径0.3mm
すなわち0.03μm 以上の粒子について、粒子の面積
を求め、円相当径を算出する。粒子1000個の粒子径
を測定して次式により重量平均粒子径を求める。 重量平均粒子径=ΣniDi4 /ΣniDi3 (ここでniは粒子径Diの芳香族モノビニル系重合体
粒子の個数である)
【0036】(5)アイゾット衝撃強度 JIS−6871(ノッチつき)に準拠して測定した。
【0037】(6)曲げ弾性率 ASTM D−790に準拠して求めた。
【0038】(7) 光沢 JIS K 7105に準拠して求めた。
【0039】(8)像鮮明度 JIS K 7105に準拠して求めた。
【0040】参考例1.スチレンとポリブタジエンゴム
を溶解した混合液100重量部に対して、エチルベンゼ
ン20重量部を添加して溶解した原料液を22容量部/
hrの供給速度で25容量部の内容積の第1の完全混合
槽型反応器に連続的に供給し加熱して重合した後、引き
続き60容量部の撹拌機付き塔型プラグフロー型反応器
である第2の反応器に連続的に全量装入して重合した。
第1の反応器の出口では、ゴム状重合体はまだ分散粒子
化していない状態であり、第2の反応器で撹拌しながら
重合した結果、第2の反応器の出口では重合液は分散粒
子化が終了した状態であった。
【0041】次いで、内容積20容量部のスタティック
ミキサー式プラグフロー型反応器からなる第3の反応器
に上記重合液を連続的に全量装入して重合を継続し、こ
の重合液を減圧下で揮発性成分を除去した後にペレット
化した。上記の方法で、ゴム状重合体分散粒子の重量平
均粒子径が0.30μm 〜0.95μm 、トルエン不溶
分X、ゴム成分R、およびサラミ構造を有する分散粒子
の割合Yの関係X/R+80/Yが2.5〜3.1の範
囲である8種類のゴム変性芳香族ビニル系樹脂を得た。
【0042】参考例2.スチレンとポリブタジエンゴム
を溶解した混合液100重量部に対して、エチルベンゼ
ン15重量部を添加して溶解した原料液を22容量部/
hrの供給速度で30容量部の内容積の第1の撹拌機付
き塔型プラグフロー型反応器に連続的に供給し加熱して
重合した後、引き続き60容量部の撹拌機付き塔型プラ
グフロー型反応器である第2の反応器に連続的に全量装
入して重合した。次いで、内容積20容量部のスタティ
ックミキサー式プラグフロー型反応器からなる第3の反
応器に上記重合液を連続的に全量装入して重合を継続
し、この重合液を減圧下で揮発性成分を除去した後にペ
レット化した。上記の方法で、ゴム状重合体分散粒子の
重量平均粒子径が0.60μm 、トルエン不溶分X、ゴ
ム成分R、およびサラミ構造を有する分散粒子の割合Y
の関係X/R+80/Yが3.7であるゴム変性芳香族
ビニル系樹脂を得た。
【0043】実施例1〜4および比較例1〜5 参考例1および参考例2で得たゴム変性芳香族ビニル系
樹脂に、25゜Cでの表面張力が20.9dyne/cm のシ
リコーンオイルを0.05重量%添加し、押出機で混練
した。得られたゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物の物
性値を表1に示す。
【0044】ゴム状重合体分散粒子の重量平均粒子径が
0.4μm 未満では、IZ衝撃強度が著しく低下し、
0.8μm を越えると、像鮮明度が著しく低下すること
がわかる。光沢(像鮮明度)は粒子径の大きな成分の影
響を受けやすく、粒子径分布が1.45を越える場合
は、平均粒子径が0.4μm 〜0.8μm の範囲内であ
るにもかかわらず、像鮮明度が低下することがわかる。
また、ゴム状重合体分散粒子中に内包される芳香族ビニ
ル系重合体の平均粒子径が0.10μm 未満では、IZ
衝撃強度が低下することがわかる。トルエン不溶分X、
ゴム成分R、およびサラミ構造を有する分散粒子の割合
Yの関係X/R+80/Yは、IZ衝撃強度と曲げ弾性
率のバランスを向上させるために重要な因子であり、X
/R+80/Yが3.3を越えると、曲げ弾性率が低下
するため、満足する物性バランスが得られないことがわ
かる。
【0045】実施例5,6および比較例6〜8 参考例1で得た重量平均粒子径0.55μm のゴム変性
芳香族モノビニル系樹脂に、シリコーンオイルを添加
し、押出機で混練した。得られた樹脂組成物の物性値を
表2に示す。
【0046】シリコーンオイルの添加量が0.001重
量%と少なくなると、IZ衝撃強度が低下することがわ
かる。また、25゜Cでの表面張力が19.5dyne/cm
〜22.0dyne/cm の範囲外のシリコーンオイルを用い
ると、IZ衝撃強度が著しく低下することがわかる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、光沢、耐衝撃性、剛性の優れたものであることか
ら、たとえば電気・電子分野の製品のハウジング材を中
心に、広範の範囲で使用することができ、特に、外観特
性の要求される部品に好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主に、芳香族ビニル系重合体85〜96
    重量%とゴム状重合体15〜4重量%とからなるゴム変
    性芳香族ビニル系樹脂組成物において、(a)芳香族ビ
    ニル系重合体中に、ゴム状重合体が粒子状に分散してお
    り、分散粒子の重量平均粒子径が0.4〜0.8μmで
    あり、かつその粒子径分布が1.15〜1.45の範囲
    にあり、(b)該ゴム状重合体分散粒子中に内包される
    芳香族ビニル系重合体粒子の重量平均粒子径が0.10
    〜0.25μm の範囲であり、(c)該組成物中に含有
    されているトルエン不溶分X重量%、ゴム成分R重量
    %、および全分散ゴム状重合体粒子中に占めるサラミ構
    造を有する分散粒子の割合Y重量%が一般式(I)の範
    囲にあり 2.2<X/R+80/Y<3.3 (I) (d)該組成物中に、25゜Cにおける表面張力が1
    9.5〜22.0dyne/cmであるシリコーンオイルが
    0.005〜0.5重量%含有されていることを特徴と
    するゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物。
JP29927896A 1995-10-31 1996-10-24 ゴム変性芳香族ビニル系樹脂組成物 Withdrawn JPH09183887A (ja)

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