JPH05148331A - 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法 - Google Patents
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法Info
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- JPH05148331A JPH05148331A JP33799491A JP33799491A JPH05148331A JP H05148331 A JPH05148331 A JP H05148331A JP 33799491 A JP33799491 A JP 33799491A JP 33799491 A JP33799491 A JP 33799491A JP H05148331 A JPH05148331 A JP H05148331A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光沢と耐衝撃性が高度にバランスした耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法を提供するこ
と。 【構成】 全スチレン量が30〜85重量%のスチレン
−ブタジエンジブロック共重合体と低分子量〜高分子量
の全結合スチレン量が15重量%以下のポリブタジエン
又はスチレン−ブタジエン共重合体を強靱化剤とし、強
靱化剤の分散粒子径が0.3〜0.7μmである耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂及び上記強靱化剤をスチレン系単
量体等に溶解し、塊状もしくは塊状−縣濁重合する耐衝
撃性ポリスチレン系樹脂の製造方法。
性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法を提供するこ
と。 【構成】 全スチレン量が30〜85重量%のスチレン
−ブタジエンジブロック共重合体と低分子量〜高分子量
の全結合スチレン量が15重量%以下のポリブタジエン
又はスチレン−ブタジエン共重合体を強靱化剤とし、強
靱化剤の分散粒子径が0.3〜0.7μmである耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂及び上記強靱化剤をスチレン系単
量体等に溶解し、塊状もしくは塊状−縣濁重合する耐衝
撃性ポリスチレン系樹脂の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性と光沢のバラン
スが著しく改善された耐衝撃性樹脂及びその製造方法に
関するものである。
スが著しく改善された耐衝撃性樹脂及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、強靱化
剤としてのポリブタジエン等のスチレン溶液を塊状もし
くは塊状縣濁重合することによって製造されるが、ポリ
スチレンと比較すると耐衝撃性は著しく向上するが、表
面光沢は低下する。
剤としてのポリブタジエン等のスチレン溶液を塊状もし
くは塊状縣濁重合することによって製造されるが、ポリ
スチレンと比較すると耐衝撃性は著しく向上するが、表
面光沢は低下する。
【0003】耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の表面光沢を
改良するする方法として、比較的低粘度のポリブタジエ
ンを使用する方法(特開昭51−131590号公報)
が提案されているが、この方法による光沢の改善は充分
とはいい難い。また、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体を用いる方法も提案されている(特公昭42−1
7492号公報、特公昭48−18594号公報、特公
昭60−57443号公報等)。これらの方法では、該
樹脂中に分散したゴム粒子の粒子径は著しく小さくな
り、光沢は改善されるが、耐衝撃性は低下する。さら
に、ブロック共重合体はポリブタジエン等の通常のゴム
状重合体に比べて粉末状になり易く、取扱が困難となる
問題がある。
改良するする方法として、比較的低粘度のポリブタジエ
ンを使用する方法(特開昭51−131590号公報)
が提案されているが、この方法による光沢の改善は充分
とはいい難い。また、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体を用いる方法も提案されている(特公昭42−1
7492号公報、特公昭48−18594号公報、特公
昭60−57443号公報等)。これらの方法では、該
樹脂中に分散したゴム粒子の粒子径は著しく小さくな
り、光沢は改善されるが、耐衝撃性は低下する。さら
に、ブロック共重合体はポリブタジエン等の通常のゴム
状重合体に比べて粉末状になり易く、取扱が困難となる
問題がある。
【0004】特公昭56−2310号公報には、ポリブ
タジエンと少量のスチレン−ブタジエンブロック共重合
体を併用する方法が示されているが、この方法では耐衝
撃性は改善されるが、光沢は従来の耐衝撃性ポリスチレ
ンとほとんど変わらない。
タジエンと少量のスチレン−ブタジエンブロック共重合
体を併用する方法が示されているが、この方法では耐衝
撃性は改善されるが、光沢は従来の耐衝撃性ポリスチレ
ンとほとんど変わらない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光沢
と耐衝撃性を高度にバランスさせた耐衝撃性ポリスチレ
ン系樹脂及びその製造方法を提供することにある。
と耐衝撃性を高度にバランスさせた耐衝撃性ポリスチレ
ン系樹脂及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明によれば、
重量平均分子量が30,000〜500,000、全結
合スチレン量が30〜85重量%で、ブロックスチレン
量が全結合スチレン量の60%以上であるスチレン−ブ
タジエンジブロック共重合体(A)10〜98重量部
と、重量平均分子量が1,000〜1000,000、
全結合スチレン量が0〜15重量%であるスチレン−ブ
タジエン共重合体及び/又はポリブタジエン(B)2〜
90重量部〔(A)と(B)の合計は100重量部〕か
らなる強靱化剤を耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中に3〜
30重量%含み、該強靱化剤はポリスチレン系樹脂中に
平均粒子径が0.3〜0.7μmの粒子として分散して
いることを特徴とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が提
供される。
重量平均分子量が30,000〜500,000、全結
合スチレン量が30〜85重量%で、ブロックスチレン
量が全結合スチレン量の60%以上であるスチレン−ブ
タジエンジブロック共重合体(A)10〜98重量部
と、重量平均分子量が1,000〜1000,000、
全結合スチレン量が0〜15重量%であるスチレン−ブ
タジエン共重合体及び/又はポリブタジエン(B)2〜
90重量部〔(A)と(B)の合計は100重量部〕か
らなる強靱化剤を耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中に3〜
30重量%含み、該強靱化剤はポリスチレン系樹脂中に
平均粒子径が0.3〜0.7μmの粒子として分散して
いることを特徴とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が提
供される。
【0007】また、本発明によれば、重量平均分子量が
30,000〜500,000、全結合スチレン量が3
0〜85重量%で、ブロックスチレン量が全結合スチレ
ン量の60%以上であるスチレン−ブタジエンジブロッ
ク共重合体(A)10〜98重量部と、重量平均分子量
が1000〜1000,000、全結合スチレン量が0
〜15重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体及び
/又はポリブタジエン(B)2〜90重量部〔(A)と
(B)の合計は100重量部〕からなる強靱化剤を3〜
30重量%とスチレン系単量体又はスチレン系単量体及
びこれと共重合可能な単量体との混合物70〜97重量
%とを塊状もしくは塊状縣濁重合することを特徴とする
ポリスチレン系樹脂中に該強靱化剤が、平均粒子径が
0.3〜0.7μmの粒子として分散している耐衝撃性
ポリスチレン系樹脂の製造方法が提供される。
30,000〜500,000、全結合スチレン量が3
0〜85重量%で、ブロックスチレン量が全結合スチレ
ン量の60%以上であるスチレン−ブタジエンジブロッ
ク共重合体(A)10〜98重量部と、重量平均分子量
が1000〜1000,000、全結合スチレン量が0
〜15重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体及び
/又はポリブタジエン(B)2〜90重量部〔(A)と
(B)の合計は100重量部〕からなる強靱化剤を3〜
30重量%とスチレン系単量体又はスチレン系単量体及
びこれと共重合可能な単量体との混合物70〜97重量
%とを塊状もしくは塊状縣濁重合することを特徴とする
ポリスチレン系樹脂中に該強靱化剤が、平均粒子径が
0.3〜0.7μmの粒子として分散している耐衝撃性
ポリスチレン系樹脂の製造方法が提供される。
【0008】本発明で強靱化剤として使用されるスチレ
ン−ブタジエンジブロック共重合体(A)は、GPCで
測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下
も同じ)が30,000〜500,000である。3
0,000未満では耐衝撃性が不充分であり、500,
000を超えると該ブロック共重合体は粉末状になり易
く、取扱が面倒となる。好ましくは50,000〜30
0,000である。
ン−ブタジエンジブロック共重合体(A)は、GPCで
測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下
も同じ)が30,000〜500,000である。3
0,000未満では耐衝撃性が不充分であり、500,
000を超えると該ブロック共重合体は粉末状になり易
く、取扱が面倒となる。好ましくは50,000〜30
0,000である。
【0009】又、全結合スチレン量は30〜85重量%
である。30重量%未満では光沢は改善されず、85重
量%を超えると耐衝撃性は低下する。又、全結合スチレ
ン量が比較的高い方が併用するスチレン−ブタジエン共
重合体及び/又はポリブタジエンの使用量の選択の自由
度が高くなり、光沢と耐衝撃性も高度にバランスした耐
衝撃性ポリスチレン系樹脂が得られる。好ましくは45
重量%を超え、70重量%以下である。ブロックスチレ
ン量は全結合スチレン量の60%以上であり、60%未
満では光沢は低下する。好ましくは80重量%以上であ
る。
である。30重量%未満では光沢は改善されず、85重
量%を超えると耐衝撃性は低下する。又、全結合スチレ
ン量が比較的高い方が併用するスチレン−ブタジエン共
重合体及び/又はポリブタジエンの使用量の選択の自由
度が高くなり、光沢と耐衝撃性も高度にバランスした耐
衝撃性ポリスチレン系樹脂が得られる。好ましくは45
重量%を超え、70重量%以下である。ブロックスチレ
ン量は全結合スチレン量の60%以上であり、60%未
満では光沢は低下する。好ましくは80重量%以上であ
る。
【0010】ブロック共重合体はポリスチレンブロック
(S)−ポリブタジエンブロック(B)構造を有する完
全SBブロック共重合体及びSとBの境界が不明確で、
Bからスチレンがテ−パ−状に増加するスチレン−ブタ
ジエン共重合体を経てSに到るテ−パ−ドSBブロック
共重合体のいずれであってもよい。これらのブロック共
重合体の製造方法は、特に限定されず、従来から用いら
れている方法で製造することができる
(S)−ポリブタジエンブロック(B)構造を有する完
全SBブロック共重合体及びSとBの境界が不明確で、
Bからスチレンがテ−パ−状に増加するスチレン−ブタ
ジエン共重合体を経てSに到るテ−パ−ドSBブロック
共重合体のいずれであってもよい。これらのブロック共
重合体の製造方法は、特に限定されず、従来から用いら
れている方法で製造することができる
【0011】本発明で使用される他の強靱化剤(B)
は、結合スチレン量が0〜15重量%のスチレン−ブタ
ジエン共重合体又はポリブタジエンである。結合スチレ
ン量が15重量%を超えると光沢が低下する。好ましく
は、10重量%以下である。重量平均分子量は1,00
0〜1,000,000の範囲であり、1,000未満
では耐衝撃性は改善されず、1,000,000を超え
ると重合系の粘度が高くなり過ぎ、強靱化剤粒子の粒径
コントロ−ルが困難となる。強靱化剤(B)の分子量は
強靱化剤(A)との相溶性の点からより低い方が望まし
く、好ましくは2,000〜500,000である。
は、結合スチレン量が0〜15重量%のスチレン−ブタ
ジエン共重合体又はポリブタジエンである。結合スチレ
ン量が15重量%を超えると光沢が低下する。好ましく
は、10重量%以下である。重量平均分子量は1,00
0〜1,000,000の範囲であり、1,000未満
では耐衝撃性は改善されず、1,000,000を超え
ると重合系の粘度が高くなり過ぎ、強靱化剤粒子の粒径
コントロ−ルが困難となる。強靱化剤(B)の分子量は
強靱化剤(A)との相溶性の点からより低い方が望まし
く、好ましくは2,000〜500,000である。
【0012】強靱化剤(B)として液状の上記重合体を
使用しても、高分子量の重合体を使用した場合と同等の
光沢と耐衝撃性のバランスのとれた耐衝撃性ポリスチレ
ン系樹脂が得られる。液状重合体はスチレン系単量体へ
の溶解性、粘度調整の容易さ等の利点もある。液状の
(B)を使用する場合の好ましい分子量は2,000〜
70,000、さらに好ましくは2,000〜50,0
00の範囲である。
使用しても、高分子量の重合体を使用した場合と同等の
光沢と耐衝撃性のバランスのとれた耐衝撃性ポリスチレ
ン系樹脂が得られる。液状重合体はスチレン系単量体へ
の溶解性、粘度調整の容易さ等の利点もある。液状の
(B)を使用する場合の好ましい分子量は2,000〜
70,000、さらに好ましくは2,000〜50,0
00の範囲である。
【0013】ポリブタジエンは、遷移金属基材触媒を用
いて得られる高シスポリブタジエン、アルカリ金属基材
触媒を用いて得られる低シスポリブタジエン及びアルカ
リ土類金属基材触媒等を用いて得られる高トランスポリ
ブタジエンのいずれもが使用できる。さらに、乳化重合
のポリブタジエンも使用可能である。
いて得られる高シスポリブタジエン、アルカリ金属基材
触媒を用いて得られる低シスポリブタジエン及びアルカ
リ土類金属基材触媒等を用いて得られる高トランスポリ
ブタジエンのいずれもが使用できる。さらに、乳化重合
のポリブタジエンも使用可能である。
【0014】スチレーン−ブタジエン共重合体(SB
R)は、乳化重合及び溶液重合により得られる低シスあ
るいは高トランスSBRが用いられる。SBR中のスチ
レンの連鎖分布は特に限定されないが、ランダムに分布
していることが望ましい。
R)は、乳化重合及び溶液重合により得られる低シスあ
るいは高トランスSBRが用いられる。SBR中のスチ
レンの連鎖分布は特に限定されないが、ランダムに分布
していることが望ましい。
【0015】本発明では以上に説明した2種類の強靱化
剤(A)及び(B)を併用するが、強靱化剤(B)のス
チレン溶液粘度によって併用する割合は相違する。通
常、(A)は10〜98重量部、(B)は2〜90重量
部である〔但し、(A)と(B)の合計は100重量部
である〕。(A)の量が10重量部未満では光沢は改善
されず、98重量部を超えると耐衝撃性は低下する。好
ましい強靱化剤(A)の使用量は40〜80重量部であ
る。
剤(A)及び(B)を併用するが、強靱化剤(B)のス
チレン溶液粘度によって併用する割合は相違する。通
常、(A)は10〜98重量部、(B)は2〜90重量
部である〔但し、(A)と(B)の合計は100重量部
である〕。(A)の量が10重量部未満では光沢は改善
されず、98重量部を超えると耐衝撃性は低下する。好
ましい強靱化剤(A)の使用量は40〜80重量部であ
る。
【0016】特に、強靱化剤(A)の全結合スチレン量
が45重量%を超える場合には、(A)の使用量が20
〜50重量部、強靱化剤(B)の使用量が50〜80重
量部の範囲では、得られる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
中の強靱化剤の分散粒子形態はコア/シェル構造(ポリ
スチレン系樹脂のコアが強靱化剤のシェルで覆われた構
造)が大部分を占めるようになり、光沢と耐衝撃性とを
高度にバランスさせることができるので望ましい。
が45重量%を超える場合には、(A)の使用量が20
〜50重量部、強靱化剤(B)の使用量が50〜80重
量部の範囲では、得られる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
中の強靱化剤の分散粒子形態はコア/シェル構造(ポリ
スチレン系樹脂のコアが強靱化剤のシェルで覆われた構
造)が大部分を占めるようになり、光沢と耐衝撃性とを
高度にバランスさせることができるので望ましい。
【0017】本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、
スチレン系単量体あるいはスチレン系単量体及びこれと
共重合可能な単量体との混合単量体70〜97重量%に
上記の強靱化剤(A)及び(B)3〜30重量%を溶解
し、得られた溶液をの塊状もしくは塊状−縣濁重合によ
りラジカル重合することによって製造される。
スチレン系単量体あるいはスチレン系単量体及びこれと
共重合可能な単量体との混合単量体70〜97重量%に
上記の強靱化剤(A)及び(B)3〜30重量%を溶解
し、得られた溶液をの塊状もしくは塊状−縣濁重合によ
りラジカル重合することによって製造される。
【0018】スチレン系単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等
のスチレン及びその誘導体が例示される。スチレン系単
量体と共重合可能な単量体としてはアクリロニトリル、
メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、アクリ
ル酸メチルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸メチルエステル等のメタクリル酸エステル等が例示
される。共重合可能な単量体はスチレン系単量体との混
合単量体中に50重量%以下の範囲で用いられる。
−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等
のスチレン及びその誘導体が例示される。スチレン系単
量体と共重合可能な単量体としてはアクリロニトリル、
メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、アクリ
ル酸メチルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸メチルエステル等のメタクリル酸エステル等が例示
される。共重合可能な単量体はスチレン系単量体との混
合単量体中に50重量%以下の範囲で用いられる。
【0019】重合に際しては、強靱化剤のスチレン系単
量体の溶液に、所望により、トルエン、エチルベンゼン
等の希釈剤;酸化防止剤;メルカプタン類、α−メチル
スチレンの二量体等の連鎖移動剤等を加え重合する。無
触媒の場合には通常80〜200℃の温度で加熱重合す
る。触媒を用いる場合には、通常20〜180℃の温度
で重合を行う。触媒としては、アセチルパ−オキサイ
ド、ベンゾイルパ−オキサイド、イソブチリルパ−オキ
サイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
−オキサイド等のパ−オキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ系化合物が例示される。
量体の溶液に、所望により、トルエン、エチルベンゼン
等の希釈剤;酸化防止剤;メルカプタン類、α−メチル
スチレンの二量体等の連鎖移動剤等を加え重合する。無
触媒の場合には通常80〜200℃の温度で加熱重合す
る。触媒を用いる場合には、通常20〜180℃の温度
で重合を行う。触媒としては、アセチルパ−オキサイ
ド、ベンゾイルパ−オキサイド、イソブチリルパ−オキ
サイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
−オキサイド等のパ−オキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ系化合物が例示される。
【0020】本発明においては、塊状重合、塊状−縣濁
重合は特に限定されず、従来から耐衝撃性ポリスチレン
樹脂の製造で実施されている公知のこれらの重合法が用
いられる。
重合は特に限定されず、従来から耐衝撃性ポリスチレン
樹脂の製造で実施されている公知のこれらの重合法が用
いられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。以下の例中の部及び%は重量基準である。
する。以下の例中の部及び%は重量基準である。
【0022】実施例1 本発明で強靱化剤(A)として使用するブロック共重合
体(A−1〜A−8)を表1に示す。重量平均分子量は
GPC(東ソ−社製HLC8020、カラムG4000
XL、G5000XL)で測定した標準ポリスチレン換算の
重量平均分子量である。全結合スチレン量は500MH
z−NMRで測定した。ブロックスチレン量は、田中の
方法〔高分子学会予稿集、第29巻第9号、2055〜
2058頁(1980年)〕で測定し、全結合スチレン
量に対する割合として示した。
体(A−1〜A−8)を表1に示す。重量平均分子量は
GPC(東ソ−社製HLC8020、カラムG4000
XL、G5000XL)で測定した標準ポリスチレン換算の
重量平均分子量である。全結合スチレン量は500MH
z−NMRで測定した。ブロックスチレン量は、田中の
方法〔高分子学会予稿集、第29巻第9号、2055〜
2058頁(1980年)〕で測定し、全結合スチレン
量に対する割合として示した。
【0023】ブロック共重合体Aと併用するポリブタジ
エン(B−1〜B−5)及びスチレン−ブタジエン共重
合体(B−7〜B−8)をn−ブチルリチウム触媒を用
いて製造した。さらに、Co触媒を用いたポリブタジエ
ン(重合体B−6)を製造した。500MHz-NMR
で測定した全スチレン結合量、赤外分光法(ポリブタジ
エンはMorrero法、SBRはHampton法)
で求めたミクロ構造及び重量平均分子量を表2に示し
た。
エン(B−1〜B−5)及びスチレン−ブタジエン共重
合体(B−7〜B−8)をn−ブチルリチウム触媒を用
いて製造した。さらに、Co触媒を用いたポリブタジエ
ン(重合体B−6)を製造した。500MHz-NMR
で測定した全スチレン結合量、赤外分光法(ポリブタジ
エンはMorrero法、SBRはHampton法)
で求めたミクロ構造及び重量平均分子量を表2に示し
た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】上記のブロック共重合体Aと重合体Bを用
い耐衝撃性ポリスチレンを製造した。10lのポリエチ
レン製容器に表1のブロック共重合体Aと表2の重合体
Bを表3〜表4記載の割合で合計276g、スチレン2
024gを入れ、室温で16時間振とうし、強靱化剤の
スチレン溶液を調整した。
い耐衝撃性ポリスチレンを製造した。10lのポリエチ
レン製容器に表1のブロック共重合体Aと表2の重合体
Bを表3〜表4記載の割合で合計276g、スチレン2
024gを入れ、室温で16時間振とうし、強靱化剤の
スチレン溶液を調整した。
【0027】内容積4lのステンレス製反応器に上記ス
チレン溶液を全量移し、130℃で2時間半攪拌により
剪断を与えつつ重合を行ない、内容物を冷却し取り出し
た。この内容物1250gとポリビニルアルコ−ルの2
%水溶液3750gを内容積8lのステンレス製反応器
に入れ、70℃に加温した。次いでベンゾイルパ−オキ
サイド2.5gとジクミルパ−オキサイド1.26gを添
加し、70℃で1時間、90℃で1時間、110℃で1
時間、さらに130℃で4時間縣濁重合を行った。重合
終了後、室温まで冷却し、得られた耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂を濾過、回収し、水洗し、60℃で6時間減圧乾
燥した。
チレン溶液を全量移し、130℃で2時間半攪拌により
剪断を与えつつ重合を行ない、内容物を冷却し取り出し
た。この内容物1250gとポリビニルアルコ−ルの2
%水溶液3750gを内容積8lのステンレス製反応器
に入れ、70℃に加温した。次いでベンゾイルパ−オキ
サイド2.5gとジクミルパ−オキサイド1.26gを添
加し、70℃で1時間、90℃で1時間、110℃で1
時間、さらに130℃で4時間縣濁重合を行った。重合
終了後、室温まで冷却し、得られた耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂を濾過、回収し、水洗し、60℃で6時間減圧乾
燥した。
【0028】この樹脂を押出し機にてペレット化し、射
出成型機を用いてアイゾッド衝撃試験用及び光沢測定用
試験片を作成した。これらの試験片を用いて、JIS
K7110に従ってアイゾッド衝撃強度および光沢を
を、JIS K7113に従って引っ張り特性をそれぞ
れ測定した。又、試験片の一部を超ミクロト−ムを用い
て超薄切片化し、透過型電子顕微鏡で分散粒子を撮影
し、得られた写真から分散強靱化剤の平均粒子径を測定
した。平均粒子径は、1000個の分散粒子の長径と短
径を測定し、各粒子の両径の算術平均を粒子の直径(D
i)として下記の式で求めた面積平均粒子径である。式
1中のnは粒径Diの粒子の個数である。以上の結果を
表3〜表5に示した。
出成型機を用いてアイゾッド衝撃試験用及び光沢測定用
試験片を作成した。これらの試験片を用いて、JIS
K7110に従ってアイゾッド衝撃強度および光沢を
を、JIS K7113に従って引っ張り特性をそれぞ
れ測定した。又、試験片の一部を超ミクロト−ムを用い
て超薄切片化し、透過型電子顕微鏡で分散粒子を撮影
し、得られた写真から分散強靱化剤の平均粒子径を測定
した。平均粒子径は、1000個の分散粒子の長径と短
径を測定し、各粒子の両径の算術平均を粒子の直径(D
i)として下記の式で求めた面積平均粒子径である。式
1中のnは粒径Diの粒子の個数である。以上の結果を
表3〜表5に示した。
【0029】
【式1】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】かくして得られる本発明の耐衝撃性ポリ
スチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂中に強靱化剤が
平均粒子系0.3〜0.7μmの粒子として分散した光
沢と耐衝撃性が高度にバランスした耐衝撃性樹脂であ
る。また、透明性も優れているので種々の用途に用いる
ことができる。
スチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂中に強靱化剤が
平均粒子系0.3〜0.7μmの粒子として分散した光
沢と耐衝撃性が高度にバランスした耐衝撃性樹脂であ
る。また、透明性も優れているので種々の用途に用いる
ことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量平均分子量が30,000〜50
0,000、全結合スチレン量が30〜85重量%、ブ
ロックスチレン量が全結合スチレン量の60%以上であ
るスチレン−ブタジエンジブロック共重合体(A)10
〜98重量部及び重量平均分子量が1,000〜1,0
00,000、全結合スチレン量が0〜15重量%であ
るスチレン−ブタジエン共重合体及び/又はポリブタジ
エン(B)2〜90重量部〔(A)と(B)の合計は1
00重量部〕からなる強靱化剤を耐衝撃性ポリスチレン
系樹脂中に3〜30重量%含み、該強靱化剤はポリスチ
レン系樹脂中に平均粒子径が0.3〜0.7μmの粒子
として分散していることを特徴とする耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂。 - 【請求項2】 重量平均分子量が30,000〜50
0,000、全結合スチレン量が25〜85重量%、ブ
ロックスチレン量が全結合スチレン量の60%以上であ
るスチレン−ブタジエンジブロック共重合体(A)10
〜98重量部及び重量平均分子量が1,000〜100
0,000、全結合スチレン量が0〜15重量%である
スチレン−ブタジエン共重合体及び/又はポリブタジエ
ン(B)2〜90重量部〔(A)と(B)の合計は10
0重量部〕からなる強靱化剤を3〜30重量%とスチレ
ン系単量体又はスチレン系単量体及びこれと共重合可能
な単量体との混合物70〜97重量%とを塊状もしくは
塊状縣濁重合することを特徴とするポリスチレン系樹脂
中に該強靱化剤が、平均粒子径が0.3〜0.7μmの
粒子として分散している耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33799491A JPH05148331A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33799491A JPH05148331A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148331A true JPH05148331A (ja) | 1993-06-15 |
Family
ID=18313946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33799491A Pending JPH05148331A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05148331A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0590965A1 (en) * | 1992-09-30 | 1994-04-06 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Impact-resistant styrenic polymer resin composition and process for making same |
CN109503900A (zh) * | 2017-09-14 | 2019-03-22 | 中国石油化工股份有限公司 | 增韧剂组合物及其制备方法和苯乙烯类树脂及其制备方法 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP33799491A patent/JPH05148331A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0590965A1 (en) * | 1992-09-30 | 1994-04-06 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Impact-resistant styrenic polymer resin composition and process for making same |
US5380798A (en) * | 1992-09-30 | 1995-01-10 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Impact-resistant styrenic polymer resin composition and process for making same |
CN109503900A (zh) * | 2017-09-14 | 2019-03-22 | 中国石油化工股份有限公司 | 增韧剂组合物及其制备方法和苯乙烯类树脂及其制备方法 |
CN109503900B (zh) * | 2017-09-14 | 2021-03-16 | 中国石油化工股份有限公司 | 增韧剂组合物及其制备方法和苯乙烯类树脂及其制备方法 |
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