JPH09183815A - アルカリ水溶性樹脂 - Google Patents

アルカリ水溶性樹脂

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JPH09183815A
JPH09183815A JP35264295A JP35264295A JPH09183815A JP H09183815 A JPH09183815 A JP H09183815A JP 35264295 A JP35264295 A JP 35264295A JP 35264295 A JP35264295 A JP 35264295A JP H09183815 A JPH09183815 A JP H09183815A
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JP
Japan
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maleic anhydride
unit
isobutylene
resin
formula
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JP35264295A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Nobuto
芳樹 延藤
Hajime Kitano
一 北野
Akira Nishikawa
亮 西川
Masao Ishii
正雄 石井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/04Anhydrides, e.g. cyclic anhydrides
    • C08F222/06Maleic anhydride

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  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 イソブチレン単位、無水マレイン酸単位
および式(1) 【化1】 (式中、Xは水素原子またはメチル基を表し、R1 は炭
素数1〜3のアルキレン基を表し、R2 は水素原子また
は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは(R1O)の
くり返し数を表す)で表される構造単位からなり、それ
らの組成モル比が、[イソブチレン単位]:[無水マレ
イン酸単位]:[式(1)で表される構造単位]=1:
0.8〜1.2:0.01〜10であることを特徴とす
るアルカリ水溶性樹脂。 【効果】 イソブチレン/無水マレイン酸共重合体の特
徴を保持したままで、アルカリ性水溶液に対して良好な
溶解性を示すとともに中性の水に対しても溶解性を示
し、セメント減水剤、無機フィラーの分散剤等の用途な
どにおいて有用なアルカリ水溶性樹脂が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ性水溶液
に可溶な樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント減水剤、セラミックバイ
ンダー、無機フィラーの分散剤等の用途において、アル
カリ性水溶液に可溶な樹脂が用いられることがあり、そ
のような樹脂としてはイソブチレン/無水マレイン酸共
重合体が広く知られている。イソブチレン/無水マレイ
ン酸共重合体は、優れた分散性能を有し、しかも分子内
の酸無水物基を利用して各種の変性物へ導くことができ
るという特徴を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】イソブチレン/無水マ
レイン酸共重合体は、水溶液の形で用いられることがあ
り、その場合には、イソブチレン/無水マレイン酸共重
合体をアルカリ性水溶液に溶解させ、該共重合体の水溶
液を調製している。
【0004】しかしながら、イソブチレン/無水マレイ
ン酸共重合体はアルカリ性水溶液への溶解に要する時間
が比較的長く、また、蒸留水などの中性の水に対しては
溶解性を示さない。従って、イソブチレン/無水マレイ
ン酸共重合体において、アルカリ水溶液に対する溶解性
を向上させ、かつ中性の水に対しても溶解性をもたせる
ことができれば、該共重合体の水溶液を調整する上で作
業性を向上させることができ、その技術的意味は大き
い。
【0005】しかして、本発明は、イソブチレン/無水
マレイン酸共重合体の性能を改良することを目的として
なされたものであって、イソブチレン/無水マレイン酸
共重合体のもつ特徴を保持したまま、アルカリ水溶液に
対して良好な溶解性を示すとともに、中性の水に対して
も溶解性を示すアルカリ水溶性樹脂を新たに提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、イソブチレン単位、無水マレイン酸単位および
式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Xは水素原子またはメチル基を表
し、R1 は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R2
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは
(R1O)のくり返し数を表す。ここで(R1 O)が複
数くり返されている場合には、各R1 は同一であっても
異なっていてもよい。)で表される構造単位からなり、
それらの組成モル比が、[イソブチレン単位]:[無水
マレイン酸単位]:[式(1)で表される構造単位]=
1:0.8〜1.2:0.01〜10であることを特徴
とするアルカリ水溶性樹脂を提供することによって解決
される。
【0009】本発明のアルカリ水溶性樹脂を構成する、
式(1)で表される構造単位は、下記の式(2)で示さ
れる(メタ)アクリレート系単量体から誘導される。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、X、R1 、R2 、nは前記定義の
とおりである) 上記の式(1)および式(2)において、R1 が表す炭
素数が1〜3のアルキレン基としては、例えば、メチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。ま
た、R2 が表す炭素数が1〜5のアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペン
チル基などが挙げられるが、中でもメチル基が好まし
い。また、上記の式(1)および式(2)において、
(R1 O)のくり返し数を表すnは、通常1〜100の
範囲内にある。ここで、式(2)で示される(メタ)ア
クリレート系単量体の具体例としては、例えば、メトキ
シポリエチレンオキシドモノメタクリレート、メトキシ
ポリエチレンオキシドモノアクリレート、メトキシポリ
エチレンオキシド−co−メチレンオキシドモノメタク
リレートなどが挙げられる。
【0012】式(2)で示される(メタ)アクリレート
系単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸と、下記の式
(3)で示されるポリアルキレンオキシドモノアルキル
エーテルとを常法に従ってエステル化反応させることに
よって得ることができる。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、X、R1 、R2 、nは前記定義の
とおりである) 本発明のアルカリ水溶性樹脂は、従来から公知のイソブ
チレン/無水マレイン酸共重合体に、式(1)で示され
る構造単位が組み込まれた形の分子構造を有する三元共
重合体である。本発明のアルカリ水溶性樹脂は、無水マ
レイン酸単位を含有しているので、その酸無水物基がア
ンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶
液で加水分解され、塩を形成して、該アルカリ水溶液に
溶解する。また、酸無水物基の反応性を利用して、本発
明のアルカリ水溶性樹脂を他の化合物と反応させて変性
することができる。例えば、アルコールと反応させてエ
ステル化したり、アミンと反応させてアミド化したり、
多官能性化合物と反応させて架橋構造を形成させたりす
ることが可能である。
【0015】また、本発明のアルカリ水溶性樹脂は、ポ
リオキシアルキレン部分を有する式(1)で示される構
造単位を有しており、親水性を示す。このため、本発明
のアルカリ水溶性樹脂は、アルカリ水溶液に対する溶解
性が向上しており、しかも蒸留水などの中性の水に対し
ても溶解性を示す。かかる式(1)で示される構造単位
に由来する親水性の程度は、(R1 O)のくり返し数で
あるnの値を変化させることにより適宜調整することが
できる。なお、nの値が大きいほど、アルカリ水溶性樹
脂の親水性は一般に高くなる傾向にある。
【0016】本発明のアルカリ水溶性樹脂は、イソブチ
レン単位、無水マレイン酸単位、および式(1)で示さ
れる構造単位の組成モル比を変えることにより、種々の
特性を有するものとなるが、式(1)で示される構造単
位のモル比が少なすぎると、アルカリ水溶性樹脂のアル
カリ水溶液に対する溶解性の向上および中性の水に対す
る溶解性が不十分であり、また、式(1)で示される構
造単位のモル比が過大で無水マレイン酸単位のモル比が
少なくなると、優れた分散性能などのイソブチレン/無
水マレイン酸共重合体がもつ特徴が損なわれるので、各
構造単位の組成モル比は、[イソブチレン単位]:[無
水マレイン酸単位]:[式(1)で表される構造単位]
=1:0.8〜1.2:0.01〜10であることが必
要であり、[イソブチレン単位]:[無水マレイン酸単
位]:[式(1)で表される構造単位]=1:0.9〜
1.1:0.03〜5であることが好ましい。
【0017】また、本発明のアルカリ水溶性樹脂の数平
均分子量は、通常、500〜500,000であるが、
分散性能などの観点からは、1,000〜200,00
0であることが好ましい。
【0018】本発明のアルカリ水溶性樹脂は、イソブチ
レン、無水マレイン酸および式(2)で示される(メ
タ)アクリレート系単量体(以下、これらを原料モノマ
ーと略称する)から、常法に従って製造することができ
る。例えば、原料モノマーを反応容器に仕込み、溶媒
中、ラジカル重合開始剤とともに溶液重合法や沈殿重合
法により共重合させることによって製造することができ
る。
【0019】ラジカル重合開始剤としては、従来から使
用されているものを特に制限なく使用することができ、
例えば、ジ(ドデカノイル)パーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t
−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチレート、α,α’−アゾ−α−
エチルブチロニトリル等のアゾ化合物などを使用するこ
とができる。ラジカル重合開始剤の使用量は、特に制限
されるものではないが、通常、原料モノマー100重量
部に対して0.05〜5重量部の範囲である。
【0020】また、重合反応に際して用いられる溶媒と
しては、ラジカル重合を阻害しない種々の溶媒、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;n−
ヘキサン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類;
ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等の
塩素化炭化水素類などを使用することができる。これら
の溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上混合して使
用してもよい。
【0021】原料モノマーの仕込量のモル比は、アルカ
リ水溶性樹脂を構成する構造単位の組成モル比と同じ比
率、すなわち、[イソブチレン]:[無水マレイン
酸]:[式(2)で表される(メタ)アクリレート系単
量体]=1:0.8〜1.2:0.01〜10とするこ
とが好ましい。
【0022】原料モノマーを仕込む場合には、原料モノ
マーの重合反応性の相違を考慮して仕込むことにより均
一な組成の共重合体を得ることができる。例えば、式
(2)で示される(メタ)アクリレート系単量体の反応
性が低い場合、重合反応の初期段階において、かかる
(メタ)アクリレート系単量体の濃度が高くなるように
仕込むことが好ましい。また、無水マレイン酸は重合反
応を通じて反応系中での濃度が一定となるような割合で
仕込むことが好ましい。
【0023】重合温度は、使用する溶媒やラジカル重合
開始剤等により異なるが、一般には0〜200℃、好ま
しくは30〜150℃の範囲である。また、重合時間
は、一般に1〜50時間、好ましくは2〜20時間の範
囲である。また、重合は常圧または加圧下に行うことが
できる。
【0024】重合反応終了後、反応混合物からのアルカ
リ水溶性樹脂の分離取得は、常法に従って行うことがで
きる。例えば、沈殿重合法を採用した場合は、沈殿した
樹脂を濾過脱液し、次いで乾燥することによりアルカリ
水溶性樹脂を取得でき、また、溶液重合法を採用した場
合には、溶媒を除去した後に乾燥することによりアルカ
リ水溶性樹脂を取得できる。
【0025】本発明のアルカリ水溶性樹脂は、アルカリ
性水溶液に対する良好な溶解性を示すとともに中性の水
に対しても溶解性を示しており、イソブチレン/無水マ
レイン酸共重合体と同様の用途、すなわち、セメント減
水剤、無機フィラーの分散剤等の分散用途などに使用す
ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 攪拌機を備えた1リットルのオートクレーブに、窒素雰
囲気下、エチルベンゼン423.9gおよびイソブチレ
ン21.4g(0.38モル)を仕込み、内温を105
℃に昇温した。次いで、得られた溶液に、別途調製した
無水マレイン酸34.1g(0.35モル)、メトキシ
ポリエチレンオキシドモノメタクリレート[エチレンオ
キシドのくり返し数(n)=9]18.4g(0.04
モル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.1
1g(0.01モル)およびメチルイソブチルケトン9
0.0gの混合溶液を4時間かけて連続的に仕込み、さ
らに105℃で1時間重合を行った。
【0028】重合反応終了後、オートクレーブ中の反応
液を取り出し、吸引ろ過により沈澱した重合体をろ別
し、90℃で真空乾燥して、アルカリ水溶性樹脂68.
5gを得た。1 H−NMR分析の結果、この樹脂中のイ
ソブチレン単位、無水マレイン酸単位およびメトキシポ
リエチレンオキシドモノメタクリレート単位の組成モル
比は、1:1:0.08であることが分かった。
【0029】得られた樹脂の諸物性を以下に示す。 (1)平均分子量(GPCにより、ポリスチレン換算の
分子量として求めた): 数平均分子量=8900 重量平均分子量=23000 (2)酸価:584mgKOH/g (3)赤外吸収スペクトル(ν:cm-1):1380
(イソブチレン単位に由来)、1460(イソブチレン
単位に由来)、1770(無水マレイン酸単位に由
来)、1860(無水マレイン酸単位に由来)、110
0(メトキシポリエチレンオキシドモノメタクリレート
単位に由来)
【0030】上記で得られた樹脂10gをとり、水酸化
ナトリウムを4.2g(樹脂中の酸無水物基を完全に中
和するのに相当する量:上記の酸価より算出)含有する
水溶液90g中に加え、90℃に加熱し攪拌したところ
5分間で完全に溶解し、pHが10.8、30℃で測定
したときの粘度が25cpsの透明な水溶液となった。
【0031】また、上記で得られた樹脂10gをとり、
蒸留水90g中に加え、90℃に加熱し3時間攪拌した
ところ、樹脂の一部が溶解して白濁したスラリーが得ら
れた。未溶解の樹脂を濾別し、乾燥後の重量を測定した
ところ、8.8gであった。このように、上記で得られ
た樹脂は、アルカリ性水溶液に対して優れた溶解性を示
すとともに、蒸留水に対しても溶解性を示した。
【0032】実施例2 攪拌機を備えた1リットルのオートクレーブに、窒素雰
囲気下、エチルベンゼン572.4gおよびイソブチレ
ン21.4g(0.38モル)を仕込み、内温を70℃
に昇温した。次いで、得られた溶液に、別途調製した無
水マレイン酸34.1g(0.35モル)、メトキシポ
リエチレンオキシドモノメタクリレート[エチレンオキ
シドのくり返し数(n)=9]36.8g(0.08モ
ル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7g
(0.003モル)およびメチルイソブチルケトン90
gの混合溶液を4時間かけて連続的に仕込み、さらに1
05℃で1時間重合を行った。
【0033】重合反応終了後、オートクレーブ中の反応
液を取り出し、吸引ろ過により沈澱した重合体を濾別
し、90℃で真空乾燥して、アルカリ水溶性樹脂86.
3gを得た。1 H−NMR分析の結果、この樹脂中のイ
ソブチレン単位、無水マレイン酸単位およびメトキシポ
リエチレンオキシドモノメタクリレート単位の組成モル
比は、1:1:0.17であることが分かった。
【0034】得られた樹脂の諸物性を以下に示す。 (1)平均分子量(GPCにより、ポリスチレン換算の
分子量として求めた): 数平均分子量=65000 重量平均分子量=182000 (2)酸価:478mgKOH/g (3)赤外吸収スペクトル(ν:cm-1):1380
(イソブチレン単位に由来)、1460(イソブチレン
単位に由来)、1770(無水マレイン酸単位に由
来)、1860(無水マレイン酸単位に由来)、110
0(メトキシポリエチレンオキシドモノメタクリレート
単位に由来)
【0035】上記で得られた樹脂10gをとり、水酸化
ナトリウムを3.4g(樹脂中の酸無水物基を完全に中
和するのに相当する量)含有する水溶液90g中に加
え、90℃に加熱し攪拌したところ、10分間で完全に
溶解し、pHが10.4、30℃で測定したときの粘度
が830cpsの透明な水溶液となった。
【0036】また、上記で得られた樹脂10gをとり、
蒸留水90g中に加え、90℃に加熱し3時間攪拌した
ところ、樹脂の一部が溶解して白濁したスラリーが得ら
れた。未溶解の樹脂を濾別し、乾燥後の重量を測定した
ところ、6.5gであった。このように、上記で得られ
た樹脂は、アルカリ性水溶液に対して優れた溶解性を示
すとともに、蒸留水に対しても溶解性を示した。
【0037】実施例3 攪拌機を備えた1リットルのオートクレーブに、窒素雰
囲気下、アセトン300g、無水マレイン酸6.8g
(0.06モル)、メトキシポリエチレンオキシドモノ
メタクリレート[エチレンオキシドのくり返し数(n)
=20]137.2g(0.14モル)およびイソブチ
レン4.3g(0.07モル)を仕込み、内温を100
℃に昇温した。次いで、得られた溶液に、別途調製した
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.15g
(0.006モル)およびアセトン46.0gの混合溶
液を4時間かけて連続的に仕込み、さらに105℃で1
時間重合を行った。
【0038】重合反応終了後、オートクレーブ中の反応
液を取り出し、一晩常圧下でアセトンを蒸発させた後、
80℃で真空乾燥し、142.8gのアルカリ水溶性樹
脂を得た。1 H−NMR分析の結果、この樹脂中のイソ
ブチレン単位、無水マレイン酸単位およびメトキシポリ
エチレンオキシドモノメタクリレート単位の組成モル比
は、1:1:2.1であることが分かった。
【0039】上記で得られた樹脂の諸物性を以下に示
す。 (1)平均分子量(GPCにより、ポリスチレン換算の
分子量として求めた): 数平均分子量=10500 重量平均分子量=25400 (2)酸価:51mgKOH/g (3)赤外吸収スペクトル(ν:cm-1):1380
(イソブチレン単位に由来)、1460(イソブチレン
単位に由来)、1770(無水マレイン酸単位に由
来)、1860(無水マレイン酸単位に由来)、110
0(メトキシポリエチレンオキシドモノメタクリレート
単位に由来)
【0040】上記で得られた樹脂10gをとり、水酸化
ナトリウムを0.6g(樹脂中の酸無水物基を完全に中
和するのに相当する量)含有する水溶液90g中に加
え、90℃に加熱し攪拌したところ、3分間で完全に溶
解し、pHが9.1、30℃測定したときの粘度が12
0cpsの透明な水溶液となった。
【0041】また、上記で得られた樹脂10gをとり、
蒸留水90g中に加え、90℃に加熱し3時間攪拌した
ところ、樹脂の一部が溶解して白濁したスラリーが得ら
れた。未溶解の樹脂を濾別し、乾燥後の重量を測定した
ところ、1.8gであった。このように、上記で得られ
た樹脂は、アルカリ性水溶液に対して優れた溶解性を示
すとともに、蒸留水に対しても溶解性を示した。
【0042】比較例1 攪拌機を備えた1リットルのオートクレーブに、窒素雰
囲気下、エチルベンゼン450gおよびイソブチレン3
0.9g(0.55モル)を仕込み、内温を105℃に
昇温した。次いで、得られた溶液に、別途調製した無水
マレイン酸49.1g(0.5モル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル2.88g(0.015モル)
およびメチルイソブチルケトン115.4gの混合溶液
を4時間かけて連続的に仕込み、さらに105℃で1時
間重合を行った。
【0043】重合反応終了後、オートクレーブ中の反応
液を取り出し、吸引ろ過により沈澱した重合体をろ別
し、90℃で真空乾燥して、アルカリ水溶性樹脂73.
2gを得た。1 H−NMR分析の結果、この樹脂中のイ
ソブチレン単位、無水マレイン酸単位の組成モル比は、
1:1であることが分かった。
【0044】上記で得られた樹脂の諸物性を以下に示
す。 (1)平均分子量(GPCにより、ポリスチレン換算の
分子量として求めた): 数平均分子量=8600 重量平均分子量=21000 (2)酸価:718mgKOH/g (3)赤外吸収スペクトル(ν:cm-1):1380
(イソブチレン単位に由来)、1460(イソブチレン
単位に由来)、1770(無水マレイン酸単位に由
来)、1860(無水マレイン酸単位に由来)
【0045】上記で得られた樹脂10gをとり、水酸化
ナトリウムを5.2g(樹脂中の酸無水物基を完全に中
和するのに相当する量)含有する水溶液90g中に加
え、90℃に加熱し攪拌したところ、10分間経過した
時点では樹脂の大部分が未溶解であり、60分間経過し
た時点で完全に溶解し、pHが12.1、30℃で測定
したときの粘度が14cpsの透明な水溶液となった。
【0046】また、上記で得られた樹脂10gをとり、
蒸留水90g中に加え、90℃に加熱し3時間攪拌した
ところ、水層が若干白濁した。未溶解の樹脂を濾別し、
乾燥後の重量を測定したところ、10gであった。この
ことから、上記で得られた樹脂は、アルカリ性水溶液に
対して溶解性を示すが、蒸留水に対しては溶解性を示さ
ないことが分かった。
【0047】比較例2 攪拌機を備えた1リットルのオートクレーブに、窒素雰
囲気下、エチルベンゼン404.9gおよびイソブチレ
ン21.4g(0.38モル)を仕込み、内温を105
℃に昇温した。次いで、得られた溶液に、別途調製した
無水マレイン酸34.1g(0.35モル)、ステアリ
ルメタクリレート(メタクリル酸の炭素数18のアルキ
ルエステル)13.5g(0.04モル)、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル2.11g(0.01モ
ル)およびメチルイソブチルケトン90gの混合溶液を
4時間かけて連続的に仕込み、さらに105℃で1時間
重合を行った。
【0048】重合反応終了後、オートクレーブ中の反応
液を取り出し、吸引濾過により沈澱した重合体を濾別
し、90℃で真空乾燥して、アルカリ水溶性樹脂65.
5gを得た。1 H−NMR分析の結果、この樹脂中のイ
ソブチレン単位、無水マレイン酸単位およびステアリル
メタクリレート単位の組成モル比は、1:1:0.07
であることが分かった。
【0049】上記で得られた樹脂の諸物性を以下に示
す。 (1)平均分子量(GPCにより、ポリスチレン換算の
分子量として求めた): 数平均分子量=8900 重量平均分子量=23000 (2)酸価:631mgKOH/g (3)赤外吸収スペクトル(ν:cm-1):1380
(イソブチレン単位に由来)、1460(イソブチレン
単位に由来)、1770(無水マレイン酸単位に由
来)、1860(無水マレイン酸単位に由来)、175
0(ステアリルメタクリレート単位に由来)
【0050】上記で得られた樹脂10gをとり、水酸化
ナトリウムを4.5g(樹脂中の酸無水物基を完全に中
和するのに相当する量)含有する水溶液90g中に加
え、90℃に加熱し攪拌したところ、10分間経過した
時点では樹脂の大部分が未溶解であり、60分間経過し
た時点で完全に溶解し、pHが10.9、30℃で測定
したときの粘度が110cpsの透明な水溶液となっ
た。
【0051】また、上記で得られた樹脂10gをとり、
蒸留水90g中に加え、90℃に加熱し3時間攪拌し
た。未溶解の樹脂を濾別し、乾燥後の重量を測定したと
ころ、10gであった。このことから、上記で得られた
樹脂は、アルカリ性水溶液に対しては溶解性を示すが、
蒸留水に対しては溶解性を示さないことが分かった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、イソブチレン/無水マ
レイン酸共重合体の特徴を保持したままで、アルカリ性
水溶液に対して良好な溶解性を示すとともに、中性の水
に対しても溶解性を示すアルカリ水溶性樹脂が提供され
る。本発明のアルカリ水溶性樹脂はイソブチレン/無水
マレイン酸共重合体と同様に、セメント減水剤、無機フ
ィラーの分散剤等の用途などにおいて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 290/06 MRS C08F 290/06 MRS (72)発明者 石井 正雄 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチレン単位、無水マレイン酸単位
    および式(1) 【化1】 (式中、Xは水素原子またはメチル基を表し、R1 は炭
    素数1〜3のアルキレン基を表し、R2 は水素原子また
    は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは(R1O)の
    くり返し数を表す。ここで(R1 O)が複数くり返され
    ている場合には、各R1 は同一であっても異なっていて
    もよい。)で表される構造単位からなり、それらの組成
    モル比が、[イソブチレン単位]:[無水マレイン酸単
    位]:[式(1)で表される構造単位]=1:0.8〜
    1.2:0.01〜10であることを特徴とするアルカ
    リ水溶性樹脂。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0994087A3 (de) * 1998-10-16 2002-08-14 Clariant GmbH Sprengstoffe, enthaltend modifizierte Copolymere aus Polyisobutylen und Maleinsäureanhydrid als Emulgatoren
JP2007113002A (ja) * 2005-09-26 2007-05-10 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体、その重合体の製造方法およびその重合体を用いたセメント混和剤

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EP1529767A1 (de) * 1998-10-16 2005-05-11 Clariant GmbH Sprengstoffe, enthaltend modifizierte Copolymere aus Polyisobutylen und Maleinsäureanhydrid als Emulgatoren
JP2007113002A (ja) * 2005-09-26 2007-05-10 Nippon Shokubai Co Ltd 重合体、その重合体の製造方法およびその重合体を用いたセメント混和剤

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