JPH09183124A - 真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方法 - Google Patents
真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方法Info
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- JPH09183124A JPH09183124A JP19724696A JP19724696A JPH09183124A JP H09183124 A JPH09183124 A JP H09183124A JP 19724696 A JP19724696 A JP 19724696A JP 19724696 A JP19724696 A JP 19724696A JP H09183124 A JPH09183124 A JP H09183124A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】モ−ルド制作費用を減らすとともに、モ−ルド
交換作業を簡単にし、さらには小径ベントホ−ルの追加
工を簡単にすることのできる真空排気機構を備えたタイ
ヤ加硫装置を提供する。 【解決手段】ビ−ド環部分、側壁部分及びトレッド環部
分から成る上下型2、3と、互いに上下方向に嵌合する
とともに上下型を内部空間Sに収容する上下包囲治具
4、5と、上下包囲治具の内部空間を密閉するシ−ル部
材8とを具備し、上下包囲治具のうち一方の側壁に自身
の内外面に連通する通気孔9を形成し、通気孔に外部真
空源から真空を印加する構成とする。
交換作業を簡単にし、さらには小径ベントホ−ルの追加
工を簡単にすることのできる真空排気機構を備えたタイ
ヤ加硫装置を提供する。 【解決手段】ビ−ド環部分、側壁部分及びトレッド環部
分から成る上下型2、3と、互いに上下方向に嵌合する
とともに上下型を内部空間Sに収容する上下包囲治具
4、5と、上下包囲治具の内部空間を密閉するシ−ル部
材8とを具備し、上下包囲治具のうち一方の側壁に自身
の内外面に連通する通気孔9を形成し、通気孔に外部真
空源から真空を印加する構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下方向に分割す
るタイプのモ−ルドを備えたタイヤ加硫装置に関し、特
に真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方
法に関する。
るタイプのモ−ルドを備えたタイヤ加硫装置に関し、特
に真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】未加硫タイヤとモ−ルドとの間に空気が
残留した状態で加硫を行うと、加硫した後の製品タイヤ
の表面に残留空気の痕跡が残りタイヤの外観不良を引き
起こすので、加硫に際しモ−ルドの内部から残留空気を
排出しなければならない。従来より、この残留空気を排
出するために空気の残留しやすい箇所にモ−ルドの内面
からモ−ルドの外部に通じる通気孔(「ベントホ−ル」
と呼ばれる)を設置するようにしている。しかしなが
ら、残留空気を排出した直後から未加硫タイヤの表面の
一部のゴムがこのベントホ−ル内に侵入して加硫後の製
品タイヤの表面に不要な針状突起(「スピュ−」と呼ば
れる)が形成される。このためこの針状突起を切断除去
する工程が必要となりタイヤの製造コストの上昇を招く
こととなる。
残留した状態で加硫を行うと、加硫した後の製品タイヤ
の表面に残留空気の痕跡が残りタイヤの外観不良を引き
起こすので、加硫に際しモ−ルドの内部から残留空気を
排出しなければならない。従来より、この残留空気を排
出するために空気の残留しやすい箇所にモ−ルドの内面
からモ−ルドの外部に通じる通気孔(「ベントホ−ル」
と呼ばれる)を設置するようにしている。しかしなが
ら、残留空気を排出した直後から未加硫タイヤの表面の
一部のゴムがこのベントホ−ル内に侵入して加硫後の製
品タイヤの表面に不要な針状突起(「スピュ−」と呼ば
れる)が形成される。このためこの針状突起を切断除去
する工程が必要となりタイヤの製造コストの上昇を招く
こととなる。
【0003】上記問題の解決のために残留空気をベント
ホ−ルを使用せずに真空排気しながらモ−ルドを閉じる
ようにした方法と装置が提案されている(例えば特開昭
61−209112号、特開昭63−278806号、
特開昭63−67114号各公報)。
ホ−ルを使用せずに真空排気しながらモ−ルドを閉じる
ようにした方法と装置が提案されている(例えば特開昭
61−209112号、特開昭63−278806号、
特開昭63−67114号各公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
真空排気機構を有するタイヤ加硫装置にあっては、真空
排気機構を構成する通気孔、排気流路管、シ−ル部材等
がモ−ルドに直接加工されて組み込まれているのでモ−
ルドの内部構造が複雑になり、真空排気機構を有しない
タイヤ加硫装置に比較してモ−ルドの製作費用が大幅に
上昇する問題があった。この問題はモ−ルドを数十台〜
数百台制作する場合には大きな課題であった。
真空排気機構を有するタイヤ加硫装置にあっては、真空
排気機構を構成する通気孔、排気流路管、シ−ル部材等
がモ−ルドに直接加工されて組み込まれているのでモ−
ルドの内部構造が複雑になり、真空排気機構を有しない
タイヤ加硫装置に比較してモ−ルドの製作費用が大幅に
上昇する問題があった。この問題はモ−ルドを数十台〜
数百台制作する場合には大きな課題であった。
【0005】さらに、モ−ルドのサイズを切り替えるた
めにモ−ルドを交換する場合には、上記モ−ルドでは排
気流路管がモ−ルドに直接組み込まれているので排気流
路管をいったん外した上でモ−ルドを交換し再度排気流
路管を組み込まなければならず、モ−ルドの交換作業に
非常に大きい手間が掛かっていた。
めにモ−ルドを交換する場合には、上記モ−ルドでは排
気流路管がモ−ルドに直接組み込まれているので排気流
路管をいったん外した上でモ−ルドを交換し再度排気流
路管を組み込まなければならず、モ−ルドの交換作業に
非常に大きい手間が掛かっていた。
【0006】また、上記モ−ルドに切断除去不要の微小
スピュ−を形成する小径ベントホ−ルを後から追加工す
る場合があるが、小径ベントホ−ルをモ−ルドの外部に
直接連通すると(特開昭63−67114号の場合)真
空排気効率が悪くなる欠点があり、これがため小径ベン
トホ−ルを既設の排気流路管に接続しようとすると(特
開昭63−278806号の場合)加工が困難になる欠
点があった。
スピュ−を形成する小径ベントホ−ルを後から追加工す
る場合があるが、小径ベントホ−ルをモ−ルドの外部に
直接連通すると(特開昭63−67114号の場合)真
空排気効率が悪くなる欠点があり、これがため小径ベン
トホ−ルを既設の排気流路管に接続しようとすると(特
開昭63−278806号の場合)加工が困難になる欠
点があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、真空排気機構を有するタイヤ加硫装置において、モ
−ルドの制作費用を減らし、またモ−ルドの交換作業を
簡単にし、さらには小径ベントホ−ルの追加工を比較的
容易にする真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイ
ヤ加硫方法を提供することを目的とする。
で、真空排気機構を有するタイヤ加硫装置において、モ
−ルドの制作費用を減らし、またモ−ルドの交換作業を
簡単にし、さらには小径ベントホ−ルの追加工を比較的
容易にする真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイ
ヤ加硫方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、各々がビ−ド環部分、側壁部分及びトレッド環
部分から成る上型と下型の内部に未加硫タイヤを配置
し、それら上下型内部を排気するとともに型を閉じ、こ
の状態で未加硫タイヤを加硫成形するようにしたタイヤ
加硫装置において、互いに上下方向に嵌合するとともに
前記上下型を内部空間に収容する上包囲治具及び下包囲
治具と、これら上下包囲治具の内部を密閉状態に保持す
るシ−ル部材とを有して、それら上下包囲治具のうちい
ずれか一方の側壁に自身の内外面に連通する通気孔を形
成し、この通気孔に外部の真空源から真空を印加する構
成とした。
発明は、各々がビ−ド環部分、側壁部分及びトレッド環
部分から成る上型と下型の内部に未加硫タイヤを配置
し、それら上下型内部を排気するとともに型を閉じ、こ
の状態で未加硫タイヤを加硫成形するようにしたタイヤ
加硫装置において、互いに上下方向に嵌合するとともに
前記上下型を内部空間に収容する上包囲治具及び下包囲
治具と、これら上下包囲治具の内部を密閉状態に保持す
るシ−ル部材とを有して、それら上下包囲治具のうちい
ずれか一方の側壁に自身の内外面に連通する通気孔を形
成し、この通気孔に外部の真空源から真空を印加する構
成とした。
【0009】請求項1記載の発明によれば、型を完全に
閉じる前の上下分割線が所定の隙間を形成している間に
通気孔に真空源からの真空を印加することにより所定の
時間以内に所定の絶対圧力以下まで上下型の内部を含む
その周囲の上下包囲治具の内部空間を排気する。上下包
囲治具の内部空間はシ−ル部材により気密性が保持され
る。本発明は、上下包囲治具の内部空間を排気すること
により上下型の内部空間を含むその周囲を真空排気する
ので、上下型に排気孔や排気流路管等を加工する必要が
ない。したがって、従来対比でモ−ルドの制作費用を減
らすことができる。また、本発明は、上下包囲治具の内
径及び上下内面間高さに余裕を持たせることは容易であ
り、これにより本発明の上下包囲治具を多数サイズのモ
−ルドについて共用することが可能である。上下包囲治
具は上下方向に分離することによりその交換が容易であ
る。
閉じる前の上下分割線が所定の隙間を形成している間に
通気孔に真空源からの真空を印加することにより所定の
時間以内に所定の絶対圧力以下まで上下型の内部を含む
その周囲の上下包囲治具の内部空間を排気する。上下包
囲治具の内部空間はシ−ル部材により気密性が保持され
る。本発明は、上下包囲治具の内部空間を排気すること
により上下型の内部空間を含むその周囲を真空排気する
ので、上下型に排気孔や排気流路管等を加工する必要が
ない。したがって、従来対比でモ−ルドの制作費用を減
らすことができる。また、本発明は、上下包囲治具の内
径及び上下内面間高さに余裕を持たせることは容易であ
り、これにより本発明の上下包囲治具を多数サイズのモ
−ルドについて共用することが可能である。上下包囲治
具は上下方向に分離することによりその交換が容易であ
る。
【0010】請求項2記載の発明は、上下型のいずれか
に自身の内外面に連通する小径ベントホ−ルを形成し、
この小径ベントホ−ルが開口する型の外面または小径ベ
ントホ−ルの開口部に対面する上下包囲治具のいずれか
の内面に前記小径ベントホ−ルの開口部に連通する通気
溝を形成する構成とした。
に自身の内外面に連通する小径ベントホ−ルを形成し、
この小径ベントホ−ルが開口する型の外面または小径ベ
ントホ−ルの開口部に対面する上下包囲治具のいずれか
の内面に前記小径ベントホ−ルの開口部に連通する通気
溝を形成する構成とした。
【0011】本発明は上下型の内部を含むその周囲を真
空排気するので、請求項2記載の発明のように、小径ベ
ントホ−ルは上下型のいずれかに内外面に連通するよう
に設けてよい。上下型のいずれかに小径ベントホ−ルを
内外面に連通するように追加工することは容易であり、
さらに、型の外面または上下包囲治具のいずれかの内面
に通気溝を形成する加工も容易である。
空排気するので、請求項2記載の発明のように、小径ベ
ントホ−ルは上下型のいずれかに内外面に連通するよう
に設けてよい。上下型のいずれかに小径ベントホ−ルを
内外面に連通するように追加工することは容易であり、
さらに、型の外面または上下包囲治具のいずれかの内面
に通気溝を形成する加工も容易である。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載のタ
イヤ加硫装置を用いて未加硫タイヤを加硫成形する方法
であって、(1)未加硫タイヤを上下型の内部に配置
し、(2)上包囲治具及び下包囲治具が互いに上下方向
に嵌合した状態から上記の上下型が完全に閉じられるま
での間、前記通気孔に外部真空源からの真空を印加する
ことにより前記上下型の上下分割線に沿って形成される
隙間を通して約20秒以内に2600Pa以下の絶対圧
力まで上下型内部を排気し、(3)上下型を完全に閉じ
て未加硫タイヤを加硫する、ことを特徴とする。
イヤ加硫装置を用いて未加硫タイヤを加硫成形する方法
であって、(1)未加硫タイヤを上下型の内部に配置
し、(2)上包囲治具及び下包囲治具が互いに上下方向
に嵌合した状態から上記の上下型が完全に閉じられるま
での間、前記通気孔に外部真空源からの真空を印加する
ことにより前記上下型の上下分割線に沿って形成される
隙間を通して約20秒以内に2600Pa以下の絶対圧
力まで上下型内部を排気し、(3)上下型を完全に閉じ
て未加硫タイヤを加硫する、ことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明によれば、上下包囲治
具が互いに嵌合した状態から真空排気を開始するから真
空排気における上下包囲治具内部の気密性が十分に保持
される。そして、上下型が完全に閉じるまでの間は上下
型の上下分割線に沿って隙間が形成されており、本発明
はこの隙間を上下型内部の真空排気の排気通路として利
用する。
具が互いに嵌合した状態から真空排気を開始するから真
空排気における上下包囲治具内部の気密性が十分に保持
される。そして、上下型が完全に閉じるまでの間は上下
型の上下分割線に沿って隙間が形成されており、本発明
はこの隙間を上下型内部の真空排気の排気通路として利
用する。
【0014】ここで、真空排気時間を20秒以下に設定
するのは、真空の印加に伴う生タイヤ部材の剥離、部材
間エア入り等の不良が発生するのを防止するためであ
る。また、真空度を2600Pa以下の絶対圧力に設定
するのは、残留空気の痕跡によるタイヤ外観不良を規格
以内に抑えるためである。好ましくは、上記不良の発生
を完全に抑えるために、真空排気時間は10秒以下に、
絶対圧力は700Pa以下に設定することが望ましい。
するのは、真空の印加に伴う生タイヤ部材の剥離、部材
間エア入り等の不良が発生するのを防止するためであ
る。また、真空度を2600Pa以下の絶対圧力に設定
するのは、残留空気の痕跡によるタイヤ外観不良を規格
以内に抑えるためである。好ましくは、上記不良の発生
を完全に抑えるために、真空排気時間は10秒以下に、
絶対圧力は700Pa以下に設定することが望ましい。
【0015】また、真空排気のタイミングは、上下型の
ビ−ド環部分及び側壁部分の内面と未加硫タイヤのビ−
ド部分及び側壁部分との間に隙間をほとんど残さない状
態まで型を閉じた時期から真空排気を開始するようにす
るのが望ましい。この場合、真空排気を行っている間
に、未加硫タイヤの側壁部分の主に幅方向への成長が阻
止されることになる。また未加硫タイヤのビ−ド部分の
跳ね上がりが阻止される。その結果、真空排気による未
加硫タイヤの変形が阻止されるとともに、内側に配置さ
れるブラダ−とのフィッティングが良好に維持され、製
品タイヤの品質が良好に維持されるという利点がある。
ビ−ド環部分及び側壁部分の内面と未加硫タイヤのビ−
ド部分及び側壁部分との間に隙間をほとんど残さない状
態まで型を閉じた時期から真空排気を開始するようにす
るのが望ましい。この場合、真空排気を行っている間
に、未加硫タイヤの側壁部分の主に幅方向への成長が阻
止されることになる。また未加硫タイヤのビ−ド部分の
跳ね上がりが阻止される。その結果、真空排気による未
加硫タイヤの変形が阻止されるとともに、内側に配置さ
れるブラダ−とのフィッティングが良好に維持され、製
品タイヤの品質が良好に維持されるという利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
及び図2を参照して説明する。図1において符号1はタ
イヤ加硫装置、符号2は上型、符号3は下型、符号4は
上包囲治具、符号5は下包囲治具を示しており、これら
符号2〜5によりタイヤ加硫装置1は基本構成されてい
る。
及び図2を参照して説明する。図1において符号1はタ
イヤ加硫装置、符号2は上型、符号3は下型、符号4は
上包囲治具、符号5は下包囲治具を示しており、これら
符号2〜5によりタイヤ加硫装置1は基本構成されてい
る。
【0017】上記上型2はビ−ド環部分2Aと側壁部分
2Bとトレッド環部分2Cとから構成されている。下型
3もビ−ド環部分3Aと側壁部分3Bとトレッド環部分
3Cとから構成されている。両トレッド環部分2C、3
Cの内面には全閉時に未加硫タイヤのトレッド部分表面
に溝を刻印するリブが通常凸設されている。これら上型
2及び下型3の両トレッド環部分2C、3Cの各端面が
上下分割面Pを形成しており、この上下分割面Pを境に
上下型2、3は上下方向に接近及び離隔動作が可能とさ
れている。
2Bとトレッド環部分2Cとから構成されている。下型
3もビ−ド環部分3Aと側壁部分3Bとトレッド環部分
3Cとから構成されている。両トレッド環部分2C、3
Cの内面には全閉時に未加硫タイヤのトレッド部分表面
に溝を刻印するリブが通常凸設されている。これら上型
2及び下型3の両トレッド環部分2C、3Cの各端面が
上下分割面Pを形成しており、この上下分割面Pを境に
上下型2、3は上下方向に接近及び離隔動作が可能とさ
れている。
【0018】前記上包囲治具4及び下包囲治具5は上下
型2、3を包囲する大きさを有して、両治具により形成
される内部空間Sに上下型2、3を収容するようになっ
ている。この上下包囲治具4、5の大きさは多数サイズ
の上下型について共用することが可能なような内径及び
高さ寸法を有することができる。これら上下包括治具
4、5は自身の両側周壁4a,5aに形成された嵌合部
6、7が上下方向にしゅう動自在に係合することにより
上下方向に嵌合している。この嵌合部6、7の間には内
部空間Sを気密状態に密閉するためのシ−ル部材8が介
在されている。また、下部包括治具5の側周壁5aには
外部と前記上下分割面Pに沿う隙間S1とに連通する通
気孔9が形成されている。この通気孔9は上包囲治具4
の側周壁4aに形成してもよい。この通気孔9には、外
部真空源から真空を印加するようになっている。
型2、3を包囲する大きさを有して、両治具により形成
される内部空間Sに上下型2、3を収容するようになっ
ている。この上下包囲治具4、5の大きさは多数サイズ
の上下型について共用することが可能なような内径及び
高さ寸法を有することができる。これら上下包括治具
4、5は自身の両側周壁4a,5aに形成された嵌合部
6、7が上下方向にしゅう動自在に係合することにより
上下方向に嵌合している。この嵌合部6、7の間には内
部空間Sを気密状態に密閉するためのシ−ル部材8が介
在されている。また、下部包括治具5の側周壁5aには
外部と前記上下分割面Pに沿う隙間S1とに連通する通
気孔9が形成されている。この通気孔9は上包囲治具4
の側周壁4aに形成してもよい。この通気孔9には、外
部真空源から真空を印加するようになっている。
【0019】前記上型2の側壁部分2Bには側壁部分2
Bの内外面に連通する小径ベントホ−ル10が設けられ
ている。この小径ベントホ−ル10の直径は0.3〜
0.6mmであり、真空排気時に未加硫タイヤの側壁部分
のゴムが小径ベントホ−ル内に微小にはみ出す程度の大
きさであって、側壁部分2B,3Bの内面と未加硫タイ
ヤTの側壁部分11との間に残るわずかな隙間からの真
空排気に支障のない大きさに抑えられている。小径ベン
トホ−ル10の開口部10aが存在する上型2の外面に
は通気溝12が形成されている。この通気溝12は内部
収容空間Sを通して通気孔9に接続されている。
Bの内外面に連通する小径ベントホ−ル10が設けられ
ている。この小径ベントホ−ル10の直径は0.3〜
0.6mmであり、真空排気時に未加硫タイヤの側壁部分
のゴムが小径ベントホ−ル内に微小にはみ出す程度の大
きさであって、側壁部分2B,3Bの内面と未加硫タイ
ヤTの側壁部分11との間に残るわずかな隙間からの真
空排気に支障のない大きさに抑えられている。小径ベン
トホ−ル10の開口部10aが存在する上型2の外面に
は通気溝12が形成されている。この通気溝12は内部
収容空間Sを通して通気孔9に接続されている。
【0020】なお、符号13は上包囲治具4の内側に上
型2を一体に取り付け支持するためのねじ穴に固定され
たボルト、符号14は下包囲治具5の内側に下型3を一
体に取り付け支持するためのねじ穴に固定されたボルト
であり、上型2及び下型3はそれぞれ上包囲治具4及び
下包囲治具5に支持された状態で上下方向に閉動作及び
開動作を行うようになっている。また、上包囲治具4及
び下包囲治具5は一方が図示しない支持台に固定され、
他方が図示しない昇降装置に固定されている。さらに、
上包囲治具4の内面と上型2の上面との間、下包囲治具
5の内面と下型3の下面との間には、端部付近、ねじ穴
周囲の排気時にエアクリ−クが生じる部分にシ−ル部材
15が介在されている。
型2を一体に取り付け支持するためのねじ穴に固定され
たボルト、符号14は下包囲治具5の内側に下型3を一
体に取り付け支持するためのねじ穴に固定されたボルト
であり、上型2及び下型3はそれぞれ上包囲治具4及び
下包囲治具5に支持された状態で上下方向に閉動作及び
開動作を行うようになっている。また、上包囲治具4及
び下包囲治具5は一方が図示しない支持台に固定され、
他方が図示しない昇降装置に固定されている。さらに、
上包囲治具4の内面と上型2の上面との間、下包囲治具
5の内面と下型3の下面との間には、端部付近、ねじ穴
周囲の排気時にエアクリ−クが生じる部分にシ−ル部材
15が介在されている。
【0021】次に、図1及び図2を用いて、上記構造の
タイヤ加硫装置1を用いて未加硫タイヤTを加硫成形す
る方法を説明する。
タイヤ加硫装置1を用いて未加硫タイヤTを加硫成形す
る方法を説明する。
【0022】(1)型内部の所定位置に未加硫タイヤT
を配置し、型を閉じていく。 (2)図1に示すように、型を閉じる途中で、上下包囲
治具4、5がシ−ル部材8を介して上下方向に密閉状態
に嵌合する。上下包囲治具4、5が嵌合し始めた直後か
ら上下型が完全に閉じられるまでの間、通気孔9にバキ
ュ−ムポンプからの真空を印加して、上下型2、3と未
加硫タイヤTとの間の隙間S2に存在する空気を、上下
分割面Pに沿う隙間S1及び通気孔9を通して排気す
る。 (3)真空引きは約10秒以内の時間にわたり700P
a以下の絶対圧力になるまで実施する。 (4)図2に示すように、型を完全に閉じるとともにブ
ラダ−16で未加硫タイヤTを型内面に押し付けて加硫
する。 (5)加硫後は型を開いて加硫済みタイヤを取り出す。
を配置し、型を閉じていく。 (2)図1に示すように、型を閉じる途中で、上下包囲
治具4、5がシ−ル部材8を介して上下方向に密閉状態
に嵌合する。上下包囲治具4、5が嵌合し始めた直後か
ら上下型が完全に閉じられるまでの間、通気孔9にバキ
ュ−ムポンプからの真空を印加して、上下型2、3と未
加硫タイヤTとの間の隙間S2に存在する空気を、上下
分割面Pに沿う隙間S1及び通気孔9を通して排気す
る。 (3)真空引きは約10秒以内の時間にわたり700P
a以下の絶対圧力になるまで実施する。 (4)図2に示すように、型を完全に閉じるとともにブ
ラダ−16で未加硫タイヤTを型内面に押し付けて加硫
する。 (5)加硫後は型を開いて加硫済みタイヤを取り出す。
【0023】図3は、本発明の他の実施形態を示してお
り、図1と同一構造の部材には同一符号を付し、その説
明は省略する。図3において、符号2Dはビード環部分
2Aに隣接するシール部分、符号17Aはシール部分2
Dに隣接する上部クランプ部材を示しており、これらシ
ール部分2Dおよび上部クランプ部材17Aによりブラ
ダー16の上基端部16Aが保持されている。また、符
号3Dは図1のビード環部分3Aと上記シール部分2D
に相当する部分とが一体化された拡大ビード環部分、符
号17Bは拡大ビード環部分3Dに隣接する下部クラン
プ部材を示しており、これら拡大ビード環部分および下
部クランプ部材17Bによりブラダー16の下基端部1
6Bが保持されている。そして、シール部材15が、ビ
ード環部分2Aと側壁部分2Bとの間、ビード環部分2
Aとシール部分2Dとの間、および拡大ビード環部分3
Dと側壁部分3Bとの間にそれぞれ介在されている。こ
れにより、真空排気時におけるタイヤTのビード部周り
の密封効果をより一層高くすることができる。
り、図1と同一構造の部材には同一符号を付し、その説
明は省略する。図3において、符号2Dはビード環部分
2Aに隣接するシール部分、符号17Aはシール部分2
Dに隣接する上部クランプ部材を示しており、これらシ
ール部分2Dおよび上部クランプ部材17Aによりブラ
ダー16の上基端部16Aが保持されている。また、符
号3Dは図1のビード環部分3Aと上記シール部分2D
に相当する部分とが一体化された拡大ビード環部分、符
号17Bは拡大ビード環部分3Dに隣接する下部クラン
プ部材を示しており、これら拡大ビード環部分および下
部クランプ部材17Bによりブラダー16の下基端部1
6Bが保持されている。そして、シール部材15が、ビ
ード環部分2Aと側壁部分2Bとの間、ビード環部分2
Aとシール部分2Dとの間、および拡大ビード環部分3
Dと側壁部分3Bとの間にそれぞれ介在されている。こ
れにより、真空排気時におけるタイヤTのビード部周り
の密封効果をより一層高くすることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)上下包囲治具の密閉内部空間に上下型を収容し、
上下型の内部を含むその周囲を真空排気するようにして
いるから、従来の真空排気機構を持つタイヤ加硫装置に
比較して、上下型自体に真空排気機構としての通気孔や
排気流路管を加工形成する必要がなくなり、従来対比で
モ−ルド制作費用を低減することができる。また、モ−
ルドの交換が容易となる。 (2)1組の上下包囲治具を多数サイズのモ−ルドにつ
いて共用することができる。 (3)上下型の内部を含むその周囲を真空排気するか
ら、小径ベントホ−ルを追加工する場合には、上記従来
のタイヤ加硫装置では上下型内の排気流路につなげるよ
うに加工する必要があったのに対し、本タイヤ加硫装置
では上下型の内外面に連通するように加工すればよく、
加工が簡単である。
上下型の内部を含むその周囲を真空排気するようにして
いるから、従来の真空排気機構を持つタイヤ加硫装置に
比較して、上下型自体に真空排気機構としての通気孔や
排気流路管を加工形成する必要がなくなり、従来対比で
モ−ルド制作費用を低減することができる。また、モ−
ルドの交換が容易となる。 (2)1組の上下包囲治具を多数サイズのモ−ルドにつ
いて共用することができる。 (3)上下型の内部を含むその周囲を真空排気するか
ら、小径ベントホ−ルを追加工する場合には、上記従来
のタイヤ加硫装置では上下型内の排気流路につなげるよ
うに加工する必要があったのに対し、本タイヤ加硫装置
では上下型の内外面に連通するように加工すればよく、
加工が簡単である。
【図1】本発明の一実施形態を示すタイヤ加硫装置の上
下型を部分的に閉じた状態を示す断面図、
下型を部分的に閉じた状態を示す断面図、
【図2】図1に示すタイヤ加硫装置の上下型を完全に閉
じた状態を示す断面図、
じた状態を示す断面図、
【図3】本発明の他の実施形態を示すタイヤ加硫装置の
断面図である。
断面図である。
1 タイヤ加硫装置 2 上型 3 下型 2A、3A ビ−ド環部分 2B、3B 側壁部分 2C、3C トレッド環部分 4 上包囲治具 5 下包囲治具 6、7 嵌合部 8 シ−ル部材 9 通気孔 10 小径ベントホ−ル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 30:00
Claims (3)
- 【請求項1】各々がビ−ド環部分、側壁部分及びトレッ
ド環部分から成る上型と下型の内部に未加硫タイヤを配
置し、それら上下型内部を真空排気するとともに型を閉
じ、この状態で未加硫タイヤを加硫成形するようにした
タイヤ加硫装置において、互いに上下方向に嵌合すると
ともに前記上下型を内部空間に収容する上包囲治具及び
下包囲治具と、これら上下包囲治具の内部を密閉状態に
保持するシ−ル部材とを有して、それら上下包囲治具の
うちいずれか一方の側壁に自身の内外面に連通する通気
孔を形成し、この通気孔に外部の真空源から真空を印加
するようにしたことを特徴とするタイヤ加硫装置。 - 【請求項2】前記の上下型のいずれか一方に自身の内外
面に連通する小径ベントホ−ルが形成され、この小径ベ
ントホ−ルが開口する前記上下型のいずれかの外面また
は小径ベントホ−ルの開口部に対面する前記上下包囲治
具のいずれかの内面に前記小径ベントホ−ルの開口部に
連通する通気溝が形成され、この通気溝は前記通気孔に
連通することを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫装
置。 - 【請求項3】請求項1記載のタイヤ加硫装置を用いて未
加硫タイヤを加硫成形する方法において、(1)未加硫
タイヤを上下型の内部に配置し、(2)上下包囲治具が
互いに上下方向に嵌合した状態から上記上下型が完全に
閉じられるまでの間、前記通気孔に外部真空源からの真
空を印加することにより同上下型の上下分割線に沿って
形成される隙間を通して約20秒以内に2600Pa以
下の絶対圧力まで上下型の内部を含むその周囲を排気
し、(3)当該上下型を完全に閉じて未加硫タイヤを加
硫する、ことを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19724696A JPH09183124A (ja) | 1995-10-31 | 1996-07-26 | 真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-283707 | 1995-10-31 | ||
JP28370795 | 1995-10-31 | ||
JP19724696A JPH09183124A (ja) | 1995-10-31 | 1996-07-26 | 真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09183124A true JPH09183124A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=26510257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19724696A Pending JPH09183124A (ja) | 1995-10-31 | 1996-07-26 | 真空排気機構を有するタイヤ加硫装置とタイヤ加硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09183124A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000084934A (ja) * | 1998-09-11 | 2000-03-28 | Bridgestone Corp | タイヤの加硫成形装置および加硫成形方法 |
EP1211055A2 (en) * | 2000-11-29 | 2002-06-05 | Bridgestone Corporation | Vulcanization process for pneumatic tire and mold therefor |
KR100597430B1 (ko) * | 2004-10-01 | 2006-07-10 | 한국타이어 주식회사 | 타이어 가류금형 |
WO2013062698A1 (en) * | 2011-10-25 | 2013-05-02 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Convertible two piece sideplate |
JP2014051032A (ja) * | 2012-09-07 | 2014-03-20 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤの加硫装置および加硫方法 |
JP2017001352A (ja) * | 2015-06-15 | 2017-01-05 | 株式会社ブリヂストン | 未加硫タイヤの製造方法 |
JP2017065232A (ja) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | 東洋ゴム工業株式会社 | タイヤ加硫金型、タイヤ加硫装置及びタイヤの製造方法 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP19724696A patent/JPH09183124A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1211055A3 (en) * | 2000-11-29 | 2003-10-29 | Bridgestone Corporation | Vulcanization process for pneumatic tire and mold therefor |
US6896836B2 (en) | 2000-11-29 | 2005-05-24 | Bridgestone Corporation | Vulcanization process for pneumatic tire and mold therefor |
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