JPH09182858A - パチンコ機における打球供給皿取付用の前板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 打球供給皿が装着される前板の形状に柔軟性
を持たせることにより、斬新なデザインの実現を可能と
した打球供給皿取付用の前板を提供する。 【解決手段】 前面枠２の前面上下部にガラス扉枠４と
打球供給皿取付用の前板５とを開閉可能に装着してなる
パチンコ機において、金属製の基板１１と軸支板１２と
を同一平面上に別個に並置し、これら前面に合成樹脂製
の装飾板１３を配置して重合取着することにより前板５
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機の前面
に開閉可能に装着され、打球供給皿が取り付けられる前
板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のパチンコ機は、機枠の前面に遊技
盤が臨む窓孔を有した額縁状の前面枠が取着され、窓孔
の一側に遊技盤の上下部を覆うガラス扉枠及び打球供給
皿を装着した金属製の前板がそれぞれ開閉可能に軸装さ
れている。

【０００３】ところで、近時デザイン面での脱皮を図り
遊技者の遊技に対する魅力を増加させるために、パチン
コ機前面を斬新なデザインに変革しつつある。すなわ
ち、パチンコ機前面の合成樹脂化である。これは、合成
樹脂により形成すれば形状や色調が自由に選択できるこ
とによる。ところが、前記パチンコ機では前板が金属製
であって、その表面の平面的な模様でしか表現できない
ので、デザイン上限界が有り、前記合成樹脂化には対応
しきれないことから、例えば前板を合成樹脂により一体
に形成すると共にその裏面には強度を保持させるために
前板とほぼ同等の大きさからなる金属製の補強板を貼着
したパチンコ機が有る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記前
板は合成樹脂で形成され得ることから、裏面に複数の取
付用の突子や効果音発生用のスピーカーの透音孔などが
一体に設けられ、その裏面構造が複雑化しつつあり、一
枚板の補強板では邪魔になるという課題があった。そこ
で、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、同
一平面状に並置される金属製の基板及び軸支板と、これ
ら前面に配置される合成樹脂製の装飾板とを互いに一体
に重合させることにより、裏面構造が複雑であっても、
十分対処し得るパチンコ機における打球供給皿取付用の
前板を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は前面枠の前面上下部にガラス扉枠と打球供
給皿取付用の前板とを開閉可能に装着してなるパチンコ
機において、同一平面状に並置される金属製の基板及び
軸支板と、これら前面に配置される合成樹脂製の装飾板
とを互いに一体に重合して前板を形成する。そして、基
板の上端縁には前記ガラス扉枠の下端部が係合する係合
溝を設け、また軸支板には前記前面枠に軸着するための
軸支部を設けて構成される。このように、基板と軸支板
とに２分割するようにしたので、装飾板の裏面構造が複
雑化しても、容易に重合取着することができる。また、
基板，軸支板が重合取着されることから、前板は強度上
及び防犯上も従来のものと変らない。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるパチンコ機
における打球供給皿取付用の前板の実施の形態を図面と
共に説明する。なお、このパチンコ機は所謂カード式の
パチンコ機であるが、これに限られるものではない。図
１は本発明が適用されるパチンコ機の正面図である。図
において１はパチンコ機の機枠、２は機枠１の前面に開
閉自在に装着される前面枠であり、該前面枠２の後側に
遊技盤３が固設される。また、前面枠２の前面には、そ
の一方側の端部を支軸として前面枠２の他方側端部まで
を覆うガラス扉枠４と前板５が開閉可能に装着される。
前記遊技盤３の表面にガイドレール６が敷設され、該ガ
イドレール６で囲われる遊技部７に複数の入賞口や変動
入賞口等が配設される。そして、前記前板５の前面には
貯留球を打球発射部へ供給するための打球供給皿８が取
り付けられる。９は前面枠２の下部に設けられる余剰球
受皿、１０は操作ハンドルである。

【０００７】図２は打球供給皿８を取り付けた前板５の
前面斜視図、図３は同裏面斜視図、図４は前板５から打
球供給皿８を取り外した状態を示す斜視図、図５は前板
５及び打球供給皿８をそれぞれ分解して示す斜視図であ
る。前板５は、図３，図４に示されるように同一平面状
に並置される金属製の基板１１及び軸支板１２と、これ
らの前面に配置される合成樹脂製の装飾板１３とを互い
に一体に重合して形成されている。装飾板１３は横長長
方形状をなしており、該装飾板１３の中央部に、後述す
る打球供給皿８の球貯留部４９が対応する横長状の開口
１４が開設され、該開口１４の一側に打球供給皿８内に
貯留されるパチンコ球を余剰球受皿９へ排出するための
分流樋１５が連設される。また、装飾板１３の上端縁に
沿って、遊技するため打球として払い出されるパチンコ
球数及び残数などを表示するデジタル表示部１６が臨む
横長の長孔１７が開設されている。

【０００８】さらに、装飾板１３の一側上部に球貯留部
４９へ景品球を払い出す賞球口１８が開設され、その下
方にスピーカーの効果音を通すための透音孔１９が開設
されている。該透音孔１９の前面には周囲を囲うよう庇
板２０が突設される。また、装飾板１３の前面下縁に沿
って打球供給皿８を取り付ける時、ガイドの役目をする
水平な案内板２１が突設されている。２２，２３は装飾
板１３の適宜位置に設けられる取付用の小孔及びビス孔
２３ａを有する突子である。

【０００９】基板１１は装飾板１３の裏面に賞球口１８
側を残してその裏面を覆うように重合され、装飾板１３
の裏面に合致する大きさに形成されている。該基板１１
の上端縁は、装飾板１３の上端縁より上方へ突出してお
り、ガラス扉枠４の下端縁が係合する係合溝２４が形成
されている。また、前記長孔１７及び分流樋１５の下端
出口部２５に対応させて長孔２６及び切欠２７が開設さ
れる。更に、球貯留部４９の流下端部に対応させて流入
口２８が開設される。２９は基板１１裏面の一側に設け
られ、前記前面枠２側の掛止具（図示せず。）と係脱自
在に係合されるようにするための掛止片である。また、
装飾板１３の裏面に突設された複数の突子２３と対向す
る位置に、該突子２３が挿通される透孔３０が設けられ
ている。

【００１０】そして、上記基板１１は、その一側縁を装
飾板１３の裏面の一端に設けた段部３１の内側に嵌め込
み、また下端縁を装飾板１３の裏面下端に折曲形成した
底壁３２に支持させ、更に複数の透孔３０に突子２３が
挿通される。この状態で、基板１１裏面の長孔２６と合
致する位置にデジタル表示部１６が配置され、複数の小
孔３３を介しこれらと対向して長孔２６の周縁に突設さ
れた突子２３のビス孔２３ａにビスを螺合することによ
り取り付けられる。また、前記流入口２８と対向位置し
て、該流入口２８から流入するパチンコ球を打球発射部
へ１個ずつ送り出す打球供給装置３４が配置され、複数
の小孔３５を介して突子２３のビス孔２３ａにビスを螺
合することにより取り付けられる。

【００１１】軸支板１２は装飾板１３裏面の賞球口１８
側の側端部に重合され、装飾板１３より外側に突出する
先端縁に軸支部が設けられる。すなわち、その上下に軸
筒３６ａ，３６ｂが形成され、下部の軸筒３６ｂにはば
ね３７の牽引で下端を常に下方へ突出させるよう付勢さ
れた軸３８が嵌挿される。そして、上部の軸筒３６ａと
軸３８とが前面枠２の一側に支着されることとなる。ま
た、軸支板１２の下端縁は底壁３２で支持され、透孔３
０に装飾板１３の裏面に突設される突子２３が挿通され
る。なお、前板５および打球供給皿８などの機能を大き
く変えたとしても、基板１１または前板５及び打球供給
皿８の構造が変わるのみで軸支板１２が大きく変るとい
うことはなく、またこれにより外観的なデザインを自由
に変化させることができる。

【００１２】装飾板１３裏面の賞球口１８には景品球と
して払い出されるパチンコ球を球貯留部４９に導くため
の接続管３９が連設される。該接続管３９は、その下辺
に延設された鍔片４０で基板１１と軸支板１２の両端縁
が押さえ付けられる。この状態で、接続管３９の左右両
側に設けられた小孔４１，４１を介して突子２３のビス
孔２３ａにビスが螺締される。４２は、接続管３９の上
面及び両側を覆う金属製の保護板であり、両側の通孔４
３，４３が前記ビス孔２３ａ，２３ａと合致し、前記ビ
スの螺締により同時に取り付けられる。

【００１３】前記打球供給皿８は、貯留部材４４と、該
貯留部材４４の前面を覆う支持部材４５と、該支持部材
４５の前面に嵌め込まれ、左右両端部を前記前板５の前
面に止着させる略門状の取付部材４６と、該取付部材４
６と支持部材４５との間に嵌め込まれる結合部材４７と
が組み合わさって形成される。

【００１４】まず、貯留部材４４は、前面の側壁４８で
囲われ賞球口１８と連通する球貯留部４９が設けられ、
該球貯留部４９の下流側に、基板１１に設けた流入口２
８まで延設されパチンコ球を徐々に一列に流す整流部５
０が設けられている。

【００１５】整流部５０は、流下端が流入口２８と連通
しており、また、その位置に流入口２８にパチンコ球を
円滑に誘導する流路変更部５１が形成されると共に、流
入口２８の下辺に接し流路変更部５１の下方に分流口５
２が開設される。さらに、整流部５０の底面には耐摩耗
性を有する金属プレート５３が敷設され、パチンコ球の
転動に対する摩擦を減じて円滑なパチンコ球の流れをは
かり、底面の摩耗を防ぐようにしている。

【００１６】次に、支持部材４５は、前壁４５ａが両側
から曲線的に前方へ突設され、後面が開放した空洞状に
形成されている。そして、その一側に前記貯留部材４４
に貯留されるパチンコ球を余剰球受皿９へ抜き取るため
の抜取分流装置５４が設けられる。この抜取分流装置５
４は支持部材４５の上端に臨ませた押しボタン５５の下
部にばねで常に後側へ回動付勢されるてこ杆５６が配設
され、該てこ杆５６の下端に分岐板５７が水平に枢着さ
れる。該分岐板５７は貯留部材４４の側壁４８に設けた
長溝５８から分流口５２内に臨み該分流口５２を閉塞さ
せている。そして、押しボタン５５を押すことにより分
岐板５７が後退して分流口５２が開放し、これによりパ
チンコ球が分流樋１５を介して余剰球受皿９に流下され
る。

【００１７】さらに支持部材４５の他側には、前壁４５
ａの内側に装飾板１３に設けた透音孔１９及び庇板２０
と連なるよう透音孔５９及びその上方を囲う庇板６０が
設られ、庇板２０，６０の内側には図示しないスピーカ
が設置されるようになっている。さらにまた、支持部材
４５の両側四隅角にそれぞれ装飾板１３の前面に当接さ
れる当接面部６１が設けられる。

【００１８】更に、取付部材４６は支持部材４５の前壁
４５ａ前面に設けた凹部４５ｂに嵌まるように横長帯状
に形成され、その両端に装飾板１３に対する取付部６
２，６３が直交状に延設される。そして一方の取付部６
２は支持部材４５の一側端より突出され、他方の取付部
６３は支持部材４５の他側端に合致される。取付部６３
にはその内側に当接面部６１の外側縁に弾発的に係合す
る係合片６４が設けられている。取付部６３の外側には
さらに延長部６３ａが延設され、該延長部６３ａの後端
面に前記軸支板１２に設けた軸筒３６ａ，３６ｂを収容
させる凹部６５ａ，６５ｂが形成される。

【００１９】前記取付部材４６の裏面にはほぼ中間高さ
位置に後方へ突出する複数の突子６６が設けられ、該各
突子６６が支持部材４５の前壁４５ａに設けた軸筒６７
に挿通され、突子６６にビスを螺締することにより取付
部材４６が支持部材４５に嵌合される。そして、図２に
示すように取付部材４６と支持部材４５の前面中央に跨
って形成される凹窪部６８に結合部材４７が嵌入され、
結合部材４７の裏面に突出される突子６９，６９に支持
部材４５の裏側から小孔７０，７０を介しビス止めして
結合部材４７が固定される。

【００２０】さらに、支持部材４５の前壁４５ａ内側に
設けられる突起７１，７１のビス孔７１ａ，７１ａに貯
留部材４４の下端縁に設けられた通孔７２，７２からビ
スを締め付けることにより支持部材４５が貯留部材４４
に嵌合される。更にまた、前記取付部材４６を装飾板１
３の前面に当接させて、取付部６２の裏面に突出させた
各突子７３，７３と貯留部材４４の裏面一側のビス孔７
４，７４に基板１１及び軸支板１２の裏面から小孔３０
ａ，・・・を介してビスを挿通して締め付けることで図２
に示すように打球供給皿８の組み立てが完成する。打球
供給皿８を貯留部材４４と支持部材４５と取付部材４６
の三部材で構成したので、これらの色合いを取り換える
ことにより装飾的なバリエイションが可能となる。

【００２１】このように、別個に並置される基板１１及
び軸支板１２と装飾板１３とをそれぞれ一体に重合取着
して、前板５を形成するようにしているので、装飾板１
３の複雑な構造に対応し易い。また、必要十分な強度は
保持でき、しかも、遊技者が例えば前板５にその前面か
ら熱い鉄棒などを押し付け、樹脂を溶かして穴を開け、
そこからピアノ線等を差し込んで行うという不正行為も
防止される。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る打球供
給皿取付用の前板は、同一平面状に別個に並置される金
属製の基板及び軸支板と、これら前面に配置される合成
樹脂製の装飾板とを重合取着して形成したので、装飾板
の裏面が複雑な構造であっても十分対応することがで
き、装飾板の形状に柔軟性が持たせられる。これによ
り、打球供給皿の外観形状も自由に選定でき斬新なデザ
インの実現が可能となるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるパチンコ機の正面図。

【図２】打球供給皿を取り付けた前板の前面斜視図。

【図３】同裏面斜視図。

【図４】前板の前面斜視図。

【図５】打球供給皿及び前板の分解斜視図。

【図６】同側面断面図。

【符号の説明】

２ 前面枠 ４ ガラス扉枠 ５ 前板 ８ 打球供給皿 １１ 基板 １２ 軸支板 １３ 装飾板 ２４ 係合溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面枠の前面上下部にガラス扉枠と打球
   供給皿取付用の前板とを開閉可能に装着してなるパチン
   コ機において、同一平面状に並置される金属製の基板及
   び軸支板と、これら前面に配置される合成樹脂製の装飾
   板とを互いに一体に重合して前板を形成し、基板の上端
   縁には前記ガラス扉枠の下端部が係合する係合溝を設
   け、また軸支板には前記前面枠に軸着するための軸支部
   を設けたことを特徴とするパチンコ機における打球供給
   皿取付用の前板。