JPH09181363A - 強誘電体薄膜素子 - Google Patents
強誘電体薄膜素子Info
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- JPH09181363A JPH09181363A JP7336480A JP33648095A JPH09181363A JP H09181363 A JPH09181363 A JP H09181363A JP 7336480 A JP7336480 A JP 7336480A JP 33648095 A JP33648095 A JP 33648095A JP H09181363 A JPH09181363 A JP H09181363A
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Landscapes
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- Micromachines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 小型で実用的あるいは高性能の強誘電体薄膜
素子構造構造およびこれを実現する製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アモルファスあるいは多結晶状態の岩塩
型結晶材料の基板1の表面に対して、同種材料の(10
0)配向膜7を形成したのち、下部電極2、強誘電体薄
膜圧電薄膜3、絶縁層4を形成しパターニングした後、
この裏面にあたる部分の基板を取り除き、空隙層5を形
成する。さらにこの上部電極6を設けることにより焦電
センサ素子を構成する。
素子構造構造およびこれを実現する製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アモルファスあるいは多結晶状態の岩塩
型結晶材料の基板1の表面に対して、同種材料の(10
0)配向膜7を形成したのち、下部電極2、強誘電体薄
膜圧電薄膜3、絶縁層4を形成しパターニングした後、
この裏面にあたる部分の基板を取り除き、空隙層5を形
成する。さらにこの上部電極6を設けることにより焦電
センサ素子を構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体薄膜素子
とその製造方法に関するものであり、特に、強誘電体を
用いた焦電および圧電素子の製造に関するものである。
とその製造方法に関するものであり、特に、強誘電体を
用いた焦電および圧電素子の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ABO3で構成されるペロブスカ
イト型構造有する強誘電体の薄膜材料が注目されてい
る。その中で(Ba,Sr)TiO3系、(Pb,L
a)(Zr,Ti)O3系、Bi−Sr−(Ti,T
a)−O3系に代表される強誘電体は、優れた強誘電
性、圧電性、焦電性、電気光学特性等を示し、これを利
用した種々の機能デバイスが検討されている。半導体I
Cの分野においては、新しいデバイス”不揮発性メモリ
ー”への応用が期待されており研究開発が激化している
が、焦電性を利用した赤外線センサや圧電性を利用した
加速度センサなどのに対する需要が急速に高まってい
る。
イト型構造有する強誘電体の薄膜材料が注目されてい
る。その中で(Ba,Sr)TiO3系、(Pb,L
a)(Zr,Ti)O3系、Bi−Sr−(Ti,T
a)−O3系に代表される強誘電体は、優れた強誘電
性、圧電性、焦電性、電気光学特性等を示し、これを利
用した種々の機能デバイスが検討されている。半導体I
Cの分野においては、新しいデバイス”不揮発性メモリ
ー”への応用が期待されており研究開発が激化している
が、焦電性を利用した赤外線センサや圧電性を利用した
加速度センサなどのに対する需要が急速に高まってい
る。
【0003】これらの材料の特性の向上あるいは小型化
・集積化のためにはその薄膜化の達成が非常に重要であ
る。またその高性能化を考えた場合、単結晶薄膜あるい
は配向膜であることが望ましく、ヘテロエピタキシャル
成長技術の開発が重要である。これらに関する研究は、
様々な研究機関で行われ、特定の系については、すでに
実験段階では達成されたといってよいものがあるが、実
用化量産化段階において、組成・結晶構造を制御して所
望の特性を有する薄膜を再現性よく得ることは、一般に
は容易ではなく、また、上記焦電・圧電素子において
は、実装技術やマイクロマシンニングの技術の開発も急
務となっている。
・集積化のためにはその薄膜化の達成が非常に重要であ
る。またその高性能化を考えた場合、単結晶薄膜あるい
は配向膜であることが望ましく、ヘテロエピタキシャル
成長技術の開発が重要である。これらに関する研究は、
様々な研究機関で行われ、特定の系については、すでに
実験段階では達成されたといってよいものがあるが、実
用化量産化段階において、組成・結晶構造を制御して所
望の特性を有する薄膜を再現性よく得ることは、一般に
は容易ではなく、また、上記焦電・圧電素子において
は、実装技術やマイクロマシンニングの技術の開発も急
務となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記焦電・圧電センサ
の開発においては、その高性能化を考えた場合、単結晶
薄膜あるいは配向膜であることが望ましく、そのエピタ
キシャル成長の基板としては今のところMgO、SrT
iO3などの(100)面単結晶基板が用いられている
が、これらは何れも大面積なものは得難く、高価でコス
ト的には不利である。
の開発においては、その高性能化を考えた場合、単結晶
薄膜あるいは配向膜であることが望ましく、そのエピタ
キシャル成長の基板としては今のところMgO、SrT
iO3などの(100)面単結晶基板が用いられている
が、これらは何れも大面積なものは得難く、高価でコス
ト的には不利である。
【0005】加えて、焦電・圧電素子は、それぞれ熱絶
縁や駆動部分を確保する意味で、強誘電体薄膜部分を自
立させる必要があり、しばしば基板を一部取り除くなど
のエッチング/マイクロマシンニング技術が適用される
ケースが多く、基板材料の選定・取扱が課題となってい
る。一方では、犠牲層を設けるなどの技術も開発されつ
つあるが、良質な強誘電体薄膜を形成するに十分な結晶
性と、素子機能を発揮できる十分な空隙層を確保するこ
とは容易ではない。
縁や駆動部分を確保する意味で、強誘電体薄膜部分を自
立させる必要があり、しばしば基板を一部取り除くなど
のエッチング/マイクロマシンニング技術が適用される
ケースが多く、基板材料の選定・取扱が課題となってい
る。一方では、犠牲層を設けるなどの技術も開発されつ
つあるが、良質な強誘電体薄膜を形成するに十分な結晶
性と、素子機能を発揮できる十分な空隙層を確保するこ
とは容易ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安価で実
用的、あるいは高性能な小型焦電・圧電素子を構築する
基板として、単結晶状態に比べ非常に安価で大面積のア
モルファスもしくは多結晶状態の岩塩型結晶材料を用い
る。このような基板に直接、あるいはPt、Pdまたは
Auの下地電極薄膜を介して形成された強誘電体薄膜
は、基板の結晶状態を反映して、一般に多結晶状態で、
材料指数的には高感度は期待できないが、安価で実用的
な素子を実現することができることを見いだし発明に至
ったものである。またさらに、このような基板に対し、
表面に(100)配向面を有する岩塩型結晶材料の薄膜
を形成した場合には、(100)面単結晶基板に形成し
た場合と同じく、高性能な(001)配向性の強誘電体
薄膜を得ることができ、岩塩型結晶材料である基板・薄
膜ともに加工が容易なので、高性能な素子を実現するこ
とができることを見いだし発明に至ったものである。
用的、あるいは高性能な小型焦電・圧電素子を構築する
基板として、単結晶状態に比べ非常に安価で大面積のア
モルファスもしくは多結晶状態の岩塩型結晶材料を用い
る。このような基板に直接、あるいはPt、Pdまたは
Auの下地電極薄膜を介して形成された強誘電体薄膜
は、基板の結晶状態を反映して、一般に多結晶状態で、
材料指数的には高感度は期待できないが、安価で実用的
な素子を実現することができることを見いだし発明に至
ったものである。またさらに、このような基板に対し、
表面に(100)配向面を有する岩塩型結晶材料の薄膜
を形成した場合には、(100)面単結晶基板に形成し
た場合と同じく、高性能な(001)配向性の強誘電体
薄膜を得ることができ、岩塩型結晶材料である基板・薄
膜ともに加工が容易なので、高性能な素子を実現するこ
とができることを見いだし発明に至ったものである。
【0007】本発明にかかる強誘電体薄膜素子およびそ
の製造方法においては、アモルファスもしくは多結晶状
態の岩塩型結晶材料を用いることで、安価で実用的な素
子を実現するとともに、同種の材料の配向膜をその表面
に形成することで、単結晶基板と同様の加工性と性能を
有する強誘電体薄膜素子を実現している点に大きな特色
がある。
の製造方法においては、アモルファスもしくは多結晶状
態の岩塩型結晶材料を用いることで、安価で実用的な素
子を実現するとともに、同種の材料の配向膜をその表面
に形成することで、単結晶基板と同様の加工性と性能を
有する強誘電体薄膜素子を実現している点に大きな特色
がある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下では本発明の発明の実施の形
態における強誘電体薄膜素子について図面を参照しなが
ら説明する。
態における強誘電体薄膜素子について図面を参照しなが
ら説明する。
【0009】(第1の発明の実施の形態)以下では本発
明第1の発明の実施の形態における強誘電体薄膜素子と
して、例えば焦電素子とその作製行程を図1および図2
に示す。基板1としては、多結晶状態の岩塩型結晶材
料、たとえばφ4’の多結晶MgO基板を用いて、下地
電極2(たとえば1000Å程度のPt薄膜)を形成す
る。さらに、この上に強誘電体薄膜3(例えば焦電性材
料Pb0.9La0.1Ti0.975O3(以下、PLTと略
す))を形成する。
明第1の発明の実施の形態における強誘電体薄膜素子と
して、例えば焦電素子とその作製行程を図1および図2
に示す。基板1としては、多結晶状態の岩塩型結晶材
料、たとえばφ4’の多結晶MgO基板を用いて、下地
電極2(たとえば1000Å程度のPt薄膜)を形成す
る。さらに、この上に強誘電体薄膜3(例えば焦電性材
料Pb0.9La0.1Ti0.975O3(以下、PLTと略
す))を形成する。
【0010】発明者らは、これまで、(100)面の単
結晶MgO基板に対しては、Pt薄膜をスパッタリング
法を用いて少なくとも450℃以上の基板温度で形成す
れば、(100)配向Pt膜をエピタキシャルに得るこ
とができ、さらにこの上に、20%程度過剰のPbOを
添加したPb0.9La0.1Ti0.975O3+0.2PbOな
る組成の焼結体ターゲットを用い、アルゴン酸素の混合
ガス雰囲気で少なくとも550℃以上の基板温度でスパ
ッタリングを行うことで、1〜10ミクロンの(00
1)配向性のPLT薄膜をエピタキシャルに得ることが
できることを見いだしている。
結晶MgO基板に対しては、Pt薄膜をスパッタリング
法を用いて少なくとも450℃以上の基板温度で形成す
れば、(100)配向Pt膜をエピタキシャルに得るこ
とができ、さらにこの上に、20%程度過剰のPbOを
添加したPb0.9La0.1Ti0.975O3+0.2PbOな
る組成の焼結体ターゲットを用い、アルゴン酸素の混合
ガス雰囲気で少なくとも550℃以上の基板温度でスパ
ッタリングを行うことで、1〜10ミクロンの(00
1)配向性のPLT薄膜をエピタキシャルに得ることが
できることを見いだしている。
【0011】典型的な焦電センサとしての材料指数γ/
εは、γ/ε=4x10-8C/cm 2・K/200程度
である。この多層構造膜に対し、図2に示すように、フ
ァトレジストをマスクとして、ウエットエッチング(弗
/硝酸)によりPLT薄膜を、Arプラズマエッチング
によりPt電極を、それぞれパターンニングする(図2
(b))。次にエッチングホールかつ絶縁層の役割を果
たす絶縁膜4(ポリイミド樹脂)を形成したのち(図2
(c))、PLT薄膜の裏面のMgOをウエットエッチ
ング(燐酸)により取り除き空隙層5を設け(図2
(d))、最後に上部電極6(NiCr薄膜)を形成す
ると焦電センサ素体が構成される(図2(e))。焦電
センサ素体としての性能、比検出能D*(30Hz)を
評価すると、典型的には4x108cm・Hz1/2/Wで
あった。
εは、γ/ε=4x10-8C/cm 2・K/200程度
である。この多層構造膜に対し、図2に示すように、フ
ァトレジストをマスクとして、ウエットエッチング(弗
/硝酸)によりPLT薄膜を、Arプラズマエッチング
によりPt電極を、それぞれパターンニングする(図2
(b))。次にエッチングホールかつ絶縁層の役割を果
たす絶縁膜4(ポリイミド樹脂)を形成したのち(図2
(c))、PLT薄膜の裏面のMgOをウエットエッチ
ング(燐酸)により取り除き空隙層5を設け(図2
(d))、最後に上部電極6(NiCr薄膜)を形成す
ると焦電センサ素体が構成される(図2(e))。焦電
センサ素体としての性能、比検出能D*(30Hz)を
評価すると、典型的には4x108cm・Hz1/2/Wで
あった。
【0012】さて、本発明にかかる多結晶MgO基板に
対し、単結晶基板と同様の条件でPt、PLT薄膜を形
成したところ、図3に示すようなX線回折パターンの多
層構造膜が得られた。この図3の結果から明らかなよう
に、(100)および(110)の回折ピークを有する
多結晶MgO基板に対し、Pt薄膜は(100)および
(111)配向を示して成長し、これに対する強誘電体
薄膜も(001)および(111)配向を示して成長し
ている。焦電センサとしての材料指数γ/εを評価した
ところ、γ/ε=2x10-8C/cm2・K/250で
あり、(100)面の単結晶MgO基板を用いた場合の
1/2未満と劣っていた。この多層構造膜に対し、図2
の作製工程を用いて作製した焦電センサにおいても、素
体としての性能、比検出能D*を評価したところ、1.
5x108cm・Hz1/2/Wとやはり小さい。しかしこ
の値はバルク焼結体を用いた焦電センサ素子に比べ2倍
程度あり、材料指数や素子構成(熱容量が小さい)の点
でやや優れていることによると思われる。したがって、
本発明の実施の形態の構成のように多結晶状態のMgO
基板を用いる構成によって、従来のバルク素子に比べ高
性能で実用的な焦電センサ素子を得ることが見いだされ
た。
対し、単結晶基板と同様の条件でPt、PLT薄膜を形
成したところ、図3に示すようなX線回折パターンの多
層構造膜が得られた。この図3の結果から明らかなよう
に、(100)および(110)の回折ピークを有する
多結晶MgO基板に対し、Pt薄膜は(100)および
(111)配向を示して成長し、これに対する強誘電体
薄膜も(001)および(111)配向を示して成長し
ている。焦電センサとしての材料指数γ/εを評価した
ところ、γ/ε=2x10-8C/cm2・K/250で
あり、(100)面の単結晶MgO基板を用いた場合の
1/2未満と劣っていた。この多層構造膜に対し、図2
の作製工程を用いて作製した焦電センサにおいても、素
体としての性能、比検出能D*を評価したところ、1.
5x108cm・Hz1/2/Wとやはり小さい。しかしこ
の値はバルク焼結体を用いた焦電センサ素子に比べ2倍
程度あり、材料指数や素子構成(熱容量が小さい)の点
でやや優れていることによると思われる。したがって、
本発明の実施の形態の構成のように多結晶状態のMgO
基板を用いる構成によって、従来のバルク素子に比べ高
性能で実用的な焦電センサ素子を得ることが見いだされ
た。
【0013】(第2の発明の実施の形態)以下では、本
発明第2の発明の実施の形態における強誘電体薄膜素子
について図面を参照しながら説明する。
発明第2の発明の実施の形態における強誘電体薄膜素子
について図面を参照しながら説明する。
【0014】本発明の実施の形態では、上記の第1の発
明の実施の形態と同様に多結晶状態のMgO基板を用い
て、優れた材料指数が期待できる(001)配向のPL
T薄膜を得る場合について述べる。図4は本発明の実施
の形態における強誘電体薄膜素子の断面図を示したもの
である。本発明の実施の形態の構成においては、上記の
第1の発明の実施の形態における図1に示した構成と異
なり、多結晶状態のMgO基板1の表面に(100)配
向面を有する岩塩型結晶材料の薄膜7(例えば、(10
0)MgO薄膜)を第1層として形成する。今のところ
このような基板条件では、プラズマMOCVD法が唯一
可能な形成方法であり、原料ガスにマグネシウムアセチ
ルアセトナートの蒸気および酸素の混合ガスを用い、基
板1を400℃に加熱して行い、厚さ1μmのほぼ10
0%(100)に配向したMgO薄膜を得ることができ
る。
明の実施の形態と同様に多結晶状態のMgO基板を用い
て、優れた材料指数が期待できる(001)配向のPL
T薄膜を得る場合について述べる。図4は本発明の実施
の形態における強誘電体薄膜素子の断面図を示したもの
である。本発明の実施の形態の構成においては、上記の
第1の発明の実施の形態における図1に示した構成と異
なり、多結晶状態のMgO基板1の表面に(100)配
向面を有する岩塩型結晶材料の薄膜7(例えば、(10
0)MgO薄膜)を第1層として形成する。今のところ
このような基板条件では、プラズマMOCVD法が唯一
可能な形成方法であり、原料ガスにマグネシウムアセチ
ルアセトナートの蒸気および酸素の混合ガスを用い、基
板1を400℃に加熱して行い、厚さ1μmのほぼ10
0%(100)に配向したMgO薄膜を得ることができ
る。
【0015】さて、このように、表面に(100)Mg
O薄膜を形成した多結晶MgO基板に対し、先程と同様
の条件でPt、PLT薄膜を形成したところ、図5に示
すようにX線回折パターンの多層構造膜が得られた。本
発明の実施の形態においては、上記の第1の発明の実施
の形態における図3の場合と異なり、(100)および
(110)の回折ピークを有する多結晶MgO基板に対
し、Pt薄膜は(100)配向を示して成長し、これに
対する強誘電体薄膜も(001)配向を示して成長して
いることがわかる。多結晶MgO基板表面上に設けた
(100)MgO薄膜とのエピタキシャル関係によっ
て、(100)Pt薄膜、(001)PLT薄膜が成長
したものと考えられる。焦電センサとしての材料指数γ
/εを評価したところ、γ/ε=4x10-8C/cm2
・K/250であり、(100)面の単結晶MgO基板
を用いた(001)PLT配向膜の場合と同等の値を有
していた。またさらに、この多層構造膜に対し、図2の
作製工程を用いて作製した焦電センサにおいても、素体
としての性能、比検出能D*を評価したところ、4x1
08cm・Hz1/2/Wとやはり(100)面の単結晶M
gO基板を用いた(001)PLT配向膜の場合と同等
の値を有していたおり、バルク焼結体を用いた焦電セン
サ素子に比べ7倍程度あり、材料指数や素子構成(熱容
量が小さい)の点で優れていることによると思われる。
O薄膜を形成した多結晶MgO基板に対し、先程と同様
の条件でPt、PLT薄膜を形成したところ、図5に示
すようにX線回折パターンの多層構造膜が得られた。本
発明の実施の形態においては、上記の第1の発明の実施
の形態における図3の場合と異なり、(100)および
(110)の回折ピークを有する多結晶MgO基板に対
し、Pt薄膜は(100)配向を示して成長し、これに
対する強誘電体薄膜も(001)配向を示して成長して
いることがわかる。多結晶MgO基板表面上に設けた
(100)MgO薄膜とのエピタキシャル関係によっ
て、(100)Pt薄膜、(001)PLT薄膜が成長
したものと考えられる。焦電センサとしての材料指数γ
/εを評価したところ、γ/ε=4x10-8C/cm2
・K/250であり、(100)面の単結晶MgO基板
を用いた(001)PLT配向膜の場合と同等の値を有
していた。またさらに、この多層構造膜に対し、図2の
作製工程を用いて作製した焦電センサにおいても、素体
としての性能、比検出能D*を評価したところ、4x1
08cm・Hz1/2/Wとやはり(100)面の単結晶M
gO基板を用いた(001)PLT配向膜の場合と同等
の値を有していたおり、バルク焼結体を用いた焦電セン
サ素子に比べ7倍程度あり、材料指数や素子構成(熱容
量が小さい)の点で優れていることによると思われる。
【0016】以上の発明の実施の形態は、多結晶状態の
岩塩型結晶材料MgOを用いた場合であが、さらに結晶
化度の低い、アモルファス状態に近いものを用いた場合
には、その上に直接Pt電極やPLT薄膜を形成する場
合にはさらに焦電センサ素体の特性は低下するものの熱
容量が小さいなど素子構成の利点から従来のバルク素子
以上の特性が期待でき、表面に(100)MgO薄膜を
設ける場合においては、(100)面の単結晶MgO基
板を用いる場合と全く同等の特性の焦電センサ素体を、
はるかに安価に得ることができる。
岩塩型結晶材料MgOを用いた場合であが、さらに結晶
化度の低い、アモルファス状態に近いものを用いた場合
には、その上に直接Pt電極やPLT薄膜を形成する場
合にはさらに焦電センサ素体の特性は低下するものの熱
容量が小さいなど素子構成の利点から従来のバルク素子
以上の特性が期待でき、表面に(100)MgO薄膜を
設ける場合においては、(100)面の単結晶MgO基
板を用いる場合と全く同等の特性の焦電センサ素体を、
はるかに安価に得ることができる。
【0017】本発明者らは、岩塩型結晶材料としては、
MgOの他NiO、CoOを用いることができ、何れも
プラズマMOCVD法を用いて(100)配向膜を得る
ことや、ウエットエチングが可能であることを確認し
た。また、下地電極膜についても、上記発明の実施の形
態においては強誘電体薄膜形成時の下地としているが基
板に貫通穴を設ける場合には後付けしてもよく、Ptの
ほか、PdおよびAuが有効であることを確認した。ま
た、強誘電体薄膜についても、PLT系の他、(Ba,
Sr)TiO3系、(Pb,La)(Zr,Ti)O
3系、Bi−Sr−(Ti,Ta)−O3系のペロブスカ
イト構造の強誘電体材料に適用できることを確認した。
MgOの他NiO、CoOを用いることができ、何れも
プラズマMOCVD法を用いて(100)配向膜を得る
ことや、ウエットエチングが可能であることを確認し
た。また、下地電極膜についても、上記発明の実施の形
態においては強誘電体薄膜形成時の下地としているが基
板に貫通穴を設ける場合には後付けしてもよく、Ptの
ほか、PdおよびAuが有効であることを確認した。ま
た、強誘電体薄膜についても、PLT系の他、(Ba,
Sr)TiO3系、(Pb,La)(Zr,Ti)O
3系、Bi−Sr−(Ti,Ta)−O3系のペロブスカ
イト構造の強誘電体材料に適用できることを確認した。
【0018】また、本発明者らは、優れた圧電性が期待
できるPb(Zr,Ti)O3系の薄膜化と素子化を行
ってきたが、強誘電体薄膜は高性能化ためには配向膜で
あることが望ましいことやその機械的な駆動領域を確保
する意味で基板に空隙層を設けることが必要であること
などから、成膜方法や素子構成は焦電センサの場合と基
本的に同じで、本発明により原理的に実現できることを
確認した。
できるPb(Zr,Ti)O3系の薄膜化と素子化を行
ってきたが、強誘電体薄膜は高性能化ためには配向膜で
あることが望ましいことやその機械的な駆動領域を確保
する意味で基板に空隙層を設けることが必要であること
などから、成膜方法や素子構成は焦電センサの場合と基
本的に同じで、本発明により原理的に実現できることを
確認した。
【0019】
【発明の効果】本発明者らは、安価で実用的、さらに高
性能な小型焦電・圧電素子などの強誘電体薄膜素子およ
びその製造プロセスが提供され、工業上極めて大きな価
値を有するものである。単結晶に比べ非常に安価で大面
積化が可能なアモルファスもしくは多結晶状態の岩塩型
結晶材料基板を用い、さらに同種の材料の配向膜をその
表面に形成する技術をもって、単結晶基板と同様の加工
性と性能を有する強誘電体薄膜素子を実現できる。
性能な小型焦電・圧電素子などの強誘電体薄膜素子およ
びその製造プロセスが提供され、工業上極めて大きな価
値を有するものである。単結晶に比べ非常に安価で大面
積化が可能なアモルファスもしくは多結晶状態の岩塩型
結晶材料基板を用い、さらに同種の材料の配向膜をその
表面に形成する技術をもって、単結晶基板と同様の加工
性と性能を有する強誘電体薄膜素子を実現できる。
【図1】本発明第1の発明の実施の形態における強誘電
体薄膜素子の構造を示す断面図
体薄膜素子の構造を示す断面図
【図2】本発明第1の発明の実施の形態における強誘電
体薄膜素子の製造工程断面図
体薄膜素子の製造工程断面図
【図3】本発明第1の発明の実施の形態おける強誘電体
薄膜素子のX線回折パターンを示す図
薄膜素子のX線回折パターンを示す図
【図4】本発明第2の発明の実施の形態における強誘電
体薄膜素子の構造を示す断面図
体薄膜素子の構造を示す断面図
【図5】本発明第2の発明の実施の形態における強誘電
体薄膜素子のX線回折パターンを示す図
体薄膜素子のX線回折パターンを示す図
1 基板 2 下地電極 3 強誘電体薄膜 4 絶縁層 5 空隙層 6 上部電極 7 岩塩型結晶材料薄膜
Claims (5)
- 【請求項1】基体として、アモルファスもしくは多結晶
状態の岩塩型結晶材料を用いたことを特徴とする強誘電
体薄膜素子。 - 【請求項2】基体の表面にPt、PdまたはAu薄膜を
設けたことを特徴とする請求項1記載の強誘電体薄膜素
子。 - 【請求項3】基体の表面に(100)配向面を有する岩
塩型結晶材料の薄膜を設けたことを特徴とする請求項1
記載の強誘電体薄膜素子。 - 【請求項4】基体表面に設けた(100)配向面を有す
る岩塩型結晶材料の薄膜上に、(100)配向のPt、
PdまたはAu薄膜を設けたことを特徴とする請求項3
記載の強誘電体薄膜素子。 - 【請求項5】岩塩型結晶材料の強誘電体薄膜裏面にあた
る部分を一部取り除き空隙層を設けたことを特徴とする
請求項1〜4いずれかに記載の強誘電体薄膜素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7336480A JPH09181363A (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 強誘電体薄膜素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7336480A JPH09181363A (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 強誘電体薄膜素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09181363A true JPH09181363A (ja) | 1997-07-11 |
Family
ID=18299574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7336480A Pending JPH09181363A (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 強誘電体薄膜素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09181363A (ja) |
-
1995
- 1995-12-25 JP JP7336480A patent/JPH09181363A/ja active Pending
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