JPH09181319A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JPH09181319A
JPH09181319A JP33749395A JP33749395A JPH09181319A JP H09181319 A JPH09181319 A JP H09181319A JP 33749395 A JP33749395 A JP 33749395A JP 33749395 A JP33749395 A JP 33749395A JP H09181319 A JPH09181319 A JP H09181319A
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JP
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film
insulating film
gate insulating
gate
wiring
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JP33749395A
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Kazuhiko Mikami
一彦 三上
Hirotaka Arita
宏隆 有田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート絶縁膜に発生した成膜欠陥部における
絶縁耐圧の低下を抑制し、配線間ショートを大幅に低下
させることができると共に、ゲート電極と半導体膜との
間のリーク電流を抑制した良好な特性のTFTを形成す
ることができるTFTの製造方法を提供する。 【解決手段】 TFTの製造方法において、ゲート配線
12上に第1ゲート絶縁膜13を積層する工程の後、第1ゲ
ート絶縁膜13の成膜欠陥部14に露出しているゲート配線
12の金属膜表面を、酸素を含むプラズマ処理もしくは酸
素雰囲気中での加熱処理により酸化せしめる工程を行な
い、その後に第1ゲート絶縁膜13上に第2ゲート絶縁膜
16を積層する工程と、第2ゲート絶縁膜16上に金属膜18
もしくは非晶質シリコンから成る半導体層を積層する工
程を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に用い
られる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリックス方式の液晶表示
装置は単純マトリックス方式のものと比べてコントラス
トが高く、多階調表示特性に優れており、特に、スイッ
チング素子として電界効果型の薄膜トランジスタを使用
したアクティブマトリックス方式の液晶表示装置はCR
T(Cathode-Ray Tube)と同等の画質が得られるように
なっている。
【0003】そのようなアクティブマトリックス方式の
液晶表示装置に液晶を駆動するスイッチング素子として
用いられる電界効果型の薄膜トランジスタ(以下、TF
Tと略す)は、ベースとなるガラス基板上に画素電極と
ともにマトリックスアレイ状に形成され、個々の画素を
独立して表示駆動するものである。
【0004】以下、従来のTFTの構成および製造方法
について、図7に示すTFT基板の断面図に基づき説明
する。
【0005】図7において、1は絶縁性の透明ベース基
板(透明絶縁性基板)であり、ガラス等より成る基板の
表面に二酸化珪素(SiO2 )あるいは5酸化タンタル
(Ta2 5 )等より成るベース絶縁膜が形成されたも
のである。2はタンタル(Ta)等の金属膜より成るT
FTのゲート配線、3は酸化シリコン(SiOx )より
成る第1ゲート絶縁膜、4は窒化シリコン(SiNx
より成る第2ゲート絶縁膜である。また、5はソース電
極またはドレイン電極を形成するためのアルミニウム
(Al)等より成る金属膜である。
【0006】なお、TFTが形成される箇所において
は、第2ゲート絶縁膜4と金属膜5との間に、例えばi
型非晶質シリコンより成る第1の半導体膜およびn+
非晶質シリコンより成る第2の半導体膜が積層され、ゲ
ート配線2と共にパターニングされているゲート電極の
上部に残るようにエッチングによりパターニングされて
形成されている(図示せず)。
【0007】従来のTFTの製造方法においては、ゲー
ト配線2の上に第1ゲート絶縁膜(SiOx )3と第2
ゲート絶縁膜(SiNx )4を成膜する場合、第1ゲー
ト絶縁膜3の成膜後に特に処理を行なうことなく、続け
て第2ゲート絶縁膜4を成膜していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成において、
第2ゲート絶縁膜(SiNx )4は残留応力が高いため
にクラックが発生し易く、また成膜中のパーティクルの
発生が多いためにピンホールが発生し易い膜である。そ
のため、図8に図7と同様の断面図で示すように、ゲー
ト配線2上の膜中にもクラックやピンホール等の欠陥6
が発生し易く、そのために絶縁性が低下するという問題
点があった。また、そのような欠陥6と第1ゲート絶縁
膜3に同様に発生したクラックやピンホール等の欠陥7
が重なる場所においては、ゲート絶縁膜の耐圧性がさら
に低下してしまうため、それが金属膜5から形成したソ
ース配線とゲート配線2とがクロスする場所に該当する
場合では両配線のクロスショート(配線間ショート)が
発生して不良となってしまい、TFTの半導体膜とゲー
ト電極との間の場所に該当する場合ではリーク電流が増
大してトランジスタ特性が不良となってしまうという問
題点があった。
【0009】そのため、第1および第2ゲート絶縁膜3
・4の成膜には多大の注意を払い、成膜装置のメンテナ
ンスを頻繁に行なう等して、欠陥6・7を低減する努力
がなされているが、いずれも完全になくすことができな
いため、ゲート絶縁膜の絶縁破壊による配線間ショート
やトランジスタ特性の不良の発生をなくすことができ
ず、製造歩留りを低下させる原因ともなっていた。
【0010】本発明はそのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、第1ゲート絶縁
膜の欠陥と第2ゲート絶縁膜の欠陥とが重なる場合にお
いても絶縁耐圧の低下を抑制し、配線間ショートの不良
発生を大幅に低下させることができると共に、TFT部
においては第1ゲート絶縁膜の欠陥と第2ゲート絶縁膜
の欠陥とが重なる場所におけるゲート電極と半導体膜と
の間のリーク電流を大幅に抑制して良好なトランジスタ
特性のTFTを形成することができる薄膜トランジスタ
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
薄膜トランジスタの製造方法の特徴とするところは、透
明絶縁性基板上に金属膜から成るゲート配線を形成する
工程と、前記透明絶縁性基板および前記ゲート配線上に
第1ゲート絶縁膜を積層する工程と、前記第1ゲート絶
縁膜の成膜欠陥部に露出している前記ゲート配線の金属
膜表面を、酸素を含むプラズマ処理もしくは酸素雰囲気
中での加熱処理により酸化せしめる工程と、前記第1ゲ
ート絶縁膜上に第2ゲート絶縁膜を積層する工程と、こ
の第2ゲート絶縁膜上に金属膜もしくは非晶質シリコン
から成る半導体層を積層する工程とを具備する点にあ
る。
【0012】また、本発明の請求項2に係る薄膜トラン
ジスタの製造方法の特徴とするところは、前記透明絶縁
性基板および前記ゲート配線上に第1ゲート絶縁膜を積
層する工程と、前記第1ゲート絶縁膜の成膜欠陥部に露
出している前記ゲート配線の金属膜表面を、酸素を含む
プラズマ処理もしくは酸素雰囲気中での加熱処理により
酸化せしめる工程との間に、前記第1ゲート絶縁膜にブ
ラシ洗浄及び/又は超音波洗浄を行なう工程を具備する
点にある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に係る製造方法
によれば、第1ゲート絶縁膜のゲート配線上の箇所にク
ラックやピンホール等の欠陥が発生して、その欠陥部か
らゲート配線の金属膜が露出したために絶縁耐圧が低下
した場合であっても、その露出した金属膜の表面を、酸
素を含むプラズマ処理もしくは酸素雰囲気中での加熱処
理によって酸化せしめて絶縁膜とするので、欠陥部の絶
縁耐圧が向上する。従って、ゲート配線上で第1ゲート
絶縁膜と第2ゲート絶縁膜の欠陥が重なった場合でも、
金属膜表面の絶縁膜によりゲート絶縁膜の絶縁耐圧を補
強することができ、それにより、配線間ショートの不良
発生を大幅に低下させることができると共に、TFT部
においてはゲート電極と半導体膜との間のリーク電流を
大幅に抑制して良好なトランジスタ特性のTFTを形成
することができる。そして、TFTの製造歩留りを大幅
に向上させることができる。
【0014】さらに、本発明の請求項2に係る製造方法
によれば、第1ゲート絶縁膜に対してブラシ洗浄もしく
は超音波洗浄またはそれらの両方を行なうことにより、
第1ゲート絶縁膜表面の付着物を除去すると共にクラッ
クやピンホール等の欠陥部にゲート配線の金属膜が十分
に露出した状態となるので、その部分の金属膜表面を酸
素を含むプラズマ処理もしくは酸素雰囲気中での加熱処
理により確実に酸化させることができ、所望の絶縁膜を
安定して得ることができるようになる。それにより、ゲ
ート絶縁膜の絶縁耐圧の補強・配線間ショートの不良発
生の大幅な低下・ゲート電極と半導体膜との間のリーク
電流の大幅な抑制を確実に行なうことができ、TFTの
製造歩留りを大幅に向上させることができるものとな
る。
【0015】以下、本発明のTFTの製造方法につい
て、図1〜図6に基づいて説明する。
【0016】図1〜図6はTFT基板の断面図であり、
図1から順に製造工程を追って示している。なお、これ
らの図において同様の箇所には同じ符号を付してある。
【0017】図1は透明絶縁性基板上にゲート配線また
はゲート電極となる金属膜を積層した状態を示してい
る。同図において、10は絶縁性の透明ベース基板(透明
絶縁性基板)であり、ガラス等より成る基板の表面にS
iO2 あるいはTa2 5 等より成るベース絶縁膜が形
成されたものであり、11はTaあるいはアルミニウム
(Al)等の金属膜である。
【0018】次に、図2はゲート配線を形成した状態を
示している。同図において12はゲート配線であり、TF
T部においてはゲート電極となる。このゲート配線12
は、金属膜11上にレジストを塗布して現像・エッチング
・レジスト除去を行なってパターニングすることによ
り、所望の配線パターンまたは電極パターンとなるよう
に形成されている。
【0019】次に、図3は第1ゲート絶縁膜を積層した
状態を示している。同図において、13は第1ゲート絶縁
膜であり、SiOx あるいは酸化タンタル(TaOx
等の絶縁膜が、基板10のほぼ全面に成膜されている。ま
た、14は第1ゲート絶縁膜13中に発生したクラックやピ
ンホール等の成膜欠陥部であり、ゲート配線12上に発生
して、ゲート配線12の金属膜表面がその成膜欠陥部14に
おいて露出している状態を示している。
【0020】次に、図4は第1ゲート絶縁膜13の成膜欠
陥部14を通してそこに露出しているゲート配線12の金属
膜表面に、酸素を含むプラズマ処理もしくは酸素雰囲気
中での加熱処理により酸化絶縁膜を形成した状態を示し
ている。同図において、15が酸化絶縁膜である。このよ
うな酸化絶縁膜15は、酸素を含むプラズマ処理もしくは
酸素雰囲気中での加熱処理によってゲート配線12の金属
膜表面を酸化せしめることによって形成される。
【0021】そのようなプラズマ処理は、プラズマ化さ
せるガスとしてO2 ガスやN2 Oガス・NOガスあるい
はそれらとN2 ガスやArガス等の不活性ガスを混合し
たガスを用い、所定のガス圧力下で放電電極に高周波や
マイクロ波を印加して発生させたプラズマに曝すことに
よって行なう。
【0022】例えば、 200〜300 ℃の基板温度でN2
プラズマにて約10分の処理を行なうことで、成膜欠陥部
14のTa金属膜表面に約 200Åの厚さのTaOx が酸化
絶縁膜15として形成される。
【0023】上記基板温度のような比較的低温の条件で
は酸素による酸化反応が主となり、窒化反応はほとんど
起きないので、プラズマ中にNを含んでいても金属膜表
面には酸化絶縁膜15のみが形成される。
【0024】また、O2 ガス雰囲気中で 400℃程度の基
板温度となるように加熱処理を行なうことにより、約5
分で成膜欠陥部14のTa金属膜表面に約 200Åの厚さの
TaOx が酸化絶縁膜15として形成される。
【0025】金属膜がAl等の場合も、同様の処理によ
りその表面に同じように酸化絶縁膜15が形成される。
【0026】この酸化絶縁膜15の膜厚は、150 〜200 Å
程度とすることが望ましい。この膜厚が 150Åより薄い
と成膜欠陥部14の絶縁耐圧を向上させてゲート絶縁膜の
絶縁耐圧を補強することができなくなり、他方、200 Å
を越えると絶縁耐圧は向上するがゲート配線12の配線抵
抗が上昇してしまう傾向があるため、上記範囲の膜厚が
好適である。
【0027】また、図4のように酸化処理を行なう前の
工程として、第1ゲート絶縁膜13の成膜後に第1ゲート
絶縁膜13に対してブラシ洗浄もしくは超音波洗浄または
それらの両方を行なうことが望ましい。そのようにして
第1ゲート絶縁膜13に対して充分な洗浄を行ない、第1
ゲート絶縁膜13の表面の付着物を除去すると共に成膜欠
陥部14においてゲート配線12が完全に露出した状態とす
ることができるため、その後の酸化処理による酸化絶縁
膜15の形成を確実に行なうことができ、所望の酸化絶縁
膜15を安定して得ることができるようになる。
【0028】次に、図5は第2ゲート絶縁膜を積層した
状態を示している。同図において、16は第2ゲート絶縁
膜であり、SiNx から成る絶縁膜が、第1ゲート絶縁
膜13上のほぼ全面に成膜されて積層されている。また、
17は第2ゲート絶縁膜16中に発生したクラックやピンホ
ール等の成膜欠陥部であり、同図においては、第1ゲー
ト絶縁膜13中の成膜欠陥部14のうち図中の右側の成膜欠
陥部14と重なって発生した状態を示している。このよう
に成膜欠陥部14と成膜欠陥部17とがゲート配線12上で重
なった場合は、その部分のゲート配線12が成膜欠陥部14
・17を通して露出することになるが、本発明においては
その露出する部分に酸化絶縁膜15を形成している。
【0029】次に、図6は第2ゲート絶縁膜16上にソー
ス電極またはドレイン電極を形成するための金属膜を成
膜して積層した状態を示している。同図において18はソ
ース電極またはドレイン電極を形成するための金属膜で
あり、Alやクロム(Cr)・チタン(Ti)等の金属
が用いられる。同図により分かるように、ゲート配線12
上の第1ゲート絶縁膜13と第2ゲート絶縁膜16の同一箇
所に成膜欠陥部14・17が重なって発生しても、ゲート配
線12の金属膜表面に形成した酸化絶縁膜15が絶縁耐圧を
向上させ、ゲート絶縁膜の絶縁耐圧を補強するので、金
属膜18から形成したソース電極またはドレイン電極、あ
るいはそれらの信号配線とゲート配線12との間での絶縁
破壊を防止することができ、配線間ショートの不良発生
を大幅に低下させることができる。また、TFT部にお
いては金属膜18の代わりに半導体膜が形成されるが、そ
の場合もゲート電極(ゲート配線)12と半導体膜との間
のリーク電流を大幅に抑制することができ、良好なトラ
ンジスタ特性のTFTが得られる。
【0030】図9および図10には、TFT部の断面図を
示す。これらの図において、20は透明絶縁性基板であ
り、21はゲート電極、23は第1ゲート絶縁膜、24は第1
ゲート絶縁膜中の成膜欠陥部、25は第2ゲート絶縁膜、
26は第2ゲート絶縁膜中の成膜欠陥部、27は成膜欠陥部
24を通して上述のように形成した酸化絶縁膜である。こ
れらは、それぞれ上記の透明絶縁性基板10、ゲート配線
12、第1ゲート絶縁膜13、成膜欠陥部14、第2ゲート絶
縁膜16、成膜欠陥部17、酸化絶縁膜15と同様のものであ
る。22は後述するゲート酸化層である。
【0031】また、28はi型非晶質シリコン(a−S
i)膜等から成る第1半導体膜、29はn+ 型a−Si膜
等から成る第2半導体膜、であり、30はソース電極、31
はドレイン電極、32はパッシベーション膜である。ソー
ス電極30およびドレイン電極31は、AlやCr・Ti等
から成り、パッシベーション膜32はSiNx あるいはS
iON等から成る。
【0032】上述の酸化絶縁膜15と同様にして、第1ゲ
ート絶縁膜23の成膜欠陥部24を通してゲート電極21の金
属膜表面を酸化せしめて酸化絶縁膜27を形成したことに
より、ゲート電極21上で第1ゲート絶縁膜23の成膜欠陥
部24と第2ゲート絶縁膜25の成膜欠陥部26とが重なった
部分においても、ゲート絶縁膜の絶縁耐圧が補強される
ので、ゲート絶縁膜の成膜欠陥部24・26が原因となるゲ
ート電極21と半導体膜28との間のリーク電流を大幅に抑
制することができ、良好なトランジスタ特性のTFTを
得ることができる。
【0033】なお、酸化絶縁膜27の形成前に第1ゲート
絶縁膜23に対してブラシ洗浄もしくは超音波洗浄または
それらの両方を行なうことが望ましいことは、上述の場
合と同様である。
【0034】また、図10に示すように、第1ゲート絶縁
膜23を形成する前にゲート電極21の金属膜表面にゲート
酸化層22を形成することにより、ゲート絶縁膜の誘電率
を高めて絶縁性をより良好なものとすることができ、そ
れによってゲート電圧印加時にチャネル部に誘起される
電荷が多くなって、TFTのオン電流を増加させること
ができるものとなる。
【0035】例えば、第1ゲート絶縁膜23にSiOx
第2ゲート絶縁膜25にSiNx を用いた場合、SiOx
の比誘電率は約4、SiNx の比誘電率は約7であり、
TaOx の比誘電率の約25に比べて非常に低いため、第
1ゲート絶縁膜23にTaOx、第2ゲート絶縁膜25にS
iNx を用いた場合よりも比誘電率が約3分の1と低
く、その分TFTのオン電流も3分の1程度に小さくな
る欠点がある。
【0036】また、SiOx 膜やSiNx 膜には上述の
ようにクラックやピンホール等の成膜欠陥が生じやす
く、ゲート電極21とソース電極30あるいはドレイン電極
31との交差部でそれらの成膜欠陥が生じると、絶縁耐圧
が低下して電極間にショートが発生してしまうという問
題もあった。
【0037】そこで、ゲート電極21の金属膜表面にゲー
ト酸化層22を形成することにより、そのようなゲート酸
化層22によりゲート絶縁膜全体の比誘電率を向上させ
て、TFTのオン電流を増加させることができるものと
なる。
【0038】本発明者の知見によれば、ゲート電極21を
酸化雰囲気に曝す、あるいは酸素を含むプラズマにより
酸化処理することにより、金属膜表面に80〜100 Å程度
の厚さのゲート酸化層22を形成すれば、酸化処理が短時
間で行なえると共に、電極間のショートを防止でき、T
FTのオン電流も2〜4%程度向上させることができ
た。
【0039】このようなプラズマによる酸化処理として
は、例えば第1ゲート絶縁膜23を成膜するためのスパッ
タリング装置内で、O2 やN2 O等の酸化性のガスを導
入して基板温度 200℃以上で5分程度のプラズマ処理を
行なう、あるいは第1ゲート絶縁膜23を成膜するための
プラズマCVD装置内で同様の酸化性のガスを導入して
基板温度 300℃以上で3分程度のプラズマ処理を行な
う、AP−CVD装置の基板昇温ゾーンの最後尾でかつ
成膜ゾーンの前においてN2 ガスと同時にO2 ガスを導
入することで、いずれもTa金属膜の表面に80〜100 Å
のTaOx から成るゲート酸化層22を形成することがで
きる。
【0040】また、以上のように酸化雰囲気中でゲート
電極21の金属膜表面の酸化を行なうことで、陽極酸化等
の電気的ウェット法と違い、比較的短時間で薄くて緻密
なゲート酸化層22を形成することができる。
【0041】そのようにしてゲート酸化層22を形成した
ことにより、第1ゲート絶縁膜23にSiOx 、第2ゲー
ト絶縁膜25にSiNx を用いたのみの場合よりも、ゲー
ト絶縁膜の比誘電率を2〜4%高めることができ、TF
Tのオン電流を2〜4%程度増加させることができ、電
極間ショートも防止することができた。
【0042】さらに、そのようなゲート酸化層22を形成
することと、第1ゲート絶縁膜23の成膜欠陥部24を通し
て、露出部のゲート電極21に酸化処理を行なうことを組
み合わせることにより、ゲート電極21と半導体膜28の間
のリーク電流が小さく、かつオン電流が大きい良好な特
性のTFTを得ることができた。
【0043】なお、本発明は以上の例に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更
・改良を加えることは何ら差し支えない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
薄膜トランジスタの製造方法によれば、第1ゲート絶縁
膜の成膜欠陥部に露出しているゲート配線の金属膜表面
を、酸素を含むプラズマ処理もしくは酸素雰囲気中での
加熱処理により酸化せしめた工程を具備することによ
り、第1ゲート絶縁膜の欠陥と第2ゲート絶縁膜の欠陥
とが重なる場合においても絶縁耐圧の低下を抑制し、配
線間ショートの不良発生を大幅に低下させることができ
ると共に、TFT部においては第1ゲート絶縁膜の欠陥
と第2ゲート絶縁膜の欠陥とが重なる場所におけるゲー
ト電極と半導体膜との間のリーク電流を大幅に抑制して
良好なトランジスタ特性の薄膜トランジスタを形成する
ことができる薄膜トランジスタの製造方法を提供するこ
とができた。
【0045】また、本発明の請求項2に係る薄膜トラン
ジスタの製造方法によれば、請求項1に係る製造方法に
加えて、第1ゲート絶縁膜の成膜欠陥部に露出している
ゲート配線の金属膜表面を、酸素を含むプラズマ処理も
しくは酸素雰囲気中での加熱処理により酸化せしめる工
程の前に、第1ゲート絶縁膜にブラシ洗浄及び/又は超
音波洗浄を行なう工程を具備したことにより、第1ゲー
ト絶縁膜表面の付着物を除去すると共にクラックやピン
ホール等の欠陥部にゲート配線の金属膜が十分に露出し
た状態とでき、その部分の金属膜表面を酸素を含むプラ
ズマ処理もしくは酸素雰囲気中での加熱処理により確実
に酸化させて所望の酸化絶縁膜を安定して得ることがで
きる製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するTFT基板の断面
図である。
【図2】本発明の製造方法を説明するTFT基板の断面
図である。
【図3】本発明の製造方法を説明するTFT基板の断面
図である。
【図4】本発明の製造方法を説明するTFT基板の断面
図である。
【図5】本発明の製造方法を説明するTFT基板の断面
図である。
【図6】本発明の製造方法を説明するTFT基板の断面
図である。
【図7】従来の製造方法を説明するTFT基板の断面図
である。
【図8】従来の製造方法によるTFT基板の問題点を説
明する断面図である。
【図9】本発明の製造方法によるTFT部の断面図であ
る。
【図10】本発明の製造方法による他のTFT部の断面
図である。
【符号の説明】
10・20…透明絶縁性基板、12…ゲート配線、21…ゲート
電極、22…ゲート酸化層、13・23…第1ゲート絶縁膜、
16・25…第2ゲート絶縁膜、14・17・24・26…成膜欠陥
部、15・27…酸化絶縁膜、18…金属膜、28…第1半導体
膜、29…第2半導体膜、30…ソース電極、31…ドレイン
電極、32…パッシベーション膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明絶縁性基板上に金属膜から成るゲー
    ト配線を形成する工程と、前記透明絶縁性基板および前
    記ゲート配線上に第1ゲート絶縁膜を積層する工程と、
    前記第1ゲート絶縁膜の成膜欠陥部に露出している前記
    ゲート配線の金属膜表面を、酸素を含むプラズマ処理も
    しくは酸素雰囲気中での加熱処理により酸化せしめる工
    程と、前記第1ゲート絶縁膜上に第2ゲート絶縁膜を積
    層する工程と、この第2ゲート絶縁膜上に金属膜もしく
    は非晶質シリコンから成る半導体層を積層する工程とを
    具備することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記透明絶縁性基板および前記ゲート配
    線上に第1ゲート絶縁膜を積層する工程と、前記第1ゲ
    ート絶縁膜の成膜欠陥部に露出している前記ゲート配線
    の金属膜表面を、酸素を含むプラズマ処理もしくは酸素
    雰囲気中での加熱処理により酸化せしめる工程との間
    に、前記第1ゲート絶縁膜にブラシ洗浄及び/又は超音
    波洗浄を行なう工程を具備することを特徴とする請求項
    1記載の薄膜トランジスタの製造方法。
JP33749395A 1995-12-25 1995-12-25 薄膜トランジスタの製造方法 Pending JPH09181319A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100817567B1 (ko) * 2006-03-20 2008-03-27 가부시키가이샤 니혼 마이크로닉스 회로 기판의 배선 보수 방법 및 그 장치
US7709844B2 (en) 1998-07-16 2010-05-04 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd Semiconductor device equipped with semiconductor circuits composed of semiconductor elements and processes for production thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7709844B2 (en) 1998-07-16 2010-05-04 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd Semiconductor device equipped with semiconductor circuits composed of semiconductor elements and processes for production thereof
KR100817567B1 (ko) * 2006-03-20 2008-03-27 가부시키가이샤 니혼 마이크로닉스 회로 기판의 배선 보수 방법 및 그 장치

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