JPH09178943A - 偏光光学素子 - Google Patents

偏光光学素子

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JPH09178943A
JPH09178943A JP7351448A JP35144895A JPH09178943A JP H09178943 A JPH09178943 A JP H09178943A JP 7351448 A JP7351448 A JP 7351448A JP 35144895 A JP35144895 A JP 35144895A JP H09178943 A JPH09178943 A JP H09178943A
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JP
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grid
wavelength
refractive index
optical element
metal
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JP7351448A
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Hitoshi Tamada
仁志 玉田
Kyoji Yamaguchi
恭司 山口
Shuichi Matsumoto
秀一 松本
Toru Doko
徹 堂向
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は偏光光学素子において、従来に比して
大きなグリツド周期で形成し得、波長 800〔nm〕帯で実
用上十分な消光比を有するようにする。 【解決手段】波長 400〔nm〕から1〔μm〕でなる可視
波長域から近赤外波長域の光に対して、偏光作用する偏
光光学素子において、屈折率n1 の透明基板上に形成さ
れている金属グリツドで、各グリツドの断面形状を略矩
形、厚みh、厚み 0.5hにおける幅b、グリツド周期
d、底面と側面のなす角s、金属グリツドのグリツド間
の屈折率n2 及び金属グリツド上部の屈折率n3 とし
て、(1)式又は(3)式の条件を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (1)ワイヤーグリツド偏光子(図1及び図2) (2)第1実施例(図3) (3)第2実施例 (4)第3実施例 (5)他のワイヤーグリツド偏光子(図1及び図2) (6)第4実施例(図4) (7)第5実施例(図5及び図6) (8)第6実施例(図7) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は偏光光学素子に関
し、特にワイヤーグリツドを用いた偏光子や偏光ビーム
スプリツタに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来型のワイヤーグリツド偏光子では、
グリツド周期dは使用する光の波長λの1/5〜1/10
と非常に短周期でなければならないと考えられてきた。
従つて可視波長域から近赤外波長域の光でのワイヤーグ
リツド偏光子は、必要なグリツド周期dが例えば波長 8
00〔nm〕では 160〔nm〕以下と非常に小さくなり、その
作製が極めて困難であるという問題があつた。
【0004】グリツド周期dを大きくして可視光から近
赤外光での作製を可能にする手段として共鳴型ワイヤー
グリツド偏光子が提案されている(特願平6-340382)。
これによれば、基板の屈折率をnとした次式
【数6】 で表されるような大きなグリツド周期での作製ができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
共鳴型ワイヤーグリツド偏光子は金属グレーテイングが
屈折率nの媒質中に埋め込まれた場合のみに有効なもの
であり、それ以外の配置についての方策は示されていな
い。また、この共鳴型ワイヤーグリツド偏光子では、P
偏光透過率Tpを小さくするために、デユーテイ(b/
d)をb/d〜 0.6と大きくしなければならないが、こ
のため、S偏光透過率Tsが低下する。また、S偏光反
射率Rsの波長依存性が大きくなり、反射消光比(偏光
コントラスト)の波長特性が悪化するという問題点があ
つた。さらに、共鳴型では共鳴波長を使用波長近傍に合
わせるために、金属グレーテイングの厚みや幅をかなり
厳しく制御する必要があつた。
【0006】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、従来に比して大きなグリツド周期で形成し得、波長
800〔nm〕帯で実用上十分な消光比を有する偏光光学素
子を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、波長 400〔nm〕から1〔μm〕で
なる可視波長域から近赤外波長域の光に対して、偏光作
用する偏光光学素子において、屈折率n1 の透明基板上
に形成されている金属グリツドで、各グリツドの断面形
状を略矩形、厚みh、厚み 0.5hにおける幅b、グリツ
ド周期d、底面と側面のなす角s、金属グリツドのグリ
ツド間の屈折率n2 及び金属グリツド上部の屈折率n3
として、(1)式の条件を満たすようにした。
【0008】また本発明においては、波長 400〔nm〕か
ら1〔μm〕でなる可視波長域から近赤外波長域の光に
対して、偏光作用する偏光光学素子において、屈折率n
1 の透明基板上に形成されている金属グリツドで、各グ
リツドの断面形状を略矩形、厚みh、厚み 0.5hにおけ
る幅b、グリツド周期d、底面と側面のなす角s、金属
グリツドのグリツド間の屈折率n2 及び金属グリツド上
部の屈折率n3 として、(3)式の条件を満たすように
した。
【0009】屈折率n1 の透明基板上に形成されている
金属グリツドで、各グリツドの断面形状を略矩形、厚み
h、厚み 0.5hにおける幅b、グリツド周期d、底面と
側面のなす角s、金属グリツドのグリツド間の屈折率n
2 及び金属グリツド上部の屈折率n3 として、(1)式
の条件を満たすようにしたことにより、波長 400〔nm〕
から1〔μm〕でなる可視波長域から近赤外波長域の光
に対して偏光作用し得る。
【0010】また、屈折率n1 の透明基板上に形成され
ている金属グリツドで、各グリツドの断面形状を略矩
形、厚みh、厚み 0.5hにおける幅b、グリツド周期
d、底面と側面のなす角s、金属グリツドのグリツド間
の屈折率n2 及び金属グリツド上部の屈折率n3 とし
て、(3)式の条件を満たすようにしたことにより、波
長 400〔nm〕から1〔μm〕でなる可視波長域から近赤
外波長域の光に対して偏光作用し得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0012】(1)ワイヤーグリツド偏光子 本発明は、屈折率nの基板上に形成された金属グレーテ
イングにおいて、可視波長域から近赤外波長域(波長 4
00〔nm〕〜1〔μm〕)で、低損失かつ実用上十分な消
光比(例えば10以上)を有する偏光ビームスプリツタ
(S偏光透過率Ts、P偏光反射率Rp:大、P偏光透
過率Tp、S偏光反射率Rs:小)を金属グレーテイン
グの形状パラメータを選ぶことにより実現する。
【0013】図1に本発明による非共鳴型のワイヤーグ
リツド偏光ビームスプリツタの断面の概略図を示す。金
属グリツド1は、Al、Au等の高反射率金属又はそれ
らの組み合わせで形成されている。その厚みをh、幅
(h/2での値)をb、またグリツド断面を台形で近似
したときの底面と側面のなす角度をs、グレーテイング
周期をd、そして基板2の屈折率をn1 、グリツド間の
屈折率をn2 、上部の屈折率をn3 、使用波長をλとす
ると、これらは次式
【数7】 の関係を満たすようになされている。
【0014】以下に実施例の実験結果に基づいて、これ
を説明する。なお、ワイヤーグリツド偏光子への入射角
は図2に示すように法線方向からグレーテイングの波数
ベクトル方向V0 に測つた角度をα、グレーテイングの
波数ベクトルと垂直方向V1に測つた角度をθとする。
【0015】(2)第1実施例 以上の構成において、第1実施例として、電子線描画装
置を用いて屈折率n=1.46の基板上に、グレーテイング
周期d= 300〔nm〕のレジストパターンを形成した。そ
の上にAlを 182〔nm〕蒸着し、リフトオフ法によりA
lからなるグレーテイングを作製した(h/d〜0.6
1)。このグレーテイング断面をSEM観察したとこ
ろ、断面形状は略矩形(s〜75〔°〕)で、b/dは約
0.40であつた。
【0016】ここで図3(A)には波長 720〜840 〔n
m〕で測定したS偏光透過率Ts、S偏光反射率Rs、
P偏光透過率Tp、P偏光反射率Rp及びTs/Tp、
Rp/Rsの波長依存性を示す。また図3(B)には比
較するために屈折率n2 =n3=1.46の場合の結果を示
す。このときの試料への入射角はθ=5〔°〕である。
【0017】屈折率n2 =n3 =1(以下、n=1配置
と呼ぶ)とすることにより、P偏光透過率Tpが大幅に
減少し、透過光消光比(Ts/Tp)約10が得られた。
この場合、d/λは0.36〜0.42(λ= 840〜720 〔n
m〕)である。一方、図3(A)、(B)共にS偏光反
射率Rsは小さく反射光消光比(Rp/Rs)は10以上
となつているが、図3(B)の方がP偏光反射率Rpが
大きく低損失である。
【0018】屈折率n2 =n3 =1の場合、グレーテイ
ング周期d= 300〔nm〕、s〜75〔°〕、h/d〜0.6
1、b/d〜0.40では良好な偏光ビームスプリツタ特性
が得られたが、s〜75〔°〕、b/d〜0.40とし、様々
な厚みhについて調べた結果、h/d> 0.5でありさえ
すれば常に良好な偏光ビームスプリツタ特性が得られ
た。これは作製時の厚み制御が極めて緩和されるという
ことで実用的に大きな利点がある。
【0019】(3)第2実施例 第2実施例では、前述の第1実施例の試料について、入
射角度保存性を測定した結果、α、θ共に−40〔°〕〜
+40〔°〕の範囲でλ= 720〜840 〔nm〕でのS偏光透
過率Ts、S偏光反射率Rs、P偏光透過率Tp、P偏
光反射率Rpの波長特性はほとんど変化せず、非常に広
い入射角度範囲で良好な偏光ビームスプリツタ特性が得
られる。
【0020】(4)第3実施例 また第3実施例では、まず第1実施例と同様な方法でグ
レーテイング周期d=300〔nm〕のAlでなるグレーテ
イングを作製し、偏光特性を測定した。この結果、s<
70〔°〕又はs>110 〔°〕ではS偏光透過率Tsが小
さくなり損失が増大する。また、h/d> 0.5では、P
偏光透過率Tpが大きくて、良好な偏光ビームスプリツ
タは得られない。
【0021】さらに、第1実施例と同様な方法でグレー
テイング周期d= 400〔nm〕のAlでなるグレーテイン
グを作製し、偏光特性を測定した。この場合、b/d≦
0.4ではP偏光透過率Tpが大きくなり透過光消光比が
低下、偏光ビームスプリツタ特性は得られない。また、
b≦dを大きくしてP偏光透過率Tpを小さくすると、
偏光ビームスプリツタ特性を得るためには厚みを制御
し、S偏光の共鳴現象を利用することが必要である。共
鳴現象を用いずに良好な偏光ビームスプリツタ特性を得
るには、d<λ/2が必要である。
【0022】以上の構成によれば、(7)式の条件を満
たすワイヤーグリツド偏光子にすることにより、従来の
ワイヤーグリツド偏光子で要求されたグリツド周期より
も大きな周期で実用上十分な特性を有する非共鳴型偏光
ビームスプリツタが作製できる。また、従来では作製困
難であつた可視光から近赤外光用ワイヤーグリツド偏光
子又は偏光ビームスプリツタの作製が容易になる。さら
に、λ/3<d<λ/2、n=1配置とすることで、低
デユーテイ比(b/d≦ 0.4)とすることができ、これ
により厚み許容度が大きく作製し易い、良好なワイヤー
グリツド偏光ビームスプリツタが得られる。
【0023】(5)他のワイヤーグリツド偏光子 本発明は、屈折率nの基板上に形成された金属グレーテ
イングにおいて、可視波長域から近赤外波長域(波長 4
00〔nm〕〜1〔μm〕)で、低損失かつ実用上十分な消
光比(例えば10以上)を有する透過型ワイヤーグリツド
偏光子(S偏光透過率Ts:大、P偏光透過率Tp:
小)、又は、反射型ワイヤーグリツド偏光子(P偏光反
射率Rp:大、S偏光反射率Rs:小)、さらに、偏光
ビームスプリツタ(S偏光透過率Ts、P偏光反射率R
p:大、P偏光透過率Tp、S偏光反射率Rs:小)を
金属グレーテイングの形状パラメータを選ぶことによ
り、そしてまた、屈折率n=1でのS偏光共鳴現象を利
用することにより実現する。
【0024】本発明による共鳴型のワイヤーグリツド偏
光子(偏光ビームスプリツタ)の断面(図示せず)は、
図1に示した断面の概略図と同形状であり、以下に述べ
る条件を満たすものである。金属グリツドは、Al、A
u等の高反射率金属又はそれらの組み合わせで形成され
ている。金属グリツドの厚みをh、幅(h/2での値)
をb、またグリツド断面を台形で近似したときの底面と
側面のなす角度をs、グレーテイング周期をd、基板屈
折率をn、グリツド間の屈折率をn2 、上部の屈折率を
3 、使用波長をλ、また、屈折率1でのS偏光共鳴波
長をλres とすると、これらは次式
【数8】 の関係を満足するようになされている。
【0025】以下にいくつかの実施例に基づいて、これ
を説明する。なお、ワイヤーグリツド偏光子への入射角
は、法線方向からグレーテイングの波数ベクトル方向V
0 に測つた角度をα、グレーテイングの波数ベクトルと
垂直方向V1 に測つた角度をθとする(図2)。
【0026】(6)第4実施例 以上の構成において、まず第4実施例として、電子線描
画装置を用いてn=1.46の基板上にd= 400〔nm〕のレ
ジストパターンを形成し、その上にAlを 150〔nm〕蒸
着し、リフトオフ法によりAlからなるグレーテイング
を作製した(h/d〜0.38)。このグレーテイング断面
をSEM観察したところ、断面形状はほぼ矩形(s〜75
〔°〕)で、b/dは約0.46であつた。波長 720〜840
〔nm〕で測定したS偏光透過率Ts、S偏光反射率R
s、P偏光透過率Tp、P偏光反射率Rp及びTs/T
p、Rp/Rsの波長依存性を図4(A)に示す。図4
(B)には比較のため屈折率n2 =n3 =1.46の場合の
結果を示した。試料への入射角はθ=5〔°〕である。
【0027】ここでワイヤーグリツド偏光子をn=1配
置(n2 =n3 =1)とすることにより、P偏光透過率
Tpが大幅に減少し、透過光消光比(Ts/Tp)が約
10となり、良好な透過型偏光子が得られた。この場合、
d/λは0.48〜0.56(λ= 837〜720 〔nm〕)であり、
特に、d/λ>0.5 という従来のワイヤーグリツド偏光
子と比較して大きな周期dで良好な透過光消光比が得ら
れている点が特徴である。本試料の形状パラメータは、
s〜75〔°〕、h/d〜0.38、b/d〜0.46であるが、
s<70〔°〕又はs> 110〔°〕では、S偏光透過率T
sが低下し損失が大きくなる。また、h/d<0.25又は
b/d<0.3 ではP偏光透過率Tpが増大し、透過光消
光比が低下する。ワイヤーグリツド偏光子の作製上、h
/d>1、b/d>0.7 は困難であるので、従つて、70
〔°〕<s< 110〔°〕、0.25<h/d<1、 0.3<b
/d< 0.7であることが必要である。しかし、図4
(A)ではS偏光反射率Rsが大きく反射光消光比(R
p/Rs)が低い。これは厚みh(〜 150〔nm〕)とデ
ユーテイb/d(〜0.46)によつて決まるS偏光共鳴波
長λres が 720〔nm〕よりもはるかに短波長にずれてし
まつているからである。
【0028】(7)第5実施例 第5実施例では、第4実施例と同様な方法でグリツド周
期d= 400〔nm〕、厚みh〜 220〔nm〕、b/d〜0.46
のAlからなるグレーテイングを作製した。これをSE
M観察すると、ほぼ矩形(s〜75°)の断面形状であつ
た。この試料における偏光特性測定結果を図5に示す。
透過光消光比が約15と良好であるのは、第4実施例と同
じであるが、第5実施例では反射光消光比(Rp/R
s)も10以上と良好な偏光ビームスプリツタ特性が得ら
れている。これは、厚みhを 220〔nm〕と厚くすること
により共鳴波長λres を 700〔nm〕近傍まで長波長化し
たためである。共鳴波長λres は、実験的にはhとb/
dが大きくなるにつれて単調に大きくなる。λ> 837
〔nm〕ではRp/Rs<10と小さくなるので、Rp/R
s>10とするためには、使用波長λは共鳴波長λ
res (〜 700〔nm〕)に対してλ<λres / 0.8でなけ
ればならない。また、短波長側でも同様にRp/Rsが
低下するので、λres / 1.2<λと制限される。つま
り、共鳴波長λres は、 0.8λ<λres <1.2 λを満た
さなければならない。
【0029】屈折率n2 =n3 =1.46の場合に得られた
偏光ビームスプリツタ特性を比較のために図6に示す。
厚みh= 188〔nm〕、b/d=0.57である。屈折率n2
=n3 =1.46ではP偏光透過率Tpを小さくするために
デユーテイb/dを大きくしなければならない。このた
め、S偏光反射率Rsの波長変化が大きくなり、反射消
光比の波長特性が悪化し、使用できる波長範囲が狭くな
る。また、S偏光透過率Tsも低くなり損失が大きい。
一方、屈折率n2 =n3 =1では、b/d〜0.46と低デ
ユーテイでもP偏光透過率Tpが十分小さくなるため、
図5のように反射消光比の波長特性は平坦化し使用波長
範囲も広がり、また、S偏光透過率Tsも高くなり、明
らかに偏光ビームスプリツタ特性が改善した。従つて、
b/dはb/d< 0.5であることが望ましい。
【0030】(8)第6実施例 さらに第6実施例では、第4実施例と同様な方法でグリ
ツド周期d= 400〔nm〕、h〜 312〔nm〕、b/d〜0.
46のAlでなるグレーテイングを作製した。SEM観察
ではほぼ矩形(s〜75°)の断面形状であつた。図7に
入射角α=5,10,20,30,40 〔°〕に対してS偏光透過率
Ts、S偏光反射率Rsの波長依存性を測定した結果を
示す。Ts、Rsはα=30〔°〕ではλ〜 770予めの、
α=40〔°〕ではλ〜 830〔nm〕でそれぞれ極小、極大
を示している。この現象はレーリーアノマリーと呼ば
れ、これにより入射角度の範囲が限定される。レーリー
アノマリー波長λR.A.はλR.A.=nd(1+ sinα/n)
で与えられ、垂直入射(α=0〔°〕)ではλR.A.=nd
となる。使用波長λはλR.A.よりも長いことが必要で、
少なくともλ>ndでなければならない。従つて、第4実
施例とからグリツド周期dとしてはλ/2>d<λ/n
となる。
【0031】以上の構成によれば、(8)式の条件を満
たすワイヤーグリツド偏光子とすることにより、従来の
ワイヤーグリツド偏光子で要求されたグリツド周期より
も大きな周期で実用上十分な特性を有する偏光子又は偏
光ビームスプリツタが作製できる。また、従来は作製困
難であつた可視光から近赤外光用ワイヤーグリツド偏光
子又は偏光ビームスプリツタの作製が容易になる。さら
に、n=1配置することで、低デユーテイでもP偏光透
過率Tpを小さくでき、これにより波長特性の良好なワ
イヤーグリツド偏光子又は偏光ビームスプリツタが得ら
れる。
【0032】なお上述の実施例においては、屈折率nの
透明基板上に形成したワイヤーグリツド偏光子について
述べたが、本発明はこれに限らず、この基板表面に無反
射コートを施しても良い。この場合、特性を改善するこ
とができる。さらに、光検出器の形成された基板上に屈
折率nのコーテイングを行い、その上に本発明によるワ
イヤーグリツド偏光子を作製することも可能である。
【0033】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、屈折率n
1 の透明基板上に形成されている金属グリツドで、各グ
リツドの断面形状を略矩形、厚みh、厚み 0.5hにおけ
る幅b、グリツド周期d、底面と側面のなす角s、金属
グリツドのグリツド間の屈折率n2 及び金属グリツド上
部の屈折率n3 として、(1)式又は(3)式の条件を
満たすようにしたことにより、波長 400〔nm〕から1
〔μm〕でなる可視波長域から近赤外波長域の光に対し
て、比較的大きなグリツド周期dで偏光作用し得る偏光
光学素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイヤーグリツド偏光子を示す略
線的断面図である。
【図2】図1のワイヤーグリツド偏光子に対する入射角
の説明に供する略線図である。
【図3】ワイヤーグリツド偏光子の波長依存性の説明に
供する特性曲線図である。
【図4】ワイヤーグリツド偏光子の波長依存性の説明に
供する特性曲線図である。
【図5】屈折率n2 =n3 =1のときの偏光ビームスプ
リツタ特性を示す特性曲線図である。
【図6】屈折率n2 =n3 =1.46のときの偏光ビームス
プリツタ特性を示す特性曲線図である。
【図7】ワイヤーグリツド偏光子の波長依存性の説明に
供する特性曲線図である。
【符号の説明】
1……グリツド、2……基板。
フロントページの続き (72)発明者 堂向 徹 東京都品川区北品川6丁目7番35号ソニー 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長 400〔nm〕から1〔μm〕でなる可視
    波長域から近赤外波長域の光に対して、偏光作用する偏
    光光学素子において、 屈折率n1 の透明基板上に形成されている金属グリツド
    で、各グリツドの断面形状を略矩形、厚みh、厚み 0.5
    hにおける幅b、グリツド周期d、底面と側面のなす角
    s、上記金属グリツドのグリツド間の屈折率n2 及び上
    記金属グリツド上部の屈折率n3 として 【数1】 の条件を満たすことを特徴とする偏光光学素子。
  2. 【請求項2】上記グリツド周期dは、 使用する光の波長λに対して 【数2】 の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の偏光
    光学素子。
  3. 【請求項3】上記金属グリツドは、 高反射率金属でなることを特徴とする請求項1に記載の
    偏光光学素子。
  4. 【請求項4】波長 400〔nm〕から1〔μm〕でなる可視
    波長域から近赤外波長域の光に対して、偏光作用する偏
    光光学素子において、 屈折率n1 の透明基板上に形成されている金属グリツド
    で、各グリツドの断面形状を略矩形、厚みh、厚み 0.5
    hにおける幅b、グリツド周期d、底面と側面のなす角
    s、上記金属グリツドのグリツド間の屈折率n2 及び上
    記金属グリツド上部の屈折率n3 として 【数3】 の条件を満たすことを特徴とする偏光光学素子。
  5. 【請求項5】上記グリツド周期dは、 使用する光の波長λに対して 【数4】 の条件を満たすことを特徴とする請求項5に記載の偏光
    光学素子。
  6. 【請求項6】上記金属グリツドは、 高反射率金属でなることを特徴とする請求項5に記載の
    偏光光学素子。
  7. 【請求項7】上記金属グリツドは、 S偏光共鳴波長λres が使用する光の波長λに対して 【数5】 の条件を満たすことを特徴とする請求項5に記載の偏光
    光学素子。
JP7351448A 1995-12-26 1995-12-26 偏光光学素子 Abandoned JPH09178943A (ja)

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