JPH09177525A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JPH09177525A
JPH09177525A JP33442595A JP33442595A JPH09177525A JP H09177525 A JPH09177525 A JP H09177525A JP 33442595 A JP33442595 A JP 33442595A JP 33442595 A JP33442595 A JP 33442595A JP H09177525 A JPH09177525 A JP H09177525A
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JP
Japan
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valve
base plate
slider
guide
cam
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Application number
JP33442595A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kawakami
浩明 川上
Tamotsu Tofuji
保 東藤
Yoshio Fukuda
悌夫 福田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブリフター自体の小型化と軽量化を図る
と共に、機関低中回転時における摺動摩擦抵抗の大巾な
低減化を図る。また、スライダーの常時円滑な作動を確
保する。 【構成】 カムシャフト1の高低速用カム5,6のカム
リフトを吸気弁3に伝達する1つのバルブリフター8
は、上壁部10とベースプレート12との間に形成され
た摺動用孔13内に、互いに接近あるいは離間する一対
のスライダー14を設けると共に、上壁部10に高速用
カム6の外周部を摺動用孔13内に臨ませる開口窓15
を形成した。また、ベースプレート12の上面に案内突
部17をカムシャフト軸方向に設ける一方、スライダー
14の下面に案内突部17が嵌入摺動する案内溝20を
形成した。さらに、スカート部11の段差部11bにベ
ースプレート12の周方向の位置決めをするピン18を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気弁あるいは排
気弁のバルブリフト及びバルブタイミングを機関運転状
態に応じて可変にする動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内燃機関にあっては、従来から
低中速回転時の燃費と高速回転時の出力トルクの向上を
両立させる目的で、運転状態に応じて吸気弁または排気
弁のリフト特性を異ならせ、これによって吸排気弁の開
閉時期及び開度量を制御可能な動弁装置を備えたものが
知られている(特開昭63−117109号公報等参
照)。
【0003】これは、クランク軸によって回転駆動する
カムシャフトの外周に、1気筒当たり2つの吸気弁をバ
ルブスプリングのばね力に抗して開作動させるプロフィ
ールの異なる低速用カムと高速用カムが一体に設けられ
ていると共に、前記各吸気弁のバルブステム上端部に前
記低速用カムのリフトを吸気弁に伝達する直動型の一対
の第1,第2バルブリフターが設けられている。また、
該両バルブリフターの間には、高速用カムのリフトにし
たがい摺動する第3バルブリフターが設けられている。
更に、前記第1〜第3バルブリフターの各上端部には、
カムシャフト軸方向に形成されたガイド孔やガイド窪み
及びガイド孔内に摺動自在に有する一対の油圧ピストン
等で構成される連結手段が設けられている。
【0004】そして、機関低回転時には、連結手段の各
ガイド孔一端部に有する受圧室への油圧の供給が遮断さ
れて各油圧ピストンによる各バルブリフターの連結が解
除される。したがって、各吸気弁は、第1,第2バルブ
リフターを介して低速用カムの小バルブリフト特性にし
たがって開閉作動する。
【0005】一方、低回転域から高回転域に移行する
と、各受圧室に油圧が供給されて各油圧ピストンを互い
に第3バルブリフターの一対のガイド窪みに挿入させ
て、第3バルブリフターと第1,第2バルブリフターを
連結させる。このため、各吸気弁は、第3バルブリフタ
ーを介して第1,第2バルブリフターに伝達された高速
用カムの大バルブリフト特性にしたがって開閉作動す
る。
【0006】これによって、機関回転数に応じた燃費の
改善や出力トルクの向上等が図れるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の動弁装置にあっては、低速用カム側の第1,第2バ
ルブリフターの他に、高速用カム側の第3バルブリフタ
ーを有しているため、バルブリフター全体の大型化と重
量の増加が余儀なくされている。このため、上下摺動時
の慣性力が大きくなり、高速回転時に円滑な作動が得ら
れなくなる。そこで、斯かる高速回転に対応するため
に、バルブスプリングのばねセット荷重を増加させる
と、今度はバルブリフターを介して吸気弁とカムとの間
の摺動摩擦抵抗が増加する惧れがある。
【0008】しかも、機関低回転時には、低速用カムの
外周面が第1,第2バルブリフターの各上面に摺接して
いるのは勿論であるが、同時に高速用カムの外周面も第
3バルブリフターの上面に常時摺接して該第3バルブリ
フターをコイルばねのばね力に抗して押し下げるように
なっている。したがって、各カム全体の摺動摩擦抵抗が
大きくなり、前述のバルブリフターの重量増加に伴う摺
動摩擦抵抗の増加と相俟って、動弁系の機械的損失が大
きくなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の動
弁装置の問題点に鑑みて案出されたもので、請求項1の
発明は、機関のクランク軸によって回転駆動するカムシ
ャフトと、該カムシャフトの外周に設けられて、吸排気
弁を開作動させる高速用カム及び低速用カムと、シリン
ダヘッドに形成されたガイド孔内に摺動自在に設けられ
て、前記高低速用カムのリフトを前記吸排気弁に伝達す
る有蓋円筒状のバルブリフターと、前記バルブリフター
の上端内部に画成された摺動用孔内にカムシャフト軸方
向へ摺動自在に設けられたスライダーと、上面に低速用
カムが摺接するバルブリフターの上壁部に形成されて、
前記高速用カムの外周部を摺動用孔内に臨ませる開口窓
と、前記スライダーを機関運転状態に応じて摺動させ
て、該スライダーの上面を高速用カムの外周面に対して
離接させる駆動機構とを備えた内燃機関の動弁装置であ
って、前記スライダーと該スライダーの下面が摺接する
前記ベースプレートとの間に、スライダーをカムシャフ
ト軸方向へ摺動案内する案内手段を設けたことを特徴と
している。
【0010】請求項2の発明は、前記案内手段を、前記
ベースプレートの上面に形成された案内突部と、前記ス
ライダーの下面に形成されて、前記案内突部が嵌入摺動
する案内溝とから構成したことを特徴としている。
【0011】請求項3の発明は、前記案内手段を、前記
ベースプレートの上面に形成された案内溝と、スライダ
ーの下面に形成されて、前記案内溝に嵌入摺動する案内
突部とから構成したことを特徴としている。
【0012】請求項4の発明は、前記案内突部をカムシ
ャフト軸方向へ延設したことを特徴としている。
【0013】請求項5の発明は、前記バルブリフター本
体に対して前記ベースプレートの周方向の位置決めをす
る位置決め手段を設けたことを特徴としている。
【0014】請求項6の発明は、前記位置決め手段を、
バルブリフターあるいはベースプレートに固定された位
置決め用ピンと、バルブリフターあるいはベースプレー
トに形成されて、前記位置決め用ピンの先端部が係入す
る位置決め用溝とによって構成したことを特徴としてい
る。
【0015】したがって、請求項1〜4の発明によれ
ば、機関低回転時には、駆動機構によって、例えば一対
の両スライダーが互いに離間する方向へ摺動して、該両
スライダーの各上面と高速用カムの外周面との当接が解
除される。したがって、バルブリフターは、上面に当接
した低速用カムのカムプロフィールにしたがって摺動
し、これによって吸排気弁が小バルブリフト特性にした
がって開閉作動する。
【0016】また、この時点では、高速用カムは、各ス
ライダーとの当接が解除されて完全にフリーな状態、つ
まり何ら他の部材と摺接することがなく空回転状態にな
るため、摺動摩擦抵抗が発生しない。
【0017】一方、低中回転域から高回転域に移行した
場合は、駆動機構によって両スライダーが互いに接近す
る方向へ摺動し、最大に接近した時点で各上面が高速用
カムの外周面に当接する。このため、バルブリフター
は、低速用カムから高速用カムに切り換えられて、該高
速用カムのプロフィールにしたがって摺動し、これによ
って吸排気弁は大バルブリフト特性にしたがって開閉作
動する。また、この時点では、バルブリフターの上面は
低速用カムのリフト域における外周面とは非接触状態に
なっていることは勿論である。
【0018】しかも、前記両スライダーは、ベースプレ
ート上を案内手段によってカムシャフト軸方向へガイド
されながら摺動するため、各スライダーの常時円滑な作
動(接近,離間移動)が得られる。
【0019】更に、請求項5,6の発明によれば、バル
ブリフターに対してベースプレートを組み付ける際に、
位置決め用ピンや位置決め用溝で構成された位置決め手
段によって周方向の位置決めがなされて、前記案内突部
と案内溝とを定位置で容易に嵌入することが可能にな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図3は多気筒内燃機関の吸
気側に適用した本発明の動弁装置の第1実施例を示し、
図中1はシリンダヘッド2の上端部にカムブラケットを
介して軸受けされ、図外のクランク軸によって回転駆動
するカムシャフト、3はシリンダヘッド2内の吸気ポー
トの開口端を開閉する1気筒当たり1つの吸気弁であ
る。
【0021】前記カムシャフト1は、吸気弁3のバルブ
ステム3aの軸心の両側に位置するように配置された一
対の低速用カム5,5と、該両低速用カム5,5間の中
央に配置された1つの高速用カム6が一体に設けられて
いる。前記低速用カム5,5は、外周面5a,5aが図
5のXで示すように小さなバルブリフト特性となるよう
な同一のプロフィールに設定されていると共に、夫々均
一な巾寸法が比較的小さく設定されている。一方、高速
用カム6は、外周面6aが図5のYで示すように大きな
バルブリフト特性となるようなプロフィールに設定され
ている。
【0022】前記吸気弁3は、ステムエンドに固定され
たコッタ7の外周に有するスプリングリテーナ7aに弾
接されたバルブスプリング4のばね力で閉方向に付勢さ
れていると共に、ステムエンドの上端面と各カム5,
5,6との間に設けられた直動型のバルブリフター8を
介して各高低速用カム5,5,6のリフトによってバル
ブスプリング4のばね力に抗して開作動させられるよう
になっている。
【0023】前記バルブリフター8は、図2に示すよう
に金属材で横断面ほぼ真円形の円筒状に形成されて、シ
リンダヘッド2の上端部に形成されたほぼ真円状のガイ
ド孔9内に摺動自在に設けられている。具体的に説明す
れば、このバルブリフター8は、図1〜図3に示すよう
にほぼ真円形の上壁部10と、該上壁部10の外周縁か
ら垂直に形成された筒状のスカート部11と、該スカー
ト部11の内部所定位置に水平に固定されたベースプレ
ート12と、該ベースプレート12と上壁部10との間
に形成された摺動用孔13と、該摺動用孔13内を摺動
する左右一対のスライダー14,14とから主として構
成されている。
【0024】前記上壁部10は、スカート部11と一体
に形成され、上面10aのカムシャフト軸方向の両側に
前記両低速用カム5,5の外周面5a,5aが摺接して
いると共に、その中央部に、高速用カム6の外周部を摺
動用孔13内に臨ませる長方形状の開口窓15がカムシ
ャフト1の軸直角方向に沿って貫通形成されている。
【0025】前記スカート部11は、図2に示すように
内周面が円形状に形成されていると共に、カムシャフト
軸方向の対向壁に後述する油通路25とを連通するピス
トン孔16,16が夫々貫通形成されている。また、ス
カート部11は、内周下部に有する段差部11bのカム
シャフト軸方向位置に、位置決め用ピン18が下方から
圧入固定されている。
【0026】前記ベースプレート12は、上壁部10と
略同形の真円状に形成されて、スカート部11,上壁部
10と共働して摺動用孔13を画成しており、外周部1
2aがスカート部11の内周段差部11bに下方から嵌
合していると共に、外周縁が固定リング19によりスカ
ート部11の内周面に固定されている。また、このベー
スプレート12は、図1,図3,図4に示すように、上
面に案内突部17が設けられている一方、下面中央には
吸気弁3のステムエンド上端部が嵌合する横断面コ字形
のシムが固定されている。
【0027】前記案内突部17は、図4に示すように矩
形ブロック状に形成されて、ベースプレート12の上面
中央にカムシャフト軸方向に沿って延設されていると共
に、両端部にピストン孔16,16からリークした油を
排出する排出孔12b,12cが上下方向に貫通形成さ
れている。
【0028】さらに、ベースプレート12の外周部に
は、前記位置決め用ピン18の先端部が係止する位置決
め用溝18aが形成されており、この位置決め用溝18
aと位置決め用ピン18によってベースプレート12の
周方向の位置決めをする位置決め手段が構成されてい
る。
【0029】前記両スライダー14,14は、図1及び
図4に示すように夫々スカート部11の径方向に沿った
細長いブロック状を呈し、夫々の両端外面が摺動用孔1
3の内面形状に対応して円弧状に形状されており、摺動
用孔13内で互いに接近あるいは離間する方向へベース
プレート12上面上を相対的に摺動自在になっている。
また、各スライダー14,14の摺動用孔13のカムシ
ャフト軸方向の巾長さL1は、両者14,14が最大に
離間した際に形成される隙間部Cの巾長さL2よりも小
さく設定されている。また、両スライダー14,14
は、図2に示すように各前端面14a,14a長手方向
の両端部に後述するコイルばね21の両端部を支持する
凹溝14b,14bが形成されていると共に、下面中央
位置には、前記ベースプレート12の案内突部17が嵌
入して、各スライダー14,14の相対的な接近,離間
移動を案内する案内溝20,20が形成されている。
【0030】この案内溝20,20は、図4に示すよう
に案内突部17の断面形状に対応して矩形状を呈し、対
向する内側面20a,20aが案内突部17の両側面1
7a,17aに対応して平行に形成されて、該案内突部
17とともに案内手段を構成している。
【0031】また、両スライダー14,14を互いに接
近あるいは離間する方向へ摺動させる駆動機構は、図1
に示すように両スライダー14,14を互いに離間する
方向に作動させる左右一対のコイルばね21,21と、
前記ピストン孔16,16内に支持されて、スライダー
14,14を逆に互いに接近する方向に作動させるピス
トン22,22と、該各ピストン22,22の後端部に
有する受圧室29,29に油圧を給排する油圧回路23
とを備えている。
【0032】前記ピストン22,22は、縦断面コ字形
状に形成され、前記ピストン孔16,16をカムシャフ
ト軸方向に摺動自在に設けられいると共に、フランジ状
の一端部22a,22aが各スライダー14,14の後
面中央に当接している。
【0033】前記油圧回路23は、一端部がシリンダブ
ロックとシリンダヘッド2の内部を介してオイルパン2
4に連通する油通路25と、該オイルパン24の下流側
に設けられたオイルポンプ26と、該オイルポンプ26
の下流側に設けられて、油通路25とドレン通路27と
を切り換える電磁切換弁28とを備えており、前記油通
路25は、シリンダヘッド2内に形成された他端部25
aが前記両受圧室29,29に連通している。
【0034】前記電磁切換弁28は、コントローラ30
からのON−OFF信号によって切り換え作動するよう
になっており、このコントローラ30は、クランク角セ
ンサ,エアーフローメータからの機関回転数,吸入空気
量及び水温センサからの機関冷却水温度等の情報信号に
基づいて現在の機関運転状態を検出している。
【0035】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、機関低中回転域では、コントローラ30から電磁
切換弁28にOFF信号が出力されて油通路25とドレ
ン通路27を連通するため、両受圧室29,29には油
圧が供給されず、低圧状態となる。したがって両スライ
ダー14,14は、図1に示すようにコイルばね21の
ばね力によって互いに離間する方向つまり、後端面両側
がスカート部11の内面に突き当たるまで案内手段を介
して速やかに後退する。
【0036】したがって、高速用カム6は、外周面6a
が両スライダー14,14の上面14c,14cに当接
することなく両スライダー14,14間の隙間部C内を
非接触状態で回転する、つまり空回転する。
【0037】これにより、低速用カム5,5は、外周面
5a,5aがバルブリフター8の上壁部10上面10a
に当接し、該バルブリフター8をカムプロフィールにし
たがって上下に摺動させる。このため、吸気弁3は、図
5のXに示す小バルブリフト特性にしたがって開閉作動
する。
【0038】この結果、排気弁とのオーバラップが小さ
くなり、燃焼室内の残留ガスを少なくすることが可能に
なるため、燃焼が改善されて燃費の向上が図れる。
【0039】一方、機関低中回転域から高回転域に移行
した場合は、コントローラ30から電磁切換弁28にO
N信号が出力されて、油通路25とドレン通路27との
連通が遮断される。このため、オイルポンプ26から圧
送された油圧は、油通路25を通って両受圧室29,2
9内に供給され、したがって、該両受圧室29,29内
が高圧になる。これにより、各ピストン22,22が前
方に押し出されて、両スライダー14,14をコイルば
ね21のばね力に抗して互いに接近する方向に移動させ
る。
【0040】ここで、両スライダー14,14は、高速
用カム6のカムリフト時つまりカムリフト部位が摺動用
孔13内に位置するときは、各前端面14a,14aが
高速用カム6の両側面に当接してそれ以上接近方向へは
移動しないが、カムベースサークル域ではカムリフト部
位が摺動用孔13から後退するため、図6に示すように
両スライダー20,20の前端面20a,20aが互い
に突き当たるまで接近移動する。これによって、隙間部
Cが消失して高速用カム6は、外周面6aが両スライダ
ー14,14の上面14c,14cに跨がった形で当接
する。
【0041】したがってバルブリフター8は、高速用カ
ム6の回転に伴い両スライダー14,14及びベースプ
レート12を介して高速用カム6のプロフィールにした
がって上下摺動する(図6参照)。このため、吸気弁3
は、図5のYに示す大バルブリフト特性にしたがって開
閉作動する。この結果、吸気充填効率が向上し、高トル
クが得られる。
【0042】尚、このとき、低速用カム5,5は、図6
に示すように高速用カム6のベースサークル時にのみベ
ースサークル外周面5b,5bがバルブリフター8の上
面10aに摺接するだけで、高速用カム6のカムリフト
時には上面10aから離間状態となる。
【0043】このように、本実施例では、一対の低速用
カム5,5と1つの高速用カム6が昇降させるバルブリ
フター8を共通化して、単一化することが可能になった
ため、全体の小型化と軽量化が図れる。このため、上下
摺動時の慣性力を可及的に小さくすることができ、高回
転にも十分に対応することが可能になる。
【0044】しかも、機関低中回転域では、高速用カム
6の外周面6aが各スライダー14,14と非接触状態
となり、いわゆる空回転するため、摺動摩擦抵抗の大巾
な低減化が図れる。
【0045】しかも、両スライダー14,14は、各案
内溝20,20とベースプレート12の案内突部17と
からなる案内手段によって接近,離間方向へガイドされ
ながら摺動するため、該各スライダー14,14の常時
円滑な作動が得られ、この結果、低速側と高速側の切り
換えを速やかに行うことが可能になる。
【0046】また、前記バルブリフター8にベースプレ
ート12を組み付ける際には、予めスカート部11の段
差部11bに固定された位置決め用ピン18に下方から
位置決め用溝18aを係止させることにより、案内突部
17と案内溝20,20とを定位置で容易に嵌合させる
ことができるため、組付作業能率が向上する。
【0047】図7は本発明の第2実施例を示し、案内手
段の構造を第1実施例とは逆にしたものである。すなわ
ち、各スライダー14,14の下面長手方向の中央位置
に案内突部31が設けられている一方、ベースプレート
12の上面に案内突部31が嵌入する案内溝32が形成
されている。この案内溝32は、カムシャフト軸方向に
沿って長溝状に形成されて、両内側面32a,32bが
案内突部31の両側面31a,31bに対応して平行に
形成されている。なお、各スライダー14,14の前端
面中央位置には、1つのコイルばね21の両端部を支持
する凹溝14b,14bが形成されている。
【0048】したがって、この実施例も第1実施例と同
様な作用効果が得られることは勿論のこと、特に案内突
部31を幅長さの短いスライダー14,14側に設けた
ため、その長さが短くなり、またベースプレート12側
に長い案内溝32を形成したため、第1実施例に比較し
てバルブリフター8全体の軽量化が図れるとともに製造
作業が容易になる。
【0049】本発明は、前記実施例の構成に限定される
ものではなく、たとえば位置決め手段をピンに代えてバ
ルブリフターのスカート部とベースプレートに凹凸部を
設けて凹凸嵌合させることにより位置決めを行うことも
可能である。また、スライダーを1つで構成することも
可能である。さらにこの発明を、吸気側の他に排気側に
適用することもできることはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、機関運転状態に応じて低速用カムと高速用カム
を切り換えてカムリフト特性を変化させることにより、
機関性能の向上が図れることは勿論のこと、両高低速用
カムに対して従来のように夫々のバルブリフターで対応
するのではなく、1つのバルブリフターで対応すること
が可能になるため、バルブリフター全体の小型化と軽量
化が図れる。
【0051】したがって、バルブリフターの上下摺動時
の慣性力が小さくなり、高速回転にも十分に対応できる
ので、バルブスプリングのばね力も小さくすることが可
能になる。このため、吸排気弁と両カムとの間の摺動摩
擦抵抗が低減する。
【0052】また、機関低中回転時には、高速用カムが
バルブリフターに対して非接触状態となり、空回転する
ため、この点でも全体の摺動摩擦抵抗が十分に低減す
る。
【0053】この結果、動弁機構の機械的損失が大巾に
減少し、機関出力性能の向上が図れる。
【0054】しかも、スライダーは、案内手段によって
ガイドされて円滑に作動するため、低速側と高速側の切
り換えを速やかに行うことが可能になる。
【0055】さらに、バルブリフターに対するベースプ
レートの組み付け時には、位置決め手段によって周方向
の位置決めが容易になるため、案内突部と案内溝とを定
位置に確実に嵌合させることができるため、該組付作業
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】本実施例に供されるスライダーとベースプレー
トの斜視図。
【図5】本実施例のバルブリフト特性図。
【図6】本実施例の作用を示す断面図。
【図7】本発明の第2本実施例に供されるスライダーと
ベースプレートの斜視図。
【符号の説明】
1…カムシャフト 2…シリンダヘッド 3…吸気弁 5…低速用カム 6…高速用カム 8…バルブリフター 9…ガイド孔 11…スカート部 12…ベースプレート 13…摺動用孔 14…スライダー 14c…上面 15…開口窓 17・31…案内突部 20・32…案内溝 18…位置決め用ピン 18a…位置決め用溝 21…コイルばね(駆動機構) 23…油圧回路(駆動機構)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関のクランク軸によって回転駆動する
    カムシャフトと、該カムシャフトの外周に設けられて、
    吸排気弁を開作動させる高速用カム及び低速用カムと、
    シリンダヘッドに形成されたガイド孔内に摺動自在に設
    けられて、前記高低速用カムのリフトを前記吸排気弁に
    伝達する有蓋円筒状のバルブリフターと、前記バルブリ
    フターの上端内部にベースプレートを介して画成された
    摺動用孔内にカムシャフト軸方向へ摺動自在に設けられ
    たスライダーと、上面に低速用カムが摺接するバルブリ
    フターの上壁部に形成されて、前記高速用カムの外周部
    を摺動用孔内に臨ませる開口窓と、前記スライダーを機
    関運転状態に応じて摺動させて、該スライダーの上面を
    高速用カムの外周面に対して離接させる駆動機構とを備
    えた内燃機関の動弁装置であって、 前記スライダーと該スライダーの下面が摺接する前記ベ
    ースプレートとの間に、スライダーをカムシャフト軸方
    向へ摺動案内する案内手段を設けたことを特徴とする内
    燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記案内手段は、前記ベースプレートの
    上面に形成された案内突部と、前記スライダーの下面に
    形成されて、前記案内突部が嵌入摺動する案内溝とから
    構成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動
    弁装置。
  3. 【請求項3】 前記案内手段は、前記ベースプレートの
    上面に形成された案内溝と、スライダーの下面に形成さ
    れて、前記案内溝に嵌入摺動する案内突部とから構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁装
    置。
  4. 【請求項4】 前記案内突部をカムシャフト軸方向へ延
    設したことを特徴とする請求項2または3記載の内燃機
    関の動弁装置。
  5. 【請求項5】 前記バルブリフター本体に対して前記ベ
    ースプレートの周方向の位置決めをする位置決め手段を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁
    装置。
  6. 【請求項6】前記位置決め手段は、バルブリフターある
    いはベースプレートに固定された位置決め用ピンと、バ
    ルブリフターあるいはベースプレートに形成されて、前
    記位置決め用ピンの先端部が係入する位置決め用溝とに
    よって構成したことを特徴とする請求項5記載の内燃機
    関の動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102004039705A1 (de) * 2004-08-17 2006-03-23 Ina-Schaeffler Kg Schaltbarer Stößel
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JP2008063966A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Riken Corp バルブ休止機構付きバルブリフタ

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