JP2668312B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JP2668312B2 JP24664892A JP24664892A JP2668312B2 JP 2668312 B2 JP2668312 B2 JP 2668312B2 JP 24664892 A JP24664892 A JP 24664892A JP 24664892 A JP24664892 A JP 24664892A JP 2668312 B2 JP2668312 B2 JP 2668312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関弁の作動特性を機
関の運転状態に応じて変更可能な内燃機関の動弁装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる動弁装置は、たとえば特開
昭63−57805号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報で
開示されている動弁装置では、3つのロッカアームが相
互に隣接配置され、相互に隣接した一対ずつ2組のロッ
カアームの連結および連結解除を切換えることにより、
機関の低速運転状態、中速運転状態および高速運転状態
の3つの運転状態に応じて一対の機関弁の作動特性を変
更するようにしている。ところが、上記従来のもので
は、隣接ロッカアームとの連結解除状態と連結状態とで
各機関弁の作動特性を2段階に変化させるだけであり、
一対の機関弁の作動特性の組合せを3段階に変更するこ
とにより、機関の運転状態に応じた3段階の作動特性変
更を達成するようにしたものであり、機関の運転状態に
応じたより精密な弁作動特性変更制御を可能とするに
は、各運転域での弁作動特性の組合せの選択自由度をよ
り大きくすることが望ましい。
【0004】また上記従来のものでは、一方の組の隣接
ロッカアームを連結するための連結切換手段と、他方の
組の隣接ロッカアームを連結するための連結切換手段と
が同軸に上に配置されており、各連結切換手段の作動ス
トロークを確保するために、相互に隣接した3つのロッ
カアームの揺動軸線に沿う幅を比較的大きく設定しなけ
ればならず、動弁装置の大型化を招くとともにロッカア
ーム連結時の剛性を確保するためにロッカアーム強度の
増大を図る必要がある。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、3つのロッカアームによる機関弁の作動特性
の機関運転状態に応じた変更の選択自由度を増大すると
ともに、3つのロッカアームの揺動軸線に沿う幅の増大
を回避し得るようにした内燃機関の動弁装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明によれば、カムに従動する第1
ロッカアームと、前記カムよりも高速の運転状態に対応
したカムに従動する第2ロッカアームとが、機関弁に連
動、連結される第3ロッカアームの一側に配置され、第
1および第2ロッカアームのうち第3ロッカアームから
最も離隔したロッカアームと第3ロッカアームとの間に
は、両者の連結および連結解除を切換可能な第1連結切
換手段が、第3ロッカアームに隣接したロッカアームを
跨いで設けられ、第1ないし第3ロッカアームのうち少
なくとも2つの相互に隣接したロッカアーム間には、隣
接ロッカアームの連結および連結解除を第1連結切換手
段とは独立して切換可能な第2連結切換手段が設けられ
る。
【0007】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、第1ロッカアームに
は、第3ロッカアームに連動、連結された機関弁とは別
の機関弁が連動、連結され、第1および第3ロッカアー
ム間に第2ロッカアームが配置される。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。
【0009】図1ないし図4は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は縦断面図であって図2の1−1線
に沿う断面図、図2は図1の2矢視拡大平面図、図3は
図1の3−3線拡大断面図、図4は図1の4−4線拡大
断面図である。
【0010】先ず図1および図2において、SOHC型
内燃機関におけるシリンダヘッドH C1には、燃焼室11
の天井面に開口するようにして一対の吸気弁口12が設
けられる。両吸気弁口12を個別に開閉可能な一対の機
関弁としての吸気弁V1 ,V 2 は、シリンダヘッドHC1
に配設された一対のガイド筒13にそれぞれ摺動可能に
嵌合されており、各ガイド筒13から突出した各吸気弁
1 ,V2 の上端部にそれぞれ固定されたリテーナ14
とシリンダヘッドHC1との間には各吸気弁V1,V2
囲繞するコイル状の弁ばね15がそれぞれ介設され、そ
れらの弁ばね15により各吸気弁V1 ,V2 は上方すな
わち閉弁方向に付勢される。
【0011】両吸気弁V1 ,V2 と、図示しない排気弁
とに共通なカムシャフト161 がクランクシャフト(図
示せず)に1/2の減速比で連動、連結されており、該
カムシャフト161 と両吸気弁V1 ,V2 との間には、
カムシャフト161 の回転運動を吸気弁V1 ,V2 の開
閉運動に変換すべく第1、第2および第3ロッカアーム
171 ,181 ,191 が介設される。
【0012】図3を併せて参照して、カムシャフト16
1 は、シリンダヘッドH C1 と、該シリンダヘッドH C1
にそれぞれ結合される複数のホルダ20とで回転自在に
支承される。このカムシャフト161 には、低速用カム
21と、高速用カム22と、隆起部23とが、この順に
並んで一体に設けられる。低速用カム21は、機関の低
速運転域で一方の吸気弁V1 を開閉作動せしめるととも
に機関の中速運転域で両吸気弁V1 ,V2 を開閉作動せ
しめるための形状を有するものであり、ベース円部21
aと、該ベース円部21aから半径方向外方に張出す高
位部21bとを有する。また高速用カム22は、機関の
高速運転域で両吸気弁V1 ,V2 を開閉作動せしめるた
めの形状を有するものであり、ベース円部22aと、カ
ムシャフト161 の半径方向に沿う外方への張出量を低
速用カム21の高位部21bよりも大としかつその高位
部21bよりも広い中心角範囲にわたってベース円部2
2aから張出した高位部22bとを有する。さらに前記
隆起部23は、機関の低速運転域で他方の吸気弁V2
実質的に休止状態とすべく基本的にはカムシャフト16
1 の軸線を中心とするほぼ円形の外面を有するように形
成されるものであるが、前記低速用カム21および高速
用カム22の高位部21b,22bに対応する位置には
わずかに突出した突部が設けられている。
【0013】一方の吸気弁V1 には第1ロッカアーム1
1 が連動、連結され、他方の吸気弁V2 には第3ロッ
カアーム191 が連動、連結され、第2ロッカアーム1
1が両吸気弁V1 ,V2 とは自由となることを可能と
して第1および第3ロッカアーム171 ,191 間に隣
接配置される。而して各ロッカアーム171 〜19
1は、カムシャフト161 の斜め上方位置で該カムシャ
フト161 と平行な軸線を有しながらホルダ20に固定
的に支持されたロッカアームシャフト241 で揺動自在
に支承される。
【0014】第1ロッカアーム171 の一端下部には低
速用カム22に摺接するカムスリッパ25が設けられ、
第2ロッカアーム181 の一端下部には高速用カム22
に摺接するカムスリッパ26が設けられ、第3ロッカア
ーム191 の下部には隆起部23に摺接するスリッパ2
7が設けられる。
【0015】第1および第3ロッカアーム171 ,19
1 の他端には、各吸気弁V1 ,V2の上端に当接するタ
ペットねじ28がそれぞれ進退自在に螺合されており、
第1および第3ロッカアーム171 ,191 の揺動作動
に応じて各吸気弁V1 ,V2が開閉作動することにな
る。
【0016】また第2ロッカアーム181 は、図示しな
い弾発付勢手段により、カムスリッパ26を高速用カム
22に摺接させる方向に弾発付勢される。
【0017】第1〜第3ロッカアーム171 〜191
うち、第1および第3ロッカアーム171 ,191 間に
は両者171 ,191 の連結および連結解除を切換可能
な第1連結切換手段301 が設けられ、第1〜第3ロッ
カアーム171 〜1 1 には、それら171 〜191
連結および連結解除を第1連結切換手段301 とは独立
して切換可能な第2連結切換手段311 が、ロッカアー
ムシャフト241 の軸線まわりに前記第1連結切換手段
301 とはずれた位置に設けられる。
【0018】ロッカアームシャフト241 よりも両吸気
弁V1 ,V2 側で第1ロッカアーム171 には、第2ロ
ッカアーム181 を跨いで第3ロッカアーム191 側に
延びる連結腕29が一体に設けられており、この連結腕
29と第3ロッカアーム19 1 との連結および連結解除
を切換可能として第1連結切換手段301 が設けられ
る。またロッカアームシャフト241 に関して第1連結
切換手段301 とは反対側で第1〜第3ロッカアーム1
1 ,181 ,191 に第2連結切換手段311が設け
られる。
【0019】第1連結切換手段301 は、第1ロッカア
ーム171 および第3ロッカアーム191 を連結可能な
連結ピストン32と、連結ピストン32の移動を規制す
る規制部材33と、連結ピストン32および規制部材3
3を連結解除側に付勢する戻しばね34とを備える。
【0020】第1ロッカアーム171 の連結腕29に
は、第3ロッカアーム191 側に開放した有底のガイド
穴35がロッカアームシャフト241 と平行に穿設され
ており、このガイド穴35に連結ピストン32が摺動可
能に嵌合され、連結ピストン32の一端とガイド穴35
の閉塞端との間に油圧室36が画成される。また第1ロ
ッカアーム171 には油圧室36に連通する連通路37
が穿設され、ロッカアームシャフト241 内には図示し
ない油圧供給源に通じる油圧通路38が設けられ、この
油圧通路38は第1ロッカアーム171 の揺動状態にか
かわらず前記連通路37すなわち油圧室36に常時連通
する。
【0021】ところで、連結ピストン32は伸長方向の
ばね力を発揮して伸縮可能に構成されるものであり、閉
塞端を油圧室36に臨ませながらガイド穴35に摺動可
能に嵌合される有底円筒体41と、ガイド穴35に摺動
可能に嵌合される短円柱体42と、有底円筒体41およ
び短円柱体42間に縮設されるばね43とを有する。し
かも有底円筒体41の開放端外面には、該開放端を短円
柱体42の一端面に当接させたときに短円柱体42の一
端面および有底円筒体41間に環状の第1係合溝44を
形成する環状の切欠き部が設けられる。また有底円筒体
41の外周には環状の第2係合溝45が設けられる。し
かも前記ばね43のセット荷重は戻しばね34よりも小
さく設定される。
【0022】第3ロッカアーム191 には、前記ガイド
穴35に対応する有底のガイド穴47が連結腕29側に
開放してロッカアームシャフト241 と平行に穿設され
ており、連結ピストン32における短円柱体42の他端
に当接する有底円筒状の規制部材33がガイド穴47に
摺動可能に嵌合される。この規制部材33は、その開口
端をガイド穴47の閉塞端側に向けて配置されるもので
あり、その開口端部で半径方向外方に張出した鍔部33
aがガイド穴47の内面に摺接する。戻しばね34は、
ガイド穴47の閉塞端および規制部材33の閉塞端間に
縮設されており、この戻しばね34のばね力により相互
に当接した前記連結ピストン32および規制部材33が
油圧室36側に向けて付勢される。しかもガイド穴47
の閉塞端には、空気および油抜き用の連通孔48が穿設
される。さらにガイド穴47の内面には、規制部材33
の鍔部33aに当接して規制部材33のガイド穴47か
らの脱落を阻止する止め輪49が嵌着される。
【0023】かかる第1連結切換手段301 には、その
作動タイミングを規制するためのトリガ機構51が付設
されるものであり、該トリガ機構51は、連結ピストン
32における第1係合溝44あるいは第2係合溝45に
係合して該連結ピストン32の移動を規制する位置、な
らびに第1係合溝44あるいは第2係合溝45への係合
状態を解除して連結ピストン32の移動を許容する位置
間でのロッカアームシャフト241 の軸線まわりの各ロ
ッカアーム171 〜191 との相対揺動が可能なトリガ
板52を備える。
【0024】第1ロッカアーム171 の上部には、スリ
ット53が設けられるとともに、該スリット53の両側
面に連なって上方に延びるガイド部54,54が突設さ
れる。スリット53は、連結ピストン32における有底
円筒体41および短円柱体42が図3で示すように油圧
室36側に最大限変位している状態で第1係合溝44に
対応するようにして第1ロッカアーム171 の上部に穿
設され、第2係合溝45は、相互に当接状態にある有底
円筒体41および短円柱体42が油圧室36から離反す
る方向に最大限移動した状態で前記スリット53に対応
する位置となるようにして有底円筒体41の外周に設け
られる。
【0025】第1ロッカアーム171 と一方のホルダ2
0との間でロッカアームシャフト241 には円筒状のカ
ラー55が嵌挿され、他方のホルダ20と第3ロッカア
ーム191 との間でロッカアームシャフト241 には円
筒状のカラー56が嵌挿され、それらのカラー55,5
6により各ロッカアーム171 〜191 のロッカアーム
シャフト241 に沿う移動が規制される。
【0026】上記トリガ板52は前記一方のカラー55
に相対回動可能に支承される。このトリガ板52には、
前記両ガイド部54,54に両面を摺接させながらスリ
ット53から第1係合溝44あるいは第2係合溝45に
係脱可能に係合する係合板部52aが一体的に設けられ
る。
【0027】各ロッカアーム171 〜191 の両側のホ
ルダ20,20のうち第1ロッカアーム171 に対向す
る側のホルダ20には、第1ロッカアーム171 側に向
けてストッパピン57が植設されており、該ストッパピ
ン57に下方から当接可能なストッパ52bがトリガ板
52から突設される。またカラー55を囲繞するねじり
ばね58の一端が前記ストッパピン57に係止され、該
ねじりばね58の他端はトリガ板52に上方から係止さ
れる。而してトリガ板52は、ねじりばね58によりス
トッパ52bをストッパピン57に当接させる方向に付
勢されており、ストッパ52bがストッパピン57に当
接した状態で、第1ロッカアーム171が静止状態にあ
るときにはトリガ板52の係合板部52aがスリット5
3から係合溝54,55に係合可能であり、また第1ロ
ッカアーム171 が開弁方向に揺動すると係合板部52
aがスリット53から離脱するようにストッパピン57
の位置が設定される。
【0028】図4において、第2連結切換手段31
1 は、第1および第2ロッカアーム17 1 ,181 を連
結可能な連結ピストン61と、第2および第3ロッカア
ーム18 1 ,191 を連結可能な連結ピン62と、連結
ピストン61および連結ピン62の移動を規制する規制
部材63と、連結ピストン61、連結ピン62および規
制部材63を連結解除側に付勢する戻しばね64とを備
える。
【0029】第1ロッカアーム171 には、第2ロッカ
アーム181 側に開放した有底のガイド穴65がロッカ
アームシャフト241 と平行に穿設されており、連結ピ
ストン61がガイド穴65に摺動可能に嵌合され、連結
ピストン61の一端とガイド穴65の閉塞端との間に油
圧室66が画成される。また第1ロッカアーム171
は油圧室66に通じる連通路67が穿設される。さらに
ロッカアームシャフト241 内には、第1連結切換手段
301 の油圧通路38とは隔絶されるとともに図示しな
い油圧供給源に通じる油圧通路68が穿設されており、
この油圧通路68は、第1ロッカアーム171 の揺動状
態にかかわらず前記連通路67すなわち油圧室66に常
時連通する。
【0030】第2ロッカアーム181 には、ガイド穴6
5に対応するガイド孔70がロッカアームシャフト24
1 と平行にして両側面間にわたって穿設されており、前
記連結ピストン61の他端に一端が当接される連結ピン
62がガイド孔70に摺動可能に嵌合される。
【0031】第3ロッカアーム191 には、前記ガイド
孔70に対応する有底のガイド穴71が第2ロッカアー
ム181 側に開放してロッカアームシャフト241 と平
行に穿設されており、連結ピン62の他端に当接する有
底円筒状の規制部材63がガイド穴71に摺動可能に嵌
合される。該規制部材63は、その開口端をガイド穴7
1の閉塞端側に向けて配置されるものであり、その開口
端部で半径方向外方に張出した鍔部63aがガイド穴7
1の内面に摺接する。戻しばね64は、ガイド穴71の
閉塞端および規制部材63の閉塞端間に縮設されてお
り、該戻しばね64のばね力により相互に当接した連結
ピストン61、連結ピン62および規制部材63が油圧
室66側に向けて付勢される。しかもガイド穴71の閉
塞端には、空気および油抜き用の連通孔72が穿設され
る。さらにガイド穴71の内面には、規制部材63の鍔
部63aに当接して規制部材63のガイド穴71からの
脱落を阻止する止め輪73が嵌着される。
【0032】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、機関の低速運転域では第1および第2連結切換手
段301 ,311 における油圧室36,66の油圧は解
放されており、第1連結切換手段301 にあっては戻し
ばね34のばね力により連結ピストン32が油圧室36
側に最大限移動した連結解除状態にあり、また第2連結
切換手段311 にあっては戻しばね64のばね力により
連結ピストン61および連結ピン62が油圧室66側に
最大限移動した連結解除状態にある。この際、第1連結
切換手段301 では第1係合溝44が形成されており、
第1ロッカアーム171 の静止状態でトリガ板52は第
1係合溝44に係合する。また連結ピストン32および
規制部材33の当接面は第1ロッカアーム171 と一体
の連結腕29および第3ロッカアーム191 間に対応す
る位置に在る。一方、第2連結切換手段311 にあって
は、連結ピストン61および連結ピン62の当接面が第
1および第2ロッカアーム171 ,181 間に在り、連
結ピン62および規制部材63の当接面が第2および第
3ロッカアーム181 ,191 間に在る。したがって第
1〜第3ロッカアーム171 ,181 ,191 は相対角
変位可能な状態にある。
【0033】このような第1および第2連結切換手段3
1 ,302 の連結解除状態にあっては、カムシャフト
161 の回転作動により第1ロッカアーム171 は低速
用カム21との摺接に応じて揺動し、一方の吸気弁V1
は低速用カム21の形状に応じたタイミングおよびリフ
ト量で開閉作動する。また隆起部23に摺接した第3ロ
ッカアーム191 はその揺動作動を実質的に休止させた
状態となり、他方の吸気弁V2 を実質的に閉弁休止させ
ることができる。しかも隆起部23にはわずかに突出し
た突部が低速用カム21および高速用カム22の高位部
21b,22bに対応して設けられているので、吸気弁
2 は完全に閉弁休止するのではなく、一方の吸気弁V
1 が開弁するときには開弁方向にわずかに作動するの
で、完全な閉弁状態を保ったときに生じる吸気弁V2
弁座への固着を防止することができる。さらに第2ロッ
カアーム181 は高速用カム22との摺接に応じて揺動
するが、その揺動動作は第1および第3ロッカアーム1
1 ,191 に何らの影響も及ぼさない。
【0034】機関の中速運転域においては、第2連結切
換手段311 は油圧室66の油圧が開放されたままで連
結解除状態にあるが、第1連結切換手段301 の油圧室
36には高油圧が供給される。これにより第1連結切換
手段301 において連結ピストン32は戻しばね34の
ばね力に抗して油圧室36の容積を増大する方向に移動
しようとする。しかるに、第1ロッカアーム171 が静
止状態にあるときにはトリガ板52が第1係合溝44に
係合しており、連結ピストン32の移動は阻止されてい
る。而して、第1ロッカアーム171 が開弁方向に作動
を開始すると、トリガ板52の係合板部52bが第1係
合溝44から離脱して連結ピストン32の移動が可能と
なり、該連結ピストン32は第3ロッカアーム191
にわずかに移動し、第1係合溝44がスリット53に対
応する位置からずれる。このため第1ロッカアーム17
1 が閉弁方向に作動してもトリガ板52が第1係合溝4
4に係合することはない。
【0035】このようにしてガイド穴35,47の軸線
が一致したとき、すなわち各ロッカアーム171 〜19
1 が静止状態に入ったときに連結ピストン32がガイド
穴47に嵌合し、第1および第3ロッカアーム171
191 が連結状態となる。この状態で第2係合溝45は
スリット53に対応する位置にあり、第1ロッカアーム
171 が静止状態となったときにトリガ板52は第2係
合溝45に係合することになる。
【0036】上述のように第1および第3ロッカアーム
171 ,191 が連結されると、低速用カム21に摺接
している第1ロッカアーム171 とともに第3ロッカア
ーム191 が揺動し、両吸気弁V1 ,V2 は低速用カム
21の形状に応じたタイミングおよびリフト量で開閉作
動せしめられる。
【0037】機関の高速運転域では、第1および第2連
結切換手段301 ,311 の油圧室36,66にともに
高油圧が作用せしめられる。それにより第1連結切換手
段301 は連結状態を持続する。また第2連結切換手段
311 の油圧室66には、戻しばね64のばね力に抗し
て連結ピストン61を押圧する油圧力が発生し、ガイド
穴65、ガイド孔70およびガイド穴71の軸線が一致
したときに、連結ピストン61がガイド孔70に、また
連結ピン62がガイド穴71にそれぞれ嵌合し、第1〜
第3ロッカアーム171 〜191 が連結状態となる。
【0038】第1〜第3ロッカアーム171 〜191
連結されると、吸気弁V1 ,V2 に連動、連結されてい
る第1および第3ロッカアーム171 ,191 は、高速
用カム22で揺動駆動される第2ロッカアーム181
ともに揺動することになり、両吸気弁V1 ,V2 は、高
速用カム22の形状に応じたタイミングおよびリフト量
で開閉作動せしめられる。
【0039】なお、上述の高速運転域において第2連結
切換手段311 の連結状態確立後に第1連結切換手段3
1 の油圧室36から油圧を解放して第1連結切換手段
30 1 を連結解除状態としてもよい。
【0040】ところで、機関を高速運転域から低速運転
域に変化させる際、あるいは高速運転域で第2連結切換
手段311 の連結状態が確立した後に、第1連結切換手
段301 における油圧室36の油圧を解放すると、連結
ピストン32は戻しばね34のばね力により油圧室36
側に押圧されるが、第1ロッカアーム171 が静止状態
にあるときには第2係合溝45にトリガ板52が係合し
ており、移動を阻止される。而して第1ロッカアーム1
1 が開弁方向に揺動し始めると、トリガ板52が第2
係合溝45から離脱し、ばね43のばね力により先ず有
底円筒体41が油圧室36側に移動する。この際、短円
柱体42は第1ロッカアーム171 の揺動に伴うガイド
穴35,47との摩擦力によりガイド穴35には戻ら
ず、次に第1ロッカアーム171 が静止状態となるのに
応じてガイド穴35に戻り、第1および第3ロッカアー
ム171 ,191 の連結状態が解除される。また第2連
結切換手段311 では、ガイド穴65,ガイド孔70お
よびガイド穴71の軸線が一致した状態で、連結ピスト
ン61がガイド穴65に戻るとともに連結ピン62がガ
イド孔70に戻って連結状態が解除される。
【0041】このようにして、機関の低速運転域にあっ
ては一方の吸気弁V1 を低速用カム21の形状に対応し
たタイミングおよびリフト量で開閉駆動するとともに他
方の吸気弁V2 を実質的に閉弁休止させることにより燃
費の低減を図ることができ、また機関の中速運転域にあ
っては両吸気弁V1 ,V2 を低速用カム21の形状に応
じたタイミングおよびリフト量で開閉作動せしめて中速
運転時に応じた出力トルクを得ることが可能となり、さ
らに機関の高速運転域にあっては両吸気弁V1,V2
高速用カム22の形状に応じたタイミングおよびリフト
量で開閉作動せしめて機関出力の向上を図ることが可能
となり、機関の低速、中速および高速運転域にそれぞれ
応じた弁作動特性を得ることができる。
【0042】しかも第3ロッカアーム191 に連動、連
結された吸気弁V2 は、第2ロッカアーム181 を跨い
で第1ロッカアーム171 に連結されることが可能であ
るので、機関の低速運転域では実質的な閉弁休止、機関
の中速運転域では低速用カム21による開閉作動、機関
の高速運転域では高速用カム22による開閉作動の3段
階の作動特性変更が可能であり、第1ロッカアーム17
1 に連動、連結された吸気弁V1 の低速用カム21によ
る開閉作動ならびに高速用カム22による開閉作動の2
段階の作動特性変更と組合せて、吸気弁V1 ,V2 の作
動特性の機関運転状態に応じた変更の選択自由度を増大
することができる。
【0043】かかる動弁装置では、高速用カム22に摺
接する第2ロッカアーム181 が、一対の吸気弁V1
2 に個別に連動、連結される第1および第3ロッカア
ーム171 ,191 間に配置されるので、高速用カム2
2からの駆動荷重をほぼ均等に分配して両吸気弁V1
2 に作用させることができ、偏荷重が生じることを回
避することができる。
【0044】ところで、第1連結切換手段301 の連結
ピストン32は、トリガ機構51のトリガ板52を係脱
可能に係合するために、油圧室36に臨む有底円筒体4
1と、短円柱体42と、有底円筒体41および短円柱体
42間に縮設されるばね43とにより、伸長方向のばね
力を発揮して伸縮可能に構成されるものであるので、軸
方向の長さが比較的長くなる。而して、第1および第2
連結切換手段301 ,311 がロッカアームシャフト2
4の軸線まわりにずらせて配置されており、第1連結切
換手段301 は、第3ロッカアーム191 と、第3ロッ
カアーム191側に向けて第1ロッカアーム171 から
延設される連結腕29との間に設けられている。したが
ってロッカアームシャフト241 の軸線に沿う第1ロッ
カアーム171 の幅を大きくすることなしに、第1ロッ
カアーム171 において連結ピストン32に必要な長さ
を確保することができ、トリガ機構51により第1連結
切換手段301 を正確なタイミングで作動せしめること
ができる。さらにロッカアームシャフト241 の軸線に
沿う各ロッカアーム171 ,181 ,191 の幅を大き
くすることなしに、第1および第2連結切換手段3
1 ,311 で充分な作動ストロークを得ることがで
き、各ロッカアーム171 〜191 を連結したときの剛
性を高めることができる。
【0045】図5は第1実施例の変形例を示すものであ
り、第2連結切換手段311 とは独立して作動可能な第
1連結切換手段301 が、第1ロッカアーム171 の低
速用カム21からの荷重作用点となす中心角αが、90
度に近い値となるような位置で第1および第3ロッカア
ーム171 ,191 間に設けられる。
【0046】ところで、第1連結切換手段301 を連結
状態にすると、第1ロッカアーム171 で第3ロッカア
ーム191 を揺動駆動することになるので、第1ロッカ
アーム171 には、第1および第3ロッカアーム1
1 ,191 の連結点およびロッカアームシャフト24
1 の軸線を直角に結ぶ直線まわりの回転モーメントが作
用することになる。しかるに、上述のように第1ロッカ
アーム171 の低速用カム21からの荷重作用点となす
中心角αが90度に近い値となるような位置に第1連結
切換機構301 が配設されることにより、前記回転モー
メントは、第1ロッカアーム171 のカムスリッパ25
と低速用カム21との摺接面にほぼ平行な平面で生じる
ことになり、カムスリッパ25と低速用カム21との摺
接面に偏荷重が生じることが防止される。
【0047】図6ないし図9は本発明の第2実施例を示
すものであり、図6は縦断面図であって図7の6−6線
に沿う断面図、図7は図6の7−7線に沿う拡大平面
図、図8は図6の8−8線拡大断面図、図9は図6の9
−9線拡大断面図であり、上記第1実施例に対応する部
分には同一の参照符号を付す。
【0048】先ず図6および図7において、DOHC型
内燃機関におけるシリンダヘッドH C2に開閉作動可能に
支承された一対吸気弁V1 ,V2 と、カムシャフト16
2 との間には、カムシャフト162 の回転運動を吸気弁
1 ,V2 の開閉運動に変換すべく第1、第2および第
3ロッカアーム172 ,182 ,192 が介設される。
【0049】図8を併せて参照して、カムシャフト16
2 には、中速用カム75と、高速用カム22と、低速用
カム21とが、この順に並んで一体に設けられる。中速
用カム75は、機関の低速運転域で一方の吸気弁V1
開閉作動せしめるとともに中速運転域で両吸気弁V1
2 を開閉作動せしめるための形状を有するものであ
り、ベース円部75aと、該ベース円部75aから半径
方向外方に張出す高位部75bとを有する。しかも高位
部75bは、カムシャフト162 の半径方向外方への張
出量を低速用カム21の高位部21bよりも大きくかつ
高速用カム22の高位部22bよりも小さくするととも
に、高位部21bよりも広くかつ高位部22bよりも狭
い中心角範囲にわたるようにしてベース円部75aから
張出す。
【0050】一方の吸気弁V1 には第1ロッカアーム1
2 の一端が連動、連結され、他方の吸気弁V2 には第
3ロッカアーム192 の一端が連動、連結され、第2ロ
ッカアーム182 が第1および第3ロッカアーム1
2 ,192 間に隣接配置される。而して各ロッカアー
ム172 〜192 は、カムシャフト162 の斜め下方位
置で該カムシャフト162 と平行な軸線を有するロッカ
アームシャフト242 で揺動自在に支承される。
【0051】第1〜第3ロッカアーム172 〜192
うち、第1および第3ロッカアーム172 ,192 間に
は両者172 ,192 の連結および連結解除を切換可能
な第1連結切換手段302 が設けられ、第1〜第3ロッ
カアーム172 〜182 には、それら172 〜192
連結および連結解除を第1連結切換手段302 とは独立
して切換可能な第2連結切換手段312 が、ロッカアー
ムシャフト242 の軸線まわりに前記第1連結切換手段
302 とはずれた位置に設けられる。
【0052】図9を併せて参照して、ロッカアームシャ
フト242 に関して両吸気弁V1 ,V2 とは反対側で、
第1および第3ロッカアーム172 ,192 には、第2
ロッカアーム182 を跨いで相互に対向する連結腕7
6,77が一体に設けられており、これらの連結腕7
6,77間に第1連結切換手段302 が設けられる。ま
た第1および第3ロッカアーム172 ,192 の吸気弁
1 ,V2 との連動、連結位置とロッカアームシャフト
242 との間で、第1〜第3ロッカアーム172 ,18
2 ,192 に第2連結切換手段312 が設けられる。
【0053】第1連結切換手段302 は、連結腕76,
77を連結可能な連結ピストン82と、連結ピストン8
2の移動を規制する規制部材83と、連結ピストン82
および規制部材83を連結解除側に付勢する戻しばね8
4とを備える。
【0054】第1ロッカアーム172 の連結腕76と、
第3ロッカアーム192 の連結腕77とには、相互に対
応するガイド穴85,89がロッカアームシャフト24
2 と平行に穿設される。
【0055】連結ピストン82はガイド穴85に摺動可
能に嵌合され、連結ピストン82とガイド穴85の閉塞
端との間に油圧室86が画成される。また第1ロッカア
ーム172 には油圧室86に連通する連通路87が穿設
され、ロッカアームシャフト242 内には図示しない油
圧供給源に通じる油圧通路88が設けられ、この油圧通
路88は第1ロッカアーム172 の揺動状態にかかわら
ず前記連通路87すなわち油圧室86に常時連通する。
【0056】有底円筒状の規制部材83はガイド穴89
に摺動可能に嵌合され、該規制部材83のガイド穴89
からの脱落はガイド穴89の内面に嵌着される止め輪9
0により阻止される。戻しばね84は、ガイド穴89の
閉塞端および規制部材83間に縮設され、ガイド穴89
の閉塞端には、空気および油抜き用の連通孔91が穿設
される。
【0057】ところで、第1〜第3ロッカアーム172
〜192 は、ローラフォロア92,93,94を介して
各カム75,22,21に従動するものであり、各ロー
ラフォロア92〜94は、ロッカアームシャフト242
と両吸気弁V1 ,V2 との間で各ロッカアーム172
192 に設けられる。また第2ロッカアーム182 は、
図示しない弾発付勢手段によりローラフォロア93を高
速用カム22に摺接させる方向に弾発付勢される。
【0058】ローラフォロア92は、ロッカアームシャ
フト242 と平行な軸線を有して第1ロッカアーム17
2 に嵌合、固定される内輪95と、中速用カム75に摺
接する外輪96との間に複数のころ97が介設されて成
り、ローラフォロア93は、ロッカアームシャフト24
2 と平行な軸線を有して第2ロッカアーム182 に嵌
合、固定される内輪98と、高速用カム22に摺接する
外輪99との間に複数のころ100が介設されて成り、
ローラフォロア94は、ロッカアームシャフト242
平行な軸線を有して第3ロッカアーム192 に嵌合、固
定される内輪101と、低速用カム21に摺接する外輪
102との間に複数のころ103が介設されて成る。し
かも各内輪95,98,101は、各ロッカアーム17
2 〜192が静止状態にあるときには同一軸線上に並ぶ
ようにして各ロッカアーム172 〜192 に嵌合、固定
される。
【0059】第2連結切換手段312 は、第1および第
2ロッカアーム172 ,182 を連結可能な連結ピスト
ン105と、第2および第3ロッカアーム182 ,19
2 を連結可能な連結ピン106と、連結ピストン105
および連結ピン106の移動を規制する規制部材107
と、連結ピストン105、連結ピン106および規制部
材107を連結解除側に付勢する戻しばね108とを備
える。
【0060】連結ピストン105がローラフォロア92
の内輪95に摺動可能に嵌合され、連結ピストン105
の一端と第1ロッカアーム172 との間に油圧室109
が画成される。また第1ロッカアーム172 には油圧室
109に通じる連通路110が穿設される。さらにロッ
カアームシャフト242 内には、第1連結切換手段30
1 の油圧通路87とは隔絶されるとともに図示しない油
圧供給源に通じる油圧通路112が穿設されており、こ
の油圧通路112は、第1ロッカアーム172の揺動状
態にかかわらず前記連通路110すなわち油圧室109
に常時連通する。
【0061】連結ピストン105の他端に一端が当接さ
れる連結ピン106はローラフォロア93の内輪98に
摺動可能に嵌合される。
【0062】連結ピン106の他端に当接する有底円筒
状の規制部材107はローラフォロア94の内輪101
に摺動可能に嵌合され、戻しばね108は、第3ロッカ
アーム192 と規制部材107との間に縮設される。ま
た第3ロッカアーム192 には、内輪101と同軸の連
通孔113が穿設される。
【0063】この第2実施例では、機関の低速運転域で
は第1および第2連結切換手段30 2 ,312 が連結解
除状態とされ、一方の吸気弁V1 が中速用カム75の形
状に応じたタイミングおよびリフト量で開閉作動せしめ
られるのに対し、他方の吸気弁V2 は低速用カム21の
形状に応じたタイミングおよびリフト量で開閉作動せし
められる。また機関の中速運転域では第1連結切換手段
302 が連結状態にされるのに対し第2連結切換手段3
2 は連結解除状態のままであり、両吸気弁V 1 ,V2
がともに中速用カム75の形状に応じたタイミングおよ
びリフト量で開閉作動せしめられる。さらに機関の高速
運転域では少なくとも第2連結切換手段312 が連結状
態とされ、両吸気弁V1 ,V2 は高速用カム22の形状
に応じたタイミングおよびリフト量で開閉作動せしめら
れる。
【0064】したがって機関の低速、中速および高速の
各運転域に応じて吸気弁V1 ,V2の開閉作動特性を変
更し、低速運転域での燃費の低減ならびに全運転域での
機関出力向上を図ることができる。しかも第3ロッカア
ーム192 に連動、連結された吸気弁V2 は、第2ロッ
カアーム182 を跨いで第1ロッカアーム172 に連結
されることが可能であるので、機関の低速運転域では低
速用カム21による開閉作動、機関の中速運転域では中
速用カム75による開閉作動、機関の高速運転域では高
速用カム22による開閉作動の3段階の作動特性変更が
可能であり、第1ロッカアーム172 に連動、連結され
た吸気弁V1 の中速用カム75による開閉作動ならびに
高速用カム22による開閉作動の2段階の作動特性変更
と組合せて、吸気弁V1 ,V2 の作動特性の機関運転状
態に応じた変更の選択自由度を増大することができる。
【0065】また第1および第2連結切換手段302
312 がロッカアームシャフト24 2 の周方向にずれて
配置されているので、隣接ロッカアームの連結および連
結解除を切換可能な一対の連結切換手段が同軸上に配設
されているものと比べると、各ロッカアーム172 〜1
2 の揺動軸線に沿う幅を大きくすることなしに第2連
結切換手段312 における連結ピストン105、連結ピ
ン106および規制部材107の軸長を比較的長く設定
することができる。したがって、各ロッカアーム172
〜192 の幅を大きくすることなく、第2連結切換手段
312 と同軸に各ローラフォロア92〜94を配設し、
各カム75,22,21と各ロッカアーム172 〜19
2 との摩擦抵抗を減少し、動弁動力の低減に寄与するこ
とができる。
【0066】図10は本発明の第3実施例を示すもので
あり、SOHC型内燃機関において、吸気弁V1 に連
動、連結されるとともに低速用カムに摺接される第1ロ
ッカアーム171 と、吸気弁V2 に連動、連結されると
ともに実質的に弁休止状態を得るための隆起部に摺接さ
れる第3ロッカアーム191 との間に、高速用カムに摺
接される第2ロッカアーム181 が配置され、第1およ
び第3ロッカアーム17 1 ,191 間に第1連結切換手
段301 が設けられ、また第2および第3ロッカアーム
181 ,191 間には、上記第2実施例における第1連
結切換手段302と基本的に同一の構成を有する第2連
結切換手段313 が設けられる。
【0067】而して機関の低速運転域で両連結切換手段
301 ,313 を連結解除状態とすることにより、一方
の吸気弁V1 を低速用カムで駆動するとともに他方の吸
気弁12 を実質的に休止させ、中速運転域で第1連結切
換手段301 のみを連結状態とすることにより両吸気弁
1 ,V2 をともに低速用カムで開閉作動せしめ、高速
運転域で第1および第2連結切換手段301 ,313
ともに連結状態とすることにより両吸気弁V1 ,V2
ともに高速用カムで開閉作動せしめることができる。
【0068】図11は本発明の第4実施例を示すもので
あり、SOHC型内燃機関において、吸気弁V1 に連
動、連結されるとともに低速用カムに摺接される第1ロ
ッカアーム171 と、吸気弁V2 に連動、連結されると
ともに実質的に弁休止状態を得るための隆起部に摺接さ
れる第3ロッカアーム191 との間に、高速用カムに摺
接される第2ロッカアーム181 が配置され、第1およ
び第3ロッカアーム17 1 ,191 間に第1連結切換手
段301 が、また第1および第2ロッカアーム171
181 間に第2連結切換手段313 が設けられる。
【0069】而して機関の低速運転域で両連結切換手段
301 ,313 を連結解除状態とすることにより、一方
の吸気弁V1 を低速用カムで駆動するとともに他方の吸
気弁12 を実質的に休止させ、中速運転域で第1連結切
換手段301 のみを連結状態とすることにより両吸気弁
1 ,V2 をともに低速用カムで開閉作動せしめ、高速
運転域で第1および第2連結切換手段301 ,314
ともに連結状態とすることにより両吸気弁V1 ,V2
ともに高速用カムで開閉作動せしめることができる。
【0070】図12は本発明の第5実施例を示すもので
あり、DOHC型内燃機関において、中速用カムに摺接
されるとともに吸気弁V1 に連動、連結される第1ロッ
カアーム172 と、吸気弁V1 に連動、連結されるとと
もに低速用カムに摺接される第3ロッカアーム192
の間に、高速用カムに摺接される第2ロッカアーム18
2 が配置され、第1および第3ロッカアーム172 ,1
2 間に第1連結切換手段302 が、また第1および第
2ロッカアーム172 ,182 間に第2連結切換手段3
3 が設けられる。
【0071】この第5実施例では、機関の低速運転域で
両連結切換手段302 ,313 を連結解除状態とするこ
とにより、吸気弁V1 を中速用カムで開閉作動せしめる
とともに吸気弁V2 を低速用カムで開閉作動せしめ、中
速運転域で第1連結切換手段302 のみを連結状態とす
ることにより吸気弁V1 ,V2 をともにを中速用カムで
開閉作動せしめ、高速運転域で第1および第2連結切換
手段302 ,313 をともに連結状態とすることにより
吸気弁V1 ,V2 をともに高速用カムで開閉作動せしめ
ることができる。
【0072】図13は本発明の第6実施例を示すもので
あり、DOHC型内燃機関において、中速用カムに摺接
されるとともに吸気弁V1 に連動、連結される第1ロッ
カアーム172 と、吸気弁V1 に連動、連結されるとと
もに低速用カムに摺接される第3ロッカアーム192
の間に第1連結切換手段302 が設けられ、高速用カム
に摺接されるとともに第1および第3ロッカアーム17
2 ,192 間に配置される第2ロッカアーム182 と第
3ロッカアーム192 との間に第2連結切換手段313
が設けられるようにしてもよい。
【0073】さらに図14で示す第7実施例のように、
DOHC型内燃機関において、単一の吸気弁Vが高速用
カムに摺接する第2ロッカアーム182 に対応する位置
で第3ロッカアーム192 に連動、連結され、第1およ
び第3ロッカアーム172 ,192 間に第1連結切換手
段302 が、また第1および第2ロッカアーム172
182 間に第2連結切換手段313 が設けられるように
してもよい。
【0074】この第7実施例によると、機関の低速運転
域で両連結切換手段302 ,313を連結解除状態とす
ることにより、吸気弁Vを低速用カムで開閉作動せし
め、中速運転域で第1連結切換手段302 のみを連結状
態とすることにより吸気弁Vを中速用カムで開閉作動せ
しめ、高速運転域で第1および第2連結切換手段3
2,313 をともに連結状態とすることにより吸気弁
Vを高速用カムで開閉作動せしめることができる。しか
も吸気弁Vに連動、連結される第3ロッカアーム19 2
が高速用カムで揺動駆動される第2ロッカアーム182
に隣接配置されることにより、高速運転域で高速用カム
から第2ロッカアーム182 への荷重作用点と、吸気弁
Vへの荷重作用点とを近接させることができ、偏荷重の
発生を極力回避することができる。
【0075】図15は本発明の第8実施例を示すもので
あり、中速用カムに摺接される第1ロッカアーム172
と、吸気弁Vに連動、連結されるとともに低速用カムに
摺接される第3ロッカアーム192 との間に第1連結切
換手段302 が設けられ、高速用カムに摺接されるとと
もに第1および第3ロッカアーム172 ,192 間に配
置される第2ロッカアーム182 と第3ロッカアーム1
2 との間に第2連結切換手段313 が設けられるよう
にしてもよい。
【0076】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0077】たとえば本発明を排気弁の動弁装置に適用
することも可能である。
【0078】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、カムに従動する第1ロッカアームと、前記カムより
も高速の運転状態に対応したカムに従動する第2ロッカ
アームとが、機関弁に連動、連結される第3ロッカアー
ムの一側に配置され、第1および第2ロッカアームのう
ち第3ロッカアームから最も離隔したロッカアームと第
3ロッカアームとの間には、両者の連結および連結解除
を切換可能な第1連結切換手段が、第3ロッカアームに
隣接したロッカアームを跨いで設けられ、第1ないし第
3ロッカアームのうち少なくとも2つの相互に隣接した
ロッカアーム間には、隣接ロッカアームの連結および連
結解除を第1連結切換手段とは独立して切換可能な第2
連結切換手段が設けられるので、第3ロッカアームに連
動、連結される機関弁の作動特性を3段階に変化させる
ことができ、弁作動特性の選択の自由度を増大させるこ
とができるとともに、両連結切換手段を各ロッカアーム
の揺動軸線まわりにずらせることにより前記揺動軸線に
沿うロッカアームの幅を小さくすることを可能とし、小
型化に寄与することができるとともにロッカアーム連結
時の剛性を向上することができる。
【0079】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、第1ロッカアームに
は、第3ロッカアームに連動、連結された機関弁とは別
の機関弁が連動、連結され、第1および第3ロッカアー
ム間に第2ロッカアームが配置されるので、機関高速運
転時のカムからの駆動荷重をほぼ均等に分配して両機関
弁に作用させることができ、偏荷重が生じることを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のSOHC型内燃機関用吸気弁側動
弁装置の縦断面図であって図2の1−1線に沿う断面図
である。
【図2】図1の2矢視拡大平面図である。
【図3】図1の3−3線拡大断面図である。
【図4】図1の4−4線拡大断面図である。
【図5】第1実施例の変形例の図1に対応する縦断面図
である。
【図6】第2実施例のDOHC型内燃機関用吸気弁側動
弁装置の縦断面図であって図7の6−6線に沿う断面図
である。
【図7】図6の7−7線に沿う拡大平面図である。
【図8】図6の8−8線拡大断面図である。
【図9】図6の9−9線拡大断面図である。
【図10】第3実施例の簡略化した平面図である。
【図11】第4実施例の簡略化した平面図である。
【図12】第5実施例の簡略化した平面図である。
【図13】第6実施例の簡略化した平面図である。
【図14】第7実施例の簡略化した平面図である。
【図15】第8実施例の簡略化した平面図である。
【符号の説明】
171 ,172 ……第1ロッカアーム 181 ,182 ……第2ロッカアーム 191 ,192 ……第3ロッカアーム 21……低速用カム 22……高速用カム 301 ,302 ……第1連結切換手段 311 ,312 ,313 …第2連結切換手段 75……中速用カム V,V1 ,V2 ……機関弁としての吸気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 将一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 梶原 滋正 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 土岐 進 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関弁(V2 ,V)の作動特性を機関の
    運転状態に応じて変更可能な内燃機関の動弁装置におい
    て、カム(21,75)に従動する第1ロッカアーム
    (171 ,172 )と、前記カム(21,75)よりも
    高速の運転状態に対応したカム(22)に従動する第2
    ロッカアーム(181 ,182 )とが、機関弁(V2
    V)に連動、連結される第3ロッカアーム(191 ,1
    2 )の一側に配置され、第1および第2ロッカアーム
    (171 ,181 ;172 ,18 2 )のうち第3ロッカ
    アーム(191 ,192 )から最も離隔したロッカアー
    ム(171 ,172 )と第3ロッカアーム(191 ,1
    2 )との間には、両者(171 ,191 ;172 ,1
    2 )の連結および連結解除を切換可能な第1連結切換
    手段(301 ,302 )が、第3ロッカアーム(1
    1 ,192 )に隣接したロッカアーム(181 ,18
    2 )を跨いで設けられ、第1ないし第3ロッカアーム
    (171 ,181 ,191 ;172 ,182 ,192
    のうち少なくとも2つの相互に隣接したロッカアーム
    (171 〜191 ;172 〜192 ;171 ,181
    181 ,191 ;172 ,182 ;182 ,192 )間
    には、隣接ロッカアーム(171 〜191 ;172 〜1
    2 171 ,181 ;181 ,191 ;172 ,1
    2 ;182 ,192 )の連結および連結解除を第1連
    結切換手段(301 ,302 )とは独立して切換可能な
    第2連結切換手段(311 ,312 ,313 )が設けら
    れることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 第1ロッカアーム(171 ,172 )に
    は、第3ロッカアーム(191 ,192 )に連動、連結
    された機関弁(V2 )とは別の機関弁(V1)が連動、
    連結され、第1および第3ロッカアーム(171 ,19
    1 ;172 ,192 )間に第2ロッカアーム(181
    182 )が配置されることを特徴とする請求項1記載の
    内燃機関の動弁装置。
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