JPH0874545A - 多気筒内燃機関の動弁装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の動弁装置

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JPH0874545A
JPH0874545A JP6210028A JP21002894A JPH0874545A JP H0874545 A JPH0874545 A JP H0874545A JP 6210028 A JP6210028 A JP 6210028A JP 21002894 A JP21002894 A JP 21002894A JP H0874545 A JPH0874545 A JP H0874545A
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intake valve
intake
exhaust
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哲也 長谷部
Kazuhide Kumagai
和英 熊谷
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Honda Motor Co Ltd
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    • F01L1/26Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of two or more valves operated simultaneously by same transmitting-gear; peculiar to machines or engines with more than two lift-valves per cylinder
    • F01L1/267Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of two or more valves operated simultaneously by same transmitting-gear; peculiar to machines or engines with more than two lift-valves per cylinder with means for varying the timing or the lift of the valves
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D13/00Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing
    • F02D13/02Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing during engine operation
    • F02D13/06Cutting-out cylinders
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数気筒のうち少なくとも一部の気筒に、軸方
向一側に向けての油圧力を発揮し得る油圧室ならびに前
記油圧力に対抗するばね力を軸方向他側に向けて発揮す
る戻しばねを有し、油圧室に作用する油圧の制御に応じ
て吸気弁および排気弁の休止・作動を切換可能な弁作動
・休止切換手段がそれぞれ設けられる多気筒内燃機関の
動弁装置において、単一の油圧制御弁で吸気弁側および
排気弁側弁作動・休止切換手段の切換作動に時間差をも
たせ、部品点数の低減および油圧制御弁の設置スペース
減少を図る。 【構成】吸気側および排気側弁作動・休止切換手段53
1 ,532 ;551 ,552 の油圧室62I ,62E
は単一の油圧制御弁1111 が共通に接続され、両弁作
動・休止切換手段531 ,532 ;551 ,552 の戻
しばね61I ,61E のばね荷重が相互に異なって設定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関の動弁
装置に関し、特に複数気筒のうち少なくとも一部の気筒
に、吸気弁の作動・休止を切換可能な吸気弁側弁作動・
休止切換手段と、排気弁の作動・休止を切換可能な排気
弁側弁作動・休止切換手段とが設けられ、両弁作動・休
止切換手段は、軸方向一側に向けての油圧力を発揮し得
る油圧室ならびに前記油圧力に対抗するばね力を軸方向
他側に向けて発揮する戻しばねをそれぞれ有し、油圧室
に作用する油圧の制御に応じて吸気弁および排気弁の休
止・作動を切換可能に構成される多気筒内燃機関の動弁
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数気筒のうち少なくとも一部の
気筒で吸気弁を閉弁休止させて気筒休止状態を得るよう
にした動弁装置は、たとえば実公平2−24888号公
報および特公平2−50284号公報等により既に知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、気筒休止時
には吸気弁を閉弁休止させるだけでなく排気弁をも閉弁
休止させる必要があり、そのためには吸気弁および排気
弁側にそれぞれ弁作動・休止切換手段を設けておけばよ
いが、気筒休止にあたって、休止気筒内に燃焼ガスが残
留することを避けるためには吸気弁の休止を排気弁の休
止に先行させることが必要であり、一方、燃料供給をカ
ットした状態で空気を気筒内に供給して保持するとオイ
ル上がりが生じるのを防止することができるものであ
り、この際には排気弁の休止を吸気弁の休止に先行させ
ることが必要である。この場合、弁作動・休止切換手段
が油圧作動式のものである場合、上述のように気筒休止
時に吸気弁および排気弁の休止に時間差をもたせるため
には、吸気弁側および排気弁側弁作動・休止切換手段に
個別に油圧制御弁を接続し、時間差をあけてそれらの油
圧制御弁の作動を制御するようにすればよいが、そうす
ると油圧制御弁が2つ必要となり、部品点数が多くなる
だけでなく油圧制御弁の配置スペースも大きくなる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、単一の油圧制御弁で吸気弁側および排気弁側
弁作動・休止切換手段の切換作動に時間差をもたせるこ
とができるようにして、部品点数の低減を図るとともに
油圧制御弁の設置スペースを減少させ得るようにした多
気筒内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、複数気筒のうち少なくとも
一部の気筒に、吸気弁の作動・休止を切換可能な吸気弁
側弁作動・休止切換手段と、排気弁の作動・休止を切換
可能な排気弁側弁作動・休止切換手段とが設けられ、両
弁作動・休止切換手段は、軸方向一側に向けての油圧力
を発揮し得る油圧室ならびに前記油圧力に対抗するばね
力を軸方向他側に向けて発揮する戻しばねをそれぞれ有
し、油圧室に作用する油圧の制御に応じて吸気弁および
排気弁の作動・休止を切換可能に構成される多気筒内燃
機関の動弁装置において、吸気側および排気側弁作動・
休止切換手段の油圧室には共通な単一の油圧制御弁が共
通に接続され、両弁作動・休止切換手段の戻しばねのば
ね荷重が相互に異なって設定されることを特徴とする。
【0006】また請求項2記載の発明は、複数気筒のう
ち少なくとも一部の気筒に、吸気弁の作動・休止を切換
可能な吸気弁側弁作動・休止切換手段と、排気弁の作動
・休止を切換可能な排気弁側弁作動・休止切換手段とが
設けられ、両弁作動・休止切換手段は、軸方向一側に向
けての油圧力を発揮し得る油圧室ならびに前記油圧力に
対抗するばね力を軸方向他側に向けて発揮する戻しばね
をそれぞれ有し、油圧室に作用する油圧の制御に応じて
吸気弁および排気弁の作動・休止を切換可能に構成され
る多気筒内燃機関の動弁装置において、吸気側および排
気側弁作動・休止切換手段の油圧室は、スプール弁体の
ストローク量が一方向に変化するのに応じて両油圧室の
油圧を順次制御する単一の油圧制御弁に共通に接続され
ることを特徴とする。
【0007】
【作用】上記請求項1記載の発明の構成によれば、単一
の油圧制御弁により両油圧室の油圧が同一であっても、
両戻しばねのばね荷重が異なることにより、吸気弁側弁
作動・休止切換手段の切換作動ならびに排気弁側弁作動
・休止切換手段の切換作動に時間差か生じる。
【0008】また上記請求項2記載の発明の構成によれ
ば、油圧制御弁の作動時にスプール弁体のストローク量
が一方向に順次変化するのに応じて両油圧室の油圧が時
間差を有して制御されることになり、吸気弁側弁作動・
休止切換手段の切換作動ならびに排気弁側弁作動・休止
切換手段の切換作動に時間差が生じる。
【0009】
【実施例】以下、図面により本発明をSOHC型多気筒
内燃機関に適用したときの実施例について説明する。
【0010】図1ないし図7は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は内燃機関の縦断側面図、図2は図
1の2−2線矢視図、図3は図2の3−3線に沿う断面
図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の5−5
線断面図、図6は図2の6−6線断面図、図7は両弁作
動・休止切換手段および油圧制御弁の接続状態を示す油
圧回路図である。
【0011】先ず図1において、このSOHC型内燃機
関のシリンダブロック10には複数のシリンダ11…が
並列して設けられ、各シリンダ11…にはピストン12
…が摺動可能に嵌合される。またシリンダブロック10
の上面には、前記ピストン12…との間に燃焼室13…
を形成するシリンダヘッド14が結合され、該シリンダ
ヘッド14には、燃焼室13…の天井面に開口するよう
にして一対の吸気弁口15…ならびに一対の排気弁口1
6…が各シリンダ11…毎に設けられており、両吸気弁
口15…はシリンダヘッド14の一側面に開口する吸気
ポート17…に連通され、両排気弁口16…はシリンダ
ヘッド14の他側面に開口する排気ポート18…に連通
される。而して吸気ポート17…に通じてシリンダヘッ
ド14に連結される吸気マニホールド19には、吸気ポ
ート17…に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁20…が
付設される。またシリンダヘッド14には排気ポート1
8…に通じる排気マニホールド21が連結される。
【0012】両吸気弁口15…を個別に開閉可能な一対
の吸気弁VI ,VI は、シリンダヘッド14にそれぞれ
設けられたガイド筒22…に摺動可能に嵌合され、各ガ
イド筒22…から上方に突出した吸気弁VI ,VI の上
端部に設けられるリテーナ23,23とシリンダヘッド
14との間には各吸気弁VI ,VI を囲繞する弁ばね2
4…が縮設され、それらの弁ばね24…により吸気弁V
I ,VI は吸気弁口15…を閉じる方向に付勢される。
また両排気弁口16…を個別に開閉可能な一対の排気弁
E ,VE は、シリンダヘッド14にそれぞれ設けられ
たガイド筒25…に摺動可能に嵌合され、各ガイド筒2
5…から上方に突出した排気弁VE ,V E の上端部に設
けられるリテーナ26,26とシリンダヘッド14との
間には各排気弁VE ,VE を囲繞する弁ばね27…が縮
設され、それらの弁ばね27…により排気弁VE ,VE
は排気弁口16…を閉じる方向に付勢される。
【0013】複数のシリンダ11…のうち少なくとも一
部のシリンダ11では、両吸気弁V I ,VI および両排
気弁VE ,VE の作動状態および休止状態を切換可能な
ものであり、以下、作動・休止を切換可能なシリンダ1
1に対応する部分の構成について詳述する。
【0014】図2および図3を併せて参照して、上記両
吸気弁VI ,VI と、図示しないクランク軸に1/2の
減速比で連動、連結されるカムシャフト28との間に
は、カムシャフト28の回転運動を吸気弁VI ,VI
開閉運動に変換する吸気弁駆動装置29I が設けられ、
両排気弁VE ,VE と前記カムシャフト28との間に
は、カムシャフト28の回転運動を排気弁VE ,VE
開閉運動に変換する排気弁駆動装置29E が設けられ
る。
【0015】カムシャフト28は、シリンダヘッド14
と該シリンダヘッド14に結合されるホルダ30とで、
クランク軸の回転軸線と平行な軸線を有して回転自在に
支承される。このカムシャフト28には、シリンダヘッ
ド14およびホルダ30間で回転自在に支承されるカム
ジャーナル部31,31が軸方向に間隔をあけて設けら
れており、一方のカムジャーナル部31から他方のカム
ジャーナル部31に向けて順に間隔をあけた位置でカム
シャフト28には、実質休止カム32と、休止部33
と、排気弁用作動カム34と、吸気弁用作動カム35
と、休止部33とがそれぞれ一体に設けられる。
【0016】吸気弁用作動カム35は、吸気弁VI を開
弁作動させ得るプロフィルを有するものであり、カムシ
ャフト28の軸線を中心とする円弧状のベース円部35
aと、該ベース円部35aから半径方向外方に張出す高
位部35bとを有する。また実質休止カム32は、吸気
弁VI を実質休止状態とするが開弁時期には吸気弁V I
をわずかに開弁させ得るプロフィルを有するものであ
り、カムシャフト28の軸線を中心とする円弧状のベー
ス円部32aと、該ベース円部32aから半径方向外方
にわずかに張出す高位部32bとを有する。さらに休止
部33は、吸気弁用作動カム35および実質休止カム3
2のベース円部35a,32aと同一半径でカムシャフ
ト28の軸線を中心とする円形に形成される。
【0017】排気弁用作動カム34は、排気弁VE を開
閉作動させ得るプロフィルを有するものであり、カムシ
ャフト28の軸線を中心とする円弧状のベース円部34
aと、該ベース円部34aから半径方向外方に張出す高
位部34bとを有する。
【0018】図4および図5を併せて参照して、吸気弁
駆動装置29I は、第1および第2吸気弁側駆動ロッカ
アーム36,37と、第1および第2吸気弁側自由ロッ
カアーム38,39とを備え、これらのロッカアーム3
6〜39は、カムシャフト28の斜め上方位置でホルダ
30に固定的に支持された吸気弁側ロッカアームシャフ
ト40で揺動自在に支承される。
【0019】第1および第2吸気弁側駆動ロッカアーム
36,37の一端部には、吸気弁V I ,VI の上端に当
接するタペットねじ41,41がその進退位置を調整可
能として螺合されており、両吸気弁側駆動ロッカアーム
36,37の他端部には、カムシャフト28の休止部3
3,33に当接する当接部36a,37aが設けられ
る。第2吸気弁側自由ロッカアーム39は両吸気弁側駆
動ロッカアーム36,37間に配置されており、第1吸
気弁側自由ロッカアーム38は、第1吸気弁側駆動ロッ
カアーム36に関して第2吸気弁側自由ロッカアーム3
9とは反対側に配置される。而して第1吸気弁側自由ロ
ッカアーム38には実質休止カム32に転がり接触する
ローラ42が軸支され、第2吸気弁側自由ロッカアーム
39には吸気弁側作動カム35に転がり接触するローラ
43が軸支される。
【0020】排気弁駆動装置29E は、第1および第2
排気弁側駆動ロッカアーム44,45と、排気弁側自由
ロッカアーム46とを備え、これらのロッカアーム44
〜46は、カムシャフト28の斜め上方位置でホルダ3
0に固定的に支持された排気弁側ロッカアームシャフト
47で揺動自在に支承される。
【0021】第1および第2排気弁側駆動ロッカアーム
44,45の一端部には、排気弁V E ,VE の上端に当
接するタペットねじ48,48がその進退位置を調整可
能として螺合されており、両排気弁側駆動ロッカアーム
44,45の他端部には、カムシャフト28の休止部3
3,33に当接する当接部44a,45aが設けられ
る。排気弁側自由ロッカアーム46は両排気弁側駆動ロ
ッカアーム44,45間に配置されており、この排気弁
側自由ロッカアーム46には排気弁側作動カム34に転
がり接触するローラ49が軸支される。
【0022】各吸気弁側ロッカアーム36〜39ならび
に排気弁側ロッカアーム44〜46の上方でホルダ30
上には支持板50が固定されており、この支持板50に
は、吸気弁駆動装置29I の第1および第2吸気弁側自
由ロッカアーム38,39、ならびに排気弁駆動装置2
E の排気弁側自由ロッカアーム46にそれぞれ対応し
てロストモーション機構51…がそれぞれ設けられる。
これらのロストモーション機構51…は図示しないばね
を内蔵するものであり、第1および第2吸気弁側自由ロ
ッカアーム38,39ならびに排気弁側自由ロッカアー
ム46の上部には、対応するロストモーション機構51
…に当接する当接突部38a,39a,46aが設けら
れる。而して各ロストモーション機構51…が発揮する
ばね力により、第1および第2吸気弁側自由ロッカアー
ム38,39は、実質休止カム33および吸気弁側作動
カム35にそれぞれ当接させる方向に弾発付勢され、排
気弁側自由ロッカアーム46は排気弁側作動カム34に
当接する方向に弾発付勢される。
【0023】吸気弁駆動装置29I において、第1吸気
弁側駆動ロッカアーム36および第1吸気弁側自由ロッ
カアーム38にはそれら36,38の連結および連結解
除を切換えて一方の吸気弁VI の作動・休止を切換可能
な第1吸気弁側弁作動・休止切換手段531 が設けら
れ、第2吸気弁側駆動ロッカアーム37および第2吸気
弁側自由ロッカアーム39にはそれら37,39の連結
および連結解除を切換えて他方の吸気弁VI の作動・休
止を切換可能な第2吸気弁側弁作動・休止切換手段53
2 が設けられ、第1吸気弁側駆動ロッカアーム36、第
2吸気弁側駆動ロッカアーム37および第2吸気弁側自
由ロッカアーム39にはそれら36,37,39の連結
および連結解除を切換可能な連結切換手段54が設けら
れる。また排気弁駆動装置29E において、第1排気弁
側駆動ロッカアーム44および排気弁側自由ロッカアー
ム46には、それら44,46の連結および連結解除を
切換えて一方の排気弁VE の作動・休止を切換可能な第
1排気弁側弁作動・休止切換手段551 が設けられ、第
2排気弁側駆動ロッカアーム45および排気弁側自由ロ
ッカアーム46には、それら45,46の連結および連
結解除を切換えて他方の排気弁VE の作動・休止を切換
可能な第2排気弁側弁作動・休止切換手段55 2 が設け
られる。
【0024】図4に注目して、第1吸気弁側駆動ロッカ
アーム36および第1吸気弁側自由ロッカアーム38間
に設けられる第1吸気弁側弁作動・休止切換手段531
は、第1吸気弁側自由ロッカアーム38に摺動自在に嵌
合されるピストン56I と、該ピストン56I に摺動自
在に嵌合される押圧ピン57I と、ピストン56I およ
び押圧ピン57I 間に縮設されるばね58I と、押圧ピ
ン57I に当接する切換ピン59I と、押圧ピン57I
とは反対側で切換ピン59I に当接して第1吸気弁側駆
動ロッカアーム36に摺動自在に嵌合される規制部材6
I と、該規制部材60I および第1吸気弁側駆動ロッ
カアーム36間に縮設される戻しばね61I とを備え、
該戻しばね61I のセット荷重は前記ばね58のセット
荷重よりも大きく設定される。
【0025】ピストン56I は、一端を閉塞端とした有
底円筒状に形成されるものであり、該ピストン56I
閉塞端と第1吸気弁側自由ロッカアーム38との間に油
圧室62I が形成される。また第1吸気弁側自由ロッカ
アーム38には、油圧室62 I に通じる連通路63が設
けられており、この連通路63は、吸気弁側ロッカアー
ムシャフト40内に設けられた油路64に常時連通され
る。
【0026】押圧ピン57I は、ピストン56I 内に嵌
合可能な外径を有して有底円筒状に形成さており、その
開口端をピストン56I の閉塞端に対向させるようにし
て該ピストン56I 内に摺動自在に嵌合される。而して
ばね58I は、ピストン56 I の閉塞端と押圧ピン57
I の閉塞端との間に縮設される。
【0027】切換ピン59I は、図4で示すように第1
吸気弁側自由ロッカアーム38および第1吸気弁側駆動
ロッカアーム36間に跨がって嵌合する位置と、押圧ピ
ン57I との当接面を第1吸気弁側駆動ロッカアーム3
6および第1吸気弁側自由ロッカアーム38間に対応さ
せて第1吸気弁側駆動ロッカアーム36に嵌合した位置
との間で摺動可能である。
【0028】規制部材60I は、切換ピン59I に当接
する一端側を閉塞端とした有底円筒状に形成されるもの
であり、該規制部材60I の他端部には、第1吸気弁側
駆動ロッカアーム36に摺動自在に嵌合する鍔部60a
が半径方向外方に張出して設けられる。また第1吸気弁
側駆動ロッカアーム36には、規制部材60I の鍔部6
0aに当接して該規制部材60I の一端側すなわち切換
ピン59I 側への移動を規制する止め輪65I が嵌着さ
れる。
【0029】切換ピン59I および規制部材60I の軸
方向長さは、図4で示すように規制部材60I が止め輪
65I によって移動を規制される位置まで移動したとき
には、該規制部材60I に当接した切換ピン59I が第
1吸気弁側駆動ロッカアーム36および第1吸気弁側自
由ロッカアーム38間に跨がって両ロッカアーム36,
38を連結するが、規制部材60I が戻しばね61I
圧縮して第1吸気弁側駆動ロッカアーム36に当接する
位置まで移動したときには、切換ピン59I の押圧ピン
57I との当接面が両ロッカアーム36,38間に対応
する位置に在るように設定される。一方、ピストン56
I および押圧ピン57I は、図4で示すように、切換ピ
ン59I がその一部を第1吸気弁側自由ロッカアーム3
8に嵌合させている状態では、ばね58I のばね力によ
り相互に離反せしめられるようにして第1吸気弁側自由
ロッカアーム38に摺動自在に嵌合されている。
【0030】ところで、ピストン56I の外周には環状
の係合溝66I が設けられており、またピストン56I
および押圧ピン57I が図4で示すように相互に離反し
た状態にあるときには、ピストン56I および切換ピン
59I 間で押圧ピン57I の周囲には環状の係合溝67
I が形成される。
【0031】このような第1吸気弁側弁作動・休止切換
手段531 には、その作動タイミングを規制するための
トリガ機構701 が付設される。該トリガ機構70
1 は、ピストン56I の係合溝66I 、あるいはピスト
ン56I および切換ピン59I 間の係合溝67I に係合
してピストン56I の移動を規制する位置、ならびに前
記係合溝66I あるいは67I との係合状態を解除して
ピストン56I の移動を許容する位置間での吸気弁側ロ
ッカアームシャフト40の軸線まわりの両ロッカアーム
36,38との相対揺動が可能なトリガ板71を備え
る。
【0032】第1吸気弁側自由ロッカアーム38にはス
リット72が設けられ、該スリット72は、図4で示す
ようにピストン56I が油圧室62I 側に最大限変位し
ている状態で係合溝67I に対応するようにして第1吸
気弁側自由ロッカアーム38に設けられ、係合溝66I
は、相互に当接状態に在るピストン56I および押圧ピ
ン57I が油圧室62I の容積を最大とする位置まで最
大限移動した状態で前記スリット72に対応する位置と
なるようにしてピストン56I の外周に設けられる。
【0033】トリガ板71は吸気弁側ロッカアームシャ
フト40に回動可能に支承される。このトリガ板71に
は、スリット72から係合溝66I あるいは67I に係
脱可能に係合する係合板部71aが一体的に設けられ
る。
【0034】シリンダヘッド14には第1吸気弁側自由
ロッカアーム38側に向けてストッパピン73が固設さ
れており、該ストッパピン73に下方から当接可能なス
トッパ71bがトリガ板71から突設される。また吸気
弁側ロッカアームシャフト40を囲繞するねじりばね7
4の一端が前記ストッパピン73に係止され、該ねじり
ばね74の他端はトリガ板71に上方から係止される。
而してトリガ板71は、ねじりばね74によりストッパ
71bをストッパピン73に当接させる方向に付勢され
ており、ストッパ71bがストッパピン73に当接した
状態で、第1吸気弁側自由ロッカアーム38が実質休止
カム32のベース円部32aに当接して静止状態にある
ときにはトリガ板71の係合板部71aがスリット72
から係合溝66I あるいは67I に係合可能であり、第
1吸気弁側自由ロッカアーム38が実質休止カム32の
高位部32bによって開弁方向に揺動すると係合板部7
1aがスリット72から離脱するようにストッパピン7
3の位置が設定される。
【0035】このような第1吸気弁側弁作動・休止切換
手段531 およびトリガ機構701によると、油圧室6
I の油圧が解放されている状態では、戻しばね61I
のばね力により、切換ピン59I は図4で示すように第
1吸気弁側駆動ロッカアーム36および第1吸気弁側自
由ロッカアーム38間に跨がって両ロッカアーム36,
38を連結した位置に在り、この際、トリガ機構701
におけるトリガ板71の係合板部71aは、第1吸気弁
側自由ロッカアーム38が実質休止カム32の高位部3
2bで押下げられているときには係合溝67I から離脱
し、第1吸気弁側自由ロッカアーム38が実質休止カム
32のベース円部32aに摺接した静止状態にあるとき
に係合溝67I に係合する。
【0036】次に油圧室62I に油圧を作用せしめる
と、ピストン56I は、係合溝67Iから係合板部71
aが離脱したときにばね58I を圧縮して切換ピン59
I に当接するまで移動するが、該切換ピン59I が第1
吸気弁側駆動ロッカアーム36および第1吸気弁側自由
ロッカアーム38間に跨がって両ロッカアーム36,3
8を連結した状態にあり、該切換ピン59I に剪断方向
の力が作用しているのでピストン56I が切換ピン59
I を第1吸気弁側駆動ロッカアーム36に押込むまで移
動するのは阻止されている。しかるに、第1吸気弁側自
由ロッカアーム38が実質休止カム32のベース円部3
2aに摺接し始めて切換ピン59I への前記剪断方向の
力が小さくなったときに、ピストン56I は切換ピン5
I を第1吸気弁側駆動ロッカアーム36に押込むまで
作動し、これにより、両ロッカアーム36,38の連結
状態が解除される。
【0037】このように両ロッカアーム36,38の連
結状態が解除された状態では、トリガ機構701 におけ
るトリガ板71の係合板部71aは、第1吸気弁側自由
ロッカアーム38が実質休止カム32の高位部32bで
押下げられているときには係合溝66I から離脱し、第
1吸気弁側自由ロッカアーム38が実質休止カム32の
ベース円部32aに摺接した静止状態にあるときに係合
溝66I に係合する。而して、油圧室62I の油圧を解
放して両ロッカアーム36,38を連結状態とするとき
には、第1吸気弁側自由ロッカアーム38が実質休止カ
ム32の高位部32bにより押下げられて係合溝66I
から係合板部71aが離脱するのに応じて、ピストン5
I がばね58I のばね力により油圧室62I の容積を
最小とする位置まで移動し、次いで第1吸気弁側自由ロ
ッカアーム38が実質休止カム32のベース円部32a
に摺接し始めて押圧ピン57I および切換ピン59I
軸線が一致したときに、戻しばね61I のばね力により
切換ピン59I が両ロッカアーム36,38に跨がる位
置まで移動し、両ロッカアーム36,38が連結される
ことになる。
【0038】第2吸気弁側駆動ロッカアーム37および
第2吸気弁側自由ロッカアーム39間に設けられる第2
吸気弁側弁作動・切換手段532 は、上述の第1吸気弁
側弁作動・休止切換手段531 と基本的に同一の構成を
有するものであり、また第2吸気弁側弁作動・休止切換
手段532 の作動タイミングを規制すべく該切換手段5
2 に付設されるトリガ機構702 も上述のトリガ機構
701 と基本的に同一の構成を有するものであり、第2
吸気弁側弁作動・休止切換手段532 およびトリガ機構
702 の構成について詳細に説明することを省略する。
而して、第2吸気弁側弁作動・休止切換手段532 は、
第1吸気弁側弁作動・休止切換手段53 1 が第1吸気弁
側駆動ロッカアーム36および第1吸気弁側自由ロッカ
アーム38間を連結解除状態としているときには第2吸
気弁側駆動ロッカアーム37および第2吸気弁側自由ロ
ッカアーム39間を連結解除状態とし、第1吸気弁側弁
作動・休止切換手段531 が第1吸気弁側駆動ロッカア
ーム36および第1吸気弁側自由ロッカアーム38間を
連結状態としたときには第2吸気弁側駆動ロッカアーム
37および第2吸気弁側自由ロッカアーム39間を連結
状態とするようにして、第1吸気弁側弁作動・休止切換
手段531 と同期して切換作動する。
【0039】図5に注目して、第1吸気弁側駆動ロッカ
アーム36、第2吸気弁側駆動ロッカアーム37および
第2吸気弁側自由ロッカアーム39に設けられる連結切
換手段54は、第1吸気弁側駆動ロッカアーム36およ
び第2吸気弁側自由ロッカアーム39の連結および連結
解除を切換可能な切換ピストン76と、第2吸気弁側自
由ロッカアーム39および第2吸気弁側駆動ロッカアー
ム37の連結および連結解除を切換可能な切換ピン77
と、切換ピストン76とは反対側で切換ピン77に摺接
する規制部材78と、規制部材78を切換ピン77側に
付勢する戻しばね79とを備える。
【0040】切換ピストン76は、第2吸気弁側自由ロ
ッカアーム39への嵌合を可能として第1吸気弁側駆動
ロッカアーム36に摺動可能に嵌合されるものであり、
この切換ピストン76の一端と第1吸気弁側駆動ロッカ
アーム36との間には油圧室80が形成される。また第
1吸気弁側駆動ロッカアーム36には油圧室80に通じ
る連通路81が穿設され、吸気弁側ロッカアームシャフ
ト40内には、前記連通路81に常時通じる油路82
が、第1および第2連結切換手段531 ,532用の油
路64とは独立して設けられる。したがって第3連結切
換手段54は、第1および第2連結切換手段531 ,5
2 とは独立して切換作動可能である。
【0041】切換ピン77は、第2吸気弁側駆動ロッカ
アーム37に嵌合可能として第2吸気弁側自由ロッカア
ーム39に摺動自在に嵌合され、この切換ピン77の一
端は切換ピストン76の他端に当接される。
【0042】規制部材78は、有底円筒状に形成されて
第2吸気弁側駆動ロッカアーム37に摺動可能に嵌合さ
れるものであり、この規制部材78の閉塞端が切換ピン
77の他端に当接される。また第2吸気弁側駆動ロッカ
アーム37には、規制部材78の開口端側に設けられた
鍔部78aに当接して該規制部材78の移動を阻止する
ための止め輪83が嵌着される。戻しばね79は、規制
部材78および第2吸気弁側駆動ロッカアーム37間に
縮設される。
【0043】この連結切換手段54では、油圧室80に
油圧が作用していないときには図5で示すように、切換
ピストン76および切換ピン77の当接面が第1吸気弁
側駆動ロッカアーム36および第2吸気弁側自由ロッカ
アーム39間に在り、また切換ピン77および規制部材
78の当接面が第2吸気弁側自由ロッカアーム39およ
び第2吸気弁側駆動ロッカアーム37間に在り、したが
ってロッカアーム36,37,39は連結解除状態にあ
る。而して油圧室80に油圧を作用せしめると、切換ピ
ストン76がその他端側を第2吸気弁側自由ロッカアー
ム39に嵌合する位置まで移動し、また切換ピン77が
その他端側を第2吸気弁側駆動ロッカアーム37に嵌合
する位置まで移動し、ロッカアーム36,37,39が
連結状態となる。
【0044】図6に注目して、排気弁駆動装置29E
おける第1排気弁側駆動ロッカアーム44および排気弁
側自由ロッカアーム46には第1排気弁側弁作動・休止
切換手段551 が、また第2排気弁側駆動ロッカアーム
45および排気弁側自由ロッカアーム46には第2排気
弁側弁作動・休止切換手段552 がそれぞれ設けられて
おり、両排気弁側弁作動・休止切換手段551 ,552
は、上記吸気弁駆動装置29I における両吸気弁側弁作
動・休止切換手段531 ,532 と基本的に同一の構成
を有するものであり、第1吸気弁側弁作動・休止切換手
段531 に対応する主要部分に添字「E」を付した同一
符号を付して図示するのみとし、両排気弁側弁作動・休
止切換手段531 ,532 の詳細な構成説明を省略す
る。
【0045】但し、両排気弁側弁作動・休止切換手段5
1 ,552 の油圧室62E は、排気弁側自由ロッカア
ーム46に設けられるものであり、排気弁側ロッカアー
ムシャフト47内に設けられる油路84が両油圧室62
E に連通される。而して両排気弁側弁作動・休止切換手
段551 ,552 は、油路84の油圧解放時の連結状態
と、前記油路84に油圧を作用せしめたときの連結解除
状態とを、同期して切換えるように構成されるものであ
り、上述のトリガ機構701 ,702 と基本的に同一の
構成のトリガ機構851 ,852 が両排気弁側弁作動・
休止切換手段551 ,552 に付設される。
【0046】また両排気弁側弁作動・休止切換手段55
1 ,552 における戻しばね61E,61E のばね荷重
は、両吸気弁側弁作動・休止切換手段531 ,532
おける戻しばね61I ,61I のばね荷重よりも大きく
設定されている。
【0047】図7において、吸気弁駆動装置29I にお
ける第1および第2吸気弁側弁作動・休止切換手段53
1 ,532 の油圧室62I に通じる油路64ならびに排
気弁駆動装置29E における第1および第2排気弁側弁
作動・休止切換手段551 ,552 の油圧室62E に通
じる油路84は油圧制御弁1111 に共通に接続され、
吸気弁駆動装置29I における連結切換手段54の油圧
室80に通じる油路82は油圧制御弁112に接続され
る。
【0048】油圧制御弁1111 は、一端側を開放した
有底の摺動孔113を有する弁ハウジング114と、摺
動孔113の一端開口部を閉塞するようにして弁ハウジ
ング114に固定される栓体116との間にパイロット
室117を形成するようにして摺動孔113に摺動自在
に嵌合されるスプール弁体118と、パイロット室11
7の容積を縮小する側のばね力を発揮して摺動孔113
の他端閉塞部およびスプール弁体118間に縮設される
ばね119とを備える。
【0049】摺動孔113の内面には、油路64,84
に共通に通じる出力用環状溝120と、油圧源122に
通じる入力用環状溝121とが軸方向に間隔をあけて設
けられており、スプール弁体118の外面には、該スプ
ール弁体118が図7で示すようにパイロット室117
の容積を最小とする位置からパイロット室117の容積
を増大する側に移動したときに前記両環状溝120,1
21間を連通せしめる環状凹部123が設けられる。ま
たばね119は、摺動孔113の他端閉塞部およびスプ
ール弁体118間に形成されるばね室124に収容され
ており、スプール弁体118には、該ばね室124を大
気に開放する開放通路125が同軸に設けられる。
【0050】パイロット室117には、弁ハウジング1
14に取付けられる電磁開閉弁126を介して油圧源1
22が接続されており、該電磁開閉弁122によりパイ
ロット室117に油圧源122からの油圧を作用させた
ときには、スプール弁体118はばね119のばね力に
抗して入力用環状溝121を出力用環状溝120に連通
させる位置まで移動し、それにより両油路64,84に
油圧源122からの油圧が同時に作用することになる。
【0051】油圧制御弁112は、上記油圧制御弁11
1 と基本的に同一の構成を有するものであり、油圧制
御弁1111 と共通である弁ハウジング114と、一端
側を開放して該弁ハウジング114に設けられた有底の
摺動孔127の一端開口部を閉塞する栓体128との間
にパイロット室129を形成して摺動孔127に摺動自
在に嵌合されるスプール弁体130と、摺動孔127の
他端閉塞部およびスプール弁体130間に縮設されるば
ね131とを備える。
【0052】摺動孔127の内面には、油路82に通じ
る出力用環状溝132と、油圧源122に通じる入力用
環状溝133とが軸方向に間隔をあけて設けられてお
り、スプール弁体130の外面には、該スプール弁体1
30がパイロット室129の容積を増大する側に移動し
たときに前記両環状溝132,133間を連通せしめる
環状凹部134が設けられる。
【0053】またパイロット室129には、弁ハウジン
グ114に取付けられる電磁開閉弁135を介して油圧
源122が接続されており、該電磁開閉弁135により
パイロット室129に油圧源122からの油圧を作用さ
せたときには、スプール弁体130はばね131のばね
力に抗して入力用環状溝132を出力用環状溝133に
連通させる位置まで移動し、それにより油路82に油圧
源122からの油圧が作用することになる。
【0054】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、機関運転時に、吸気弁駆動装置29I における両
吸気弁側弁作動・休止切換手段531 ,532 および連
結切換手段54、ならびに排気弁駆動装置29E の両排
気弁側弁作動・休止切換手段551 ,552 を全て連結
解除状態としたときには、第1および第2吸気弁側駆動
ロッカアーム36,37、ならびに第1および第2排気
弁側駆動ロッカアーム44,45は休止部33,33に
よりそれぞれ休止状態に在り、両吸気弁VI ,VI なら
びに両排気弁VE ,VE は全て閉弁休止状態となり、気
筒休止状態が得られる。
【0055】この際、両吸気弁側弁作動・休止切換手段
531 ,532 ならびに両排気弁側弁作動・休止切換手
段551 ,552 を連結解除状態とするには、それらの
油圧室62I ,62E に油圧を作用せしめる必要があ
り、油圧制御弁1111 により各油圧室62I ,62E
に通じる油路64,84を油圧源112に連通させる
が、両排気弁側弁作動・休止切換手段551 ,552
おける戻しばね61E のばね荷重は、両吸気弁側弁作動
・休止切換手段531 ,532 における戻しばね61I
のばね荷重よりも大きく設定されている。したがって前
記両油路64,84すなわち油圧室62I ,62E に同
時に油圧が作用しても、両吸気弁側弁作動・休止切換手
段531 ,532 が先行して連結解除側に作動し、それ
から時間差をあけて両排気弁側弁作動・休止切換手段5
1 ,552 が連結解除側に作動することになる。
【0056】したがって気筒休止にあたって、休止気筒
内に燃焼ガスが残留することを避けるために吸気弁
I ,VI の休止を排気弁VE ,VE の休止に先行させ
ることができる。しかもそのような時間差をあけての休
止制御を、単一の油圧制御弁1111 で実行することが
でき、部品点数の低減を図ることができるとともに油圧
制御弁1111 の配置スペースも小さくすることができ
る。
【0057】次いで、吸気弁駆動装置29I の連結切換
手段54を連結解除状態としたままで、油圧室62I
62E の油圧を油圧制御弁1111 により解放すると、
第1および第2排気弁側弁作動・休止切換手段551
552 が先行して連結作動し、次いで両吸気弁側弁作動
・休止切換手段531 ,532 が連結作動することにな
り、第1吸気弁側駆動ロッカアーム36は第1吸気弁側
自由ロッカアーム38に連結され、第2吸気弁側駆動ロ
ッカアーム37は第2吸気弁側自由ロッカアーム39に
連結され、第1および第2排気側駆動ロッカアーム4
4,45は排気側自由ロッカアーム46に連結される。
このため、第1吸気側自由ロッカアーム38が実質休止
カム32によって実質休止状態に在ることにより一方の
吸気弁VIが実質的に閉弁休止されるのに対し、第2吸
気弁側自由ロッカアーム39が吸気弁側作動カム35に
よって駆動せしめられることにより他方の吸気弁VI
吸気弁側作動カム35のプロフィルに応じた特性で開閉
駆動され、両排気弁VE ,V E はともに排気側作動カム
34のプロフィルに応じた特性で開閉駆動される。した
がって、一方の吸気弁VI が実質的な休止状態に在る状
態に他方の吸気弁VIが開閉作動するのに応じて燃焼室
13内にスワールを生成することが可能として燃焼性を
向上することができ、機関の低速域で大量の排ガス循環
や希薄燃焼を実行可能となり、燃費の低減を図るととも
に運転性の向上を図ることができる。
【0058】さらに吸気弁駆動装置29I において連結
切換手段54を連結作動せしめ、第1および第2吸気弁
側弁作動・休止切換手段531 ,532 ならびに第1お
よび第2排気弁側弁作動・休止切換手段551 ,552
を連結状態に保持すると、第1および第2吸気弁側駆動
ロッカアーム36,37は第2吸気弁側自由ロッカアー
ム39に連結され、第1および第2排気側駆動ロッカア
ーム44,45は排気側自由ロッカアーム46に連結さ
れたままとなる。このため、第2吸気弁側自由ロッカア
ーム39が吸気弁側作動カム35によって駆動せしめら
れることにより両吸気弁VI ,VI がともに吸気弁側作
動カム35のプロフィルに応じた特性で開閉駆動され、
両排気弁VE ,VE はともに排気側作動カム34のプロ
フィルに応じた特性で開閉駆動されることになる。
【0059】図8ないし図12は本発明の第2実施例を
示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同
一の参照符号を付す。
【0060】先ず図8において、吸気弁駆動装置29I
の両吸気弁側弁作動・休止切換手段531 ,532 にお
ける戻しばね61I のばね荷重、ならびに排気弁駆動装
置29E の両排気弁側弁作動・休止切換手段551 ,5
2 における戻しばね61Iのばね荷重は等しく設定さ
れ、両吸気弁側弁作動・休止切換手段531 ,532
油圧室62I に通じる油路64ならびに両排気弁側弁作
動・休止切換手段55 1 ,552 の油圧室62E に通じ
る油路84は共通の油圧制御弁1112 に接続され、吸
気弁駆動装置29I における連結切換手段54の油圧室
80に通じる油路82は油圧制御弁112に接続され
る。
【0061】図9を併せて参照して、油圧制御弁111
2 は、一端側を開放した有底の摺動孔138を有する弁
ハウジング114′と、摺動孔138の一端開口部を閉
塞するようにして弁ハウジング114′に固定される栓
体116との間にパイロット室117を形成するように
して摺動孔138に摺動自在に嵌合されるスプール弁体
139と、パイロット室117の容積を縮小する側のば
ね力を発揮して摺動孔138の他端閉塞部およびスプー
ル弁体139間に縮設されるばね119とを備える。
【0062】摺動孔138の内面には、油路64に通じ
る第1出力用環状溝140と、油圧源122に通じる入
力用環状溝141と、油路84に通じる第2出力用環状
溝142とが軸方向に間隔をあけて設けられており、ス
プール弁体139の外面には、その軸方向一端側で摺動
孔138の内面に摺接する第1ランド部143と、軸方
向中間部で摺動孔138の内面に摺接する第2ランド部
144と、軸方向他端側で摺動孔138の内面に摺接す
る第3ランド部145とが設けられるとともに、第1お
よび第2ランド部143,144間に第1環状凹部14
6が、また第2および第3ランド部144間に第2環状
凹部147がそれぞれ形成される。
【0063】またスプール弁体139には、ばね119
を収容して摺動孔138の他端閉塞部およびスプール弁
体139間に形成されるばね室124を、大気に開放し
て弁ハウジング114′に設けられた大気開放通路14
8に常時連通させる開放通路149が同軸に設けられ、
スプール弁体139の第3ランド部145には、該スプ
ール弁体139が図9で示すようにパイロット室117
の容積を最小とした位置に在る状態でばね室124を第
2出力用環状溝142に通じさせる複数の開放孔150
…が周方向に間隔をあけた複数個所に穿設される。さら
に弁ハウジング114′には、スプール弁体139がパ
イロット室117の容積を最小とした位置に在る状態で
第1環状凹部146に通じるようにして摺動孔138の
内面に開口する大気開放通路151が設けられており、
この大気開放通路151は大気に開放されている。
【0064】ところで、第2ランド部144はスプール
弁体139が図9のようにパイロット室117側に最大
限移動した状態にあるときに入力用環状溝141および
第1出力用環状溝140間を遮断するものであるが、ス
プール弁体139がパイロット室117側に最大限移動
した位置からパイロット室117の容積を増大する側に
ストローク量S1 (たとえば2.0mm)だけ移動した
ときに入力用環状溝141および第1出力用環状溝14
0間を連通するように設定される。また第3ランド部1
45はスプール弁体139がパイロット室117側に最
大限移動した状態にあるときに入力用環状溝141およ
び第2出力用環状溝142間を遮断するものであるが、
スプール弁体139がパイロット室117側に最大限移
動した位置からパイロット室117の容積を増大する側
に前記ストローク量S1 よりも大きなストローク量S2
(たとえば2.5mm)だけ移動したときに入力用環状
溝141および第2出力用環状溝140間を連通するよ
うに設定される。すなわちスプール弁体139がパイロ
ット室117側に最大限移動した位置からストローク量
1 だけパイロット室117の容積を増大する側に移動
したときに入力用環状溝141および第1出力用環状溝
140間を連通され、次いで(S2 −S1 )だけスプー
ル弁体139が移動すると、入力用環状溝141および
第2出力用環状溝142間が連通されることになる。
【0065】さらにスプール弁体139がパイロット室
117側に最大限移動した位置にある状態で大気開放通
路151の摺動孔138への開口端と第1環状凹部14
6との軸方向重なり量S1 ′は、前記ストローク量S1
未満(S1 ′<S1 )に設定され、スプール弁体139
がパイロット室117側に最大限移動した位置にある状
態で開放孔150と第2出力用環状溝142との軸方向
重なり量S2 ′は、前記ストローク量S2 未満(S2
<S2 )に設定される。したがってスプール弁体139
がパイロット室117側に最大限移動した位置からパイ
ロット室117の容積を増大する側に前記ストローク量
1 だけ移動して入力用環状溝141および第2出力用
環状溝140間を連通されたときには第1環状凹部14
6および大気開放通路151間は遮断され、さらに(S
2 −S1 )だけスプール弁体139が移動して入力用環
状溝141および第2出力用環状溝142間が連通され
たときには開放孔150および第2出力用環状溝142
間が遮断されることになる。
【0066】次にこの第2実施例の作用について説明す
ると、機関運転時に、吸気弁駆動装置29I における両
吸気弁側弁作動・休止切換手段531 ,532 の油圧室
62 I 、ならびに排気弁駆動装置29E における両排気
弁側弁作動・休止切換手段551 ,552 の油圧室62
E に油圧を作用せしめ、両吸気弁VI ,VI ならびに両
排気弁VE ,VE は全て閉弁休止状態として気筒休止状
態を得る際には、電磁開閉弁126により油圧制御弁1
112 のパイロット室117に油圧を作用せしめる。
【0067】そうすると、油圧制御弁1112 のスプー
ル弁体139は図9の状態から先ず図10で示す位置ま
でストローク量S1 だけ移動して、油圧源122に通じ
る入力用環状溝141を第1出力用環状溝140に連通
させ、先ず両吸気弁側弁作動・休止切換手段531 ,5
2 の油圧室62I に油圧を作用せしめ、両吸気弁側弁
作動・休止切換手段531 ,532 を連結解除側に作動
せしめることになる。すなわち両吸気弁VI ,VI が先
行して閉弁休止することになる。
【0068】スプール弁体139のストローク量がS2
未満の状態では、図11で示すように、入力用環状溝1
41は第1出力用環状溝140には連通しているが第2
出力用環状溝142とは遮断されており、次いで図12
で示すように、入力用環状溝141を第2出力用環状溝
142に連通させる位置まで(すなわちストローク量S
2 だけ)スプール弁体139が移動することにより、両
排気弁側弁作動・休止切換手段551 ,552 の油圧室
62E に油圧が作用し、両排気弁側弁作動・休止切換手
段551 ,552 が連結解除側に作動し、両排気弁
E ,VE が遅れて閉弁休止することになる。
【0069】このようにして、吸気側および排気側弁作
動・休止切換手段531 ,532 ;551 ,552 の油
圧室62I ,62E に共通に接続される油圧制御弁11
2は、スプール弁体139のストローク量を一方向に
変化させるのに応じて先ず両吸気弁側弁作動・休止切換
手段531 ,532 の油圧室62I に油圧を作用させ、
それから時間差をあけて、両排気弁側弁作動・休止切換
手段551 ,552 の油圧室62E に油圧を作用させる
ことになる。したがって気筒休止にあたって、休止気筒
内に燃焼ガスが残留することを避けるために吸気弁
I ,VI の休止を排気弁VE ,VE の休止に先行させ
るようにした休止制御を、単一の油圧制御弁1112
実行することができ、部品点数の低減を図ることができ
るとともに油圧制御弁1112 の配置スペースも小さく
することができる。
【0070】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0071】たとえば排気弁VE の休止を吸気弁VI
休止に先行させるようにすることも可能である。
【0072】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、吸気側および排気側弁作動・休止切換手段の油圧室
には共通な単一の油圧制御弁が共通に接続され、両弁作
動・休止切換手段の戻しばねのばね荷重が相互に異なっ
て設定されるので、単一の油圧制御弁により吸気側およ
び排気側弁作動・休止切換手段の切換作動に時間差をも
たせることができ、部品点数の低減および油圧制御弁の
設置スペース低減に寄与することができる。
【0073】また請求項2記載の発明によれば、吸気側
および排気側弁作動・休止切換手段の油圧室は、スプー
ル弁体のストローク量が一方向に変化するのに応じて両
油圧室の油圧を順次制御する単一の油圧制御弁に共通に
接続されるので、単一の油圧制御弁により吸気側および
排気側弁作動・休止切換手段の切換作動に時間差をもた
せることができ、部品点数の低減および油圧制御弁の設
置スペース低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の内燃機関の縦断側面図である。
【図2】図1の2−2線矢視図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】図2の6−6線断面図である。
【図7】両弁作動・休止切換手段および油圧制御弁の接
続状態を示す油圧回路図である。
【図8】第2実施例の図7に対応した油圧回路図であ
る。
【図9】ストローク量「0」の状態での油圧制御弁の縦
断面図である。
【図10】ストローク量「S1 」の状態で油圧制御弁の
縦断面図である。
【図11】ストローク量が「S1 」以上「S2 」未満で
の油圧制御弁の縦断面図である。
【図12】ストローク量「S2 」の状態での油圧制御弁
の縦断面図である。
【符号の説明】
531 ,532 ・・・吸気弁側弁作動・休止切換手段 551 ,552 ・・・排気弁側弁作動・休止切換手段 61E ,61I ・・・戻しばね 62E ,62I ・・・油圧室 1111 ,1112 ・・・油圧制御弁 139・・・スプール弁体 VE ・・・排気弁 VI ・・・吸気弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数気筒のうち少なくとも一部の気筒
    に、吸気弁(VI )の作動・休止を切換可能な吸気弁側
    弁作動・休止切換手段(531 ,532 )と、排気弁
    (VI )の作動・休止を切換可能な排気弁側弁作動・休
    止切換手段(55 1 ,552 )とが設けられ、両弁作動
    ・休止切換手段(531 ,532 ;551,552
    は、軸方向一側に向けての油圧力を発揮し得る油圧室
    (62I ,62 E )ならびに前記油圧力に対抗するばね
    力を軸方向他側に向けて発揮する戻しばね(61I ,6
    E )をそれぞれ有し、油圧室(62I ,62E )に作
    用する油圧の制御に応じて吸気弁(VI )および排気弁
    (VE )の作動・休止を切換可能に構成される多気筒内
    燃機関の動弁装置において、吸気側および排気側弁作動
    ・休止切換手段(531 ,532 ;551 ,552 )の
    油圧室(62I ,62E )には単一の油圧制御弁(11
    1 )が共通に接続され、両弁作動・休止切換手段(5
    1 ,532 ;551 ,552 )の戻しばね(61I
    61E )のばね荷重が相互に異なって設定されることを
    特徴とする多気筒内燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 複数気筒のうち少なくとも一部の気筒
    に、吸気弁(VI )の作動・休止を切換可能な吸気弁側
    弁作動・休止切換手段(531 ,532 )と、排気弁
    (VI )の作動・休止を切換可能な排気弁側弁作動・休
    止切換手段(55 1 ,552 )とが設けられ、両弁作動
    ・休止切換手段(531 ,532 ;551,552
    は、軸方向一側に向けての油圧力を発揮し得る油圧室
    (62I ,62 E )ならびに前記油圧力に対抗するばね
    力を軸方向他側に向けて発揮する戻しばね(61I ,6
    E )をそれぞれ有し、油圧室(62I ,62E )に作
    用する油圧の制御に応じて吸気弁(VI )および排気弁
    (VE )の作動・休止を切換可能に構成される多気筒内
    燃機関の動弁装置において、吸気側および排気側弁作動
    ・休止切換手段(531 ,532 ;551 ,552 )の
    油圧室(62I ,62E )は、スプール弁体(139)
    のストローク量が一方向に変化するのに応じて両油圧室
    (62I ,62E )の油圧を順次制御する単一の油圧制
    御弁(1112 )に共通に接続されることを特徴とする
    多気筒内燃機関の動弁装置。
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