JPH09177163A

JPH09177163A - 便器の取付構造

Info

Publication number: JPH09177163A
Application number: JP33833395A
Authority: JP
Inventors: Masashi Ishida; 正志石田
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1995-12-26
Filing date: 1995-12-26
Publication date: 1997-07-08

Abstract

(57)【要約】【課題】所要以上に強くボルトナットを締め付けても床
フランジが割れることなく、下水の臭気及び排水時の水
漏れが発生しない便器の取付構造を提供する。【解決手段】床フランジ（２）をその周方向に複数個配
置されたネジ（６）で床（３）に固定し、便器（１）と
床フランジ（２）との間にパッキン（７）を介在させ、
ボルト（４）ナット（５）で便器（１）と床フランジ
（２）を固定し、所要の弾発力を有するパッキン（７）
が介在できる隙間を確保するための突起部（９）をボル
ト装着部（１０）の近傍の床フランジ（２）に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、便器の取付構造に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の便器の取付構造は、床フランジを
その周方向に複数個配置された木ネジで床に固定し、便
器と床フランジとの間にパッキンを介在させ、前記複数
個の木ネジ間に便器と床フランジを結合させる結合締付
手段を設けた構造が採用されてきている。

【０００３】以下、従来の技術を図面に沿って更に詳し
く説明する。図４は、従来の便器の取付構造に用いられ
てきた床フランジを示したもので、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面断面図である。図４（ａ），（ｂ）に示す
ように、床フランジ（２）を床（３）に固定する複数個
の木ネジ（６）は、床フランジ（２）の周方向に配設さ
れた木ネジ差込部（８）に差し込まれ、床（３）にねじ
込まれる。こうすることにより、床フランジ（２）は床
（３）に確実に固定される。

【０００４】図５は、従来の便器の取付構造を示したも
のである。図５で示されるように、結合締付手段である
ボルト（４）とナット（５）で便器（１）と床フランジ
（２）が固定され、ナット（５）を締め付けていくこと
によって便器（１）の座枠（１ａ）と床フランジ（２）
との間のパッキン（７）が圧縮され、パッキン（７）に
よる弾発力によって便器（１）の座枠（１ａ）と床フラ
ンジ（２）との間のシールが確実なものとなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
場合では、図５に示すように、パッキン（７）の弾発力
が所要程度生じる位までナット（５）を締め付けてパッ
キン（７）を圧縮しても、便器（１）の座枠（１ａ）と
床フランジ（２）との間に大きな隙間があるため、まだ
ナット（５）を締め付けていくことができる。そして、
さらにナット（５）を締め付けていくと床フランジ
（２）は３ｍｍ程度の肉厚の樹脂成型品製であり、便器
（１）は陶器製であるため、床フランジ（２）が変形
し、最後には、図６（ａ），（ｂ）に示すように床フラ
ンジ（２）は、便器の座枠（１ａ）と接触するまで大き
く変形してしまう。その結果、床フランジ（２）を床
（３）に固定している木ネジ（６）の木ネジ取付部
（８）で大きな集中応力がかかり、床フランジ（２）が
その応力に耐えられなくなり、割れてしまう。そして、
この割れたところから下水の臭気および排水時の水漏れ
が生じるというおそれがあった。

【０００６】本発明は、上記事由に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、所要以上に強く結
合締付手段を締め付けても床フランジが割れることがな
い、よって下水の臭気および排水時の水漏れが発生しな
い便器の取付構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明記載の請求項１に
係る便器の取付構造は、便器を床フランジを介して床に
取付けてなる便器の取付構造であって、床フランジをそ
の周方向に複数個配置されたネジで床に固定し、便器と
床フランジとの間にパッキンを介在させ、前記複数個の
ネジ間に便器と床フランジを結合させる結合締付手段を
設け、パッキンが所要の弾発力を維持した状態で介在で
きる隙間を確保するための突起部を結合締付手段の近傍
の床フランジに設けたことを特徴とするものである。こ
のようにすることにより、結合締付手段を締め付けてい
くと、パッキンが圧縮されていき、所要のパッキンの弾
発力が生じた位で床フランジの突起部が便器と接触する
ので、床フランジと便器との間に隙間が確保され、床フ
ランジの変形量が少なくなり、床フランジが割れるおそ
れがなくなる。よって、下水の臭気や排水時の水漏れ等
の心配がなくなる。

【０００８】本発明記載の請求項２に係る便器の取付構
造は、結合締付手段は、床フランジに装着され、便器を
貫通してネジ部が上方へ突出するボルトと、同ネジ部に
螺合されるナットとで構成されることを特徴とするもの
である。このようにすることにより、突起部が便器に接
触すると、ナットの締付力が急に大きくなるのが分かる
ので、必要以上にナットを締め付けることがなくなり、
床フランジに割れが生じないようになる。

【０００９】本発明記載の請求項３に係る便器の取付構
造は、ボルトを装着する床フランジのボルト装着部の周
囲に沿って環状に突起部を設けたことを特徴とするもの
である。このようにすることにより、環状の突起部の一
部が必ず便器と接触するので、床フランジのたわみ量を
抑制するのにもっとも効果がある。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図１乃至図
３に基づいて以下に説明する。図１に示すように、本発
明の一実施形態は、便器（１）を床フランジ（２）を介
して床（３）に取付ける便器の取付構造であって、床フ
ランジ（２）をその周方向に複数個配置された木ネジ
（６）で床（３）に固定し、便器（１）と床フランジ
（２）との間にパッキン（７）を介在させ、前記複数個
の木ネジ（６）間に便器（１）と床フランジ（２）を結
合させる結合締付手段を設け、パッキン（７）が介在で
きる隙間を確保するための突起部（９）を結合締付手段
の近傍の床フランジ（２）に設けたものである。該便器
の取付構造における結合締付手段は、床フランジ（２）
に装着され、便器（１）からネジ部が突出するボルト
（４）と、ナット（５）とで構成されるものである。該
便器の取付構造において、突起部（９）は、ボルト
（４）を装着する床フランジ（２）のボルト装着部（１
０）の周囲に沿って環状に設けられたものである。

【００１１】図２は、本発明に係る便器の取付構造の床
フランジの一実施形態を示したもので、（ａ）は平面図
であり、（ｂ）は側面断面図である。図２（ａ），
（ｂ）に示すように、まず、下水へと通じる塩化ビニル
樹脂製等の排水管（１１）には、接着剤による接着によ
って、塩化ビニル樹脂製等の床フランジ（２）が接続さ
れる。そして、床フランジ（２）の４ヶ所の木ネジ差込
部（８）の穴に木ネジ（６）を差し込み、ねじ込んでい
くことにより、床フランジ（２）を床（３）に確実に固
定する。そして、床フランジ（２）の溝部（２ａ）に
は、接着剤を用いることなく、断面略Ｓ字形（逆Ｓ字形
と同義）のパッキン（７）を配置する。突起部（９）は
ボルト装着部（１０）の周囲に沿って設けられている。
ボルト装着部（１０）は、図２に示すように、長穴にな
っており、その内約半分は幅が広くなっている。ボルト
（４）はＴ型ボルトであり、この幅広の穴に上方からこ
のボルト（４）をボルト頭の方から差し込み、幅が狭く
なっている方へスライドさせることにより、ボルト
（４）は床フランジ（２）に装着される。

【００１２】図３は、本発明に係る便器の取付構造の一
実施形態を示す断面図である。便器（１）は陶器製であ
り、便器（１）の座枠（１ａ）の下方には空間が形成さ
れており、その内部に床フランジ（２）及びパッキン
（７）が収まるようになっている。その空間は、座枠
（１ａ）の端部で略Ｌ字状に曲がった先端が床（３）に
当たることにより便器（１）の座枠（１ａ）の下方に形
成されている。座枠（１ａ）にはボルト（４）が差し込
まれるボルト差込穴（１ｂ）が形成されている。ボルト
差込穴（１ｂ）をボルト（４）に合わせて便器（１）を
設置し、ナット（５）を便器（１）のボルト差込穴（１
ｂ）から上方へ突き出たボルト（４）にねじ込んでいく
ことにより、便器（１）と床フランジ（２）が固定され
ると同時に、座枠（１ａ）と床フランジ（２）との間の
パッキン（７）が圧縮されていく。

【００１３】床フランジ（２）に配置したパッキン
（７）を上記の通り圧縮していくと、まずパッキン
（７）頂部の環状突起（７ａ）が便器（１）の座枠（１
ａ）に接触し、パッキン（７）が図３に示されたように
変形する。ナット（５）を更に締め付けていくと、パッ
キン（７）の変形による弾発力によって、便器（１）の
座枠（１ａ）と床フランジ（２）との間はシールされる
ことになる。図１（ａ），（ｂ）に示すように、請求項
１に係る便器の取付構造によると、所要のパッキン
（７）の弾発力が生じた状態で床フランジ（２）の突起
部（９）が便器（１）の座枠（１ａ）と接触するので、
床フランジと便器との間に隙間が確保され、床フランジ
の変形量が少なくなり、床フランジが割れるおそれがな
くなる。さらに、請求項２に係る便器の取付構造による
と、ナット（５）の締付力が急に大きくななるのが分か
るので、もうそれ以上ナット（５）を締め付けられなく
なる。そのために、床フランジ（２）により大きな応力
がかからないようになり、床フランジ（２）が割れるこ
とがより防止される。そのうえ、請求項３に係る便器の
取付構造によると、環状の突起部の一部が必ず便器と接
触するので、床フランジのたわみ量を抑制するのにもっ
とも効果がある。以上により、下水の臭気や排水時の水
漏れ等が生じるおそれはなくなる。

【００１４】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、請求項１に係
る便器の取付構造によると、結合締付手段を締め付けて
いくと、パッキンが圧縮されていき、所要のパッキンの
弾発力が生じた状態で床フランジの突起部が便器と接触
するので、床フランジと便器との間に隙間が確保され、
床フランジの変形量が少なくなり、床フランジが割れる
おそれがなくなる。よって、下水の臭気や排水時の水漏
れ等の心配がなくなる。

【００１５】請求項２に係る便器の取付構造によると、
突起部が便器に接触すると、ナットの締付力が急に大き
くなるのが分かるので、必要以上にナットを締め付ける
ことがなくなり、床フランジに割れが生じないようにな
る。

【００１６】請求項３に係る便器の取付構造によると、
環状の突起部の一部が必ず便器と接触するので、床フラ
ンジのたわみ量を抑制するのにもっとも効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る便器の取付構造の一実施形態を示
したもので、（ａ）は断面図であり、（ｂ）は（ａ）の
Ａ−Ａ断面図である。

【図２】本発明に係る便器の取付構造の床フランジの一
実施形態を示したもので、（ａ）は平面図であり、
（ｂ）は側面断面図である。

【図３】本発明に係る便器の取付構造の一実施形態を示
す断面図である。

【図４】従来の便器の取付構造の床フランジを示したも
ので、（ａ）は平面図であり、（ｂ）は側面断面図であ
る。

【図５】従来の便器の取付構造を示す断面図である。

【図６】従来の便器の取付構造を示したもので、（ａ）
は断面図であり、（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ断面図であ
る。

【符号の説明】

１便器１ａ座枠１ｂボルト差込穴２床フランジ２ａ溝部３床４ボルト５ナット６木ネジ７パッキン７ａ環状突起８木ネジ差込部９突起部１０ボルト装着部１１排水管

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】便器を床フランジを介して床に取付けて
なる便器の取付構造であって、床フランジをその周方向
に複数個配置されたネジで床に固定し、便器と床フラン
ジとの間にパッキンを介在させ、前記複数個のネジ間に
便器と床フランジを結合させる結合締付手段を設け、パ
ッキンが所要の弾発力を維持した状態で介在できる隙間
を確保するための突起部を結合締付手段の近傍の床フラ
ンジに設けたことを特徴とする便器の取付構造。
【請求項２】前記結合締付手段は、床フランジに装着
され、便器を貫通してネジ部が上方へ突出するボルト
と、同ネジ部に螺合されるナットとで構成されることを
特徴とする請求項１記載の便器の取付構造。
【請求項３】ボルトを装着する床フランジのボルト装
着部の周囲に沿って環状に突起部を設けたことを特徴と
する請求項２記載の便器の取付構造。