JPH09176992A - 強光沢印刷用シート - Google Patents

強光沢印刷用シート

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JPH09176992A
JPH09176992A JP33931595A JP33931595A JPH09176992A JP H09176992 A JPH09176992 A JP H09176992A JP 33931595 A JP33931595 A JP 33931595A JP 33931595 A JP33931595 A JP 33931595A JP H09176992 A JPH09176992 A JP H09176992A
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JP
Japan
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electron beam
sheet
coating layer
resin coating
acrylate
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Application number
JP33931595A
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English (en)
Inventor
Yasuaki Nakayama
靖章 中山
Masahiro Kamiya
昌博 神谷
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷適性、特にインキセット性に優れた強光
沢印刷用シートを提供する。 【解決手段】 シート状支持体の少なくとも一面上に、
電子線硬化性樹脂組成物の電子線硬化体からなる電子線
硬化樹脂被覆層が形成されている印刷用シートにおい
て、前記電子線硬化性樹脂組成物中に、不飽和高級脂肪
酸の二量体に由来するダイマー酸骨格を有する電子線硬
化性有機化合物を含有させて、前記電子線硬化樹脂被覆
層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強光沢印刷用シー
トに関するものであり、更に詳しく述べるならば、電子
線硬化樹脂被覆層が表面に配置され、強光沢を示してい
る強光沢印刷用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キャスト塗被紙と呼ばれる光沢塗
被紙は、顔料および接着剤を主成分とし、支持体上に形
成された塗被層を、それが水を含んで可塑状態にある間
に、加熱された鏡面に圧接し、乾燥仕上げして強光沢塗
被層としたものであるが、従来の強光沢塗被紙は、その
光沢度が満足できるものではなく、さらに高い強光沢の
ものが望まれている。
【0003】この問題点を解決するために、シート状基
体に溶融した樹脂をフィルム状にして重ね、これを平滑
で強光沢を有する金属製円筒型回転体に圧接して冷却
し、冷却後に金属製円筒型回転体から剥離して強光沢塗
被層を得るいわゆるラミネートコーティング方式や、前
記のラミネートコーティング方式の溶融樹脂の代わり
に、電子線照射により硬化し得る不飽和有機化合物を主
成分として塗料組成物(以下、電子線硬化性樹脂組成物
という)から形成された塗布液層を成型面あるいは金属
製円筒型回転体に圧接し、これに電子線を照射する方
法、すなわちキャスト電子線照射方式により、高い光沢
度を有する塗被層表面が得られるようになった。
【0004】しかし、これらの電子線硬化樹脂被覆層に
印刷を施す場合、その印刷適性、特に印刷インキのセッ
ト性が不良であり、印刷塗被紙として満足な製品は未だ
得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の前
記の問題点を解決し、しかも印刷適性、特に印刷インキ
のセット性に優れている、強光沢印刷用シートを提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、前記課題を解決する手段として、最外側電子線
硬化樹脂被覆層を形成する電子線硬化性樹脂組成物中
に、高級不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸骨格を
有する電子線硬化性有機化合物を含有させることによ
り、強光沢印刷用シートが得られることを見いだし、本
発明を完成させたのである。
【0007】すなわち本発明に係る強光沢印刷用シート
は、シート状支持体の少なくとも一面上に形成され、か
つ電子線硬化性樹脂組成物の電子線硬化体からなる電子
線硬化樹脂被覆層を有するものであって、前記電子線硬
化樹脂被覆層が、不飽和高級脂肪酸の二量体に由来する
ダイマー酸骨格を有する少なくとも1種の電子線硬化性
有機化合物の電子線硬化体を含むことを特徴とするもの
である。
【0008】さらに本発明に係る強光沢印刷用シート
は、シート状支持体の少なくとも一面上に形成され、か
つ電子線硬化性樹脂組成物の電子線硬化体からなる電子
線硬化樹脂被覆層を有するものであり、前記電子線硬化
樹脂被覆層が、少なくともシート状支持体に隣接する内
側樹脂被覆層と、最外側に配置された最外側樹脂被覆層
とを有する積層体からなり、前記最外側樹脂被覆層が、
不飽和高級脂肪酸の二量体であるダイマー酸骨格を有す
る少なくとも1種の電子線硬化性有機化合物の電子線硬
化体を含むことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる電子線硬化性
樹脂組成物に含有される高級不飽和脂肪酸の二量体であ
るダイマー酸骨格を有する電子線硬化性有機化合物は、
それが電子線硬化性を有している限り、ウレタン結合や
エステル結合等の結合を有していても何ら差し支えな
い。
【0010】本発明に用いられる高級不飽和脂肪酸の二
量体(ダイマー酸)は、具体的には、サフラワー油、大
豆油、アマニ油、トール油等のリノール酸を含有する不
飽和高級脂肪酸を、公知の方法により重合させて得られ
るものである。このようなダイマー酸は下記の一般式
(I)および(II):
【化2】 〔ただし、R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、それぞれ互に独
立にアルキル基を表し、R1 基の炭素数とR2 基の炭素
数とnとmとの和が28であり、R3 基の炭素数と、R
4 の炭素数と、qとrとの和が34である。〕で表され
る多塩基酸であることが好ましい。上記式(I)および
(II)の多塩基酸は、いずれも2個の長鎖アルキル基を
有すること、合計炭素数が36であるという点で共通す
る。なお、前記天然不飽和高級脂肪酸から誘導された二
量化反応生成物は一般式(I)および(II)のダイマー
酸の混合物であって、その組成は、通常は、一般式
(I)の多塩基酸と一般式(II)の多塩基酸との重量比
((I):(II))が6:4〜8:2程度のものであ
る。この組成は、ダイマー酸製造における反応条件によ
り変化する。ダイマー酸には、合成後に不飽和結合が残
っている場合があるので、これを還元して飽和結合にし
てもよい。
【0011】本発明で用いられるダイマー酸構造含有電
子線硬化性有機化合物は、エポキシ化合物と前記ダイマ
ー酸とを反応させ、次いで(メタ)アクリル酸とを反応
させることにより合成される。また、前記ダイマー酸と
エポキシ化合物とを反応させた後、次いでポリイソシア
ネートを反応させ、さらにヒドロキシ(メタ)アクリレ
ートを反応させればウレタン結合を有する電子線硬化性
有機化合物が得られる。また、前記ダイマー酸を還元し
てダイマージオールとし、これとポリイソシアネートを
反応させ、次いでヒドロキ(メタ)アクリレートと反応
させてもウレタン結合を導入することができる。さら
に、前記ダイマージオールと多塩基酸とを反応させ、次
いで(メタ)アクリル酸とを反応させればエステル結合
を有する電子線硬化性有機化合物が得られる。本発明に
おいて、これらのダイマー酸構造含有電子線硬化性不飽
和有機化合物は、単一で、又は2種以上の組み合わせで
使用することができる。
【0012】本発明のダイマー酸構造含有電子線硬化性
不飽和有機化合物の合成に用いられるエポキシ化合物、
ポリイソシアネート、多塩基酸、ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート等には特に制限は無く、一般的に知られてい
るものから適宜選択することができる。例えば、本発明
のダイマー酸骨格を有する電子線硬化性有機化合物の合
成に用いられるエポキシ化合物としては、ビスフェノー
ルA型のエポキシ化合物、フェノールノボラック型のエ
ポキシ化合物等が例示できる。またポリイソシアネート
としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロ
ヘキシルイソシアネート)、テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびトリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示され
る。さらに、多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、トリメリット酸、およびピロメリット酸等が例示さ
れる。さらにヒドロキシ(メタ)アクリレートとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
およびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
が例示される。
【0013】本発明の電子線硬化性不飽和有機化合物
は、単独で使用してもよいが、高粘度のものもあり、ま
た電子線硬化性の悪いものもあるので、これに電子線硬
化性の単官能モノマーあるいは多官能モノマーを配合し
て用いてもよい。電子線硬化性の単官能モノマーあるい
は多官能モノマーの配合量は特に限定されていないが、
電子線硬化性樹脂組成物全体に対して、例えば70重量
部以下の程度で配合することが好ましく、より好ましく
は10〜60重量部である。
【0014】本発明において、ダイマー酸骨格を有する
有機化合物に配合される電子線硬化性の単官能モノマー
あるいは多官能モノマーには特に限定はなく、下記の不
飽和有機化合物が例示できる。これらは単独で配合され
てもよく、或は2種類以上を配合してもよい。
【0015】(1)脂肪族、脂環族および芳香脂肪族の
1〜6価のアルコールおよびポリアルキレングリコール
のアクリレート化合物類。 (2)脂肪族、脂環族および芳香脂肪族の1〜6価のア
ルコールにポリアルキレンオキシドを付加させたものの
アクリレート化合物類。 (3)ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類。 (4)多塩基酸とポリオールとアクリル酸との反応生成
物。 (5)イソシアネートとポリオールとアクリル酸との反
応生成物。 (6)エポキシ化合物とアクリル酸との反応生成物。 (7)エポキシ化合物とポリオールとアクリル酸との反
応生成物。 等を挙げることができる。
【0016】これらの単官能性又は多官能性電子線硬化
性不飽和有機化合物として、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルア
クリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモル
ホリン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブ
チルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テト
ラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘ
キシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソ
ボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベン
ジルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールア
クリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレ
ート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フ
ェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノ
キシポリプロピレングリコールアクリレート、ノニルフ
ェノキシポリエチレングリコールアクリレート、エチレ
ンオキシド変性フェノキシアクリレート、ノニルフェノ
キシポリプロピレングリコールアクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカル
ビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラク
トンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル
アクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート、ジシクロペテニ
ルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ化オ
レイル、メタクリル酸−9,10−エポキシ化オレイ
ル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、
ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニル
アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアク
リレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランの
カプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−
5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラク
トン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレー
ト、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレ
ート、エタンジオールジアクリレート、エタンジオール
ジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリ
レート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、
1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,14−
テトラデカンジオールジアクリレート、1,15−ペン
タデカンジオールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレン
グリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオ
ールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノ
ールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビス
フェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変
性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオ
キシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロ
ピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、
ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール
エステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステ
ルネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付
加物ジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌ
ル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレ
ンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレ
ート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオ
キシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、
ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ
アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロール
プロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変
性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性
イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変
性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシ
ド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキ
シド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレ
ンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、およびポリカプロラクトン変性ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート等がある。
【0017】本発明の強光沢印刷用シートにおいて、そ
の平滑性および光沢度を高めるためには、電子線硬化樹
脂被覆層をキャスト法を用いて製造することが好まし
く、また白色度等を向上させる目的から、電子線硬化性
樹脂組成物には、顔料を配合することが好ましい。シー
ト状支持体に紙基体を用いる場合には、電子線硬化樹脂
被覆層を2層以上の積層構造に形成し、すなわち内側樹
脂被覆層を、顔料の配合されていない電子線硬化性樹脂
組成物(以下、クリアー電子線硬化性樹脂組成物と言
う)の電子線照射による硬化体から形成し、最外側樹脂
被覆層を、顔料が配合された電子線硬化性樹脂組成物
(以下、顔料含有電子線硬化性樹脂組成物と言う)の電
子線照射による硬化体から形成し、これらの電子線硬化
樹脂被覆層をキャスト法を用いて製造することが好まし
い。
【0018】単一層構造の電子線硬化樹脂被覆層、又
は、上記多層構造の電子線硬化樹脂被覆層の最外側樹脂
被覆層に配合される顔料の種類、量などには特に限定は
なく、例えばクレー、カオリン、タルク、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽
質炭酸カルシウム、二酸化チタン(アナターゼ型および
ルチル型)、亜鉛華、硫酸バリウム等の無機顔料、およ
びプラスチックピグメントとして知られているポリスチ
レンのような有機顔料を使用することができる。これら
の顔料は通常白色であり、無処理のまま使用してもよ
く、或は、シロキサン、アルミナ、アルコール、又はシ
ランカップリング剤等で表面処理をして使用することが
できる。また顔料は、単独で、または2種類以上を混合
して使用することも可能である。また、このような顔料
が配合された電子線硬化性樹脂組成物には、必要に応じ
て分散剤、離型剤、消泡剤、着色剤、染料、および防腐
剤等の助剤を配合してもよい。
【0019】顔料の配合量は、電子線硬化性樹脂組成物
全体に対し、10〜80重量部であることが好ましく、
より好ましくは20〜60重量部である。顔料配合量が
10重量部未満では、顔料による隠蔽性が不十分になる
ことがあり、またそれが80重量部より多くなると、塗
料粘度が極端に高くなり、流動性を失ってしまうことが
ある。
【0020】白色顔料を前記のような電子線硬化性不飽
和有機化合物中に分散するには、3本ロールミル(スリ
ーロールミル)、2本ロールミル(ツーロールミル)、
カウレスデゾルバー、ホモミキサー、サンドグラインダ
ー、プラネタリーミキサー、および超音波分散機等を使
用することができる。
【0021】多層構造の電子線硬化樹脂被覆層の内側樹
脂被覆層に使用する電子線硬化性不飽和有機化合物には
特に制限はないが、内側樹脂被覆層と最外側樹脂被覆層
との接着性を十分高くするために、互に類似した分子構
造を有する電子線硬化性不飽和有機化合物を用いること
が好ましい。
【0022】本発明に用いられるシート状支持体の種類
に関しては特に制限はなく、紙(例えば上質紙)、プラ
スチックフィルム、布、不織布、またはアルミニウム箔
等の比較的厚さの薄いものを用いることができるが、好
ましくは紙基体を用いる。紙基体としては、通常50〜
300g/m2 の重量を有し、表面の平滑な紙基体が用
いられる。本発明で用いられる紙基体の種類には、特に
制限は無い。紙基体を形成するパルプとしては、一般的
には、樅、栂等から製造した針葉樹パルプ、楓、ブナ、
ポプラ等から製造した広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合
パルプ等の天然パルプを主成分とするものが広く用いら
れ、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパル
プ等の晒パルプを使用できる。また合成繊維や合成パル
プを含むパルプから製造した紙基体も使用できる。前記
紙基体には、通常の各種添加剤、例えば乾燥紙力増強
剤、サイズ剤、填料、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整
剤等を1種類以上含むことができる。本発明に用いられ
るシート状支持体は、例えば、上質紙のような紙基体で
あってもよく、或は紙基体の片面または両面に、クレ
ー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウム、プラスチ
ックピグメント等から選ばれた顔料および、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体
樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂等から選
ばれた合成樹脂を主成分として含有する顔料塗被層を有
するコート紙、キャストコート紙、アート紙などの顔料
塗被紙、ポリエチレンのようなポリオレフィン樹脂で片
面あるいは両面にラミネートを施したラミネート紙など
であってもよく、また紙基体を使用する場合は、電子線
硬化性樹脂組成物の浸透を防止するため、別途ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、酸化澱粉
等のバリヤー剤でアンダーコート層を設けてもよい。こ
のような被覆を有するシート状支持体を用いる場合は、
内側樹脂被覆層を設けることなく、シート状支持体の樹
脂層上に直接最外側樹脂被覆層を設けてもよい。
【0023】さらに本発明に用いられる紙基体の代わり
に、プラスチックフィルムや、いわゆる合成紙のような
シート状支持体を使用することに何ら差し支えない。例
えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のポリ
オレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を溶融押し
出し法で形成したフィルムをシート状支持体として使用
することもできる。また、合成樹脂フィルムを擬紙化し
たいわゆる合成紙もシート状支持体として、用いること
ができる。シート状支持体として使用されるプラスチッ
クフィルムや、いわゆる合成紙には、クレー、タルク、
カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化マグ
ネシウム等の顔料、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、各
種の界面活性剤等の分散剤、および有色顔料等の1種類
以上が含まれてもよい。
【0024】本発明の電子線硬化樹脂被覆層の形成の際
に、成形基体として使用する金属製円筒型回転体は、そ
の材質形状に特に限定はないが、例えばステンレススチ
ール、銅、クロム等で鏡面仕上げされた平滑な周面を有
しているものであって、最外側樹脂被覆層との剥離を容
易にするために、この平滑周面にシリコーンオイルやワ
ックス等の剥離助剤を供給することもできる。
【0025】成形基体として使用される成形基体用シー
ト状材料は、平滑で柔軟性があればよく、その材質に限
定はないが、具体的にはポリエステルフィルムのような
プラスチックフィルム、金属シート、樹脂コート紙、金
属蒸着フィルム、および金属蒸着紙等が好ましく、成形
基体用シート状材料の表面には、それに接する樹脂被覆
層の剥離を容易にするために、シリコーンやワックス等
の剥離助剤を供給してもよい。さらにシート状材料の表
面に適宜の処理、例えばシリコーン処理のような処理を
施して、それに接する硬化樹脂被覆層の剥離を容易にし
てもよい。成形基体として使用するシート状材料は、エ
ンドレスベルト状に加工して使用してもよい。成形基体
として使用するシート状材料は繰り返して使用すること
もできるが、度重なる電子線照射による衝撃はシート状
材料を劣化させるために、この繰り返し使用の回数には
限度がある。
【0026】本発明に係る強光沢印刷用シートの製造方
法において、シート状支持体の一面上に、クリアー電子
線硬化性樹脂組成物を塗布して内側塗布液層を形成し、
別に成形基体表面上に、顔料含有電子線硬化性樹脂組成
物を塗布して最外側塗布液層を形成し、前記成形基体表
面上の最外側塗布液層に、前記シート状支持体上の内側
塗布液層を重ね合わせ、それによって形成された重層体
に電子線照射を施して、内側樹脂被覆層および外側樹脂
被覆層を、接着し、かつ硬化するとともに、内側樹脂被
覆層を介してシート状支持体と最外側樹脂被覆層とを接
合させて積層体を形成し、この積層体を前記成形基体表
面から剥離する。この方法においては、内側塗布層の塗
布工程を省略し、従ってシート状支持体上に単一の電子
線硬化樹脂被覆層を形成してもよい。
【0027】また本発明に係わる強光沢印刷用シートの
別の製造方法としては、シート状支持体の表面上に、ク
リアー電子線硬化性樹脂組成物を塗布して内側塗布液層
を形成し、別に成形基体表面上に、顔料含有電子線硬化
性樹脂組成物を塗布して最外側塗布液層を形成し、前記
成形基体表面上においてこれに電子線照射を施し硬化し
て、最外側樹脂被覆層を形成し、前記成形基体表面上の
最外側樹脂被覆層に、前記シート状支持体上の内側塗布
液層を重ね合わせ、それによって形成された重層体に電
子線照射を施して、内側塗布液層および最外側樹脂層を
接着し、かつ硬化するとともに、それによって形成され
た内側樹脂被覆層を介してシート状支持体と、最外側樹
脂被覆層とを接合して重層体を形成し、この積層体を前
記成形基体表面から剥離する方法がある。この方法にお
いて、内側塗布液層の塗布工程を省略してもよい。この
場合、成形基体上における樹脂組成物塗布液層の電子線
硬化は、得られた半硬化樹脂層が、シート状支持体に接
着できる程度に行われる。この場合もシート状支持体上
に単一の樹脂被覆層が形成される。
【0028】金属製円筒型回転体の表面、成形基体用シ
ート状材料、あるいはシート状支持体の表面に電子線硬
化性樹脂組成物を塗被する方法としては、例えばバーコ
ート法、エアードクターコート法、ブレードコート法、
スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコー
ト法、グラビアコート法、トランスファーコート法、コ
ンマコート法、スムージィングコート法、マイクログラ
ビアコート法、リバースロールコート法、マルチロール
コート法、ディップコート法、ロッドコート法、キスコ
ート法、ゲートロールコート法、落下カーテンコート
法、スライドコート法、ファウンテンコート法、および
スリットダイコート法等の塗工法を用いることができ
る。特に金属製円筒型回転体を使用する場合には、金属
製円筒型回転体の表面に傷を付けないための配慮から、
塗布用ゴムロールを使用するロールコート法あるいはオ
フセットグラビアコート法が用いることが好ましく、さ
らには非接触タイプのファウンテンコーターやスリット
ダイコーター等が有利に用いられる。
【0029】本発明の強光沢印刷用シートにおいて、内
側樹脂被覆層と最外側樹脂被覆層からなる電子線硬化樹
脂被覆層全体の塗被量は、硬化後において3〜60g/
2であることが好ましく、より好ましくは5〜40g
/m2 である。この塗被量が3g/m2 未満では、得ら
れる塗被体の平滑性が不十分になり、美粧性が得られ
ず、光沢度が低下することがある。また、それが60g
/m2 より多くしても、その効果が飽和し、コスト高に
なる。
【0030】最外側樹脂被覆層の美粧性と印刷適性を付
与するためには、その硬化後の塗被量を0.1g/m2
以上に、好ましくは0.3〜20g/m2 にすることが
好ましい。最外側樹脂被覆層の塗被量が0.1g/m2
未満であると、顔料の配合量が多くても十分な隠蔽性が
得られないことがある。また、内側樹脂被覆層の機能を
確保するためには、その硬化後の塗被量3g/m2 以上
に、好ましくは5〜20g/m2 とすることが好まし
い。内側樹脂被覆層の塗被量が3g/m2 未満ではシー
ト状支持体の地合ムラを埋めきれず、得られる印刷用シ
ートの表面平滑性が不十分になることがある。
【0031】なお本発明においては、得られる印刷用シ
ート表面の平滑性を向上し、シート状支持体と接する電
子線硬化樹脂被覆層との接着性を向上させるために、シ
ート状支持体とそれに接する樹脂被覆層との間に、合成
樹脂を主成分とするアンダーコート層を設けてもよい。
アンダーコート層に使用される合成樹脂としては、例え
ばアルキッド系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル
系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂またはこれらの共重合体樹脂等が挙げられ、
このような合成樹脂も溶剤系あるいは水性系媒体に溶解
または分散して塗布し乾燥してアンダーコート層を形成
する。またアンダーコート層形成に電子線硬化性樹脂組
成物、又は紫外線硬化性樹脂組成物を使用することがで
きる。このようなアンダーコート層を設けることは、シ
ート状支持体上に電子線硬化性樹脂組成物を塗被して加
工する分野では一般に行われている手段であり、例えば
電子線硬化樹脂被覆層を有する写真印画紙用支持体、電
子写真用転写紙、感熱用基紙、工程用剥離紙、熱転写受
容紙、インクジェット記録用紙、および包装紙等におい
て、適宜に用いられている。
【0032】電子線照射に用いられる電子線照射装置と
しては、特にその方式に限定はないが、例えばハンデグ
ラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、
ブロードビーム方式、カーテンビーム方式等の電子線照
射装置を用いることができる。これらの中でも比較的安
価で大出力の得られるカーテンビーム方式のものが有効
に用いられる。
【0033】電子線照射の際の加速電圧は100〜30
0kVであることが好ましく、吸収線量としては、0.1
〜8Mradであることが好ましく、0.5〜5Mradが特に
好ましい。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、勿論これらにより限定されるも
のではない。
【0035】実施例1 下記の操作により強光沢印刷用シートを作製した。組成物(1)(最外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 水添ダイマー酸エポキシ系アクリレートオリゴマー 60重量部 を主成分として含有する電子線硬化性有機化合物 (商標:DA−1、荒川化学工業製) 1,9−ノナンジオールジアクリレート(商標:ニ 10重量部 ューフロンティアL−C9A、第一工業製薬製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部
【0036】組成物(2)(内側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 水添ダイマー酸エポキシ系アクリレートオリゴマー 70重量部 を主成分として含有する電子線硬化性有機化合物 (商標:DA−1、荒川化学工業製) 1,9−ノナンジオールジアクリレート(商標:ニ 30重量部 ューフロンティアL−C9A、第一工業製薬製)
【0037】強光沢印刷用紙の作製 前記組成物(1)を、成形基体として用いられた厚さ7
5μmのポリエステルフィルムの表面に、メイヤーバー
を用いて、硬化後の塗被量が5g/m2 になるように塗
被し、最外側塗布液層を形成した。次に、前記組成物
(1)を、坪量128g/m2 のキャスト塗被紙(商
標:ミラーコートゴールド、新王子製紙製)の表面に、
メイヤーバーを用いて、硬化後の塗被量が10g/m2
になるように塗被して内側塗布液層を形成し、その上
に、前記ポリエステルフィルム表面上の最外側塗布液層
を重ね合わせ、この重層体のポリエステルフィルムの背
面側から加速電圧175kV、吸収線量3Mrad、酸素濃度
500ppm 以下の条件下で電子線を照射し、前記塗布液
層1および2を硬化させて最外側樹脂被覆層と内側樹脂
被覆層を形成するとともに、これらとシート状支持体と
を接着させた。その後、最外側樹脂被覆層からポリエス
テルフィルムを剥離し、強光沢印刷用シートを得た。
【0038】試験並びに評価方法 (1)白紙光沢度の測定 印刷用シートの白紙光沢度は、JIS−Z8741によ
りグロスメーターVGS−1D(日本電色工業製)を用
い、60°/60°における光沢度を測定した。測定数
値が75以上のものは光沢度に優れている。
【0039】(2)印刷適性試験(インキセット性) 供試印刷用シートに対し、RI印刷試験機(RI−1
型、石川島機械産業製)を用いて次の条件で印刷した。 インキの種類:大日本インキ化学工業製墨(DIC FINE I
NK F-Gloss N-Type) インキ量:0.5g/全刷ロール 印刷速度:30rpm 上記条件により展色胴を回転させ印刷した。得られた印
刷シートの印刷面に、合成紙(ユポFPG−95、王子
油化合成紙製)を重ね合わせ、これをきれいなゴムロー
ルにセットし、それから7分後まで、1分間隔をもって
展色胴を約2cmずつ動かし、合成紙に印刷インキの裏取
りをさせた。裏取りの終えた合成紙のインキの裏移り濃
度をマクベス反射濃度計RD−914で測定した。測定
数値が0.10以下になった時間をインキセット完了時
間とした。このインキセット完了時間が5分以下のもの
をインキセット性に優れていると判定する。評価結果を
表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(3)を調製し使用した。組成物(3)(最外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ダイマー酸エポキシ系アクリレートオリゴマーを主 35重量部 成分として含有する電子線硬化性有機化合物(商 標:DA−5、荒川化学工業製) 2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリ 20重量部 レート(商標:KU−C9A、荒川化学工業製) ラウリルアクリレート(商標:KU−LA、荒川化 15重量部 学工業製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部 実施例1と同様にして強光沢印刷用シートを作製し、評
価した。評価結果を表1に示す。
【0041】実施例3 実施例1と同様の操作を行った。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(4)を調製し使用した。組成物(4)(最外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ダイマー酸エポキシ系アクリレートオリゴマーを主 35重量部 成分として含有する電子線硬化性有機化合物(商 標:DA−8、荒川化学工業製) 2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリ 20重量部 レート(商標:KU−C9A、荒川化学工業製) ラウリルアクリレート(商標:KU−LA、荒川化 15重量部 学工業製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部 実施例1と同様にして強光沢印刷用シートを作製し、評
価した。評価結果を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例1と同様の操作を行った。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(5)を調製し使用した。組成物(5)(最外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ダイマー酸エポキシ系ウレタンアクリレートオリゴ 35重量部 マーを主成分として含有する電子線硬化性有機化 合物(商標:DA−10、荒川化学工業製) 2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリ 20重量部 レート(商標:KU−C9A、荒川化学工業製) ラウリルアクリレート(商標:KU−LA、荒川化 15重量部 学工業製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部 実施例1と同様にして強光沢印刷用シートを作製し、評
価した。評価結果を表1に示す。
【0043】実施例5 下記の操作により単一電子線硬化樹脂被覆層を有する強
光沢印刷用シートを作製し、実施例1と同様に評価し
た。但し、組成物(1)の代りに下記の組成物(6)を
用いた。組成物(6)(電子線硬化樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ポリプロピレングリコール(分子量2200)のウレ タン変性 アクリレートオリゴマーを含む電子線硬化性有機化合 65重量部 物(商標:CJ−8、日本化成製) アクリル酸ダイマー(商標:アロニックスM−5600、 5重量部 東亜合成製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部
【0044】強光沢印刷用シートの作製 前記組成物(6)を、厚さ95μmの合成紙(商標:ユ
ポFPG−95、王子油化合成紙製)の表面に、メイヤ
ーバーを用いて、硬化後の塗被量が10g/m 2 になる
ように塗被し、その上に厚さ75μmのポリエステルフ
ィルムを重ね合わせた後、このポリエステルフィルムの
背面側から、加速電圧175kV、吸収線量3Mrad、酸素
濃度500ppm 以下の条件で電子線を照射し、組成物
(6)の塗布液層を硬化させ、電子線硬化樹脂被覆層を
形成した。この電子線硬化樹脂被覆層付シートをポリエ
ステルフィルムから剥離し、強光沢印刷用シートを得
た。
【0045】比較例1 実施例1と同様の操作を行った。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(7)を調製し使用した。組成物(7)(最外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ロジンエステルアクリレートを主成分として含有す 50重量部 る電子線硬化性有機化合物(商標:ビームセット 115、荒川化学工業製) 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ 20重量部 ート(商標:アロニックスM−5700、東亜合 成製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部 実施例1と同様にして強光沢印刷用シートを作製し、評
価した。評価結果を表1に示す。
【0046】比較例2 実施例1と同様の操作を行った。但し、組成物(1)の
代わりに下記の組成物(8)を調製し使用した。組成物(8)(最外側樹脂被覆層形成用) 成 分 配合量 ポリカプロラクトンウレタンアクリレートを主成分 50重量部 として含有する電子線硬化性有機化合物(商標: ビームセット505B、荒川化学工業製) 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ 20重量部 ート(商標:アロニックスM−5700、東亜合 成製) 二酸化チタン(商標:R−23、堺化学製) 30重量部 実施例1と同様にして強光沢印刷用シートを作製し、評
価した。評価結果を表1に示す。
【0047】比較例3 坪量128g/m2 のキャスト塗被紙(商標:ミラーコ
ートゴールド、新王子製紙製)のキャスト面を、実施例
1と同様にして評価をした。評価結果を表1に示す。
【0048】比較例4 坪量128g/m2 のキャスト塗被紙(商標:クリスタ
ルコート、日本加工製紙製)のキャスト面を実施例1と
同様にして評価をした。評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、本発明に係る強
光沢印刷用シートは、白紙光沢度が極めて高く、しかも
インキセット性に優れていた。(実施例1〜5参照)。
しかし、本発明のダイマー酸骨格を有する電子線硬化性
有機化合物が最外側樹脂組成物に配合されていなければ
得られる印刷シートのインキセット性は不良であった
(比較例1,2)、また一般のキャスト塗被紙では白紙
の光沢度が低い(比較例3,4)という不都合を有して
いた。
【0051】
【発明の効果】本発明は、ダイマー酸骨格を有する電子
線硬化性有機化合物を用いて最外側樹脂被覆層を形成す
ることにより、印刷適性、特にインキのセット性に優
れ、かつ白紙光沢の極めて高い強光沢印刷用シートを提
供するものであり、実用上極めて有効なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、その少なくとも一面
    上に形成され、電子線硬化性不飽和有機化合物を主成分
    として含む塗料組成物の電子線硬化体からなる電子線硬
    化樹脂被覆層とを有し、前記電子線硬化樹脂被覆層が不
    飽和高級脂肪酸の二量体に由来するダイマー酸骨格を有
    する少なくとも1種の電子線硬化性有機化合物の電子線
    硬化体を含むことを特徴とする強光沢印刷用シート。
  2. 【請求項2】 シート状支持体と、その少なくとも一面
    上に形成され、電子線硬化性不飽和有機化合物を主成分
    として含む塗料組成物の電子線硬化体からなる電子線硬
    化樹脂被覆層とを有し、前記電子線硬化樹脂被覆層が、
    少なくとも前記シート状支持体に隣接する内側樹脂被覆
    層と、最外側に配置された最外側樹脂被覆層とを含み、
    前記最外側樹脂被覆層が、不飽和高級脂肪酸の二量体に
    由来するダイマー酸骨格を有する少なくとも1種の電子
    線硬化性有機化合物の電子線硬化体を含むことを特徴と
    する強光沢印刷用シート。
  3. 【請求項3】 前記ダイマー酸骨格を有する電子線硬化
    性有機化合物のダイマー酸骨格が、下記一般式(I)お
    よび(II): 【化1】 〔ただし、R1 ,R2 ,R3 およびR4 はそれぞれ、互
    に独立にアルキル基を表し、かつR1 基の炭素数と、R
    2 基の炭素数と、nと、mとの和が28であり、R3
    の炭素数と、R4 の炭素数と、qと、rとの和が34で
    ある。〕により表される二塩基酸化合物の少なくとも1
    種に由来する、請求項1又は2に記載の強光沢印刷用シ
    ート。
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