JPH09176787A - 高強度・低延性非調質鋼 - Google Patents
高強度・低延性非調質鋼Info
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Abstract
でその分割破面がフラットな脆性破面を呈する、コンロ
ッド用鋼として好適な鋼の提供。 【解決手段】重量%で、C:0.70%を超え1.20%まで、
Si≦1.50%、Mn:0.30〜2.00%、P≦0.15%、S≦
0.10%、Cu≦0.20%、Ni≦0.50%、Cr:0.02〜2.
00%、Mo≦0.50%、V≦0.50%、Nb≦0.17%、Ti
≦0.20%、B≦0.0100%、Al≦0.100 %、N≦0.030
%、Pb≦0.30%を含有し、残部はFe及び不可避不純
物からなり、N−0.1 Al−0.002 ≧0 、N− 0.3Ti
≦0 及びN−0.5 Al−0.3 Ti−0.15Nb−0.3 V−
1.3 B−0.002 ≧0 の少なくとも一つを満たし、且つ、
C+(Si/10)+(Mn/5 )+( 5Cr/22)+1.
65V−( 5S/7 )− 0.8≧0 であることを特徴とする
高強度・低延性非調質鋼。但し、式中の元素記号はその
元素の重量%での含有量を表す。
Description
調質鋼に関し、より詳しくは、高い強度が要求されるも
のの延性は必要とせず、むしろ常温での冷間分割加工が
可能でその破断面がフラットな脆性破面を呈し、自動車
エンジンのコネクティングロッドやコネクティングロッ
ドキャップ用鋼として好適な高強度・低延性非調質鋼に
関する。
示すコネクティングロッド(通称コンロッド)本体1及
びコネクティングロッドキャプ(通称コンロッドキャッ
プ)2は、従来、別の工程で熱間鍛造された後で焼入れ
焼戻しの調質処理を施され、次いで、機械加工によるボ
ルト穴の加工と仕上げ整形加工を受け、その後でボルト
3によって形状の複雑なクランクシャフトに結合・組み
立てられていた。
映して、各種自動車部品の製造コスト低減の動きが活発
化しており、この動きはエンジン部品においても例外で
はなくなってきている。
体1及びコネクティングロッドキャプ2に関しては、製
造コスト低減対策として、両者を熱間鍛造にて一体成形
しこれに焼入れ焼戻しの熱処理を施すか、あるいは熱間
鍛造後放冷し、その後でコネクティングロッド本体1及
びコネクティングロッドキャプ2に分割し、接合部(接
合面どうし)に対する仕上げ整形のための機械加工は施
すことなく、ボルト3でクランクシャフトに結合して組
み立てるという方法が検討されている。この方法では、
ボルト穴の加工は前記の一体成形材を分割する前あるい
は後に行う。
本体1及びコネクティングロッドキャプ2を分割する方
法としては、例えば治具を挿入することによって図1中
に矢印で示した方向に働く力を与えて分割する方法が考
えられる。この方法ではコネクティングロッド本体1及
びコネクティングロッドキャプ2に分割した分割面をフ
ラットにすることが極めて重要となる。
IS規格のS45CやS48C相当鋼など)をそのまま
用いて熱間鍛造で一体成形し、その後常温でコネクティ
ングロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2に
分割すると、分割面がアメやガムを千切ったような所謂
「延性破断面」となってフラットな「脆性破面」が得ら
れず、機械加工による仕上げ整形加工を行わなければな
らないという問題がある。上記の分割を低温(例えば液
体窒素温度)で行えば脆性破壊が生じて容易にフラット
な脆性破面が得られるが、大量の製品が流れる実操業ラ
インにおいて低温状態とすることは技術的に容易ではな
く、更に設備を建設し維持する費用が嵩むため必ずしも
コスト低減には結びつかないといった問題がある。
はコストが嵩むため、熱処理を省略できる新しいタイプ
の鋼に対する要望も生じている。
の調質処理を省略できる非調質鋼としては、例えば特開
平5−195140号公報に「非調質高強度鋼」が提案
されている。しかし、この公報に記載された非調質鋼
は、連続鋳造時にブルーム表面に生ずる割れを防止した
タイプの高強度非調質鋼である。そのため、上記の提案
鋼をコネクティングロッド本体1及びコネクティングロ
ッドキャプ2用鋼として用いた場合、所望の強度は得ら
れるものの、前記した一体成形した後でコネクティング
ロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2に常温
で分割する方法に対しては、延性が大き過ぎて脆性破面
が得られない。従って、機械加工による仕上げ整形加工
を行う必要がある。
鑑みなされたもので、引張強度は従来鋼と同等以上であ
って、且つ熱間鍛造した一体成形材を前記したような方
法によって常温で分割した時の破面が、フラットな脆性
破面を呈する高強度・低延性非調質鋼の提供を課題とす
る。
を解決するため種々検討を重ねた結果、下記の知見を得
た。
常温における破壊形態は、下記fn1、fn2及びfn
3と相関を有する。そして、「fn1≧0」、「fn2
≦0」及び「fn3≧0」の少なくとも一つを満たす場
合に脆性破壊が促進される。
2、fn2=N−0.3Ti、fn3=N−0.5Al
−0.3Ti−0.15Nb−0.3V−1.3B−
0.002、なお、fn1からfn3の式中における元
素記号はその元素の重量%での含有量を表す。
3≧0の少なくとも一つを満たし、且つ、常温引張試験
した時の鋼材の伸び値が10%以下の場合に、熱間鍛造
した一体成形材の常温分割面はフラットな脆性破面とな
る。
fn3≧0の少なくとも一つを満たし、且つ、常温引張
試験した時の鋼材の伸び値が10%以下)に加えて、熱
間鍛造した一体成形材の分割したい部位の少なくとも一
部に0.5mmR以下の切り欠きを設けておけば、僅か
な力を加えるだけで容易に当該一体成形材の常温分割が
可能で、且つその分割面は一層確実にフラットな脆性破
面となる。
時、非調質鋼の引張強度は下記fn4で整理でき、この
値が0以上の場合に800MPa以上の引張強度が得ら
れる。
5)+(5Cr/22)+1.65V−(5S/7)−
0.8、なお、fn4中の元素記号もその元素の重量%
での含有量を表す。
記のfn1≧0、fn2≦0及びfn3≧0の少なく
とも一つと常温引張試験した時の鋼材の伸び値≦10
%、並びにfn4≧0の条件を満足できれば、常温で
の分割でフラットな脆性破面となり、且つ高強度が得ら
れる。従って、前記した新しいプロセスによって所望強
度である800MPa以上の引張強度を有するコネクテ
ィングロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2
を製造することができる。この場合、の一体成形材の
分割したい部位である大端部穴の内側(図1におけるN
部)の少なくとも一部に0.5mmR以下の切り欠きを
設けておけば、上記のコネクティングロッド本体1及び
コネクティングロッドキャプ2を一層容易且つ確実に製
造することができる。
あっても、そのC含有量が1.20重量%程度以下の場
合には、上記のfn1≧0、fn2≦0及びfn3≧0
の少なくとも一つを満たしておれば、熱間での加工性は
低C鋼の場合と比較してあまり劣化することはない。
・低延性非調質鋼を要旨とする。
0%まで、Si:1.50%以下、Mn:0.30〜
2.00%、P:0.15%以下、S:0.10%以
下、Cu:0.20%以下、Ni:0.50%以下、C
r:0.02〜2.00%、Mo:0.50%以下、
V:0.50%以下、Nb:0.17%以下、Ti:
0.20%以下、B:0.0100%以下、Al:0.
100%以下、N:0.030%以下、Pb:0.30
%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からな
り、前記したfn1≧0、fn2≦0及びfn3≧0の
少なくとも一つを満たし、且つ、fn4≧0であること
を特徴とする高強度・低延性非調質鋼。」
組成を上記のように限定する理由について説明する。な
お、「%」は「重量%」を意味する。
共に常温での脆性破壊を促進する作用を有する。特に前
記fn1≧0、fn2≦0及びfn3≧0の少なくとも
一つを満たす鋼にあっては、Cが0.70%を超える場
合に常温での脆性破壊が極めて促進される。一方、1.
20%を超えて含有させると、熱間での変形抵抗が大き
くなって大きな加工設備を必要とするし、更に、前記の
fn1≧0、fn2≦0及びfn3≧0の少なくとも一
つを満たす場合でも熱間加工性が低下して、熱間での加
工時に割れを生じ易くなる。従って、Cの含有量を、
0.70%を超え1.20%までとした。なお、より一
層の安定した熱間加工性を確保するためには、Cの含有
量の上限は1.10%とすることが好ましい。
れば鋼の脱酸を促進するとともに、焼入れ性を向上させ
る作用も有する。これらの効果を確実に得るには、Si
は0.05%以上の含有量とすることが好ましい。しか
し、その含有量が1.50%を超えると熱間加工性が極
めて低下し、熱間での加工時に割れを生じ易くなる。従
って、Siの含有量を1.50%以下とした。なお、一
層の安定した熱間加工性を確保するために、Si含有量
の上限を1.00%とすることが望ましい。
焼入れ性を高めて静的強度を向上させる作用がある。し
かし、その含有量が0.30%未満では所望の効果が得
られず、2.00%を超えると熱間加工性が劣化するよ
うになるので、その含有量を0.30〜2.00%とし
た。
粒界脆化を引き起こし延性を低下させる作用があるの
で、前記したような常温での分割方法でフラットな脆性
破面を得るのに有効である。この効果を確実に得るに
は、Pは0.005%以上の含有量とすることが好まし
い。しかし、その含有量が0.15%を超えると熱間加
工性が著しく劣化する。従って、Pの含有量は0.15
%以下とした。なお、安定した熱間加工性確保のため
に、Pの含有量は0.10%以下とすることがより好ま
しい。
粒界脆化を引き起こし延性を低下させる作用があるの
で、Pと同様に前記したような常温での分割方法でフラ
ットな脆性破面を得るのに有効である。又、Sにはボル
ト穴加工時の切削性を向上させる作用がある。これらの
効果を確実に得るには、Sは0.005%以上の含有量
とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.10
%を超えると熱間加工性が著しく劣化する。従って、S
含有量の上限を0.10%とした。
れば焼入れ性を高めて静的強度を向上させる効果を有す
る。この効果を確実に得るには、Cuは0.01%以上
の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が
0.20%を超えると熱間加工性の劣化をもたらし、熱
間圧延時や熱間鍛造時に割れの発生を招く。従って、C
uの含有量は0.20%以下とした。
れば焼入れ性を高めて静的強度を向上させる効果を有す
る。この効果を確実に得るには、Niは0.01%以上
の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が
0.50%を超えると延性と靭性の増加をきたして、フ
ラットな脆性破面が得られなくなる。従って、Niの含
有量を0.50%以下とした。
度を高める効果がある。しかし、その含有量が0.02
%未満では所望の効果が得られず、2.00%を超えて
含有してもその効果は飽和し、コストのみが上昇し経済
性を損うことになるので、その含有量を0.02〜2.
00%とした。なお、Cr含有量は0.10%以上とす
ることが好ましい。
れば焼入れ性を高めて強度を向上させる効果を有する。
この効果を確実に得るには、Moは0.01%以上の含
有量とすることが好ましい。しかし、0.50%を超え
て含有させても前記の効果は飽和するのでコストのみが
上昇し、経済性を損うことになる。従って、Moの含有
量を0.50%以下とした。なお、Mo含有量は0.0
5%以上とすることが一層好ましい。
強度を高める効果を有する。この効果を確実に得るに
は、Vは0.005%以上の含有量とすることが好まし
い。しかし、0.50%を超えて含有させても前記の効
果は飽和し、コストのみが上昇して経済性を損う。更
に、熱間加工性の劣化を招く。従って、Vの含有量を
0.50%以下とした。
れば強度を高める効果を有する。この効果を確実に得る
には、Nbは0.003%以上の含有量とすることが好
ましい。しかし、0.17%を超えて含有させても前記
の効果は飽和し、コストのみが上昇し経済性を損うこと
になる。更に、熱間加工性の劣化を招くようになる。従
って、Nbの含有量を0.17%以下とした。なお、一
層の安定した熱間加工性を確保するためには、Nb含有
量の上限を0.10%とすることが好ましい。
れば強度を高める効果を有する。又、非調質鋼の常温に
おける破壊形態に影響を及ぼし、前記fn2、fn3を
通じて脆性破壊を促進する効果を有する。これらの効果
を確実に得るには、Tiは0.005%以上の含有量と
することが好ましい。しかし、0.20%を超えて含有
させると、熱間加工性の劣化を招くようになる。従っ
て、Tiの含有量を0.20%以下とした。なお、一層
の安定した熱間加工性確保のためには、Tiの含有量は
0.10%以下とすることが好ましい。
焼入れ性を向上させて強度を高める効果がある。この効
果を確実に得るには、Bは0.0003%以上の含有量
とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.01
00%を超えると、焼入れ性向上効果が飽和するばかり
か、熱間加工性が著しく劣化するようになる。従って、
Bの含有量を0.0100%以下とした。
れば鋼の脱酸の安定化及び均質化を図るとともに、窒化
物を生成して結晶粒を微細化し、強度を高める作用を有
する。又、非調質鋼の常温における破壊形態に影響を及
ぼし、前記fn1、fn3を通じて脆性破壊を促進する
効果を有する。これらの効果を確実に得るには、Alは
0.005%以上の含有量とすることが望ましい。しか
し、0.100%を超えて含有させると、熱間加工性の
劣化を招くようになる。従って、Alの含有量を0.1
00%以下とした。
れば、窒化物や炭窒化物を生成して結晶粒を微細化し、
強度を高める作用を有する。又、TiやAl、Nbなど
との関係で非調質鋼の常温における破壊形態に影響を及
ぼし、前記fn1≧0、fn2≦0及びfn3≧0の少
なくとも一つを満たす場合に脆性破壊を促進する効果を
有する。これらの効果を確実に得るには、Nは0.00
30%以上の含有量とすることが望ましい。しかし、一
般に、鋼の溶製においてNを0.030%を超えて含有
させるには特殊な溶解原料、設備や技術を必要とするの
で、コストが嵩み経済性を損なうことになるし、熱間加
工性の劣化を招く場合もある。従って、Nの含有量を
0.030%以下とした。
させればボルト穴加工時の切削性を向上させる効果を有
する。この効果を確実に得るには、Pbは0.01%以
上の含有量とすることが好ましい。しかし、Pbを0.
30%を超えて含有させると熱間加工性が劣化して熱間
圧延時や熱間鍛造時に割れの発生を招く。従って、Pb
の含有量を0.30%以下とした。
えるC、0.30%以上のMn、0.02%以上のCr
を含有する非調質鋼の常温における破壊形態は前記fn
1、fn2、fn3で整理でき、fn1≧0、fn2≦
0及びfn3≧0の少なくとも一つを満たす場合に脆性
破壊が促進される。そしてfn1≧0、fn2≦0及び
fn3≧0の少なくとも一つを満たし、且つ常温引張試
験した時の鋼材の伸び値が10%以下の場合に、熱間鍛
造した一体成形材の常温分割破面がフラットな脆性破面
となって、前記したような新しいプロセスによって、所
望強度である800MPa以上の引張強度を有するコネ
クティングロッド本体及びコネクティングロッドキャプ
を製造することができる。従って、fn1≧0、fn2
≦0及びfn3≧0の少なくとも一つを満たすように規
定する。
はなく、fn1から求められる上限値の0.028であ
っても良い。
はなく、fn2から求められる下限値の−0.06であ
っても良い。
はなく、fn3から求められる上限値の0.028であ
っても良い。なお、この場合にはfn1=fn3とな
る。
fn1−(0.4Al+0.3Ti+0.15Nb+
0.3V+1.3B)と表すことができる。従って、f
n3≧0の場合には、fn1≧0も必ず満たされる。
=fn2−(0.5Al+0.15Nb+0.3V+
1.3B+0.002)、であるから、fn2≦0とf
n3≧0とが同時に成立することはない。このことか
ら、fn2≦0の場合の脆性破壊の促進はTiの炭化物
や炭窒化物の形成に基づくものであり、fn3≧0やf
n1≧0の場合の脆性破壊の促進は所謂「フリーの固溶
N」に基づくところが大きいものと考えられる。
つ、前記fn4の値を0以上とした場合に始めて、コネ
クティングロッド本体及びコネクティングロッドキャプ
として必要な800MPa以上の引張強度を非調質鋼に
付与できる。従って、fn4≧0とする。この値の上限
には特に制限はなく、fn4から求められる最大値
(2.23に近い値)であっても良い。
溶製された後、例えば、通常の方法による熱間での圧延
及び鍛造によって、コネクティングロッド本体1とコネ
クティングロッドキャプ2がつながった一体物に成形さ
れた後、ボルト穴加工を施される。その後、コネクティ
ングロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2に
前記したような方法によって常温で分割される。なお、
必要に応じて当該一体物の分割しようとする部位である
大端部穴の内側(図1におけるN部)の少なくとも一部
に0.5mmR以下の切り欠きが設けられることもあ
る。次いで、分割されたコネクティングロッド本体1及
びコネクティングロッドキャプ2はボルト3でクランク
シャフトに結合されて組み立てられる。
方法により試験炉溶製した。表1、2における鋼1〜3
0は本発明鋼であり、表3における鋼31〜44はその
成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外
れた比較鋼である。
常の方法によって鋼片となした後、1250℃に加熱し
てから1200〜950℃の温度で直径30mmの丸棒
に熱間鍛造し、その後常温まで空冷した。
JIS4号試験片を切り出し、常温で引張試験を行っ
た。更に、常温引張試験後の破面の状態を走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察した。
は目視で観察して鍛造割れの有無を確認した。
割れ確認結果を表4、5に示す。
ずれも鍛造割れを生ずることもなく、所望の800MP
a以上の引張強度と10%以下の伸びとが得られてお
り、常温引張試験後の破面はすべてフラットな脆性破面
であった(表4参照)。
規定する含有量の範囲から外れた比較鋼のうち、C量、
Si量、P量、S量、V量、Nb量、Ti量、B量、A
l量及びPb量がそれぞれ規定値に対して高目に外れた
鋼31〜34及び鋼36〜41には熱間での鍛造割れが
認められた。Ni量が本発明の規定値に対して高めに外
れた鋼35では常温伸びが10%を超え、常温引張試験
後の破面は延性破面であった。鋼42と43はfn1≧
0、fn2≦0及びfn3≧0のいずれをも満足せず、
更に、常温伸びが10%を超えるため、常温引張試験後
の破面はすべて延性破面であった。鋼44はfn4が負
の値であるため、引張強度が目標とする800MPaに
達しなかった(以上表5参照)。
ある鋼2及び12を素材として通常の熱間鍛造法によっ
て、コネクティングロッド本体1とコネクティングロッ
ドキャプ2がつながった一体物を各々20体ずつ熱間成
形した。なお、各20体のうち5体には熱間成形の後、
図1のN部に0.3mmRの切り欠きを付けた。次い
で、前記した方法によって常温でコネクティングロッド
本体1及びコネクティングロッドキャプ2への分割テス
トを行った。この結果、両鋼とも20体すべてにフラッ
トな脆性破面が得られ、機械加工による仕上げ整形なし
で使用できることが分かった。なお、切り欠きを付けた
各鋼5体の分割は特に容易であった。
用いれば、コネクティングロッド本体及びコネクティン
グロッドキャプをコストの低い新プロセスで製造するこ
とが可能で、産業上の効果は大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、C:0.70%を超え1.20
%まで、Si:1.50%以下、Mn:0.30〜2.
00%、P:0.15%以下、S:0.10%以下、C
u:0.20%以下、Ni:0.50%以下、Cr:
0.02〜2.00%、Mo:0.50%以下、V:
0.50%以下、Nb:0.17%以下、Ti:0.2
0%以下、B:0.0100%以下、Al:0.100
%以下、N:0.030%以下、Pb:0.30%以下
を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、fn
1≧0、fn2≦0及びfn3≧0の少なくとも一つを
満たし、且つ、fn4≧0であることを特徴とする高強
度・低延性非調質鋼。但し、fn1=N−0.1Al−
0.002、fn2=N−0.3Ti、fn3=N−
0.5Al−0.3Ti−0.15Nb−0.3V−
1.3B−0.002、fn4=C+(Si/10)+
(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V−(5S
/7)−0.8、なお、式中の元素記号はその元素の重
量%での含有量を表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33884995A JP3368735B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 高強度・低延性非調質鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33884995A JP3368735B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 高強度・低延性非調質鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09176787A true JPH09176787A (ja) | 1997-07-08 |
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ID=18321994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33884995A Expired - Lifetime JP3368735B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 高強度・低延性非調質鋼 |
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