JPH09176430A - はんだ付け用フラックス滲み防止剤 - Google Patents

はんだ付け用フラックス滲み防止剤

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JPH09176430A
JPH09176430A JP35077595A JP35077595A JPH09176430A JP H09176430 A JPH09176430 A JP H09176430A JP 35077595 A JP35077595 A JP 35077595A JP 35077595 A JP35077595 A JP 35077595A JP H09176430 A JPH09176430 A JP H09176430A
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carbon atoms
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meth
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Application number
JP35077595A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Ishikawa
光雄 石川
Yoshihiro Nishibori
義弘 西堀
Akio Yamazaki
秋雄 山崎
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Nihon Junyaku Co Ltd
Senju Metal Industry Co Ltd
Original Assignee
Nihon Junyaku Co Ltd
Senju Metal Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のフラックス滲み防止剤は、作業者が軽
く手で触ったり、プリント基板同士が擦れあったりした
だけで簡単に剥離し、滲み防止効果がなくなってしまっ
ていた。 【解決手段】 アクリル基の炭素数1〜22の(メタ)
アクリル酸エステル50重量%以上、炭素数4〜21の
ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエーテル基
を有する不飽和エステル50重量%未満、からなる共重
合樹脂100重量%に対して、炭素数4〜21のポリフ
ルオロアルキル基またはポリフルオロエーテル基を有す
る飽和エステルおよび/または炭素数4〜21のポリフ
ルオロアルキル基またはポリフルオロエーテル基を有す
るハロゲン化合物10〜24重量%を含む組成物であっ
て、有機溶剤に溶解・分散してなるはんだ付け用フラッ
クス滲み防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板のは
んだ付けにおいて、プリント基板に塗布されるフラック
スの濡れ広がり、並びにスルーホール内への侵入を防止
する滲み防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】はんだ付けの際にプリント基板に塗布さ
れるフラックスが濡れ広がって塗布された部分よりもは
み出したり、プリント基板に穿設したリード線挿入孔や
スルーホール内に侵入して反対面に滲み出したりするこ
とがある。フラックスがプリント基板の表面に出てしま
うと、プリント基板表面に搭載したスイッチやコネクタ
ー等の電子部品に付着し、導通を悪くしたり、部品のリ
ード線を腐食させたりすることがある。そのためはんだ
付け終了後のプリント基板はフロンやトリクレンのよう
な溶剤で洗浄を行っていた。
【0003】しかしながら、これらの溶剤はプリント基
板に付着したフラックスを容易に洗浄除去できるが、オ
ゾン層を破壊したり、地下水を汚染したりするなどの公
害問題が指摘され、使用できなくなってきた。そのため
従来より、フラックスがプリント基板の表面に滲み出る
のを防ぐ材料が提案されていた。
【0004】従来のフラックスがプリント基板の表面に
滲み出るのを防ぐ材料(以下、単に滲み防止剤という)
はフッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤を溶剤に
溶かしたもの(特公平4−16959号、特開昭60−
10694号)、およびフッ素樹脂を溶剤に溶かしたも
の(特公昭63−62315号)であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで界面活性剤を
用いた滲み防止剤は、はんだ付け時にはフラックスがプ
リント基板の表面に滲み上がってくるのを防止する効果
は確かにあるが、はんだ付け後にこの滲み防止剤がプリ
ント基板表面に残った場合、絶縁抵抗を低下させたり、
腐食生成物を発生させたりするという問題があった。こ
の原因は、界面活性剤は、はんだ付け用フラックスの滲
み防止剤としての機能を有しているが、一方では吸湿性
があるため、プリント基板上に残った界面活性剤が長期
間のうちに大気中の水分を吸湿してプリント基板の絶縁
抵抗を下げたり、腐食生成物を発生させたりするからで
ある。
【0006】またフッ素樹脂を溶剤に溶かした滲み防止
剤は、界面活性剤のように吸湿性がないため、吸湿によ
る問題はないが、塗布後にプリント基板を移動させた
り、重ねたりすると滲み防止効果が減少することがあっ
た。この原因は、フッ素樹脂が塗布後に剥離しやすい性
質があるためである。つまりプリント基板は滲み防止剤
を塗布後、すぐにはんだ付けできずに、しばらく待機す
ることがある。このときにプリント基板同士が擦れた
り、作業者が塗布部に触れたりすると、塗布した滲み防
止剤が剥離してしまい、はんだ付け時に剥離した部分に
フラックスが滲み上がってきてしまうものであった。
【0007】従来のフッ素樹脂を用いた滲み防止剤は、
上述のように剥離しやすいものであったが、用途によっ
ては剥離しやすいことを要求するものもあった。たとえ
ばタクトスイッチのような部品をプリント基板にはんだ
付けする際に、タクトスイッチの中にフラックスが侵入
してしまうと、スイッチの接点にフラックスが付着する
と導通が悪くなる。そのため、はんだ付けする前にタク
トスイッチを滲み防止剤に浸漬して全体に滲み防止剤を
塗布しておく。このように滲み防止剤が塗布されたタク
トスイッチは、使用時に接点の滲み防止剤が簡単に剥離
し通電しなければならない。従来のフッ素樹脂を用いた
滲み防止剤はタクトスイッチの滲み防止では通電の点で
は優れていたが、プリント基板ではかえって剥離し過ぎ
て滲み防止効果を悪くするものであった。
【0008】本発明は、プリント基板に塗布した場合
は、剥離しにくく、タクトスイッチに塗布した場合は通
電性を妨げないという滲み防止剤を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭素数4
〜21のポリフルオロアルキル基またはポリフルオロエ
ーテル基を有する飽和エステル及び/またはハロゲン化
合物がはんだ付け用フラックスの滲み上がり防止効果が
あり、しかも安定した付着性を付与するためにバインダ
ー樹脂の被膜で覆えばよいことに着目して本発明を完成
させた。
【0010】本発明は、以下の成分からなる滲み防止剤
である。 A成分:アルキル基の炭素数1〜22の(メタ)アクリ
ル酸エステル50重量%以上、 B成分:炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基また
はポリフルオロエーテル基を有する不飽和エステル50
重量%未満からなる共重合樹脂100重量%に対して、 C成分:炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基また
はポリフルオロエーテル基を有する飽和エステルおよび
/または炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基また
はポリフルオロエーテル基を有するハロゲン化合物10
〜25重量%を含む組成物であって、有機溶剤に溶解・
分散してなるはんだ付け用フラックス滲み防止剤。
【0011】さらには、上記組成物にD成分として架橋
剤15重量%以下を含むはんだ付け用フラックス滲み防
止剤である。
【0012】本発明に使用するバインダー樹脂として
は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢ビ系樹脂、ゴ
ム系のイソプレン系ゴム、NBR、SBR、クロロブレ
ン系ゴム、等の樹脂バインダーを用いることができる
が、本発明の共重合体であれば、バインダー効果と同時
に溌油・溌水性を持ち、望ましい機能を有する。
【0013】A成分のアルキル基の炭素数1〜22の
(メタ)アクリル酸エステルは、重合後の樹脂が塗料基
材、粘着剤等に使用されるようにバインダー効果が大き
く、多量の顔料等の保持力と基材に対する接着力を有す
るが、溌油・溌水性をあまり示さない。
【0014】一方、B成分のポリフルオロアルキル基ま
たはポリフルオロエーテル基を有する樹脂は溌油・溌水
性が大きいが、接着力が弱いうえ高価である。
【0015】A成分とB成分の共重合体は両者の特長を
兼ね備えるものである。コスト面を考慮するとB成分は
少量が望まれ、A成分の半分以下でも充分であることを
確かめ、本発明の樹脂を完成させた。
【0016】
【発明の実施の形態】A成分のアルキル基の炭素数1〜
22の(メタ)アクリル酸エステルの好ましい具体例と
しては、メチールアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール、tert−ブチルアルコール、アミルアルコ
ール、ヘキサノール、n−オクタノール、2エチルヘキ
シルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデカノ
ール、ラウリルアルコール、ジメチルアミノエチルアル
コール、トリデカノール、ヒドロキシエチルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、ヘキサ
デカノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコー
ル、ノナデカノール、エイコサノール、ドコサノールの
メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルをあげ
ることができる。
【0017】さらにグリセロール(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−クロロ
−2ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ブトキシブトキシエチル
(メタ)アクリレート、ブトキシエチルグリコール(メ
タ)アクリレート、N−N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N−N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アク
リレート、ポリジメチルシロキサンメタアクリレートの
モノマー等、上記炭素数4〜22の(メタ)アクリル酸
エステルは2種以上用いてもよい。またアクリル酸、ス
チレン、アクリロニトリル、酢酸ビニール、ブタジエン
等を用いることもできる。
【0018】A成分が50重量%よりも少ないと高価に
なり、溶剤との相溶性が劣る。
【0019】B成分の炭素数4〜21のポリフルオロア
ルキル基またはポリフルオロエーテル基を有する不飽和
エステルとしては、化学式1に記載したものを挙げるこ
とができる。
【0020】
【化学式1】
【0021】A成分とB成分を共重合するには、適当な
有機溶媒に原料の重合し得る化合物を溶かし、重合開始
剤、触媒を加え、溶液重合させる方法が通常採られる。
溶液重合に好適な溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、リグロイン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、ペンタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル
等である。
【0022】B成分が50重量%より多いと高価にな
り、バインダー効果が減少する。
【0023】C成分の炭素数4〜21のポリフルオロア
ルキル基またはポリフルオロエーテル基を有する飽和エ
ステルとしては、化学式2に記載したものが挙げられ
る。
【0024】
【化学式2】
【0025】またC成分の炭素数4〜21のポリフルオ
ロアルキル基またはポリフルオロエーテル基を有するハ
ロゲン化合物としては化学式3に記載したものが挙げら
れる。
【0026】
【化学式3】
【0027】C成分が10重量%より少ないと溌油・溌
水性が劣るようになり、しかるに250重量%よりも多
くなると溌油・溌水性および溶剤との相溶性も悪くな
る。
【0028】A成分は、被塗布物に対する接着性の付
与、ポリマー被膜の付与、樹脂の架橋性の付与、ポリマ
ー成膜性の付与等に効果がある。A成分のアルキル基の
炭素数が3以下では被膜が硬く、粘着性がない。また炭
素数4以上では被膜は軟らかく粘着性を生じる。炭素数
12以上では親油性が増し、親水性が減じる。炭素数2
2以上では溶剤に溶けにくくなり、取り扱いが困難とな
る。A成分はバインダー効果が大きく重合後にC成分を
保持する効果がある。
【0029】B成分は、重合後のポリマーに溌油・溌水
の効果を与えるものである。
【0030】C成分は、はんだ付け用フラックスの滲み
防止効果を与える主成分である。しかし単独で使用した
場合には、被塗布物への接着性が劣る。このため、A成
分とB成分の共重合樹脂に混ぜて使用し、塗布後は共重
合樹脂の被膜中にバインダー効果により、保持させるこ
とで被塗布物への接着性を得ている。
【0031】D成分は、A成分とB成分の共重合樹脂と
架橋反応させる目的で添加する。架橋させた樹脂は、フ
ィルム強度が増加する。D成分の好ましい添加量は15
重量%以下であり、15重量%を越えると樹脂フィルム
が硬化して割れやすくなる。D成分としては、ビニルシ
クロヘキセンジオキシド等のエポキシ化合物、トルイジ
ンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、キシ
リレンジアミン等の芳香族アミン系化合物等を例示でき
る。
【0032】滲み防止剤を取り扱いやすく、かつ薄く塗
布するために有機溶剤で希釈して実用に供する。有機溶
剤としては、不燃性炭化水素系溶剤として下記を挙げる
ことができる。炭素数4以下で沸点100℃以下のもの
が好ましく、イソプロピルブロマイド、メチレンブロマ
イド、ブロモクロロメタン、n−プロピルブロマイド、
n−ブチルブロマイド、イソブチルブロマイド、sec
−ブチルブロマイド、tert−ブチルブロマイド、t
ert−ブチルクロライド等。また、フッ素系溶剤とし
ては、AK−225、HCFC等の代替フロン溶剤を挙
げることができる。
【0033】炭素数5〜10の炭化水素としては、以下
のものを例示できる。ベンゼン、トルエン、キシレン、
リグロイン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、ペンタン、オクタン、メチルシクロヘキサン、シク
ロヘキセン等である。
【0034】炭素数1〜6のエーテルとしては、以下の
ものを例示できる。エチレングリコールモノフェニルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、ジオキサン、フラン、2−メチル
フラン、テトラヒドロフラン等である。
【0035】炭素数1〜6のケトンとしては、以下のも
のを例示できる。メチルエチルケトン、ホロン、イソホ
ロン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、
アセトン等。
【0036】炭素数1〜6のエステルとしては、以下の
ものを例示できる。蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸メ
チル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸
プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プ
ロピオン酸エチル、酪酸メチル等である。
【0037】本発明の共重合体は以下の製法によって製
造される。 A成分のアルキル基の炭素数1〜22の(メタ)アク
リル酸エステル B成分の炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基又は
ポリフルオロエーテル基を有する不飽和エステルのモノ
マーを有機溶剤中に溶解させた後、触媒及び重合開始剤
を加えて、100℃以下に加熱、攪拌しながら常法に従
ってポリマー化させる。
【0038】A成分である好ましいモノマー組成は、
(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数1〜
3のものが0〜30重量%(メタ)アクリル酸エステル
のアルキル基の炭素数4以上のものが70〜100重量
%の比率となるようにして、2種以上のモノマーを用い
る。A成分は、C成分に対して、バインダー効果を向上
するため配合する。又、A成分の(メタ)アクリル酸エ
ステルとB成分の炭素数4〜21のポリフロオルアルキ
ル基、又は、ポリフルオロエーテル基を有する不飽和エ
ステルのモノマーの配合割合は、A成分が50重量%以
上、B成分が50重量%未満である。B成分は高価であ
り、発水、発油性を付与する効果は大きいが滲み上がり
防止効果は、C成分の炭素数4〜21のポリフルオロア
ルキル基、又は、ポリフルオロエーテル基を有する飽和
エステルが主効果を挙げるものであって、A成分とB成
分の共重合樹脂がC成分と相溶し易くする目的でB成分
を加えるものであるため、50重量%を越えて多く配合
しても格別の効果がなく、不経済である。又、C成分を
単独で使用した場合は、被塗物から取れ易いため、A成
分とB成分の共重合樹脂にC成分を加え、A成分とB成
分の共重合樹脂の有するバインダー効果と付着性、成膜
性を利用して、C成分が被塗物から取れ難くするもので
ある。
【0039】A成分の(メタ)アクリル酸エステルと
B成分のポリフルオロアルキル基、又は、ポリフルオロ
エーテル基を有するモノマーを共重合した樹脂に対し、
強靱な樹脂物性を望まれる場合には、D成分の架橋剤と
して、通常は、イソシアネート系、又は、エポキシ系架
橋剤を有機溶媒に溶解させて、前項で共重合した樹脂
溶液に少量づつ添加攪拌して、架橋させた樹脂とする。
本発明の組成物は以下の製法によって製造される。A成
分とB成分を共重合した樹脂、又は、A成分・B成分と
D成分を共重合した樹脂溶液に対し、C成分の炭素数4
〜21のポリフルオロアルキル基、又は、ポリフルオロ
エーテル基を有する飽和エステル及び/又は、炭素数4
〜21のポリフルオロアルキル基、又は、ポリフルオロ
エーテル基を有するハロゲン化合物を適宜な量を添加、
有機溶剤に溶解攪拌して、均一な溶液とし、該組成物を
得る。このようにして得られた組成物は、使用目的に応
じて適宜有機溶剤に稀釈して実用に供する。
【0040】
【実施例】
実施例1 4ツ口上蓋付きガラス製反応容器(内容量1000m
l)にC817 CH2CH2OOCH=CH2を45g、
2エチルヘキシルアクリレート45g、メ タクリル酸
メチル45g、ジメチルアミノエチルメタクリレート1
5g、トルエン350gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌し
つつ70℃まで昇温し、アゾビスイソプチルニトリル
0.75gを加え、同温度にて7時間共重合反応せしめ
た。得られた共重合体は固形分濃度29.5%であっ
た。この溶液にC715COOHを 52.5g加え、ト
ルエンで50倍稀釈した。
【0041】実施例2 4ツ口上蓋付きガラス製反応容器(内容量1000m
l)にC817 CH=CH2を67.5g、ステアリル
アクリレート45g、メタクリル酸メチ ル37.5
g、アセトン100g、N−ヘプタン250gを入れ、
窒素雰囲気下で攪拌しつつ70℃まで昇温し、アゾビス
イソブチルニトリル0.5gを加え、同温度にて6時間
共重合反応せしめた。得られた共重合体は固形分濃度2
9.0%であった。この溶液にC817CH2CH2OH
を150g加え、N−ヘプタ ンで50倍に希釈した。
【0042】実施例3 C817CH2CH2OOCH=CH2を67.5g、ステ
アリルメタクリレート45g、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート37.5g、ドデシルメルカプタン1g、
リグロイン250gを用い、実施例1と同様の反応器で
窒素雰囲気下で攪拌しつつ80℃まで昇温し、アゾビス
イソブチルニトリル0.5gを加え、同温度にて7時間
共重合反応せしめた。得られた共重合体は固形分濃度2
9.5%であった。GPCより測定した重量平均分子量
は15,000であった。この溶液にC817COOH
を225g加え、アセトン5重量部/シクロヘキ サン
20重量部/N−ヘプタン75重量部の混合溶剤で50
倍に希釈した。
【0043】実施例4 C817CH2CH2OOCCH=CH2を60g、ラウリ
ルメタクリレート75g、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート15g、トルエン250gを入れ、実施例1と
同様の反応器窒素雰囲気下で攪拌しつつ75℃まで昇温
し、アゾビスイソブチルニトリル0.5gを加え、同温
度にて7時間共重合反応せしめた。得られた共重合体は
固形分濃度29.5%であった。この溶液にHOCH2
CH2(CF24CH2CH2OHを60gとトルイジン
ジイソシアネート6gを 加え、トルエンで50倍に希
釈した。後に3時間攪拌し反応させた。
【0044】実施例5 C817CH2CH2OOCCH=CH2を67.5g、メ
チルメタクリレート30g、ステアリルアクリレート4
5g、グリシジールメタクリレート7.5g、トルエン
250gを入れ、実施例1と同様の反応器で窒素雰囲気
下で攪拌しつつ75℃まで昇温し、アゾビスイソブチル
ニトリル0.5gを加え、同温度にて7時間共重合反応
せしめた。得られた共重合体は固形分濃度29.0%で
あった。この溶液にHOOC(CF24COOHを60
g加え、トルエンで50倍に希釈した。
【0045】実施例6 CF2=CFOCF2CF(CF3)OC37を67.5
g、ステアリ ルメタクリレート45g、スチレン2
2.5g、ジメチルアミノエチルメタクリレート15
g、アセトン50g、シクロヘキサン200gを用い、
実施例1と同様の反応器で窒素雰囲気下で攪拌しつつ7
5℃まで昇温し、アゾビスイソブチルニトリル0.5g
を加え、同温度にて7時間共重合反応せしめた。得られ
た共重合体は固形分濃度29.0%であった。この溶液
にC817Iを15g加え、N −ヘプタンで50倍に希
釈した。
【0046】実施例7 C817CH2CH2OOCCH=CH2を67.5g、ス
テアリルメタクリレート45g、メチルメタクリレート
37.5g、アセトン50g、シクロヘキサン200g
を用い、実施例1と同様の反応器で窒素雰囲気下で攪拌
しつつ80℃まで昇温し、アゾビスイソブチルニトリル
0.5gを加え、同温度にて7時間共重合反応せしめ
た。得られた共重合体は固形分濃度29.5%であっ
た。この溶液にC817COOHを375gを加え、N
−ヘプタンで50倍に希釈し た。
【0047】比較例 はんだ付け用フラックスの滲み防止剤を用いないで試験
した。試験結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】上記実施例と比較例の滲み防止剤につい
て、滲み試験、剥離試験、絶縁抵抗試験を行った。 滲み試験 先ず、プリント基板の表面に実施例及び比較例の滲み防
止剤をスプレー装置で塗布し、5分間放置して滲み防止
剤を乾燥させる。その後、プリント基板の裏面に発泡フ
ラクサーでフラックスを塗布し、該プリント基板をプレ
ヒーターで約100℃に予備加熱してから、230℃の
噴流はんだ槽にプリント基板の裏面を接触させてはんだ
付けを行う。はんだ付け後のプリント基板の表面を観察
し、表面へのフラックスの滲み出如何を調べる。
【0050】剥離試験 実施例と比較例の滲み防止剤に赤色染料少量添加したも
のを用意する。これらの実施例及び比較例の滲み防止剤
をプリント基板の表面にスプレー装置で塗布し、5分間
放置して滲み防止剤を乾燥させる。その後、プリント基
板の表面を布で軽く擦って剥離状態を観察する。
【0051】絶縁抵抗試験 の滲み試験で用いたプリント基板を湿度90%、温度
40℃の恒温、恒湿槽に240時間放置した後、プリン
ト基板の絶縁抵抗を測定した。
【0052】滲み防止剤は、プリント基板に塗布するこ
とによりはんだ付け時に裏面からのフラックスの滲み上
がりを防止するものであるが、本発明の滲み防止剤はソ
ルダーペーストに添加することもできる。本発明の滲み
防止剤をソルダーペーストに添加すると、リフロー時に
ソルダーペースト中のフラックスが不必要なところまで
広がらなくなるため、ブリッジや微小はんだボールの発
生等という不良を防ぐこともできる。
【0053】
【発明の効果】本発明の滲み防止剤は、はんだ付け後に
長期間経過しても吸湿しないため、プリント基板の絶縁
抵抗を下げることがないばかりか、塗布部に手が触れた
り、多少擦れたりしたぐらいでは剥離しないため、はん
だ付け時には滲み防止剤がプリント基板前面に付着して
おり、フラックスの滲みを完全に防止することができる
という信頼性に優れた滲み防止剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 秋雄 東京都中央区日本橋本石町3−3−4 日 本純薬株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分:アルキル基の炭素数1〜22の
    (メタ)アクリル酸エステル50重量%以上、 B成分:炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基また
    はポリフルオロエーテル基を有する不飽和エステル50
    重量%未満からなる共重合樹脂100重量%に対して、 C成分:炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基また
    はポリフルオロエーテル基を有する飽和エステルおよび
    /または炭素数4〜21のポリフルオロアルキル基また
    はポリフルオロエーテル基を有するハロゲン化合物10
    〜25重量%を含む組成物であって、有機溶剤に溶解・
    分散してなるはんだ付け用フラックス滲み防止剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物にD成分として架橋剤
    15重量%以下を含むはんだ付け用フラックス滲み防止
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項1において有機溶剤が不燃性炭化
    水素系、代替フロン系、炭素数5〜10の炭化水素、炭
    素数1〜6のエーテル、炭素数1〜6のケトン、炭素数
    1〜6のエステルからなる群より選んだ1または2以上
    の有機溶剤からなるはんだ付け用フラックス滲み防止
    剤。
JP35077595A 1995-12-26 1995-12-26 はんだ付け用フラックス滲み防止剤 Pending JPH09176430A (ja)

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