JPH09173853A - アンモニウムイオン交換ゼオライトyの焼成方法および焼成ゼオライトyを含む炭化水素油接触分解触媒 - Google Patents
アンモニウムイオン交換ゼオライトyの焼成方法および焼成ゼオライトyを含む炭化水素油接触分解触媒Info
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Abstract
焼成するに際して、該ゼオライトYを、10%以上の水
蒸気分圧中で焼成(第1焼成過程)し、次いで、この焼
成よりも高い温度でかつ、10%未満の水蒸気分圧中で
焼成(第2焼成過程)することを特徴とするアンモニウ
ムイオン交換ゼオライトYの焼成方法。 【効果】 このようにして焼成されたゼオライトYは、
重質炭化水素油の接触分解用触媒として用いた場合に、
優れた分解活性およびガソリン生成選択性を示す。
Description
ゼオライトYの焼成方法および焼成ゼオライトYを含む
炭化水素油接触分解触媒に関し、さらに詳しくは、接触
分解触媒として使用した際に、高活性、高ガソリン選択
性を示し、コークの生成が少なく重質油分の分解に優れ
た特性を示すゼオライトYを製造しうるようなアンモニ
ウムイオン交換ゼオライトYの焼成方法に関するととも
に、該ゼオライトYを含む炭化水素油接触分解触媒に関
する。
解触媒に広く利用されているゼオライトY(フォージャ
サイト型ゼオライト)は、SiO2/Al2O3比が3.5
以上の結晶性アルミノシリケートであり、合成ゼオライ
トは陽イオン種としてアルカリ金属またはアルカリ土類
金属、特にナトリウム型として合成される。しかしなが
ら、ナトリウム型では炭化水素の分解活性が発現しない
ため、通常アンモニウム型、多価金属型あるいは希土類
金属型などにイオン交換して使用される。
オライト骨格のシリカ/アルミナのモル比を増大させ
た、熱安定性に優れたフォージャサイト型ゼオライトの
製法が報告されている。
は、Na2Oとして約0.5〜5重量%のナトリウムを含
有するアンモニウム−ナトリウム型ゼオライトYを焼成
し、この焼成を約315.6〜898.9℃(600〜1
650゜F)の温度で少なくとも約0.014kg/cm
2(0.2psi)の水蒸気と、上記ゼオライトの単位格子
の寸法を著しく減じ、これを約24.40〜24.64オ
ングストロームの値とするのに十分な時間接触させて実
施し、上記焼成したゼオライトを、その残留するゼオラ
イトのナトリウムイオンの少なくとも約25%をアンモ
ニウムイオンで置換し、約1重量%より少量のNa2O
を含有する最終生成物を得るように調製した条件下でさ
らにアンモニウムイオン交換処理することを特徴とする
水熱安定性かつアンモニア安定性に優れたゼオライトY
組成物の製造方法が記載されている。
分子篩を5%以上の水分を含む気相中で高温において、
その分子篩の結晶格子から少なくとも一部のアルミナ四
面体が除去されるに足りる時間処理して、そのアルミナ
をその分子篩中で無定形の相となし、また、その熱処理
された分子篩をアルミナの除去に適した薬剤と接触さ
せ、それによって少なくともその分子篩の結晶度が実質
的に保持されている増強されたシリカ/アルミナモル比
を持ったアルミノシリケートゼオライト分子篩とする工
程とを組み合わせて含んでいることを特徴とする分子篩
が少なくとも一部水素形である分子篩型の結晶質アルミ
ノシリケートゼオライトの結晶格子中のシリカ/アルミ
ナのモル比を増大する方法が開示されている。さらに、
特開昭60−46916号公報には、水熱安定性の高い
ゼオライトの製法として、アンモニウム交換フォージャ
サイト型ゼオライトを400〜600℃の温度で焼成し
た後、pH2〜4.5の条件下にアンモニウム塩水溶液
で処理し、さらにアンモニウムイオン交換して、次いで
焼成する方法が提案されている。
は、アンモニウム交換率が50%以上であるフォージャ
サイト型ゼオライトの焼成方法において、ゼオライトか
ら発生するアンモニアガスおよび水蒸気を回転焼成炉内
におけるゼオライトの流れ方向と同一方向に排気し、か
つ水蒸気分圧を10%以上に維持することからなるフォ
ージャサイト型ゼオライトの焼成方法が提案されてい
る。その他に、アンモニウム型ゼオライトYを迅速なス
チーム流の存在下で焼成する方法(特公昭46−913
2号公報)、カチオン含有量が3.3当量%以下である
アンモニウム型ゼオライトYを0.2〜10気圧の水蒸
気の環境下で725〜870℃で焼成する方法(特開昭
54−122700号公報)、フォージャサイトを強酸
性陽イオン交換樹脂で処理した後、アンモニア水と接触
させ、次いで500〜800℃で焼成する方法(特開昭
58−167420号公報)などが挙げられる。
2/Al2O3モル比(ケイバン比)が低いことから、水
蒸気雰囲気中で高温焼成する従来の方法では、SiO2
/Al2O3比は増大するものの、ゼオライトYの構造破
壊は避けられなかった。ゼオライトYのSiO2/Al2
O3比を増大させると、耐熱性、耐水熱性、耐酸性など
が増すことは良く知られているが、従来の方法ではゼオ
ライトYの構造破壊が伴い、結晶度や比表面積が出発原
料のゼオライトYに比較して低く、接触分解触媒の活性
種として使用した際に、ゼオライトYの構造破壊により
生じた無定形のシリカ−アルミナが、ゼオライトYの触
媒活性、選択性を低下させるという問題があった。
壊が少なく、SiO2/Al2O3比を増大させることの
できるアンモニウムイオン交換ゼオライトYの焼成方法
を提供することにある。
質炭化水素油の接触分解に使用して、高い残油分解能を
有し、高活性で、ガソリン、灯軽油留分(LCO)の液
収率が高く、コークの生成が少ない炭化水素油接触分解
触媒を提供することにある。
オライトYの焼成方法は、アンモニウムイオン交換ゼオ
ライトYを、10%以上の水蒸気分圧中で焼成(第1焼
成過程)し、次いで、この焼成温度よりも高い温度でか
つ10%未満の水蒸気分圧中で焼成(第2焼成過程)す
ることを特徴としている。
0℃の範囲であり、第2焼成過程の温度は400〜90
0℃の範囲であることが好ましく、第2焼成温度は第1
焼成温度よりも150℃以上、好ましくは300℃以上
高いことが望ましい。
は、上述のようにしてアンモニウムイオン交換ゼオライ
トYを焼成して得られたゼオライトYが無機酸化物マト
リックス中に分散されていることを特徴としている。
ムイオン交換ゼオライトYの焼成方法およびこのように
して得られたゼオライトYを用いた炭化水素油接触分解
触媒について具体的に説明する。
換ゼオライトYは、天然または合成ゼオライトを用いる
ことができ、具体的にはSiO2/Al2O3比が約3〜
6の範囲にあるとともにNa2Oとして約10〜14重
量%のナトリウムを含有するNa型ゼオライトY(Na
−Y)のNaをアンモニウムイオンで交換することによ
ってNa2O含有量を減少させたアンモニウムイオン交
換ゼオライトが用いられる。
イオンに交換するには、NH4Cl、NH4NO3、(N
H4)2SO4などのアンモニウム塩水溶液を用いて、通
常の方法で行うことができる。
換ゼオライトYは、Na2O含有量が6重量%以下、好
ましくは3〜6重量%の範囲にあることが望ましい。N
a2O含有量が6重量%より多い場合には、焼成した際
に、得られるゼオライトYの単位格子定数(UCD)が
減少しにくく、SiO2/Al2O3比が増大しにくい傾
向にあり、また3重量%より低い場合には、焼成した際
に得られるゼオライトYの構造破壊が起こりやすくなる
ことがある。
オン交換ゼオライトYを10%以上の水蒸気分圧中で焼
成する(第1焼成過程)。このような第1焼成過程にお
いて、アンモニウムイオン交換ゼオライトYを水蒸気雰
囲気中で焼成することにより、ゼオライト骨格中のアル
ミニウムが脱アルミニウムされるが、その際、焼成温度
が高すぎると、得られるゼオライトYが構造破壊を起こ
すことがある。
500℃の範囲、好ましくは250〜400℃の範囲に
あることが望ましい。焼成温度が500℃よりも高くな
ると、得られるゼオライトYの構造破壊が起こりやす
く、また250℃よりも低いと、脱アルミニウムする速
度が遅くなることがある。
から脱アルミニウムを起こさせるに十分な水蒸気分圧が
必要であり、水蒸気分圧は10%以上、好ましくは20
%以上、さらに好ましくは30〜50%であることが望
ましい。焼成時間は、ゼオライト骨格中から脱アルミニ
ウムを起こすに十分な時間、通常0.2〜20時間、好
ましくは0.4〜10時間である。
成されたゼオライトは、第1焼成過程よりも高い温度で
かつ10%未満の水蒸気分圧中で焼成される(第2焼成
過程)。
1焼成過程において、ゼオライト骨格中から脱アルミニ
ウムされた格子欠陥の箇所に、近傍に存在するケイ素
(Si)が移動してゼオライトの格子欠陥が少なくな
り、得られるゼオライトY構造は安定になると予想され
る。この第2焼成過程での水蒸気分圧は、10%未満で
あることが必要である。水蒸気分圧が10%よりも多い
場合には、ゼオライト骨格中からの脱アルミニウムが多
量に起こるため、ゼオライトの構造破壊が起こることが
ある。水蒸気分圧は、好ましくは5%以下、さらに好ま
しくは0.1〜3%であることが望ましい。第2焼成過
程の温度は、400〜900℃の範囲、好ましくは50
0〜800℃の範囲で行うのが望ましい。この焼成温度
が400℃よりも低い場合には、ケイ素(Si)の移動
速度が遅くなり、また900℃よりも高い場合は、ゼオ
ライト構造が壊れる傾向にある。
程での温度よりも150℃以上、好ましくは300℃以
上、さらに好ましくは350〜400℃高いことが望ま
しい。また第2焼成過程での焼成時間は、通常、0.2
〜5時間、好ましくは0.4〜3時間である。
ライトYの焼成は、通常の焼成装置、たとえば静置式、
回転式、流動式の焼成炉を用いて、バッチ方式または連
続方式で行うことができる。
ついて述べる。本発明の炭化水素油接触分解触媒は、ア
ンモニウムイオン交換ゼオライトYを前述のようにして
焼成して得られたゼオライトYを、無機酸化物マトリッ
クスに分散したものである。無機酸化物マトリックスと
しては、通常の炭化水素接触分解用触媒組成物に使用さ
れるものを用いることができる。具体的には、シリカ、
シリカ−アルミナ、アルミナ、シリカ−マグネシア、ア
ルミナ−マグネシア、リン−アルミナ、シリカ−ジルコ
ニア、シリカ−マグネシア−アルミナなど結合剤として
作用する慣用の無機酸化物マトリックスが用いられる。
このような無機酸化物マトリックスには、カオリン、ハ
ロサイト、モンモリロナイトなどの粘土類や、カルシウ
ムアルミネートなどの金属捕捉剤なども含まれる。
述のゼオライトYが5〜50重量%、好ましくは10〜
40重量%の量で、無機酸化物マトリックスが95〜5
0重量%、好ましくは90〜60重量%の量で含有され
ていることが望ましい。
アンモニウムイオン交換ゼオライトYを上述のようにし
て焼成して得られたゼオライトYと、無機酸化物マトリ
ックスの前駆体とを均一に混合し、得られた混合物を噴
霧乾燥して微小球状粒子とし、所望により洗浄し、次い
で乾燥、焼成することにより得られる。また、必要に応
じて該微小球状粒子に希土類(レアアース)を導入する
ことも可能である。このようにして得られた触媒は、炭
化水素の接触分解方法に用いられる。
上記のようにして焼成して得られたゼオライトY(US
Y)は、単位格子定数が低下し、結晶骨格のSiO2/
Al2O 3比が高められたにもかかわらず、高い結晶化度
を有し、重質炭化水素油の接触分解用触媒に用いた場合
に優れた分解活性およびガソリン生成選択性を示す。
たゼオライトYは、従来公知の方法でアンモニウムイオ
ン交換ゼオライトYを水熱雰囲気で焼成して得られたゼ
オライトYに比べ、残油(ボトム)の選択的な分解能に
非常に優れていることが見出された。従来公知のアンモ
ニウムイオン交換ゼオライトYの焼成方法により得られ
たゼオライトYでは、焼成中に構造破壊が起こり、生成
する無定形のシリカ−アルミナが触媒活性の低下、ある
いは選択性の低下を生起させるなどの悪影響を及ぼすの
に対し、本発明の方法によりアンモニウムイオン交換ゼ
オライトを焼成して得られるゼオライトYは、構造破壊
が少ないため、水素、コークの生成が少なく、また前述
の効果を有するゼオライトが得られる。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
であり、単位格子定数が24.70オングストロームで
あるフォージャサイト型ゼオライト(Na−ゼオライト
Y)を、10重量%の硫酸アンモニウム水溶液を用い、
80℃でイオン交換し、さらに温水で洗浄し、Na2O
含有量が5.2重量%のアンモニウム交換ゼオライトY
を調製した。
回折法で求めた結晶化度(ユニオンカーバイド社、SK
−40に対する相対結晶化度)は100%であり、比表
面積は670m2/gであった。
を、静置式の電気炉中で、水蒸気分圧30%の蒸気流の
存在下、350℃まで昇温加熱し、ついで350℃で1
時間焼成することにより第1焼成過程を行った。
オライトYは、次いで炉内の水蒸気分圧を2%とした雰
囲気中で2時間かけて670℃まで昇温加熱し、さらに
670℃で30分間焼成することによって第2焼成過程
を行った。
表1に示す。
ウム交換ゼオライトYを用いて、第2焼成過程の温度を
720℃に変更した以外は、実施例1と全く同様にし
て、ゼオライトYを調製した。得られたゼオライトY
(Z−2)の性状を表1に示す。
の製法を示す。実施例1で得られた焼成前のアンモニウ
ム交換ゼオライトYを用いて、水蒸気分圧が30%の蒸
気流の存在下、670℃まで2時間かけてほぼ一定速度
で昇温加熱し、さらに670℃で30分間焼成した。
表1に示す。
た12.5重量%のSiO2を含むシリカヒドロゾル80
00gにカオリンクレー2500g(乾燥基準)を添加
し、次いで上記実施例1、2および比較例1で得られた
ゼオライトY(Z−1、Z−2、Z−3)をそれぞれ1
500g(乾燥基準)加えて混合スラリーを得た。
た後、レアアース(RE2O3)を0.5重量%イオン交
換法で担持した。これを乾燥してZ−1、Z−2、Z−
3をそれぞれ30重量%含む接触分解用触媒組成物であ
るC−1(実施例3)、C−2(実施例4)およびC−
3(比較例2)を得た。 [触媒の性能評価試験]上記のようにして調製した触媒
組成物C−1(実施例3)、C−2(実施例4)および
C−3(比較例2)について性能評価試験を行った。
200gを空気中で600℃、2時間焼成した試料にナ
フテン酸ニッケルとナフテン酸バナジウムをV+Niと
して、触媒重量あたり4500ppm含むトルエン溶液を
含浸し、次いで減圧下でトルエンを除去した後、600
℃で2時間焼成し、さらに100%水蒸気雰囲気中で7
80℃で13時間処理して擬平衡化した触媒を使用して
行った。
圧軽油(DSVGO)を用いて次の反応条件で行った。 評価結果を表2に示す。
ーク選択性でわかるように本発明による触媒C−1、C
−2では、水素、コーク発生量が抑制される。
(分解軽油)、HCO+(分解重油)収率との関係を示
す。本発明による触媒C−1、C−2では、LCO選択
性に優れ、またHCO+(分解重油)の生成量が少な
く、ボトム分解性が向上している。
減圧軽油の接触分解反応を行った場合の転化率と、LC
OおよびHCO+の収率(wt%)との関係を示す図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 アンモニウムイオン交換ゼオライトYを
焼成するに際して、該ゼオライトYを、10%以上の水
蒸気分圧中で焼成(第1焼成過程)し、次いで、この焼
成よりも高い温度でかつ、10%未満の水蒸気分圧中で
焼成(第2焼成過程)することを特徴とするアンモニウ
ムイオン交換ゼオライトYの焼成方法。 - 【請求項2】 第1焼成過程の温度が250〜500℃
の範囲であり、第2焼成過程の温度が400〜900℃
の範囲であることを特徴とする請求項1記載のアンモニ
ウムイオン交換ゼオライトYの焼成方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のアンモニウムイ
オン交換ゼオライトYの焼成方法で得られたゼオライト
Yが、無機酸化物マトリックス中に分散されていること
を特徴とする炭化水素油接触分解触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33704395A JP3335518B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | アンモニウムイオン交換ゼオライトyの焼成方法および焼成ゼオライトyを含む炭化水素油接触分解触媒 |
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JPH09173853A true JPH09173853A (ja) | 1997-07-08 |
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- 1995-12-25 JP JP33704395A patent/JP3335518B2/ja not_active Expired - Fee Related
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