JPH09173462A - 多重被覆ステンレス鋼ガイドワイヤ - Google Patents

多重被覆ステンレス鋼ガイドワイヤ

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JPH09173462A
JPH09173462A JP8260004A JP26000496A JPH09173462A JP H09173462 A JPH09173462 A JP H09173462A JP 8260004 A JP8260004 A JP 8260004A JP 26000496 A JP26000496 A JP 26000496A JP H09173462 A JPH09173462 A JP H09173462A
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guidewire
coating
tie layer
core
distal
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JP8260004A
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Erik T Engleson
ティー. エンゲルソン エリック
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Original Assignee
Target Therapeutics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性とともにトルク伝達性および屈曲剛直
性を有するガイドワイヤを提供する。 【解決手段】 カテーテルをガイドするために適したガ
イドワイヤであって、近位セクションおよび遠位セクシ
ョンを有する細長い可撓性のステンレンス鋼合金ワイヤ
コアを備え、近位セクションが遠位のセクションより剛
直であり、ワイヤコア上の回りに同軸状に配置された外
部近位被覆を有し、この外部近位被覆は、フルオロカー
ボンポリマー、ポリアリーレン、およびポリスルホンか
らなる群から選択される材料から形成され、遠位セクシ
ョンは上記外部近位被覆に軸方向に隣接した親水性ポリ
マー組成物を含む外部遠位被覆を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科用器具に関す
る。より詳細には、ステンレス鋼合金コアから作られる
ガイドワイヤに関し、このコアは、近位側に位置しその
長さの大部分上にある非親水性の潤滑性ポリマー、およ
びこのガイドワイヤの残りの遠位部分長さの大部分に位
置する親水性ポリマーで被覆されている。好ましくは、
このガイドワイヤは、ガイドワイヤアセンブリの金属性
コアと親水性ポリマー層との間に位置するポリマー結合
層を有する。金属性コアは、多くのステンレス鋼の1つ
であり、ガイドワイヤのトルク伝達性および屈曲剛直性
能力を維持する。望ましくは、ガイドワイヤの外径は、
遠位端から近位端まで一定である。金属性コアは、ガイ
ドワイヤアセンブリに沿って適切な位置でテーパー状で
あり得る。
【0002】
【従来の技術】医療看護のコストが増加するにつれ、よ
り正確でかつより外傷性でない医療処理の必要性が同様
に増加している。これら処理は、特定の治療に必要な処
置に付属する影響が小さくなるという結果をもたらす。
入院は減少し得る。回復時間は改善され得る。血管カテ
ーテルは、以前は思い切った手術により処置されていた
種々の疾病を処置するために用いられている。例えば、
現在の高性能カテーテルは、脳、(卒中および挫傷のよ
うな)種々の血管アクシデントにおける漿果状動脈瘤、
経皮トランスカテーテル血管形成術(PTCA)などの処置に
用いられている。
【0003】種々の異なるカテーテル設計が、選択され
た処置部位に到達するために用いられ得るが、薬剤およ
び血管閉塞デバイスのような治療材料の送達のために用
いられる多くのカテーテルはワイヤ上(over-the-wire)
カテーテルである。血管系で用いられる他のカテーテル
は、流れ方向性である設計であり得る。流れ方向性カテ
ーテルは、極めてしなやかである単純な遠位端を用いる
ように設計されており、そして身体を通じて血液の流れ
により運搬され得る。他の流れ方向性デバイスは、それ
らの遠位端に、遠位端を血管経路に沿って引っ張ること
において「ドラッグアンカー」として作用する小さなバ
ルーンを利用する。流れ方向性カテーテルは、目的の部
位が速い血液流れ領域にある場合、血管に沿ってこの部
位に迅速に到達する利点を有する。選択された部位が最
も高い速度経路にない場合、カテーテルが所望の部位に
到達する機会はほんんどないかあるいは全くない。
【0004】ワイヤ上カテーテルは、例えば、血管系の
遠位末端にあり、血管系の混み入った経路にあるそれら
の位置のため、到達することが困難である身体の領域を
処置または診断するのに特に有用である。このために、
代表的には心臓の領域で用いられるカテーテルとは異な
り、遠隔の血管用の血管カテーテルは、カテーテルそれ
自身で選択された遠隔部位に移動させる十分な強度、剛
直性、およびトルクを伝達する能力を有さない。結果と
して、ガイドワイヤを用いて、カラム強度およびねじれ
強度を、カテーテル/ガイドワイヤアセンブリ全体に提
供し、その結果、これら精緻な血管カテーテルは、ガイ
ドワイヤ上をたどりそして適切な血管に沿って操作され
得る。例えば、Engelsonによる米国特許第4,884,579号
の開示を参照のこと。一般に、高度に可撓性であるカテ
ーテルと共にガイドワイヤを使用する方法は以下の通り
である:遠位の屈曲末端を有するねじり可能なガイドワ
イヤは、血管経路中でワイヤを標的部位まで、交互に回
転および進行させることによりガイドされる。遠位屈曲
は、担当医が、標的部位への血管中にある屈曲部および
「Y」部に沿った道筋を(X線透視法の助けにより)選ぶ
ための選択を可能にする。ガイドワイヤが選択された道
筋に沿って移動するとき、カテーテルは、代表的には、
段階的に増量しながらガイドワイヤに沿って進行する。
ガイドワイヤが配置された道筋に沿ってガイドワイヤを
たどることが出来るカテーテルが重要である。すなわ
ち、カテーテルは、その遠位端で、(選択されたガイド
ワイヤについて)カテーテルがその前に選択された道筋
からガイドワイヤを引っ張るような剛直性であってはな
らない。さらに、ガイドワイヤは、選択された道筋を追
従し得るに十分可撓性でなければならない。さらに、ガ
イドワイヤおよびカテーテルの両方は、血管の困難なま
たは細い領域に遭遇したとき、それらが容易にねじれな
いように十分に弾性でなければならない。ガイドワイヤ
は、担当医が必要に応じてガイドワイヤを操縦し得るよ
うに、理想的にはその長さに沿って制御可能な様式(即
ち、ワイヤの近位端における選択されたワイヤの回転が
遠位端において対応する回転を生じる)でトルクを伝達
する能力を有さなければならない。脳および肝臓のよう
な極度に軟かな器官の血管系にさらに貫通する必要性
は、ガイドワイヤの物理的性質および材料選択について
大きな需要を提供する。
【0005】ワイヤがその全体長さに沿って細すぎる場
合、そのワイヤ長さに沿って制御可能な様式でトルクを
伝達することがしばしば困難である。さらに、ワイヤ
は、低いカラム強度に起因して軸方向の動きとともに折
れ曲がり得る。
【0006】これらの課題に対する1つの解決法は、ガ
イドワイヤ用の材料の適切な選択を通じて行われてい
る。そのような材料の選択の1つは、ニッケルおよびチ
タンを含む合金であり、そしてそれは特定の様式で処理
されている一般にニチノールとして知られるクラスの合
金である。そのようなガイドワイヤの代表例は、Bates
らの米国特許第5,129,890号およびCookによる米国特許
第5,213,111号に示されるガイドワイヤである。そのよ
うなデバイスに対するいくつかの改良は、ニッケルチタ
ン合金を用いることであり、Palermoによる米国特許第
5,409,015号に見出され得る。これらの合金は、軟組織
内の血管に深く接近するために特に適切であり、そこで
は適切に選択された合金のために、ガイドワイヤは、任
意の可塑性変形なしに主要な曲がりをなし得る能力を有
する。ニチノールガイドワイヤは、血管中への深い接近
のために非常に適切であるが、代表的には、合金自身が
極めて弾力性があり、そして顕著な機械的エネルギーを
蓄えるので、性能のずれ(offset)が生じる。上記とは別
に:深い曲がりくねった経路に入るに十分な可撓性であ
るニチノールガイドワイヤが以下の点で使用が困難であ
り得る;a.)ユーザーは、ガイドワイヤの先端部を適切
な位置に制御可能にねじりまたは回転し得ない、そして
b.)過剰な可撓性はカテーテルがたどることを許容しな
い。何故なら、より剛直性のカテーテルはその予め選択
された道筋からガイドワイヤを引っ張り得るからであ
る。この使用性パラメーターは、代表的にはガイドワイ
ヤのより近位部分に見出されるサイズおよび材料が原因
である。
【0007】ガイドワイヤの近位部分のサイズが増加す
ると、ガイドワイヤの側部剛直性が増加する。ニチノー
ルガイドワイヤの直径が、回転可能度(torqueability)
が改善される点まで増加すると、しばしば簡単に物理的
操作を行うには大きすぎる直径を有するガイドワイヤと
なる。
【0008】ガイドワイヤの操作および挿入能力を改善
するために採用される別の方針は、種々の潤滑性材料を
用いたワイヤの被覆である。初期の潤滑性材料は、高分
子量シリコン由来の油またはニアグリース(near-greas
e)である。その他のポリテトラフルオロエチレン(TEFLO
N)および親水性被覆のようなより物質的な(そして耐久
性の)被覆がまた、これらのガイドワイヤ用の被覆とし
て示唆されている。ガイドワイヤ上の潤滑性被覆は多く
の利点を提供する。被覆の適切な選択は、カテーテル内
のガイドワイヤの軸方向の動きに対する抵抗性を低下さ
せる。同様に、被覆は、ガイドワイヤが折り返しまたは
回転されるとき、カテーテル内のガイドワイヤの抵抗性
を低下させるために用いられ得る。ガイドワイヤ上のす
べりやすい被覆は、カテーテルがガイドワイヤに沿って
軸方向に動くとカテーテルがねじれる機会を減少させ
る。
【0009】Batesらによる米国特許第5,129,890号は上
記について言及する。この特許は、形状記憶材料を有す
るガイドワイヤを記載する。ガイドワイヤの中央コア
は、遠位方向に、結合した細長いコイルを有する。薄い
ポリマースリーブ、好ましくはポリウレタンがコアワイ
ヤに隣接して位置する。このポリマースリーブは、基礎
となるポリマースリーブの外部周縁上に配置される親水
性ポリマー被覆用の基礎を提供する。ガイドワイヤの別
の実施態様は、内部ポリマースリーブの近位部分が親水
性被覆で被覆されないガイドワイヤである。
【0010】別の改変例は、Engelsonらによる米国特許
第4,884,579号に示される。Engelsonは、ガイドワイヤ
が配置される血管壁に沿って血管壁により良く追従する
遠位端を有するガイドワイヤ;即ち遠位部分が、より高
い摩擦セクションのすぐ近位にある部分より高い摩擦部
分であるガイドワイヤを教示する。幾分より近位のセク
ションは、セクションをより潤滑性にする材料で被覆さ
れる。適切な被覆材料は、TEFLON、ポリウレタン、また
は親水性ポリマーの支持を形成する材料を含む。
【0011】Cookによる米国特許第5,213,111号は、ニ
ッケル-チタン合金のような形状記憶合金により半径方
向が取り囲まれた細いステンレス鋼ワイヤから作製され
るコンポジットガイドワイヤを示す。このガイドワイヤ
アセンブリは、ポリマー層で被覆されていると述べられ
ており、そしてワイヤの最遠位部分の70〜80%が親水性
ポリマーで被覆され得、潤滑性を増加する。
【0012】Sepetkaによる米国特許第5,228,453号は、
可撓性の回転可能な近位ワイヤセクション、可撓性ポリ
マーチューブ被覆を有するより可撓性の中間セクショ
ン、および最も可撓性の遠位端セクションから構成され
るガイドワイヤを示す。らせん状のリボンコイルがワイ
ヤコアとポリマーチューブ被覆との間の中間コアセグメ
ントの周囲を覆い、放射線不透過性を増加し、そして可
撓性を維持しながらトルク伝達性を改善する。
【0013】Corso, Jr.らによる米国特許第5,259,393
号は、ガイドワイヤの遠位先端に制御される放射線不透
過性を有するガイドワイヤを記載する。ガイドワイヤ上
に取り付けられた単一のスプリングは、きついコイル状
の領域および第2のよりゆるいコイル状の領域、および
放射線不透過性のより少ない領域を有する。ゆるいコイ
ル状の領域はポリマーで被覆され得、コイルの存在に起
因する荒さを防ぐ。
【0014】Moutafisらによる米国特許第5,333,620号
は、金属ワイヤコアおよびこのコア上に押し出し成形さ
れた高性能プラスチックスリーブを有するガイドワイヤ
を記載する。高性能プラスチックは、少なくとも150ksi
の曲げ係数および少なくとも2%の伸び(降伏まで)を有
するものであると述べられている。好適な高性能プラス
チックはポリスルホンである。他の適切な高性能プラス
チックは、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)、ポリアリーレンケトン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリイミドスルホン、ポリアリルス
ルホン、ポリアリルエーテルスルホン、および特定のポ
リエステルを含むと述べられている。次いで、同時押し
出し成形されるコンプライアント(compliant)なジャケ
ットは、好ましくは親水性である潤滑性の材料で完全に
被覆されていると述べられている。好適な潤滑性材料
は、ポリウレタンおよびポリビニルピロリドンの複合体
を含む。
【0015】Mortierらによる米国特許第5,372,144号
は、ガイドワイヤコアの外部にスリーブ部材を有するガ
イドワイヤを記載する。このスリーブ部材は、見かけ
上、ポリウレタンのような高い弾性および低い曲げ係数
のポリマー性材料である。
【0016】これらの文献のいずれも、ステンレス鋼、
およびスプレーされた近位側のポリテトラフルオロエチ
レンと遠位側の親水性被覆とを有するコンポジット被覆
を備えた高いトルク能力のガイドワイヤを示していな
い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のガイ
ドワイヤを改良して上述のような問題点を取り除くこと
を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、身体管腔内で
カテーテルをガイドするために適したガイドワイヤに関
する。このガイドワイヤは、より近位のセクションおよ
びより遠位のセクションを有する細長い可撓性のステン
レンス鋼合金ワイヤコアを備え、ここで上記より近位の
セクションは、上記より遠位のセクションより剛直であ
り、かつ上記ワイヤコア上の回りにかつ直接に同軸状に
配置された外部近位被覆を有し、そしてこの外部近位被
覆は、フルオロカーボンポリマー、ポリアリーレン、お
よびポリスルホンからなる群から選択される材料であ
り、そしてここで上記より遠位のセクションは該外部近
位被覆に軸方向に隣接した外部遠位被覆を有し、そして
この外部遠位被覆は親水性ポリマー組成物を含む。
【0019】好ましくは、上記より遠位のセクションお
よび前記より近位のセクションは同じ外径を有する。
【0020】本発明の1つの実施態様では、上記より遠
位のセクションは、上記ワイヤコアに隣接する結合層を
さらに備える。この結合層は、ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリウレタン、およびポリエステル
からなる群から選択される群のメンバーから選択される
材料を含み得る。好ましくは、上記結合層は、ポリエチ
レンテレフタレートおよびポリウレタンを含み得る。
【0021】上記コアワイヤは、303、304、304V、およ
び316ステンレス鋼からなる群から選択される材料であ
り得る。
【0022】上記親水性ポリマー組成物は、エチレンオ
キシド;2-ビニルピリジン;N-ビニルピロリドン;モ
ノメトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、モノメトキシテトラエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレートを含むモノアルコキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリ
コールアクリレート;2-ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリセリルメタクリレートのような他の親水性アク
リレート;アクリル酸およびその塩;アクリルアミドお
よびアクリロニトリル;アクリルアミドメチルプロパン
スルホン酸およびその塩から選択されるモノマーから生
成されるポリマー、セルロース、メチルセルロース、エ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シアノ
エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセル
ロース誘導体、アミロース、ペクチン、アミロペクチ
ン、アルギン酸のようなポリサッカライド、および架橋
ヘパリンを含むポリマーから選択され得る。
【0023】本発明の1つの実施態様では、本発明のガ
イドワイヤは、上記外部近位被覆と前記ステンレス鋼合
金ワイヤコアとの間に配置される結合層をさらに備え得
る。この結合層は熱収縮管材であり得、または上記結合
層は前記コアワイヤ上に溶融若しくはプラズマにより溶
着され得る。さらに上記結合層は放射線不透過性材料を
さらに含み得る。
【0024】本発明の1つの実施態様では、本発明のガ
イドワイヤは、カテーテルシースをさらに備え得る。
【0025】本発明は、相対的に一定の直径のガイドワ
イヤアセンブリである。このワイヤアセンブリは、その
長さに沿った種々の位置でテーパー状であり得るステン
レス鋼コアを備える。近位側で、このコアはスプレーさ
れたポリテトラフルオロエチレンまたは他の高性能潤滑
性ポリマーで被覆される。遠位側は(しかし近位ポリマ
ー被覆の付加物である)コアワイヤ上に直接配置され
た、または特定の類の結合層の使用を介してコアワイヤ
に結合された親水性の潤滑性ポリマーであり得る。適切
な結合層は、ポリウレタンおよびポリエチレンテレフタ
レート(PET)のようなポリエステルを含む。遠位側に配
置された放射線不透過性コイルが、ガイドワイヤの最遠
位部分に結合され得る。
【0026】被覆材料およびコアワイヤ材料の特定の組
み合わせは、近位における入力に対する遠位の応答のた
めに高度に配置可能であるカテーテルを生成し、そして
なお脳または肝臓のような軟器官中に、コンプライアン
トなニチノールガイドワイヤが導入され得る程度を超え
て導入され得る。
【0027】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明は、ほぼ一
定の直径およびその長さに沿って複数の被覆を有するス
テンレス鋼ガイドワイヤである。
【0028】図1は本発明の1つの改変例を示す。図1
は、フルオロカーボンポリマー(例えば、Teflonのよう
なポリテトラフルオロエチレン、またはコアワイヤ(10
4)上に直接付与されたポリアリーレンまたはポリスルホ
ンのような薄い頑強な潤滑性の他のポリマー)の耐久性
のスプレー付与された被覆(103)を有するより近位の領
域(102)、およびこのより近位の領域(102)に隣接するよ
り遠位の領域(106)を有する本発明に従って作製された
ガイドワイヤ(100)を示す。より遠位の領域(106)は、外
部親水性被覆(108)および内部結合層(110)を備えるコン
ポジット被覆を有する。最後に、ガイドワイヤ(100)の
最遠位セクションは、コアワイヤ(104)の少なくとも一
部分を取り囲む放射線不透過性コイル(112)を備える。
放射線不透過性コイル(112)は、X線透視鏡で観察した
とき、ガイドワイヤ(100)に容易に観察可能な末端を提
供することに加えて、ガイドワイヤアセンブリ(100)に
いくぶんかの方向性と形態性を与える。放射線不透過性
コイル(112)は、外科的手順の間に先端部の形成を様々
に補助し、そしてコイル(112)が先端部から分離するこ
とから保護し得るリボン(114)と共に使用され得る。
【0029】代表的には、ガイドワイヤ(100)は、代表
的に約50cmと300cmとの間の全長を有する。近位セクシ
ョン(102)は、好ましくは、(その長さに沿って)約0.010
〜0.025インチ、好ましくは0.010〜0.018インチの均一
な外径を有する。相対的により可撓性の遠位セクション
(106)は、ガイドワイヤ(100)の遠位端の3cm〜45cmある
いはそれ以上の間で拡がる。1つまたはそれ以上のより
遠位のセクション(106)およびより近位のセクション(10
2)は、より近位のセクションより直径が徐々に小さい部
分を含み得る。接合部は、(好適ではないが代表的には)
ステップ状であり得、または図中、例えば(116)および
(118)で示されるようなテーパー状であり得る。あるい
は、コアワイヤ(104)におけるより大きい直径からより
小さな直径への移行は、1つまたは長いテーパー状のセ
クションを経由し得る。精緻なワイヤコイル(112)は、
放射線不透過性であり得、そして限定されないが白金お
よびその合金を含む材料から作製され得る。
【0030】
【実施例】本発明のカテーテルは、高いトルク伝達能力
を有するように設計されているので、コアワイヤ(104)
は、その近位セクションで、ほぼ近位端(120)と第1の
テーパーまたは接合部(116)の開始との間にある9と18
ミルとの間の直径を有する。コアワイヤ(104)を構成す
る材料は、303、304、304V、または316ステンレス鋼で
あり得る。このセクション(102)上の被覆(103)の全体の
厚さは、約1.0ミルを超えるべきではなく、そして好ま
しくは0.1ミルと0.5ミルとの間である。より近位の部分
(102)上の被覆(103)は、より遠位のセクション(106)上
の被覆(108)および(110)に隣接する。より近位の被覆(1
03)の材料は、被覆層(108)および(110)における材料と
は異なる。上記のように、本発明のガイドワイヤ上に最
小厚さのポリテトラフルオロエチレン被覆を提供する最
も望ましい方法は、スプレー被覆である。注目されるパ
リレン被覆のような他の保護ポリマーの付与が他の方法
であり得る。
【0031】パラキシリレンを基礎にする種々の「パリ
レン」ポリマー(例えばポリキシキシレン)がある。これ
らのポリマーは、代表的には、モノマーの蒸気相重合に
より基材上に配置される。パリレンN被覆は、ジ(P-キシ
リレン)ダイマーの蒸気化、ピロール化(pyrollizatio
n)、および蒸気の凝縮(比較的低温に維持される)により
ポリマーを生成することにより生成される。パリレン-N
に加えて、パリレン-Cはジ(モノクロロ-P-キシリレン)
に由来し、そしてパリレン-Dはジ(ジクロロ-P-キシリレ
ン)に由来する。基材にパリレンを付与する種々の公知
の方法がある。外科用デバイスにおけるそれらの使用
は、例えば、J.R.Morrisによる米国特許第5,380,320
号、Christianらによる米国特許第5,174,295号、Taylor
らによる米国特許第5,067,491号などに示されている。
これらの全部は参考として本明細書に援用される。
【0032】より近位のセクション材料、コアワイヤ直
径、および被覆材料(その付与方法とともに)の組み合わ
せは、以下に記載されるより近位のセクションにおける
材料の組み合わせで構築されたとき、使用のより容易な
ガイドワイヤを提供する。
【0033】図1に示されるように、ガイドワイヤコア
(104)は、より遠位のセクション(106)が、エチレンオキ
シドおよびそのより高分子のホモログ;2-ビニルピリ
ジン;N-ビニルピロリドン;モノメトキシトリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、モノメトキシテト
ラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含むモノア
ルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
トのようなポリエチレングリコールアクリレート;2-ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、グリセリルメタクリレ
ートのような他の親水性アクリレート;アクリル酸およ
びその塩;アクリルアミドおよびアクリロニトリル;ア
クリルアミドメチルプロパンスルホン酸およびその塩;
無水マレイン酸;アルデビトから選択されるモノマーか
ら生成されるポリマー、セルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
シアノエチルセルロース、セルロースアセテートのよう
なセルロース誘導体、アミロース、ペクチン、アミロペ
クチン、アルギン酸のようなポリサッカライド、および
架橋ヘパリンを含む親水性ポリマーで覆われる。上記モ
ノマーは、ホモポリマー、またはブロックコポリマー若
しくはランダムコポリマーに形成され得る。ガイドワイ
ヤの被覆においてさらなる重合のためにこれらモノマー
のオリゴマーの使用もまた使用され得る。好適な前駆体
は、ホモポリマー、またはランダムコポリマー若しくは
ブロックコポリマー(実質的に架橋ありまたはなし)に重
合されたエチレンオキシド;2-ビニルピリジン;N-ビ
ニルピロリドンおよびアクリル酸およびその塩;アクリ
ルアミドおよびアクリロニトリルを含む。
【0034】さらに、得られるコポリマーの親水性性質
が実質的に阻害されない限り、得られるコポリマーの約
30重量%までの量で、被覆ポリマー材料に疎水性モノマ
ーが含まれ得る。適切なモノマーは、エチレン、プロピ
レン、スチレン、スチレン誘導体、アルキルメタクリレ
ート、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、メタ
クリロニトリル、およびビニルアセテートを含む。エチ
レン、プロピレン、スチレン、およびスチレン誘導体が
好適である。
【0035】ポリマー被覆は種々の技法(例えば、紫外
線のような光、熱若しくは電離線、またはアセチルペル
オキシド、クミルペルオキシド、プロピオニルペルオキ
シド、ベンゾイルペルオキシドなどの過酸化物若しくは
アゾ化合物による)により架橋され得る。ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリトリトールジ-(またはトリ
-若しくはテトラ-)メタクリレート、ジエチレングリコ
ール、またはポリエチレングリコールジメタクリレート
のような多官能性(polyfunctional)モノマー、および類
似の多官能性(multifunctional)モノマーが、上記のモ
ノマーおよびポリマーを連結し得る。
【0036】以下に記載する手順を用いて付与されるポ
リマーまたはオリゴマーは、感光性基または放射線活性
基で活性化または官能化され、このポリマーまたはオリ
ゴマーと基礎となるポリマー表面との反応を可能にしこ
のような結合層が使用される場合、「結合層」を形成し
得る。
【0037】図1では、結合層(110)は親水性層(108)の
下にある。
【0038】適切な活性化基は、ベンゾフェノン、チオ
キサントンなど;アセトフェノンおよび以下の式で表さ
れるその誘導体を含む:
【0039】
【化1】
【0040】ここで、R1はH、R2はOH、R3はP
h;またはR1はH、R2は-OCH3、-OC2H3を含むアルコ
キシ基、R3はPh;またはR1=R2=アルコキシ基、
3はPh;またはR1=R2=アルコキシ基、R3はH;
またはR1=R2=Cl、R3はHまたはClである。他
の公知の活性化剤が適切である。
【0041】ポリマー親水性被覆(108)は、次いで、選
択された活性化剤を基礎に選択された公知および適切な
技法、例えば、紫外線、熱または電離線照射により基材
と結合され得る。列挙されたポリマーまたはオリゴマー
との架橋は、アセチルペルオキシド、クミルペルオキシ
ド、プロピオニルペルオキシド、ペンゾイルペルオキシ
ドなどの過酸化物またはアゾ化合物を用いて達成され得
る。上記のポリマーおよびオリゴマーを連結し得る、ジ
ビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールジ
-(またはトリ-若しくはテトラ-)メタクリレート、ジエ
チレングリコール、またはポリエチレングリコールジメ
タクリレートのような多官能性(polyfunctional)モノマ
ー、および類似の多官能性(multifunctional)モノマー
がまた、本発明に適切であり得る。
【0042】ポリマー性親水性被覆(108)は、任意の種
々の方法によって(例えば、ポリマー、またはモノマー
のオリゴマーの溶液または懸濁液をガイドワイヤコア上
にスプレーするか、あるいはそれを溶液または懸濁液に
浸漬することによって)、ガイドワイヤに付与され得
る。開始剤は溶液中に含まれ得るか、または別の工程で
付与され得る。ガイドワイヤは、ポリマーまたはオリゴ
マーをガイドワイヤに付与した後、溶媒を除去するため
に順次または同時に乾燥され得、そして架橋され得る。
【0043】溶液または懸濁液は、非常に薄いポリマー
層が付与されるので、非常に希釈されているべきであ
る。そのような溶媒中のオリゴマーまたはポリマーの量
は、0.25%(wt)と5.0%(wt)との間であるべきであり、
好ましくは0.5%(wt)〜2.0%(wt)である。このような混
合物は、得られるポリマーの薄くかつ完全な被覆に優れ
ている。この手法に好ましい溶媒は、好ましいポリマー
および手法を用いた場合、水、低分子量アルコール類、
およびエーテル類、特にメタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、エタノール、およびそれらの混合物で
ある。他の水に混合可能な溶媒、例えば、テトラヒドロ
フラン、メチレンジクロライド、メチルエチルケトン、
ジメチルアセテート、エチルアセテートなどは列挙され
たポリマーに適切であり、そしてポリマーの特性に応じ
て選択されなければならない;これらは、ポリマーおよ
びオリゴマーの親水性のために、そしてそれらの材料の
末端基の反応性のために、極性であるべきであり、ポリ
マーおよび溶媒系を選択する場合、酸素、ヒドロキシル
基などにより生じる公知のクエンチング効果(quenching
effect)が、このプロセスの使用者により認識されなけ
ればならない。
【0044】本明細書中で記載したガイドワイヤコア(1
04)に対する外部親水性被覆(108)として特に好ましいの
は、少なくとも一種のポリエチレンオキシド;ポリ 2-
ビニルピリジン;ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、およびポリアクリロニトリル
のホモオリゴマーの物理的混合物である。カテーテル本
体または基材は、好ましくは、スプレーまたは浸漬、乾
燥、および照射されて、示されたオリゴマーの重合およ
び架橋したポリマースキンを生成する。
【0045】潤滑性の親水性被覆(108)は、好ましく
は、ほぼ同時の溶媒除去および架橋操作を用いて生成さ
れる。被覆は、溶液の「シーティング(sheeting)」(例
えば、「ラン(run)」のない視覚的に滑らかな層の形
成)を可能にする速度で付与される。以下に示すものを
含む最も重合性の基材が使用される浸漬操作において、
最適の被覆速度は、0.25と2.0インチ/秒、好ましくは
0.5と1.0インチ/秒との間の直線的な取り出し速度であ
ることが判明する。
【0046】溶媒の蒸発操作は、250℃と、下にある1
つまたは複数の結合層のガラス転移温度(Tg)との間の温
度に表面を維持するのに適する加熱チャンバーを用いて
行われ得る。好ましい温度は、500℃〜1250℃である。
注目のおよび好ましい溶媒系に対して最も好ましいの
は、750〜1100℃の範囲である。
【0047】紫外線光源は、基材の結合層上でポリマー
前駆体を架橋するために使用され得る。50-300mW/cm
2(好ましくは、150-250mW/cm2)の照射密度を有する90
-375nm(好ましくは、300-350nm)の紫外線光源を有す
る照射チャンバーを介して、3〜7秒間の操作が望まし
い。3〜9インチの長さを有するチャンバー内では、0.
25〜2.0インチ/秒(0.5〜1.0インチ/秒)の速度でガ
イドワイヤコアをチャンバーを通して通過させるのが適
切である。電離照射を用いる場合、1〜100k Rads/cm2
(好ましくは、20〜50 kRads/cm2)の照射密度が、ポリ
マー基材上の溶液または懸濁液に付与され得る。
【0048】浸漬/溶媒除去/照射工程を5回まで繰り
返すことによって、得られる被覆の優れた耐久性が得ら
れる。好ましくは、2〜4回の繰り返しである。
【0049】結合層(110)が図1に示される。結合層
は、外部ポリマー表面(108)とガイドワイヤコア(104)と
の間の被覆として機能し、この外部ポリマー表面(108)
のコアへの全体の接着性を増大させる。もちろん、結合
層材料は、ガイドワイヤおよびその成分が他の製造工程
の間に配置される、他の種々の溶媒、クリーナー、滅菌
手順などに耐性であり得なければならない。
【0050】このような結合層の材料の選択は、それら
の機能性によって決定される。特に、材料は、外部ポリ
マーの潤滑性または親水性被覆に対するそれらの親和性
または引っ張り強さ(tenacity)により選択される。明ら
かに、結合層材料は可撓性かつ強靭でなければならな
い。材料は押出し成形可能であり得、そしておそらく加
熱によりガイドワイヤ上にマウントされる収縮性管材に
形成可能であり得る。これらの管材の材料は、外面の一
時的な熱収縮ラップ管材(次いで除去される)を用いて
コアワイヤ上に配置され得る。発明者らは、種々のポリ
アミド(例えば、NYLON)、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリウレタン、およびポリエステル(例えば、好ま
しくはポリエチレンテレフタレート(PET))が優れた結
合層をつくることを見出した。これらの管材料はまた、
硫酸バリウム、三酸化ビスマス、炭酸ビスマス、タング
ステン、タンタルなどの放射線不透過性材料を含むよう
に処方され得る。
【0051】上記のように、1つの容易に達成できる結
合層の付与方法は、管材をガイドワイヤコア(104)上で
熱収縮させることである。ガイドワイヤコア(104)は、
適切なサイズの管材に単に挿入され、しばしば、いずれ
かの末端で少量の「コーキング」と共に挿入されて管材
をシールし、管材下からの流体または未滅菌材料の侵入
を防ぐ。管材は所定長さになるように切断され、そして
それが十分小さなサイズになるまで加熱される。得られ
る管材の結合層は、望ましくは、約0.25と1.5ミルとの
間の厚みである。代表的にはポリウレタンまたはPETか
らこの範囲の薄い層が製造される。潤滑性ポリマーの層
(110)は、次いで、収縮した管材の外部表面上に配置さ
れる。
【0052】図2は、ガイドワイヤアセンブリ(130)
が、親水性ポリマーの単一層(132) をより遠位の領域(1
34)の外面上に用いた本発明の他の改変例を示す。
【0053】潤滑性、生体適合性かつ親水性のポリマー
の次の被覆を受ける前に本発明のガイドワイヤ(130)を
調製または前処理する手法は、炭化水素またはフルオロ
カーボン残基を溶着するためのプラズマ流れの使用を経
由する。この手法は以下のとおりである:ガイドワイヤ
コアがプラズマチャンバー内に配置され、そして酸素プ
ラズマエッチで洗浄される。次いで、ガイドワイヤコア
は炭化水素プラズマに曝され、ガイドワイヤコア上にプ
ラズマ重合した結合層を溶着させて前処理を完了する。
炭化水素プラズマは、低分子量(またはガス状)のアル
カン(例えば、メタン、エタン、プロパン、イソブタ
ン、ブタンなど);低分子量アルケン(例えば、エテ
ン、プロペン、イソブテン、ブテンなど);またはガス
状フルオロカーボン(例えば、テトラフルオロメタン、
トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタ
ン、トリフルオロクロロメタン、テトラフルオロエチレ
ン、トリクロロフルオロエチレン、ジクロロジフルオロ
エチレン、トリフルオロクロロエチレン、およびそのよ
うな他の材料)を含み得る。これらの材料の混合物もま
た使用可能である。結合層は、明らかに、外部親水性ポ
リマー被覆と次に共有結合するためのC−C結合を提供
する。プラズマチャンバーへの炭化水素の好ましい流速
は、500c.c./分〜2000c.c./分の範囲であり、そしてガ
イドワイヤのチャンバー内での滞留時間は1〜20分の範
囲であり、選択された炭化水素およびプラズマチャンバ
ーの作動パラメーターに依存する。プラズマチャンバー
の出力設定は、好ましくは、200W〜1500Wの範囲であ
る。
【0054】プラズマ生成した炭化水素残基の結合層
は、10/厚みオーダーの厚みを有し、コアと被覆との間
に配置される。このプロセスは代表的には、約1000/厚
み未満の炭化水素残基の層を生成し、そしてより代表的
には約100/未満である。結合層は外部層とガイドワイ
ヤコアとを効果的に結合し、ガイドワイヤに追加のかさ
(bulk)をほとんど与えない。
【0055】前処理されたガイドワイヤは、次いで、上
記のような手法を用いて親水性ポリマーで被覆され得
る。例えば、前処理されたガイドワイヤは、光学活性な
親水性ポリマー系(すなわち、潜在的に感光性の結合基
が親水性ポリマーに共有結合している)の溶液に浸漬さ
れ得る。乾燥後、被覆されたガイドワイヤは、これをU
V光に曝すことにより硬化される。UV光は、光学活性
なポリマー系の潜在的に反応性の基を活性化し、炭化水
素残基結合層の架橋C−C結合と共有結合を形成する。
浸漬および硬化工程は、好ましくは、しばしば十分に、
代表的には2回繰り返され、親水性被覆層の適切な厚み
を達成する。
【0056】ガイドワイヤの外部表面は、好ましくは、
光活性化結合剤に結合したポリアクリルアミド/ポリビ
ニルピロリドン混合物の生体適合性被覆である。好適な
被覆は、以下の例によるBio-Metric Systems PA03とPV0
5(またはPV01)結合システムとの混合物から作成され
る。
【0057】この好適な実施態様の感光性親水性ポリマ
ーシステムは、Bio-Metric SystemsPA03ポリアクリルア
ミド/バインダーシステムとBio-Metric Systems PV05ポ
リビニルピロリドンシステムとの混合物である。ポリア
クリルアミドシステムは潤滑性を提供し、そしてポリビ
ニルピロリドンシステムは、潤滑性と耐久性の結合の両
方を提供する。2つのシステムの正確な比率は用途に適
合して変化し得る。しかし、代替えとして、親水性の生
体適合性被覆は、ポリアクリルアミド単独、ポリビニル
ピロリドン単独、ポリエチレンオキシド、または当該技
術分野で公知の任意の適切な被覆であり得る。
【0058】さらに、ヘパリン、アルブミン、またはそ
の他のタンパク質の被覆を、当該技術分野で公知の方法
で親水性被覆の上に配置し得、図1および図2の両改変
例にさらなる生体適合性特徴を提供する。
【0059】ガイドワイヤまたは他のデバイスは、酸素
プラズマエッチの代わりにアルゴンプラズマエッチを用
いることにより清浄化され得る。プラズマ重合された結
合層の厚さはまた、本発明の範囲を逸脱することなく変
化し得る。
【0060】以上の実施例は、本発明の製品および方法
のさらなる例示である。本発明はこれらの実施例に制限
されない。
【0061】本発明の好ましい実施態様を記載してきた
が、種々の変化、適合および改変が、本発明の思想およ
び添付の請求項の範囲から逸脱することなくその中でな
され得ることが理解されるべきである。
【0062】
【発明の効果】脳や肝臓などの軟組織中に到達し得る、
可撓性とともにトルク伝達性および屈曲剛直性を有する
ガイドワイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って作製されたガイドワイヤの一部
破断要部側面図である。
【図2】本発明に従って作製されたガイドワイヤの一部
破断要部側面図である。
【符号の説明】
100、130 ガイドワイヤアセンブリ 102 近位セクション 103 被覆 104 コアワイヤ 106、134 遠位セクション 108 親水性被覆 110 結合層 112 コイル 116、118 テーパー状部分 120 近位端 132 ポリマー層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 身体管腔内でカテーテルをガイドするた
    めに適したガイドワイヤであって、 より近位のセクションおよびより遠位のセクションを有
    する細長い可撓性のステンレンス鋼合金ワイヤコアを備
    え、ここで該より近位のセクションが、該より遠位のセ
    クションより剛直であり、かつ該ワイヤコア上の回りに
    かつ直接に同軸状に配置された外部近位被覆を有し、そ
    して該外部近位被覆が、フルオロカーボンポリマー、ポ
    リアリーレン、およびポリスルホンからなる群から選択
    される材料であり、そしてここで該より遠位のセクショ
    ンが該外部近位被覆に軸方向に隣接した外部遠位被覆を
    有し、そして該外部遠位被覆が親水性ポリマー組成物を
    含む、ガイドワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記より遠位のセクションおよび前記よ
    り近位のセクションが同じ外径を有する、請求項1に記
    載のガイドワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記より遠位のセクションが、前記ワイ
    ヤコアに隣接する結合層をさらに備える、請求項1に記
    載のガイドワイヤ。
  4. 【請求項4】 前記結合層が、ポリアミド、ポリエチレ
    ン、ポリスチレン、ポリウレタン、およびポリエステル
    からなる群から選択される群のメンバーから選択される
    材料を含む、請求項3に記載のガイドワイヤ。
  5. 【請求項5】 前記結合層が、ポリエチレンテレフタレ
    ートおよびポリウレタンからなる群から選択される、請
    求項4に記載のガイドワイヤ。
  6. 【請求項6】 前記コアワイヤが、303、304、304V、お
    よび316ステンレス鋼からなる群から選択される材料で
    ある、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  7. 【請求項7】 前記親水性ポリマー組成物が、エチレン
    オキシド;2-ビニルピリジン;N-ビニルピロリドン;
    モノメトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
    レート、モノメトキシテトラエチレングリコールモノ
    (メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
    タ)アクリレートを含むモノアルコキシポリエチレング
    リコールモノ(メタ)アクリレートのようなポリエチレン
    グリコールアクリレート;2-ヒドロキシエチルメタクリ
    レート、グリセリルメタクリレートのような他の親水性
    アクリレート;アクリル酸およびその塩;アクリルアミ
    ドおよびアクリロニトリル;アクリルアミドメチルプロ
    パンスルホン酸およびその塩から選択されるモノマーか
    ら生成されるポリマー、セルロース、メチルセルロー
    ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
    シアノエチルセルロース、セルロースアセテートのよう
    なセルロース誘導体、アミロース、ペクチン、アミロペ
    クチン、アルギン酸のようなポリサッカライド、および
    架橋ヘパリンを含むポリマーから選択される、請求項1
    に記載のガイドワイヤ。
  8. 【請求項8】 前記外部近位被覆と前記ステンレス鋼合
    金ワイヤコアとの間に配置される結合層をさらに含む、
    請求項7に記載のガイドワイヤ。
  9. 【請求項9】 前記結合層が熱収縮管材である、請求項
    3に記載のガイドワイヤ。
  10. 【請求項10】 前記結合層が前記コアワイヤ上に溶融
    される、請求項3に記載のガイドワイヤ。
  11. 【請求項11】 前記結合層が放射線不透過性材料をさ
    らに含む、請求項3に記載のガイドワイヤ。
  12. 【請求項12】 前記結合層がプラズマにより溶着され
    る、請求項3に記載のガイドワイヤ。
  13. 【請求項13】 カテーテルシースをさらに備える、請
    求項1に記載のガイドワイヤ。
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