JPH091728A - 樹脂付金属箔、逐次多層積層板及びその製法 - Google Patents

樹脂付金属箔、逐次多層積層板及びその製法

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JPH091728A
JPH091728A JP15295295A JP15295295A JPH091728A JP H091728 A JPH091728 A JP H091728A JP 15295295 A JP15295295 A JP 15295295A JP 15295295 A JP15295295 A JP 15295295A JP H091728 A JPH091728 A JP H091728A
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resin
metal foil
polyphenylene ether
sequential
foil
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JP15295295A
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Yushi Arai
雄史 新井
Teruo Katayose
照雄 片寄
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属箔の片面に熱硬化性のポリフェニレンエ
ーテル樹脂の膜を有する樹脂付金属箔、その樹脂付金属
箔が重ね合わされて接着された逐次多層積層板、及びそ
の樹脂付金属箔を重ねて加熱加圧することによりその樹
脂付金属箔を接着する操作を1回以上行う逐次多層積層
板の製造方法。 【効果】 高密度配線と併せ、高速回路及び高周波回路
の配線板を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性ポリフェニレン
エーテル樹脂の膜を片面に有する樹脂付金属箔、該樹脂
付金属箔が積層された逐次多層積層板およびその逐次多
層積層板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱硬化性の樹脂膜を有する金属箔
としては、フェノール樹脂銅張積層板に用いられていた
接着剤付銅箔があるが、このような接着剤付銅箔は接着
剤の耐熱性や電気絶縁性能の点で不十分なため、逐次積
層板に用いるには望ましいものではなかった。また、回
路層を逐次的に形成する方法としては、感光性もしくは
熱硬化性のエポキシ樹脂あるいはポリイミド樹脂を用い
る方法が知られているが、高耐熱性、低誘電率かつ低誘
電正接の絶縁層を加熱加圧により逐次形成する技術につ
いては有効な技術は提供されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気用配線板産業の分
野では、めっきスルーホール工法よりも高密度な配線を
形成しうる逐次積層工法の確立が急務とされているが、
現在まで高速回路および高周波回路に用いることができ
る適切な材料は見出されていなかったため、これらの課
題に対する有効な解決手段は提案されていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明の目
的を達成するための材料を見出し、さらに、その材料を
用いて逐次積層法により高密度な多層配線板が形成でき
ることを確認して本発明を完成するに到った。すなわ
ち、本発明は次に述べる3つの発明より構成される。
【0005】本発明は、金属箔の片面に熱硬化性のポリ
フェニレンエーテル樹脂膜を有することを特徴とする樹
脂付金属箔を提供する。また、本発明は、基板上に、上
記の樹脂付金属箔が複数重ね合わされて接着されている
ことを特徴とする逐次多層積層板を提供する。さらに、
本発明は、基板上に、上記の樹脂付金属箔を重ねて加熱
加圧することにより該樹脂付金属箔を接着する操作を1
回以上行うことを特徴とする逐次多層積層板の製造方法
を提供する。
【0006】以下にこれらの発明を詳細に説明する。本
発明中の金属箔としてはどのようなものも用いることが
できるが、例えば銅箔、アルミ箔、錫箔、金箔などが挙
げられる。容易に入手できかつ容易にエッチングできる
ことから、金属箔としては、銅箔、アルミ箔が好まし
く、銅箔が最も好ましい。用いられる金属箔の厚みは特
に限定されないが、扱い易さの点から500μm以下が
適当であり、好ましくは200μm以下であり、さらに
好ましくは105μm以下である。金属箔の面のうち、
熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂の膜が形成される
側の面は該樹脂との密着性を強めるため粗面化および/
またはカップリング処理されていてもよい。配線板製造
用として販売されている粗化処理電解銅箔は本発明の樹
脂付銅箔の製造にそのまま用いることができる。
【0007】本発明で用いられる熱硬化性ポリフェニレ
ンエーテル樹脂は、ポリフェニレンエーテル樹脂を成分
として含む熱硬化性樹脂組成物である。上記のポリフェ
ニレンエーテル樹脂には、変性物も含まれるが、一般的
には下記化1中の一般式(1)で表される。
【0008】
【化1】
【0009】一般式(A)におけるR1 〜R4 の低級ア
ルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基
等が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基
等が挙げられる。ハロアルキル基の例としては、ブロモ
メチル基、クロロメチル基等が挙げられる。ハロゲン原
子の例としては臭素、塩素等が挙げられる。
【0010】上記一般式(1)中のQの代表的な例とし
ては、下記化2の4種の一般式で表される化合物群が挙
げられる。
【0011】
【化2】
【0012】具体例として、下記化3及び化4に示され
る一般式等が挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】上記一般式(1)中のJで表されるポリフ
ェニレンエーテル鎖中には、一般式(A)で表される単
位の他、下記化5に表される単位が含まれていてもよ
い。
【0016】
【化5】
【0017】本発明に用いられる一般式(1)のポリフ
ェニレンエーテル樹脂の好ましい例としては、2,6−
ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)の
スチレングラフト重合体、2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体、2,
6−ジメチルフェノールと2−メチル−6−フェニルフ
ェノールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと下
記化6の一般式で表される多官能フェノール化合物の存
在下で重合して得られた多官能性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、例えば特開昭63−301222号公報、特開
平1−297428号公報に記載されているような一般
式(A)および(B)の単位を含む共重合体等が挙げら
れる。
【0018】
【化6】
【0019】(式中、mは2〜6の整数を表す。Qは前
記と同様に多官能フェノール化合物の残基を表す。) 以上述べたポリフェニレンエーテル樹脂の分子量は、3
0℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘
度数ηsp/Cが0.1〜1.0の範囲にあるものが良好
に使用できる。
【0020】また、ポリフェニレンエーテル樹脂には変
性物も含まれるが、具体的には、特開昭64−6962
8号公報、特開平1−113425号公報、特開平1−
113426号公報に記載されている不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテル樹脂、並びにポリフェニレンエー
テル樹脂と不飽和カルボン酸および/または酸無水物と
の反応生成物等が挙げられる。
【0021】また、上記ポリフェニレンエーテル樹脂以
外に配合する樹脂としては、本発明の目的であるプリン
ト基板用材料として基板物性を損なわないものであれば
どのようなものでも使用できるが、具体的には、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート、ジビニ
ルベンゼン、多官能性アクリロイル化合物、多官能性メ
タクリロイル化合物、多官能性マレイミド、多官能性シ
アン酸エステル、多官能性イソシアネート、不飽和ポリ
エステル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシ
アヌレート、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン・
スチレン−ブタジエン−スチレン等の架橋性ポリマーな
どのような熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、エチレン・プロピレン共重合体、ポ
リ(4−メチル−ペンテン)等のポリオレフィン類およ
びその誘導体、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン6・10、ナイロン12などのポリアミド
類及びその誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポチエチレンナフタレート、
ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール
ブロック共重合体などのポリエステル類およびその誘導
体、別のポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリ塩化ビニル
およびその共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびその共
重合体、ポリメチルメタクリレート類、アクリル酸(ま
たはメタクリル酸)エステル共重合体類、ポリスチレン
類、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニト
リルスチレンブタジエン系共重合体等のポリスチレン類
およびその共重合体類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラ
ール類、エチレン酢酸ビニル共重合体およびその加水分
解物類、ポリビニルアルコール類、スチレンブタジエン
ブロック共重合体類、ポリブタジエン、ポリイソプレン
類のゴム類、ポリメトキシエチレン、ポリエトキシエチ
レン等のポリビニルエーテル類、ポリアクリルアマイ
ド、ポリホスファーゼン類、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレ
ンサルファイト、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミ
ド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、側鎖に液晶
成分を含有する側鎖型液晶ポリマーなどのような熱可塑
性樹脂等が挙げられる。これらのものは一般に積層成形
して作製された配線板の物性を向上させる目的で配合さ
れるもので、そのために2種以上を併用してもよい。
【0022】熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂の配
合に当たっては、ポリフェニレンエーテル樹脂と少なく
とも1種類の熱硬化性を有する成分が含まれればよい。
ポリフェニレンエーテル樹脂自身が熱硬化性を有する場
合にはこのポリフェニレンエーテル樹脂を単独で本発明
に用いても構わない。好ましい樹脂の配合例としては、
不飽和基を含まないポリフェニレンエーテル樹脂並びに
トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリル
シアヌレート;不飽和基を含まないポリフェニレンエー
テル樹脂およびエポキシ樹脂;ポリフェニレンエーテル
樹脂、スチレンブタジエンブロックコポリマー並びにト
リアリルイソシアヌレートおよび/またはトリアリルシ
アヌレート;不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹
脂並びにトリアリルイソシアヌレートおよび/またはト
リアリルシアヌレート;不飽和基を含むポリフェニレン
エーテル樹脂、トリアリルイソシアヌレートおよび/ま
たはトリアリルシアヌレート並びにエポキシ樹脂;ポリ
フェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸および/ま
たは酸無水物との反応生成物並びにトリアリルイソシア
ヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレート;ポリ
フェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸および/ま
たは酸無水物との反応生成物およびエポキシ樹脂;ポリ
フェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸および/ま
たは酸無水物との反応生成物、トリアリルイソシアヌレ
ートおよび/またはトリアリルシアヌレート並びにエポ
キシ樹脂等が挙げられる。また配合量は、目的に応じて
決定される。
【0023】また、反応温度を低くしたり不飽和基の架
橋反応を促進する目的で本発明の樹脂組成物にラジカル
開始剤を含有させて使用してもよい。ラジカル開始剤の
代表的な例としては、特に限定されないが、ベンゾイル
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス
(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイ
ド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイ
ド等の過酸化物が挙げられる。また過酸化物ではない
が、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンもラ
ジカル開始剤として使用できる。
【0024】本発明の樹脂には、上述したラジカル開始
剤の他に、エポキシ樹脂を反応させる目的で硬化促進剤
を用いてもよい。硬化促進剤としては、例えばアミン系
化合物、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロウンデ
センのような含窒素複素環式化合物、有機ホスフィン化
合物、有機ホスフィン・有機ボロン錯体、第4級アンモ
ニウム化合物、第4級ホスホニウム化合物等公知のもの
を用いることができる。〔硬化促進剤に関する技術の詳
細については、例えば垣内弘編著、「エポキシ樹脂 最
近の進歩」昭晃堂(1990)第4章およびその引用文
献参照〕 この他、上述の多官能性マレイミドの適した
硬化剤としてはポリアミンが、多官能性シアン酸エステ
ルに適した触媒としては鉱酸、ルイス酸、炭酸ナトリウ
ムあるいは塩化リチウム等の塩類、トリブチルホスフィ
ン等のリン酸エステル類等が、また多官能性イソシアネ
ートに適した触媒、硬化剤としては、例えば岩田敬治
編、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社
(1987)P.118−123頁中に教示されている
ようなアミン類、有機金属、多価アルコール等がそれぞ
れ挙げられる。
【0025】以上の触媒、開始剤、硬化剤等は、樹脂の
種類に応じて適宜選択して用いられる。本発明で用いる
樹脂には、その用途に応じて所望の性能を付与させる目
的で本来の性質を損なわない範囲の量の充填剤や添加剤
を配合させることもできる。充填剤は繊維状であっても
粉末状であってもよく、具体的な例としては、シリカ、
アルミナ、タルク、雲母、ガラスビーズ、ガラス中空球
等を挙げることができる。添加剤の具体的な例として
は、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑
剤、顔料、染料、着色剤等が挙げられる。
【0026】熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂膜の
厚さは特に限定されないが、10μm以上が好ましく、
20μm以上がより好ましく、30μm以上が最も好ま
しい。ただし、膜厚が極端に小さいと、逐次積層を行う
ことが困難になり好ましくない。熱硬化性ポリフェニレ
ンエーテル樹脂膜を金属箔に形成する方法としては、ど
のような手段によってもよいが、例えば樹脂を溶剤に溶
解もしくは分散させたワニスを金属箔に塗布、乾燥させ
る方法が挙げられる。用いられる溶剤としては、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンのような芳香族系溶剤、
クロロホルム、トリクロロエチレのようなハロゲン系溶
剤、あるいはテトラヒドロフラン、ジオキサンのような
環状エーテル系溶剤等が使用できる。乾燥速度を調節す
るなどの目的でこれらの溶剤を混合して用いても良い。
また、乾燥工程の際に一部樹脂を硬化させて積層工程時
の樹脂のフロー特性を調節することもできる。
【0027】金属箔と樹脂膜を密着した形態になす方法
は一切限定されない。樹脂膜は直接に金属箔上に形成し
てもよいし、あらかじめ別にフィルム上に形成したもの
を金属箔に加熱加圧等の手段によって密着させてもよ
い。膜状になされた樹脂の上に蒸着、スパッタリングあ
るいは化学めっきなどの公知の手段によって金属皮膜を
形成するという手順を取ることもできる。
【0028】本発明の樹脂付金属箔を逐次積層して逐次
多層積層板を製造する際の工程を図1に示す。本発明に
用いられる基板4は特に限定されないが、例えば、両面
銅張積層板、片面銅張積層板、アルミ板、鉄板等が挙げ
られる。両面銅張積層板、片面銅張積層板を用いる場合
にはあらかじめ回路パターンを基板上に形成しておいて
も良い。これらの基板4に本発明の樹脂付金属箔3を加
熱加圧接着することにより多層積層板が製造できる。金
属箔の接着後に、必要に応じて金属箔を加工して回路パ
ターンを作成した後、その上にさらに樹脂付金属箔を加
熱加圧接着する事を繰り返して逐次多層積層板6が製造
される。熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂の熱硬化
は加熱加圧接着と同時に行っても良いし、加熱加圧接着
の後に別途加熱しても行うことができる。樹脂の硬化は
逐次積層の際に行っても良いし、逐次積層の際は完全硬
化させず全ての積層工程を終了した後に、一括して加熱
硬化させても良い。本発明の樹脂付金属箔の場合、該金
属箔をそのまま配線用導体とすることもできるし、金属
箔全体をエッチング等の手段によって取り去った後めっ
き、スパッタリング等の手段によって別途配線用導体を
形成することもできる。
【0029】基板あるいは樹脂付金属箔が加熱加圧接着
された逐次多層積層板に樹脂付金属箔を加熱加圧接着す
る方法としては、特に限定はされないが、熱ロールラミ
ネーションと熱プレスが挙げられる。加熱加圧接着は基
板あるいは逐次多層積層板の片面だけに行っても良い
し、両面同時に行っても良い。逐次に形成する各配線層
間の電気的接続を行うために、従来のめっきスルーホー
ルを形成しても良いが、高密度配線を可能にするために
は、バイア接続ホール5の形成により層毎の接続とする
ことが好ましい。スルーホールとバイア接続ホールは混
在させても良い。また、穴明けおよび層間の電気的接続
は任意の方法によることができる。限定する意図ではな
いがバイア接続ホールの形成手順の例を以下に説明す
る。バイア接続ホール形成は表面の金属箔にエッチング
等の加工によりバイア接続ホールを形成したい部分にの
み穴を明けて熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂層を
露出させ、エキシマーレーザ、炭酸ガスレーザ、YAG
レーザ等によるレーザ加工、ドライエッチングもしくは
ウエットエッチング等の方法により樹脂部分を取り除い
て下の金属箔層を露出させた後、めっきあるいはスパッ
タリング等の方法により樹脂の穴内壁に金属膜を形成し
て層間接続するか、あるいは樹脂の穴内に導電性ペース
トを詰めることにより接続しても良い。金属箔と樹脂層
の穴明けを別々に行う方法を説明したが、ドリルを用い
て貫通しない深さの穴を明ける方法によっても構わな
い。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体的にするために実施例を
挙げて説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限
定するものではない。 (合成例1)30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶
液で測定した粘度数ηsp/cが0.54のポリ(2,
6ージメチルー1,4ーフェニレンエーテル)100重
量部と、無水マレイン酸1.5重量部、および2,5ー
ジメチルー2,5ージ(tーブチルパーオキシ)ヘキサ
ン(日本油脂(株)製 パーヘキサ25B)1.0重量
部を室温でドライブレンドした後、シリンダー温度30
0℃、スクリュー回転数230rpmの条件で2軸押し
出し機により押出した。この反応生成物をAとする。
【0031】(合成例2)合成例1と同様の方法で測定
した粘度数ηsp/cが0.60のポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)100重量部と、
無水マレイン酸1.5重量部を室温でドライブレンドし
た後、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数23
0rpmの条件で2軸押し出し機により押出した。この
反応生成物をBとする。
【0032】(合成例3) 不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂 平均置換率14%、合成例1と同様の方法で測定したη
sp/C=0.62のアリル基置換ポリフェニレンエー
テルを特開昭64−69629号公報に開示された公知
の方法に従ってηsp/C=0.56のポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)より合成し
た。このアリル置換ポリフェニレンエーテルをCとす
る。
【0033】
【実施例1〜6】A、B、Cおよび合成例1と同様の方
法で測定したηsp/c=0.56のポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテル)(以後Dとす
る)を各種成分と表1に示した組成で配合し、トルエン
に各成分を溶解または分散してワニスを作成した。この
ワニスを18μm厚の配線板用粗化電解銅箔にバーコー
タで塗布し、その後エアーオーブン中で乾燥させ樹脂付
銅箔を作製した。塗膜外観は全て光沢のある良好なフィ
ルム状であった。18μmの銅箔を両面に張った0.3
mm厚の両面銅張積層板の銅箔表面を黒化処理(酸化銅
形成)した後還元して接着下地とし、各樹脂付銅箔の樹
脂厚を60μmとしたものを加熱加圧接着し、熱硬化し
て逐次積層板作成した。該逐次積層板を260℃のはん
だ浴に2分間浸漬したところ、全ての逐次積層板におい
てブリスタ、剥離等を生じなかった。また、難燃剤およ
び難燃助剤を添加した樹脂については樹脂付の厚みを1
00μmとした物を作成し、単独で熱硬化した後銅箔を
エッチングにより全部取り除いた試料についてUL規格
(UL94)に従って燃焼性試験を行ったところ、V−
0の結果を得た。その結果を表1に示す。
【0034】
【実施例7】18μmの銅箔を両面に張った0.3mm
厚の両面銅張積層板に写真法により回路を形成したもの
の銅箔表面を黒化処理(酸化銅形成)した後還元し、そ
の基板に12μm厚の配線板用粗化電解銅箔に実施例2
の樹脂を60μm塗布した樹脂付銅箔を加熱加圧接着
し、180℃にて60分間の熱硬化を行った。熱硬化後
にこの逐次積層4層板の表面の形状を表面粗度計で測定
したところ、粗さは3μm未満であった。
【0035】
【実施例8】実施例7で作成した逐次積層4層板に写真
法でバイアホール位置の銅箔の穴明けを行った。穴の直
径は200μmとした。フォトレジストは通常の配線板
製造用のドライフィルム型を用いた。表面粗度が3μm
未満と平坦に積層されていたため、写真法による画像形
成に何等の問題も生じなかった。炭酸ガスレーザをバイ
アホール位置に照射して樹脂の穴明けを行った後、通常
の多層配線板用スルーホールめっき工程を通して無電解
銅めっきおよび電解銅めっきを行ったところレーザ穴明
けされた樹脂の穴内壁に15μmの銅皮膜が形成され、
配線層間の電気的接続ができた。ドライフィルムフォト
レジストのテンティング法により再度配線の形成を行う
ことができ、逐次積層4層配線板が製造できた。この4
層逐次配線板に−65℃と125℃の間を100回往復
させる冷熱衝撃を施した後、バイアホール層間接続部分
を切り取ってエポキシ樹脂に包埋、研磨して断面観察用
の試料を作成した。400倍の工学顕微鏡で観察したと
ころ、バイアホールのめっき皮膜にクラック等の欠陥は
生じていなかった。
【0036】
【実施例9】実施例7〜実施例8で作成した逐次積層4
層配線板と、12μmの配線板用粗化電解銅箔に実施例
2の樹脂を100μm塗布した樹脂付銅箔を用いて実施
例8と同様の手順を繰り返して逐次積層6層配線板を作
成した。ただし炭酸ガスレーザによる樹脂の穴明けの後
に直径0.4mmの超硬ドリルによるスルーホール穴明
けを行い、次のめっき工程でスルーホールめっきも同時
に形成されるようにした。冷熱衝撃試験と断面観察を実
施例8と同様に行ったが、内部に何等の欠陥も見い出さ
れなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の熱硬化性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂付金属箔により、逐次積層法による高密度な多層
配線板が製造できる。また、熱硬化性ポリフェニレンエ
ーテル樹脂の優れた耐熱性により、高い信頼性を有する
逐次積層多層配線板が得られる。さらに、難燃剤を含む
熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂を用いることによ
り難燃性逐次積層板を得ることができる。さらにまた、
熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂は低誘電率かつ低
誘電正接であるため、逐次積層法による高密度配線と併
せ、高速回路および高周波回路の配線板を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂付金属箔を逐次積層して逐次積層
板を製造する際の工程を示す。
【符号の説明】
1 金属箔 2 熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂膜 3 樹脂付金属膜 4 基板または逐次多層積層板 5 バイア接続ホール 6 逐次多層積層板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 6921−4E H05K 3/46 T

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔の片面に熱硬化性のポリフェニレ
    ンエーテル樹脂の膜を有することを特徴とする樹脂付金
    属箔。
  2. 【請求項2】 基板上に、請求項1記載の樹脂付金属箔
    が重ね合わされて接着されていることを特徴とする逐次
    多層積層板。
  3. 【請求項3】 基板上に、請求項1記載の樹脂付金属箔
    を重ねて加熱加圧することにより該樹脂付金属箔を接着
    する操作を1回以上行うことを特徴とする逐次多層積層
    板の製造方法。
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