JPH09172120A - 金属板の加工方法 - Google Patents

金属板の加工方法

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JPH09172120A
JPH09172120A JP32907995A JP32907995A JPH09172120A JP H09172120 A JPH09172120 A JP H09172120A JP 32907995 A JP32907995 A JP 32907995A JP 32907995 A JP32907995 A JP 32907995A JP H09172120 A JPH09172120 A JP H09172120A
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processing
plate
etching
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JP32907995A
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English (en)
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Hideo Hotta
日出男 堀田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属板の加工部へのドロスの付着を確実に防止
しかつレーザ加工による金属板の変形を確実に防止す
る。 【構成】金属板9の下面にエッチングレジスト12を有
する第2の金属板13を密着させた状態で、金属板9に
レーザビームLを照射する。このレーザビームLの照射
により、金属板9、エッチングレジスト12および第2
の金属板13を貫通する開口部10を形成する。このと
き、ドロス11が第2の金属板13の下面に付着し、金
属板9の下面には付着しない。第2の金属板13の熱伝
導性によりレーザ加工の熱が分散され、金属板9の熱歪
みによる変形が防止される。第2の金属板13を金属板
9から引き剥がして、リードフレーム1を形成する。こ
のとき、エッチングレジスト12により、第2の金属板
13を金属板9から容易に引き剥がすことができ、剥離
によるリードフレーム1の変形が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板の微細加工方法
に関するものであり、特に例えば半導体組み立て部材で
あるリードフレーム等の比較的小さな金属板の微細加工
に有効である金属板の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の高密度実装化がより
一層激しく要求されてきており、このような中でリード
フレームの多ピンが進展してきている。そして現在で
は、リードの数が300ピンを超えるリードフレームも
製造されている。このリードフレームの多ピン化に伴
い、リードフレームのインナーリードのピッチは、従来
では最小で200μm程度であったものが、現在では2
00μmを切るリードフレームが開発されてきている。
このような多ピンでかつファイン(狭)ピッチのリード
フレームを製造する方法として、従来エッチングによる
製造方法が主流となっている。このエッチングによる製
造方法は、従来のスタンピングによる製造方法に比較す
れば多ピン化およびファインピッチ化が容易ではある
が、インナーリードピッチが200μmを切るリードフ
レームを製造する場合、エッチングファクターの低下、
パターン補正の限界、あるいは歩留りの悪化などの種々
の障害が伴うようになる。
【0003】このような状況の中で、エッチングによる
リードフレームの多ピン化およびファインピッチ化を種
々検討すると、これらの多ピン化およびファインピッチ
化に対応することができる一つの手段として、まず加工
基材である金属板を厚さの薄い薄板から形成することが
考えられる。しかしながら、金属板の厚さをあまり薄く
すると強度が不足してしまうので、板厚を薄くするにも
限界がある。
【0004】また、リードフレームの多ピン化およびフ
ァインピッチ化に対応する他の手段として、エッチング
液の添加剤等によるエッチングファクターの向上が考え
られる。しかし、現在、エッチングファクターを効果的
に向上させるまでには至っていない。
【0005】このようにエッチングファクターが向上し
ていないエッチングにより、それほど板厚を薄くするこ
とができない金属板を加工して、300ピン以上の多ピ
ンおよび200μm以下のファインピッチのリードフレ
ームを製造しようとした場合、微細加工がそれほど必要
でないアウターリード部はこのエッチングにより貫通さ
せることができるが、微細加工が必要なインナーリード
部はこのようなエッチングでは貫通させることは難し
い。しかも、仮にインナーリード部が貫通されたとして
も、ワイヤーボンディングやモールドに必要なリードの
平坦幅およびリードの所望の狭ピッチを確保することが
できないという不具合が発生する。
【0006】このため、このエッチングによる製造方法
でも、インナーリードピッチが200μmを切るリード
フレームの多ピン化およびファインピッチ化に確実にか
つ十分に対応することは難しい。
【0007】そこで、本出願人は、インナーリード等の
微細パターンをレーザ加工により形成することにより、
リードフレームの多ピン化およびファインピッチ化に対
応するようにした金属板の加工方法を、特開平4ー37
493号公報において提案している。
【0008】この公報に開示されている金属板の加工方
法は、金属板にエッチング加工を施すとともに、この金
属板のエッチング加工部をレーザ加工によって微細加工
することにより、インナーリード等の微細パターンを形
成するようにしたものである。このレーザ加工を用いる
ことにより、所定の微細加工ができるようになる。
【0009】図5は、この公報の金属板の加工方法によ
り微細加工して製造されたリードフレームを示す図であ
る。これらの図において、1は例えば銅、銅合金、42
アロイ、コバール等の所定厚の金属板からなるQFP(Q
uad Flat Package)タイプのリードフレーム、2は上下
に配置されると共に互いに平行に配置された一対のレー
ル2,2、4は一対のレール2,2の間に配設され、半
導体素子3を搭載するダイパッド、5はダイパッド4を
囲むようにして配設された所定数のインナーリード、6
はインナーリード5に連続するアウターリード、7はダ
イパッド4をレール2,2に支持させるタイバー、8は
レーザ加工の際の金属板の位置決めを行う位置決め用孔
ある。そして、図5に示すリードフレーム1は、レーザ
加工を行う際にレーザビームを全面に照射することによ
り製造されるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この公報に
開示されているレーザ加工においては、レーザビームL
を金属板に照射して金属板をレーザ加工するようになっ
ている。このように金属板をレーザ加工した場合には、
図6に示すようにレーザ加工により金属板9に開口部1
0を形成した場合、金属板9の開口部10の周辺に金属
溶解によるドロス(金属凝集物)11が付着してしまう
という問題がある。そして、このドロス11により、微
細加工品の品質が低下するため、レーザ加工による微細
加工では、このドロス11の問題が完全に解決されなけ
れば、レーザ加工を金属板の微細加工に適用することは
難しい。
【0011】そこで、被加工物である金属板に他の金属
板を1〜2枚重ねた状態でレーザ加工を行ってドロスの
付着を防止する試みがなされている。しかし、リードフ
レーム等の複雑な形状の加工においては、被加工物と他
の金属板とがレーザ加工時の熱でくっついてしまい、レ
ーザ加工後に被加工物と他の金属板とを剥離するときに
被加工物が変形してしまうという問題が生じる。
【0012】更に、レーザ加工時に生じる熱により被加
工物が歪んで変形してしまうという問題もある。このよ
うにレーザ加工によっても、リードフレームの多ピン化
およびファインピッチ化等に必要な金属板の微細加工が
いまだに困難になっている。
【0013】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、レーザ加工時に発生するド
ロスが金属板の加工部に付着するのを確実に防止しかつ
レーザ加工による金属板の変形を確実に防止することに
より、リードフレームの多ピン化およびファインピッチ
化等に必要な金属板の微細加工を高精度にかつ簡単に行
うことのできる金属板の加工方法を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、被加工金属板の一面に、エッ
チングレジストが塗布・成膜された他の金属板を、前記
エッチングレジストが前記被加工金属板の一面に接する
ようにして密着させる工程と、レーザビームを前記被加
工金属板にその他面側から照射することにより前記被加
工金属板を加工するレーザビーム加工工程と、レーザ加
工後に前記エッチングレジストが塗布・成膜された他の
金属板を前記被加工金属板から剥離する工程とからなる
ことを特徴としている。
【0015】また請求項2の発明は、更に前記他の金属
板の剥離後に前記被加工金属板を洗浄する工程を含むこ
とを特徴としている。更に請求項3の発明は、前記レー
ザビームの照射が、前記他の金属板を突き抜けるかまた
は前記他の金属板の途中で止まるように行うことを特徴
としている。
【0016】更に請求項4の発明は、前記他の金属板の
剥離が、前記他の金属板を前記被加工金属板から単純に
剥離する物理的方法およびエッチングレジスト剥離液や
金属エッチング液等の液中に前記被加工金属板と前記他
の金属板とを浸漬させて前記他の金属板を前記被加工金
属板から剥離する化学的方法の少なくとも一方の方法で
行うことを特徴としている。
【0017】更に請求項5の発明は、前記他の金属板
が、Cu板、Cu合金板、Al(アルミ)板、Al(ア
ルミ)合金板、Fe板、Fe合金板、Ni板およびNi
合金板のいずれかであることを特徴としている。
【0018】更に請求項6の発明は、前記エッチングレ
ジストが、カゼイン系、PVA系、環化ゴム系、アクリ
ル系、ノボラック系、ポリイミド系、フィッシュグリュ
ー系、酢酸ビニル系、ゼラチン系および桂皮酸系のいず
れかであることを特徴としている。
【0019】更に請求項7の発明は、前記被加工金属板
が、Fe合金やCu合金等の金属からなる未加工金属
板、ハーフエッチング加工が施されたエッチング加工金
属板、Vグルーブ等のプレス加工等が施された機械加工
金属板、Agめっき等のめっき加工が施された前記エッ
チング加工金属板または前記機械加工金属板、ハーフエ
ッチング加工とVグルーブ等のプレス加工等の機械加工
とが施されたエッチング加工および機械加工金属板、お
よびAgめっき等のめっき加工が施された前記エッチン
グ加工および機械加工金属板のいずれかであることを特
徴としている。
【0020】
【作用】このような構成をした本発明の金属板の加工方
法においては、被加工金属板にエッチングレジストを有
する他の金属板を密着させた状態で、レーザビームを他
の金属板の密着側と反対側か被加工金属板に照射するこ
とにより、レーザ加工が行われる。これにより、レーザ
によって溶解した金属が他の金属板の方へ流動するよう
になるので、ドロスはこの他の金属板に付着して被加工
金属板には付着しない。
【0021】したがって、従来必要であったレーザ加工
時に発生するドロスの除去工程が不要となり、レーザ加
工の加工効率および加工品質を向上させることができ、
リードフレームの多ピン化およびファインピッチ化等に
必要なより一層微細な金属加工が容易にかつ正確にでき
るようになる。しかも、被加工金属板へのドロスの付着
が確実に防止されるので、高品質の微細加工品を容易に
かつ確実に得ることができる。
【0022】また本発明においては、被加工金属板と他
の金属板との間にエッチングレジストが介在するので、
レーザ加工時の熱により被加工金属板と他の金属板とが
くっつくことはない。したがって、被加工金属板と他の
金属板との剥離を容易に行うことができ、他の金属板の
剥離時の被加工金属板の変形が防止されるようになる。
特に、請求項4の発明においては、エッチングレジスト
剥離液や金属エッチング液を使用することにより、被加
工金属板と他の金属板との剥離をより一層容易にかつ効
果的に行うことができ、他の金属板の剥離時の被加工金
属板の変形が確実に防止される。そのうえ、請求項6の
発明においては、エッチングレジストが高い耐熱性と適
度な分子量分布を有するレジストから形成されているた
め、エッチングレジストはレーザ加工中に変質しなく、
被加工金属板と他の金属板との剥離を更に一層容易にか
つ効果的に行うことができ、被加工金属板の変形がより
確実に防止される。
【0023】更に本発明においては、エッチングレジス
トを有する他の金属板が比較的高い熱伝導性を有してい
るため、レーザ加工時にこの他の金属板を被加工金属板
に密着させることにより、レーザ加工中に発生する熱が
他の金属板を通して効果的に分散するようになる。した
がって、レーザ加工により被加工金属板に熱歪みが生じ
ることはなく、この熱歪みによる被加工金属板の変形が
防止される。
【0024】更に請求項5の発明においては、エッチン
グレジストを有する他の金属板が入手が容易でかつ安価
であるため、このような他の金属板を用いてレーザ加工
を行った場合の加工費用が低く抑えられる。
【0025】更に請求項7の発明においては、未加工の
ベタ板からなる被加工金属板に限らず、エッチング加
工、機械加工およびめっき加工等の他の加工が施された
被加工金属板にも、エッチングレジストを有する他の金
属板を密着させることによるレーザ加工が適用される。
特に、リードフレームにおけるインナーリード先端のA
gめっきが施されている部分のようなめっき加工が施さ
れている被加工金属板のレーザ加工においては、めっき
表面の汚染が他の金属板により確実に防止されるので、
めっき表面の汚染に影響されない高品質のレーザ加工品
を確実に得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明に係る金属板の加工方法の第1実施例
を、図5に斜線で示すようなリードフレーム1の全面加
工に適用した場合におけるリードフレーム1の製造工程
を説明する図である。
【0027】リードフレーム1の加工にあたっては、ま
ず図1(a)に示すリードフレーム1の材料である金属
板9の下面に、同図(b)に示すようにエッチングレジ
スト12が塗布・成膜された第2の金属板13を密着さ
せる。このエッチングレジスト12として、カゼイン
系、PVA系、環化ゴム系、アクリル系、ノボラック
系、ポリイミド系、フィッシュグリュー系、酢酸ビニル
系、ゼラチン系および桂皮酸系のいずれかを用いること
ができる。これらのエッチングレジストは、高い耐熱性
と適度な分子量分布を有している。また、第2の金属板
13として、Cu板、Cu合金板、Al(アルミ)板、
Al(アルミ)合金板、Fe板、Fe合金板、Ni板お
よびNi合金板のいずれかを用いることができる。
【0028】次に、同図(c)に示すように金属板9の
レーザ加工部位に、第2の金属板13が密着されない側
の面から、YAGレーザ加工機によるレーザビームLを
照射する。このレーザビームLの照射により、同図
(d)に示すように金属板9、エッチングレジスト12
および第2の金属板13を貫通して開口部10を形成す
る。
【0029】このとき、レーザにより溶解した金属は開
口部10を通って第2の金属板13の下面の方へ流れる
ので、第2の金属板13の下面の開口部10周縁にはド
ロス11が付着するようになるが、金属板9の下面の開
口部10周縁には、ドロスは付着しない。また、第2の
金属板13が比較的高い熱伝導性を有するため、レーザ
加工中に発生する熱がこの第2の金属板13を通して効
果的に分散されるようになる。したがって、レーザ加工
の熱による金属板9の熱歪みが阻止され、金属板9の熱
歪みによる変形が防止される。
【0030】最後に、エッチングレジスト12を有する
第2の金属板13を金属板9から単純に物理的に引き剥
がして、同図(e)に示すようにレーザ加工によりカッ
トされたインナーリード5を有するリードフレーム1を
形成する。このとき、金属板9と第2の金属板13との
間にエッチングレジスト12が介在し、しかもこのエッ
チングレジスト12は高い耐熱性と適度な分子量分布を
有しているためレーザ加工中に変質しなく、レーザ加工
時の熱により金属板9と第2の金属板13とがくっつく
ことはない。したがって、レーザ加工後に第2の金属板
13を金属板9から引き剥がす際、第2の金属板13を
金属板9から容易に引き剥がすことができるようにな
り、剥離によるリードフレーム1の変形を防止すること
ができる。なお、図1(d)〜(e)における第2の金
属板13の剥離工程において、エッチングレジスト剥離
液や金属エッチング液を使用し、これらの液中に金属板
9と第2の金属板13とを浸漬させて剥離を行う化学的
方法を用いることもでき、あるいは物理的方法と化学的
方法とを組み合わせることもできる。これらの方法によ
り、第2の金属板13の剥離をより一層容易に行うこと
ができる。
【0031】実際に、金属板9にCu合金材、エッチン
グレジストにカゼインレジストおよび第2の金属板13
にAl(アルミ)合金製金属板を用いて、この第1実施
例の加工方法でリードフレーム1の加工の試験を行った
結果、ドロス11の付着量はなく、またレーザ加工時の
熱による金属板9の変形および第2のAl合金製金属板
13の剥離時の金属板9の変形もそれぞれ観察されなか
った。なお、この試験における第2のAl合金製金属板
13の剥離は、金属板9および第2のAl合金製金属板
13をエッチングレジスト剥離液に浸漬した化学的方法
と超音波を照射する物理的方法との組合せにより行っ
た。
【0032】図2は本発明に係る金属板の加工方法の第
2実施例を、図5に示すリードフレーム1のインナーリ
ード5の先端カットに適用する場合を説明する図、図3
はこの第2実施例で加工されて形成されたリードフレー
ム1を部分的に示す図、図4はこの第2実施例による製
造工程を説明する図である。
【0033】図2に示すように、リードフレーム1のイ
ンナーリード5の先端部のレーザ加工部位を本第2実施
例のレーザ加工によりカットすることにより、図3に示
す先端カットされたインナーリード5を有するリードフ
レーム1が形成される。なお、このリードフレーム1に
おけるインナーリード5の先端部の下面には、図4
(a)に示すようにAgめっき14が施されている。
【0034】インナーリード5の先端カットにあたって
は、まず下面にAgめっき14が施された金属板9に、
図4(b)に示すようにエッチングレジスト12が塗布
・成膜された第2の金属板13を、金属板9の下方から
密着させる。このとき、エッチングレジスト12がAg
めっき14に密着するようにする。次に第1実施例と同
様、同図(c)に示すように金属板9のレーザ加工部位
に、第2の金属板13が密着されない側の面からレーザ
ビームLを照射して、同図(d)に示すように金属板
9、Agめっき14、エッチングレジスト12および第
2の金属板13を貫通して開口部10を形成する。
【0035】このとき、前述の第1実施例と同様にレー
ザにより溶解した金属は開口部10を通って第2の金属
板13の下面の方へ流れるので、ドロス11は第2の金
属板13の下面の開口部10周縁に付着するが、金属板
9のAgめっき14の下面の開口部10周縁には付着し
ない。また、第1実施例と同様にレーザ加工中に発生す
る熱がこの第2の金属板13を通して効果的に分散され
るので、金属板9の熱歪みによる変形が防止される。
【0036】最後に、エッチングレジスト12を有する
第2の金属板13を金属板9から単純に物理的に引き剥
がして、同図(e)に示すようにレーザ加工により先端
カットされたインナーリード5を有するリードフレーム
1を形成する。このとき、第1実施例と同様にレーザ加
工時の熱により金属板9およびAgめっき14と第2の
金属板13とがくっつくことはなく、レーザ加工後に第
2の金属板13を金属板9から容易に引き剥がすことが
でき、剥離によるリードフレーム1の変形を防止するこ
とができる。なお、第1実施例と同様に図4(d)〜
(e)における第2の金属板13の剥離工程において、
例えば、10%程度の水酸化カリウム水溶液中への浸漬
や20%程度の塩化第二鉄水溶液への浸漬といった化学
的方法あるいは物理的方法と化学的方法との組合せによ
り、第2の金属板13の剥離を行うようにすることもで
きる。
【0037】また、レーザ加工時に金属板9のAgめっ
き14面がエッチングレジスト12に密着されることか
ら、レーザ加工によりAgめっき14面が汚染されるこ
とも防止される。
【0038】実際に、Agめっき14を有する金属板9
に42合金材(42%Ni−Fe)、エッチングレジス
トにカゼインレジストおよび第2の金属板13にCu合
金製金属板を用いて、この第2実施例の加工方法でリー
ドフレーム1の加工の試験を行った結果、ドロス11の
付着量はなく、またレーザ加工時の熱による金属板9の
変形、第2のCu合金製金属板13の剥離時の金属板9
の変形およびAgめっき14面の汚染もそれぞれ観察さ
れなかった。なお、この試験における第2のCu合金製
金属板13の剥離は、第2のCu合金製金属板13を金
属板9から単に剥がすという物理的方法のみで行った。
【0039】なお、前述の各実施例では、被加工金属板
である金属板9が何等加工されない未加工金属板として
説明しているが、本発明は、例えば前述の公報に開示さ
れているようなハーフエッチング加工が施されたエッチ
ング加工金属板、プレス加工によりVグルーブが形成さ
れた機械加工金属板、更にAgめっき等のめっき加工が
施されたエッチング加工金属板、更にAgめっき等のめ
っき加工が施された機械加工金属板、ハーフエッチング
加工と機械加工とがともに施されたエッチング加工およ
び機械加工金属板、および更にAgめっき等のめっき加
工が施された前記エッチング加工および機械加工金属板
のいずれの金属板にも適用することができる。
【0040】また、前述の各実施例では、レーザビーム
Lは第2の金属板13を突き抜けるようにしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、レーザビーム
Lを第2の金属板13の途中で止めるようにすることも
できる。このようにすれば、開口部10が第2の金属板
13を貫通しないので、レーザで溶解した金属は第2の
金属板13内に溜まり、第2の金属板13の表面に付着
するようなことはない。
【0041】更に、第2の金属板13の剥離後に金属板
9を洗浄するようにすれば、レーザ加工後の金属板9の
面およびめっき面の汚染が確実の除去され、より一層高
品質のレーザ加工品が得られるようになる。
【0042】更に、レーザ加工に使用するレーザビーム
として、前述の各実施例で使用されたYAGレーザに代
えて、CO2レーザあるいはエキシマレーザ等の他のレ
ーザを使用することもできる。また、レーザ加工にアシ
ストガスを併用することにより、レーザ加工の品質ある
いは加工速度を向上させることができる。
【0043】更に、第2の金属板13を剥離するために
使用されるエッチングレジスト除去液や金属エッチング
液は、それぞれ前述のエッチングレジスト除去液や金属
エッチング液の他に、金属板の材質に応じた適宜のエッ
チング液、レジストの材質に応じた適宜のエッチングレ
ジスト除去液を使用できることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の金属板の加工方法によれば、被加工金属板にエッチン
グレジストを有する他の金属板を密着させた状態で、レ
ーザ加工を行うようにしているので、ドロスは他の金属
板に付着するようになり、被加工金属板へのドロスの付
着を防止することができる。したがって、従来必要であ
ったレーザ加工時に発生するドロスの除去工程が不要と
なり、工程数および加工費用をともに削減することがで
き、しかも加工の高品質化が可能となる。これにより、
リードフレームの多ピン化およびファインピッチ化等に
必要なより一層微細な金属加工が容易にかつ正確にでき
るとともに、レーザ加工の適用範囲を拡大することがで
きる。そのうえ、従来金属板の微細加工に行われていた
エッチング加工およびプレス加工が不要となるので、こ
のエッチング加工において必要であったフォトマスクの
作製やプレス加工で必要であった金型の作製が不要とな
り、加工日数の削減と初期に必要な費用の削減が可能と
なる。更に、被加工金属板へのドロスの付着が確実に防
止されることから、高品質の微細加工品を容易にかつ確
実に得ることができるようになる。
【0045】また本発明によれば、被加工金属板と他の
金属板との間に介在するエッチングレジストにより、被
加工金属板と他の金属板との剥離を容易に行うことがで
きる。これにより、他の金属板の剥離時の被加工金属板
の変形を確実に防止することができる。特に、請求項4
の発明によれば、他の金属板の剥離工程において物理的
方法に加えてエッチングレジスト剥離液や金属エッチン
グ液を使用した化学的方法を使用するので、被加工金属
板と他の金属板との剥離をより一層容易にかつ効果的に
行うことができ、他の金属板の剥離時の被加工金属板の
変形を確実に防止することができる。しかも、物理的方
法と化学的方法とを使用することができることから、被
加工金属板の形態や材質に合わせた最適な剥離方法を採
ることができる。そのうえ、請求項6の発明によれば、
エッチングレジストを高い耐熱性と適度な分子量分布を
有する樹脂から形成しているので、レーザ加工中にエッ
チングレジストの変質が生じなく、被加工金属板と他の
金属板との剥離を更に一層容易にかつ効果的に行うこと
ができ、被加工金属板の変形をより確実に防止できる。
【0046】更に本発明によれば、エッチングレジスト
を有する他の金属板が比較的高い熱伝導性を有している
ため、レーザ加工中に発生する熱が他の金属板を通して
効果的に分散し、レーザ加工時の熱の放散性が向上す
る。したがって、レーザ加工による被加工金属板の熱歪
みを阻止でき、熱歪みによる被加工金属板の変形を防止
することができる。
【0047】更に請求項5の発明によれば、エッチング
レジストを有する他の金属板が入手が容易でかつ安価で
あるため、このような他の金属板を用いてレーザ加工を
行った場合の加工費用を低く抑えることができる。
【0048】更に請求項7の発明によれば、金属板の未
加工品あるいはエッチング加工、機械加工およびめっき
加工等の他の加工が施された既加工品にも、本発明によ
るレーザ加工を容易に適用することができる。特に、リ
ードフレームにおけるインナーリード先端のAgめっき
が施されている部分のようなめっき加工が施されている
被加工金属板のレーザ加工においては、めっき表面の汚
染が他の金属板により確実に防止されるので、めっき表
面の汚染に影響されない高品質のレーザ加工品を確実に
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る金属板の加工方法の第1実施
例、図5に示すリードフレームの加工に適用する場合を
説明する図である。
【図2】 本発明の第2実施例を、図5に示すリードフ
レームのインナーリードの先端カットに適用する場合を
説明する図である。
【図3】 第2実施例で加工されて形成されたリードフ
レーム1を部分的に示す図である。
【図4】 第2実施例による金属板の加工工程を説明す
る図である。
【図5】 本発明の第1および第2実施例により加工製
造される従来のQFP型リードフレームを示す平面図で
ある。
【図6】 従来のレーザ加工による金属板の加工方法を
示す図である。
【符号の説明】 1…リードフレーム、4…ダイパッド、5…インナーリ
ード、6…アウターリード、8…位置決め孔、9…金属
板(被加工金属板)、10…開口部、11…ドロス、1
2…エッチングレジスト、13…第2の金属板(他の金
属板)、14…Agめっき、L…レーザビーム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工金属板の一面に、エッチングレジ
    ストが塗布・成膜された他の金属板を、前記エッチング
    レジストが前記被加工金属板の一面に接するようにして
    密着させる工程と、レーザビームを前記被加工金属板に
    その他面側から照射することにより前記被加工金属板を
    加工するレーザビーム加工工程と、レーザ加工後に前記
    エッチングレジストが塗布・成膜された他の金属板を前
    記被加工金属板から剥離する工程とからなることを特徴
    とする金属板の加工方法。
  2. 【請求項2】 更に前記他の金属板の剥離後に前記被加
    工金属板を洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項
    1記載の金属板の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザビームの照射は、前記他の金
    属板を突き抜けるかまたは前記他の金属板の途中で止ま
    るように行うことを特徴とする請求項1または2記載の
    金属板の加工方法。
  4. 【請求項4】 前記他の金属板の剥離は、前記他の金属
    板を前記被加工金属板から単純に剥離する物理的方法お
    よびエッチングレジスト剥離液や金属エッチング液等の
    液中に前記被加工金属板と前記他の金属板とを浸漬させ
    て前記他の金属板を前記被加工金属板から剥離する化学
    的方法の少なくとも一方の方法で行うことを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1記載の金属板の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 前記他の金属板は、Cu板、Cu合金
    板、Al(アルミ)板、Al(アルミ)合金板、Fe
    板、Fe合金板、Ni板およびNi合金板のいずれかで
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記
    載の金属板の加工方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチングレジストは、カゼイン
    系、PVA系、環化ゴム系、アクリル系、ノボラック
    系、ポリイミド系、フィッシュグリュー系、酢酸ビニル
    系、ゼラチン系および桂皮酸系のいずれかであることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の金属板
    の加工方法。
  7. 【請求項7】 前記被加工金属板は、Fe合金やCu合
    金等の金属からなる未加工金属板、ハーフエッチング加
    工が施されたエッチング加工金属板、Vグルーブ等のプ
    レス加工等が施された機械加工金属板、Agめっき等の
    めっき加工が施された前記エッチング加工金属板または
    前記機械加工金属板、ハーフエッチング加工とVグルー
    ブ等のプレス加工等の機械加工とが施されたエッチング
    加工および機械加工金属板、およびAgめっき等のめっ
    き加工が施された前記エッチング加工および機械加工金
    属板のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1記載の金属板の加工方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998020531A2 (en) * 1996-11-08 1998-05-14 W.L. Gore & Associates, Inc. Method for forming a through-via in a laminated substrate

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998020531A2 (en) * 1996-11-08 1998-05-14 W.L. Gore & Associates, Inc. Method for forming a through-via in a laminated substrate
WO1998020531A3 (en) * 1996-11-08 1998-10-22 Gore & Ass Method for forming a through-via in a laminated substrate

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