JPH07323383A - 金属板の加工方法及びリードフレームの加工方法並びにリードフレーム - Google Patents

金属板の加工方法及びリードフレームの加工方法並びにリードフレーム

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JPH07323383A
JPH07323383A JP6122526A JP12252694A JPH07323383A JP H07323383 A JPH07323383 A JP H07323383A JP 6122526 A JP6122526 A JP 6122526A JP 12252694 A JP12252694 A JP 12252694A JP H07323383 A JPH07323383 A JP H07323383A
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JP
Japan
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metal plate
dross
spatter
processing
lead frame
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JP6122526A
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Yoshiyuki Uno
義幸 宇野
Nobuhiko Tada
信彦 多田
Kojiro Ogata
浩二郎 緒方
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/481Disposition
    • H01L2224/48151Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
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    • HELECTRICITY
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/181Encapsulation

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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザ加工する際に生じるドロスやスパッタを
除去すると共に、熱変形や残留熱歪みを除去し、微細か
つ高精度な加工を行うことができる金属板の加工方法及
びリードフレームの加工方法並びにリードフレームを提
供する。 【構成】金属板1にレーザ加工によって所定の間隙3を
形成し、その後、金属板1に元の板厚よりも若干薄くな
るようにスキンパス圧延を施す。これにより、ドロス5
やスパッタ6が折り倒され、押し潰され、剥がれ易いも
のが剥がれ落ち、残留したものは金属板1との間に剪断
破壊が生じて付着強度が大幅に低下する。この結果、ド
ロス5やスパッタ6は容易に除去し易い状態となる。さ
らに、このスキンパス圧延により、熱変形や残留熱ひず
みが矯正、除去される。その後、押し潰されたドロス5
やスパッタ6は、エッチング処理によって除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定形状の間隙を形成
する金属板の加工方法に係わり、特に、レーザ光を利用
して微細かつ高精度な加工を行うことが可能な金属板の
加工方法及びリードフレームの加工方法並びにリードフ
レームに関する。
【0002】
【従来の技術】薄い金属板に微細な間隙を形成するため
に用いられる加工方法として、レーザ光を利用したレー
ザ加工方法がある。レーザ加工方法は、集光レンズによ
って集光したレーザ光を金属板表面に照射し、その部分
を局部的かつ瞬間的に溶融させ、金属板に適宜貫通穴を
形成する方法であり、この貫通穴を順次連続的に形成す
ることによって所定形状の間隙が形成される。このよう
なレーザ加工方法によれば、金属板の板厚よりも狭い幅
の間隙を形成することが可能である。
【0003】例えば、薄い金属板に所定の形状の間隙を
形成したものとして、半導体装置に使用されるリードフ
レームがある。このリードフレームは、半導体チップの
各端子と接続される多数のリード(インナーリード及び
アウターリード)や半導体チップを載置するダイパッド
等の形状に基づいて間隙が形成されたものである。最近
では半導体装置の小型化や高性能化に伴ってこのリード
フレームをさらに多ピンかつ狭ピッチ、即ち極めて微細
に加工することが要求されてきており、従来のプレス加
工やエッチング加工では技術的に対応できなくなってき
たため、金属板の板厚よりも狭い幅の加工が可能なレー
ザ加工の特徴を活かしこれを利用して微細加工を行う試
みがなされている。
【0004】このような試みとして、例えば、特開平2
−247089号公報や特開平3−123063号公報
に開示されているように、インナーリードの内方の狭ピ
ッチ部分をレーザ加工によって加工し、アウターリード
等の狭ピッチでない部分を従来のプレスまたはエッチン
グにより加工する方式が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
加工は熱加工であるため、レーザ光の照射に伴なって生
じた溶融金属が金属板の切断側壁の周辺に付着し、ドロ
スやスパッタとなる。これらドロスやスパッタと金属板
とはあまり強固に付着していないが、一部で合金層を形
成している場合があり、完全に除去することは困難であ
る。また、薄い金属板は剛性が低いため、素材の金属板
に何らの変形をも与えることなくドロスやスパッタを除
去することは非常に困難である。このようなドロスやス
パッタが付着すると、所望の寸法精度や良好な加工形状
を確保できなくなる。特に、リードフレームの場合には
ドロスがリード間の短絡、半導体装置の欠陥、及び製造
装置の故障の原因となる。
【0006】また、レーザ加工によれば、被加工物であ
る金属板が局部的に加熱されるため、熱変形や残留熱歪
みが生じる。熱変形は寸法精度や加工形状を悪化させ、
また、残留熱歪みがある場合には、加工後の経時変化や
メッキ処理等の加熱によって次第に残留熱歪みが解放さ
れて不規則な変形が起こり、寸法精度や加工形状がさら
に悪化する。特に、リードフレーム等のような薄い金属
板を用いるものの場合には、上記のような熱変形や残留
熱歪みを無視できず大きな障害となる。
【0007】本発明の目的は、レーザ加工する際に生じ
るドロスやスパッタを除去すると共に、熱変形や残留熱
歪みを除去し、微細かつ高精度な加工を行うことができ
る金属板の加工方法及びリードフレームの加工方法並び
にリードフレームを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、金属板に所定形状の間隙を形成す
る金属板の加工方法において、前記金属板にレーザ光を
照射してその金属板を貫通する間隙を形成する第1の工
程と、その間隙を形成した金属板をスキンパス圧延して
前記レーザ光の照射により生じたドロス及びスパッタを
押し潰す第2の工程と、前記スキンパス圧延により押し
潰されたドロス及びスパッタを除去する第3の工程とを
有することを特徴とする金属板の加工方法が提供され
る。
【0009】上記金属板の加工方法において、好ましく
は、ドロス及びスパッタを除去する第3の工程はエッチ
ング処理である。
【0010】また、好ましくは、第1の工程におけるレ
ーザ光の照射を行う前に、金属板表面にその金属板より
も軟質の金属を被覆する第4の工程をさらに有する。
【0011】上記目的を達成するため、本発明によれ
ば、半導体チップの各端子と接続される多数のリードを
有するリードフレームを金属板から形成するリードフレ
ームの加工方法において、前記金属板にレーザ光を照射
しリードフレームの形状に基づいてその金属板を貫通す
る間隙を形成する第1の工程と、その間隙を形成した金
属板をスキンパス圧延して前記レーザ光の照射により生
じたドロス及びスパッタを押し潰す第2の工程と、前記
スキンパス圧延により押し潰されたドロス及びスパッタ
を除去する第3の工程とを有することを特徴とするリー
ドフレームの加工方法が提供される。
【0012】上記リードフレームの加工方法において、
好ましくは、ドロス及びスパッタを除去する第3の工程
はエッチング処理である。
【0013】また、好ましくは、第1の工程におけるレ
ーザ光の照射を行う前に、金属板表面にその金属板より
も軟質の金属を被覆する第4の工程をさらに有する。
【0014】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のようなリードフレームの加工方法により
加工されたリードフレームが提供される。
【0015】
【作用】上記のように構成した本発明においては、ま
ず、金属板にレーザ光が照射され、所定形状の間隙が形
成される。即ち、レーザ光照射による入熱により金属板
に貫通穴が形成され、この貫通穴を順次連続的に形成す
ることによって金属板を貫通する所定形状の間隙が形成
される。このようなレーザ加工方法によれば、前述のよ
うに金属板の板厚よりも狭い幅の間隙を形成することも
可能である。この時、前述のようにレーザ光の照射に伴
なって生じた溶融金属が金属板の切断側壁の周辺に付着
し、ドロスやスパッタとなる。これらドロスやスパッタ
と金属板とはあまり強固に付着していないが、一部で合
金層を形成している場合があり、従来は完全に除去する
ことは困難であった。
【0016】本発明では、上記のような間隙を形成した
金属板にスキンパス圧延が施される。このスキンパス圧
延は、元の板厚の2〜10%程度圧延し、金属板表面付
近に残留圧縮ひずみを付与することによって、その後の
金属板の変形を避ける方法としてよく知られた圧延方法
である。ドロスやスパッタは金属板表面に局部的かつ突
起状に付着しているため、金属板を元の板厚より若干薄
くなるように、例えば元の板厚の90〜98%程度にな
るようにスキンパス圧延することによって、ドロスやス
パッタが選択的に折り倒され、押し潰される。そして、
押し潰されたドロスやスパッタのうち剥がれ易いものは
この段階で金属板表面より剥がれ落ち、それ以外のもの
は金属板表面に凹部を形成しつつ押し込まれる。この
時、押し込まれたドロスやスパッタと金属板との間に剪
断破壊が起こり、一部合金層を形成している界面に隙間
が生じる。これにより、ドロスやスパッタと金属板との
付着強度は大幅に低下し、容易に除去し易い状態とな
る。このスキンパス圧延は、ドロスやスパッタが金属板
と合金層を形成するなどして強固に付着している場合に
も有効であり、付着強度を大幅に低下させて容易に除去
し易い状態にすることができる。
【0017】さらに、スキンパス圧延によって押し潰さ
れたドロスやスパッタは上記のように容易に除去し易い
状態となっているため、これらは次の工程において金属
板に何らの変形も与えることなく容易に除去することが
可能である。
【0018】また、レーザ加工は熱加工であるため、金
属板が局部的に加熱され熱変形や残留熱歪みが生じる。
熱変形は寸法精度や加工形状を悪化させ、また、残留熱
歪みがある場合には、加工後の経時変化やメッキ処理等
の加熱によって次第に残留熱歪みが解放されて不規則な
変形が起こり、寸法精度や加工形状がさらに悪化するこ
とになる。特に、薄い金属板を用いた場合にその影響が
著しい。本発明では、スキンパス圧延を行うことによ
り、熱変形や残留熱ひずみが矯正、除去され、上記のよ
うな不具合を解決することもできる。
【0019】以上のように、本発明においては、レーザ
加工する際に生じるドロスやスパッタを除去することが
可能であると共に、熱変形や残留熱歪みを除去可能であ
り、従って微細かつ高精度な加工を行うことができる。
【0020】上記押し潰されたドロスやスパッタを、非
接触の処理方法であるエッチング処理を利用して除去す
ることにより、金属板に何らの変形も与えることがなく
容易に後処理を行うことができる。この場合、わずかな
エッチング処理を行うだけでドロスやスパッタは容易に
除去され、肉やせ等の金属板に与えるエッチング処理の
影響を抑えことができる。さらに、切断側壁表面の酸化
膜の除去や表面の凹凸形状の矯正なども可能であり、一
層の高品質な製品を得ることが可能である。
【0021】また、レーザ光の照射を行う前に、金属板
表面にその金属板よりも軟質の金属を被覆することによ
り、レーザ加工によって生じたドロスやスパッタは金属
板表面に付着しにくくなる。一方、依然として金属板に
残留したドロスやスパッタは上記軟質の金属より突出し
て付着する。この状態でスキンパス圧延を行うと、ドロ
スやスパッタは選択的に折り倒され、押し潰されると共
に、押し潰されたドロスやスパッタの一部は剥がれ落ち
る。また、それ以外のドロスやスパッタは軟質の金属中
に押し込まれその一部はさらに押し潰されて軟質の金属
中に散在する。軟質の金属中に押し込まれたり金属中に
散在したドロスやスパッタは、例えばエッチング処理等
の適宜の後処理によって軟質の金属と共に容易に除去す
ることが可能である。
【0022】また、レーザ加工後にスキンパス圧延して
ドロスを押し潰し、それを除去する上記のような加工方
法は、金属板を微細かつ高精度に加工することが可能で
あるため、微細で高精度の寸法及び形状を要求されるリ
ードフレームを金属板から形成するのに好適である。特
に、上記のような加工方法は、最近要求されてきている
多ピンで狭ピッチのインナーリードを有するリードフレ
ームを加工する際に有利である。
【0023】
【実施例】本発明による金属板の加工方法について、図
1から図6を参照しながら説明する。
【0024】図1は本実施例の金属板の加工方法により
加工される金属板の断面図であり、図2はその加工工程
を示すフローチャートである。まず、図2のステップS
1において、加工準備が行われる。即ち、コイル状に巻
かれた帯状の金属板がレベラにかけられ、巻きぐせが取
り除かれる。続いて、その金属板の表面が洗浄され、汚
れや油分等が除かれる。上記のように素材としてコイル
状に巻かれた帯状の金属板を使用することにより、これ
を巻き出して多数の製品を連続的に加工することができ
るため、大量生産を実現することができる。さらに、大
量生産によって低コスト化を実現することもできる。
【0025】次に、ステップS2において、前処理が行
われる。即ち、図1(a)に示すように、スパッタ防止
剤が金属板1の両面に塗付されスパッタ防止膜2が形成
される。このスパッタ防止膜2としてはカーボン粉末に
接着剤等を混入したものが用いられ、容易に金属板1か
ら除去できる。但し、スパッタ防止膜2としてはこれ以
外のよく知られた材質のものでもよく、例えば、上記の
ようなカーボン粉末以外のカーボン系のものや、油脂系
のもの、水和剤系のもの等を用いてもよい。
【0026】次に、ステップS3において、レーザ加工
が行われる。この時使用されるレーザ光を発生するレー
ザ加工装置としては、従来から知られている一般的なも
のが用いられる。このようなレーザ加工装置の光学系の
一例を図3に示す。
【0027】図3において、レーザ発振器101で発生
したレーザ光102は、加工ヘッド103内に設けられ
たベンディングミラー104に入射し、金属板1の方向
へ誘導される。そして、レーザ光102はノズル105
内にある集光レンズ106に入射し、加工を可能にする
所要のエネルギ密度を有するように十分に集光され、ノ
ズル105の先端から金属板1の加工位置Aに照射され
る。また、ノズル105にはアシストガス供給口107
が設けられており、ノズル先端からこのアシストガスが
上記レーザ光102を包み込むように同軸的に噴出され
る。
【0028】本発明者の実験によれば、YAGレーザを
用いて、例えば板厚0.2〜1.0mmのステンレス板
上に絶対位置精度±0.005mm、切断幅0.05m
m以下の間隙を適宜に形成することは非常に容易であっ
た。従って、本実施例のように薄い金属板を微細かつ正
確に切欠くためには、YAGレーザが最適である。ま
た、例えば、プリント基板のハンダ印刷用マスクのよう
に、600mm×1,000mm程度の比較的大きな面
積の薄板金属板上に、絶対位置精度±0.01mm以
下、切断幅の寸法誤差許容値±0.005mm以下の加
工を施し、しかも切断溝断面の形状精度が要求される加
工を行う場合にも、YAGレーザが最も適している。
【0029】図2のステップS3においては、まず、上
記のようなレーザ加工装置において、レーザ光102の
発振周期やエネルギ密度、集光レンズ106の焦点位
置、アシストガスの圧力、加工位置等の諸条件が設定さ
れ、レーザ加工装置の準備が行われる。
【0030】続いて上記レーザ加工装置によって金属板
1にレーザ加工が施される。図4は、この時のレーザ加
工される金属板の断面を概念的に示した図である。図4
において、レーザ光102は充分な熱エネルギを供給で
きるように集光レンズ106で集光されており、金属板
1表面の照射された部分が溶融し、これが熱源となって
この溶融が表面から順次深さ方向に向って進行し、やが
て金属板1を貫通し貫通穴3aが形成される。また、レ
ーザ光102は極めて小さく集光できるので、貫通穴3
aの幅も極めて狭くすることができる。また、レーザ光
照射による入熱によってスパッタ防止膜2も影響を受
け、貫通穴3aよりも若干大きな開口部4が形成され
る。上記のような状態で金属板1またはレーザ光202
の照射位置を移動させることにより、貫通穴3aは順次
連続的に形成され、所定形状の間隙3(図1(b)参
照)が形成される。
【0031】また、レーザ光照射によって発生した溶融
金属はほとんどが金属板1の裏面から落下するが、一部
分の残留した溶融金属はそのまま凝固して、図1(b)
に示すようにドロス5となる。また、溶融金属の一部は
飛び散り金属板1のスパッタ防止膜2の表面に付着して
スパッタ6となる。さらにそのスパッタ6の一部はスパ
ッタ防止膜2を損傷させて貫通し、金属板1の表面に直
接付着する。これらドロス5やスパッタ6は熱加工であ
るレーザ加工に特有のものであり、これらが金属板1に
付着すると、所望の寸法精度や良好な加工形状を確保で
きなくなる。特に、前述のプリント基板のハンダ印刷用
マスクやリードフレーム等のように微細かつ高精度な加
工が要求される場合にはドロスやスパッタの付着による
影響は著しい。また、ドロス5やスパッタ6は金属板1
とはあまり強固に付着していないが、一部で合金層を形
成している場合があり、従来、完全に除去することは困
難であった。しかし、本実施例では、これらドロス5や
スパッタ6は後述するようにスキンパス圧延やエッチン
グ処理により除去される。
【0032】尚、防蝕成分を添加した水をレーザ加工中
に噴霧し、レーザ加工部を急速冷却することによって、
ドロス5やスパッタ6の付着を抑制することも有効であ
る。
【0033】さらに、上記のようなレーザ加工によれ
ば、被加工物である金属板1が局部的に加熱されるた
め、熱変形や残留熱歪みが生じる。熱変形は寸法精度や
加工形状を悪化させる。また、残留熱歪みがある場合に
は、加工後の経時変化やメッキ処理等の加熱によって次
第に残留熱歪みが解放されて不規則な変形が起こり、寸
法精度や加工形状がさらに悪化する。特に、前述のプリ
ント基板のハンダ印刷用マスクやリードフレーム等のよ
うな薄い金属板を用いるものの場合には、上記のような
熱変形や残留熱歪みを無視できず大きな障害となる。し
かし、本実施例では、これらの熱変形や残留熱歪みは後
述するようにスキンパス圧延により除去される。
【0034】次に、図2のステップS4において、異物
除去が行われる。即ち、金属板1にブラッシング等が施
され、スパッタ6のうち、スパッタ防止膜2の表面に付
着したものや落ち易いものがスパッタ防止膜2と共に比
較的容易に除去され、その他のほこり等も同時に除去さ
れる。また、スパッタ防止膜2によってドロス5の付着
もある程度抑制され、一部のドロスは落ち易い状態とな
ってこのステップS4において除去される(但し、図示
は省略した)。そして、金属板1の表面が洗浄され、乾
燥される。但し、金属板1の表面に直接付着しているス
パッタ6のうち比較的強固に付着しているものは依然除
去されず付着したままである。このステップS4が完了
した状態の断面図を図1(c)に示す。
【0035】次に、図2のステップS5において、スキ
ンパス圧延が行われる。このスキンパス圧延は、金属板
表面付近に残留圧縮ひずみを付与することによって、そ
の後の金属板の変形を避ける方法としてよく知られた圧
延方法であり、これにより、金属板1は元の板厚よりも
若干薄くなるように、即ち2〜10%程度圧延される。
【0036】ここで、前述したドロス5やスパッタ6
は、図5(a)や図6(a)に示すように金属板1表面
に局部的かつ突起状に付着しているため、金属板1を上
記のようにスキンパス圧延し圧延ロール間で挾圧するこ
とによって、ドロスやスパッタが選択的に折り倒され、
押し潰される。そして、押し潰されたドロス5やスパッ
タ6のうち剥がれ易いものはこの段階で金属板1表面よ
り剥がれ落ち、それ以外のものは図5(b)や図6
(b)に示すように金属板1表面に凹部5a,6aを形
成しつつ押し込まれる。この時、押し込まれたドロス5
やスパッタ6と金属板1の凹部5a,6aとの間に剪断
破壊が起こり、一部合金層を形成している界面に隙間5
b,6bが生じ、半分浮いたような状態となる。これに
より、ドロス5やスパッタ6と金属板1との付着強度は
大幅に低下し、容易に除去し易い状態となる。このスキ
ンパス圧延は、ドロス5やスパッタ6が金属板1と合金
層を形成するなどして強固に付着している場合にも有効
であり、付着強度を大幅に低下させて容易に除去し易い
状態にすることができる。
【0037】また、前述のように、レーザ加工は熱加工
であるため金属板1が局部的に加熱され熱変形や残留熱
歪みが生じるが、上記のようなスキンパス圧延を行うこ
とにより、熱変形や残留熱ひずみが矯正、除去され、寸
法精度や加工形状の悪化等の不具合を解決することもで
きる。上記ステップS5のスキンパス圧延が完了した状
態の断面図を図1(d)に示す。
【0038】但し、このスキンパス圧延によって金属板
1の板厚は減少するため、素材となる金属板1と製品の
最終板厚との関係をスキンパス圧延による板厚の減少を
考慮して予め設定しておく。
【0039】次に、図2のステップS6において、後処
理としてのエッチング処理が行われる。この場合、ステ
ップS5のスキンパス圧延によって押し潰されたドロス
5やスパッタ6は図5及び図6のように容易に除去し易
い状態となっているため、わずかなエッチング処理を行
うだけで容易に除去される。従って、肉やせ等の金属板
1に与えるエッチング処理の影響を抑えことができると
共に、非接触の処理方法であるエッチング処理を利用す
るため、金属板に何らの変形も与えることがなく容易に
後処理を行うことができる。さらに、切断側壁表面の酸
化膜の除去や表面の凹凸形状の矯正なども可能であり、
一層の高品質な製品を得ることが可能である。上記ステ
ップS6の後処理、即ちエッチング処理が完了した状態
の断面図を図1(e)に示す。
【0040】ここで、金属板1表面のドロス5やスパッ
タ6が存在していた場所には凹部5c,6cが残るが、
これらの凹部5c,6cは極わずかなものであり、最終
的な製品の形状にはほとんど影響ない。また、レーザ加
工によって形成された間隙3の側壁部分や表面及び裏面
付近の端部にはエッチング処理によってだれが生じるが
これもほとんど問題ない。
【0041】エッチング処理によってドロス5やスパッ
タ6の除去が完了した金属板1は洗浄され、乾燥され
る。
【0042】次に、ステップS7において、加工品の加
工形状が検査され、金属板の加工が完了する。
【0043】上記においては、ステップS2の前処理で
金属板1の両面にスパッタ防止膜2を形成することによ
りドロスやスパッタの付着を抑制しが、これ以外の適当
な処理を金属板1表面に施すことによりドロスやスパッ
タの付着を抑制してもよい。例えば、金属板1表面に酸
化、窒化、硫化、酸窒化などの表面改質処理を施すこと
により、レーザ加工中にドロスやスパッタが金属板1に
付着しにくくなり、付着したとしてもレーザ加工後のス
パッタやドロスの除去が容易になる。一方、レーザ加工
工程自体にはほとんど影響を与えない。
【0044】また、金属板1表面に合成樹脂等の有機質
膜やシリコン系、セラミック系等の無機質膜を被覆する
ことによっても、ドロスやスパッタが金属板1に付着し
にくくなり、付着したとしてもレーザ加工後のドロスや
スパッタの除去が容易になる。このうち、金属板1に有
機質膜が被覆されている場合には、ドロスやスパッタが
生じるとその保有熱によって有機質膜が分解或いは燃焼
し、金属板1との界面の温度を下げると共に、例えば炭
素等の分解物質が金属板1との間に介在し、ドロスやス
パッタの付着が抑制される。また、金属板1に無機質膜
が被覆されている場合には、ドロスやスパッタの温度よ
りも無機質膜の分解温度の方が高いため、無機質膜は分
解せず金属板1とドロスやスパッタとの間に介在するこ
とになり、やはりドロスやスパッタの付着が抑制され
る。
【0045】上記のような表面改質処理や有機質膜或い
は無機質膜の被覆等の前処理によるドロスやスパッタの
付着抑制効果をより高めるため、これらの前処理と前述
のステップS2におけるスパッタ防止膜2の形成とを併
用することが望ましい。
【0046】さらに、金属板1表面を、微小粒状体を吹
き付けるショットブラスト法を応用した方法によって予
め処理しておき、表面にミクロな凹凸を付与しておくこ
とによっても、ドロスやスパッタの付着をある程度抑え
ることが可能である。
【0047】また、上記においては、ステップS6の後
処理としてエッチング処理を行ったが、それ以外の簡易
な除去方法、例えば、円筒状またはディスク状のワイヤ
ブラシを用いてブラッシングする方法や、微小粒状体を
吹き付けるショットブラスト法を応用した方法や、高圧
の水流を吹き付ける方法や、ベンディングローラ群に金
属板を通してレベリング処理を行う方法等によっても容
易に除去することができる。
【0048】以上のような本実施例によれば、レーザ加
工によって所定の間隙3を形成した金属板1に元の板厚
よりも若干薄くなるようにスキンパス圧延を施すので、
ドロス5やスパッタ6を折り倒し、押し潰し、そのうち
剥がれ易いものを金属板1表面より剥ぎ落とすことがで
きる。また、残留したドロス5やスパッタ6と金属板1
との間に剪断破壊を起こさせ、金属板1との付着強度を
大幅に低下させ、容易に除去し易い状態とすることがで
きる。また、ドロス5やスパッタ6が金属板1と強固に
付着している場合にもこれらを容易に除去し易い状態に
することができる。さらに、このスキンパス圧延によ
り、熱変形や残留熱ひずみを矯正、除去することがで
き、寸法精度や加工形状の悪化等の不具合を解決するこ
ともできる。
【0049】また、押し潰されたドロス5やスパッタ6
を、非接触の処理方法であるエッチング処理を利用して
除去するので、金属板1に何らの変形も与えることがな
く容易にドロス5やスパッタ6を除去することができ
る。しかも、わずかなエッチング処理を行うだけでドロ
ス5やスパッタ6は容易に除去され、肉やせ等の金属板
1に与えるエッチング処理の影響を抑えことができる。
さらに、酸化膜の除去や表面の凹凸形状の矯正なども可
能であり、一層の高品質な製品を得ることができる。
【0050】次に、本発明による金属板の加工方法の他
の実施例について、図7を参照しながら説明する。本実
施例は、レーザ加工を行う前に、金属板両面に金属板よ
りも軟質の金属を被覆するものである。但し、軟質の金
属の被覆はスパッタ防止膜の形成前に行う。
【0051】まず、前述の実施例と同様の金属板に図2
と同様の加工準備が行われた後、前処理として、図7
(a)に示すように金属板51の両面に金属板51より
も軟質の金属である亜鉛膜50が形成され、さらにスパ
ッタ防止膜52が形成される。上記亜鉛膜50は、溶融
亜鉛槽中に金属板51を浸漬することによって形成する
ことができる。また、軟質の金属としては、亜鉛以外に
鉛やアルミニウムや錫等を使用してもよい。
【0052】次に、図2と同様のレーザ加工が行われ所
定形状の間隙53が形成される(図7(b)参照)。こ
れにより、ドロスやスパッタが生じるが、金属板51表
面に金属板51とは異種の金属である亜鉛膜50を形成
しているため、レーザ加工によって生じたドロスやスパ
ッタは金属板表面に付着しにくくなる。一方、金属板5
1に残留したドロス55やスパッタ56は、図7(b)
に示すように、金属板51表面の亜鉛膜50より突出し
て付着する。このうち、ドロス55は金属板51の裏側
より伸びるように付着し、スパッタ56の一部はスパッ
タ防止膜52を損傷させて貫通し、亜鉛膜50の表面に
直接付着する。また、ドロス5やスパッタ6は金属板1
や亜鉛膜50と一部で合金層を形成することもある。さ
らに、この場合にも、レーザ加工による入熱により、被
加工物である金属板51が局部的に加熱され、熱変形や
残留熱歪みが生じる。
【0053】次に、金属板51にブラッシングが施さ
れ、スパッタ56のうち、スパッタ防止膜52の表面に
付着したものや落ち易いものがスパッタ防止膜52と共
に除去され、その他のほこり等も除去される。また、落
ち易い一部のドロスも同時に除去される。そして、金属
板51の表面が洗浄され、乾燥される。この時の金属板
51の断面図を図7(c)に示す。
【0054】次に、スキンパス圧延が実施され、亜鉛膜
50より突出して付着しているドロス55やスパッタ5
6は選択的に折り倒され、押し潰される。そして、押し
潰されたドロス55やスパッタ56の一部は剥がれ落ち
る。一方、押し潰されたドロス55やスパッタ56のう
ち剥がれ落ちずに残留したものは、亜鉛膜50中に押し
込まれその一部はさらに押し潰されて亜鉛膜50中に散
在するようになる。このスキンパス圧延後の金属板51
の断面図を図7(d)に示す。また、スキンパス圧延を
行うことにより、前述と同様に熱変形や残留熱ひずみが
矯正、除去される。
【0055】次に、後処理としてのエッチング処理が行
われる。このエッチング処理により、亜鉛膜50は容易
に除去され、さらに亜鉛膜50中に押し込まれたり散在
しているドロス55やスパッタ56も同時に除去され
る。エッチング処理後は洗浄及び乾燥が行われ金属板の
加工が完了する。このエッチング処理後の金属板51の
断面図を図7(e)に示す。
【0056】本発明の場合は、スキンパス圧延によりド
ロス55やスパッタ56は亜鉛膜50中に押し潰される
ため、エッチング処理後の金属板51には前述の実施例
のような凹部5c,6cが残ることがなく、最終的な製
品の形状がさらに良好となる。
【0057】上記においては、亜鉛膜、即ち軟質の金属
膜を形成するために、溶融した金属中に浸漬する方法を
採用したが、これに限らず、電気メッキ法や無電解メッ
キ法等を採用してもよい。
【0058】また、適宜に昇温させた素材となる金属板
の片面または両面に軟質の金属板を重ね、両者を一体的
に圧延して両者の界面を接合するクラッド圧延により軟
質の金属を被覆してもよい。
【0059】以上のような本実施例によれば、軟質の金
属膜である亜鉛膜50を金属板51に被覆することによ
り、ドロス55やスパッタ56を金属板51表面に付着
しにくくすることができる。一方、残留したドロス55
やスパッタ56をスキンパス圧延により折り倒し、押し
潰してその一部を剥ぎ落とすことができる。また、依然
として残留したドロス55やスパッタ56をスキンパス
圧延により亜鉛膜50中に押し込み散在させ、その後の
エッチング処理によって亜鉛膜50と共に容易に除去す
ることができる。さらに、スキンパス圧延により、熱変
形や残留熱ひずみを矯正、除去することができ、寸法精
度や加工形状の悪化等の不具合を解決することもでき
る。
【0060】次に、本発明によるリードフレームの加工
方法並びにリードフレームの一実施例について、図8か
ら図11を参照しながら説明する。
【0061】前述の金属板の加工方法を応用し薄い金属
板に所定の形状の間隙を形成したものとして、半導体装
置に使用されるリードフレームがある。まず、図8に、
本実施例のリードフレームの一例を示す。
【0062】図8において、リードフレーム300の中
央部分には、半導体チップを搭載するダイパッド301
が設けられており、このダイパッド301を囲むように
して多数のインナーリード302と、これらインナーリ
ード302に連続するアウターリード303が配設され
ている。これら隣合うインナーリード302とアウター
リード303とはダムバー304により互いに連結状に
支持されている。また、ダイパッド304の周辺は腕3
05以外は切欠き部306が設けられており、この切欠
き部306によりインナーリード302はダイパッド3
01と分離され、かつ隣合うインナーリード302はこ
の切欠き部306によりそれぞれ分離されている。さら
に、リードフレーム300の外周部分には半導体チップ
の端子とインナーリード302との接続時の位置決め用
に位置決め穴307が設けられている。尚、ダムバー3
04は、半導体チップのモールド時にレジンを堰止める
役割とインナーリード302及びアウターリード303
を補強する役割を有し、モールド後に除去される。
【0063】また、インナーリード302は、ダイパッ
ド301の方へ収束するように延びており、その先端部
は半導体チップ(図示せず)をダイパッド301に搭載
した後に行われる電気的接続を行うのに十分な幅となっ
ている。従って、インナーリード302の内側における
相隣合うリード間の間隙308は特に狭く、極めて微細
な構造となっており、しかもこの部分の加工はリードフ
レームの加工において最も寸法精度や清浄度が厳しい部
分である。
【0064】次に、上記リードフレームの加工手順を図
9及び図10により説明する。但し、本実施例のリード
フレームの加工途中における断面形状は、形状がさらに
微細になること以外は図7の金属板の断面と同様であ
り、ドロスやスパッタの挙動も同様であるため、ここで
は省略した。
【0065】まず、図9のステップS11において、加
工準備が行われる。即ち、帯状の素材、例えば鋼、銅合
金,42アロイ、コバール等の金属板300aがコイル
201より巻き出され、レベラ202にかけられ、巻き
ぐせが取り除かれる。続いて、その金属板300aの表
面が洗浄装置203で洗浄され、汚れや油分等が除かれ
る。本実施例においては、上記のようにコイル201よ
り帯状の金属板300aを巻き出して多数のリードフレ
ームが連続的に加工される。
【0066】次に、ステップS12において、前処理が
行われる。即ち、まず、溶融亜鉛槽204に金属板30
0aが浸漬され、金属板300aよりも軟質の金属であ
る溶融亜鉛205が金属板300aの両面に塗付され、
乾燥して軟質金属膜となる。尚、前述のように、金属板
300aに被覆する軟質の金属としては、亜鉛の代わり
に鉛やアルミニウムや錫等を用いてもよい。この金属板
300aは材料ストッカー206において送り速度が調
整され、スパッタ防止剤塗布装置207でスパッタ防止
剤がさらに塗布され、レーザ加工装置208に送られ
る。
【0067】次に、ステップS13において、レーザ加
工が行われる。この時使用されるレーザ加工装置208
は図3で説明したものと同様のものである。レーザ加工
装置208においては、レーザ加工に関する諸条件が設
定され予めその準備が行われるが、材料等の変更により
この諸条件は随時調整される。そして、図2のステップ
S3と同様にして、レーザ加工装置208によりリード
フレーム形状に基づく多数のエッチングパターンが連続
的に形成され、加工溝が形成される。
【0068】但し、上記のレーザ加工を施すのは、少な
くとも図2のインナーリード303の部分、即ち狭ピッ
チでしかも寸法精度や清浄度が厳しい部分であって、他
の比較的大きな部分は従来のエッチング加工やプレスに
よる打ち抜き加工により形成しても良い。
【0069】次に、ステップS14において、ブラッシ
ング装置209により異物除去が行われる。即ち、スパ
ッタやドロスのうちの落ち易いものがスパッタ防止膜と
共に金属板300a表面から除去され、その他のほこり
等も同時に除去される。さらに洗浄装置210で金属板
300aの表面が洗浄され、乾燥装置211で乾燥され
る。
【0070】次に、ステップS15において、スキンパ
ス圧延装置212により金属板300aにスキンパス圧
延が施され、図7の実施例で説明したようにドロスやス
パッタが押し潰され、その一部は剥がれ落ち、またそれ
以外のものは軟質の金属膜、即ち亜鉛膜中に押し込まれ
さらにその一部は押し潰されて軟質の金属中に散在す
る。
【0071】次に、ステップS16において、後処理と
してのエッチング処理が行われる。即ち、金属板300
aはエッチング加工装置213のエッチング槽213a
に送られ、エッチング槽213a内のエッチング液が噴
射装置213b及び213cにより金属板300a表面
に噴射される。この時のエッチングの進行状況は、前述
の実施例と同様であり、軟質の金属である亜鉛膜及びド
ロスやスパッタが除去される。エッチング処理された金
属板300aは、エッチング加工装置213の洗浄槽2
13dに浸漬され、表面が洗浄される。
【0072】次に、ステップS17において、メッキ処
理が行われる。即ち、金属板300aがメッキ槽214
に浸漬され、金属板300a表面にメッキ金属215が
メッキされる。このメッキ処理は、後ほど行われるリー
ドフレームと半導体チップ等との電気的接続が行い易い
ようにするための工程である。また、メッキ金属として
は、ハンダをはじめ、金や銀等が用いられる。また、メ
ッキ処理後の金属板300aは中和洗浄槽216におい
て中和及び洗浄され、洗浄後の金属板300aは乾燥機
217で乾燥される。
【0073】次に、ステップS18において、金属板3
00aは検査装置218により加工形状が検査される。
続いて、この金属板300aは材料ストッカー219で
送り速度が調整され、ステップS19においてコイル状
に巻き取られ、巻き取られたコイル220は梱包され出
荷される。以上でリードフレームの加工が完了する。
【0074】ところで、現在開発されている「QFP-
0.3mmピッチ-300ピン」と呼ばれるQFP(Quad
Flat Package)タイプの半導体装置では、インナーリー
ド先端のリードピッチが、リードフレームの板厚である
0.15mm程度の寸法であることが必要であると予想
されている。このような間隙の幅が板厚以下であるよう
な微細なリードフレームであって、しかもその間隙の寸
法や位置が変化することが許されないような高精度かつ
高品質なリードフレームを加工するに際しては、レーザ
加工時に最終的な形状の間隙を形成せずに断続的かつ不
完全な形状の間隙を形成する方法を採用するのが有効で
ある。このような方法によれば、スキンパス圧延を施す
時に、断続的に形成した間隙の間に残した連結部によっ
て金属板の剛性が維持され、リードフレームのリードの
位置ずれが生じない。また、断続的な間隙の間の連結部
はドロスやスパッタ除去のためのエッチング処理時に容
易に除去され、断続的な間隙が連結されて最終的な形状
の間隙を容易に形成することができる。
【0075】尚、上記のようにステップS12で軟質金
属膜を被覆せずに、図1の加工方法と同様の方法でリー
ドフレームを製造することもできる。また、逆に図10
のような装置によって金属板を加工しリードフレーム以
外の製品を製造することもできる。
【0076】次に、上記のようなリードフレームを用い
た半導体装置の一例について図11により説明する。
【0077】図11に示す半導体装置320において、
ダイパッド302(図8参照)には半導体チップ310
が搭載され、インナーリード303と半導体チップ31
0の端子とが金線等のワイヤ311により電気的に接続
され、半導体チップ310及びインナーリード303を
含む部分が樹脂モールド312により封止されている。
また、アウターリード304はダムバー305(図2参
照)が切除されることによって個々に分割されており、
さらに樹脂モールド312の外側で曲げ成形されてい
る。このアウターリード304の曲げ成形された部分
は、後ほど半導体装置320がプリント基板上に搭載さ
れた時に、プリント基板の回路パターンに接続される。
【0078】以上のような本実施例によれば、レーザ加
工する際に生じるドロスやスパッタを除去できると共
に、熱変形や残留熱歪みを除去できるので、多ピンで狭
ピッチのインナーリードを有すると共に微細で高精度の
寸法及び形状を要求されるリードフレームを加工するこ
とができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ加工によって所
定の間隙を形成した金属板にスキンパス圧延を施すの
で、ドロスやスパッタを折り倒し、押し潰して金属板よ
り容易に除去し易い状態にすることができ、その一部を
剥ぎ落とすことができる。また、残留したドロスやスパ
ッタも金属板に何らの変形も与えることなく容易に除去
することができる。
【0080】また、スキンパス圧延を行うので、熱変形
や残留熱ひずみが矯正、除去され、寸法精度や加工形状
の悪化等の不具合を解決することができる。
【0081】また、押し潰されたドロスやスパッタを、
非接触の処理方法であるエッチング処理を利用して除去
するので、金属板に何らの変形も与えることがなく容易
に後処理を行うことができる。また、わずかなエッチン
グ処理を行うだけでドロスやスパッタを容易に除去でき
るので、肉やせ等の金属板に与えるエッチング処理の影
響を抑えことができ、さらに切断側壁表面の酸化膜の除
去や表面の凹凸形状の矯正なども可能であり、一層の高
品質な製品を得ることが可能である。
【0082】また、レーザ光の照射を行う前に、金属板
表面に軟質の金属を被覆するので、ドロスやスパッタの
付着を抑制することができる。さらに、スキンパス圧延
によってドロスやスパッタを軟質の金属中に押し込め、
散在させることができ、それらを適宜の後処理によって
軟質の金属と共に容易に除去することができる。
【0083】以上のように、本発明によれば、レーザ加
工する際に生じるドロスやスパッタを除去することが可
能であると共に、熱変形や残留熱歪みを除去可能であ
り、従って微細かつ高精度な加工を行うことができる。
【0084】また、本発明は、多数の製品を連続的に加
工することができるため、大量生産を実現することがで
きる。さらに、大量生産によって低コスト化を実現する
こともできる。
【0085】さらに、本発明によれば、多ピンで狭ピッ
チのインナーリードを有すると共に微細で高精度の寸法
及び形状を要求されるリードフレームを加工することが
できる。最近特に要求されている半導体装置の小形化や
高性能化を実現することができる。また、このような小
形で高性能な半導体装置を電子機器に採用することによ
り、電子機器の小形化や高性能化を図ることができるだ
けでなく、その製造コストの大幅な低減を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属板の加工方法により加
工される金属板の断面図であり、(a)は金属板の両面
にスパッタ防止膜が形成された状態を示す図、(b)は
レーザ加工により金属板に所定の間隙が形成された状態
を示す図、(c)はブラッシング等により異物除去が行
われた状態を示す図、(d)はスキンパス圧延により、
ドロスやスパッタが押し潰された状態を示す図、(e)
は押し潰されたドロスやスパッタがエッチング処理によ
り除去された状態を示す図である。
【図2】図1に示した金属板の加工工程を示すフローチ
ャートである。
【図3】図2のステップS3において使用されるレーザ
加工装置のレーザ光学系の一例を示す図である。
【図4】図3に示した光学系を有するレーザ加工装置に
よりレーザ加工される金属板の断面を概念的に示した図
である。
【図5】図2のS5におけるスキンパス圧延によって金
属板に付着したドロスが押し潰される状況を示す断面図
であって、(a)はスキンパス圧延前、(b)はスキン
パス圧延後を示す図である。
【図6】図2のS5におけるスキンパス圧延によって金
属板に付着したスパッタが押し潰される状況を示す断面
図であって、(a)はスキンパス圧延前、(b)はスキ
ンパス圧延後を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例の金属板の加工方法により
加工される金属板の断面図であり、(a)は金属板の両
面に軟質の金属である亜鉛膜及びスパッタ防止膜が形成
された状態を示す図、(b)はレーザ加工により金属板
に所定の間隙が形成された状態を示す図、(c)はブラ
ッシング等により異物除去が行われた状態を示す図、
(d)はスキンパス圧延により、ドロスやスパッタが押
し潰された状態を示す図、(e)は押し潰されたドロス
やスパッタが亜鉛膜と共にエッチング処理により除去さ
れた状態を示す図である。
【図8】本発明の一実施例によるリードフレームの示す
図である。
【図9】図8のリードフレームの加工工程を示すフロー
チャートである。
【図10】図9に示したリードフレームの製造工程を示
す図である。
【図11】図8のリードフレームを用いた半導体装置の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 スパッタ防止膜 3 間隙 3a 貫通穴 5 ドロス 5a 凹部 5b 隙間 5c 凹部 6 スパッタ 6a 凹部 6b 隙間 6c 凹部 50 亜鉛膜(軟質の金属膜) 51 金属板 52 スパッタ防止膜 53 間隙 55 ドロス 56 スパッタ 101 レーザ発振器 102 レーザ光 105 ノズル 106 集光レンズ 201 コイル 204 溶融亜鉛槽 205 溶融亜鉛 207 スパッタ防止剤塗布装置 208 レーザ加工装置 212 スキンパス圧延装置 213 エッチング加工装置 213a エッチング槽 213b,213c 噴射装置 213d 洗浄槽 214 メッキ槽 220 コイル 300 リードフレーム 300a 金属板 302 インナーリード 303 アウターリード 308 間隙 310 半導体チップ 312 樹脂モールド 320 半導体装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23F 1/00 A 9352−4K H01L 23/50 A (72)発明者 緒方 浩二郎 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板に所定形状の間隙を形成する金属
    板の加工方法において、前記金属板にレーザ光を照射し
    てその金属板を貫通する間隙を形成する第1の工程と、
    その間隙を形成した金属板をスキンパス圧延して前記レ
    ーザ光の照射により生じたドロス及びスパッタを押し潰
    す第2の工程と、前記スキンパス圧延により押し潰され
    たドロス及びスパッタを除去する第3の工程とを有する
    ことを特徴とする金属板の加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属板の加工方法におい
    て、前記ドロス及び前記スパッタを除去する第3の工程
    はエッチング処理であることを特徴とする金属板の加工
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の金属板の加工方法におい
    て、前記第1の工程におけるレーザ光の照射を行う前
    に、前記金属板表面にその金属板よりも軟質の金属を被
    覆する第4の工程をさらに有することを特徴とする金属
    板の加工方法。
  4. 【請求項4】 半導体チップの各端子と接続される多数
    のリードを有するリードフレームを金属板から形成する
    リードフレームの加工方法において、前記金属板にレー
    ザ光を照射し前記リードフレームの形状に基づいてその
    金属板を貫通する間隙を形成する第1の工程と、その間
    隙を形成した金属板をスキンパス圧延して前記レーザ光
    の照射により生じたドロス及びスパッタを押し潰す第2
    の工程と、前記スキンパス圧延により押し潰されたドロ
    ス及びスパッタを除去する第3の工程とを有することを
    特徴とするリードフレームの加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のリードフレームの加工方
    法において、前記ドロス及び前記スパッタを除去する第
    3の工程はエッチング処理であることを特徴とするリー
    ドフレームの加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の金属板の加工方法におい
    て、前記第1の工程におけるレーザ光の照射を行う前
    に、前記金属板表面にその金属板よりも軟質の金属を被
    覆する第4の工程をさらに有することを特徴とするリー
    ドフレームの加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項4から6のうちいずれか1項記載
    のリードフレームの加工方法により加工されたリードフ
    レーム。
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JP2007278403A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Hitachi Metals Ltd オイルリング用線材の製造方法
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WO2014103561A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 村田機械株式会社 レーザ加工機の面押しツールおよびその面押し方法
JP2017170904A (ja) * 2017-04-13 2017-09-28 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 構造体及び構造体の製造方法

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