JPH07106482A - リードフレームの製造方法及び製造装置並びにリードフレーム及び半導体装置 - Google Patents

リードフレームの製造方法及び製造装置並びにリードフレーム及び半導体装置

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JPH07106482A
JPH07106482A JP5247040A JP24704093A JPH07106482A JP H07106482 A JPH07106482 A JP H07106482A JP 5247040 A JP5247040 A JP 5247040A JP 24704093 A JP24704093 A JP 24704093A JP H07106482 A JPH07106482 A JP H07106482A
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lead frame
manufacturing
surface treatment
lead
chemical
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Nobuhiko Tada
信彦 多田
Kojiro Ogata
浩二郎 緒方
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リードフレームにおいて、ドロスやスパッタに
よるリードフレーム表面の凹凸をなくし、半導体チップ
への接合時及びプリント基板上への表面実装時に密着性
及び接合性を改善することができるようにする。 【構成】レーザ加工装置108によって金属板100を
加工し、リードフレーム100aを形成した後に、ショ
ットブラスト装置110より噴出される微小粒状体11
の運動エネルギによってリードフレーム100aの表面
を機械的に処理し、レーザ加工によって付着したスパッ
タやドロスを除去する。これに引き続いて電解研磨装置
120で化学的に処理し、ショットブラスト装置110
で形成された多数の微細なキズや凹凸を溶解除去し、リ
ードフレーム100aの表面を滑らかかつ清浄にする。
その後、ハンダメッキ槽122でハンダメッキ処理を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体チップの各端子
と接続される多数のインナーリードと、前記インナーリ
ードの外側に連続するアウターリードとを有するリード
フレームの製造に係わり、特にそのリードフレームの少
なくとも一部をレーザビームの照射によって形成するリ
ードフレームの製造方法及び製造装置、並びにこれを利
用して製造されたリードフレーム及び半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップの高密度実装化、高
集積化がより一層厳しく要求されてきており、これに対
応するために半導体チップを搭載するリードフレームも
狭ピッチ化、多ピン化することが要求されている。この
ようにリードフレームを微細かつ高精度に加工すること
は、従来のプレス加工やエッチング加工では困難であ
る。これに対し、レーザ切断は、高密度エネルギー熱源
であるレーザビームを被加工材表面上に集光し、被加工
材を局部的かつ瞬時に溶融、溶断する加工方法であるた
め、微細かつ高精度な加工が可能な切断法であり、従来
のリードフレーム加工に用いられているプレス加工やエ
ッチング加工では不可能であった加工も可能である。
【0003】しかしながら、レーザ切断は、入熱による
溶融を利用した加工であるため、加工に伴って生じた溶
融物が飛散してスパッタとしてリードフレーム表面に付
着したり、溶融物が凝集して再凝固しドロスとして切断
された部分の端面等に残留する。一般的には、レーザビ
ームと同軸的に噴出されるアシストガスによって溶融物
を吹き飛ばし、スパッタやドロスの付着を抑えている。
【0004】また、特開平2−224886号公報に記
載の方式では、レーザビームを出力するレーザ切断ノズ
とは別にドロス除去用の専用ノズルを設けており、この
ドロス除去用の専用ノズルより噴出されるアシストガス
で溶融物を吹き飛ばすことにより、スパッタやドロスの
付着量をさらに少なくしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなレーザビ
ームと同軸的にアシストガスを噴出する方式によれば、
ある程度溶融物を吹き飛ばすことができるが、加工後に
はどうしてもその溶融物が残留してしまい、スパッタや
ドロスが金属板に付着することは避けられない。また、
特開平2−224886号公報に記載のようなドロス除
去用の専用ノズルを使用したとしても、その除去は不完
全であり、スパッタやドロスの付着はある程度は避けら
れない。
【0006】これらスパッタやドロスがリードフレーム
表面やリード端面に付着すると短絡等の性能欠陥の主因
となり易いほか、後工程での他部品との接合時における
密着性の悪化にもつながるため、その付着は極力回避さ
れるべきものである。特に、高性能なQFPタイプの半
導体装置に使用されるリードフレームは、本数も多く、
寸法も微細であり、その表面は清浄でかつ凹凸がない状
態でなければ良好な接合を行うことができない。
【0007】即ち、リードフレーム内側のインナーリー
ドは、微細な構造の半導体チップと接合されるが、多数
あるインナーリードと半導体チップの接合部分のうちで
1カ所でも接合欠陥や密着性の悪い部分があると製品と
して使用できない。また、リードフレームの寸法が微細
になればなるほど、接合が難しくなり、接合欠陥が発生
する危険率は増大する。従って、リードフレーム表面に
はドロスやスパッタの付着による凹凸がなく、平坦かつ
清浄であることが要求される。
【0008】また、半導体装置のプリント基板上への表
面実装時には、リードフレーム外側のアウターリードが
接合ランドにハンダ付け等により接合されるが、この場
合も半導体チップとインナーリードの接合の場合と同様
に、1カ所でも接合欠陥や密着性の悪い部分があるとプ
リント基板全部が不良になる。また、リードフレームの
寸法が微細になり、リードピッチ及びリード幅が狭くな
ると、接合部の接合面積が小さくなるため、上記のよう
な接合欠陥が発生しやすい。
【0009】このような接合欠陥を補修していると、欠
陥を生じた接合部分の接合ランドがプリント基板から剥
離したり、補充したハンダが隣接するリードフレームや
接合ランド部分と短絡させる事故などが頻発する。さら
に、このような補修作業により、過大な熱履歴を半導体
装置やその他の電子部品に与える危険性があり、良好な
品質の電子機器を製造しにくい。また、場合によって
は、接合欠陥部分の補修が大変困難であるために、接合
欠陥が発生したプリント基板全部を作り直す必要が生じ
ることもある。つまり、アウターリードの表面も、ドロ
スやスパッタの付着による凹凸がなく、平坦かつ清浄で
あることが要求される。
【0010】本発明の目的は、ドロスやスパッタによる
リードフレーム表面の凹凸をなくし、半導体チップへの
接合時及びプリント基板上への表面実装時に密着性及び
接合性を改善することができるリードフレームの製造方
法及び製造装置、並びにこれらによって製造されるリー
ドフレーム及び半導体装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、半導体チップの各端子と接続され
る多数のインナーリードと、前記インナーリードの外側
に連続するアウターリードとを有するリードフレームを
形成する際に、前記リードフレームの少なくとも一部を
レーザビームの照射によって形成するリードフレームの
製造方法において、前記レーザビームの照射による加工
後に、前記リードフレームの表面を機械的な表面処理方
法により処理し、続いて前記リードフレームの表面を化
学的な表面処理方法により処理することを特徴とするリ
ードフレームの製造方法が提供される。
【0012】上記リードフレームの製造方法において、
好ましくは、前記機械的な表面処理方法が、前記リード
フレームにおける最小のリード間の幅以下の粒径を有す
る多数の微小粒状体を、前記金属板表面に高速に衝突さ
せる方法である。
【0013】上記の場合、好ましくは、前記レーザビー
ムの照射直後に多数の微小粒状体を衝突させる。
【0014】また、好ましくは、前記微小粒状体をエッ
チング液に混合して衝突させる。
【0015】また、上記リードフレームの製造方法にお
いて、好ましくは、前記機械的な表面処理方法が、ベル
トの片面に微小粒状体を付着させた研削ベルトを用いて
前記リードフレームの片面または両面から前記リードフ
レームの表面を研削する方法である。
【0016】上記において、好ましくは、前記研削ベル
トに研削液を供給する。
【0017】また、上記リードフレームの製造方法にお
いて、好ましくは、前記機械的な表面処理方法が、圧延
ロールによって前記リードフレームを元の板厚または元
の板厚よりも若干厚い寸法に圧延する方法である。
【0018】また、好ましくは、前記機械的な表面処理
方法が、表面に螺旋状の刃を形成した円筒状刃物を用い
て前記リードフレーム表面を研削する方法である。
【0019】また、上記リードフレームの製造方法にお
いて、好ましくは、前記化学的な表面処理方法が、前記
リードフレームと電解研磨液との間に電圧を付与し、前
記リードフレームに前記電解研磨液を吹きつけながら、
前記リードフレーム表面の多数の微細なキズ及び凹凸を
溶解除去する電解研磨方法である。
【0020】また、好ましくは、前記化学的な表面処理
方法が、前記リードフレームに化学研磨液を吹きつけな
がら、前記リードフレーム表面の多数の微細なキズ及び
凹凸を溶解除去する化学研磨方法である。
【0021】また、好ましくは、前記リードフレームの
表面を化学的な表面処理方法により処理した後、直ちに
メッキ処理を施す。
【0022】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のようなリードフレームの製造方法によっ
て製造されたリードフレームが提供される。
【0023】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のようなリードフレームに半導体チップを
搭載し、前記リードフレームの各端子と前記半導体チッ
プの各端子とを接合し、樹脂モールドにて一体的に封止
したことを特徴とする半導体装置が提供される。
【0024】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、レーザビームの照射によって金属板を加工する
レーザ加工装置を備えたリードフレームの製造装置にお
いて、前記レーザビームの照射による加工後に、前記リ
ードフレームの表面を機械的な表面処理方法により処理
する機械的表面処理装置と、前記機械的表面処理装置に
続いて前記リードフレームの表面を化学的な表面処理方
法により処理する化学的表面処理装置とを備えたことを
特徴とするリードフレームの製造装置が提供される。
【0025】上記リードフレームの製造装置において、
好ましくは、前記機械的表面処理装置は、前記リードフ
レームにおける最小のリード間の幅以下の粒径を有する
多数の微小粒状体を、前記金属板表面に高速に衝突させ
る微小粒状体噴射装置である。
【0026】
【作用】上記のように構成した本発明のリードフレーム
の製造方法においては、レーザビームを照射して金属板
に加工を施すこと(以下、適宜レーザ加工という)によ
り、プレス加工やエッチング加工では不可能であった微
細かつ高精度な加工が可能となるだけでなく、レーザ加
工後のリードフレームの表面を機械的な表面処理方法に
より処理することにより、レーザ加工により生じたスパ
ッタやドロスが確実に取り除かれる。
【0027】このようにしてスパッタやドロスを機械的
に取り除くことにより、リードフレーム表面に多数の微
細なキズがつく。これらのキズは微細であり、例えば表
面塗装されるような場合にはほとんど問題にならない
が、本発明が対象とするリードフレームでは、前述した
ように極微細なキズでも表面の平坦度が影響を受け、接
合性や密着性が劣化して接合欠陥が発生する危険性があ
る。即ち、製品としての信頼性を損われる恐れがある。
本発明では、機械的な表面処理方法で処理されたリード
フレームの表面を、引き続いて化学的な表面処理方法で
処理することにより、上記のような多数の微細なキズや
凹凸を溶解除去し、表面を滑らかで清浄にすることがで
きる。これにより、リードフレーム表面にはスパッタや
ドロスによる凹凸がなくなるだけでなく、その表面は滑
らかで清浄になり、インナーリードの半導体チップへの
接合時、及びアウターリードのプリント基板上への表面
実装時において、密着性及び接合性が改善される。
【0028】上記機械的な表面処理方法として、多数の
微小粒状体を高速で衝突させる方法を採用することによ
り、その運動エネルギによってリードフレームに付着し
たスパッタやドロス等が除去される。また、上記微小粒
状体の粒径がリードフレームにおける最小のリード間の
幅以下であることにより、微小粒状体はいかなるリード
間の隙間をも通過することができ、例えば非常に大きな
ドロスがリードの端面に付着していたとしてもこれを確
実に除去することができる。また、リードフレームの片
面側から微小粒状体を衝突させた場合でも、微小粒状体
がリード間の隙間を通過してリードフレームの反対側に
もまわりこむことにより、その面もある程度処理するこ
とができる。
【0029】また、レーザビームの照射直後に多数の微
小粒状体を衝突させることにより、レーザビームによる
加工と微小粒状体の衝突によるスパッタやドロスの除去
とを一つの工程で行うことができ、製造の能率が向上す
る。
【0030】また、微小粒状体をエッチング液に混合し
て衝突させることにより、上記微小粒状体の衝突によっ
てスパッタやドロスが除去されるだけでなく、エッチン
グ液による腐食によってもスパッタやドロスが除去さ
れ、リードフレーム表面をある程度清浄にすることが可
能となる。
【0031】また、機械的な表面処理方法として、ベル
トの片面に微小粒状体を付着させた研削ベルトを用いて
上記リードフレームの片面または両面からその表面を研
削する方法を採用することにより、リードフレームに付
着したスパッタやドロスはベルトに付着した微小粒状体
で削り取られ除去される。
【0032】上記の場合、研削ベルトに研削液を供給す
ることにより、リードフレームと研削ベルトとの接触を
良くすることができ、研削ベルトの研削性能が高められ
る。
【0033】また、機械的な表面処理方法として、圧延
ロールによってリードフレームを元の板厚または元の板
厚よりも若干厚い寸法に圧延することにより、リードフ
レームに不完全に突出する状態で付着しているスパッタ
やドロスは、選択的に平に押し潰され、その大部分が剥
離し除去される。
【0034】また、機械的な表面処理方法として、表面
に螺旋状の刃を形成した円筒状刃物を用いることによ
り、リードフレーム表面が研削され、リードフレームに
付着したスパッタやドロスが除去される。
【0035】上記化学的な表面処理方法として、リード
フレームと電解研磨液との間に電圧を付与し、リードフ
レームにこの電解研磨液を吹きつける電解研磨方法を採
用することにより、リードフレームの表面の多数の微細
なキズや凹凸が溶解除去され、表面が滑らかかつ清浄に
なる。
【0036】また、化学的な表面処理方法として、リー
ドフレームに化学研磨液を吹きつける化学研磨方法を採
用することにより、リードフレーム表面の多数の微細な
キズや凹凸が溶解除去され、表面が滑らかかつ清浄にな
る。
【0037】上記のような化学的な表面処理方法により
得られた表面は滑らかかつ清浄であると共に、化学的に
活性である。本発明では、上記の化学的な表面処理の後
のリードフレーム表面が活性であることを利用し、直ち
にメッキ処理を施すことにより、メッキ処理による金属
皮膜とリードフレームとの密着性が向上する。そして、
この金属皮膜によって接合時の濡れ性が向上し、半導体
チップやプリント基板との接合の際の接合性が改善され
る。また、リードフレームの表面が上記金属皮膜で保護
され、キズがついたり変質することが避けられる。
【0038】また、上記のように構成した本発明のリー
ドフレームの製造装置においては、レーザビームの照射
による加工後にリードフレームの表面を機械的な表面処
理方法により処理する機械的表面処理装置と、機械的表
面処理装置に続いてリードフレームの表面を化学的な表
面処理方法により処理する化学的表面処理装置とを備え
ることにより、本発明のリードフレームの製造方法を実
施することができる。
【0039】
【実施例】本発明によるリードフレームの製造方法及び
製造装置並びにリードフレーム及び半導体装置の一実施
例について、図1から図9を参照しながら説明する。
【0040】本実施例のリードフレームの製造装置及び
製造方法を図1及び図2により説明する。まず、図2の
ステップS1において、加工準備が行われる。即ち、帯
状の素材、例えば鋼、銅合金,42アロイ、コバール等
の金属板100が巻出コイル101より巻き出され、レ
ベラ102にかけられ、巻きぐせが取り除かれる。続い
て、その金属板100の表面が洗浄槽103の洗浄液1
04で洗浄され、汚れや油分等が除かれる。本実施例に
おいては、上記のようにコイル101より帯状の金属板
100を巻き出して多数のリードフレームが連続的に加
工されるようになっている。この金属板101は材料ス
トッカー105において送り速度が調整され、スパッタ
防止液塗布装置106でスパッタ防止液107が表面に
塗布され、レーザ加工装置108に送られる。
【0041】次に、ステップS2において、レーザ加工
が行われる。この時使用するレーザ加工装置108は従
来から知られている構成のものでよい。レーザ加工装置
108においては、レーザ加工に関する諸条件が設定さ
れ予めその準備が行われるが、材料等の変更によりこの
諸条件は随時調整される。そして、レーザ加工装置10
8により金属板101にリードフレーム形状に基づくレ
ーザ加工が施され、リードフレーム101aが形成され
る。
【0042】尚、レーザ加工は加工寸法が微細であり高
精度の加工が可能であるが、加工速度が比較的遅いた
め、リードフレームの製造速度を改善する方法として、
加工寸法が大きな部分については従来のプレスやエッチ
ングを用いて加工を行ってもよい。
【0043】次に、ステップS3において、機械的表面
処理が行われる。即ち、レーザ切断に伴なって発生しリ
ードフレーム100a表面に付着したスパッタやドロス
のうち取れ易いものがロータリーワイヤブラシング装置
109で除去され、微小粒状体噴射装置(以下、ショッ
トブラスト装置という)110でスパッタやドロスが完
全に除去される。ショットブラスト装置110において
は、リードフレーム100aの両面に対面するように2
つの粒状体用ノズル10が設けられており、この粒状体
用ノズル10から微小粒状体11が噴出する。この微小
粒状体11の噴出動作はカバー12内で行われ、微小粒
状体11は粒状体回収装置13に回収される。
【0044】図3は、このショットブラスト装置110
において微小粒状体11を噴出させる構成の一例を説明
する図である。図3において、粒状体タンク14に蓄え
られた微小粒状体11が管路15によって粒状体用ノズ
ル10に供給され、高圧空気源16からの高圧空気17
によって微小粒状体11は加速され粒状体用ノズル10
先端部より噴出する。そして、この微小粒状体11はリ
ードフレーム100a表面に高速で衝突し、レーザビー
ムによる加工の際に付着したスパッタ18やドロス19
などがその運動エネルギにより除去される。この工程は
精密機械加工部品のバリ取りなどに採用されている技術
の応用である。さらに、粒状体用ノズル10をレーザビ
ームで加工された部分全体に沿って移動(スキャン)さ
せ、スパッタ18やドロス19などを全て除去して表面
を清浄にする。但し、図3は、リードフレーム100a
の片面から微小粒状体11を噴出させる構成となってお
り、実際にはこのような構成がリードフレーム100a
の両面に設けられる。また、図1では、粒状体タンク1
4や高圧空気源16等が省略されている。
【0045】この時使用される微小粒状体11は、その
粒径がリードフレーム100aにおける最小のリード間
(インナーリードの隙間)の隙間より小さい。これによ
り、微小粒状体11はいかなるリード間の隙間をも通過
することができ、例えば非常に大きなドロスがリードの
端面に付着していたとしてもこれを簡単かつ確実にしか
も能率良くかつ低コストで除去することができる。ま
た、リードフレーム100aの片面側から微小粒状体1
1を衝突させた場合においても、微小粒状体11がリー
ド間の隙間を通過してリードフレーム100aの反対側
にもまわりこむことにより、その面もある程度処理する
ことができる。
【0046】また、上記微小粒状体をエッチング液に混
合して衝突させてもよい。この場合、上記微小粒状体の
衝突によってスパッタやドロスが除去されるだけでな
く、エッチング液による腐食によってもスパッタやドロ
スが除去され、リードフレーム表面をある程度清浄にす
ることが可能となる。
【0047】上記のようにしてショットブラスト装置1
10によってスパッタやドロスを機械的に取り除く表面
処理方法によれば、リードフレーム100a表面に多数
の微細なキズをつけてしまう。但し、前述のようなショ
ットブラスト装置を複数個設置すると共に、各ショット
ブラスト装置毎に微小粒状体の粒径を順次細かくしてい
くことにより、上記のようなキズを順次小さくすること
もできる。これらのキズは微細であり、例えば表面塗装
されるような場合にはほとんど問題にならないが、本実
施例が対象とするリードフレーム、特に高性能で小形の
半導体装置に使用されるものでは、極微細なキズでも表
面の平坦度が影響を受け、インナーリードの半導体チッ
プへの接合時、及びアウターリードのプリント基板上へ
の表面実装時において、接合性や密着性が劣化して接合
欠陥が発生する危険性がある。つまり、製品としての信
頼性を損われる恐れがある。
【0048】本実施例では、ショットブラスト装置11
0で処理されたリードフレーム100aの表面を、引き
続いて化学的な表面処理方法である電解研磨処理を実施
することにより、以下説明するように多数の微細なキズ
や凹凸を溶解除去し、表面を滑らかで清浄にすることが
できる。即ち、図2のステップS4において、リードフ
レーム100aは図1の電解研磨装置120に送られて
電解研磨処理が行われ、中和洗浄槽121で電解研磨液
の中和及び洗浄が行われる。
【0049】図4に、上記電解研磨装置120の構成を
示す。図4において、電解研磨装置120は電解研磨液
20を所定の温度に保って蓄える電解研磨槽21、電解
研磨液20をリードフレーム100aに吹き付けるシャ
ワーノズル22a,22b、リードフレームを電解研磨
槽21内に送給する送給ロール23a,23b,23c
を備えている。電解研磨槽21の底部に設けられた管路
24aにはフィルタ25、モータ26で駆動されるポン
プ27、圧力制御弁28、流量制御弁29、圧力計3
0、開閉弁31が接続され、開閉弁31は管路24bを
介してシャワーノズル22a,22bに接続されてい
る。電解研磨槽21内の電解研磨液20は管路24aよ
りフィルタ25を通って塵埃等が取り除かれ、ポンプ2
7で圧送される。そして、電解研磨液20は、圧力制御
弁28及び流量制御弁29で圧力や流量が制御されて開
閉弁31が開状態でシャワーノズル22a,22bに供
給される。また、電解研磨液20の圧力は圧力計30に
表示される。
【0050】また、リードフレーム100aは通電子3
2を介して電解研磨用直流電源33の陽極側に接続さ
れ、電解研磨槽21に取り付けられた電極34は電解研
磨用直流電源33の陰極側に接続されている。これによ
り、リードフレーム100aと電解研磨槽21内の電解
研磨液20には電圧が付与される。この状態でリードフ
レーム100aにシャワーノズル22a,22bから電
解研磨液20が吹きつけられて電解研磨処理が行われ
る。
【0051】上記電解研磨処理における電解研磨液20
の組成、電流密度、温度、処理時間のおもな組合せを図
5及び図6に示す。図5はリードフレームの材料が鉄鋼
の場合、図6はリードフレームの材料が銅及び銅合金の
場合である。但し、処理時間は図4の送給ロール23
a,23b,23cの送り速度により調節される。
【0052】このような電解研磨処理により、リードフ
レーム100aの表面の多数の微細なキズや凹凸が溶解
除去され、その表面は滑らかで清浄になり、インナーリ
ードの半導体チップへの接合時、及びアウターリードの
プリント基板上への表面実装時において、密着性及び接
合性が改善される。
【0053】化学的な表面処理方法としては上記電解研
磨処理の他に化学研磨処理がある。この場合は、図4の
ようにリードフレーム100aと電解研磨槽21内の電
解研磨液20に電圧を付与せず、化学研磨液をリードフ
レーム100aに吹きつけるだけでよい。この化学研磨
処理における化学研磨液の組成、温度、処理時間のおも
な組合せを図7に示す。図7において、上段はリードフ
レームの材料が鉄鋼の場合、下段はリードフレームの材
料が銅及び銅合金の場合である。
【0054】このような化学研磨処理によっても、電解
研磨処理と同様にリードフレーム100aの多数の微細
なキズや凹凸が溶解除去され、その表面は滑らかで清浄
になり、密着性及び接合性が改善される。
【0055】上記化学的な表面処理により得られた表面
は滑らかかつ清浄であると共に、素材の生地が露出して
いるため化学的に活性である。本実施例では、このリー
ドフレーム表面が活性であることを利用し、直ちにメッ
キ処理を施すことにより、メッキ処理による金属皮膜と
リードフレームとの密着性を向上させる。即ち、電解研
磨装置120での電解研磨処理(または化学研磨処
理)、及び中和洗浄槽121での中和及び洗浄の後、図
2のステップS5において、リードフレーム100aは
図1のハンダメッキ槽122に送られて直ちにハンダメ
ッキ処理が施され、乾燥機123で乾燥される。
【0056】これにより、リードフレーム100aの表
面にはハンダの金属皮膜が密着性よく付着する。このハ
ンダの金属被膜は接合時の濡れ性を向上させるため、半
導体チップやプリント基板との接合の際の接合性が改善
される。また、リードフレームの表面が上記金属皮膜で
保護され、キズがついたり変質することが避けられる。
尚、ハンダメッキに代えて金メッキや銀メッキ等を行っ
てもよい。
【0057】次に、図2のステップS6において、リー
ドフレーム100aは検査装置124に送られ、ここで
リードフレームの加工形状や表面状況等の外観が検査さ
れる。続いて、このリードフレーム100aは材料スト
ッカー125において送り速度が調整され、最終的に巻
取コイル126で巻取られ、加工が終了する。
【0058】次に、上記製造装置及び製造方法によって
作られるリードフレームの一例を図8に示す。図8にお
いて、リードフレーム100aの中央部分には、半導体
チップを搭載するダイパッド201が設けられており、
このダイパッド201を囲むようにして多数のインナー
リード202と、これらインナーリード202に連続す
るアウターリード203が配設されている。これら隣合
うインナーリード202とアウターリード203とはダ
ムバー204により互いに連結状に支持されている。ま
た、ダイパッド204の周辺は腕205以外は切欠き部
206が設けられており、この切欠き部206によりイ
ンナーリード202はダイパッド201と分離され、か
つ隣合うインナーリード202はこの切欠き部206に
よりそれぞれ分離されている。さらに、リードフレーム
100aの外周部分には半導体チップの端子とインナー
リード202との接続時の位置決め用に位置決め穴20
7が設けられている。尚、ダムバー204は、半導体チ
ップのモールド時にレジンを堰止める役割とインナーリ
ード202及びアウターリード203を補強する役割を
有し、モールド後に除去される。
【0059】また、インナーリード202は、ダイパッ
ド201の方へ収束するように延びており、その先端部
は半導体チップ(図示せず)をダイパッド201に搭載
した後に行われる電気的接続を行うのに十分な幅となっ
ている。従って、インナーリード202の内側における
相隣合うリード間の間隙208は特に狭く、極めて微細
な構造となっており、しかもこの部分の加工はリードフ
レームの加工において最も寸法精度や清浄度が厳しい部
分である。
【0060】次に、上記リードフレームを使用して製造
された半導体装置の構成について図9により説明する。
図9に示す半導体装置210において、ダイパッド20
1には半導体チップ211が熱硬化性の樹脂212で接
着されることにより搭載され、インナーリード202と
半導体チップ211の端子とが金バンプ213により電
気的に接続され、半導体チップ211及びインナーリー
ド202を含む部分が樹脂モールド214により封止さ
れている。また、アウターリード203はダムバー20
4(図8参照)が切除されることによって個々に分割さ
れており、さらに樹脂モールド214の外側で曲げ成形
されている。このアウターリード203の曲げ成形され
た部分は、後ほど半導体装置210がプリント基板上に
搭載された時に、プリント基板の回路パターンに接続さ
れる。この半導体装置210は、従来のワイヤボンディ
ングを採用しないでインナーリード202と半導体チッ
プ211の端子を金バンプ213を介して直接接続され
たLOC(リード・オン・チップ)方式の半導体装置で
ある。尚、上記金バンプ213の代わりにハンダバンプ
やすずバンプ等を用いてもよい。
【0061】半導体チップの端子とリードフレームの接
続方法としては、従来からワイヤボンディングによる方
法が使われていた。これは、従来の加工方法であるプレ
ス加工やエッチング加工の加工限界がワイヤボンディン
グ可能な最小の幅程度であったためである。これに対
し、本実施例のリードフレームの製造方法においてはレ
ーザ加工を行うので、加工できる最小の加工限界は小さ
くなり、例えば板厚0.15mmの場合、インナーリー
ドピッチを約0.07mm程度にすることができる。従
って、インナーリードの幅はワイヤボンディング可能な
最小の幅よりもはるかに小さくなり、もはやワイヤボン
ディングを利用することはできない。そこで、図9のよ
うなLOC方式を採用すれば、本実施例で作られた狭ピ
ッチのリードフレームを使用した場合にも、半導体チッ
プの端子との接合が可能である。
【0062】また、このLOC方式は金バンプ層が薄い
ため、リードフレーム表面に凹凸があると、金バンプに
よる接合性が悪くなる。そのため、従来、このようなL
OC方式は、リードフレーム表面の凹凸が極めて少なく
微細な構造を有するTAB(Tape Auto-mated Bondin
g)方式に採用されることが多かった。しかし、本実施
例では、リードフレーム表面の凹凸が除去され、その表
面を滑らかで清浄にすることができるため、従来のTA
B方式と同様に、LOC方式によって半導体チップの端
子とリードフレームの接合が可能であり、TAB方式と
同等に狭ピッチの半導体装置を実現することが可能であ
る。しかも、本実施例では、従来のTAB方式のように
プラスチックフィルムに金属泊のリードを形成したもの
を使用するのではなく、強度が大きく、変形しにくく、
伸び縮みの少ない金属板をリードフレームとしているた
め、取扱いが容易であり、加工精度も良い。
【0063】以上のような本実施例によれば、レーザ加
工によって微細かつ高精度な加工が可能となるだけでな
く、ショットブラスト装置110より噴出される微小粒
状体11の運動エネルギによってレーザ加工後のリード
フレーム100aの表面を機械的に処理するので、レー
ザ加工により生じたスパッタやドロスが確実に取り除か
れる。また、これに引き続いて電解研磨装置120で化
学的に処理するので、上記機械的表面処理によってリー
ドフレーム100a表面に形成された多数の微細なキズ
や凹凸が溶解除去され、その表面を滑らかで清浄にする
ことができる。これにより、リードフレーム100a表
面にはスパッタやドロスによる凹凸がなくなるだけでな
く、その表面は滑らかで清浄になり、インナーリードの
半導体チップへの接合時、及びアウターリードのプリン
ト基板上への表面実装時において、密着性及び接合性が
改善される。
【0064】また、微小粒状体11の粒径をリードフレ
ーム100aの最小のリード間の幅以下にするので、微
小粒状体11はいかなるリード間の隙間をも通過するこ
とができ、ドロス等を確実に除去することができる。こ
の場合、リードフレーム100aの片面側から微小粒状
体11を衝突させた場合でも、微小粒状体11はリード
フレーム100aの反対側にもまわりこむので、その面
もある程度処理することができる。
【0065】また、上記化学的表面処理の後、ハンダメ
ッキ槽122で直ちにハンダメッキ処理を行うので、化
学的表面処理によって活性となったリードフレーム10
0aの表面にはハンダの金属皮膜が密着性よく付着す
る。これにより、リードフレーム100aの半導体チッ
プやプリント基板との接合の際の接合性が改善され、そ
の表面にキズがついたり変質することが避けられる。
【0066】また、コイル101より帯状の金属板10
0を巻き出して多数のリードフレームを連続的に加工す
るので、短時間でしかも低コストなリードフレームの大
量生産が可能となる。
【0067】次に、本発明によるリードフレームの製造
方法及び製造装置の他の実施例について、図10を参照
しながら説明する。本実施例においては、レーザ加工装
置とショットブラスト装置とを一体的に構成する。この
場合は、例えば図10に示すように、レーザビーム用ノ
ズル40と粒状体用ノズル50とが腕41によって近接
して固定される。これ以外の構成は図1と同様である。
【0068】図10において、レーザ発振器42より発
生したレーザビーム43は加工ヘッド44に入射し、加
工ヘッド45内に設けられたベンディングミラー46で
方向が変えられた後、加工ヘッド44下部のレーザビー
ム用ノズル40内の集光レンズ46で集光されてリード
フレームとなる金属板100に照射される。また、アシ
ストガスがアシストガス供給口47より供給され、レー
ザビーム用ノズル40先端よりレーザビーム43と同軸
的に噴出される。以上の構成は従来のレーザ加工加工装
置のものと同様である。
【0069】また、上記レーザビームによる加工の直後
に、レーザビーム用ノズル40に近接して固定された粒
状体用ノズル50からは、高圧空気源51からの高圧空
気52によって加速された微小粒状体53が前述の実施
例と同様に噴出し、加工された金属板100aに高速に
衝突する。但し、図10において、レーザビーム用ノズ
ル40及び粒状体用ノズル50は図中矢印40A及び5
0Aでそれぞれ示すように紙面上を左方から右方へ移動
しており、金属板100のレーザビーム用ノズル40よ
りも右側の斜線部分はまだ加工されていない。但し、上
記レーザ加工の進行方向(矢印40A)と図1で示した
金属板100の送給方向とは必ずしも一致しない。
【0070】以上のような本実施例によれば、図1の実
施例と同様の効果が得られると共に、レーザビームによ
る加工と微小粒状体の衝突によるスパッタやドロスの除
去とを一つの工程で行うことができ、製造の能率が向上
する。
【0071】次に、本発明によるリードフレームの製造
方法及び製造装置のさらに他の実施例について、図11
を参照しながら説明する。本実施例においては、図1の
ショットブラスト装置110に代え、ベルトの片面に微
小粒状体を付着させた研削ベルトを用いてリードフレー
ムの表面を研削する研削ベルト式表面処理装置を設け
る。これ以外の構成は図1と同様である。
【0072】図11において、研削ベルト式表面処理装
置60は、ベルトの片面に微小粒状体を付着させた研削
ベルト61をリードフレーム100aの両面から押さえ
込むように取り付けられる。研削ベルト61は巻出ロー
ル62より巻出され、押付けロール63によって一定の
力でリードフレーム100aに押し付けられ、リードフ
レーム100a表面を研削し、スパッタやドロスを除去
した後、巻取ロール64で巻取られる。上記において、
研削ベルト61はリードフレーム100aの送給方向と
は逆の方向に送給され、またリードフレーム100aは
押付けロール63入側の張力付与ロール67及びロール
63出側の送給ロール68とによりある一定の張力が付
与される。これにより、リードフレーム100aの両面
の研削能率が向上し、確実にスパッタやドロスが除去さ
れる。
【0073】また、除去しにくいスパッタやドロスが付
着しやすい研削ベルト61の裏面には研削液供給ノズル
65より研削液66が供給される。このように研削液6
6を供給することにより、リードフレーム100aと研
削ベルト61との接触を良くすることができ、研削ベル
トの研削性能が高められる。尚、研削ベルト61の裏面
のみならず表面側に研削液を供給してもよい。また、研
削液61と共に微小粒状体を供給すれば、研削効率がさ
らに向上する。
【0074】さらに、上記においては、研削ベルトを一
方向に供給して巻取る方式を用いたが、長尺の研削ベル
トの両端を連結したエンドレスの研削ベルトを使用し、
連続的にこれを供給してもよい。また、研削ベルトの代
わりにフェルト布を用い、砥粒入りの研削液を上記フェ
ルト布に吹きつけ、このフェルト布でリードフレーム1
00aを機械的に表面処理することも可能である。
【0075】以上のような本実施例によっても、図1か
ら図9で説明した実施例と同様の効果が得られる。
【0076】次に、本発明によるリードフレームの製造
方法及び製造装置のさらに他の実施例について、図12
を参照しながら説明する。本実施例においては、図1の
ショットブラスト装置110に代えて圧延機を設ける。
これ以外の構成は図1と同様である。
【0077】図12において、圧延機70は、1対のワ
ークロール71と、1対のバックアップロール72とを
備えており、ガイドロール73aによって導入されたリ
ードフレーム100aは1対のワークロール71の間で
元の板厚または元の板厚よりも若干厚い寸法に圧延され
た後、テンションロール73bより送り出される。
【0078】リードフレーム100a上のスパッタやド
ロスの付着状態は、不完全に突出する状態となってい
る。そこで、上記圧延機のワークロール71により元の
板厚または元の板厚よりも若干厚い寸法に圧延すれば、
突出しているスパッタやドロスだけが選択的に平に押し
潰され、その大部分が剥離し除去される。その後は、ワ
イヤブラシ等によって押し潰され剥離したスパッタやド
ロスをリードフレーム100aの表面から除去すること
が望ましい。
【0079】以上のような本実施例によっても、図1か
ら図9で説明した実施例と同様の効果が得られる。
【0080】次に、本発明によるリードフレームの製造
方法及び製造装置のさらに他の実施例について、図13
を参照しながら説明する。本実施例においては、図1の
ショットブラスト装置110に代えて円筒状刃物を備え
た研削機を設ける。これ以外の構成は図1と同様であ
る。
【0081】図13において、円筒状刃物(以下、平フ
ライスという)80は、表面に螺旋状の刃81を形成し
た工具であり、両端に回転支持軸部82を有している。
この回転支持軸部82を適当な軸受で支持して回転駆動
させる研削機を図1のショットブラスト装置110の代
わりに設ける。このような平フライス80を使用するこ
とにより、リードフレーム100aに突出した状態で付
着しているスパッタやドロスは選択時に研削され、除去
される。
【0082】以上のような本実施例によっても、図1か
ら図9で説明した実施例と同様の効果が得られる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ加工によって微
細かつ高精度な加工が可能となるだけでなく、その後の
リードフレームの表面を機械的な表面処理方法により処
理するので、レーザ加工により生じたスパッタやドロス
を確実に除去することができる。また、これに引き続い
て、化学的な表面処理方法で処理するので、機械的表面
処理によって形成された多数の微細なキズや凹凸はが溶
解除去され、その表面を滑らかで清浄にすることができ
る。従って、インナーリードの半導体チップへの接合
時、及びアウターリードのプリント基板上への表面実装
時において、密着性及び接合性を改善することができ
る。
【0084】また、機械的な表面処理方法として、多数
の微小粒状体を高速で衝突させる方法を採用することに
より、その運動エネルギを利用してスパッタやドロスを
除去することができる。
【0085】さらに、レーザビームの照射直後に多数の
微小粒状体を衝突させるので、レーザ加工と微小粒状体
の衝突によるスパッタやドロスの除去とを一つの工程で
行うことができ、製造の能率が向上する。
【0086】また、機械的な表面処理方法として、研削
ベルトを用いてリードフレームを研削するので、リード
フレームに付着したスパッタやドロスを確実に削り取る
ことができる。また、圧延を利用するので、スパッタや
ドロスを選択的に押し潰して剥離させ除去することがで
きる。また、円筒状刃物を用いるので、リードフレーム
表面のスパッタやドロスを選択的に研削し除去すること
ができる。
【0087】また、化学的な表面処理方法として、電解
研磨方法や化学研磨方法を採用するので、リードフレー
ムの多数の微細なキズ及び凹凸を除去することができ、
表面を滑らかかつ清浄にすることができる。
【0088】さらに、化学的な表面処理方法の後、直ち
にメッキ処理を行うので、リードフレーム表面の金属皮
膜の密着性をよくすることができ、リードフレームの半
導体チップやプリント基板との接合性を改善することが
でき、その表面にキズがついたり変質することが避けら
れる。
【0089】また、本発明によれば、コイルより帯状の
金属板を巻き出して多数のリードフレームを連続的に加
工するので、短時間でしかも低コストなリードフレーム
の大量生産が可能となる。
【0090】さらに、本発明によれば、リードフレーム
を良好な寸法精度で、かつ良好な清浄度及び平坦度で製
造できるため、半導体チップとの接合欠陥のない半導体
装置を実現することができる。また、この半導体装置を
用いることにより、プリント基板への実装時に、接合欠
陥のない電子機器を製作することができ、電子機器の信
頼性を高めることができる。さらに、電子機器の製品歩
留りが向上し、その製造コストの低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるリードフレームの製造
装置を示す図である。
【図2】図1の製造装置を利用したリードフレームの製
造方法を示すフローチャートである。
【図3】図1の微小粒状体噴射装置(ショットブラスト
装置)において、微小粒状体を噴出させる構成の一例を
示す図である。
【図4】図1の電解研磨装置の構成を示す図である。
【図5】電解研磨処理における電解研磨液の組成、電流
密度、温度、処理時間のおもな組合せを示す図であっ
て、リードフレームの材料が鉄鋼の場合の図である。
【図6】電解研磨処理における電解研磨液の組成、電流
密度、温度、処理時間のおもな組合せを示す図であっ
て、リードフレームの材料が銅及び銅合金の場合の図で
ある。
【図7】化学研磨処理における化学研磨液の組成、温
度、処理時間のおもな組合せを示す図である。
【図8】図1の製造装置及び図2の製造方法で作られる
リードフレームの一例を示す図である。
【図9】図8のリードフレームを使用して製造された半
導体装置の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す図であって、リー
ドフレームの製造装置に設けられるレーザ加工装置及び
ショットブラスト装置を示す図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例を示す図であっ
て、リードフレームの製造装置に設けられる研削ベルト
式表面処理装置を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例を示す図であっ
て、リードフレームの製造装置に設けられる圧延機を示
す図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示す図であっ
て、リードフレームの製造装置に設けられる研削機の平
フライスを示す図である。
【符号の説明】
10 粒状体用ノズル 11 微小粒状体 14 粒状体タンク 16 高圧空気源 17 高圧空気 18 スパッタ 19 ドロス 21 電解研磨槽 22a,22b,22c シャワーノズル 26 モータ 27 ポンプ 28 圧力制御弁 29 流量制御弁 32 通電子 33 電解研磨用直流電源 34 電極 40 レーザビーム用ノズル 43 レーザビーム 46 集光レンズ 50 粒状体用ノズル 51 高圧空気源 52 高圧空気 53 微小粒状体 60 研削ベルト式表面処理装置 61 研削ベルト 62 巻出ロール 63 押付けロール 64 巻取ロール 65 研削液供給ノズル 66 研削液 70 圧延機 71 ワークロール 72 バックアップロール 80 平フライス(円筒状刃物) 81 螺旋状の刃 82 回転支持軸部 100 金属板 100a リードフレーム 108 レーザ加工装置 109 ロータリーワイヤブラシング装置 110 ショットブラスト装置(微小粒状体噴射装置) 120 電解研磨装置 122 ハンダメッキ槽 202 インナーリード 203 アウターリード 211 半導体チップ 213 金バンプ 214 樹脂モールド

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップの各端子と接続される多数
    のインナーリードと、前記インナーリードの外側に連続
    するアウターリードとを有するリードフレームを形成す
    る際に、前記リードフレームの少なくとも一部をレーザ
    ビームの照射によって形成するリードフレームの製造方
    法において、 前記レーザビームの照射による加工後に、前記リードフ
    レームの表面を機械的な表面処理方法により処理し、続
    いて前記リードフレームの表面を化学的な表面処理方法
    により処理することを特徴とするリードフレームの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリードフレームの製造方
    法において、前記機械的な表面処理方法は、前記リード
    フレームにおける最小のリード間の幅以下の粒径を有す
    る多数の微小粒状体を、前記金属板表面に高速に衝突さ
    せる方法であることを特徴とするリードフレームの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のリードフレームの製造方
    法において、前記レーザビームの照射直後に多数の微小
    粒状体を衝突させることを特徴とするリードフレームの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のリードフレームの製造方
    法において、前記微小粒状体をエッチング液に混合して
    衝突させることを特徴とするリードフレームの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のリードフレームの製造方
    法において、前記機械的な表面処理方法は、ベルトの片
    面に微小粒状体を付着させた研削ベルトを用いて前記リ
    ードフレームの片面または両面から前記リードフレーム
    の表面を研削する方法であることを特徴とするリードフ
    レームの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のリードフレームの製造方
    法において、前記研削ベルトに研削液を供給することを
    特徴とするリードフレームの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のリードフレームの製造方
    法において、前記機械的な表面処理方法は、圧延ロール
    によって前記リードフレームを元の板厚または元の板厚
    よりも若干厚い寸法に圧延する方法であることを特徴と
    するリードフレームの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のリードフレームの製造方
    法において、前記機械的な表面処理方法は、表面に螺旋
    状の刃を形成した円筒状刃物を用いて前記リードフレー
    ム表面を研削する方法であることを特徴とするリードフ
    レームの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のリードフレームの製造方
    法において、前記化学的な表面処理方法は、前記リード
    フレームと電解研磨液との間に電圧を付与し、前記リー
    ドフレームに前記電解研磨液を吹きつけながら、前記リ
    ードフレーム表面の多数の微細なキズ及び凹凸を溶解除
    去する電解研磨方法であることを特徴とするリードフレ
    ームの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のリードフレームの製造
    方法において、前記化学的な表面処理方法は、前記リー
    ドフレームに化学研磨液を吹きつけながら、前記リード
    フレーム表面の多数の微細なキズ及び凹凸を溶解除去す
    る化学研磨方法であることを特徴とするリードフレーム
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のリードフレームの製造
    方法において、前記リードフレームの表面を化学的な表
    面処理方法により処理した後、直ちにメッキ処理を施す
    ことを特徴とするリードフレームの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から11記載のうちいずれか
    1項記載のリードフレームの製造方法によって製造され
    たリードフレーム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のリードフレームに半
    導体チップを搭載し、前記リードフレームの各端子と前
    記半導体チップの各端子とを接合し、樹脂モールドにて
    一体的に封止したことを特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】 レーザビームの照射によって金属板を
    加工するレーザ加工装置を備えたリードフレームの製造
    装置において、 前記レーザビームの照射による加工後に前記リードフレ
    ームの表面を機械的な表面処理方法により処理する機械
    的表面処理装置と、前記機械的表面処理装置に続いて前
    記リードフレームの表面を化学的な表面処理方法により
    処理する化学的表面処理装置とを備えたことを特徴とす
    るリードフレームの製造装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のリードフレームの製
    造装置において、前記機械的表面処理装置は、前記リー
    ドフレームにおける最小のリード間の幅以下の粒径を有
    する多数の微小粒状体を、前記金属板表面に高速に衝突
    させる微小粒状体噴射装置であることを特徴とするリー
    ドフレームの製造装置。
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