JPH09171275A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH09171275A
JPH09171275A JP7330126A JP33012695A JPH09171275A JP H09171275 A JPH09171275 A JP H09171275A JP 7330126 A JP7330126 A JP 7330126A JP 33012695 A JP33012695 A JP 33012695A JP H09171275 A JPH09171275 A JP H09171275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、トナー像が直接に一次転写される
中間転写ベルト、ないし用紙を吸着搬送する転写ベルト
を備えたカラー画像形成装置に関し、色ずれを防止す
る。 【解決手段】 中間転写ベルト71の温度を測定する温
度測定装置81を備え、その温度に基づいて、画像位置
誤差予測装置82で画像形成位置誤差を予測し、画像形
成位置補正装置83で画像形成位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式等を用
い、用紙等の画像形成媒体上に可視画像を形成する画像
形成装置に関し、特に、潜像担持体上に形成されたトナ
ー像が直接的に一次転写される中間転写体、ないし用紙
等の画像形成媒体を保持(例えば吸着)して搬送し、そ
の保持した画像形成媒体上に転写を受ける転写体を備え
た画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式等を用いた画像形成装置、
特にカラー画像形成装置においては、画像品質の劣化を
防止するため画像が形成される位置を高精度に制御する
必要が有る。画像形成位置ずれの原因としては、装置構
成要素の速度変動が主たるものであるが、加熱機構を有
する画像形成装置の場合には、熱によって構成要素の膨
張が発生することによっても画像形成位置ずれが生ず
る。このような原因によって生じる画像形成位置ずれ
は、カラー画像形成装置においては、各色間のいわゆる
色ずれとなってあらわれ、画像品質を著しく劣化させて
しまう結果となる。
【0003】以下、図を参照してこの問題点について詳
述する。図16は従来の電子写真方式によるカラー画像
形成装置を示す概略構成図である。図16において、カ
ラー画像形成装置本体1の上部には、原稿100に記録
された画像を読み取る画像読取装置(IIT:Imag
e Input Terminal)2が配置されてい
る。この画像読取装置2は、プラテンガラス21上に載
置された原稿100を光源22によって照明し、光源2
2を原稿100に沿って走査しながら、原稿100から
の反射光像を第1及び第2の走査ミラー23,24及び
結像レンズ25を介してカラーCCDセンサー26で受
光し、このカラーCCDセンサー26によって原稿10
0の画像をRGBのアナログ画像信号として読み取るよ
うになっている。カラーCCDセンサー26によって読
み取られたRGBの画像信号は、画像信号処理装置(I
PS:Image Processing Syste
m)27によってYMCKのデジタル画像信号に変換さ
れるとともに、色補正やシェーディング補正等の所定の
補正処理が施されて、必要に応じて画像処理装置27の
内部に設けられた画像情報記憶装置27aに一時記憶さ
れ、以下に述べる複数の画像形成ユニット51a、51
b、51c、51d等を備えた画像出力装置(IOT:
Image Output Terminal)5に送
られる。
【0004】カラー画像形成装置本体1の内部には、イ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラッ
ク(K)の各色のトナー像を形成する4つの画像形成ユ
ニット51a,51b,51c,51dと、これらの4
つの画像形成ユニット51a,51b,51c,51d
に対向して設置された中間転写ベルトユニット7が配置
されている。上記各画像形成ユニット51a,51b,
51c,51dは、それぞれベルト状の感光体52a,
52b,52c,52dを備えており、これらのベルト
状感光体52a,52b,52c,52dは、各ベルト
状感光体52a,52b,52c,52dを駆動する各
駆動ロール53a,53b,53c,53d、各ばね5
4a,54b,54c,54dの作用により各ベルト状
感光体52a,52b,52c,52dに張力を与える
テンションロール55a,55b,55c,55d及び
自由回転するアイドラーロール56a,56b,56
c,56dに張架されている。ベルト状感光体52a,
52b,52c,52dは、一次帯電器57a,57
b,57c,57dによって所定の電位に一様に帯電さ
れた後、レーザービーム走査装置58a,58b,58
c,58dによって露光され各色の画像に対応する静電
潜像が形成される。上記レーザービーム走査装置58
a,58b,58c,58dは、画像処理装置27から
順次出力されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シア
ン(C)、ブラック(K)の各色の画像に対応する画像
データに応じて変調されたレーザービームによりベルト
状感光体52a,52b,52c,52dを走査し、画
像露光を行うようになっている。上記各ベルト状感光体
52a,52b,52c,52d上に形成された静電潜
像は、各現像機59a,59b,59c,59dによっ
てそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像さ
れる。
【0005】上記中間転写ベルトユニット7は、中間転
写ベルト71を備えており、この中間転写ベルト71
は、中間転写ベルト71を駆動する駆動ロール72、中
間転写ベルト71に張力を与えるテンションロール73
及び自由回転するアイドラーロール74,75に張架さ
れている。第1の画像形成ユニット51aは、ベルト状
感光体52a上に形成されたイエロー色画像が、ベルト
状感光体52aの最下点の一次転写ポイントにて、中間
転写ベルト71上の所定の位置に転写されるようよう
に、その駆動タイミングや画像書き込みタイミングが決
められている。一次転写ポイントに達した中間転写ベル
ト71上の所定箇所には、一次転写用帯電器76aによ
ってベルト状感光体72a上のイエロー色画像が転写さ
れる。次いで、その中間転写ベルト71のイエロー色画
像が転写された箇所がベルト状感光体52bの真下の一
次転写ポイントに達する。ベルト状感光体52b上の真
下の一次転写ポイントに達した、中間転写ベルト71上
の所定箇所には、ベルト状感光体52aで転写されたの
と同様に、ベルト状感光体52b上のマゼンタ色画像が
一次転写される。このようにして全ての一次転写を終え
多色の画像を保持した中間転写ベルト71は、更にアイ
ドラーロール75近傍の二次転写ポイントに達する。
【0006】一方、画像形成媒体である記録用紙91
は、給紙カセット92から給送ロール93によって供給
され、レジストロール94によって所定のタイミングで
中間転写ベルトユニット7へ搬送される。記録用紙91
の先端と、中間転写ベルト71上に形成された画像の先
端は、二次転写ポイントにおいて一致するように紙送り
タイミングが決められている。
【0007】二次転写ポイントでは、二次転写定着装置
90により加圧及び加熱が施され、その作用により中間
転写ベルト71上の多色画像が記録用紙91上に転写と
同時に定着される。その後、4色のトナー像が定着され
た記録用紙91は、用紙搬送装置95を経由してトレイ
96上に搬出され、カラー画像の形成工程が終了する。
【0008】転写工程が終了したベルト状感光体52
a,52b,52c,52dは,クリーニング装置60
a,60b,60c,60dによって、残留した現像剤
等が除去され、次の画像形成工程に備えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の画像
形成装置では、二次転写定着装置90による加熱作用の
ため、中間転写ベルト71の温度上昇が発生する。中間
転写ベルト71の実際の温度上昇状況を図17に示す。
図17は、中間転写ベルト71の各部の温度を、加熱後
10秒おきにプロットしたものである。図中の番号は、
図16中に付した同じ番号の部材の各位置に対応してい
る。
【0010】初期温度20°Cに対し、加熱開始によ
り、二次転写定着装置90直後の温度は75°C程度に
まで上昇する。その後、アイドラーロール74及び駆動
ロール72にかけて冷却され、各画像形成ユニット51
a,51b,51c,51dの一次転写ポイント(各駆
動ロール53a,53b,53c,53dの位置)にお
いては、中間転写ベルト71の、画像が転写される側の
面(以下、「転写面」と称する)の温度は20〜40°
C程度の範囲内にあり、時間とともに徐々に温度上昇が
発生している。
【0011】材料は一般に熱による膨張があることが知
られており、中間転写ベルト71に利用されるプラスチ
ック材料も、例えば10-5/K程度の率で膨張が発生す
る。このため従来の画像形成装置のように、中間転写ベ
ルト71の周長が一定であることを想定して装置各部の
動作タイミングを規定している場合は不具合が発生す
る。すなわち、図17のような温度上昇により中間転写
ベルト71に熱膨張が発生しその熱膨張により中間転写
ベルト71の表面速度が変化するため、各画像の形成位
置が所望の位置からずれてしまうことになる。その結
果、画像のぼけ、ゆがみなど品質低下を招き、特にカラ
ー画像においてはいわゆる色ずれの発生により画像品質
が著しく低下する。
【0012】図18は、室温を基準とした場合に発生す
る熱膨張による画像形成位置ずれと、各色間の色ずれを
示している。#1〜#4は各画像形成ユニット51a〜
51dによって形成された画像の、中間転写ベルト71
上の形成位置誤差であり、#1−#2,#1−#3,#
1−#4は、画像形成ユニット51aで形成された画像
に対する、各画像形成ユニット51b,51c,51d
で形成された画像の、記録用紙91上での位置ずれ、す
なわち色ずれを示している。ここでは、プロセススピー
ドは160mm/sec.であり、したがって図18の
横軸は、10sec.が記録用紙91上の長手方向の長
さ1600mmに相当している。
【0013】図17に示したような転写面の温度上昇に
伴い、画像形成位置ずれ及び色ずれが時間とともに増加
していることが分かる。一方、従来より、特開昭63−
307481号公報、特開平2−167569号公報、
特開平2−167573号公報、特開平5−16370
号公報、特開平6−171107号公報、特開平7−1
04545号公報などに、温度上昇に伴う画質劣化を防
止するための改善策が提案されている。
【0014】特開昭63−307481号公報には、イ
ンジェクトプリンタのフレームの、温度による膨張に起
因する画像形成位置の変化を補正するために、対象の温
度を検知し基準値と比較することで画像形成位置補正量
を算出し、書き込み装置のミラー角度を変更することで
補正を行う技術が開示されている。ここでは、温度と画
像形成位置ずれとの関係をあらかじめ把握しておくこと
により、補正量の算出を容易にしている。
【0015】また、特開平2−167569号公報、特
開平2−167573号公報には、感光体などの記録媒
体にマークまたはマーク穴などを設け、これを検出する
ことで伸縮量を検知し、所定の伸縮量になるよう温度調
節を行う技術が開示されている。また、特開平5−16
370号公報には、用紙を吸着搬送する搬送ベルトを駆
動する駆動ロールの温度やインクジェット方式の記録ヘ
ッド支持部材の温度を検出して、記録ヘッドの印字間隔
を制御する技術が開示されている。
【0016】さらに、特開平6−171107号公報に
は、インジェクトプリンタの記録ヘッド支持部材周辺の
温度を検出し、記録ヘッドの駆動タイミングを補正する
技術が開示されている。また、特開平7−104545
号公報には、感光体や書き込み装置の保持部材にセラミ
ックス材などを用い、熱膨張率が5×10-6/°K以下
の材料で構成することにより熱による膨張そのものを押
える技術が開示されている。
【0017】以上、従来提案された技術では、書き込み
装置や記録ヘッドの支持部材などの熱張による画像形成
位置ずれを低減することは可能であるが、用紙搬送ベル
トや中間転写ベルトなど、画像を保持搬送する部材その
ものの熱膨張による画像形成位置ずれに対しては、何ら
の改善効果も有していないという共通の問題点がある。
【0018】さらに、それぞれ以下に述べるような不具
合点もある。特開昭63−307481号公報に開示さ
れた技術においては、温度を検出する対象が書き込み装
置のみであり、実際に画像形成が行われる転写位置での
温度情報が反映されていないことにより、高精度な補正
がなされない。また、特開平2−167569号公報、
特開平2−167573号公報に開示された技術におい
ては、記録媒体上にマークを形成したり、穴を設け、そ
のマークや孔を検出するなど特別の機構を必要とし、装
置の複雑化、高コスト化となる。
【0019】さらに、特開平7−104545号公報に
開示された技術においては、使用可能な材料が著しく限
定され、他の機能の低下、コスト高、重量高等の不具合
を招きやすい。本発明は、上記の従来技術の欠点を解決
するべくなされたものであって、トナー画像が直接一次
転写される中間転写体、もしくは用紙等の画像形成媒体
を保持してその保持した画像形成媒体上に転写を受ける
画像形成媒体保持体を用いた画像形成装置における、温
度による中間転写体もしくは画像形成媒体保持体の伸縮
に起因する画質劣化が防止された画像形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の画像形成装置は、所定の方向に循環移動す
る、潜像が形成される潜像担持体、所定の書込位置にお
いて、循環移動する潜像担持体上に画像信号に基づく潜
像を書き込む潜像書込手段、潜像担持体上に形成された
潜像をトナーで現像することにより、潜像担持体上にト
ナー像を形成する現像手段、所定の方向に循環移動す
る、所定の転写位置において潜像担持体に近接もしくは
接触して潜像担持体上に形成されたトナー像の転写を受
ける中間転写体、および上記転写位置において、潜像担
持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に転写する
転写手段を備え、潜像担持体上に形成されたトナー像を
一旦中間転写体上に転写した後に、中間転写体上のトナ
ー像の、所定の画像形成媒体への転写を行なう画像形成
装置において、上記中間転写体の温度、ないし中間転写
体の温度と相関のある温度を示す部分の温度を測定する
温度測定手段を備え、上記潜像書込手段が、温度測定手
段で測定された温度に応じて、潜像担持体上への潜像の
書込みのタイミング制御を行なうタイミング制御手段を
含むものであることを特徴とする。
【0021】また、上記目的を達成する本発明の第2の
画像形成装置は、所定の方向に循環移動する、潜像が形
成される潜像担持体、所定の書込位置において、循環移
動する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込む
潜像書込手段、潜像担持体上に形成された潜像をトナー
で現像することにより、潜像担持体上にトナー像を形成
する現像手段、所定の画像形成媒体を保持して所定の方
向に循環移動する、所定の転写位置において潜像担持体
に近接もしくは接触する画像形成媒体保持体、および上
記転写位置において、前記潜像担持体上に形成されたト
ナー像を前記画像形成媒体保持体に保持された画像形成
媒体上に転写する転写手段を備えた画像形成装置におい
て、上記画像形成媒体保持体の温度、ないし画像形成媒
体保持体の温度と相関のある温度を示す部分の温度を測
定する温度測定手段を備え、上記潜像書込手段が、前記
温度測定手段で測定された温度に応じて、前記潜像担持
体上への潜像の書込みのタイミング制御を行なうタイミ
ング制御手段を含むものであることを特徴とする。
【0022】本発明の第1ないし第2の画像形成装置
は、中間転写体ないし画像形成媒体保持体の温度ないし
その温度と相関のある温度を示す部分の温度、例えば環
境温度を測定し、その測定された温度に応じて潜像担持
体上への潜像の書込みのタイミング制御を行なうもので
あるため、温度による中間転写体ないし画像形成媒体保
持体の伸縮に起因する画像形成位置ずれが補正され、特
にカラー画像においては色ずれの発生が防止でき、高画
質な画像を得ることができる。
【0023】ここで、上記本発明の第1ないし第2の画
像形成装置において、上記タイミング制御手段は、画像
信号の送出タイミングを制御することにより、上記のタ
イミング制御を行なうものであってもよく、あるいは上
記タイミング制御手段は、潜像を書き込む書込位置を変
更することにより、上記のタイミング制御を行なうもの
であってもよい。
【0024】また、上記目的を達成する本発明の第3の
画像形成装置は、所定の方向に循環移動する、潜像が形
成される潜像担持体、所定の書込位置において、循環移
動する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込む
潜像書込手段、潜像担持体上に形成された潜像をトナー
で現像することにより、該潜像担持体上にトナー像を形
成する現像手段、所定の方向に循環移動する、所定の転
写位置において潜像担持体に近接もしくは接触してその
潜像担持体上に形成されたトナー像の転写を受ける中間
転写体、および上記転写位置において、潜像担持体上に
形成されたトナー像を中間転写体上に転写する転写手段
を備え、潜像担持体上に形成されたトナー像を一旦中間
転写体上に転写した後に、中間転写体上のトナー像の、
所定の画像形成媒体への転写を行なう画像形成装置にお
いて、中間転写体の温度、ないし中間転写体の温度と相
関のある温度を示す部分の温度を測定する温度測定手
段、および温度測定手段で測定された温度に応じて、潜
像担持体上に形成されたトナー像の、中間転写体上への
転写のタイミング制御を行なうタイミング制御手段を備
えたことを特徴とする。
【0025】さらに、上記目的を達成する本発明の第4
の画像形成装置は、所定の方向に循環移動する、潜像が
形成される潜像担持体、所定の書込位置において、循環
移動する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込
む潜像書込手段、潜像担持体上に形成された潜像をトナ
ーで現像することにより、潜像担持体上にトナー像を形
成する現像手段、所定の画像形成媒体を保持して所定の
方向に循環移動する、所定の転写位置において潜像担持
体に近接もしくは接触する画像形成媒体保持体、および
上記転写位置において、潜像担持体上に形成されたトナ
ー像を画像形成媒体保持体に保持された画像形成媒体上
に転写する転写手段を備えた画像形成装置において、画
像形成媒体保持体の温度、ないし画像形成媒体保持体の
温度と相関のある部分の温度を測定する温度測定手段、
および温度測定手段で測定された温度に応じて、潜像担
持体上に形成されたトナー像の、画像形成媒体保持体に
保持された画像形成媒体上への転写のタイミング制御を
行なうタイミング制御手段を備えたことを特徴とする。
【0026】本発明の第3ないし第4の画像形成装置
は、中間転写体ないし画像形成媒体保持体の温度ないし
その温度と相関のある温度を示す部分の温度を測定し、
その測定された温度に応じて潜像担持体上に形成された
トナー像の中間転写体への転写、ないし画像形成媒体保
持体に保持された画像形成媒体への転写のタイミング制
御を行なうものであるため、上記第1ないし第2の画像
形成装置と同様、温度による中間転写体の伸縮に起因す
る画像形成位置ずれが補正され、特にカラー画像におい
ては色ずれの発生が防止でき、高画質な画像を得ること
ができる。
【0027】ここで、上記第3ないし第4の画像形成装
置において、上記タイミング制御手段が、上記書込位置
と上記転写位置との間の、中間転写体もしくは画像形成
媒体保持体の長さを調節することにより、上記のタイミ
ング制御を行なうものであってもよく、あるいは上記タ
イミング制御手段が、上記転写位置を変更することによ
り、上記タイミング制御を行なうものであってもよい。
【0028】上記第1もしくは第3の画像形成装置は、
上記潜像担持体を複数備え、中間転写体が、これら複数
の潜像担持体それぞれに対応する各転写位置を経由して
循環移動しこれら複数の潜像担持体それぞれに形成され
たトナー像の多重転写を受けるものであって、上記タイ
ミング制御手段が、それら複数の潜像担持体のうち高々
1つを除く潜像担持体それぞれについて上記タイミング
制御を行なうものであってもよく、その場合に、温度測
定手段が、中間転写体の循環移動に沿う方向に離れた複
数箇所の温度を測定するものであることも好ましい態様
である。
【0029】また、これと同様に、上記第2もしくは第
4の画像形成装置は、上記潜像担持体を複数備え、画像
形成媒体保持体が、これら複数の潜像担持体それぞれに
対応する各転写位置を経由して循環移動し該画像形成媒
体保持体に保持された画像形成媒体上にこれら複数の潜
像担持体それぞれに形成されたトナー像の多重転写を受
けるものであって、上記タイミング制御手段が、それら
複数の潜像担持体のうち高々1つを除く潜像担持体それ
ぞれについて上記タイミング制御を行なうものであって
もよく、その場合に、温度測定手段が、画像形成媒体保
持体の循環移動に沿う方向に離れた複数箇所の温度を測
定するものであることも好ましい態様である。
【0030】複数の潜像担持体それぞれについてタイミ
ング制御を行なうことにより、色ずれを防止でき、その
場合に、中間転写体ないし画像形成媒体保持体の循環移
動に沿う方向に離れた複数箇所の温度を測定することに
より、中間転写体ないし画像形成媒体保持体の、複数の
潜像担持体それぞれの位置におけるタイミング制御をよ
り高精度に行なうことができ、色ずれの一層の防止が図
られる。
【0031】尚、ずれは、ある色のトナー画像と他の色
のトナー画像との相対的な画像形成位置ずれによって生
ずるものであるから、複数の潜像担持体のうちの1つに
ついては、温度測定手段で測定された温度に基づいたタ
イミング制御を行なうことなく、その他の潜像担持体そ
れぞれについてタイミング制御を行なうことによっても
色ずれの防止を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示す、電
子写真方式によるカラー画像形成装置の概略構成図であ
る。図1において、前述した図16における画像形成装
置と同一符号の部分については構成及び動作が同様なの
で説明を省略する。
【0033】カラー画像形成装置本体1内部には、図1
6に示す構成に加え、さらに温度検出装置81、画像位
置誤差予測装置82、および画像位置誤差補正装置83
が設けられている。温度検出装置81は、本実施形態で
は、第1画像形成ユニット51aの一次転写ポイント近
傍であって、かつ中間転写ベルト71の表面に接触して
設置されている。本実施形態では、温度検出装置81
が、本発明にいう温度測定手段に相当し、画像位置誤差
測定装置82および画像位置誤差補正装置83が、本発
明にいうタイミング制御手段に相当する。
【0034】温度検出装置81は、熱電対等による温度
センサと、温度センサ出力を増幅整形し、温度に対応し
たアナログ電圧を出力する増幅整形器等から構成され、
温度に応じたアナログ電圧が画像位置誤差予測装置82
に向けて出力される。画像位置誤差予測装置82では、
温度検出装置81からの出力をもとに、例えば以下のよ
うな演算処理により画像形成位置誤差を予測する。 (1−1)温度検出装置81から出力された、温度に対
応したアナログ電圧を所定時間ごとにサンプリングし
て、あらかじめ把握されている温度検出装置81の特性
から、適当な変換によりディジタル温度情報Tを得る。 (1−2)この温度Tを、装置のタイミング生成時の基
準となっている基準温度Trefと比較し、温度差ΔT
を得る: ΔT=T−Tref (1−3)温度差ΔTに中間転写ベルト71の材料の熱
膨張係数αを乗ずることにより、基準長さに対する熱膨
張率δを算出する: δ=ΔT×α (1−4)熱膨張率δと、第1画像形成ユニット51a
を基準とする各画像形成ユニット51b,51c,51
dの転写点間距離d12,d13,d14を掛け合わせ、各画
像形成ユニット間における中間転写ベルト71の熱膨張
量Δd12,Δd13,Δd14を算出する: Δd12=δ×d12 Δd13=δ×d13 Δd14=δ×d14 (1−5)得られた熱膨張量Δd12,Δd13,Δd14
画像位置誤差として出力する。
【0035】画像形成位置補正装置83では、画像位置
誤差予測装置82からの出力をもとに、各画像形成ユニ
ット51b,51c,51dにおける画像書込開始信号
を熱膨張量Δd12,Δd13,Δd14に相当する時間、基
準の時刻からずらすことにより、画像形成位置補正を行
う。図2は、画像書込開始信号をずらした状態を示した
タイミングチャートである。
【0036】感光体ベルト52b(第2の画像形成ユニ
ット52bで代表させる)が所定の、画像書込可能状態
になったタイミングで、画像書込可能信号がオン状態と
なる。図1に示す画像形成位置補正装置83はこの画像
書込可能信号を受けてレーザビーム操作装置58bに向
けて画像書込開始信号を送出し、レーザビーム走査装置
58bではその画像書込開始信号を受けたタイミングを
起点として画像信号に応じて変調されたレーザビームを
射出するが、ここでは画像形成位置補正装置83は、画
像書込可能信号がオン状態となっても、直ちには画像書
込開始信号は送出せず、熱膨張量Δd12に応じたタイミ
ングだけ時間をずらせて送出する。このときレーザビー
ム走査装置58からは、その時間がずれたタイミングだ
けずれた時間刻を起点としてレーザビームが射出され、
したがって感光体ベルト52b上には、そのタイミング
だけずれた位置に潜像が書き込まれる。
【0037】本発明者は、図18に示したような画像位
置ずれに対し、図1に示す第1の実施形態による色ずれ
補正の改善効果を確認する実験を行った。転写定着装置
90表面温度は約120°Cであって、中間転写ベルト
71はポリイミド製で厚さ75μm、ロール類はステン
レス製のものを使用した。転写定着装置90から第1画
像形成ユニット51aまでの距離は約938mm、隣接
する各画像形成ユニット51a〜51d間の距離は約1
96mmである。書き込みタイミング補正は約3秒おき
に実施し、第1画像形成ユニット51aでの転写時点の
温度情報に基づいて補正を行った。
【0038】温度分布は図17に示したとおりである。
画像位置ずれと色ずれを図3に示す。図3に示す色ずれ
を図18の色ずれと比較すると、色ずれが大きく低減さ
れていることが分かる。図3に示すデータは、第1画像
形成ユニット51aでの転写時点の温度情報をもとに画
像位置誤差の予測を行った結果のデータであるが、実際
には、第2画像形成ユニット52b以降では画像形成ユ
ニット間を中間転写ベルト71上の画像が移動するのに
要する時間だけ転写時刻に差が生じる。この点に着目
し、各画像形成ユニット51a〜51bの各転写時刻に
おける温度情報をもとに画像位置誤差の予測を行うこと
も可能である。
【0039】この場合の実験結果を図4に示す。図3に
比べ、初期の、温度変化が急激な部分での色ずれが低減
されていることが分かる。なお、色ずれは各色のトナー
像の相対的な位置ずれによるものであるため、画像位置
補正は、1つの画像形成ユニット、例えば第1画像形成
ユニット51aでは行なわずに、他の画像形成ユニット
51b,51c,51dのみで行なうことで十分であ
る。
【0040】また、図1に示す第1の実施形態では、温
度検出装置81を第1画像形成ユニット51aの近傍に
設置したが、中間転写ベルト71の別の部分に設置して
も、またロール類や転写定着装置90の表面に設置して
も同様の効果を得ることが可能である。その場合、場合
によっては、上記(1−3)の処理において、画像転写
位置からの距離や材料の熱的特性に応じた補正係数βを
乗ずるなどの処理を加えることが好ましい。
【0041】さらに、図1に示す実施形態では、画像形
成ユニット51a〜51dにおいてベルト状感光体が採
用されているが、ベルト状の感光体に代えてドラム状の
感光体を採用しても、あるいは、トナー像が直接転写さ
れる中間転写ベルト71に代えて、用紙(本発明にいう
画像形成媒体の一例)を吸着搬送する転写ベルトないし
転写ドラム(本発明にいう画像形成媒体保持体の各例)
を採用してその転写ベルトないし転写ドラムに吸着され
た用紙上に転写するように構成しても、本実施形態と同
様の、色ずれ防止効果を得ることができる。画像形成ユ
ニットを1つのみ備え、その画像形成ユニット上に順次
各色のトナー像を形成して、そのトナー像を、中間転写
体、ないし画像形成媒体保持体上に保持された画像形成
媒体転写ドラム上に転写する方式にも適用することが可
能である。
【0042】また、上記の第1の実施形態では、記録用
紙91上に転写を行なうと同様に定着を行なう方式の画
像形成装置であるが、本発明は用紙上への転写と用紙上
に転写されたトナー像の定着を別々に行なう方式の画像
形成装置にも適用することが可能である。また、上記第
1の実施形態では、潜像の書込みタイミングを変更する
ことにより、温度に起因する色ずれの防止が図られてい
るが、色ずれの防止を図る手段(本発明にいうタイミン
グ制御手段)は、潜像の書込みタイミングを変更するも
のに限られるものではなく、以下に例示するように種々
の方式を採用することができる。
【0043】図5は、温度に応じて画像データそのもの
を編集し直す例を示す模式図である。図5に示す‘画像
データ模式図’は画像データメモリ(白枠)内の有効な
画像データ(斜線部)の記憶領域を示しており、‘出力
画像’は、用紙(白枠)上に形成された画像(斜線部)
を示している。
【0044】図5(A)に示すように、温度に応じた補
正をしなかった場合に用紙のずれた位置に出力画像が形
成される場合に、図5(B)に示すように、画像データ
そのものを編集し直して潜像形成前に位置をずらしてお
くことにより、用紙上の正しい位置に出力画像を形成す
ることができる。このように温度に応じて画像データそ
のものを編集し直すことにより画像の位置ずれや色ずれ
を防止してもよい。
【0045】図6は、潜像書込み位置調整機構の各例を
示す模式図である。図1に示す各レーザビーム走査装置
58a,58b,58c,58d(ここではレーザビー
ム走査装置58bで代表させる)から射出された露光レ
ーザビーム110はミラー111で反射されて感光体ベ
ルト52b上を照射する。ここで、図6(A)の構成の
場合、ミラー111はミラー保持ブロック112に保持
され、そのミラー保持ブロック112はレール113に
図6の上下方向に移動自在に支持されている。また保持
ブロック112には図示しない雌ねじが刻設されてお
り、雄ねじ棒115と螺合している。この雄ねじ棒11
5は、モータ114の回転軸と直結されている。このモ
ータ114を温度に応じて回転させると、ミラー保持ブ
ロック112の位置が変化し、感光体ベルト52a上へ
の潜像書込み位置が変化する。また、図6(B)では、
ミラー111は、そのミラー111の角度を調整するガ
ルバノメータ116に保持されており、そのミラー11
1の角度を温度に応じて調整することにより、感光体ベ
ルト52a上の潜像書込み位置が変化する。
【0046】これらの例に示すように、潜像の書込位置
を調整することによっても、画像の位置ずれや色ずれを
補正することができる。図7は、感光体ベルトの、潜像
書込み位置と転写位置との間の距離を調整する機構の例
を示した図である。感光体ベルト51bには、その内側
からアイドラーロール121が当接しており、アイドラ
ーロール121は保持ブロック122に回転自在に軸支
されている。保持ブロック122はレール123に図7
の左右方向にスライド自在に保持されている。また、保
持ブロック122には雌ねじが刻設された孔(図示せ
ず)が設けられており、その孔には雄ねじ棒125が螺
合している。雄ねじ棒125はモータ124の回転軸と
直結しており、したがってモータ124が回転するとそ
の回転方向および回転量に応じて、アイドラーロール1
21が図7の左右方向に移動する。
【0047】そこで、中間転写ベルト71の温度に応じ
てモータ124を回転させ、アイドラーロール121の
位置を調整することにより、感光体ベルト51bへの潜
像形成位置と、その潜像が現像された後の一次転写位置
(一次転写用帯電器76bの位置)との間の距離が変化
し、したがって潜像形成後中間転写ベルト71への転写
を行なう迄の時間が変化し、したがって中間転写ベルト
71への転写のタイミングが変化する。
【0048】このようにして転写ベルト71への転写の
タイミングを制御することにより、画像の位置ずれ、色
ずれを防止してもよい。図8は転写位置調整機構の例を
示す図である。駆動ロール53bに、図7と同様の保持
ブロック122,レール123,モータ124,雄ねじ
棒125からなる機構が取り付けられている。中間転写
ベルト71の温度に応じてモータ124を回転させて、
駆動ロール53bの、図8の左右方向の位置、すなわち
転写位置を調整することにより転写タイミングが調整さ
れる。
【0049】このように、転写位置そのものを変化させ
ることにより転写タイミングを制御し、これにより画像
の位置ずれ、色ずれを防止してもよい。図9は本発明に
係る第2の実施形態を示す、カラー画像形成装置の概略
構成図である。この実施形態では、図1の実施形態にお
ける温度検出装置81に加え、さらに第4画像形成ユニ
ット51d近傍に、もう一つの温度検出装置84が設置
されている。温度検出と画像形成位置補正の動作は第1
の実施形態と同様である。
【0050】画像位置誤差予測装置82では、双方の温
度検出装置81,84からの出力をもとに、例えば以下
のような演算処理により画像形成位置誤差を予測する。 (2−1)各温度検出装置81,84から出力された、
温度に対応したアナログ電圧を所定時間ごとにサンプリ
ングして、あらかじめ把握されている温度検出装置8
1,84の特性から適当な変換によりディジタル温度情
報T1及びT2を得る。 (2−2)温度T1及びT2から転写面における温度
T’と位置xとの関係を一次式で表す: T’=a×x+b (a、bはT1、T2から求めた係数) (2−3)求めた数式と各画像形成ユニット51a〜5
1dの各位置に基づいて、各画像形成ユニット51a〜
51dの一次転写ポイントにおける各温度T1’,T
2’,T3’,T4’を求める: Ti’=a×xi +b (i:1〜4、xi は各画像形成ユニットの一次転写ポ
イント) (2−4)この温度を、装置のタイミング生成時の基準
となっている基準温度Trefと比較し、温度差ΔT
1’等を得る: ΔTi’=Ti’−Tref (2−5)温度差ΔTi’に中間転写ベルト材料の熱膨
張係数αを乗ずることにより、基準長さに対する熱膨張
率δi’を算出する: δi’=ΔTi’×α (2−6)このようにして算出された熱膨張率と、第1
画像形成ユニット51aを基準とする各画像形成ユニッ
ト51b〜51dの一次転写ポイント間距離d12
13,d14を掛け合わせ、各画像形成ユニット51b〜
51dにおける熱膨張量Δd12’,Δd13’,Δd14
を算出する: Δd12’=δ2’×d12’ Δd13’=δ3’×d13’ Δd14’=δ4’×d14’ (2−7)得られた熱膨張量Δd12’,Δd13’,Δd
14’を画像位置誤差として出力する。
【0051】本発明者は、図18に示したような画像位
置ずれに対し、本実施形態による改善効果を確認する実
験を行った。実験条件は第1の実施形態における実験条
件と同様である。得られた画像位置ずれと色ずれを図1
0に示す。図3,図4の色ずれと比較すると、本実施形
態では初期の温度変化の大きい部分を除き、大きく低減
されていることが分かる。
【0052】図10にデータを示す実験においては、第
1画像形成ユニット51aでの転写時の温度情報をもと
に画像位置誤差の予測を行ったが、実際には、第2画像
形成ユニット51b以降では画像形成ユニット間を中間
転写ベルト71上の画像が移動するのに要する時間だけ
転写時刻に差が生じる。この点に着目し、各画像形成ユ
ニットでの各転写時刻における温度情報をもとに画像位
置誤差の予測を行うことも可能である。
【0053】この場合の実験結果を図11に示す。初期
の、温度変化が急激な部分で、色ずれが低減されている
ことが分かる。なお、本実施形態では温度検出装置を2
か所に設置し、その間の温度分布を線形近似して求めて
いるが、温度検出装置を3か所以上の場所に設置し、場
合によって多項式近似したり、指数関数近似したり、そ
の組合せを用いることでより精度の高い予測が可能であ
る。
【0054】図12は本発明に係る第3の実施形態を示
す、カラー画像形成装置の概略構成図である。この実施
形態では、温度検出装置81は転写定着装置90の表面
に設置され、さらに、図1に示す第1の実施形態の構成
に加え、温度情報記憶装置85が設置されている。温度
検出と画像形成位置補正の動作は前述の第1の実施形態
と同様である。
【0055】温度情報記憶装置85内には、表1に示す
温度対応表が記憶されている。画像位置誤差予測装置8
2では、温度検出装置85からの出力をもとに、温度情
報記憶装置85に記憶されている表1の情報を参照し
て、第2、第3、第4の各画像形成ユニット51b,5
1c,51dにおける各転写位置での温度Ti’を求め
る。その温度情報Ti’をもとに、前述した第2の実施
形態(図9参照)と同様の演算処理により各画像形成ユ
ニットでの画像位置誤差を予測する。その結果、第2の
実施形態における図10に示す実験結果と同様な色ずれ
低減効果を得ることができる。
【0056】
【表1】
【0057】図13は、本発明に係る第4の実施形態を
示す、カラー画像形成装置の概略構成図である。この実
施形態では、図1に示した第1の実施形態の構成に加
え、各画像形成ユニット51a〜51dを一体に支持す
る支持板6が設置されており、その支持板6の温度を検
出する温度検出装置86が、その支持板6の内面に設置
されている。温度検出と画像形成位置補正の動作は図1
に示す第1の実施形態の場合と同様である。
【0058】画像位置誤差予測装置82では、2つの温
度検出装置81,86双方からの出力をもとに、例えば
以下のような演算処理により画像形成位置誤差を予測す
る。 (3−1)温度検出装置81から出力された、温度に対
応したアナログ電圧を所定時間ごとにサンプリングし
て、あらかじめ把握されている温度検出装置81の特性
から適当な変換によりディジタル温度情報Tbを得る。 (3−2)この温度Tbを、装置のタイミング生成の基
準となっている基準温度Trefと比較し、温度差ΔT
bを得る: ΔTb=Tb−Tref (3−3)温度差ΔTbに中間転写ベルト材料71の熱
膨張係数αを乗ずることにより、基準長さに対する熱膨
張率δbを算出する: δb=ΔTb×α (3−4)支持板6に設置した温度検出装置86からの
出力について(3−1)〜(3−3)と同様にして熱膨
張率δfを算出する: ΔTf=Tf−Tref δf=ΔTf×α (3−5)2つの熱膨張率δb,δfそれぞれと、第1
画像形成ユニット51aの一次転写ポイントを基準とす
る各画像形成ユニット51b〜51dの一次転写ポイン
トまでの距離d12,d13,d14を掛け合わせた上で差分
を求めることで、各画像形成ユニットにおける熱膨張量
Δd12,Δd13,Δd14を算出する: Δd12=δb×d12−δf×d12 Δd13=δb×d13−δf×d13 Δd14=δb×d14−δf×d14 (3−6)得られた熱膨張量Δd12、Δd13、Δd14
画像位置誤差として出力する。
【0059】このような構成及び動作により、支持板6
の熱膨張を考慮した、画像位置誤差を予測できる。図1
4は、本発明に係る第5の実施形態を示す、カラー画像
形成装置の概略構成図である。この実施形態では、図1
に示す第1の実施形態における温度検出装置81に加
え、さらに各画像形成ユニット51b〜51dの各近傍
に各温度検出装置87,88,89が設置されている。
さらに温度検出装置81,87,88,89と画像位置
誤差予測装置82の間に、検出した温度情報を記憶する
検出温度情報記憶装置85が設置されている。温度検出
と画像形成位置補正の動作は図1に示す第1の実施形態
の場合と同様である。
【0060】検出温度情報記憶装置85内には温度検出
装置87,88,89からの時系列的な温度情報のうち
の一定量が記録される。画像位置誤差予測装置82で
は、検出温度情報記憶装置85に蓄えられたデータをも
とに、例えば以下のような演算処理により画像形成位置
誤差を予測する。 (4−1)検出温度情報記憶装置85内に蓄えられた2
つの時刻i−1とiにおける、各画像形成ユニットにお
ける温度T1i-1 ,T2i-1 ,T3i-1 ,T4i- 1 ,T
i ,T2i ,T3i ,T4i を得る。 (4−2)T1i-1 等から先の実施形態の場合と同様の
手順で各画像形成ユニットにおける熱膨張量Δ
12,i-1、Δd13,i-1、Δd14,i-1、Δd12,i、Δ
13, i ,Δd14, i を算出する。
【0061】T’=a×x+b (4−3)求めた熱膨張量から時刻と熱膨張量の関係を
示す一次式を算出する: Δl=a×ti+b (a、bはΔd12,i-1、Δd12,iから求めた係数) (4−4)上式より時刻i+1における熱膨張量Δd
12,i+1, ,Δd13,i+1、Δd14,i+1を算出する。
【0062】Δd1j=aj ×ti+bj (j:1〜4) (4−5)得られた熱膨張量Δd12,i+1、Δd13,i+1
Δd14,i+1を画像位置誤差として出力する。本発明者
は、図18に示したような画像位置ずれに対し、図14
に示す第5の実施形態による改善効果を確認する実験を
行った。実験条件は第1の実施形態における実験条件と
同様である。
【0063】得られた画像位置ずれと色ずれを図15に
示す。図18,図3の色ずれと比較すると、本実施形態
では初期の温度変化が大きい部分について低減効果が大
きいことが分かる。これは、過去の情報から予測を行っ
た効果によるものである。なお、本実施形態では2つの
時刻における温度情報を用いて線形近似により予測を行
ったが、3つ以上の時刻における温度情報を用い、場合
によって多項式近似したり、指数関数近似したり、その
組合せを用いることで、より精度の高い予測が可能であ
る。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装置内の実際の温度情報から熱膨張により発生する画像
形成位置ずれを精度良く補正でき、比較的低コストで、
高速に、画像品質の良い、特にカラー画像の場合、色ず
れのない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を
示す構成図である。
【図2】画像書込開始信号をずらした状態を示したタイ
ミングチャートである。
【図3】図1に示す第1の実施形態における画像位置ず
れと色ずれを示す図である。
【図4】図1に示す第1の実施形態における画像位置ず
れと色ずれを示す図である。
【図5】温度に応じて画像データそのものを編集し直す
例を示す模式図である。
【図6】潜像書込位置調整機構の各例を示す模式図であ
る。
【図7】感光体ベルトの、潜像書込位置と転写位置との
間の距離を調整する機構の例を示した図である。
【図8】転写位置調整機構の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を
示す構成図である。
【図10】図9に示す第2の実施形態における画像位置
ずれと色ずれを示す図である。
【図11】図9に示す第2の実施形態における画像位置
ずれと色ずれを示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係る画像形成装置を
示す構成図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置
を示す構成図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置
を示す構成図である。
【図15】図14に示す第5の実施形態における画像位
置ずれと色ずれを示す図である。
【図16】従来の画像形成装置を示す構成図である。
【図17】図16に示す従来の画像形成装置における、
中間転写ベルトの温度上昇を示す図である。
【図18】図16に示す従来の画像形成装置における画
像位置ずれと色ずれを示す図である。
【符号の説明】
1 カラー画像形成装置本体 2 画像読取装置 5 画像信号処理装置 6 支持板 7 中間転写ベルトユニット 21 プラテンガラス 22 光源 23 第1走査ミラー 24 第2走査ミラー 25 結像レンズ 26 カラーCCDセンサー 51a〜51d 画像形成ユニット 52a〜52d ベルト状感光体 53a〜53d 駆動ロール 54a〜54d ばね 55a〜55d テンションロール 56a〜56d アイドラーロール 57a〜57d 一次帯電器 58a〜58d レーザービーム走査装置 59a〜59d 現像装置 60a〜60d クリーニング装置 71 中間転写ベルト 72 駆動ロール 73 テンションロール 74,75 アイドラーロール 76a〜76d 一次転写用帯電器 81,84,86,87,88,89 温度検出装置 82 画像位置誤差予測装置 83 画像形成位置補正装置 85 温度情報記憶装置 90 転写定着装置 91 記録用紙 92 給紙カセット 93 給送ロール 94 レジストロール 95 用紙搬送装置 96 トレイ 100 原稿

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方向に循環移動する、潜像が形成
    される潜像担持体、所定の書込位置において、循環移動
    する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込む潜
    像書込手段、該潜像担持体上に形成された潜像をトナー
    で現像することにより、該潜像担持体上にトナー像を形
    成する現像手段、所定の方向に循環移動する、所定の転
    写位置において前記潜像担持体に近接もしくは接触して
    該潜像担持体上に形成されたトナー像の転写を受ける中
    間転写体、および前記転写位置において、前記潜像担持
    体上に形成されたトナー像を前記中間転写体上に転写す
    る転写手段を備え、前記潜像担持体上に形成されたトナ
    ー像を一旦前記中間転写体上に転写した後に、該中間転
    写体上のトナー像の、所定の画像形成媒体への転写を行
    なう画像形成装置において、 前記中間転写体の温度、ないし該中間転写体の温度と相
    関のある温度を示す部分の温度を測定する温度測定手段
    を備え、 前記潜像書込手段が、前記温度測定手段で測定された温
    度に応じて、前記潜像担持体上への潜像の書込みのタイ
    ミング制御を行なうタイミング制御手段を含むものであ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 所定の方向に循環移動する、潜像が形成
    される潜像担持体、所定の書込位置において、循環移動
    する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込む潜
    像書込手段、該潜像担持体上に形成された潜像をトナー
    で現像することにより、該潜像担持体上にトナー像を形
    成する現像手段、所定の画像形成媒体を保持して所定の
    方向に循環移動する、所定の転写位置において前記潜像
    担持体に近接もしくは接触する画像形成媒体保持体、お
    よび前記転写位置において、前記潜像担持体上に形成さ
    れたトナー像を前記画像形成媒体保持体に保持された画
    像形成媒体上に転写する転写手段を備えた画像形成装置
    において、 前記画像形成媒体保持体の温度、ないし該画像形成媒体
    保持体の温度と相関のある温度を示す部分の温度を測定
    する温度測定手段を備え、 前記潜像書込手段が、前記温度測定手段で測定された温
    度に応じて、前記潜像担持体上への潜像の書込みのタイ
    ミング制御を行なうタイミング制御手段を含むものであ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記タイミング制御手段が、画像信号の
    送出タイミングを制御することにより、前記タイミング
    制御を行なうものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記タイミング制御手段が、前記書込位
    置を変更することにより、前記タイミング制御を行なう
    ものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像
    形成装置。
  5. 【請求項5】 所定の方向に循環移動する、潜像が形成
    される潜像担持体、所定の書込位置において、循環移動
    する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込む潜
    像書込手段、該潜像担持体上に形成された潜像をトナー
    で現像することにより、該潜像担持体上にトナー像を形
    成する現像手段、所定の方向に循環移動する、所定の転
    写位置において前記潜像担持体に近接もしくは接触して
    該潜像担持体上に形成されたトナー像の転写を受ける中
    間転写体、および前記転写位置において、前記潜像担持
    体上に形成されたトナー像を前記中間転写体上に転写す
    る転写手段を備え、前記潜像担持体上に形成されたトナ
    ー像を一旦前記中間転写体上に転写した後に、該中間転
    写体上のトナー像の、所定の画像形成媒体への転写を行
    なう画像形成装置において、 前記中間転写体の温度、ないし該中間転写体の温度と相
    関のある温度を示す部分の温度を測定する温度測定手
    段、および前記温度測定手段で測定された温度に応じ
    て、前記潜像担持体上に形成されたトナー像の、前記中
    間転写体上への転写のタイミング制御を行なうタイミン
    グ制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記タイミング制御手段が、前記書込位
    置と前記転写位置との間の、前記中間転写体の長さを調
    節することにより、前記タイミング制御を行なうもので
    あることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 所定の方向に循環移動する、潜像が形成
    される潜像担持体、所定の書込位置において、循環移動
    する潜像担持体上に画像信号に基づく潜像を書き込む潜
    像書込手段、該潜像担持体上に形成された潜像をトナー
    で現像することにより、該潜像担持体上にトナー像を形
    成する現像手段、所定の画像形成媒体を保持して所定の
    方向に循環移動する、所定の転写位置において前記潜像
    担持体に近接もしくは接触する画像形成媒体保持体、お
    よび前記転写位置において、前記潜像担持体上に形成さ
    れたトナー像を前記画像形成媒体保持体に保持された画
    像形成媒体上に転写する転写手段を備えた画像形成装置
    において、 前記画像形成媒体保持体の温度、ないし該画像形成媒体
    保持体の温度と相関のある温度を示す部分の温度を測定
    する温度測定手段、および前記温度測定手段で測定され
    た温度に応じて、前記潜像担持体上に形成されたトナー
    像の、前記画像形成媒体保持体に保持された画像形成媒
    体上への転写のタイミング制御を行なうタイミング制御
    手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記タイミング制御手段が、前記書込位
    置と前記転写位置との間の、前記画像形成媒体保持体の
    長さを調節することにより、前記タイミング制御を行な
    うものであることを特徴とする請求項7記載の画像形成
    装置。
  9. 【請求項9】 前記タイミング制御手段が、前記転写位
    置を変更することにより、前記タイミング制御を行なう
    ものであることを特徴とする請求項5又は7記載の画像
    形成装置。
  10. 【請求項10】 前記潜像担持体を複数備え、前記中間
    転写体が、これら複数の潜像担持体それぞれに対応する
    各転写位置を経由して循環移動しこれら複数の潜像担持
    体それぞれに形成されたトナー像の多重転写を受けるも
    のであって、 前記タイミング制御手段が、前記複数の潜像担持体のう
    ち高々1つを除く潜像担持体それぞれについて前記タイ
    ミング制御を行なうものであることを特徴とする請求項
    1又は5記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記温度測定手段が、前記中間転写体
    の循環移動に沿う方向に離れた複数箇所の温度を測定す
    るものであることを特徴とする請求項10記載の画像形
    成装置。
  12. 【請求項12】 前記潜像担持体を複数備え、前記画像
    形成媒体保持体が、これら複数の潜像担持体それぞれに
    対応する各転写位置を経由して循環移動し該画像形成媒
    体保持体に保持された画像形成媒体上にこれら複数の潜
    像担持体それぞれに形成されたトナー像の多重転写を受
    けるものであって、 前記タイミング制御手段が、前記複数の潜像担持体のう
    ち高々1つを除く潜像担持体それぞれについて前記タイ
    ミング制御を行なうものであることを特徴とする請求項
    2又は7記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記温度測定手段が、前記画像形成媒
    体保持体の循環移動に沿う方向に離れた複数箇所の温度
    を測定するものであることを特徴とする請求項12記載
    の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6219496B1 (en) 1998-12-18 2001-04-17 Fujitsu Limited Image forming apparatus
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US9633285B2 (en) 2014-04-30 2017-04-25 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus that performs color misregistration correction or density correction

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