JPH09166500A - 水温計ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁モールドコネクタと金属製ケースとの回
りトルクが大きく、絶縁モールドコネクタの座屈や、金
属製ケースの応力腐食割れを生じない信頼性の高い水温
計ユニットを提供することを目的とする。 【解決手段】 内周面と座面にローレット加工部１０
ａ，１０ｂを備えた金属リング１０を、絶縁モールドコ
ネクタ８の外周に配し、金属製ケース１の開口部をかし
めにより固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のエンジ
ン冷却水等の温度検出を行うために使用する水温計ユニ
ットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の水温計ユニットの構成を示
す断面図、図４は図３に示す従来例の部分拡大図、図５
は別の従来例の構成を示す断面図である。図３におい
て、１は一端が開口した金属製ケース、２は金属製ケー
ス１の径小孔の内部底面に収納されたサーミスタ素子、
３はスプリング受け用端子、４はスプリング受け用端子
３を介してサーミスタ素子２を金属製ケース１に圧接す
るスプリングである。５は金属製ケース１とサーミスタ
素子２、スプリング受け用端子３、スプリング４との間
を絶縁する絶縁筒、６は金属製ケース１の径小孔と径大
孔との境界段部に挿入された、外部よりの水分等の浸入
を防止するためのシール用ゴムパッキンである。７はス
プリング４の他端と接するように金属製ケース１の開口
部に設けられた外部接続用端子、８はコネクタ部８ａと
絶縁モールド部８ｂを備えた端子保持用の絶縁モールド
コネクタである。つまり、サーミスタ素子２、スプリン
グ受け用端子３、スプリング４、絶縁筒５、シール用ゴ
ムパッキン６、および外部接続用端子７がスプリング圧
に抗して、金属製ケース１内に一体化され、金属製ケー
ス１の開口端の全周をかしめることにより、絶縁モール
ド部８ｂが金属製ケース１の径大孔の座面に突き当たっ
た状態で固定された構成であった。図４に、前記従来例
の絶縁モールド部８ｂと金属製ケース１との突き当て面
の部分拡大図を示す。ここで絶縁モールド部８ｂは、か
しめ固定による加圧力により、金属製ケース１との突き
当て部にて塑性変形を起こし、座屈している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、水温計ユニットに要求される、絶縁モ
ールドコネクタ８と金属製ケース１との回りトルクを確
保するために、絶縁モールドコネクタ８と金属製ケース
１をかしめ固定する際に大きな加圧力を必要とするた
め、この加圧力により、絶縁モールド部８ｂに図４に示
すような座屈部８ｃが生じ、前記座屈部８ｃによりシー
ル用ゴムパッキン６を必要以上に圧縮し、損傷させてし
まうという問題があった。又、絶縁モールドコネクタ８
のコネクタ部８ａは、薄肉部分が多い形状となってお
り、コネクタ部８ａの強度性能を確保するためには、絶
縁モールドコネクタ８を形成する熱可塑性樹脂の硬度を
低くし、柔軟性をもたせる必要があり、絶縁モールドコ
ネクタ８の座屈量が増大するという問題があった。そこ
で、上記問題点を解決するために、絶縁モールドコネク
タ８と金属製ケース１をかしめ固定する際の加圧力を小
さくして絶縁モールドコネクタ８の座屈を抑えるべく、
その一部に図５に示すような凹加工部９を施すことによ
り絶縁モールドコネクタ８と金属製ケース１との回りト
ルクを確保するという考案もされているが、凹加工部９
に応力が集中するため、長期間使用のうちに凹加工部９
より応力腐食割れが生じやすいという問題があった。

【０００４】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、絶縁モールドコネクタと金属製ケースとの回りトル
クとコネクタ部の強度が高く、絶縁モールド部の座屈や
金属製ケースの応力腐食割れを生じない水温計ユニット
を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の水温計ユニットは、内周面と座面にローレッ
ト加工部を備えた金属リングが絶縁モールドコネクタの
外周に配し、前記金属リング部の金属製ケースの開口端
でかしめ加工を行うものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１の構成によっ
て、絶縁モールドコネクタを金属製ケースにかしめ固定
する際の加圧力は、前記絶縁モールドコネクタの外周に
配した金属リングに作用するために、前記絶縁モールド
コネクタの座屈は無くなり、前記金属リングの座面に施
したローレット加工部は、前記金属製ケースとの摩擦力
を増大させ、前記金属リングの内周面に施したローレッ
ト部は前記絶縁モールドコネクタとの摩擦力を増大させ
る。この結果、前記絶縁モールドコネクタと前記金属製
ケースとの回りトルクが高いものが得られ、前記絶縁モ
ールドコネクタは、硬度が低く柔軟な材料が選べるため
に、コネクタ部の強度を高くすることができる。又、前
記回りトルクを補強するための凹加工を前記金属製ケー
スに施す必要性がなくなるので、応力集中を生じること
も避けることができ、応力腐食割れの生じにくい水温計
ユニットを得ることができる。

【０００７】以下、本発明の一実施形態について、図１
を用いて説明する。図１において、１は一端が開口した
金属製ケース、２は金属製ケース１の径小孔の内部底面
に収納されたサーミスタ素子、３はスプリング受け用端
子、４はスプリング受け用端子３を介してサーミスタ素
子２を金属製ケース１に圧接するスプリングである。５
は金属製ケース１とサーミスタ素子２、スプリング受け
用端子３、スプリング４との間を絶縁する絶縁筒、６は
金属製ケース１の径小孔と径大孔との境界段部に挿入さ
れた、外部よりの水分等の浸入を防止するためのシール
用ゴムパッキンである。７はスプリング４の他端と接す
るように金属製ケース１の開口部に設けられた外部接続
用端子、８はコネクタ部８ａと絶縁モールド部８ｂを備
え、絶縁モールド部８ｂの外周面に金属リング１０を一
体成形により配した絶縁モールドコネクタである。つま
り、サーミスタ素子２、スプリング受け用端子３、スプ
リング４、絶縁筒５、シール用ゴムパッキン６、および
外部接続用端子７がスプリング圧に抗して金属製ケース
１内に一体とされ、金属製ケース１の開口端に全周かし
めを施し、金属リング１０の座面が金属製ケース１の径
大孔の座面に突き当たった状態で固定されている。

【０００８】図２は本発明に用いた金属リング１０の斜
視図である。金属リング１０の内周面にはローレット加
工部１０ａが、金属リング１０の座面にはローレット加
工部１０ｂが設けてある。

【０００９】本実施形態によれば、絶縁モールドコネク
タ８を金属製ケース１にかしめ固定する際の加圧力は、
金属リング１０に作用することになり、絶縁モールドコ
ネクタ８の座屈を無くすることができる。またローレッ
ト加工部１０ｂにより、金属製ケース１との摩擦力が増
大し、ローレット加工部１０ａにより、絶縁モールドコ
ネクタ８との摩擦力が増大することにより、絶縁モール
ドコネクタ８と金属製ケース１との回りトルクを高くす
ることができる。さらに絶縁モールドコネクタ８は、座
屈の心配がないので、硬度が低く柔軟な材料を使用する
ことができ、コネクタ部の強度を高くすることができ
る。又、前記回りトルクを補強するための凹加工を金属
製ケース１に施す必要性がないので、応力集中を生じる
ことを避けることができ、応力腐食割れの生じにくい水
温計ユニットを得ることができる。

【００１０】

【発明の効果】以上のように本発明は、内周面と座面に
ローレット加工部を備えた金属リングが絶縁モールドコ
ネクタの外周に配し、前記金属リング部の金属製ケース
の開口端をかしめるものであって、前記絶縁モールドコ
ネクタが座屈することがなく、高い回りトルクが得ら
れ、さらに、金属製ケースの応力腐食割れの生じにく
い、優れた水温ユニットを実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態における水温計ユニットの
構成を示す断面図

【図２】同実施形態の金属リングの斜視図

【図３】従来の水温計ユニットの構成を示す断面図

【図４】図３に示す従来例の部分拡大断面図

【図５】他の従来例の構成を示す断面図

【符号の説明】

１ 金属製ケース ２ サーミスタ素子 ３ スプリング受け用端子 ４ スプリング ５ 絶縁筒 ６ シール用ゴムパッキン ７ 外部接続用端子 ８ 絶縁モールドコネクタ ８ａ コネクタ部 ８ｂ 絶縁モールド部 １０ 金属リング １０ａ，１０ｂ ローレット加工部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が開口した、金属製ケース内部にサ
   ーミスタ素子を収納し、この金属製ケースの開口部に、
   絶縁モールドコネクタを、ゴムパッキンを介して挿入
   し、この絶縁モールドコネクタの外周に沿って、内周面
   と座面にローレット加工部を有する金属リングを配し、
   この金属リング部の前記金属製ケースの開口端を絶縁モ
   ールドコネクタ側にかしめてなる水温計ユニット。