JPH09165439A - 塗料用共重合ポリエステル樹脂 - Google Patents

塗料用共重合ポリエステル樹脂

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JPH09165439A
JPH09165439A JP32595595A JP32595595A JPH09165439A JP H09165439 A JPH09165439 A JP H09165439A JP 32595595 A JP32595595 A JP 32595595A JP 32595595 A JP32595595 A JP 32595595A JP H09165439 A JPH09165439 A JP H09165439A
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JP
Japan
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mol
acid
dicarboxylic acid
component
resin
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JP32595595A
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English (en)
Inventor
Yoichi Nagai
陽一 永井
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Takayuki Tajiri
象運 田尻
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料、特に飲用缶、美装缶等に用いられる金
属板のオーバーコートクリヤー塗料のベースレジンとし
て有用な、硬度、加工性、耐水性、密着性及びウェット
インキへの適性に優れた共重合ポリエステル樹脂の提
供。 【解決手段】 (A)芳香族ジカルボン酸(a−1)8
0〜100モル%および芳香族ジカルボン酸以外のジカ
ルボン酸(a−2)0〜20モル%からなる酸成分と、
(B)特定構造のジオール(b−1)0〜50モル%、
1,4−シクロヘキサンジメタノール(b−2)1〜5
0モル%、分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物
(b−3)0.5〜20モル%、他の2価以上の多価ア
ルコール(b−4)30〜98.5モル%からなるアル
コール成分よりなり、数平均分子量が3,000〜5
0,000であることを特徴とする塗料用共重合ポリエ
ステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、共重合ポリエステル樹脂に関
し、より詳しくは塗料、特に飲用缶、美装缶等に用いら
れる金属板のオーバーコートクリヤー塗料のベースレジ
ンとして有用な、硬度、加工性、耐水性、密着性及びウ
ェットインキへの適性に優れた共重合ポリエステル樹脂
に関する。
【0002】
【従来の技術】チョコレート、ビスケット、海苔等の包
装用美装缶や石油缶等に用いられる金属加工物の表面に
は、錆の防止や美観の目的から塗膜が形成されている。
通常、これらの塗膜は、金属板にまずアンダーコート
(ホワイトコート)等を塗装し、次いで文字・図柄等の
印刷をして、更に透明のオーバーコートクリヤー塗料を
塗装することによって形成される。
【0003】従来は、前記塗装の各工程毎に焼き付け、
硬化が行われていたが、今日では生産性向上のため印刷
インキ塗布後に印刷インキが未硬化のまま、次の工程の
オーバーコートクリア塗料を塗布し、焼き付ける塗膜形
成方法が多く行われるようになってきている。しかし、
未硬化のインキ層の上にオーバーコートクリア塗料を塗
布すると、インキがオーバーコートクリア塗料と一緒に
流れ、特に印刷部分の縁ではインキが「ひげ」を生やし
たように流れる、いわゆる「ブリード現象」や、印刷部
の縁に段差が出来る、いわゆる「エンボス現象」と称さ
れるウェットインキへの適性に劣るという問題を有して
いた。
【0004】また、例えば缶に用いられる金属板は、イ
ンキ及びオーバーコートクリヤ塗料を塗布、硬化後にそ
れぞれの用途に適した金属加工物に加工されるために、
オーバーコートクリヤ塗料には高い加工性が要求され
る。
【0005】一般に、これらオーバーコートクリア塗料
には、ウェットインキへの適性の比較的良好なアクリル
系又はエポキシエステル系樹脂を主成分とするものが使
用されているが、これらの樹脂は加工性が劣るために、
塗膜に「ワレ・ハガレ」の問題が生じやすいという欠点
を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、加工性に優れる
オーバーコートクリヤー塗料として、ポリエステル樹脂
が使用されるようになってきているが、ウェットインキ
への適性が不十分であるという欠点を有する。
【0007】本発明の目的は、塗料、特に飲用缶、美装
缶等に用いられる金属板のオーバーコートクリヤー塗料
のベースレジンとして有用な、硬度、加工性、耐水性、
密着性及びウェットインキへの適性に優れた共重合ポリ
エステル樹脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、酸成分およびア
ルコール成分に特定量の特定成分を使用し、特定範囲の
分子量を有する共重合ポリエステル樹脂がその目的を達
成できることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(A)芳香族ジカル
ボン酸(a−1)80〜100モル%および芳香族ジカ
ルボン酸以外のジカルボン酸(a−2)0〜20モル%
からなる酸成分と、(B)下記一般式(1)で示される
ジオール(b−1)0〜50モル%、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール(b−2)1〜50モル%、分子内
にエポキシ基を2個以上有する化合物(b−3)0.5
〜20モル%、他の2価以上の多価アルコール(b−
4)30〜98.5モル%からなるアルコール成分より
なり、数平均分子量が3,000〜50,000である
ことを特徴とする塗料用共重合ポリエステル樹脂にあ
る。
【0010】
【化2】
【0011】式中R1は炭素数3以下のアルキレン基、
mおよびnは自然数であり、2≦m+n≦7である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の共重合ポリエステル樹脂
を構成する酸成分(A)は、芳香族ジカルボン酸(a−
1)と芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸(a−
2)(以下、他のジカルボン酸(a−2)と略記す
る。)からなる。
【0013】酸成分(A)として使用される芳香族ジカ
ルボン酸(a−1)は、塗膜に硬度、耐汚染性、耐水性
を付与するための成分であり、酸成分(A)中80〜1
00モル%の範囲で含有される。これは、芳香族ジカル
ボン酸(a−1)の量が80モル%未満では、塗膜の硬
度、耐汚染性、耐水性が低下するためであり、好ましく
は85〜100モル%の範囲である。芳香族ジカルボン
酸(a−1)としては、例えば、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの酸無
水物、酸ハロゲン化物または低級アルキルエステル等が
挙げられる。芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステ
ルの例としては、メチル、エチル、プロピルまたはブチ
ル等のエステルが挙げられるが、コストおよびハンドリ
ングの点からメチルエステルの使用が好ましい。これら
の芳香族ジカルボン酸(a−1)は、1種または2種以
上を併用して用いることができる。
【0014】また、酸成分(A)として使用される他の
ジカルボン酸(a−2)は、必要に応じて適宜選択して
使用されるものであり、酸成分(A)中0〜20モル%
の範囲で含有される。これは、他のジカルボン酸(a−
2)の量が20モル%を超えると、塗膜の硬度、耐汚染
性、耐水性が低下するためであり、好ましくは0〜15
モル%の範囲である。他のジカルボン酸(a−2)とし
ては、例えば、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、マレ
イン酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸等の脂肪
族ジカルボン酸およびそれらの酸無水物、酸ハロゲン化
物または低級アルキルエステル等、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸等の脂環式ジカルボン酸およびそれらの酸無水物、
酸ハロゲン化物または低級アルキルエステル等が挙げら
れる。これらは1種でまたは2種以上を併用して用いる
ことができる。
【0015】本発明の共重合ポリエステル樹脂を構成す
るアルコール成分(B)は、上記一般式(1)で示され
るジオール(b−1)、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール(b−2)、分子内にエポキシ基を2個以上有す
る化合物(b−3)、他のジオール(b−4)からな
る。
【0016】本発明において使用される上記一般式
(1)で示されるジオール(b−1)は、塗膜に耐水
性、耐食性を付与する成分であり、アルコール成分
(B)中0〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、
より好ましくは10〜30モル%の範囲で含有される。
ジオール(b−1)の含有量が50モル%を超えると樹
脂の加工性が低下する。上記一般式(1)に示されるジ
オールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ドあるいはプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジ
オールを挙げることができる。これらは1種または2種
以上を併用して用いることができる。
【0017】1,4−シクロヘキサンジメタノール(b
−2)は、塗膜に硬度、耐候性、耐薬品性、耐水性、ウ
ェットインキへの適性を付与する成分であり、アルコー
ル成分(B)中1〜50モル%の範囲で含有される。こ
れは、(b−2)成分の含有量が1モル%未満では上記
塗膜性能の向上の効果が低く、50モル%を超えると塗
膜の加工性が低下するためである。好ましくは5〜45
モル%、より好ましくは10〜40モル%の範囲であ
る。
【0018】本発明において使用される1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール(b−2)は、シス体とトランス
体の混合物であり、その比率が50:50≦シス体:ト
ランス体≦10:90の範囲であるものが好ましい。
【0019】本発明において使用される、分子内にエポ
キシ基を2個以上有する化合物(b−3)は、塗膜に加
工性、耐水性、密着性およびウェットインキへの適性を
付与する成分である。化合物(b−3)は、本発明の塗
料用共重合ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分
に相当し、かつ該共重合ポリエステル樹脂に架橋構造を
付与するものである。すなわち、化合物(b−3)成分
のエポキシ基は、本発明の酸成分(A)と反応すること
によって、該共重合ポリエステル樹脂の主鎖を構成する
エステル結合を形成するとともに反応性水酸基を生成
し、さらにこの水酸基が架橋構造を付与するということ
である。よって、化合物(b−3)はエポキシ基を2個
以上有することが必要となる。
【0020】本発明の化合物(b−3)は、アルコール
成分(B)中0.5〜20モル%の範囲で含有される。
これは、化合物(b−3)の含有量が0.5モル%未満
では、上記塗膜性能の向上の効果が低く、20モル%を
超えて含有させようとすると得られるポリエステル樹脂
の重合安定性が低下し、目的とする分子量のものを得る
ことが困難となるからである。好ましくは0.5〜15
モル%、より好ましくは1〜10モル%の範囲である。
【0021】本発明において、化合物(b−3)として
は、例えば、トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエー
テル、トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、ビス
フェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノール
Fのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキサイド付加物のジグリシジル
エーテル、水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル等が挙げられ、要求される塗膜性能に応じて任意に選
択することができる。これらは1種でまたは2種以上を
併用して用いることができる。
【0022】本発明において使用される他の2価以上の
多価アルコール(b−4)は、必要に応じて適宜選択し
て使用されるものであり、アルコール成分(B)中30
〜98.5モル%の範囲で含有される。他の2価以上の
多価アルコール(b−4)が30モル%未満では、塗膜
の加工性が低下したり、目的とする分子量の樹脂を得る
ことが困難となり、98.5モル%を超えると塗膜の硬
度、加工性、耐水性、密着性及びウェットインキへの適
性が不十分となる。好ましくは、35〜90モル%、よ
り好ましくは40〜80モル%の範囲である。
【0023】他の2価以上の多価アルコール(b−4)
としては、例えばエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプ
タンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオー
ル、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、庶
糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペン
タントリオール、グリセロール、2−メチルプロパント
リオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以
上のアルコール、末端に水酸基を2個有するポリカプロ
ラクトンジオール、例えばダイセル化学工業(株)製品
のプラクセル205、208、210、212、22
0、230、240等、あるいは末端に水酸基を3個有
するポリカプロラクトントリオール、例えばダイセル化
学工業(株)製品のプラクセル303、305、30
6、308、312、320等が挙げられる。これらは
1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0024】以上ような各構成単位からなる本発明の塗
料用共重合ポリエステル樹脂においては、数平均分子量
が3,000〜50,000であることが必要であり、
好ましくは4,000〜40,000、より好ましくは
5,000〜30,000の範囲である。これは、数平
均分子量が3,000未満では得られる塗膜の性能が全
体的に低位となり、一方、50,000を超えると、得
られる塗料の粘度が高くなり、取り扱いが困難となるた
めである。
【0025】本発明の共重合ポリエステル樹脂の製造方
法は、特に限定はされないが、例えば、以下に述べるよ
うな公知の重合方法が適用できる。まず、使用する各モ
ノマーを反応釜に仕込、加熱昇温することにより、エス
テル化反応またはエステル交換反応を行い、この反応で
生じた水またはアルコールを除去する。この時必要に応
じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイ
ド、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸亜鉛等の通
常のエステル化反応またはエステル交換反応で使用され
るエステル化触媒を使用することができる。
【0026】次いで、引き続き重縮合反応を行うが、こ
のとき150mmHg以下の真空下でジオール成分を留
出除去させながら重合を行う。また、重合に際しては公
知の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルス
ズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸
化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等を用いることが出
来る。また、重合温度、触媒量については特に限定され
るものではなく、必要に応じて任意に設定すればよい。
【0027】なお、上記の重合方法で本発明の共重合ポ
リエステル樹脂を製造する場合には、上記(b−3)成
分は、縮合反応時に加えるのが好ましい。これは、上記
(b−3)成分をエステル化反応またはエステル交換反
応時に使用すると、上記(b−3)成分が分解しやすい
傾向にあるためである。
【0028】本発明により得られる共重合ポリエステル
樹脂は、塗料、特に飲用缶、美装缶等に用いられる金属
板のオーバーコートクリヤー塗料のベースレジンとして
有用であり、さらに目的、要求される性能に応じてメラ
ミン樹脂、イソシナート化合物、ブロックイソシアナー
ト化合物などの架橋剤やエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、繊維素系樹脂等を
配合して使用することができる。
【0029】また、ストロンチウムクロメート、亜鉛ク
ロメート等の防錆顔料、表面平滑剤、消泡剤等やチタ
ン、シリコン系などのカップリング剤等も配合すること
ができる。
【0030】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、有機
溶剤に溶解されて使用され、使用できる有機溶剤として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ミネラルターペ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、イソホロ
ン、メタノール、エタノール、ブタノール、ソルベッソ
100、150等の各種溶剤を使用できるが、これらの
中から溶解性および蒸発速度などを考慮して、1種また
は2種以上の混合物を選択して使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定され
るものではない。なお、以下の実施例および比較例にお
ける性能の評価は以下の方法を用いて行った。
【0032】(1)樹脂組成分析 NMRで組成分析を行った。
【0033】(2)数平均分子量 GPCポリスチレン換算による数平均分子量を求めた。
【0034】(3)鉛筆硬度 塗膜の硬度をJIS S−6006に規定された高級鉛
筆を用い、JIS K−5400に従って測定した。
【0035】(4)ウェットインキへの適性 インキのブリード現象、エンボス現象の程度を5点満点
で評価した。
【0036】 1:インキに極めて大きな変化が見られ、不良 2:インキに大きな変化が見られ、使用不可 3:インキに変化が見られるが、使用可能 4:インキに若干変化が見られるが、良好 5:インキに全く変化が見られず、極めて良好 (5)加工性 評価塗装板と同じ厚みの板を評価塗装板にはさみ万力で
締め付けて屈曲させ、その屈曲部の塗膜にクラックが発
生するかどうかで加工性を判定した(試験枚数各5
枚)。表中の数字はクラックの発生枚数を示す。
【0037】(6)耐水性 塗装板を50℃の温水に1週間浸漬した後の塗膜の状態
を評価した。
【0038】 ○:異常なし △:わずかに膨潤 ×:膨潤、白化 また、表中の略記号は以下の化合物を表わす。
【0039】 IPA:イソフタル酸 TPA:テレフタル酸 ADA:アジピン酸 SA:セバシン酸 EG:エチレングリコール NPG:ネオペンチルグリコール CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス
体:トランス体=32:68) DEG:ジエチレングリコール BPE:ビスフェノールAのエチレンオキサイド平均
2.3モル付加物 BPP:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド平均
2.3モル付加物 TMP:トリメチロールプロパン PEN:ペンタエリスリトール プラクセル308:ポリカプロラクトントリオール、ダ
イセル化学(株)製 プラクセル303:ポリカプロラクトントリオール、ダ
イセル化学(株)製 エポキシA:エチレングリコールジグリシジルエーテル エポキシB:ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル エポキシC:グリセロールポリグリシジルエーテル エポキシD:ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル エポキシE:ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル エポキシF:トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル [実施例1]イソフタル酸1.83モル部、テレフタル
酸1.83モル部、エチレングリコール0.87モル
部、ネオペンチルグリコール1.83モル部、1,4−
シクロヘキサンジメタノール0.55モル部、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド(平均2.3モル)付加
体0.74モル部及び酢酸亜鉛0.01モル部を反応容
器に仕込み、内温230℃以上265℃以下で水を留出
させながらエステル化反応を行った。エステル化反応物
が透明になっているのを確認した後、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル0.22モル部及び三酸化アン
チモン0.0016モル部を加え、内温を255℃以上
260℃以下にコントロールし、反応系内を30分かけ
て1.0mmHgまで減圧し、過剰のグリコール成分を
留出させながら縮合反応を1.5時間行った。得られた
共重合ポリエステル樹脂(A−1)をNMRで組成分析
を行った結果、イソフタル酸/テレフタル酸=50/5
0(モル%)、エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コール/1,4−シクロヘキサンジメタノール/ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド(平均2.3モル)付
加体/エチレングリコールジグリシジルエーテル=19
/40/15/20/6(モル%)であった。
【0040】この共重合ポリエステル樹脂(A−1)を
ソルベッソ100/ブチルセロソルブ=50/50(重
量比)の混合溶剤に溶解し、不揮発分が40%になるよ
うに調節した。
【0041】得られた樹脂溶液に、ポリエステル/ベン
ゾグアナミン=80/20(固形分比)になるよう配合
し、更に硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸をポリ
エステル+ベンゾグアナミン(固形分)に対して0.1
wt%となるように配合した。
【0042】得られたクリア塗料について以下の試験を
行った。0.3mm厚のブリキ板に膜厚10μmになる
ようポリエステル系のホワイトコーティング剤を塗布
し、180℃で10分間乾燥させこの上に乾性油アルキ
ッド樹脂をビヒクルの主成分とするインキを厚さが2μ
mになるように印刷し、インキが未硬化の状態(焼き付
けをしない)で上記のクリア塗料を膜厚8μmになるよ
うに塗布して、テストパネルを作成した。この塗膜性能
の評価結果を表3に示す。
【0043】[実施例2〜6]重合仕込み組成を表1の
ようにする以外は、実施例1と同様な操作を行い、共重
合ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−6)を得た。共
重合ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−6)のポリマ
ー仕込組成を表1に、樹脂組成分析結果および数平均分
子量の測定結果を表2に示す。
【0044】これらの共重合ポリエステルを実施例1と
同様の方法でテストパネルを作成し評価を行った。評価
結果を表3に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表中の数値はモル部
【0047】
【表2】
【0048】表中の数値はモル%
【0049】
【表3】
【0050】[比較例1〜6]重合仕込み組成を表4の
ようにする以外は、実施例1と同様な操作を行い、共重
合ポリエステル樹脂(A−7)〜(A−12)を得た。
なお、共重合ポリエステル樹脂(A−9)は、製造中に
ゲル化し、反応器から取り出すことができなかった。
【0051】共重合ポリエステル樹脂(A−7)〜(A
−12)のポリマー仕込組成を表4に、樹脂組成分析結
果および数平均分子量の測定結果を表5に示す。
【0052】これらの共重合ポリエステルを実施例1と
同様の方法でテストパネルを作成し評価を行った。評価
結果を表6に示す。
【0053】
【表4】
【0054】表中の数値はモル部
【0055】
【表5】
【0056】表中の数値はモル%
【0057】
【表6】
【0058】
【発明の効果】本発明の塗料用共重合ポリエステル樹脂
は、硬度、加工性、耐水性、密着性及びウェットインキ
への適性優れており、工業上非常に有益なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ジカルボン酸(a−1)8
    0〜100モル%および芳香族ジカルボン酸以外のジカ
    ルボン酸(a−2)0〜20モル%からなる酸成分と、
    (B)下記一般式(1)で示されるジオール(b−1)
    0〜50モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール
    (b−2)1〜50モル%、分子内にエポキシ基を2個
    以上有する化合物(b−3)0.5〜20モル%、他の
    2価以上の多価アルコール(b−4)30〜98.5モ
    ル%からなるアルコール成分よりなり、数平均分子量が
    3,000〜50,000であることを特徴とする塗料
    用共重合ポリエステル樹脂。 【化1】 式中R1は炭素数3以下のアルキレン基、mおよびnは
    自然数であり、 2≦m+n≦7である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008535996A (ja) * 2005-04-14 2008-09-04 ペルストルプ スペシヤルテイ ケミカルズ アーベー 空気乾燥ポリマー
JP2013538921A (ja) * 2010-09-30 2013-10-17 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 最新ポリエポキシエステル樹脂組成物

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